JPH0961370A - 微分干渉顕微鏡及び該顕微鏡を使った欠陥検査装置 - Google Patents

微分干渉顕微鏡及び該顕微鏡を使った欠陥検査装置

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JPH0961370A
JPH0961370A JP7217987A JP21798795A JPH0961370A JP H0961370 A JPH0961370 A JP H0961370A JP 7217987 A JP7217987 A JP 7217987A JP 21798795 A JP21798795 A JP 21798795A JP H0961370 A JPH0961370 A JP H0961370A
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JP
Japan
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signal
polarization state
light
light beam
optical system
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JP7217987A
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English (en)
Inventor
Tsuneyuki Hagiwara
恒幸 萩原
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】微分干渉顕微鏡及び該顕微鏡を用いた欠陥検査
装置を得ることを目的とする。 【解決手段】微分干渉顕微鏡の検光子を例えば偏光ビー
ムスプリッタとして、ビームスプリッタの透過光と反射
光を検出し、各々に対応する検出信号を得るそして2つ
の信号の相対強度を調整する。調整後の2つの信号の差
に基づいて物体の像を観察する。さらにシャー量を可変
とする機構を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微分干渉顕微鏡及び
該顕微鏡を用いた欠陥検査装置に関し、特にに関し、特
に半導体素子や液晶基板等を製造するリソグラフィ工程
で使用されるレチクルの回路パターンや半導体ウエハ等
の金属表面を観察するのに好適な微分干渉顕微鏡及び該
顕微鏡を用いた欠陥検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の微分干渉顕微鏡では光学系に残留
する位相の回転を除去するために光学式レクチファイア
が用いられていた。また光学的レクチファイアは落射照
明の微分干渉顕微鏡に利用することことが困難だった。
【0003】また光学系に残留する位相の回転は照明系
の開口絞りを絞ることで改善されるが、照明系の全開口
を利用するレーザー走査顕微鏡では開口絞りを絞ること
が不可能で、良好なコントラストを得られなかった。ま
た照明系の開口絞りを絞ると光量の損失が大きくなり問
題であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像を常に
背景の光強度値がゼロの、光学的な暗視野画像に保ちつ
つ、かつ位相物体の平均位相微分量に対する微小な位相
微分変化量を最高のコントラストで画像化しうる顕微鏡
を、単純な光学構成によって提供することを第一の目的
とする。またシャー量を可変とすることで像のコントラ
ストを任意に調整可能とすることを第二の目的とする。
またシャー量を可変とすることで周期性パターン内の欠
陥検査装置に応用可能とすることを第三の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明では、物体を観察する顕微鏡において、光源か
らの第1の光線を前記物体に向ける光学系と;第1の光
線を第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光
であって、所定の角度または間隔をなす光線に分離する
分離光学系と;2つの直線偏光の間の位相差を調整する
位相差調整手段と;所定の角度または間隔を調整する分
離調整手段と;2つの直線偏光の光線を集光し、物体内
の所定領域内を照明する集光レンズと;物体から発生す
る少なくとも第1と第2の偏光状態の光線を屈折する対
物レンズと;対物レンズを通過した第1と第2の偏光状
態の光線を第3の偏光状態の光に合成する合成光学系
と;第3の偏光状態の光から第4の偏光状態の光線と第
5の偏光状態の光線とを選択する偏光選択手段と;第4
の偏光状態の光線を光電変換し、第1信号を出力する第
1光電変換素子と;第5の偏光状態の光線を光電変換
し、第2信号を出力する第2光電変換素子と;第1信号
と前記第2信号の信号強度の比を調節する信号比調整手
段と;調整手段によって所定の強度比となった第1、第
2信号の差である差信号を出力する差信号出力回路と備
えた。
【0006】また物体を観察する顕微鏡を有し、物体上
の欠陥を検査する欠陥検査装置において、光源からの第
1の光線を前記物体に向ける光学系と;第1の光線を第
1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光であっ
て、所定の角度または間隔をなす光線に分離する分離光
学系と;2つの直線偏光の間の位相差を調整する位相差
調整手段と;所定の角度または間隔を調整する分離調整
手段と;2つの直線偏光の光線を集光し、物体内の所定
領域を照明する集光レンズと;物体から発生する少なく
とも第1と第2の偏光状態の光線を屈折する対物レンズ
と;対物レンズを通過した第1と第2の偏光状態の光線
を第3の偏光状態の光に合成する合成光学系と;第3の
偏光状態の光を第4の偏光状態の光線と第5の偏光状態
の光線とに分離する偏光分離光学系と;第4の偏光状態
の光線を光電変換し、第1信号を出力する第1光電変換
素子と;第5の偏光状態の光線を光電変換し、第2信号
を出力する第2光電変換素子と;第1信号と第2信号の
信号強度の比 調節する信号比調整手段と;調整手段に
よって所定の強度比となった第1、第2信号の差である
差信号を出力する差信号出力回路と;差信号に基づいて
欠陥を検出する検出回路とを備えた。
【0007】本発明では偏光選択手段で分離された2つ
の偏光方向の光を光電変換し、これらの差をとって暗視
野の画像を得る微分干渉顕微鏡に、シャー量可変手段
(分離調整手段量)を組み合わせている。これにより次
の長所が得られる。通常の微分干渉顕微鏡はノマルスキ
ープリズムを傾けて使うように設計されていない。はじ
めにノマルスキープリズムを調整して背景を暗くしてお
いてから、ノマルスキープリズムを傾けてシャー量を調
整すると、背景が一様に明るくなり、ノマルスキープリ
ズムをシフトさせて位相を調整しても完全に暗くできな
いという現象がある。これはノマルスキープリズムが傾
くことで設計された位置からずれることによる。このず
れは光軸から遠い位置ほど顕著である。ノマルスキープ
リズムは対物レンズの瞳位置近傍に配置されるので、ほ
ぼ瞳位置にあると考えることができる。つまり瞳位置に
おいて光軸から遠いほど理想的設置位置からノマルスキ
ープリズムがずれる光線が通過する瞳面上の位置により
光線OE、EOの位相差が変化する。このように瞳面上
の位置によって変化する位相差はノマルスキープリズム
を調整しても瞳位置のどの部分でも光線OE、EOの位
相差を2πの整数倍にすることはできない。つまり通常
の微分干渉顕微鏡でシャー量を変化させると完全な暗視
野の画像が得られなくなる。本発明は顕微鏡部分は2つ
の偏光方向の光を光電変換し、これらの差をとって暗視
野の画像を得るのでシャー量を変化させても完全な暗視
野とすることが可能でコントラストが劣化することがな
いという効果が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】まず始めに本発明の原理を説明す
る。 〔原理〕図14に本発明の原理説明図を示す。各々の光
学素子近傍に表示した直交座標(X1、Y1)〜(X
5、Y5)は光軸AXに対し直交し、かつ同じ方位とす
る。また以下では各座標軸に対する方位を、単にX軸、
Y軸に対する方位と呼ぶ。
【0009】光線i00は回転可能なポラライザPを透
過し、X1軸に対して方位角θ1の偏波面の直線偏光と
なり、1/4波長板Q1を通過し、ノマルスキープリズム
W1とコンデンサレンズCによって物体面S(X3、Y
3座標の平面)上で2δシャーした、光線EOと光線O
Eになる。1/4波長板Q1は、光学軸である早い軸ne
とこれに直交する遅い軸noを有し、遅い軸noの方位
はX軸に+45゜、早い軸neの方位はX軸に対して-45゜
に合わせている。遅い軸noに平行な偏波面の成分は早
い軸neに平行な偏波面の成分に対してπ/2の位相遅れ
が生じる。
【0010】光線EOはY3軸に平行な偏波面の直線偏
光、光線OEはX3軸に平行な偏波面の直線偏光とな
る。光線EOと光線OEの相対的な位相差αはポラライ
ザ角θ1を変化させることで可変である((2)式参
照)。物体面上Sの物体を透過した光線は、対物レンズ
O、ノマルスキープリズムW2により再び1つの光線に
なる。2つのノマルスキープリズムW1、W2の間で二
つの光線に与えられる位相差が2πの整数倍になるよう
にノマルスキープリズムW1、W2を光軸AXを横切る
方向に位置調整する。
【0011】ビームスプリッタPBS1に達した光線の
うち、X軸に対しθ2=45゜の方位に平行な偏波面の成
分は透過し、光線i1となり、X軸に対しθ3=135゜の
方位に平行な偏波面の成分は反射され光線i2となって
AX1に沿って進行する。つぎにレンズのOTFの影響
は考えないものとし、段差位置における光線i1、光線
i2による、微分干渉像の強度を求める。
【0012】観察対象の物体の段差は基本的に1次元の
構造であるので以下の解析では光学系を含めてすべて1
次元で行う。実際の光学系は2次元であるが、以下の議
論では1次元の仮定で全く差し支えない。以下の説明は
結像型の微分干渉顕微鏡の結像面における点像の強度を
もって説明するが、レーザ走査光学系の微分干渉顕微鏡
によっても焦点深度が異なる以外、結像型の微分干渉顕
微鏡における照明系のσ値を適当に設定すれば全く同一
の微分干渉像が得られる。
【0013】以下では微分干渉顕微鏡の光学系を踏襲し
たレーザ走査顕微鏡の光学系になっているため、光線分
離手段(例えばノマルスキープリズム)により生じる物
体上の2つのビームの振幅、位相情報は光線合成手段
(例えばノマルスキープリズム)内における2つの光波
の干渉によって生じる1つの光線に保存さるため、像平
面以外の位置、たとえば瞳共役平面近傍などに設置され
た、光電変換素子によっても微分干渉像は得られる。
【0014】したがって本発明の第一、第二の実施の形
態の光電変換素子の設置位置は光線合成手段以降ならば
何処でもよい。微分干渉顕微鏡によって得られる一つの
像点には、シャーによる間隔2δだけ互いに離れた、2
つの物点が対応する。これらを物体の振幅透過率O(+
δ)、O(-δ)として相対的な位相差をΨとすれば(1)
式のように示せる(a、bは物体の振幅透過率の絶対
値)。 o(+δ)=a o(−δ)=b exp(iΨ) (1) 微分干渉顕微鏡によって付加される位相差をα1、α2
とすれば、光線i1、i2に対応した理想的な光学系に
よる干渉像の強度Ii1(α1)、Ii2(α2)はC
を定数として(3)、(4)式のようになり、ポラライ
ザ角度θ1との関係は(2)式で示される。 α1 =2θ1 −π/2 α2 =2θ1 +π/2=α1 −π (2) Ii1(α1)=1/2|C|2 |a exp(α1)+b exp(Ψ)|2 =1/2|C|2 [a2 +b2 +2ab cos(α1 −Ψ)] (3) Ii2(α2)=Ii1(α1 −π)=1/2|C|2 |a exp(α1 −π) +b exp(Ψ)|2 =1/2|C|2 [a2 +b2 −2ab cos(α1 −Ψ)] (4) 差動出力Sをkを差動出力を求める際の、電気系のゲイ
ンを示す定数として(5)式で定義する。(3)、
(4)式より(6)式を得る。 S=Ii2(α2 )−kIi1(α1 ) (5) S=1/2|C|2 [(1−k)(a2 +b2 ) −2ab(1+k) cos(α1 −Ψ)] (6) ここで物体なしのときに差動出力Sがゼロとなる条件は S=0,Ψ=0,a=b となるのでこのとき(6)式より(7)式となる。 cos α1 =(1−k)/(1+k), k=(1−cos α1 )/(1+cos α1 )= tan2 (α1 /2) (7) (7)式を満たすとき、差動出力(5)式は物体の無い
ときに出力がゼロの暗視野の画像となり、任意の顕微鏡
の位相差の設定値α1について暗視野画像を得られる。
【0015】ここで物体の平均位相微分量をΨ、微小な
位相微分変化量δとし、(8)式を満たすように顕微鏡
の位相差α1を決定すると、(9)式のように、位相物
体の平均位相微分量Ψa からの微小な位相微分変化量δ
のコントラストを最大にすることができる。 α1 −Ψa =π(n+1/2)[|n|=0,1,2,3,………](8) S=1/2|C|2 [(1−k)(a2 +b2 ) −2ab(1+k)cos{α1 −(Ψa +δ)}] =1/2|C|2 [(1−k)(a2 +b2 )−2ab(1+k) sinδ] ≒1/2|C|2 [(1−k)(a2 +b2 )−2abδ] (9) また 01 のとき定数kはアッテネーター(減衰器)によって構成
できる。このとき(7)式から顕微鏡の位相差の設定値
α1は −π/2α 1 π/2 このときポラライザ角度θ1は(2)式より 0θ 1 π/2 他の条件すなわち π/2<θ 1 π,π/2<α 1 3π/2 においては、定数k- を用いて差動出力S- を(10)
式のように定義して S- =Ii1(α1 )−k- i2(α2 ) =1/2|C|2 [(1−k- )(a2 +b2 ) −2ab(1+k- )cos(α1 −Ψ)] (10) 定数k- は(11)式で示され、(12)式で示される
範囲内で、これはアッテネーター(減衰器)によって構
成できる。
【0016】 cosα1 =k- −1/1+k- ,k- =1+ cosα1 /1− cosα1 (11) 0 - 1 (12) 平均位相Ψa がゼロである場合には顕微鏡の位相差α1
を(8)式によりπの整数倍にπ/2を加えた値に決定す
ると、(9)式のように、位相物体の平均位相Ψ a =0か
らの微小な位相変化量δのコントラストを最大にするこ
とができる。一般に微分干渉顕微鏡によって観察され
る、物体の位相変化はシャーした間隔の2点間の位相差
として観察され、物体の位相微分に相当する。したがっ
て観察される像はシャー量によってコントラストが変化
する。つまり物体の位置による位相変化が急激な場合は
小さなシャー量によって十分なコントラストが得られる
が、物体の位置による位相変化がゆっくりな場合はシャ
ー量を大きくした方がコントラストは向上する。しか
し、シャー量をあまり大きくすると像が二重にだぶって
見える。したがって微分干渉顕微鏡のシャー量は可変で
あることが望ましい。
【0017】微分干渉顕微鏡のシャー量は、例えばノマ
ルスキープリズムを傾けることで簡単に変化させ得る。
しかし従来の微分干渉顕微鏡ではノマルスキープリズム
を傾けるとノマルスキープリズムの一部分が対物レンズ
の瞳位置からずれるため、背景を完全に暗くできないと
いう問題が有った。本発明では上で述べたように、二つ
の強度画像を用いて、電気的に背景を完全に暗くできる
ためこのような不都合はない。
【0018】シャー量を調整するとき図14ではノマル
スキープリズムW1、W2をY軸に平行な回転軸40、
41を中心に傾ければ良い。図15ではノマルスキープ
リズムW2をY軸に平行な回転軸40を中心に傾ければ
良い。微分干渉顕微鏡のシャー量が可変であると例えば
ハェファーやレチクルなどのように、繰り返しパターン
で表される物体の欠陥検査に応用でき、容易に無欠陥部
分の像を消去し、欠陥部分のみを観察可能な顕微鏡を構
成できる。
【0019】本発明の顕微鏡で無欠陥部分の像を消去す
るということはすなわち、無欠陥の2次元周期配列の回
路パターンを落射照明にて観察するときに、差動出力S
またはSーが最小(ゼロ)であることと等しい。無欠陥
の2次元周期配列の回路パターンを示す複素振幅透過率
分布はシャー量2δを周期配列の周期の長さδ0に一致
させることで、(14)式で示される。 (14)式で示されるとき、差動出力すなわち(9)、(1
0)式はゼロとなる。
【0020】次に装置構成・動作を説明する。 〔装置構成・動作〕図1は本発明の第一実施の形態によ
る顕微鏡の構成を示す図である。光源1はレーザー光源
であって射出する光線は紙面に平行な方位の直線偏光と
する。この光線はコリメータレンズ2によって平行光と
なって、反射ミラー3で反射され、振動ミラー等のXY
走査部26で空間的に偏向され、第一リレーレンズ4、
第二リレーレンズ5を経て、コンデンサーレンズ7の瞳
位置近傍に位置する1/2波長板36、1/4波長板12、ノ
マルスキープリズム6を通過し互いの偏光方向が直交す
る二つの直線偏光であって、僅かな相対角度をなす光線
EO、OEに分離して進行し、コンデンサーレンズ7に
よって屈折され、スライドガラス8上の物体9上でレー
ザースポットを形成する。物体9上ではノマルスキープ
リズム6の働きによりわずかに位置のずれた2つのスポ
ットが近接して成形され、これらのスポットはXY走査
部26の働きによって物体9上を2次元走査する。XY
走査部26はモータ等のアクチュエータ25により駆動
され、コンピュータ20はアクチュエータ25を制御す
る。物体9を透過した光束は対物レンズ10、ノマルス
キープリズム13を通過し1つの平行光束に合成され、
偏光ビームスプリッタ14に達する。偏光ビームスプリ
ッタ14を透過する光線は光線i1となりX軸に45゜の
方位の直線偏光となる。偏光ビームスプリッタ14で反
射される光線は光線i2となりX軸に135゜の方位の直
線偏光となる。
【0021】図1における各光学素子の光軸AXを中心
としたX軸に対する方位角はY軸方向を正とすると、1/
4波長板12の光学軸は+45゜、ノマルスキープリズ
ム6、ノマルスキープリズム13の楔の向きは0゜、偏
光ビームスプリッタ14のアナライザ角(θ2)は+4
5゜にする。なお、これらは図14と同じである。1/2
波長板36は光軸AXを回転軸として回転可能であり、
この回転可能な1/2波長板36は図14の回転可能なポ
ラライザーの代わりに設置されている。1/2波長板36
を回転することでポラライザ角θ1の二倍の角度だけ直
線偏光の偏波面を回転できることは言うまでもない。1/
2波長板36はコンピュータ20によってアクチュエー
タ37を介して制御される。1/2 波長板36を回転して位
相差α 1 を設定する。
【0022】スライドガラス8上の2つの光線EO、O
Eのシャー量2δをノマルスキープリズム13、6をY
方向に平行な回転軸40、41を中心にピエゾ素子等の
アクチュエータ23、42により、傾け、シャー量2δ
を任意の値に設定する。アクチュエータ23、42はコ
ンピュータ20により制御される。スライドガラス8上
に2つのビーム間に位相差を生じるような物体などが全
くないときに、2つのノマルスキープリズム6、13の
間で二つの光線に与えられる位相差の初期値が2πの整
数倍になるように、ノマルスキープリズム13と6との
少なくとも一方を光軸AXを横切る方向(例えば直交す
る方向)にアクチェータ23、24によって位置調整す
る。アクチェータ23、24はコンピュータ20によっ
て制御される。
【0023】光線i1はレンズ15によって屈折され、
光電変換素子17により光電変換さる。光電変換素子1
7は映像信号を出力する。光線i2はレンズ16によっ
て屈折され、、光電変換素子18により光電変換さる。
光電変換素子18は映像信号を出力する。ポラライザ角
θ1の光軸AXを中心としたX軸に対する方位角が0〜
90゜(0〜π/2)相当のときは光電変換素子17の映
像信号に対し、減衰器33により(7)式にしたがっ
て、任意の位相差の設定値α1((2)式参照)につい
て最適な係数kが乗じられる。係数kは物体が存在しな
いときの差動信号がゼロとなるように実験的に設定して
も良い。またポラライザ角θ1が90゜〜180゜(π
/2〜π)相当のときは「原理」の項で述べたように減衰
器33を光電変換素子18の出力に挿入すれば良いこと
は言うまでもない。
【0024】1つのペアの映像信号は差動増幅器19に
入力され、差動増幅器19は差動信号を出力する。差動
信号は(6)式のSが相当する。位相差の設定値α1は
任意であり、例えば微小な位相の変化量を観察するとき
には(8)式の値にする。差動信号は同期装置34、コ
ンピュータ20を経て、CRT等の画像表示部21上に
表示される。
【0025】コンピュータ20は差動信号をD/A変換
し、画像データとして蓄積することが可能で、観察者は
インターフェース22を介して蓄積されたデータの画像
表示部21への表示や、周知の画像処理技術技術に基ず
く画像演算を実行できる。なお本実施の形態における位
相差の設定値α1は回転可能な1/2波長板36と1/4波長
板12によって与えられるが、2つのノマルスキープリ
ズム6、13の間で二つの光線に与えられる位相差の初
期値がα1になるようにノマルスキープリズム6とノマ
ルスキープリズム13との少なくとも一方を光軸AXを
横切る方向にアクチェータ23、24によって位置調整
しても全く問題無い。
【0026】図2は本発明の第二実施の形態による顕微
鏡の装置構成を示す図である。本実施の形態の顕微鏡は
図1の顕微鏡を落射照明方法によって構成したものであ
り、図2において図1と同様の部材には同様の符号を付
し、詳細な説明は省略する。また詳細な光学素子の方位
などは「原理」の項に開示されている。光源1はレーザ
ー光源であって射出する光線は紙面に平行な方位の直線
偏光とする。この光線はコリメータレンズ2によって平
行光となってXY走査部26で空間的に偏向され、第一
リレーレンズ4、第二リレーレンズ5を経て、対物レン
ズ10の瞳面と共役な面の近傍に位置する、1/4波長板
12を通過し、瞳投影レンズ7によって屈折され、ハー
フミラー3によって光軸AXに沿って反射され、、ノマ
ルスキープリズム13を通過し互いの偏光方向が直交す
る二つの直線偏光であって、僅かな相対角度をなす光線
に分離して進行し、対物レンズ10によって屈折され、
スライドガラス8上の物体9上でレーザースポットを形
成する。
【0027】物体9上ではノマルスキープリズム6の働
きによりわずかに位置のずれた2つのスポットが近接し
て成形され、これらのスポットはXY走査部26の働き
によって物体9上を2次元走査する。物体9で反射した
光線は対物レンズ10に入射し、屈折され、対物レンズ
10の瞳位置近傍に位置するノマルスキープリズム6を
再度通過し、ハーフミラー3を透過し、偏光ビームスプ
リッタ14に達する。偏光ビームスプリッタ14を透過
する光線は光線i1となりX軸に45゜の方位の直線偏光
となる。偏光ビームスプリッタ14で反射される光線は
光線i2となりX軸に135゜の方位の直線偏光となる。
【0028】図2における各光学素子の光軸AXを中心
としたX軸に対する方位角はY軸方向を正とすると、1/
4波長板12の光学軸は+45゜、ノマルスキープリズ
ム13の楔の向きは0゜、偏光ビームスプリッタ14の
アナライザ角(θ2)は+45°にする。なお、これら
は図15と同じである。光軸AX0を回転軸として回転
可能な1/2波長板36は図15の回転可能なポラライザ
ーの代わりに設置されており、1/2波長板36を回転す
ることでポラライザ角θ1の二倍の角度だけ直線偏光の
偏波面を回転できることは言うまでもない。1/2波長板
36はコンピュータ20によってアクチュエータ37を
介して制御される。
【0029】スライドガラス8上の2つの光線EO、O
Eのシャー量2δをノマルスキープリズム13をY方向
に平行な回転軸40を中心にアクチュエータ23によ
り、傾け、シャー量2δを任意の値に設定する。アクチ
ュエータ23はコンピュータ20により制御される。ス
ライドガラス8が完全な鏡面で、2つのビーム間に位相
差を生じるような物体などが全くないときに、物体9と
ノマルスキープリズム13の間で二つの光線に与えられ
る位相差の初期値が2πの整数倍になるようにノマルス
キープリズム13を光軸AXを横切る方向にアクチェー
タ23によって位置調整する。アクチェータ23はコン
ピュータ20によって制御される。
【0030】光線i1はレンズ15によって屈折され、
光電変換素子17により光電変換さる。光電変換素子1
7は映像信号を出力する。光線i2はレンズ16によっ
て屈折され、、光電変換素子18により光電変換さる。
光電変換素子18は映像信号を出力する。ポラライザ角
θ1の光軸AXを中心としたX軸に対する方位角が0〜
90゜(0〜π/2)相当のときは光電変換素子17の映
像信号に対し、減衰器33により(7)式にしたがっ
て、任意の位相差の設定値α1((2)式参照)につい
て最適な係数kが乗じられる。係数kは物体が存在しな
いときの差動信号がゼロとなるように実験的に設定して
も良い。またポラライザ角θ1が90゜〜180゜(π
/2〜π)相当のときは「原理」の項で述べたように減衰
器33を光電変換素子18の出力に挿入すれば良いこと
は言うまでもない。 1つのペアの映像信号は差動増幅
器19に入力され、差動増幅器19は差動信号を出力す
る。差動信号は(6)式のSが相当する。
【0031】位相差の設定値α1は任意であり、例えば
微小な位相の変化量を観察するときには(8)式の値に
する。差動信号は同期装置34、コンピュータ20を経
て、画像表示部21上に表示される。図3は本発明の第
三実施の形態の装置構成を示す図であって、図2の装置
と同様の部材には同様の符号を付してその詳細説明は省
略する。図3の装置は図2の装置とほぼ同じ装置構成で
ある。唯一の違いはXY走査部26の位置にあって、本
実施の形態では物体9からの反射光がもう一度、XY走
査部26を通過するようになっており、いわゆるコンフ
ォーカル顕微鏡の光学構成となっている。したがって光
電変換素子17、18に入射する光束はレーザビームの
物体9上の2次元走査にかかわらず、常に静止するの
で、レンズ15、16によってこれらを集光し、集光点
(物点と共役な点)にピンホール37、38を設けて不
必要な光(フレアーなど)を減少させている。
【0032】図4は本発明の第四実施の形態の装置構成
を示す図であって、図1の装置と同様の部材には同様の
符号を付してその詳細説明は省略する。光源1aは水銀
ランプであって射出する光線は干渉フィルター50によ
って最適な波長が選択される。干渉フィルター50を透
過した光はコレクターレンズ51、第一リレーレンズ
4、第二リレーレンズ5を経て、コンデンサーレンズ7
の瞳位置近傍に位置するポラライザ11、1/4波長板1
2、ノマルスキープリズム6を通過し互いの偏光方向が
直交する二つの直線偏光であって、僅かな相対角度をな
す光線OE、EOに分離して進行する。この2つの光線
OE、EOはコンデンサーレンズ7によって屈折され、
スライドガラス8上の物体9を透過照明する。、ポララ
イザ11は光軸AXを回転軸として回転可能であり、ポ
ラライザ角(θ1)を任意に設定可能である。ポラライ
ザ11はモータやピエゾ等のアクチュエータ52により
駆動され、アクチュエータ52はコンピュータ20によ
って制御される。ポラライザ11の回転により2つの光
線OE、EOの初期位相差α1 を任意の値に設定可能で
ある。
【0033】物体9を透過した光線は対物レンズ10に
入射し、屈折され、対物レンズ10の瞳位置近傍に位置
するノマルスキープリズム13を透過し、アナライザ5
3を一部は透過しアナライザ角に平行な偏波面の直線偏
光の光線i1または光線i2となる。図4における各光
学素子の光軸AXを中心としたX軸に対する方位角はY
軸方向を正とすると、ポラライザ11の方位角(θ1)
は可変であり、1/4波長板12の光学軸の方位は+45
゜、ノマルスキープリズム6、ノマルスキープリズム1
3の楔の向きは0゜、偏光ビームスプリッタ14のアナ
ライザ角(θ2)は45゜にする。なお、これらは図14
と同じである。
【0034】アナライザ53を透過した光線はレンズ1
5によって屈折され、対物レンズ10の物平面に共役な
像平面に干渉像を形成し、像平面上に光検知面を位置さ
せた2次元撮像素子17により光電変換される。2次元
撮像素子17は映像信号を出力する。スライドガラス8
上の2つの光線EO、OEのシャー量2δをノマルスキ
ープリズム13、6をY方向に平行な回転軸40、41
を中心にアクチュエータ23、42により傾け、シャー
量2δを任意の値に設定する。アクチュエータ23、4
2はコンピュータ20により制御される。
【0035】スライドガラス8上に2つのビーム間に位
相差を生じるような物体などが全くないときに、2つの
ノマルスキープリズム6、13の間で二つの光線に与え
られる位相差の初期値が2πの整数倍になるように、例
えばノマルスキープリズム13を光軸AXを横切る方向
にアクチェータ23によって位置調整する。アクチェー
タ23はコンピュータ20によって制御される。
【0036】差画像を得るために、互いに直交する2つ
のポラライザ角度に対応して得られる2つの画像信号は
画像蓄積部24内でA/D変換され、2つの画像データ
として記憶される。例えば顕微鏡による初期位相差の設
定値α1 =0、α2 =πを考える。ノマルスキープリズ
ムの位置調整により、2つのノマルスキープリズムの位
相差が2πの整数倍となるように初期調整してから、ポ
ラライザの方位によってα1 、α2を設定する。まず回
転可能なポラライザ11の方位角(θ1 )をX方向に対し
0に設定し光線i1(α1 =0)に対応する強度画像を
得る。これを画像格納部24内に保存する。次に方位角
(θ1 )をX方向に対し+π/2に設定し光線i2(α
2 =π)に対応する強度画像を得る。これも画像蓄積部
24内に保存する。
【0037】コンピュータ20は画像格納部24内の2つの
画像データの内、光線i1に関する画像の強度に対し
て、係数kであって(7)式における位相差の設定値α
1 (=0)に対して決定する値を乗じてから、差画像デ
ータ(5)、(6)式に従って算出し、これを画像格納
部24内に蓄積する。この差画像をD/A変換し、画像表
示部21に出力する。
【0038】係数kは物体が存在しないときの差動信号
がゼロとなるように実験的に設定しても良い。またポラ
ライザ角θ1 が0°〜90°以外のときは「原理」の項で
述べたように光線i2に関する画像の強度に対して(1
1)式における位相差の設定値α1 (=0)で決定する
最適な係数k-を乗じれば良いことは言うまでもない。
【0039】位相差の設定値α1 は任意であり、例えば
微小な位相の変化量を観察するときには(8)式の値に
する。尚、アナライザ角をX方向に対して0°と90°
(π/2)となるようにして2つの画像を得るようにし
てよいが、本実施の形態ではポラライザをX方向に対し
て0°と90°(π/2)としている。これはノマルス
キープリズムで分離された2つの光線の振幅比を1:1
に保つために重要である。またポラライザの代わりにポ
ラライザの近傍に1/2波長板を付加して、1/2波長
板をX方向に対して0°と45°回転させて2つの画像
を得るようにしてもよい。この場合の1/2波長板は光
源1a と物体8との間に位置するので、像ずれは生じな
い。
【0040】この差画像をD/A変換し、画像表示部2
1に出力する。係数kは物体が存在しないときの差動信
号がゼロとなるように実験的に設定しても良い。またポ
ラライザ角θ1が0゜〜90゜以外のときは「原理」の
項で述べたように光線i2に関する画像の強度に対して
(11)式にしたがって、位相差の設定値α1(=0)
について最適な係数k- を乗じれば良いことは言うまで
もない。
【0041】位相差の設定値α1は任意であり、例えば
微小な位相の変化量を観察するときには(8)式の値に
する。観察者はインターフェース22より蓄積されたデ
ータの表示や他の画像演算を選択できる。観察者はイン
ターフェース22を介して蓄積されたデータの画像表示
部21への表示や、周知の画像処理技術技術に基ずく画
像演算を実行できる。
【0042】なお本実施の形態では位相差の調整機構を
1/4波長板と回転可能なポラライザによって構成した
が、ノマルスキープリズムを光軸を横切る方向に出し入
れすることでも達成可能である。図5は本発明の第五実
施の形態の装置構成であって、図4の第四実施の形態を
落射照明方法によって構成した例であり、図4と同様の
部材には同様の符号をふしてその詳細説明は省略する。
詳細な光学素子の方位などは「原理」の項を参照された
い。
【0043】光源1aは水銀ランプであって射出する光
線は干渉フィルター50によって最適な波長が選択され
る。干渉フィルター50を透過した光はコレクターレン
ズ51、第一リレーレンズ4、第二リレーレンズ5を経
て、対物レンズ10の瞳面と共役な面の近傍に位置する
ポラライザ角(θ1)を任意に設定可能である回転可能
なポラライザ11、1/4波長板12を通過し、コンデン
サーレンズ7によって屈折され、ハーフミラー13によ
って光軸AXに沿って反射される。ハーフミラー13に
よって反射された光線はノマルスキープリズム6を通過
し互いの偏光方向が直交する二つの直線偏光であって、
僅かな相対角度をなす光線OE、EOに分離して進行
し、対物レンズ10によって屈折され、スライドガラス
8上の物体9を落射照明する。
【0044】物体9で反射した光線は対物レンズ10に
入射し、屈折され、対物レンズ10の瞳位置近傍に位置
するノマルスキープリズム6を再度通過し、ハーフミラ
ー13を透過し、アナライザ53を一部は透過しアナラ
イザ角に平行な偏波面の直線偏光の光線i1または光線
i2となる。巣5における各光学素子の光軸AX、AX
0を中心としたX軸に対する方位は図15と同じであ
る。
【0045】アナライザ53を透過した光線はレンズ1
5によって屈折され、対物レンズ10の物平面に共役な
像平面に干渉像を形成し、像平面上に光検知面を位置さ
せた2次元撮像素子17aにより光電変換さる。2次元
撮像素子17aは映像信号を出力する。アナライザ53
を透過した光線はレンズ15によって屈折され、対物レ
ンズ10の物平面に共役な像平面に干渉像を形成し、像
平面上に光検知面を位置させた2次元撮像素子17aに
より光電変換さる。2次元撮像素子17aは映像信号を
出力する。
【0046】ポラライザ11はピエゾ,モータ等のアク
チュエータ52により駆動され、アクチュエータ52は
コンピュータ20によって制御される。ポラライザ11
の回転により2つの光線OE、EOの初期位相差α1
任意の値に設定可能である。スライドガラス8上の2つ
の光線EO、OEのシャー量2δをノマルスキープリズ
ム13をY方向に平行な回転軸40を中心にアクチュエ
ータ23により傾け、シャー量2δを任意の値に設定す
る。アクチュエータ23はコンピュータ20により制御
される。スライドガラス8が完全な鏡面で、2つのビー
ム間に位相差を生じるような物体などが全くないとき
に、物体9とノマルスキープリズム13の間で二つの光
線に与えられる位相差の初期値が2πの整数倍になるよ
うにノマルスキープリズム13を光軸AXを横切る方向
にアクチェータ23によって位置調整する。アクチェー
タ23はコンピュータ20によって制御される。
【0047】差画像を得るために、互いに直交する2つ
のポラライザ角度に対応して得られる2つの画像信号は
画像蓄積部24内でA/D変換され、2つの画像データ
として記憶される。初期位相差の設定値α1=0, α2
=πのとき、2つの画像を得て、2つの画像の差画像を
求める方法は第四実施形態で説明した方法と同様であ
る。
【0048】この差画像をD/A変換し、画像表示部2
1に出力する。係数kは物体が完全に平坦で非常に反射
率の高い物体の時に差動信号がゼロとなるように実験的
に設定しても良い。またポラライザ角θ1が0゜〜90
゜以外のときは「原理」の項で述べたように光線i2に
関する画像の強度に対して、(11)式にしたがって、
位相差の設定値α1(=0)に最適な係数k- を乗じれ
ば良いことは言うまでもない。
【0049】位相差の設定値α1は任意であり、例えば
微小な位相の変化量を観察するときには(8)式の値に
する。なお本実施の形態における1/4波長板12は無く
ても全く問題無い。しかしこの場合、光線OE、EOに
対し、任意の位相差をポラライザの回転によって与える
ことはできない。なお本実施の形態では位相差の調整機
構を1/4波長板と回転可能なポラライザによって構成
したが、ノマルスキープリズムを光軸を横切る方向に出
し入れすることでも達成可能である。
【0050】図6は本発明の第六実施の形態であって、
第一実施の形態の変形例である。唯一の違いは減衰器3
3であって第一実施の形態では電気的に信号強度を調整
していたが、本実施の形態では減衰器33はアナライザ
(検光子)もしくは連続的に濃度の異なるNDフィルタ
ーによって構成されいる。減衰器33をピエゾ素子等の
アクチュエータ39を介して、減衰器33を光軸AXを
回転軸として回転とすることにより、光学的に信号強度
を調整する。アクチュエータ39はコンピュータ20に
よって制御されている。
【0051】ポラライザ角θ1の光軸AXを中心とした
X軸に対する方位角が0〜90゜(0〜π/2)相当のと
きは光電変換素子17の直前の光線に対し、減衰器33
により(7)式にしたがって、任意の位相差の設定値α
1((2)式参照)に対して最適な係数kがが乗じられ
る。係数kは物体が存在しないときの差動信号がゼロと
なるように実験的に設定しても良い。
【0052】またポラライザ角θ1が90゜〜180゜
(π/2〜π)相当のときは「原理」の項で述べたように
減衰器33(アナライザあるいはフィルター)を光電変
換素子18の直前の光線の光路中に挿入すれば良いこと
は言うまでもない。図7は本発明の第七実施の形態であ
って、第二実施の形態の顕微鏡によってウェハ上の周期
性の回路パターン内の欠陥を検査するウェハ欠陥検査装
置を構成した例である。図2の装置と同様の部材には同
一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図2からの構
成上の変更点を述べると、差動増幅器19と同期回路3
4の間に信号処理回路44が挿入され、物体9がウェハ
Wに代わり、スライドガラス8がXYステージSTに代
わっている。またディスプレイ21は視野内の画像を映
し出すだけではなくウェハ表面の複数の場所に視野を位
置させて検査された全領域内の欠陥をマッピングした検
査結果のマップを表示することもできる。XYステージ
STはモータ等の駆動装置55により2次元方向の移動
及び回転可能であり、駆動装置55は同期装置34を介
してコンピュータ20によって制御される。XYステー
ジSTの2次元移動によって任意の領域を検査できる。
【0053】図8にその様子を示す。ダイDはウェハW
上の一つの回路領域を示す。図7の欠陥検査装置は視野
FV内を観察可能であるのでXYステージSTによって
ウェハWを等速で、例えばY方向に移動させながら、X
Y走査部26により光線OE、EOをX方向に往復の光
走査を行うことにより2次元領域Sを検査することがで
きる。この検査領域Sは光走査の走査距離Lに等しい幅
を有する帯状の検査領域S1の長さを連続的に拡大する
ことで形成され、ウェハWをX方向にステップ移動させ
ることで帯状の領域S1をX方向に拡大することができ
る。同図で1度の光走査によって検査される領域を領域
S1で示す。
【0054】またこの場合、シャーの方向が光走査方向
に一致しているため、シャー量2δのため走査距離Lは
最大でも視野FVの直径よりも2δ短い。シャーの方向
は光走査と必ずしも一致させる必要はない。このような
光走査とステージの駆動で欠陥検査を行う場合、図7の
欠陥検査装置の光走査手段(XY走査部26)は特に2
次元光走査を行う必要はなく、1次元の光走査手段でも
良い。
【0055】また通常の微分干渉顕微鏡でシャー量を大
きく変化させると、視野内のシャー方向に垂直であって
光軸を通る帯状の領域以外の領域が帯状の領域に比べて
より明るくなる。このように視野内の位置によって背景
の明るさが異なってしまう場合は、本欠陥検査装置の顕
微鏡部分は2つの偏光方向の光を光電変換し、これらの
差をとって暗視野の画像を作っても視野内を一様に暗く
することはできない。しかし視野内のシャー方向に垂直
であって、光軸を通る帯状の領域内は完全に暗くでき
る。これは光電変換される2つの偏光方向の光線が光線
OE,EO の位相差の差がπであって、ブライトコントラス
ト, ダークコントラストの関係にあるので、明暗が逆転
するためである。従って先の視野内の帯状の領域とそれ
以外の領域の明暗や逆転してしまう。この不適合は照明
光のスキャン方向とシャーの方向を直交させて、先に述
べたシャー量に依存せずに暗くすることができる帯状の
領域の長手方向に光走査を行うことで回避できる。
【0056】尚検査結果から任意位置の欠陥部分を観察
したい場合には、2次元の光走査を行って、ステージを
静止させて2次元の画像をディスプレイできる方が便利
である。図9は典型的なウェハW内のダイDの配列を示
す。複数のダイDは通常XY方向に方眼状に位置してい
る。図10はダイD内の周期回路パターンの例であって
周期回路パターンHはXY方向に周期的に配列されX方
向の繰り返し周期(ピッチ)はδaである。図7の欠陥
検査装置は視野FV内を観察可能で、視野の中心付近に
二つの光線OE、EOが静止している様子を示す。2つ
の光線EO、OEの間隔つまりシャー量は2δであっ
て、これを繰り返しのピッチδaに一致させ、シャーの
方向つまり光線OE、EOの中心を通る直線の向きをX
方向に一致させている。シャー量とシャー方向は以上の
ような設定の他にも例えば光線をOEとEO1、OEと
EO2、OEとEO3などに設定してもよい。つまり二
つの光線が繰り返しパターンの同一箇所に衝突するよう
にシャー量とシャー方向を決定すれば良い。また図7の
欠陥検査装置はシャーの方向を調整する機構を有してい
ないが、ステージSTを回転させることによりウェハW
を回転させてシャーの方向を相対的に調整すれば良い。
本実施の形態のようにウェハを回転することで、比較さ
れるべき2つの回路パターンの間隔を選択することがで
きる。従ってウェハの回転を粗調整に用いればシャー量
の可変範囲を最小限にすることができ、シャー量の可変
機構は微調整する機構として用いることができる。
【0057】このような設定において本実施の形態の欠
陥検査装置は(14)式の状態の物体を観察することに
なり、任意の位相差の設定値α1において無欠陥の繰り
返し回路パターン部分やパターンの無い部分で完全に像
を消失することができ、信号処理回路(二値化手段)4
4により差動信号の強度を二値化することで簡単に欠陥
のみの抽出が行える。
【0058】信号処理回路44は差動出力がゼロレベル
を中心にプラスマイナスに振れる信号(いわゆるバイポ
ーラの信号)であるので、プラス側とマイナス側にスレ
ショルドを有するいわゆるウィンドウコンパレータを有
している。二値化のスレショルドレベルは電気的、光学
的なノイズに対して適当な値に設定する。コンピュータ
20はこの二値化信号に基づいて欠陥を検出する。
【0059】信号処理回路44によって二値化される以
前の信号量は、欠陥の程度に略々比例するので、これを
もって欠陥の大きさ情報としてディスプレイに表示する
ことは有効である。信号処理回路44によって二値化さ
れる以前の信号量は、欠陥ありを示す二値化信号と、欠
陥の位置を示す同期回路34からの位置情報とともにコ
ンピュータ20に入力される。これらの信号、情報をも
とにコンピュータ20は欠陥のマップを作り、ディスプ
レイ20に表示する。
【0060】コンピュータ20はアクチュエータ23を
制御し、前述のノマルスキープリズム13を微調整し、
顕微鏡の初期位相差量とシャー量を設定可能で、またア
クチュエータ37によって、1/2λ板36を回転させ
て、顕微鏡の位相差の設定値α1を調整可能である。す
なわち検査開始前の顕微鏡の初期位相差量、シャー量、
位相差の設定値α1、減衰器33のゲインのセットアッ
プが自動で可能である。これらのセットアップには無欠
陥のレチクルや欠陥ありのレチクルの無欠陥部分におけ
る差画像信号が最小になるようにセットアップされる。
【0061】顕微鏡の位相差量はシャー量を決定した後
に微調整する必要が有る。まずλ/2板36をα1=0とな
る角度に設定し、適当なシャー量にして、完全な鏡面を
用いて、光線EO、OEの位相差(初期位相差)をゼロ
とし、次に無欠陥のレチクルや欠陥ありのレチクルの無
欠陥部分における差画像信号が最小になるようにシャー
量を調整し、再度初期位相差量を調整する。このとき減
衰器33の係数は当然α1=0の時の値付近とする。
【0062】なお、なるべく微小な段差を有する欠陥を
検出したい場合には、位相差の設定値α1はπ/2とする
ことが望ましい。また位相差の設定値α1を変更するこ
とで欠陥の検出感度を変更することも可能である。欠陥
の検出感度の変更は、位相差の設定値α1はπ/2に固定
して光学的には最高の検出感度状態としておいて、信号
処理回路(二値化手段)44のスレショルドレベルを変
更しても可能で、この場合は図11に示す装置のような
光学系でも良い。つまり位相差の設定値α1はπ/2に固
定するのでλ/2板36、λ/4板12は無く、位相差の調
整を容易にするため、λ/4板Qが光軸AX上にアクチュ
エータAによって挿入、退避させることができるように
なっている。アクチュエータAはコンピュータ20によ
り制御される。同図における検査前のセットアップはま
ずλ/4板QをアクチュエータAによって光軸AXから退
避させ、顕微鏡の初期位相差量、シャー量、減衰器33
のゲインのセットアップを行う。
【0063】顕微鏡の位相差量はシャー量を決定した後
に微調整する必要が有る。まず適当なシャー量にして、
完全な鏡面を用いて、光線EO、OEの位相差(初期位
相差)をゼロとし、次に無欠陥のレチクルや欠陥ありの
レチクルの無欠陥部分における差画像信号が最小になる
ようにシャー量を調整し、再度、初期位相差量を調整す
る。このとき減衰器33の係数は当然α1=0の時の値付
近とする。その後、λ/4板QをアクチュエータAによっ
て光軸AXに挿入し、α1=π/2とし、減衰器33の係数
をそれに対応する値付近に設定する。
【0064】図12は第八実施の形態であり第七実施の
形態の変形例である。唯一の違いは光線分離手段であっ
て、ノマルスキープリズムの代わりに、プリズム43が
用いられており、光軸AXを折り曲げる必要から反射ミ
ラーM3が追加されている。プリズム43は二つの反射
平面M1、M2と偏光ビームスプリッター平面PBS1
からなる。これらの平面は紙面に垂直である。偏光ビー
ムスプリッター平面PBS1は紙面に平行な偏波面の直
線偏光を透過させ、垂直な直線偏光を反射させる。反射
平面M1と偏光ビームスプリッター平面PBS1は平行
であって、反射平面M2と偏光ビームスプリッター平面
PBS1は平行から若干(例えば数度)角度が付いてい
る。プリズム43は回転軸50を中心にアクチュエータ
23によって回転可能で、また紙面に平行で、かつ偏光
ビームスプリッター平面PBS1に平行な方向にもアク
チュエータ23によって移動可能である。
【0065】レーザー1より射出する照明光線は第九実
施の形態と同様に各光学素子を経由しハーフミラー3に
反射され、さらに反射ミラーM3に反射されプリズム4
3に入射する。プリズム43はノマルスキープリズムと
全く同様の機能を有する。つまり、入射光線を互いに直
交する偏波面であって僅かな角度(分離角度)を有する
2つの光線EO、OEに分離する。光線OE、EOは対
物レンズ10を経て2δシャーした光線になりウェハW
に衝突する。光線OE、EOはウェハWによって反射さ
れもとの光路を遡り再び一つの光線になってプリズムの
い外に出る。
【0066】プリズム43をアクチュエータ23によっ
て回転軸40を中心に回転させると、シャー量2δを変
化させることができる。また紙面に平行で、かつ偏光ビ
ームスプリッター平面PBS1に平行な方向に移動させ
ることで光線EO、OEの位相差を調整できる。反射ミ
ラーMが常にPBS1と平行になるようにプリズム43
の回転にあわせて、反射ミラーM3を回転軸45を中心
に回転させれば光線OEの移動を減少させて光線EOの
みを移動することができる。このようにプリズム43は
シャー量と初期位相差量を調整でき、ノマルスキープリ
ズムと同様に扱える。したがって光線分離手段以外の構
成、機能は第七実施の形態と同様で全く問題無い。
【0067】第13図は本発明の第九実施の形態で、第
七実施の形態、第八実施の形態のもう一つの変形例であ
る。これらとの違いはやはり光線分離手段に有って、本
実施の形態ではノマルスキープリズムの代わりに二つの
反射ミラーM1、M2と二つの偏光ビームスプリッター
PBS1、PBS2が置載されている。PBS1、PB
S2の偏光ビームスプリッター平面と反射ミラーM1、
M2の反射平面は紙面に垂直であってPBS1、PBS
2の偏光ビームスプリッター平面とミラーM1の反射平
面は平行であり、ミラーM2は紙面に垂直な回転軸40
を中心にアクチュエータ23により回転可能である。ま
たアクチュエータ23によりX方向に平行移動させるこ
ともできる。
【0068】偏光ビームスプリッタPBS1、PBS2
は紙面に平行な偏波面の直線偏光を透過させ、紙面に垂
直な偏波面の直線偏光を透過させる。したがってミラー
M3により反射される照明光はPBS1により偏光分離
され光線OE、EOに分かれて、反射ミラーM1、M2
に向かいそれぞれ反射されて、光線OEは偏光ビームス
プリッタPBS2を透過し、光線EOは反射され、対物
レンズ10に向かって進行する。光線EOは反射ミラー
M2を僅かな角度だけ回転軸40を中心に傾けること
で、光線OEに対して僅かの角度だけことなる方向でP
BS2から射出する。したがって対物レンズを通過した
後のシャー量2δを任意に調整可能である。また反射ミ
ラーM2をX方向にアクチュエータ23によって移動さ
せることで、OE光線OEと光線EOの初期位相差量を
調整可能である。
【0069】このようにして二つの偏光ビームスプリッ
タと2枚の平面ミラーによってもノマルスキープリズム
の代用になり、全く同じ機能をさせることができる。本
発明における他の構成及び機能は第七、第八実施の形態
と同様で全く問題無い。また、対物レンズの瞳近傍に光
線分離手段(ノマルスキープリズム等)を設置可能なと
きは2つの直線偏光がわずかな角度をなすものがよく、
それ以外の場所では平行に分離する装置でよい。対物レ
ンズ等の光学系と使用する光線分離手段(ノマルスキー
プリズム等)の光学設計に応じて、設置場所を適宜選択
すればよい。
【0070】また1/2波長板は、偏光回転作用のある
旋光子として例えば磁気光学効果を用いたファラデーロ
や電気光学効果を応用した旋光子に置き換え可能であ
る。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、常に背景の光強度値が
ゼロの、光学的な暗視野画像に保ちつつ、かつ位相物体
の平均位相微分に対する微小な位相微分変化量を最高の
コントラストで画像化しうる顕微鏡及び顕微鏡を使った
欠陥検知装置を提供できる。また周期性パターン内の欠
陥を検出可能な欠陥検査装置を容易に構成し得る。また
シャー量を可変な構成として完全な暗視野が得られる微
分干渉顕微鏡及び顕微鏡を使った欠陥検知装置を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施の形態の装置構成を示す図で
ある。
【図2】本発明の第二実施の形態の装置構成を示す図で
ある。
【図3】本発明の第三実施の形態の装置構成を示す図で
ある。
【図4】本発明の第四実施の形態の装置構成を示す図で
ある。
【図5】本発明の第五実施の形態の装置構成を示す図で
ある。
【図6】本発明の第六実施の形態の装置構成を示す図で
ある。
【図7】本発明の第七実施の形態の装置構成(欠陥検査
装置)を示す図である。
【図8】検査領域を示す図である。
【図9】ウエハ上のパターン領域を示す図である。
【図10】ウエハ上のパターンとシャー量との関係を示
す図である。
【図11】本発明の第七実施の形態の装置構成(欠陥検
査装置)の変形を示す図である。
【図12】本発明の第八実施の形態の装置構成を示す図
である。
【図13】本発明の第九実施の形態の装置構成を示す図
である。
【図14】本発明の原理を説明する図である。
【図15】本発明の原理を説明する図である。
【符号の説明】
1、1a…光源 6、13…ノマルスキープリズム 9…物体 12…1/4波長板 14…偏光ビームスプリッタ 17、18…光電変換素子 19…差動増幅器 20…コンピュータ 33…減衰器 36…1/2波長板

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体を観察する顕微鏡において、 光源からの第1の光線を前記物体に向ける光学系と;前
    記第1の光線を第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つ
    の直線偏光であって、所定の角度または間隔をなす光線
    に分離する分離光学系と;前記2つの直線偏光の間の位
    相差を調整する位相差調整手段と;前記所定の角度また
    は間隔を調整する分離調整手段と;前記2つの直線偏光
    の光線を集光し、前記物体内の所定領域内で2つの被照
    射点を形成する集光レンズと;前記物体から発生する少
    なくとも前記第1と第2の偏光状態の光線を屈折する対
    物レンズと;前記対物レンズを通過した前記第1と第2
    の偏光状態の光線を第3の偏光状態の光に合成する合成
    光学系と;前記第3の偏光状態の光から第4の偏光状態
    の光線と第5の偏光状態の光線とを選択する偏光選択手
    段系と;前記第4の偏光状態の光線を光電変換し、第1
    信号を出力する第1光電変換素子と;前記第5の偏光状
    態の光線を光電変換し、第2信号を出力する第2光電変
    換素子と;前記第1信号と前記第2信号の信号強度の比
    を調節する信号比調整手段と;前記調整手段によって所
    定の強度比となった前記第1、第2信号の差である差信
    号を出力する差信号出力回路とを有することを特徴とす
    る顕微鏡。
  2. 【請求項2】前記物体は光透過性の物体であり、前記信
    号比調整手段は前記物体がないときに前記差信号が零と
    なるように、前記2つの信号の強度比を調整することを
    特徴とする請求項1記載の顕微鏡。
  3. 【請求項3】前記物体は光反射性の物体であり、前記集
    光レンズと前記対物レンズは兼用されるとともに、前記
    分離光学系と前記合成光学系とは兼用され、 前記光源からの第1の光線を前記物体に向ける光学系
    は、前記第1の光線を前記兼用された対物レンズに向け
    て反射するハーフミラーとを有し、 前記信号比調整手段は前記物体が凹凸のない完全な鏡面
    であるときに前記差信号が零となるように、前記2つの
    信号の強度比を調整することを特徴とする請求項1記載
    の顕微鏡。
  4. 【請求項4】前記分離光学系と前記合成光学系との少な
    くとも一方は、複屈折性プリズムであることを特徴とす
    る請求項1記載の顕微鏡。
  5. 【請求項5】前記分離光学系と前記合成光学系との少な
    くとも一方は、偏光ビームスプリッタ面を有するプリズ
    ムであることを特徴とする請求項1記載の顕微鏡。
  6. 【請求項6】前記分離光学系と前記合成光学系との少な
    くとも一方は、偏光ビームスプリッタとミラーとの組み
    合わせの光学系であることを特徴とする請求項1記載の
    顕微鏡。
  7. 【請求項7】前記第1の光線の前記第1の偏光状態に平
    行な直線偏光の成分と前記第2の偏光状態に平行な直線
    偏光の成分の間の相対的な位相差量を調整する位相差調
    整機構を更に有することを特徴とする請求項1記載の顕
    微鏡。
  8. 【請求項8】前記相対的な位相差量はπ/2であること
    を特徴とする請求項7記載の装置。
  9. 【請求項9】前記位相差調整手段は前記分離光学系と前
    記合成光学系との少なくとも一方を、前記対物レンズの
    光軸と交差する方向に移動する移動機構であることを特
    徴とする請求項1記載の顕微鏡。
  10. 【請求項10】前記位相差調整手段は、1/4波長板と
    ポラライザとの組み合わせであることを特徴とする請求
    項1記載の顕微鏡。
  11. 【請求項11】前記偏光選択手段は偏光ビームスプリッ
    タであることを特徴とする請求項1記載の顕微鏡。
  12. 【請求項12】前記第4の偏光状態は直線偏光であっ
    て、前記第1の偏光状態の直線偏光の偏波面に対して9
    0°の整数倍をなし、前記第5の偏光状態は直線偏光で
    あって、前記第4の偏光状態の直線偏光の偏波面に対し
    て直交することを特徴とする請求項1記載の顕微鏡。
  13. 【請求項13】前記信号比調整手段は、光学的に前記信
    号強度を調整することを特徴とする請求項1記載の顕微
    鏡。
  14. 【請求項14】前記信号比調整手段は、減衰回路である
    ことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡。
  15. 【請求項15】物体を観察する顕微鏡において、 前記光源からの第1の光線をポラライザ角に平行な直線
    偏光にするポラライザと;前記ポラライザを透過した第
    1の光線を前記物体に向ける光学系と;前記第1の光線
    を第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光で
    あって、所定の角度または間隔をなす光線に分離する分
    離光学系と;前記2つの直線偏光の間の位相差を調整す
    る位相差調整手段と;前記所定の角度または間隔を調整
    する分離調整手段と;前記2つの直線偏光の光線を集光
    し、前記物体内の所定領域内を一括して照明する集光レ
    ンズと;前記物体から発生する少なくとも前記第1と第
    2の偏光状態の光線を屈折する対物レンズと;前記対物
    レンズを通過した前記第1と第2の偏光状態の光線を第
    3の偏光状態の光線に合成する合成光学系と;前記第3
    の偏光状態の光線を第4の偏光状態の光線にするアナラ
    イザと;前記第4の偏光状態の光線を光電変換する光電
    変換素子と;前記光電変換素子からの信号であるととも
    に、同一物体からの信号であって、前記第1の偏光状態
    と前記第2の偏光状態の2つつの直線偏光の光線の相対
    的な位相差量が第1の位相差の場合の第1信号と第2の
    位相差の場合の第2信号との2つの信号を記憶する記憶
    手段と;前記記憶手段から前記2つの信号を読出し、前
    記第1信号と前記第2信号の信号強度比を調整する信号
    比調整手段;前記信号比調整手段によって所定の強度比
    になった前記2つの信号の差である差信号を出力する差
    信号出力手段を有することを特徴とする顕微鏡。
  16. 【請求項16】物体を観察する顕微鏡を有し、物体上の
    欠陥を検査する欠陥検査装置において、 光源からの第1の光線を前記物体に向ける光学系と;前
    記第1の光線を第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つ
    の直線偏光であって、所定の角度または間隔をなす光線
    に分離する分離光学系と;前記2つの直線偏光の間の位
    相差を調整する位相差調整手段と;前記所定の角度また
    は間隔を調整する分離調整手段と;前記2つの直線偏光
    の光線を集光し、前記物体内の所定領域内で2つの被照
    射点を形成する集光レンズと;前記物体から発生する少
    なくとも前記第1と第2の偏光状態の光線を屈折する対
    物レンズと;前記対物レンズを通過した前記第1と第2
    の偏光状態の光線を第3の偏光状態の光に合成する合成
    光学系と;前記第3の偏光状態の光から第4の偏光状態
    の光線と第5の偏光状態の光線とを選択する偏光選択光
    学系と;前記第4の偏光状態の光線を光電変換し、第1
    信号を出力する第1光電変換素子と;前記第5の偏光状
    態の光線を光電変換し、第2信号を出力する第2光電変
    換素子と;前記第1信号と前記第2信号の信号強度の比
    を調節する信号比調整手段と;前記調整手段によって所
    定の強度比となった前記第1、第2信号の差である差信
    号を出力する差信号出力回路と;前記差信号に基づいて
    前記欠陥を検出する検出回路とを有することを特徴とす
    る欠陥検査装置。
  17. 【請求項17】物体を観察する顕微鏡を有し、物体上の
    欠陥を検査する欠陥検査装置において、 前記光源からの第1の光線をポラライザ角に平行な直線
    偏光にするポラライザと;前記ポラライザを透過した第
    1の光線を前記物体に向ける光学系と;前記第1の光線
    を第1の偏光状態と第2の偏光状態の2つの直線偏光で
    あって、所定の角度または間隔をなす光線に分離する分
    離光学系と;前記2つの直線偏光の間の位相差を調整す
    る位相差調整手段と;前記所定の角度または間隔を調整
    する分離調整手段と;前記2つの直線偏光の光線を集光
    し、前記物体内の所定領域内を一括して照明する集光レ
    ンズと;前記物体から発生する少なくとも前記第1と第
    2の偏光状態の光線を屈折する対物レンズと;前記対物
    レンズを通過した前記第1と第2の偏光状態の光線を第
    3の偏光状態の光線に合成する合成光学系と;前記第3
    の偏光状態の光線を第4の偏光状態の光線にするアナラ
    イザと;前記第4の偏光状態の光線を光電変換する光電
    変換素子と;前記光電変換素子からの信号であるととも
    に、同一物体からの信号であって、前記第1の偏光状態
    と前記第2の偏光状態の2つつの直線偏光の光線の相対
    的な位相差量が第1の位相差の場合の第1信号と第2の
    位相差の場合の第2信号との2つの信号を記憶する記憶
    手段と;前記記憶手段から前記2つの信号を読出し、前
    記第1信号と前記第2信号の信号強度比を調整する信号
    比調整手段;前記信号比調整手段によって所定の強度比
    になった前記2つの信号の差である差信号を出力する差
    信号出力手段と;前記差信号に基づいて前記欠陥を検出
    する検出回路とを有することを特徴とする欠陥検査装
    置。
  18. 【請求項18】前記2つの被照射点を前記物体上で走査
    する走査手段を更に有し、該走査の方向と前記物体上で
    の前記2つの被照射点の分離方向とが直交していること
    を特徴とする請求項17記載の装置。
  19. 【請求項19】前記第1の偏光状態と第2の偏光状態の
    2つの直線偏光ののをと前記物体との相対位置を可変と
    する駆動手段を更に有していることを特徴とする請求項
    17項もしくは18に記載の装置。
JP7217987A 1995-08-25 1995-08-25 微分干渉顕微鏡及び該顕微鏡を使った欠陥検査装置 Withdrawn JPH0961370A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013531816A (ja) * 2010-06-21 2013-08-08 ザ、リージェンツ、オブ、ザ、ユニバーシティ、オブ、カリフォルニア 微分干渉コントラストの連続した時間でエンコードされた増幅顕微鏡検査法
WO2023135681A1 (ja) * 2022-01-12 2023-07-20 株式会社日立ハイテク 表面検査装置

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