JPH0959545A - 水系塗料組成物 - Google Patents

水系塗料組成物

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JPH0959545A
JPH0959545A JP7210789A JP21078995A JPH0959545A JP H0959545 A JPH0959545 A JP H0959545A JP 7210789 A JP7210789 A JP 7210789A JP 21078995 A JP21078995 A JP 21078995A JP H0959545 A JPH0959545 A JP H0959545A
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JP
Japan
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propylene glycol
water
resin
hydroxyl group
carboxylic acid
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JP7210789A
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English (en)
Inventor
Isao Yamagami
功 山上
Haruki Ishigami
春樹 石上
Yoshimasa Ishimura
善正 石村
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性の高い溶剤を含有する水系塗料組成物
を提供する。 【解決手段】 下記一般式に示す水酸基を有するプロピ
レングリコールのカルボン酸エステル化合物と樹脂と水
からなる水系塗料組成物。 一般式; RCOO−A−OH (式中、Rは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基あるい
はフェニル基であり、−A−は−CH2 CH(CH3
−あるいは−CH(CH3 )CH2 −である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水系塗料組成物に
関し、詳しくは、毒性が小さく、安全性の高い、水酸基
を有するプロピレングリコールのカルボン酸エステル化
合物と樹脂と水を含有する水系塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料業界においては、有機溶媒系
から水系への移行が進み、水系塗料に関するニーズはま
すます高くなっている。この水系塗料中には、塗膜を構
成するための高分子化合物が含有されているが、この高
分子化合物を水中に溶解させるため、また塗布した後の
塗膜の平滑性を保ちながら乾燥・硬化させるために、揮
発性有機化合物が溶剤として含有されているのが一般的
である。また、作業環境から発生する揮発性有機化合物
から作業者を守るために、使用する揮発性有機化合物は
より毒性が低く、また、臭いが弱い化合物を使用する傾
向がある。従来、水系塗料に使用される溶剤としては、
水と親和性があり、かつ、塗膜形成用の高分子化合物を
水中に均一に溶解あるいは均質に分散させることがで
き、また、塗料を塗布した後の造膜性能に優れ、かつ、
水よりも沸点が高く蒸発速度の遅い有機化合物であるグ
リコールエーテル類やグリコールエステル類などが使用
されている。
【0003】これらのうち、グリコールエーテル類とし
ては、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピ
レングリコールモノブチルエーテル、3−メチル−3−
メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチル
エーテル等が使用されており、エチレングリコールモノ
ブチルエーテルが一般的に使用されている。また、グリ
コールエステル類として、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエ
ーテルアセテートなどが使用されている。グリコールエ
ステル類特にグリコールアセテートを使用する水系塗料
組成物としては、志保沢正幸による「水溶性防食剤組成
物(特開平3−223378号公報)」、フレッド・ビ
ー・サベル・ザ・サードらによる「水ベースの柔軟な塗
料組成物と塗装方法(特開昭58−217560号公
報)」、五味正らによる「被膜材組成物の製造方法(特
開平4−325582号公報)」、志保沢正幸による
「乳化系防食剤組成物(特開平2−175765号公
報)」、影石一二らによる「アクリル樹脂エマルション
電着塗料組成物(特開平4−55479号公報)」など
が知られている。
【0004】これらのうち、特開平3−223378号
公報、特開平4−325582号公報、特開平2−17
5765号公報、特開平4−55479号公報には、グ
リコールアセテートを含有する水溶性防食剤組成物につ
いて開示しているが、この特許に記載されているグリコ
ールアセテートはすべてグリコールエーテルアセテート
であり、これらの化合物は水酸基を有しておらず、水酸
基を有するグリコールアセテートについては開示してい
ない。また、特開昭58−217560号公報には、プ
ロピレングリコールモノアセテートをカップリング剤と
して使用する塗料組成物およびその製造方法について開
示しているが、この特許は有機ワックス成分、特にポリ
エチレンワックスあるいはポリプロピレンワックスにつ
いて開示してあり、樹脂を含有する塗料組成物について
は開示していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、グリコールエー
テル系溶剤であるエチレングリコール系溶剤の毒性問題
が指摘され、同系溶剤の使用量は減少傾向にある。一
方、エチレングリコール系で使用量の多いエチレングリ
コールモノブチルエーテルについては、その性能の高さ
及び毒性データを疑問視する意見等により、有効な代替
溶剤が開発されていない。しかし、エチレングリコール
モノブチルエーテルは、すでに毒性が強いとして指摘さ
れているエチレングリコールエチルエーテルアセテート
と同様に、エチレングリコール系溶剤に共通の毒性を有
していると考えられ、実際、経口毒性は、470mg/
kg(経口ラットLD50)と高い毒性を示している。
【0006】そこで、毒性の低い水系塗料用溶剤の開発
が望まれていた。また、エチレングリコールモノブチル
エーテルは臭いがきつく、作業環境上、特別の排気装置
を必要とするという欠点を有している。また、特開平3
−223378号公報や特開平4−325582号公報
に記載されているグリコールアセテートは、水酸基を持
たないグリコールアセテート、つまりグリコールエーテ
ルアセテートであるので、水に対する相溶性が低く、水
系塗料用溶剤として使用した時に、塗料中に含まれてい
る樹脂を水中に均一に溶解する能力すなわち樹脂溶解力
が低いという欠点を有していた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水系塗料
組成物用の溶剤として、毒性が低く、臭いが弱く、水と
の相溶性が高く、樹脂溶解力の高い溶剤について鋭意研
究した結果、水酸基を有するプロピレングリコールのカ
ルボン酸エステル化合物が有効であることを発見し本発
明を完成させた。本発明は、水系塗料組成物に関し、詳
しくは下記一般式に示す水酸基を有するプロピレングリ
コールのカルボン酸エステル化合物を含有する水系塗料
組成物に関する。 一般式; RCOO−A−OH (式中、Rは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基あるい
はフェニル基であり、−A−は−CH2 CH(CH3
−あるいは−CH(CH3 )CH2 −である。)
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、水酸基を有するプロピレングリコールのカルボ
ン酸エステル化合物は、プロピレングリコールの2つの
水酸基の片方の水素がアシル基あるいはベンゾイル基に
より置換された化合物であり、下記一般式に示される化
合物である。 一般式; RCOO−A−OH (式中、Rは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基あるい
はフェニル基であり、−A−は−CH2 CH(CH3
−あるいは−CH(CH3 )CH2 −である。)
【0009】本発明における水酸基を有するプロピレン
グリコールのカルボン酸エステル化合物は、従来、水系
塗料用溶剤として一般的に使用されているエチレングリ
コールモノブチルエーテルに比べて、毒性が小さく、安
全性が高いという特徴を持っている。表1には、プロピ
レングリコールモノアセテート、エチレングリコールモ
ノブチルエーテルについての経口毒性データを示す。
(STN RTECSファイルより引用)また、基本的
な物性値を示す。
【0010】
【表1】
【0011】本発明における水酸基を有するプロピレン
グリコールのカルボン酸エステル化合物は、従来使用さ
れている溶剤と比較して臭いが弱いという利点を有して
いる。エチレングリコールモノブチルエーテルが、腐っ
たような強い臭いを有するのとは対照的に、本発明のプ
ロピレングリコールのカルボン酸エステル化合物はたい
へん弱いエステル臭がわずかにするのみである。本発明
における水酸基を有するプロピレングリコールのカルボ
ン酸エステル化合物は、分子内に水酸基とエステル基を
有することが特徴である。
【0012】水系塗料中に含まれている主に樹脂からな
る塗膜形成用の高分子化合物を水に均一に溶解させるた
めには、水との相溶性が高く、かつ、樹脂溶解力が高い
溶剤を使用することが必要である。水との相溶性が低い
と、水と樹脂の溶剤溶液が二層分離し、また、樹脂溶解
力が低いと、樹脂が塗料中に均一に溶解しない。本発明
における水酸基を有するプロピレングリコールのカルボ
ン酸エステル化合物は、分子内に水酸基を有しているた
め、水との相溶性が高く、また、分子内にエステル基を
有しているため、樹脂溶解力が高い。これらの性能は、
水酸基を有するプロピレングリコールのカルボン酸エス
テルを使用することにより、本発明で初めて発見された
効果であり、従来使用されているグリコールエーテル化
合物あるいは水酸基を有していないグリコールアセテー
ト化合物では実現することは出来なかった。
【0013】本発明において、水酸基を有するプロピレ
ングリコールのカルボン酸エステル化合物としては、具
体的には、プロピレングリコールモノアセテート、プロ
ピレングリコールモノプロピオネート、プロピレングリ
コールモノブチレート等を使用することができるが、こ
れらに限定されるものではない。本発明における水系塗
料用溶剤は、本発明の水酸基を有するプロピレングリコ
ールのカルボン酸エステル化合物とともに他の成分の溶
剤を含んでいても良い。
【0014】本発明において、水系塗料組成物中の水酸
基を有するプロピレングリコールのカルボン酸エステル
化合物と樹脂の含有量の比は通常、10:1〜1:10
である。水酸基を有するプロピレングリコールのカルボ
ン酸エステル化合物が多いと、塗膜を所定の厚さにする
ためには多量の塗料組成物を必要とし、その結果液ダレ
を生じる。また、樹脂が多いと、水系塗料組成物中に樹
脂を均一に溶解あるいは均質に分散させることができな
い。
【0015】また、水系塗料組成物中の水酸基を有する
プロピレングリコールのカルボン酸エステル化合物と水
の含有量の比は通常、1:1〜1:10である。水酸基
を有するプロピレングリコールのカルボン酸エステル化
合物が多いと、塗料の乾燥性が悪く、塗装作業時間が長
くなる。また、水が多いと、水系塗料組成物中に樹脂を
均一に溶解あるいは均質に分散させることができない。
【0016】また、本発明の水系塗料組成物に含有され
る樹脂としては特に限定しないが、塗料を塗布した後、
塗膜を形成できるような高分子化合物を使用することが
できる。具体的には、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂
(この概念中にアルキッド樹脂を含む)、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂などが使用できる。本発
明で使用されるアクリル樹脂としては、アクリル酸およ
び/またはメタクリル酸、あるいはそれらのエステルの
炭素炭素二重結合を重合あるいは共重合させた樹脂であ
り、場合によっては、スチレンやジビニルベンゼン等の
芳香族ビニル化合物を共重合させても良く、また、アミ
ノ樹脂、メラミン化合物、エポキシ樹脂、アルキッド樹
脂等を含んでいても良い。アクリル酸および/またはメ
タクリル酸あるいはそれらのエステルとしては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシルなどが使用される。
【0017】本発明で使用されるポリエステル樹脂(こ
の概念中にアルキッド樹脂を含む)としては、多塩基酸
と多価アルコールを反応させて得られる樹脂を使用する
ことができ、乾性または不乾性油で変性された樹脂を使
用することができる。多塩基酸としては、ジカルボン
酸、トリカルボン酸等のポリカルボン酸化合物あるいは
その無水物を使用することができ、具体的には、マレイ
ン酸、アジピン酸、フマル酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、フタル酸、コハク酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、無水マ
レイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸等が使用
できる。
【0018】また、多価アルコールとしては、ジオー
ル、トリオール等のポリオール化合物を使用することが
でき、具体的には、1,2−エタンジオール、1,2−
プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2
−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、1,3−ネオペンタンジオール、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトールなどが使用される。乾性あるいは
不乾性油による変性としては、アマニ油などの高級脂肪
酸エステルなどで変性された樹脂を使用することができ
る。
【0019】本発明で使用できるエポキシ樹脂として
は、主にビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反
応によるエポキシ樹脂を含有するが、1級アミン、2級
アミン、カルボン酸、酸無水物等で変性されたエポキシ
樹脂を使用することができる。本発明で使用できるウレ
タン樹脂としては、ジイソシアネート化合物とポリオー
ル化合物を重縮合反応させた高分子化合物を使用するこ
とができる。ジイソシアネート化合物としては、トルエ
ンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート等を使用することができ
る。また、ポリオール化合物としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ネオペンチ
ルグリコール等を使用することができる。
【0020】本発明で使用できるビニル樹脂としては、
ビニル基を有するモノマーの炭素炭素二重結合を重合さ
せた樹脂を使用することができる。ビニル基を有するモ
ノマーとしては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルメチ
ルエーテル、ビニルブチルエーテル等を使用することが
できる。また、炭素炭素二重結合を有する化合物との共
重合体を使用することもでき、好適な炭素炭素二重結合
を有する化合物としては、スチレン、ジビニルベンゼン
等を使用することができる。以下、本発明を実施例を用
いて具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定さ
れるものではない。
【0021】
【実施例】
合成例 1 水系塗料用溶剤の合成を行った。窒素気流中、3000
mlの四つ口フラスコに、酢酸1201g(20mo
l)、酢酸ナトリウム49g(0.6mol)を入れ、
撹拌しながら90℃に加熱した。滴下ロートにプロピレ
ンオキサイド1162g(20mol)を入れ、6時間
かけて滴下した。反応終了後、反応液を室温に冷却し、
析出した酢酸ナトリウムを濾別した。濾液はエバポレー
ターで固液を分離し、精密蒸留装置を使用して蒸留し
た。沸点 67〜69℃(8mmHg)の留分約170
0gが得られた。(プロピレングリコールモノアセテー
ト純度95%)
【0022】試験例 1 水系塗料用溶剤の樹脂溶解力試験を行った。50mlの
ビーカーに、アクリル樹脂溶液(大日本インキ製 アク
リディックA−405 溶剤含有量50%)を5g、プ
ロピレングリコールモノアセテート3gを入れ、均一に
溶解させた。この溶液に、メタノールを滴下した。9.
5g滴下した時点で試験液は白濁した。この結果から、
下記(式1)に従い溶解度トランス(この数字が大きい
ほど樹脂溶解力が高い)を600と算出した。結果を表
2に示した。同様に、エポキシ樹脂溶液(大日本インキ
製 ウォータゾールS−370 樹脂濃度50%)、ア
ルキッド樹脂溶液(大日本インキ製 ウォータゾールS
−212 樹脂濃度65%)の溶解力試験を行った。
【0023】
【数1】
【0024】試験例 2 プロピレングリコールモノアセテートの代わりにプロピ
レングリコールモノプロピオネートを使用した以外は試
験例1と同様に3種類の樹脂溶液に対する溶解度トラン
スを算出した。(結果を表2に示した)
【0025】比較試験例 1〜3 表2に示した化合物を用い、試験例1に従い、水酸基を
有するプロピレングリコールのカルボン酸エステル化合
物の代わりに、プロピレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレ
ングリコールジアセテートの性能比較を行った結果を表
2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】実施例 1 プロピレングリコールモノアセテートを使用する水溶性
の常乾型アルキッド樹脂塗料組成物の調製を行った。窒
素気流中、1000mlのセパラブルフラスコ反応器
に、アマニ油脂肪酸214g、トリメチロールプロパン
201g、イソフタル酸179gを入れ、撹拌しながら
200〜230℃に加熱し、水を留去させながら縮重合
させた。水の留出が停止した後、無水トリメリット酸を
59g入れ、さらに180℃に加熱してさらに水を留去
した。合成したアルキッド樹脂にプロピレングリコール
モノアセテートを入れ、75wt%の樹脂溶液を調製し
た。
【0028】上記のようにして得られた樹脂溶液100
gにプロピレングリコールモノアセテートを7.2g、
28wt%アンモニア水8g、6wt%ナフテン酸コバ
ルト13g、6wt%ナフテン酸マンガン0.6gを入
れ、さらに水130gを入れ、水溶性常乾型アルキッド
樹脂塗料溶液を調製した。この樹脂溶液は、透明な均一
の溶液であり、そのガードナー粘度は24cp(25
℃)であった。次に塗膜特性について検討した。上記樹
脂溶液をガラス板上にアプリケーターを用いて塗布し、
室温下、7日間空気乾燥した。この塗膜の鉛筆硬度はB
であり、外観、密着性ともに良好であった。また、耐屈
曲性については、2mmφまで塗膜に変化はなかった。
耐薬品性については、トルエン(6時間)に対し、耐性
を示した。
【0029】比較例 1 プロピレングリコールモノアセテートのかわりにエチレ
ングリコールモノブチルエーテルを用いた以外は実施例
1と同様の実験を行った。この場合のアルキッド樹脂溶
液のガードナー粘度は16cpであった。また、鉛筆硬
度はBであり、耐屈曲性、耐薬品性については、実施例
1と大差なかった。
【0030】実施例 2 プロピレングリコールモノアセテートを使用する水溶性
の熱硬化型アルキッド樹脂塗料組成物の調製を行った。
窒素気流中、2000mlのセパラブルフラスコ反応器
に、ネオペンチルグリコール685g、アジピン酸19
2g、イソフタル酸655g、無水トリメリット酸84
gを入れ、撹拌しながら200〜240℃に加熱し、水
を留去させながら縮重合させた。水の留出が停止した
後、無水トリメリット酸を84g入れ、さらに180℃
に加熱してさらに水を留去した。合成したアルキッド樹
脂にプロピレングリコールモノアセテートを入れ、80
wt%の樹脂溶液を調製した。
【0031】上記のようにして得られた樹脂溶液100
gにプロピレングリコールモノアセテートを14.5
g、ジメチルアミノエタノール6.96g、水性メラミ
ン20gを入れ、さらに水100gを入れ、水溶性熱硬
化型アルキッド樹脂塗料溶液を調製した。この塗料溶液
のガードナー粘度は142cpであった。次に塗膜特性
について検討した。上記樹脂溶液をガラス板上にアプリ
ケーターを用いて塗布し、室温で10分、70℃で10
分、180℃で30分硬化させた。この塗膜の鉛筆硬度
は2Hであり、外観、密着性ともに良好であった。ま
た、耐屈曲性については、2mmφまで塗膜に変化はな
かった。耐薬品性については、10wt%NaOH水溶
液(24時間)、トルエン(6時間)に対し、耐性を示
した。
【0032】比較例 2 プロピレングリコールモノアセテートのかわりにエチレ
ングリコールモノブチルエーテルを用いた以外は実施例
2と同様の実験を行った。この場合のアルキッド樹脂溶
液のガードナー粘度は84cpであった。また、鉛筆硬
度はBであり、耐屈曲性、耐薬品性については、実施例
2と大差なかった。
【0033】実施例 3 プロピレングリコールモノアセテートを使用する水溶性
のアクリル樹脂塗料組成物の調製を行った。窒素気流
中、300mlのセパラブルフラスコ反応器に、プロピ
レングリコールモノアセテートを80g入れ、オイルバ
スで100℃に加熱した。反応器を撹拌しながらアクリ
ル酸モノマー溶液(アクリル酸17g、2−エチルヘキ
シルアクリレート21.4g、メチルメタクリレート8
0.8g、ブチルアクリレート80.8g、アゾビスイ
ソブチロニトリル6gの混合溶液)を滴下した。反応器
内の温度が約100℃となるように滴下速度及びオイル
バス温度をコントロールした。滴下終了後、アゾビスイ
ソブチロニトリルを0.1gずつ4回反応器内に入れ、
重合を完結させ、アクリル樹脂組成物を調製した。次に
水溶性アクリル樹脂組成物の配合を行った。300ml
のビーカーに、上記のように調製したアクリル樹脂組成
物130g、プロピレングリコールモノアセテート14
g、トリエチルアミン10g、水性メラミン31gを入
れ、さらに水を210g添加し、水溶性アクリル樹脂組
成物を調製した。
【0034】得られた水溶性アクリル樹脂組成物は、透
明かつ均一の溶液であり、そのガードナー粘度は、21
cpであった。また、上記水溶性アクリル樹脂組成物の
水希釈性は無限大であった。さらに上記組成物の塗膜特
性について検討した。上記組成物をガラス板上にアプリ
ケーターを用いて塗布し、180℃で30分乾燥した。
塗膜の硬度は鉛筆硬度で2Hであり、耐屈曲性は、2m
mφまで塗膜の変化はなかった。耐薬品性については、
10%NaOH溶液(1日)及びトルエン(6時間)に
対し耐性を示し、塗膜に変化はなかった。
【0035】実施例 4 プロピレングリコールモノプロピオネートを使用する水
溶性のアクリル樹脂塗料組成物の調製を行った。窒素気
流中、300mlのセパラブルフラスコ反応器に、プロ
ピレングリコールモノプロピオネート80g入れ、オイ
ルバスで100℃に加熱した。反応器を撹拌しながらア
クリル酸モノマー溶液(アクリル酸17g、2−エチル
ヘキシルアクリレート21.4g、メチルメタクリレー
ト80.8g、ブチルアクリレート80.8g、アゾビ
スイソブチロニトリル6gの混合溶液)を滴下した。反
応器内の温度が約100℃となるように滴下速度及びオ
イルバス温度をコントロールした。滴下終了後、アゾビ
スイソブチロニトリルを0.1gずつ4回反応器内に入
れ、重合を完結させ、アクリル樹脂組成物を調製した。
次に水溶性アクリル樹脂組成物の配合を行った。300
mlのビーカーに、上記のように調製したアクリル樹脂
組成物130g、プロピレングリコールモノプロピオネ
ート14g、トリエチルアミン10g、水性メラミン3
1gを入れ、さらに水を210g添加し、水溶性アクリ
ル樹脂組成物を調製した。
【0036】得られた水溶性アクリル樹脂組成物は、透
明かつ均一の溶液であり、そのガードナー粘度は、22
cpであった。また、上記水溶性アクリル樹脂組成物の
水希釈性は無限大であった。さらに上記組成物の塗膜特
性について検討した。上記組成物をガラス板上にアプリ
ケーターを用いて塗布し、180℃で30分乾燥した。
塗膜の硬度は鉛筆硬度で2Hであり、耐屈曲性は、2m
mφまで塗膜の変化はなかった。耐薬品性については、
10%NaOH溶液(1日)及びトルエン(6時間)に
対し耐性を示し、塗膜に変化はなかった。
【0037】比較例 3 プロピレングリコールモノアセテートのかわりにエチレ
ングリコールモノブチルエーテルを80g用いた以外は
実施例と同様の実験を行った。この場合のアクリル樹脂
組成物のガードナー粘度は15cpであり、水希釈性は
無限大であった。また、鉛筆硬度は2Hであり、耐屈曲
性、耐薬品性については、実施例3と大差なかった。
【0038】実施例 5 ウレタン樹脂系エマルジョン88g(ゼネカ社製:R−
967、無溶剤型)とプロピレングリコールモノアセテ
ート12gを強撹拌下混合し、エマルジョン塗料を調製
した。この塗料は乳白色の均質なエマルジョンであり、
その粘度は550CSであった。このエマルジョン塗料
をガラス板上に塗布し室温下で乾燥した。乾燥後、透明
かつ平滑な膜が得られた。
【0039】実施例 6 アクリル樹脂系エマルジョン88g(ゼネカ社製:R−
1054、無溶剤型)とプロピレングリコールモノアセ
テート12gを強撹拌下混合し、エマルジョン塗料を調
製した。この塗料は乳白色の均質なエマルジョンであ
り、その粘度は260CSであった。このエマルジョン
塗料をガラス板上に塗布し室温下で乾燥した。乾燥後、
透明かつ平滑な膜が得られた。
【0040】実施例 7 アクリル樹脂系エマルジョン88g(ゼネカ社製:R−
1054、無溶剤型)とプロピレングリコールモノプロ
ピオネート12gを強撹拌下混合し、エマルジョン塗料
を調製した。この塗料は乳白色の均質なエマルジョンで
あり、その粘度は260CSであった。このエマルジョ
ン塗料をガラス板上に塗布し室温下で乾燥した。乾燥
後、透明かつ平滑な膜が得られた。
【0041】比較例 4 実施例1に記載の混合物の代わりにエチレングリコール
モノブチルエーテルを12g使用した以外は実施例1と
同様にエマルジョン塗料を調製した。この塗料は乳白色
の一部がゲル化した不均質な混合物であった。この塗料
をガラス板上に塗布し室温下で乾燥した。乾燥後の塗膜
表面は平滑性が悪く、その表面の起伏が大きかった。
【0042】比較例 5 実施例1に記載の混合物の代わりに3−メチル3−メト
キシブタノールを12g使用した以外は実施例と同様に
エマルジョン塗料を調製した。この塗料は乳白色の一部
がゲル化した不均質な混合物であった。この塗料をガラ
ス板上に塗布し室温下で乾燥した。乾燥後の塗膜表面は
平滑性が悪く、その表面の起伏が大きかった。
【0043】
【発明の効果】本発明の水系塗料組成物は、水酸基を有
するプロピレングリコールのカルボン酸エステル化合物
を用いているので、従来使用されているエチレングリコ
ール系の溶剤よりも臭いが弱く、毒性が低いという利点
を有しており、作業環境から作業者を守るための装置が
簡便で済むため工業的に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 175/04 PHW C09D 175/04 PHW 201/00 PDC 201/00 PDC

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式に示す水酸基を有するプロピ
    レングリコールのカルボン酸エステル化合物と樹脂と水
    を含有し、水酸基を有するプロピレングリコールのカル
    ボン酸エステル化合物と樹脂の組成比が10:1〜1:
    10であり、水酸基を有するプロピレングリコールのカ
    ルボン酸エステル化合物と水の組成比が1:1〜1:1
    0である水系塗料組成物。 一般式; RCOO−A−OH (式中、Rは炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基あるい
    はフェニル基であり、−A−は−CH2 CH(CH3
    −あるいは−CH(CH3 )CH2 −である。)
  2. 【請求項2】 水酸基を有するプロピレングリコールの
    カルボン酸エステル化合物が、プロピレングリコールモ
    ノアセテート、プロピレングリコールモノプロピオネー
    ト、プロピレングリコールモノブチレート、プロピレン
    グリコールモノベンゾエートからなる群から選ばれる少
    なくとも一種である請求項1項記載の水系塗料組成物。
  3. 【請求項3】 水系塗料を構成する樹脂がアクリル樹
    脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポ
    リエステル樹脂、ビニル樹脂からなる群から選ばれる少
    なくとも一種である請求項1項記載の水系塗料組成物。
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