JPH0959701A - 装飾用金粉およびその製造方法 - Google Patents

装飾用金粉およびその製造方法

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JPH0959701A
JPH0959701A JP7212259A JP21225995A JPH0959701A JP H0959701 A JPH0959701 A JP H0959701A JP 7212259 A JP7212259 A JP 7212259A JP 21225995 A JP21225995 A JP 21225995A JP H0959701 A JPH0959701 A JP H0959701A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単位面積あたりの装飾に必要な塗布量を低減
できる装飾用金粉を提供する。 【解決手段】 偏平状の金粉粒子の表面に界面活性剤を
付着させた。界面活性剤としては、フッ素系界面活性
剤、シリコーン系界面活性剤、および炭化水素系界面活
性剤が使用できるが、特に分子量400−2000のフ
ッ素系界面活性剤が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高級工芸品等の装
飾に使用される装飾用金粉およびその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より金粉は、仏壇、仏具、漆器、陶
器、磁器、七宝焼、その他の工芸品に使用されており、
金箔では対処できない曲面や、金箔の隙間に塗布した
り、漆器陶器の蒔絵、絵柄などに使用されている。現在
使用されている金粉には、伝統的な金泥法により得られ
たものと、金箔を破砕して得られたものとがある。
【0003】金泥法とは、金箔を正方形に切断する際に
生じる周縁部分、いわゆる切り回し屑を水飴やニカワと
混合し、これを長時間混練して金泥とし、この金泥を洗
浄して乾燥することにより金粉を得ている。一方、金箔
を破砕する方法とは、金箔屑を粗粉砕してなる粗粉体
を、粘性の高い液体中に投入し、この混合液に攪拌羽根
を浸漬して高速攪拌することにより前記粗粉体を粉砕
し、さらに洗浄、乾燥して金粉を得る方法である。いず
れの製法により得られた金粉においても、洗浄工程を経
ているために、金粉表面に痕跡量以上の残留物は存在し
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、金粉を装飾
用に使用する場合には、装飾すべき面に、下地が見えな
い濃度で金粉を均一に塗り広げる必要があり、金粉の物
性によって、同一面積を塗布するのに必要な金粉量が異
なることが知られている。同一面積を塗布する金粉量が
少なければ(以下、塗布性が高いという)、その分、金
粉装飾に要するコストを低減することが可能である。こ
のために、装飾用金粉の塗布性を高めることが強く求め
られている。本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、塗布性の高い装飾用金粉およびその製造方法を提供
することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る装飾用金粉
は、表面に界面活性剤を付着させた偏平状の金粉粒子を
含むことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に係る装飾用金粉は、表面
に界面活性剤を付着させた偏平状の金粉粒子を含むこと
を特徴としたものである。界面活性剤としては、例え
ば、親油基がフッ化炭素基等のフッ素を含む基であるフ
ッ素系界面活性剤、親油基が有機ケイ素化合物の重合体
であるシリコーン系界面活性剤、および親油基が炭化水
素基である炭化水素系界面活性剤から選択される1種ま
たは2種以上を使用することができ、2種以上使用する
場合には、界面活性剤を混合して付着させた場合、また
は互いに異なる界面活性剤を付着させた2種の金粉粒子
を混合した場合のいずれでもよい。また、本発明に係る
装飾用金粉には、界面活性剤を付着させた金粉以外に、
界面活性剤を付着させていない未処理の金粉を30wt
%以下添加したものも含まれるし、何らかの添加物、例
えば装飾性を高めるための添加物を混入したものなども
含まれる。
【0007】前記界面活性剤の中でも特に、フッ素系界
面活性剤は、金粉の伸びが良くて塗布性に優れているだ
けでなく、塗布性の経時変化が少ないことから、本発明
に最も適している。フッ素系界面活性剤としては、パー
フルオロポリエーテル、パーフルオロトリペンチルアミ
ン、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロ
アルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルトリメ
チルアンモニウム酸、パーフルオロアルキルベタイン、
パーフルオロアルキルアミンオキサイト、およびパーフ
ルオロアルキルEO付加物などが例示でき、その中でも
特に、平均分子量が400−2000であるものが特性
上望ましい。
【0008】但し、本発明で使用可能な界面活性剤の種
類は、フッ素系界面活性剤のみに限定されるものではな
い。例えば、シリコーン系界面活性剤としては、ジメチ
ルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイ
ル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、ポリジオ
ルガノシロキサンジオール、フロロシリコーンオイル、
シリコーンポリエーテル共重合体、アルキル変性シリコ
ーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、アミノ
変性シリコーンオイル、およびエポキシ変性シリコーン
オイルから選択される1種または2種以上が使用可能で
ある。
【0009】さらに、炭化水素系界面活性剤としては、
例えば以下〜のように、脂肪酸塩、脂肪酸アミド、
ケトン、アミン、エステル、各種有機塩類等を始めとす
る界面活性剤が使用可能である。 陰イオン性界面活性剤:脂肪酸塩、アルキル硫酸エス
テル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナ
フタレンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、
アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキ
ルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルまたはアルキ
ルアリル硫酸エステル塩、ナフタレンスルフォン酸ホル
マリン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性
剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル。
【0010】非イオン性界面活性剤:ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルア
リルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、オキシエチ
レンブロックコポリマー、オキシプロピレンブロックコ
ポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミド。 陽イオン性界面活性剤または両性界面活性剤:アルキ
ルアミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイ
ン、アミンオキサイド。
【0011】界面活性剤の金粉粒子に対する付着量は、
前述したいずれの種類のものであっても、装飾用金粉の
総重量の0.0001〜0.2wt%であることが好ま
しく、より好ましくは0.0005〜0.04wt%、
さらに好ましくは0.001〜0.02wt%とされ
る。特に、フッ素系界面活性剤を使用する場合に最適な
付着量は0.001〜0.009wt%であり、この値
はフッ素量に換算すると約0.005〜0.1mg/g
に相当する。装飾用金粉1g当たりのフッ素量は、後述
するように管状炉で装飾用金粉を加熱し、酸化分解した
ガスを蒸留水に捕集した後、この溶液をイオンクロマト
グラフィーにかけることにより容易に定量することがで
きる。
【0012】界面活性剤の付着状態は、金粉粒子の表面
の全面に、界面活性剤の極薄い被膜が均一に形成されて
いる状態が好ましいが、若干の不均一性があるとしても
本発明の効果は得ることができる。
【0013】本発明に使用される金粉粒子は、その偏平
方向の平均粒径が0.05〜50μm、平均厚さが0.
05〜0.5μmであることが望ましい。これらの範囲
内であれば装飾用金粉の塗布性が良好である。平均粒径
が上記範囲よりも小さくなると、金粉粒子相互の滑りが
悪くなり、伸び性(金粉が滑らかに広がるか否かの尺
度)が相対的に悪化するだけでなく、乱反射によって光
沢が相対的に減少する。逆に、平均粒径が上記範囲より
も大きくなると、伸び性は良好であるものの、金粉粒子
と金粉粒子の間に隙間が空きやすく、遮蔽性(下地が露
出しにくいか否かの尺度)が悪化すると同時に、光沢の
きめが粗くなる。但し、上記範囲を外れても本発明の効
果を得ることができるのは勿論である。
【0014】また、金粉粒子の平均厚さが上記範囲より
も薄いと、金粉塗布時の伸び性が悪くなり、逆に上記範
囲よりも大きいと水平に配列しない粒子が増え、乱反射
が多くなって光沢が減少するうえに、同一面積に塗布す
るために必要な金総量が多くなる。
【0015】金粉粒子の平面形状は、正方形に近い矩形
状とされることが望ましい。その理由の1は、金箔屑を
粉砕すると正方形状の金粒子が容易に得られることであ
り、その理由の2は、金粉粒子が矩形状であると、刷毛
等で塗布された際に金粉粒子がそれぞれの直線の辺を当
接し合って配列する確率が高く、円形など他形状である
場合に比して金粉塗膜による隠蔽性を高めることができ
るからである。
【0016】上記構成からなる装飾用金粉を製造するに
は、金粉粒子に界面活性剤溶液を接触させた後、金粉粒
子を乾燥させてその表面に前記界面活性剤を残留させれ
ばよい。具体的には以下の方法が採用できる。
【0017】まず、原料となる金粉粒子を製造するに
は、厚さ0.05〜0.5μm程度の金箔屑を粗粉砕し
てなる粗粉体を、粘度を2000〜10000cPに調
整した液体中に混入し、この混合液に攪拌羽根を浸漬し
て高速攪拌することにより前記粗粉体を粉砕する方法が
好ましい。この方法によれば、攪拌強度や時間の調整に
より所望の粒度範囲の金粉粒子を容易に得ることができ
る。但し、本発明はこの方法のみに限定されるものでは
なく、従来からある金泥法によって得られた金粉粒子に
も採用可能である。
【0018】界面活性剤溶液は、揮発性の溶媒に界面活
性剤を0.001〜20wt%の濃度で溶解したものが
好ましく、より好ましくは0.001〜5wt%とされ
る。この範囲であれば、金粉に溶液を接触させた後に過
剰の溶液を除去して乾燥させることにより、適当量の界
面活性剤を金粉粒子の表面に均一に残留させることがで
きる。界面活性剤の濃度は、さらに好ましくは0.05
〜1.0wt%とされる。
【0019】溶媒としては、使用する界面活性剤を容易
に溶解させることができ、界面活性剤を変質させず、し
かも蒸発除去が容易なものが好ましく、フレオン(炭化
水素のフルオルクロル置換体類の商品名)等の液化ガ
ス、各種有機溶媒、水などの無機溶媒が例示できる。こ
の中でも、フレオン14(商品名)やフレオン22(商
品名)等の液化フレオン、メタノール等の低級アルコー
ル、アセトン、四塩化炭素、シンナー、111トリクロ
ロエタンやトリクレン等の有機溶媒は蒸発除去が容易で
あるから好適である。特に、液化フレオンとフッ素系界
面活性剤の組み合わせは、溶媒と界面活性剤との分散性
が良いうえ、速乾性であるという利点が得られるから好
ましい。
【0020】金粉粒子に界面活性剤溶液を接触させる方
法としては、金粉を満遍なく濡らすことができる程度の
少量の界面活性剤溶液を加えて混合する方法、溶液に金
粉粒子を浸漬した後に、傾斜台による液切りや濾過等に
より過剰の溶液のみを除去する方法、金粉粒子を攪拌し
つつ溶液をスプレーする方法などが簡便に行える。ま
た、金粉を攪拌しながら金粉に溶液をスプレーすると同
時に、減圧または加熱することにより、金粉から溶媒を
揮発させることも可能であり、この場合には比較的高濃
度の界面活性剤を金粉粒子の表面に均一に残留させるこ
とが容易である。
【0021】界面活性剤溶液で濡れた金粉粒子を乾燥さ
せるには、濡れた金粉粒子を受け皿などに薄く広げて溶
媒を自然蒸発させる方法も可能であるし、濡れた金粉粒
子を容器に入れて加熱炉または減圧容器内で溶媒を蒸発
させてもよいし、送風により金粉を流動させながら溶媒
を蒸発させてもよい。さらに、これらの処理を適宜組み
合わせてもよい。
【0022】
【実施例】次に、本発明の実施例を挙げて、本発明に係
る装飾用金粉およびその製造方法の効果を実証する。 [実験1]平均厚さ約0.15μmの金箔屑を粗粉砕し
てなる粗粉体を、粘度を調整した液体中に混入し、この
混合液を攪拌羽根で高速攪拌することにより粗粉体を粉
砕し、偏平方向の平均粒径が25μm、平均厚さが0.
15μmである金粉粒子を作成した。
【0023】一方、以下各種の界面活性剤をメタノール
に溶解し、0.2wt%の界面活性剤溶液をそれぞれ作
成した。 フッ素系界面活性剤:いずれも旭硝子株式会社製の商
品名 「サーフロンS−111」:パーフルオロアルキルカル
ボン酸塩/アニオン性/分子量500〜1000 「サーフロンS−112」:パーフルオロアルキルリン
酸エステル/アニオン性/分子量500〜1000 「サーフロンS−113」:パーフルオロアルキルカル
ボン酸塩/アニオン性/分子量500〜1000 「サーフロンS−131」:パーフルオロアルキルベタ
イン/両性/分子量500〜1000 「サーフロンS−141」:パーフルオロアルキルアミ
ンオキサイド/非イオン性/分子量500〜1000
【0024】シリコーン系界面活性剤:東芝シリコー
ン株式会社製の商品名「TSA720」:ポロアルキル
シロキ酸/分子量300〜1000 炭化水素系界面活性剤:花王株式会社製の商品名「ア
ミート105」:酸化エチレン付加脂肪族アミン(ポリ
オキシエチレンラウリルアミン)/分子量384
【0025】作成した各界面活性剤の0.2wt%メタ
ノール溶液にそれぞれ前記金粉を入れて濡らした後、金
粉に自然保持される量以上の溶液を除去し、平皿に濡れ
た金粉を広げて時折攪拌しつつ自然乾燥させた。こうし
て界面活性剤を付着させた7種類の金粉、および界面活
性剤を付着させていない未処理の金粉を用いて、以下の
通りに塗布性のテストを行った。
【0026】20×20cmのビニールシートを用意
し、その重量を正確に測定した後、この上に適量の金粉
を蒔いた。次に、熟練した作業員がパレットで金粉をビ
ニールシート上に延ばし、ビニールシートの全面に亙っ
て濃度が均一、かつ十分な遮蔽性が得られるまで広げ
た。金粉が塗られたビニールシートの重量を測定し、次
の式で得られる数値を塗布量とした。 塗布量=(金粉を塗布したシート重量(g)−シート重
量(g))/シート面積(m2
【0027】結果を図1に示す。なお、各測定は1種に
つき3回づつ行い、その平均を測定値とした。図1から
明らかなように、いずれの界面活性剤においても未処理
品より塗布性が改善された。特に、サーフロンS−11
1、およびサーフロンS−141では塗布性が大幅に改
善され、未処理品に比して塗布量が約45%も低減でき
た。
【0028】[実験2]実験1で好成績が得られたサー
フロンS−111およびサーフロンS−141につい
て、界面活性剤の付着量の変化による塗布量の変化を調
べた。前記2種の界面活性剤をメタノールに溶解し、
0.05,0.1,0.2,0.5,1.0,2.0,5.0
wt%の界面活性剤溶液をそれぞれ作成したうえ、実験
1と同じ方法により界面活性剤が付着した装飾用金粉を
作成した。これら装飾用金粉を用いて前記同様の方法に
より塗布性を調べた。
【0029】一方、各装飾用金粉を0.1gづつ秤量
し、管状炉を用いて900℃で酸化分解し、発生したガ
スを蒸留水に捕集した。得られた試料液をイオンクロマ
トグラフィー装置を用いて定量分析し、装飾用金粉1g
に付着しているフッ素原子の重量(F付着量と称する)
を測定し、F付着量と塗布量との関係をそれぞれプロッ
トした。サーフロンS−111での結果を図2、サーフ
ロンS−141での結果を図3に示す。界面活性剤溶液
の濃度と塗布量との関係をプロットした結果を図4に示
す。また、次表1は全ての結果をまとめたものである。
【0030】
【表1】
【0031】図2〜図4に示すように、これらのフッ素
系界面活性剤では、F付着量にして0.01〜0.09
mg/g、溶液の界面活性剤濃度にして0.5〜1.0
wt%の時に、塗布量が特に小さくなることが判った。
【0032】サーフロンS−111およびサーフロンS
−141で特に良好な結果が得られる理由は明確ではな
いが、これらについては前出の他の界面活性剤に比して
水溶液にした場合の表面張力が大きいことが判明してい
る(サーフロンS−111:66.2dynes/cm
・25℃、サーフロンS−141:50.5dynes
/cm・25℃)。他の界面活性剤はいずれも50dy
nes/cm・25℃未満であることから、表面張力が
50dynes/cm・25℃以上であるフッ素系界面
活性剤を用いると特に良好な塗布性が得られるものと推
測される。因みに、炭化水素系界面活性剤では約30d
ynes/cm・25℃以上の表面張力を得ることは困
難である。
【0033】[実験3]シリコーン系界面活性剤である
TSA720および炭化水素系界面活性剤であるアミー
ト105の0.1,0.2,0.5wt% メタノール溶液
を作成し、これらを用いて前記同様に装飾用金粉を作成
し、界面活性剤処理液濃度に対する塗布量の変化を調べ
た。結果を図5に示す。このグラフから明らかなよう
に、フッ素系界面活性剤を使用した場合のような明確な
グラフの谷は見られなかった。
【0034】[実験4]界面活性剤溶液の濃度と、装飾
用金粉のF付着量との関係を調べた。図6はサーフロン
S−111での結果、図7はサーフロンS−141での
結果である。いずれの場合にも、界面活性剤溶液の濃度
と、装飾用金粉のF付着量とは、ほぼ比例関係にあるこ
とが確認できた。
【0035】[実験5]フッ素系界面活性剤溶液として
サーフロンS−111の0.05wt%メタノール溶
液、炭化水素系界面活性剤としてアミート105の0.
2wt%メタノール溶液を使用し、前記同様の方法によ
り装飾用金粉をそれぞれ作成した。これら装飾用金粉
を、室温で通気性のある容器に入れて同一条件(温度2
5±3℃、湿度60〜80RH%)で保管し、装飾用金
粉の作成直後、1カ月後、2カ月後、3カ月後の各時点
で塗布量を測定した。結果を図8に示す。
【0036】図8から明らかなように、フッ素系界面活
性剤であるサーフロンS−111では塗布量が殆ど変化
しなかったが、炭化水素系界面活性剤であるアミート1
05では保管時間が長くなるにつれ塗布量が増大した。
フッ素系界面活性剤では化学的に安定であるうえ、撥水
性が高いために空気中の水分を吸着することが少なく、
膜特性の変化が生じにくいためと考えられる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る装飾
用金粉は、金粉粒子表面に界面活性剤を付着したもので
あるから、単位面積あたりに必要な塗布量を低減するこ
とができ、装飾コストを低減することができる。また、
本発明に係る装飾用金粉の製造方法によれば、塗布性の
良好な装飾用金粉を効率よく生産することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種界面活性剤を付着させた装飾用金粉の塗布
性を示すグラフである。
【図2】フッ素系界面活性剤でのF付着量と塗布量との
関係を示すグラフである。
【図3】フッ素系界面活性剤でのF付着量と塗布量との
関係を示すグラフである。
【図4】フッ素系界面活性剤の溶液濃度と塗布量との関
係を示すグラフである。
【図5】シリコーン系界面活性剤と炭化水素系界面活性
剤での溶液濃度と塗布量との関係を示すグラフである。
【図6】フッ素系界面活性剤の溶液濃度とF付着量との
関係を示すグラフである。
【図7】フッ素系界面活性剤の溶液濃度とF付着量との
関係を示すグラフである。
【図8】炭化水素系界面活性剤とフッ素系界面活性剤で
の処理後の経過時間と塗布量との関係を示すグラフであ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に界面活性剤を付着させた偏平状の
    金粉粒子を含むことを特徴とする装飾用金粉。
  2. 【請求項2】 前記界面活性剤は、フッ素系界面活性
    剤、シリコーン系界面活性剤、および炭化水素系界面活
    性剤から選択される1種または2種以上であることを特
    徴とする請求項1記載の装飾用金粉。
  3. 【請求項3】 前記界面活性剤は、パーフルオロポリエ
    ーテル、パーフルオロトリペンチルアミン、パーフルオ
    ロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸
    エステル、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウ
    ム酸、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロア
    ルキルアミンオキサイト、およびパーフルオロアルキル
    EO付加物から選択される1種または2種以上であり、
    その平均分子量は400−2000であることを特徴と
    する請求項1記載の装飾用金粉。
  4. 【請求項4】 前記界面活性剤は、ジメチルシリコーン
    オイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイ
    ドロジェンシリコーンオイル、ポリジオルガノシロキサ
    ンジオール、フロロシリコーンオイル、シリコーンポリ
    エーテル共重合体、アルキル変性シリコーンオイル、高
    級脂肪酸変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーン
    オイル、およびエポキシ変性シリコーンオイルから選択
    される1種または2種以上の混合物であることを特徴と
    する請求項1記載の装飾用金粉。
  5. 【請求項5】 前記界面活性剤は、脂肪酸塩、アルキル
    硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ア
    ルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハ
    ク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸
    塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルま
    たはアルキルアリル硫酸エステル塩、ナフタレンスルフ
    ォン酸ホルマリン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子
    界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステ
    ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
    エチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン
    誘導体、オキシエチレンブロックコポリマー、オキシプ
    ロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステ
    ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
    リオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセ
    リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ
    ル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアル
    カノールアミド、アルキルアミン塩、第四級アンモニウ
    ム塩、アルキルベタイン、およびアミンオキサイドから
    選択される1種または2種以上であることを特徴とする
    請求項1記載の装飾用金粉。
  6. 【請求項6】 前記界面活性剤の付着量は、装飾用金粉
    の0.0001〜0.2wt%であることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載の装飾用金粉。
  7. 【請求項7】 前記金粉粒子は、その偏平方向の平均粒
    径が0.05〜50μm、平均厚さが0.05〜0.5
    μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに
    記載の装飾用金粉。
  8. 【請求項8】 金粉粒子に界面活性剤溶液を接触させた
    後、金粉粒子を乾燥させてその表面に前記界面活性剤を
    残留させることを特徴とする装飾用金粉の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記界面活性剤溶液は、フッ素系界面活
    性剤、シリコーン系界面活性剤、および炭化水素系界面
    活性剤から選択される1種または2種以上を揮発性の溶
    媒に0.001〜20wt%の濃度で溶解したものであ
    ることを特徴とする請求項8記載の装飾用金粉の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記界面活性剤溶液は、フッ素系界面
    活性剤をフレオン系溶媒に0.001〜5wt%の濃度
    で溶解したものであることを特徴とする請求項8記載の
    装飾用金粉の製造方法。
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