JPH0961327A - 金属線の疲労試験方法および装置 - Google Patents
金属線の疲労試験方法および装置Info
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- JPH0961327A JPH0961327A JP23605195A JP23605195A JPH0961327A JP H0961327 A JPH0961327 A JP H0961327A JP 23605195 A JP23605195 A JP 23605195A JP 23605195 A JP23605195 A JP 23605195A JP H0961327 A JPH0961327 A JP H0961327A
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- Japan
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- fatigue
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- Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 タイヤの補強材などに用いられる金属線の疲
労度を定量的に評価する。 【解決手段】 支持台1の一端に金属線Wの一端を保持
する第一のチャック2を、他端に金属線の他端を保持す
る第二のチャック3を具える。第一のチャック2は、支
持台1に回転自在に取り付けられ、モータ4で回転され
る。第二のチャック3は、軸方向にスライド自在に支持
台1に取り付けられ、所定のウェート5が装着される。
試験は、金属線Wの端部を両チャック2,3で固定し、
第一のチャックを回転させて、張力をかけた状態でねじ
りを付与し、破断するまでのねじり回数により疲労程度
を判定する。
労度を定量的に評価する。 【解決手段】 支持台1の一端に金属線Wの一端を保持
する第一のチャック2を、他端に金属線の他端を保持す
る第二のチャック3を具える。第一のチャック2は、支
持台1に回転自在に取り付けられ、モータ4で回転され
る。第二のチャック3は、軸方向にスライド自在に支持
台1に取り付けられ、所定のウェート5が装着される。
試験は、金属線Wの端部を両チャック2,3で固定し、
第一のチャックを回転させて、張力をかけた状態でねじ
りを付与し、破断するまでのねじり回数により疲労程度
を判定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイヤの補強材など
に用いられる金属線の疲労程度を試験するための方法と
装置に関するものである。
に用いられる金属線の疲労程度を試験するための方法と
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、タイヤや高圧ホースでは、より耐久性に優れたもの
が要求されており、補強に用いられる金属線{金属コー
ド(撚り線)も含む}にも一層の耐疲労性が要求されて
いる。タイヤや高圧ホースの耐久性は金属線の機械的特
性のみで決まるものではなく、ゴムとの複合体としての
構造や、そのものの使用条件によるところが大きい。従
って、実際に使用されたタイヤや高圧ホースより金属線
を取り出し、疲労の程度を定量的に評価できれば、耐久
性向上のための金属線の改善と、ゴムとの複合体として
の構造設計の改善に反映させることができる。
年、タイヤや高圧ホースでは、より耐久性に優れたもの
が要求されており、補強に用いられる金属線{金属コー
ド(撚り線)も含む}にも一層の耐疲労性が要求されて
いる。タイヤや高圧ホースの耐久性は金属線の機械的特
性のみで決まるものではなく、ゴムとの複合体としての
構造や、そのものの使用条件によるところが大きい。従
って、実際に使用されたタイヤや高圧ホースより金属線
を取り出し、疲労の程度を定量的に評価できれば、耐久
性向上のための金属線の改善と、ゴムとの複合体として
の構造設計の改善に反映させることができる。
【0003】一方、金属線の機械的特性を評価する試験
としては、引張試験・曲げ試験・巻き付け試験・ねじり
試験などがある。特に、金属線の靱性を定量的に評価す
る方法として、ねじり試験が重要視されている。ねじり
試験は、たるまない程度に保持した金属線の一端を固定
し、他端を回転させながらねじりを加え、破断するまで
の捻回値により靱性を評価するというものである。一般
的には靱性が良好であれば耐疲労性(繰り返し曲げ疲労
など)も良好であると考えられているが、実際にはこの
ようなねじり試験でも金属線の疲労程度を定量的に評価
することはできない。他に疲労程度を評価する技術とし
て、疲労により発生する金属線表面の微小な亀裂・肌荒
れを電子顕微鏡で観察する方法もあるが、多大な労力を
要する上に定量的な評価がむずかしい。従って、耐久性
に優れたタイヤや高圧ホースを得るために、補強材であ
る金属線の疲労程度を定量的に評価する試験技術が要望
されていた。
としては、引張試験・曲げ試験・巻き付け試験・ねじり
試験などがある。特に、金属線の靱性を定量的に評価す
る方法として、ねじり試験が重要視されている。ねじり
試験は、たるまない程度に保持した金属線の一端を固定
し、他端を回転させながらねじりを加え、破断するまで
の捻回値により靱性を評価するというものである。一般
的には靱性が良好であれば耐疲労性(繰り返し曲げ疲労
など)も良好であると考えられているが、実際にはこの
ようなねじり試験でも金属線の疲労程度を定量的に評価
することはできない。他に疲労程度を評価する技術とし
て、疲労により発生する金属線表面の微小な亀裂・肌荒
れを電子顕微鏡で観察する方法もあるが、多大な労力を
要する上に定量的な評価がむずかしい。従って、耐久性
に優れたタイヤや高圧ホースを得るために、補強材であ
る金属線の疲労程度を定量的に評価する試験技術が要望
されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は張力をかけなが
らねじり試験を行った場合の捻回値と繰り返し曲げ疲労
との間に相関関係があるという知見に基づくもので、金
属線の疲労程度を定量的に評価できる試験方法と装置を
提供するものである。即ち、金属線の一端を固定し、他
端を回転させて、張力をかけた状態でねじりを付与し、
破断するまでのねじり回数により疲労程度を判定するこ
とを特徴とする。ここで、金属線は次の条件の少なくと
も1つを満たすものが好適である。 炭素含有量0.6%以上の鋼線またはステンレス線で
あること。 直径が3.0mm以下であること。 長さが直径の50倍以上であること。 また、金属線に付与する引張力はその金属線の引張強さ
の5〜90%の範囲内であることが好ましい。そして、
ねじりを付与する際の回転速度は20回/分以上とする
とよい。
らねじり試験を行った場合の捻回値と繰り返し曲げ疲労
との間に相関関係があるという知見に基づくもので、金
属線の疲労程度を定量的に評価できる試験方法と装置を
提供するものである。即ち、金属線の一端を固定し、他
端を回転させて、張力をかけた状態でねじりを付与し、
破断するまでのねじり回数により疲労程度を判定するこ
とを特徴とする。ここで、金属線は次の条件の少なくと
も1つを満たすものが好適である。 炭素含有量0.6%以上の鋼線またはステンレス線で
あること。 直径が3.0mm以下であること。 長さが直径の50倍以上であること。 また、金属線に付与する引張力はその金属線の引張強さ
の5〜90%の範囲内であることが好ましい。そして、
ねじりを付与する際の回転速度は20回/分以上とする
とよい。
【0005】一方、本発明装置は、支持台の一端に金属
線の一端を保持する第一のチャックを、支持台の他端に
第一のチャックと対向し、金属線の他端を保持する第二
のチャックを具え、前記第一のチャックは、軸方向にス
ライド自在に支持台に取り付けられ、金属線を保持しな
い端部に所定のウェートが装着され、前記第二のチャッ
クは、支持台に回転自在に取り付けられ、回転させる駆
動手段を具えることを特徴とする。
線の一端を保持する第一のチャックを、支持台の他端に
第一のチャックと対向し、金属線の他端を保持する第二
のチャックを具え、前記第一のチャックは、軸方向にス
ライド自在に支持台に取り付けられ、金属線を保持しな
い端部に所定のウェートが装着され、前記第二のチャッ
クは、支持台に回転自在に取り付けられ、回転させる駆
動手段を具えることを特徴とする。
【0006】
【作用】金属線の疲労を考察すると、繰り返し曲げを受
けた場合、まず金属線の表面に疲労による微小な亀裂を
生じ、それが進行して曲げ応力や引張応力に耐えられな
くなり破断するものと考えられる。そこで、疲労に伴っ
て生じる微小な亀裂と繰り返し疲労との間や、従来のね
じり試験(張力の付与なし)と繰り返し曲げ疲労との間
に相関関係があるのではないかとの観点からいくつかの
検討を行った。
けた場合、まず金属線の表面に疲労による微小な亀裂を
生じ、それが進行して曲げ応力や引張応力に耐えられな
くなり破断するものと考えられる。そこで、疲労に伴っ
て生じる微小な亀裂と繰り返し疲労との間や、従来のね
じり試験(張力の付与なし)と繰り返し曲げ疲労との間
に相関関係があるのではないかとの観点からいくつかの
検討を行った。
【0007】電子顕微鏡による金属線表面の観察 疲労している金属線(繰り返し曲げを与えたもの)とそ
うでない金属線について、電子顕微鏡で表面観察を行っ
た。その結果、疲労している金属線でも亀裂を発見でき
ないものがあった。また、発見できてもその状態が一様
でないことから疲労程度を定量的に判断するには至らな
かった。ねじり試験(張力の付与なし) 疲労している金属線(繰り返し曲げを与えたもの)とそ
うでない金属線についてねじり試験を行い、捻回値と疲
労程度の間に相関関係が認められるか調べてみた。しか
し、両者の間に明確な相関関係は見られなかった。ま
た、金属線Wの破断面を観察してみた。図7に示すよう
に、中心部にほとんどねじられずに破断直前まで残った
部分(未ねじれ部9)が認められる。しかも、この未ね
じれ部9の面積は極めて小さく、金属線Wの疲労程度に
かかわらずこの状態が観察された。これは、金属線に引
張力がかかっていないため、疲労により金属線表面に発
生した微細な亀裂がねじりにより金属線の外周から内周
に向かって進行しても、ねじりに耐えられなくなるほぼ
限界まで破断せず、未ねじれ部の面積が極めて小さい段
階まで捻回できたものと考えられる。
うでない金属線について、電子顕微鏡で表面観察を行っ
た。その結果、疲労している金属線でも亀裂を発見でき
ないものがあった。また、発見できてもその状態が一様
でないことから疲労程度を定量的に判断するには至らな
かった。ねじり試験(張力の付与なし) 疲労している金属線(繰り返し曲げを与えたもの)とそ
うでない金属線についてねじり試験を行い、捻回値と疲
労程度の間に相関関係が認められるか調べてみた。しか
し、両者の間に明確な相関関係は見られなかった。ま
た、金属線Wの破断面を観察してみた。図7に示すよう
に、中心部にほとんどねじられずに破断直前まで残った
部分(未ねじれ部9)が認められる。しかも、この未ね
じれ部9の面積は極めて小さく、金属線Wの疲労程度に
かかわらずこの状態が観察された。これは、金属線に引
張力がかかっていないため、疲労により金属線表面に発
生した微細な亀裂がねじりにより金属線の外周から内周
に向かって進行しても、ねじりに耐えられなくなるほぼ
限界まで破断せず、未ねじれ部の面積が極めて小さい段
階まで捻回できたものと考えられる。
【0008】引張ねじり試験(張力の付与あり) 上記の試験ではいずれも疲労程度を定量的に評価するこ
とができなかったため、金属線に張力をかけながらねじ
り試験を行ってみた。その結果、疲労程度が高いものほ
ど少ない捻回値で破断に至り、捻回値と疲労程度の間に
相関関係のあることが判明した。また、金属線Wの破断
面を観察したところ、図8に示すように、未ねじれ部9
の大きさが引張試験におけるそれよりもはるかに大きか
った。これは、引っ張りとねじれの両荷重が加わること
で、ねじり試験に比べて早期に破断に至ったものと思わ
れる。即ち、金属線の疲労に対する感受性が高まり、小
さな疲労でも捻回値に差がでるものと思われる。
とができなかったため、金属線に張力をかけながらねじ
り試験を行ってみた。その結果、疲労程度が高いものほ
ど少ない捻回値で破断に至り、捻回値と疲労程度の間に
相関関係のあることが判明した。また、金属線Wの破断
面を観察したところ、図8に示すように、未ねじれ部9
の大きさが引張試験におけるそれよりもはるかに大きか
った。これは、引っ張りとねじれの両荷重が加わること
で、ねじり試験に比べて早期に破断に至ったものと思わ
れる。即ち、金属線の疲労に対する感受性が高まり、小
さな疲労でも捻回値に差がでるものと思われる。
【0009】次に、この張力付与ねじり試験の条件を下
記のように限定することが望ましい理由を説明する。試験対象:炭素含有量0.6%以上の鋼線またはステン
レス線 このような金属線が一般にタイヤやホースなどの補強材
として用いられており、特に耐疲労性が要求されている
からである。金属線の直径:3.0mm以下 金属線の直径が3.0mmを越える場合、試験設備が大
きくなり過ぎほか、捻回値と疲労程度との間に明確な相
関関係を見いだすことが難しいからである。金属線の長さ:直径の50倍以上 50倍未満では捻回値が小さくなり、捻回値と疲労程度
と関係が不明確になるからである。
記のように限定することが望ましい理由を説明する。試験対象:炭素含有量0.6%以上の鋼線またはステン
レス線 このような金属線が一般にタイヤやホースなどの補強材
として用いられており、特に耐疲労性が要求されている
からである。金属線の直径:3.0mm以下 金属線の直径が3.0mmを越える場合、試験設備が大
きくなり過ぎほか、捻回値と疲労程度との間に明確な相
関関係を見いだすことが難しいからである。金属線の長さ:直径の50倍以上 50倍未満では捻回値が小さくなり、捻回値と疲労程度
と関係が不明確になるからである。
【0010】金属線に付与する引張力:引張強さの5〜
90% 5%未満では引張の効果が認められず、疲労程度との関
係が不明確になるからである。逆に90%を越えると破
断限界に近づき、捻回値に差がなくなるからである。ねじりを付与する際の回転速度:20回/分以上 ゆっくりねじりを加えると捻回値が大きくでる場合があ
る。20回/分未満では疲労に対する感受性が低下し、
疲労程度との関係を見いだすことが困難だからである。
90% 5%未満では引張の効果が認められず、疲労程度との関
係が不明確になるからである。逆に90%を越えると破
断限界に近づき、捻回値に差がなくなるからである。ねじりを付与する際の回転速度:20回/分以上 ゆっくりねじりを加えると捻回値が大きくでる場合があ
る。20回/分未満では疲労に対する感受性が低下し、
疲労程度との関係を見いだすことが困難だからである。
【0011】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
まず、本発明試験装置を説明する。同装置は、図1に示
すように、支持台1の両端部に、金属線Wを保持する2
つのチャック2,3を対向して具えるものである。第一
のチャック2は支持台1に回転自在に取り付けられ、モ
ータの駆動4により所定の速度で回転される。一方、第
二のチャック3は支持台1に対して軸方向にスライド自
在に取り付けられている。このチャック3は軸方向にス
ライドするのみで、回転することはできない。そして、
金属線Wを保持しない側の端部にはウェート5が装着さ
れている。本例ではチャック3の端部にひもでつり下げ
た。
まず、本発明試験装置を説明する。同装置は、図1に示
すように、支持台1の両端部に、金属線Wを保持する2
つのチャック2,3を対向して具えるものである。第一
のチャック2は支持台1に回転自在に取り付けられ、モ
ータの駆動4により所定の速度で回転される。一方、第
二のチャック3は支持台1に対して軸方向にスライド自
在に取り付けられている。このチャック3は軸方向にス
ライドするのみで、回転することはできない。そして、
金属線Wを保持しない側の端部にはウェート5が装着さ
れている。本例ではチャック3の端部にひもでつり下げ
た。
【0012】試験を行う際には、両チャック2,3に金
属線Wを保持し、第二のチャック3にウェート5を装着
して、金属線Wに張力が付与された状態にする。そし
て、その状態で第一のチャック2を回転させ、金属線W
が破断するまでの捻回値を数えるのである。
属線Wを保持し、第二のチャック3にウェート5を装着
して、金属線Wに張力が付与された状態にする。そし
て、その状態で第一のチャック2を回転させ、金属線W
が破断するまでの捻回値を数えるのである。
【0013】この装置を用いて実際に金属線の疲労程度
と捻回値の関係を調べてみた。予め繰り返し曲げ試験を
実施し、曲げ疲労の限界値(破断値)を求める。繰り返
し曲げ試験は、図2に示すように、開口部が半径R(5
mm)の曲面で構成されたチップ6の中心孔に金属線W
を挿入し、端部に所定のウェート(1.8kg)を取り
付けて張力をかけた状態で90°の曲げを加え、これを
繰り返して破断するまでの回数を数える。次に、破断し
た際の屈曲回数を限界値とし、その10・20・50・
80%の回数だけ屈曲したサンプルを作製した。このと
きの限界値に対する比率を曲げ疲労度とする。そして、
ウェートの重量を変えて金属線にかかる張力をいくつか
の条件に設定し、引張ねじり試験を行った。付与する張
力は、金属線の破断荷重をBSとし、「ウェート荷重/
BS」で表される「BS比」を変えることで調整した。
BS比と捻回値の関係を図3および4のグラフに示す。
図3(A)は疲労度0%、(B)は疲労度10%、
(C)は疲労度20%、図4(A)は疲労度50%、
(B)は疲労度80%のデータを示す。
と捻回値の関係を調べてみた。予め繰り返し曲げ試験を
実施し、曲げ疲労の限界値(破断値)を求める。繰り返
し曲げ試験は、図2に示すように、開口部が半径R(5
mm)の曲面で構成されたチップ6の中心孔に金属線W
を挿入し、端部に所定のウェート(1.8kg)を取り
付けて張力をかけた状態で90°の曲げを加え、これを
繰り返して破断するまでの回数を数える。次に、破断し
た際の屈曲回数を限界値とし、その10・20・50・
80%の回数だけ屈曲したサンプルを作製した。このと
きの限界値に対する比率を曲げ疲労度とする。そして、
ウェートの重量を変えて金属線にかかる張力をいくつか
の条件に設定し、引張ねじり試験を行った。付与する張
力は、金属線の破断荷重をBSとし、「ウェート荷重/
BS」で表される「BS比」を変えることで調整した。
BS比と捻回値の関係を図3および4のグラフに示す。
図3(A)は疲労度0%、(B)は疲労度10%、
(C)は疲労度20%、図4(A)は疲労度50%、
(B)は疲労度80%のデータを示す。
【0014】両図に示すように、適切なBS比を選択す
れば、捻回値から疲労度を定量的に判別できることがわ
かる。例えば、BS比を0.1とすれば、疲労度0%で
は捻回値が40回であったのに対し、10%では約30
回、20%では約25回、50%では約20回、80%
では約8回となり、疲労度が高いほど捻回値が小さいこ
とが確認された。BS比は0.05〜0.2程度が好適
である。
れば、捻回値から疲労度を定量的に判別できることがわ
かる。例えば、BS比を0.1とすれば、疲労度0%で
は捻回値が40回であったのに対し、10%では約30
回、20%では約25回、50%では約20回、80%
では約8回となり、疲労度が高いほど捻回値が小さいこ
とが確認された。BS比は0.05〜0.2程度が好適
である。
【0015】(試験例)さらに、実車走行時のタイヤを
想定し、ドラムマシンによる試験を行った。試験は、図
5に示すようにローラ7に一定圧力でタイヤ8を押し付
けて走行させ、そのタイヤ8から補強材である金属線を
抜き取り、これに引張ねじり試験を行って、走行距離と
捻回値の関係を調べるというものである。3本の金属線
をサンプルとし、これらから捻回値の最大・最小・平均
を計測した。試験条件は次の通りである。 タイヤ:乗用車用タイヤ コード(金属線):1×3×0.27→フィラメント径
0.27mm コードの長さ:フィラメント径×100=27mm ウェート:3.5kg→BSの20% ねじりの回転速度:35回/分
想定し、ドラムマシンによる試験を行った。試験は、図
5に示すようにローラ7に一定圧力でタイヤ8を押し付
けて走行させ、そのタイヤ8から補強材である金属線を
抜き取り、これに引張ねじり試験を行って、走行距離と
捻回値の関係を調べるというものである。3本の金属線
をサンプルとし、これらから捻回値の最大・最小・平均
を計測した。試験条件は次の通りである。 タイヤ:乗用車用タイヤ コード(金属線):1×3×0.27→フィラメント径
0.27mm コードの長さ:フィラメント径×100=27mm ウェート:3.5kg→BSの20% ねじりの回転速度:35回/分
【0016】その結果を図6のグラフに示す。同グラフ
に示すように、走行距離が長くなるほど捻回値が低下
し、70000km走行した時点では、走行前に比べて
捻回値が約40%低下していることがわかる。このよう
にタイヤから金属線を取り出し、疲労程度を定量的に評
価することで、ゴムとの複合体としての構造設計の改善
に反映させることができる。例えば、上記のタイヤドラ
ムマシンテストにより、タイヤにおける特定箇所の金属
線にのみ疲労が認められる場合、その箇所のタイヤゴム
層を厚くするなど、改善の指標を得ることができる。
に示すように、走行距離が長くなるほど捻回値が低下
し、70000km走行した時点では、走行前に比べて
捻回値が約40%低下していることがわかる。このよう
にタイヤから金属線を取り出し、疲労程度を定量的に評
価することで、ゴムとの複合体としての構造設計の改善
に反映させることができる。例えば、上記のタイヤドラ
ムマシンテストにより、タイヤにおける特定箇所の金属
線にのみ疲労が認められる場合、その箇所のタイヤゴム
層を厚くするなど、改善の指標を得ることができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法によれ
ば、金属線の疲労程度を定量的に評価することができ
る。従って、タイヤなどに使用された金属線を取り出
し、疲労の程度を定量的に評価することで、耐久性向上
のための金属線の改善や、ゴムとの複合体としての構造
設計の改善に反映させることができる。また、本発明装
置は簡易な構造で、本発明方法を実施するのに最適な装
置である。
ば、金属線の疲労程度を定量的に評価することができ
る。従って、タイヤなどに使用された金属線を取り出
し、疲労の程度を定量的に評価することで、耐久性向上
のための金属線の改善や、ゴムとの複合体としての構造
設計の改善に反映させることができる。また、本発明装
置は簡易な構造で、本発明方法を実施するのに最適な装
置である。
【図1】本発明装置の概略図。
【図2】繰り返し曲げ試験の説明図で、(A)は屈曲
前、(B)は屈曲時の状態を示す。
前、(B)は屈曲時の状態を示す。
【図3】捻回値とBS比の関係を示すグラフで、(A)
は疲労度0%、(B)は疲労度10%、(C)は疲労度
20%のデータを示す。
は疲労度0%、(B)は疲労度10%、(C)は疲労度
20%のデータを示す。
【図4】捻回値とBS比の関係を示すグラフで、(A)
は疲労度50%、(B)は疲労度80%のデータを示
す。
は疲労度50%、(B)は疲労度80%のデータを示
す。
【図5】ドラムマシン試験の説明図。
【図6】ドラムマシン試験の走行距離と捻回値の関係を
示すグラフ。
示すグラフ。
【図7】ねじり試験により破断した金属線の破断面を示
す模式図。
す模式図。
【図8】引張ねじり試験により破断した金属線の破断面
を示す模式図。
を示す模式図。
1 支持台 2 第一のチャック 3 第二のチャック
4 モータ 5 ウェイト 6 チップ 7 ローラ 8 タイヤ
9 未ねじれ部 W 金属線
4 モータ 5 ウェイト 6 チップ 7 ローラ 8 タイヤ
9 未ねじれ部 W 金属線
Claims (7)
- 【請求項1】 金属線の一端を固定し、他端を回転させ
て、張力をかけた状態でねじりを付与し、破断するまで
のねじり回数により疲労程度を判定する金属線の疲労試
験方法。 - 【請求項2】 金属線が炭素含有量0.6%以上の鋼線
またはステンレス線であることを特徴とする請求項1記
載の試験方法。 - 【請求項3】 金属線の直径が3.0mm以下であるこ
とを特徴とする請求項1記載の金属線の疲労試験方法。 - 【請求項4】 金属線の長さが直径の50倍以上である
ことを特徴とする請求項1記載の金属線の疲労試験方
法。 - 【請求項5】 金属線に付与する引張力がその金属線の
引張強さの5〜90%の範囲内であることを特徴とする
請求項1記載の金属線の疲労試験方法。 - 【請求項6】 ねじりを付与する際の回転速度を20回
/分以上とすることを特徴とする請求項1記載の金属線
の疲労試験方法。 - 【請求項7】 支持台の一端に金属線の一端を保持する
第一のチャックを、 支持台の他端に第一のチャックと対向し、金属線の他端
を保持する第二のチャックを具え、 前記第一のチャックは、支持台に回転自在に取り付けら
れ、回転させる駆動手段を具え、 前記第二のチャックは、軸方向にスライド自在に支持台
に取り付けられ、金属線を保持しない端部に所定のウェ
ートが装着されたことを特徴とする金属線の疲労試験装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23605195A JPH0961327A (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 金属線の疲労試験方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23605195A JPH0961327A (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 金属線の疲労試験方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0961327A true JPH0961327A (ja) | 1997-03-07 |
Family
ID=16995024
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23605195A Pending JPH0961327A (ja) | 1995-08-21 | 1995-08-21 | 金属線の疲労試験方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0961327A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100377373B1 (ko) * | 2000-06-30 | 2003-03-26 | 고려제강 주식회사 | 와이어의 복합 피로 시험기 |
CN107907476A (zh) * | 2017-12-28 | 2018-04-13 | 深圳大学 | 金属腐蚀的辨识装置及方法 |
CN110108578A (zh) * | 2019-05-31 | 2019-08-09 | 上海工程技术大学 | 一种基于万能试验机的剪切试验装置及系统 |
CN111238970A (zh) * | 2019-09-02 | 2020-06-05 | 中国矿业大学 | 一种落锤式钢丝绳冲击破坏试验装置及方法 |
CN111766167A (zh) * | 2020-07-24 | 2020-10-13 | 有研医疗器械(北京)有限公司 | 一种弹性丝材疲劳性能测试装置及其使用方法 |
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1995
- 1995-08-21 JP JP23605195A patent/JPH0961327A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100377373B1 (ko) * | 2000-06-30 | 2003-03-26 | 고려제강 주식회사 | 와이어의 복합 피로 시험기 |
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