JPH0961821A

JPH0961821A - 表示装置

Info

Publication number: JPH0961821A
Application number: JP7215754A
Authority: JP
Inventors: Toshimitsu Matsudo; 利充松戸; Shinsaku Chiba; 眞作千葉; Momoko Anabuki; 桃子穴吹
Original assignee: Hitachi Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1995-08-24
Filing date: 1995-08-24
Publication date: 1997-03-07

Abstract

(57)【要約】【目的】平面寸法と厚さの外形寸法を縮小できる表示装
置を提供する。【構成】液晶表示素子６２の下に導光板３７を配置し、
導光板３７の中央部の下面に細長い凹部２を設け、この
凹部２の下に蛍光管３６を１本配置し、前記中央部から
蛍光管３６の中心軸と直角な方向の外方の両端部に向か
うにしたがって、導光板３７の厚さを薄くし、この薄く
した該両端部の下に、複数個の折り曲げたＴＣＰ６５の
端部と、該ＴＣＰ６５に搭載された駆動用ＩＣチップ３
４と、該ＴＣＰ６５に接続されたプリント基板３５とを
位置させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子等の各種
表示素子の下に、導光板と蛍光管とを含んで構成したバ
ックライトを有する表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】以下、バックライトを有する液晶表示装
置、エレクトロクロミック表示装置等種々の表示装置の
うち、液晶表示装置を例に挙げて説明するが、これに限
定されないことは言うまでもない。液晶表示装置は、例
えば、表示用の透明電極と配向膜等をそれぞれ積層した
面が対向するように所定の間隙を隔てて２枚のガラス等
からなる透明絶縁基板を重ね合わせ、該両基板間の周縁
部近傍に枠状（ロの字状）に設けたシール材により、両
基板を貼り合わせると共に、シール材の一部に設けた切
り欠け部である液晶封入口から両基板間のシール材の内
側に液晶を封入、封止し、さらに両基板の外側に偏光板
を設けて成る液晶表示素子（すなわち、液晶表示パネ
ル、ＬＣＤ：リキッドクリスタルディスプレイ(Liqui
d Crystal Display)）と、液晶表示素子の下に配置さ
れ、液晶表示素子に光を供給するバックライトと、液晶
表示素子の外周部の外側あるいは下側に配置した液晶駆
動用回路基板と、これらの各部材を保持するモールド成
形品である枠状体と、これらの各部材を収納し、表示窓
があけられた金属製フレーム等を含んで構成されてい
る。

【０００３】バックライトは、例えば、光源から発せら
れる光を光源から離れた方へ導き、液晶表示素子全体に
光を均一に照射するための透明のアクリル等の合成樹脂
板から成る導光板と、導光板の側面近傍に該側面に沿っ
て該側面と平行に配置した光源である冷陰極蛍光管等の
蛍光管と、蛍光管をそのほぼ全長にわたって覆い、断面
形状がほぼＵ字状で、その内面が白色または銀色のラン
プ反射シートと、導光板の上に配置され、導光板からの
光を拡散する拡散シートと、導光板の下に配置され、導
光板からの光を液晶表示素子の方へ反射させる反射シー
トとから構成される。

【０００４】また、蛍光管から導光板内に入射した光
は、導光板内を全反射しながら導光するが、拡散反射に
より導光板の上面から出射させるために、導光板の底面
には白色インキで印刷した複数個の光拡散用のドットパ
ターンや、導光板の底面に一体に形成した凸部や凹部が
規則正しく配置されている。

【０００５】なお、このような従来の液晶表示装置は、
例えば特公昭６０−１９４７４号公報や実開平４−２２
７８０号公報に記載されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従来の液晶表示装置で
は、例えば導光板の１側面、あるいは対向する２側面に
沿って蛍光管が配置され、可撓性駆動用回路基板に駆動
用半導体ＩＣチップを搭載したテープキャリアパッケー
ジ（ＴＣＰ）が液晶表示素子の端部に電気的に接続さ
れ、略コの字状に折り曲げられて、液晶表示素子の下に
配置されたバックライトの導光板の端部の下にそのＩＣ
チップ搭載部が収納されていた。

【０００７】このような構造では、導光板からの光によ
り、液晶表示素子の表示面を有効に照射しなければなら
ないことから、導光板は液晶表示素子とほぼ同じ大きさ
のため、導光板の側面近傍に配置される蛍光管が液晶表
示素子より外側にはみ出していた。このため、この蛍光
管を配置した側の液晶表示素子端部と接続されたＴＣＰ
を折り曲げる場合、蛍光管の外側を回すので、その分、
表示画面の周囲のいわゆる額縁部の面積が増加し、液晶
表示装置（すなわち、モジュール）の平面寸法が大きく
なる問題があった。

【０００８】また、同じ厚さの板状の導光板の端部の下
側に、駆動用ＩＣチップを配置するため、モジュールの
厚さを薄くできない問題があった。

【０００９】本発明の目的は、平面寸法と厚さの外形寸
法を縮小できる表示装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、表示素子の下に、導光板と蛍光管とを含
んで構成したバックライトを有する表示装置において、
前記表示素子の下に前記導光板を配置し、前記導光板の
中央部に前記蛍光管を少なくとも１本配置したことを特
徴とする。

【００１１】また、前記導光板を２個に分割し、この２
個の導光板をほぼ同一平面に配置し、その間に前記蛍光
管を少なくとも１本配置したことを特徴とする。

【００１２】また、前記表示素子の下に前記導光板を配
置し、前記導光板の下面、例えば中央部の下面に細長い
凹部を設け、前記凹部の下に前記蛍光管を少なくとも１
本配置したことを特徴とする。

【００１３】また、前記中央部から前記蛍光管の中心軸
と直角な方向の外方に向かうにしたがって前記導光板の
厚さを薄くしたことを特徴とする。

【００１４】また、前記両端部の下に、前記表示素子の
端部と接続し、略コの字状に折り曲げた可撓性駆動用回
路基板の端部が位置することを特徴とする。

【００１５】さらに、前記両端部の下に、前記駆動用回
路基板面に搭載した駆動用ＩＣチップが位置することを
特徴とする。

【００１６】

【作用】本発明では、蛍光管を導光板の下面に配置した
ので、バックライトの表示素子外側へのはみ出しがな
く、また、可撓性駆動用回路基板の折り曲げを表示素子
の外側からすぐ行なうことができ、表示モジュールの平
面寸法を小さくできる。

【００１７】また、中央部から両端部に向かうにしたが
って導光板の厚さを薄くし、この薄くした該両端部の下
に、折り曲げた可撓性駆動用回路基板の駆動用ＩＣチッ
プ搭載部を位置させることにより、モジュールの厚さを
薄くできる。

【００１８】

【実施例】以下、本発明の表示装置の実施例として、液
晶表示装置を例に挙げて説明する。

【００１９】図１は本発明の一実施例の液晶表示モジュ
ールの要部断面図である。なお、以下で説明する図面
で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰返
しの説明は省略する。

【００２０】６２は液晶表示素子、１１、１２はそれぞ
れ液晶表示装置６２を構成するガラス等からなり、各対
向面に透明電極や配向膜等が形成された２枚の下電極基
板および上電極基板（後述の図３、８参照）、３４は液
晶表示素子６２の駆動用半導体ＩＣチップ、６５は可撓
性駆動用回路基板からなり、液晶表示素子６２の各端部
に複数個が並んで配列され（図では左右２個しか図示さ
れていないが、他の実施例の図９参照）、該端部に電気
的に接続され、それぞれ駆動用ＩＣ３４を１個ずつ搭載
するテープキャリアパッケージ（ＴＣＰ）、３５は各Ｔ
ＣＰ６５の端部が接続されたガラスエポキシ等からな
り、駆動用ＩＣ３４に電圧、信号を供給するためのプリ
ント基板（なお、プリント基板３５は、ＴＣＰ６５のよ
うに複数個に分割されておらず、１列の複数個のＴＣＰ
につき１枚で構成される）、１はバックライト、３７は
光源から発せられる光を光源から離れた方へ導き、液晶
表示素子６２全体に光を均一に照射するための透明のア
クリル等の合成樹脂板から成る導光板、２は導光板３７
の中央部の下面に設けた光源を収納するための断面形状
が円の一部である細長い凹部、３６は凹部２の下に配置
され、該凹部２内に収納された光源である１本の冷陰極
蛍光管、３９は導光板３７の上に配置され、導光板３７
からの光を拡散して、液晶表示素子６２に光を照射する
拡散シート、６７は蛍光管３６から導光板３７内に入射
し、導光板３７内を全反射しながら導光する光を、拡散
反射により導光板３７の上面から出射させるために、導
光板３７の底面に白色インキで印刷して設けた複数個の
光拡散用ドットパターン、３８は導光板３７の下に配置
され、導光板３７からの光を液晶表示素子６２の方へ反
射させる反射シート、６６は導光板３７の側面に貼り付
られ、光を導光板３７内にもどす反射テープである。

【００２１】なお、この図では、図に示した各部材を収
納する金属製シールドケース（フレーム）や、蛍光管３
６をそのほぼ全長にわたって覆い、その内面が白色また
は銀色のランプ反射シートは図示省略してある。また、
ＴＣＰ６５は、下電極基板１２と電気的に接続されたも
ののみ図示したが、上電極基板１１に電気的に接続され
たＴＣＰは図面と垂直方向の側にＴＣＰ６５と同様に複
数個配列されている。また、光拡散用ドットパターン６
７の形状は例えば円で、蛍光管３６から離れるにしたが
って、拡散パターン６７の径を徐々に大きくすることに
より、乱反射特性を増加させて、光源から遠ざかること
による光量の減少を補正し、導光体３７の面輝度の均一
化を図っている。なお、ここではドットパターン６７ど
うしのピッチはすべて同一としてある。しかし、凹部２
上のドットパターン６７は、光源の直上なので、その上
の導光板３７の上面が明るくなり過ぎないように、径が
大きくしてある。なお、ドットパターン６７は、導光板
３７の底面に一体に形成した複数個の凸部や凹部で構成
してもよい。

【００２２】このように、液晶表示素子６２の下に導光
板３７を配置し、導光板３７の中央部の下面に細長い凹
部２を設け、この凹部２の下に蛍光管３６を１本配置し
たので、蛍光管３６の液晶表示素子６２外側へのはみ出
しがなく、また、ＴＣＰ６５の折り曲げを液晶表示素子
６２の外側からすぐ行ない、そのまま垂直下方向に該Ｔ
ＣＰ６５を配置し、蛍光管３６側にそのまま再び折り曲
げることができるので、表示画面の周囲の額縁部の面積
が縮小でき、表示モジュールの平面寸法を小さくでき
る。換言すれば、同一外形寸法のモジュールにおいて、
表示画面を大画面化できる。また、前記中央部から蛍光
管３６の中心軸と直角な方向の外方の両端部に向かうに
したがって、図示のように導光板３７の厚さを徐々に薄
くし、この薄くした該両端部の下に、複数個の略コの字
状に折り曲げたＴＣＰ６５の端部と、該ＴＣＰ６５に搭
載された駆動用ＩＣチップ３４と、該ＴＣＰ６５に接続
されたプリント基板３５とを位置させることにより、モ
ジュールの厚さを薄くできる。また、両端部の下のＴＣ
Ｐ６５の端部、プリント基板３５、駆動用ＩＣチップ３
４を図１に示すよりも、もっと蛍光管３６側に延長ある
いは移動することも可能である。この場合もこれらは導
光板３７の薄くなった部分に収まるので、モジュールの
厚さが増加しない。また、導光板３７を同一厚さの１枚
板状とせず、蛍光管３６に近い部分では光の入射光率の
点から厚さを厚くする必要があるが、蛍光管３６から離
れるにしたがい、両端部に向かって薄くする形状とした
ので、光の利用効率が向上できるとともに、モジュール
を軽量化できる。

【００２３】なお、図１に示した構成はあくまで一例で
あり、これに限定されず、種々の変形例が実施可能であ
る。例えば、前記構成では、蛍光管３６を導光板３７の
中央部の下に１本配置したが、互いに平行に２本以上配
置してもよい。また、導光板３７を２個に分割し、この
２個の導光板をほぼ同一平面に配置し、その間に蛍光管
３６を少なくとも１本配置してもよい。また、蛍光管３
６を配置するのは、必ずしも導光板３７の中央部に限ら
ず、例えば導光板３７の下面に少し間隔を置いて２本の
平行な細長い凹部２を設け、該凹部２にそれぞれ蛍光管
３６を１本ずつ収納してもよい。また、細長い凹部２の
形状は図１に示したものの他、断面形状が四角やその他
の多角形の一部で構成してもよい。なお、導光板３７は
射出成形によって形成するので、種々の形状の凹部２を
有する種々の形状の導光板３７を容易に形成することが
できる。さらに、ＴＣＰ６５を必ずしも曲げて収納しな
くてもよい。

【００２４】図２は本発明が適用可能な液晶表示装置の
液晶表示素子６２を上側から見た場合の電極基板上にお
ける液晶分子の配列方向（例えばラビング方向）、液晶
分子のねじれ方向、偏光板の偏光軸（あるいは吸収軸）
方向、および複屈折効果をもたらす部材の光学軸方向を
示し、図３は液晶表示素子６２の要部斜視図を示す。

【００２５】液晶分子のねじれ方向１０とねじれ角θ
は、上電極基板１１上の配向膜２１のラビング方向６と
下電極基板１２上の配向膜２２のラビング方向７および
上電極基板１１と下電極基板１２の間に挟持される正の
誘電異方性を有するネマチック液晶層５０に添加される
旋光性物質の種類と量によって規定される。

【００２６】図３において、液晶層５０を挟持する２枚
の上、下電極基板１１、１２間で液晶分子がねじれたら
せん状構造をなすように配向させるには、例えばガラス
からなる透明な上、下電極基板１１、１２上の、液晶に
接する、例えばポリイミドからなる有機高分子樹脂から
なる配向膜２１、２２の表面を、例えば布などで一方向
にこする方法、いわゆるラビング法が採られている。こ
のときのこする方向、すなわちラビング方向、上電極基
板１１においてはラビング方向６、下電極基板１２にお
いてはラビング方向７が液晶分子の配列方向となる。こ
のようにして配向処理された２枚の上、下電極基板１
１、１２をそれぞれのラビング方向６、７が互いにほぼ
１８０度から３６０度で交叉するように間隙ｄ₁をもた
せて対向させ、２枚の電極基板１１、１２を液晶を注入
するための切欠け部、すなわち、切欠け部（液晶封入
口）５１を備えた枠状のシール材５２により接着し、そ
の間隙に正の誘電異方性をもち、旋光性物質を所定量添
加されたネマチック液晶を封入すると、液晶分子はその
電極基板間で図中のねじれ角θのらせん状構造の分子配
列をする。なお３１、３２はそれぞれ例えば酸化インジ
ウムまたはＩＴＯ（Indium Tin Oxide）からなる透明な
上、下電極である。このようにして構成された液晶セル
６０の上電極基板１１の上側に複屈折効果をもたらす部
材（以下複屈折部材と称す。藤村他「ＳＴＮ−ＬＣＤ用
位相差フィルム」、雑誌電子材料１９９１年２月号第３
７−４１頁）４０が配設されており、さらにこの部材４
０および液晶セル６０を挟んで上、下偏光板１５、１６
が設けられる。

【００２７】液晶５０における液晶分子のねじれ角θは
１８０度から３６０度の範囲の値を採り得るが好ましく
は２００度から３００度であるが、透過率−印加電圧カ
ーブのしきい値近傍の点灯状態が光を散乱する配向とな
る現象を避け、優れた時分割特性を維持するという実用
的な観点からすれば、２３０度から２７０度の範囲がよ
り好ましい。この条件は基本的には電圧に対する液晶分
子の応答をより敏感にし、優れた時分割特性を実現する
ように作用する。また優れた表示品質を得るためには液
晶層５０の屈折率異方性Δｎ₁とその厚さｄ₁の積Δｎ₁
・ｄ₁は好ましくは０.５μｍから１.０μｍ、より好ま
しくは０.６μｍから０.９μｍの範囲に設定することが
望ましい。

【００２８】複屈折部材４０は液晶セル６０を透過する
光の偏光状態を変調するように作用し、液晶セル６０単
体では着色した表示しかできなかったものを白黒の表示
に変換するものである。このためには複屈折部材４０の
屈折率異方性Δｎ₂とその厚さｄ₂の積Δｎ₂・ｄ₂が極め
て重要で、好ましくは０.４μｍから０.８μｍ、より好
ましくは０.５μｍから０.７μｍの範囲に設定する。

【００２９】さらに、この液晶表示素子６２は複屈折に
よる楕円偏光を利用しているので偏光板１５、１６の軸
と、複屈折部材４０として一軸性の透明複屈折板を用い
る場合はその光学軸と、液晶セル６０の電極基板１１、
１２の液晶配列方向６、７との関係が極めて重要であ
る。

【００３０】図２で前記の関係の作用効果について説明
する。図２は、図３の構成の液晶表示素子を上から見た
場合の偏光板の軸、一軸性の透明複屈折部材の光学軸、
液晶セルの電極基板の液晶分子軸配列方向の関係を示し
たものである。

【００３１】図３において、５は一軸性の透明複屈折部
材４０の光学軸、６は複屈折部材４０とこれに隣接する
上電極基板１１の液晶分子軸配列方向、７は下電極基板
１２の液晶配列方向、８は上偏光板１５の吸収軸あるい
は偏光軸、９は下偏光板１６の吸収軸あるいは偏光軸で
あり、角度αは上電極基板１１の液晶配列方向６と一軸
性の複屈折部材４０の光学軸５とのなす角度、角度βは
上偏光板１５の吸収軸あるいは偏光軸８と一軸性の透明
複屈折部材４０の光学軸５とのなす角度、角度γは下偏
光板１６の吸収軸あるいは偏光軸９と下電極基板１２の
液晶配列方向７とのなす角度である。

【００３２】ここで本明細書における角α、β、γの測
り方を定義する。図７において、複屈折部材４０の光学
軸５と上電極基板の液晶配列方向６との交角を例にとっ
て説明する。光学軸５と液晶配列方向６との交角は図７
に示す如く、φ₁およびφ₂で表わすことが出来るが、本
明細書においてはφ₁、φ₂のうち小さい方の角を採用す
る。すなわち、図７（ａ）においてはφ₁＜φ₂であるか
ら、φ₁を光学軸５と液晶配列方向６との交角αとし、
図７（ｂ）においてはφ₁＞φ₂だからφ₂を光学軸５と
液晶配列方向６との交角αとする。勿論φ₁＝φ₂の場合
はどちらを採っても良い。

【００３３】液晶表示素子においては角度α、β、γが
極めて重要である。

【００３４】角度αは好ましくは５０度から９０度、よ
り好ましくは７０度から９０度に、角度βは好ましくは
２０度から７０度、より好ましくは３０度から６０度
に、角度γは好ましくは０度から７０度、より好ましく
は０度から５０度に、それぞれ設定することが望まし
い。

【００３５】なお、液晶セル６０の液晶層５０のねじれ
角θが１８０度から３６０度の範囲内にあれば、ねじれ
方向１０が時計回り方向、反時計回り方向のいずれであ
っても、前記角α、β、γは前記範囲内にあればよい。

【００３６】なお、図３においては、複屈折部材４０が
上偏光板１５と上電極基板１１の間に配設されている
が、この位置の代りに、下電極基板１２と下偏光板１６
との間に配設しても良い。この場合は図３の構成全体を
倒立させた場合に相当する。

【００３７】図４はねじれ角θ等の具体例を示す図であ
る。図に示すように、液晶分子のねじれ角θは２４０度
であり、一軸性の透明複屈折部材４０としては平行配向
（ホモジェニアス配向）した、すなわちねじれ角が０度
の液晶セルを使用した。ここで液晶層の厚みｄ(μｍ)と
旋光性物質が添加された液晶材料のらせんピッチｐ(μ
ｍ)の比ｄ／ｐは０．６７とした。配向膜２１、２２
は、ポリイミド樹脂膜で形成しこれをラビング処理した
ものを使用した。このラビング処理を施した配向膜がこ
れに接する液晶分子を基板面に対して傾斜配向させるチ
ルト角(pretilt角）は４度である。前記一軸性透明複屈
折部材４０のΔｎ₂・ｄ₂は約０.６μｍである。一方液
晶分子が２４０度ねじれた構造の液晶層５０のΔｎ₁・
ｄ₁は約０.８μｍである。

【００３８】このとき、角度αを約９０度、角度βを約
３０度、角度γを約３０度とすることにより、上、下電
極３１、３２を介して液晶層５０に印加される電圧がし
きい値以下のときには光不透過すなわち黒、電圧がある
しきい値以上になると光透過すなわち白の白黒表示が実
現できた。また、下偏光板１６の軸を前記位置より５０
度から９０度回転した場合は、液晶層５０への印加電圧
がしきい値以下のときには白、電圧がしきい値以上にな
ると黒の、前記と逆の白黒表示が実現できた。

【００３９】図５は図４の構成で角度αを変化させたと
きの１／２００デューティで時分割駆動時のコントラス
ト変化を示したものである。角度αが９０度近傍では極
めて高いコントラストを示していたものが、この角度か
らずれるにつれて低下する。しかも角度αが小さくなる
と点灯部、非点灯部ともに青味がかり、角度αが大きく
なると非点灯部は紫、点灯部は黄色になり、いずれにし
ても白黒表示は不可能となる。角度βおよび角度γにつ
いてもほぼ同様の結果となるが、角度γの場合は前記し
たように５０度から９０度近く回転すると逆転の白黒表
示となる。

【００４０】図４はねじれ角θ等の他の具体例を示す図
である。基本構造は図４に示した具体例と同様である。
ただし、液晶層５０の液晶分子のねじれ角は２６０度、
Δｎ₁・ｄ₁は約０.６５μｍ〜０.７５μｍである点が異
なる。一軸性透明複屈折部材４０として使用している平
行配向液晶層のΔｎ₂・ｄ₂は前記具体例と同じ約０．５
８μｍである。液晶層の厚みｄ₁(μｍ)と旋光性物質が
添加されたネマチック液晶材料のらせんピッチｐ(μｍ)
との比はｄ／ｐ＝０．７２とした。

【００４１】このとき、角度αを約１００度、角度βを
約３５度、角度γを約１５度とすることにより、最初の
具体例と同様の白黒表示が実現できた。また下偏光板の
軸の位置を前記値より５０度から９０度回転することに
より逆転の白黒表示が可能である点もほぼ最初の具体例
と同様である。角度α、β、γのずれに対する傾向も最
初の具体例とほぼ同様である。

【００４２】前記いずれの具体例においても一軸性透明
複屈折部材４０として、液晶分子のねじれのない平行配
向液晶セルを用いたが、むしろ２０度から６０度程度液
晶分子がねじれた液晶層を用いた方が角度による色変化
が少ない。このねじれた液晶層は、前述の液晶層５０同
様、配向処理が施された一対の透明基板の配向処理方向
を所定のねじれ角に交差するようにした基板間に液晶を
挟持することによって形成される。この場合、液晶分子
のねじれ構造を挟む２つの配向処理方向の挟角の２等分
角の方向を複屈折部材の光軸として取扱えばよい。ま
た、複屈折部材４０として、透明な高分子フィルムを用
いても良い（この際一軸延伸のものが好ましい）。この
場合高分子フィルムとしてはＰＥＴ（ポリエチレンテ
レフタレート）、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネ
イトが有効である。

【００４３】さらに以上の具体例においては複屈折部材
は単一であったが、図３において複屈折部材４０に加え
て、下電極基板１２と下偏光板１６との間にもう一枚の
複屈折部材を挿入することもできる。この場合はこれら
複屈折部材のΔｎ₂・ｄ₂を再調整すればよい。

【００４４】ただし、図８に示す如く、上電極基板１１
上に赤、緑、青のカラーフィルタ３３Ｒ、３３Ｇ、３３
Ｂ、各フィルター同志の間に光遮光膜３３Ｄを設けるこ
とにより、多色表示が可能になる。図６に前記具体例に
おける液晶分子の配列方向、液晶分子のねじれ方向、偏
光板の軸の方向および複屈折部材の光学軸の関係を示
す。

【００４５】なお、図８においては、各フィルタ３３
Ｒ、３３Ｇ、３３Ｂ、光遮光膜３３Ｄの上に、これらの
凹凸の影響を軽減するため絶縁物からなる平滑層２３が
形成された上に上電極３１、配向膜２１が形成されてい
る。

【００４６】図９は液晶表示素子６２と、この液晶表示
素子６２を駆動するための駆動回路と、光源をコンパク
トに一体にまとめた図１に示したのとは別の液晶表示モ
ジュール６３を示す分解斜視図である。液晶表示素子６
２を駆動するＩＣ３４は、中央に液晶表示素子６２を嵌
め込むための窓部を備えた枠状体のプリント基板３５に
搭載される。液晶表示素子６２を嵌め込んだプリント基
板３５はプラスチックモールドで形成された枠状体４２
の窓部に嵌め込まれ、これに金属製フレーム４１を重
ね、その爪４３を枠状体４２に形成されている切込み４
４内に折り曲げることによりフレーム４１を枠状体４２
に固定する。

【００４７】液晶表示素子６２の下の中央部に配置され
る冷陰極蛍光管３６、この冷陰極蛍光管３６からの光を
液晶表示セル６０に均一に照射させるためのアクリル板
からなる導光板３７、金属板に白色塗料を塗布して形成
された反射板３８、導光板３７からの光を拡散する乳白
色のポリカーボネート等から成る拡散板３９が図９の順
序で、枠状体４２の裏側からその窓部に嵌め込まれる。
冷陰極蛍光管３６を点灯するためのインバータ電源回路
（図示せず）は枠状体４２の右側裏部に設けられた凹部
（図示せず。反射板３８の凹所４５に対向する位置にあ
る。）に収納される。拡散板３９、導光板３７、冷陰極
蛍光管３６および反射板３８は、反射板３８に設けられ
ている舌片４６を枠状体４２に設けられている小口４７
内に折り曲げることにより固定される。

【００４８】本例でも、蛍光管３６を導光板３７の中央
部の下面に配置したので、蛍光管３６の液晶表示素子６
２外側へのはみ出しがないので、表示モジュールの平面
寸法を小さくできる。また、中央部から両端部に向かう
にしたがって導光板３７の厚さを薄くしたので、モジュ
ールを軽量化できる。

【００４９】図１０は液晶表示モジュール６３を表示部
に使用したラップトップパソコンのブロックダイアグラ
ム、図１１は液晶表示モジュール６３をラップトップパ
ソコン６４に実装した状態を示す図である。このラップ
トップパソコン６４においては、マイクロプロセッサ４
９で計算した結果を、コントロール用ＬＳＩ４８を介し
て液晶駆動用半導体ＩＣ３４で液晶表示モジュール６３
を駆動するものである。

【００５０】以上説明したように、前記具体例によれ
ば、優れた時分割駆動特性を有し、さらに白黒および多
色表示を可能にする電界効果型液晶表示素子を実現する
ことができる。

【００５１】以上本発明を実施例に基づいて具体的に説
明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。例えば、前記実施例では、本発
明を単純マトリクス方式の液晶表示装置に適用した例を
示したが、アクティブ・マトリクス方式の液晶表示装置
に適用できることは言うまでもない。また、前記実施例
では、本発明を液晶表示装置に適用した例を示したが、
例えばエレクトロクロミック表示装置等、バックライト
を有する種々の受光型表示装置に適用可能である。

【００５２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
表示装置の平面寸法と厚さの外形寸法を小さくできるの
で、該表示装置を表示部として利用するパソコンやワー
プロ等の情報処理装置の携帯性を向上できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の液晶表示モジュールの要部
断面図である。

【図２】本発明が適用可能な単純マトリクス方式の液晶
表示装置の液晶表示素子における液晶分子の配列方向、
液晶分子のねじれ方向、偏光板の軸の方向および複屈折
部材の光学軸の関係の一例を示した説明図である。

【図３】液晶表示素子の一例の要部分解斜視図である。

【図４】別の例の液晶表示素子における液晶分子のねじ
れ方向、偏光板の軸の方向および複屈折部材の光学軸の
関係を示した説明図である。

【図５】液晶表示素子の図２の例についてのコントラス
ト、透過光色−交角α特性を示すグラフである。

【図６】さらに別の例の液晶表示素子における液晶分子
の配列方向、液晶分子のねじれ方向、偏光板の軸の方向
および複屈折部材の光学軸の関係を示した説明図であ
る。

【図７】交角α、β、γの測り方を説明するための図で
ある。

【図８】カラー液晶表示素子の上電極基板部の一例の一
部切欠斜視図である。

【図９】図１とは別の液晶表示モジュールの一例の分解
斜視図である。

【図１０】ラップトップパソコンの一例のブロックダイ
アグラムである。

【図１１】ラップトップパソコンの一例の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１…バックライト、２…蛍光管収納用の細長い凹部、１
１、１２…電極基板、３４…駆動用半導体ＩＣチップ、
３５…プリント基板、３６…蛍光管、３７…導光板、３
８…反射シート、３９…拡散シート、６２…液晶表示素
子、６５…テープキャリアパッケージ（ＴＣＰ）、６６
…反射テープ、６７…光拡散用ドットパターン。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】表示素子の下に、導光板と蛍光管とを含ん
で構成したバックライトを有する表示装置において、前
記表示素子の下に前記導光板を配置し、前記導光板の中
央部に前記蛍光管を少なくとも１本配置したことを特徴
とする表示装置。
【請求項２】前記導光板を２個に分割し、この２個の導
光板をほぼ同一平面に配置し、その間に前記蛍光管を少
なくとも１本配置したことを特徴とする請求項１記載の
表示装置。
【請求項３】表示素子の下に、導光板と蛍光管とを含ん
で構成したバックライトを有する表示装置において、前
記表示素子の下に前記導光板を配置し、前記導光板の下
面に細長い凹部を設け、前記凹部の下に前記蛍光管を少
なくとも１本配置したことを特徴とする表示装置。
【請求項４】表示素子の下に、導光板と蛍光管とを含ん
で構成したバックライトを有する表示装置において、前
記表示素子の下に前記導光板を配置し、前記導光板の中
央部の下面に細長い凹部を設け、前記凹部の下に前記蛍
光管を少なくとも１本配置したことを特徴とする表示装
置。
【請求項５】表示素子の下に、導光板と蛍光管とを含ん
で構成したバックライトを有する表示装置において、前
記表示素子の下に前記導光板を配置し、前記導光板の中
央部の下面に細長い凹部を設け、前記凹部の下に前記蛍
光管を少なくとも１本配置し、前記中央部から前記蛍光
管の中心軸と直角な方向の外方に向かうにしたがって前
記導光板の厚さを薄くしたことを特徴とする表示装置。
【請求項６】表示素子の下に、導光板と蛍光管とを含ん
で構成したバックライトを有する表示装置において、前
記表示素子の下に前記導光板を配置し、前記導光板の中
央部の下面に細長い凹部を設け、前記凹部の下に前記蛍
光管を少なくとも１本配置し、前記中央部から前記蛍光
管の中心軸と直角な方向の外方の両端部に向かうにした
がって前記導光板の厚さを薄くし、かつ、前記両端部の
下に、前記表示素子の端部と接続し、略コの字状に折り
曲げた可撓性駆動用回路基板の端部が位置することを特
徴とする表示装置。
【請求項７】前記両端部の下に、前記駆動用回路基板面
に搭載した駆動用ＩＣチップが位置することを特徴とす
る請求項６記載の表示装置。