JPH0961267A - 基礎杭における地中載荷試験の後処理方法及びそれに使用するジャッキ装置 - Google Patents

基礎杭における地中載荷試験の後処理方法及びそれに使用するジャッキ装置

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JPH0961267A
JPH0961267A JP24373095A JP24373095A JPH0961267A JP H0961267 A JPH0961267 A JP H0961267A JP 24373095 A JP24373095 A JP 24373095A JP 24373095 A JP24373095 A JP 24373095A JP H0961267 A JPH0961267 A JP H0961267A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】試験時にジャッキ周囲の地盤に生じる空隙の処
理を確実に施すことにより、所要の支持力が得られ試験
杭を本杭として利用することができできる基礎杭におけ
る地中載荷試験の後処理方法及びそれに使用するジャッ
キ装置を提供する。 【構成】ジャッキ7を作動させ試験杭1の支持力等を測
定した後、ジャッキ7の作動により該ジャッキ周囲の地
盤に形成される空隙Vに液状硬化材16を注入すること
により、試験杭1を本杭として利用する.

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、基礎杭における
地中載荷試験の後処理方法及びそれに使用するジャッキ
装置に関する。さらに詳細には、試験杭の先端部にジャ
ッキを取付けて地中載荷による試験を行った後、その試
験杭を本杭として利用するための後処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、杭の載荷試験はジャッキを地上
に設置し、杭頭に荷重を加えることにより行われてい
る。この地上載荷による試験方法は、反力杭、梁等の大
がかりな設備を必要とする。このため、杭の先端あるい
は中間部にジャッキを取付け、地中で載荷することによ
り、先端支持力、杭周摩擦力、変位等を測定する簡易な
試験方法が提案されている(例えば特公平6−5827
0号公報)。この地中載荷による試験方法は、既製杭及
び場所打ち杭いずれにも適用できる。
【0003】地中載荷による載荷試験に用いた試験杭を
本杭として利用する試みもなされている。この場合、試
験時のジャッキの伸長作動のために供給された、圧油等
の作動液体をシリンダ内に封入したままでは所要の支持
力が期待できないので、作動液体を排出し、セメントミ
ルク等の液状硬化材と置換する処理がなされている。
【0004】ところで、地中載荷による載荷試験におい
ては、ジャッキの伸長作動によりジャッキよりも上方の
杭体には上向きの力が加えられ、またジャッキよりも下
方の支持地盤を含む杭体には下向きの力が加えられる。
その結果、杭周摩擦力の大きさ、地盤の支持力により杭
体の変位形態は異なるが、いずれにしてもジャッキの作
動による杭体の変位によりジャッキ周囲の地盤には空隙
が生じることになる。この空隙には経時的に周辺土壌が
崩壊して充填され、その移動に伴って杭先端地盤が乱さ
れ、先端支持力が低下する恐れがある。場合によって
は、杭が沈下することも考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記のよう
な技術的背景に着目してなされたものであって、次の目
的を達成するものである。
【0006】この発明の目的は、試験時にジャッキ周囲
の地盤に生じる空隙の処理を確実に施すことにより、所
要の支持力が得られ試験杭を本杭として利用することが
できる、基礎杭における地中載荷試験の後処理方法及び
それに使用するジャッキ装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を達
成するために、次のような手段を採る。
【0008】すなわちこの発明は、杭軸方向に作動する
ジャッキを先端部に取付けた試験杭を地盤中に設置し、
前記ジャッキを作動させて前記試験杭の支持力等を測定
した後、前記ジャッキの作動により該ジャッキの周囲の
地盤に形成された空隙に液状硬化材を注入することを特
徴とする基礎杭における地中載荷試験の後処理方法にあ
る。
【0009】またこの発明は、前記空隙に流入する地下
水等を排出し、前記空隙に前記硬化材を注入することを
特徴とする基礎杭における地中載荷試験の後処理方法に
ある。
【0010】さらにこの発明は、前記ジャッキのシリン
ダ内に供給された作動液体を排出し、前記シリンダ内に
液状硬化材を注入することを特徴とする基礎杭における
地中載荷試験の後処理方法にある。
【0011】さらにこの発明は、ピストンとシリンダと
からなるジャッキであって、前記ピストンの先端には杭
径とほぼ同径の加圧板が設けられており、前記シリンダ
の開口部外周には前記加圧板とほぼ同径のフランジが形
成されており、前記フランジに該フランジと前記加圧板
との間に液状硬化材を注入するための注入パイプが設け
られていることを特徴とするジャッキ装置にある。
【0012】さらにこの発明は、前記フランジに該フラ
ンジと前記加圧板との間に流入した地下水等を排出する
ための排出パイプが設けられていることを特徴とするジ
ャッキ装置にある。
【0013】この発明によれば、ジャッキの作動により
その周囲の地盤に形成された空隙に液状硬化材が注入さ
れる。このため、空隙は液状硬化材で充填されて消失
し、杭体が完全に一体化して所要の支持力を発揮するこ
とが可能となる。液状硬化材としてはセメントミルク等
の周知の材料を用いることができる。地下水位が高い場
合、空隙には地下水が流入するので、この地下水を排出
して、空隙に液状硬化材を注入するのが好ましい。
【0014】載荷試験に用いられるジャッキは、杭径よ
りも小径のものを使用可能とするために、ピストンに杭
径とほぼ同径の加圧板が設けられ、シリンダに加圧板と
ほぼ同径のフランジが形成されている。液状硬化材の注
入パイプをフランジに設けることにより、注入を容易に
行える。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図面を用
いて以下に説明する。図1、図2はこの発明の実施の形
態を示す断面図であり、図1はジャッキの作動前の状態
を示し、図2はジャッキの作動後の状態を示している。
図3は図1のA−A線断面図である。この実施の形態
は、リバースサーキュレーションドリル工法、アースド
リル工法、ベノト工法等により施工される場所打ち杭の
載荷試験を行い、その後処理を行って本杭として用いる
例である。
【0016】場所打ち杭1は、通常次のようにして施工
される。すなわち、地下水の逸出を防止しながら、専用
の掘削機により掘削孔2を形成した後、孔底に水中モル
タル3を打設する。次に多数の縦筋4及びフープ筋(図
示せず)からなる鉄筋籠5を掘削孔2に建込み、さらに
コンクリート6を打設する。
【0017】場所打ち杭1の載荷試験は、水中モルタル
3及びコンクリート6の硬化後に行われるが、そのため
の装置として鉄筋籠5の先端に油圧ジャッキ等の液圧ジ
ャッキ7が溶接等により固着されている。ジャッキ7は
鉄筋籠5の建込みに伴い、水中モルタル3内に設置され
る。
【0018】ジャッキ7はシリンダ8とその内部に摺動
自在に設けられたピストン9とを有し、ピストン9の先
端には杭径とほぼ同径の加圧板11が設けられている。
また、シリンダ8の開口部外周には加圧板11とほぼ同
径のフランジ10が形成されている。このフランジ10
はジャッキ7の作動時に、反力により杭1が上方に変位
する際、杭1の下端部が摩擦により欠損するのを防止す
るためのものである。このようにピストン9には加圧板
11、シリンダ8にはフランジ10を設けるので、杭径
よりも小径のジャッキを使用することができ、これによ
り適宜種類の径のジャッキを用意しておけば、あらゆる
径の杭に対応可能となる。
【0019】液状硬化材の注入パイプ12及び地下水等
の排出パイプ13の各先端がフランジ10に固定され、
パイプ12、13の先端はフランジ10と加圧板11と
の間に開口している。パイプ12、13は全体に環状に
なるようにそれぞれ複数本(図示の例では2本ずつ)設
けられているが、少なくとも1本ずつあればよい。パイ
プ12、13は専用のものを設けてもよいが、載荷試験
時の変位測定用のパイプを利用することもできる。この
場合、先端沈下測定用のロッド18がパイプ12、13
の一方に挿通され、そのロッドの先端が加圧板11に固
定される。圧油等の作動液体の供給パイプ14及びその
排出パイプ15がシリンダ8に設けられている。
【0020】場所打ち杭1の載荷試験は、供給パイプ1
4を介して作動液体をシリンダ8に供給し(図1矢印参
照)、ジャッキ7を杭軸方向に伸長作動させることによ
り行われ、支持力、変位等が測定される。このジャッキ
の作動によりフランジ10と加圧板11との間で硬化し
たモルタル3が切れ、両者10、11間に空隙Vが生じ
る(図2参照)。また、この空隙Vには地下水等が流入
する。
【0021】この発明はこの空隙Vに液状硬化材を注入
するものである。具体的には、排出パイプ13を介して
地下水等を排出し、注入パイプ12を介して空隙Vにセ
メントミルク等の液状硬化材16を注入、充填する。ま
た、従来と同様に、排出パイプ15を介してシリンダ8
内の作動液体を排出し、前記と同様の液状硬化材17を
注入する。以上により、硬化材16、17を介して、杭
体が完全に一体化し所要の支持力を期待することがで
き、本杭として利用することが可能となる。
【0022】上記実施の形態では、ジャッキ7はシリン
ダ8が上側、ピストン9が下側となるように配置されて
いるが、それらの上下が逆になるように配置してもよ
い。この発明は、試験杭が前記のような場所打ち杭に限
らず、深礎杭、既製杭である場合にも適用できる。ま
た、載荷位置が杭の先端である場合に限らず、中間部で
ある場合にも、この発明を適用できる。
【0023】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、試験時
にジャッキ周囲の地盤に生じる空隙に液状硬化材を注入
し、空隙の処理を確実に施すので、試験杭を本杭に利用
するにあたり所要の支持力を期待することができる。ま
た、ジャッキは杭径よりも小径のものを用いることが可
能なので、その種類が少なくてよく、コストの低減を図
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の形態を示す断面図であ
って、ジャッキの作動前の状態を示す図である。
【図2】図2はジャッキの作動後の状態を示す断面図で
ある。
【図3】図3は図1のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1…場所打ち杭 2…掘削孔 3…水中モルタル 5…鉄筋籠 7…ジャッキ 8…シリンダ 9…ピストン 10…フランジ 11…加圧板 12…注入パイプ 13…排出パイプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】杭軸方向に作動するジャッキを先端部に取
    付けた試験杭を地盤中に設置し、前記ジャッキを作動さ
    せて前記試験杭の支持力等を測定した後、前記ジャッキ
    の作動により該ジャッキの周囲の地盤に形成された空隙
    に液状硬化材を注入することを特徴とする基礎杭におけ
    る地中載荷試験の後処理方法。
  2. 【請求項2】前記空隙に流入する地下水等を排出し、前
    記空隙に前記硬化材を注入することを特徴とする請求項
    1記載の基礎杭における地中載荷試験の後処理方法。
  3. 【請求項3】前記ジャッキのシリンダ内に供給された作
    動液体を排出し、前記シリンダ内に液状硬化材を注入す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の基礎杭におけ
    る地中載荷試験の後処理方法。
  4. 【請求項4】ピストンとシリンダとからなるジャッキで
    あって、 前記ピストンの先端には杭径とほぼ同径の加圧板が設け
    られており、 前記シリンダの開口部外周には前記加圧板とほぼ同径の
    フランジが形成されており、 前記フランジに該フランジと前記加圧板との間に液状硬
    化材を注入するための注入パイプが設けられていること
    を特徴とするジャッキ装置。
  5. 【請求項5】前記フランジに該フランジと前記加圧板と
    の間に流入した地下水等を排出するための排出パイプが
    設けられていることを特徴とする請求項4記載のジャッ
    キ装置。
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