JPH0957419A - ダイカスト用金型の部分冷却方法および金型 - Google Patents

ダイカスト用金型の部分冷却方法および金型

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JPH0957419A
JPH0957419A JP21856295A JP21856295A JPH0957419A JP H0957419 A JPH0957419 A JP H0957419A JP 21856295 A JP21856295 A JP 21856295A JP 21856295 A JP21856295 A JP 21856295A JP H0957419 A JPH0957419 A JP H0957419A
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JP
Japan
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die
mold
copper rod
hole
molten metal
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Application number
JP21856295A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Fujino
清 藤野
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Mold Kk U
U MOLD KK
Original Assignee
Mold Kk U
U MOLD KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型の局部的な温度上昇を防止し,金型の温
度むらを少なくし,熱応力の発生を防止する。 【解決手段】 ダイカスト用金型の突起部分の内側と金
型内の後方の冷たい部分の近傍との間に穴を明けて銅棒
を挿入するとともに,前記穴と銅棒の間の隙間に溶融温
度の低い溶融金属を封入して金型の温度の高い部分から
温度の低い部分への熱伝導を良好にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は,ダイカスト用金型
が溶湯の鋳造時に高温になる部分を局部的に冷却する方
法およびその局部冷却を行い得る金型に関するものであ
る。そして,金型キャビティ内へ溶湯を充満させて鋳造
を行う場合に,金型の局部的な温度上昇を防止すること
により,金型の温度ムラを少なくし,熱応力の発生を防
止して,金型の寿命を長くしようとするものである。た
だし,ここでダイカスト用金型とは金属溶湯を金型キャ
ビティ内に注入して製品を得る金型で,一般的なダイカ
スト用の金型だけでなく,スクイズキャスティング用,
溶湯鍛造用,低圧鋳造用等の金型も含むものとする。
【0002】
【従来の技術】ダイカスト用金型等の金型の局部的な温
度上昇を防止するため,一般的には,金型内に冷却水を
通す穴があけられるが,金型表面との温度差が大きく,
熱応力が大きかったり,又,構造的に冷却水用の穴をあ
けることが困難な場合がある。
【0003】金型の突起部分内に冷却水用の穴をあける
ことができない場合,通常は図3に示すような構造にし
ていた。図3において,1は下金型,2は上金型,3は
下金型1の一部にある突起部分,4はキャビティ,5は
キャビティ4内に充填された溶湯,6は下金型1内に設
けた冷却水等の冷却媒体用の通路であり,通路6は突起
部分3の下方において突起部分3の根本から少し離れた
位置に設けられている。
【0004】
【解決すべき課題】図3に示すものにおいて,溶湯5か
ら下金型1の突起部分3に凝固熱が放出されると,矢印
で示すように,その熱は突起部分3の周囲から下金型1
内に多量に入り,冷却媒体用の通路6に向う。この場
合,突起部分3のつけ根の面積が狭いことと,金型の材
質の熱伝導率が小さいことと相俟って,熱が貯まり,突
起部分3の温度が上昇する。
【0005】また,キャビティ4部分の金型表面での溶
湯5の焼付を防止するため,次回の鋳造の前に離型剤を
噴霧する。離型剤は,一般的に,水と一緒に混合して噴
霧する。離型剤を金型表面に噴霧すると,金型表面は離
型剤の水分のため直接的に冷却される。しかるに,金型
の突起部分3の内部は温度が高く,表面が冷却されると
表面に非常に大きな引張の熱応力が発生する。特に,突
起部分3のつけ根には応力集中も発生し,クラックが発
生し,金型の寿命も比較的に短くなる。
【0006】
【課題の解決手段】本発明はこのような課題を解決する
ために,ダイカスト用金型の突起部分の内側と金型内の
後方の冷たい部分の近傍との間に穴を明けて銅棒を挿入
するとともに,前記穴と銅棒の間の隙間に溶融温度の低
い溶融金属を封入した状態にして,金型の温度の高い部
分から温度の低い部分への熱伝導を良好にするようにし
た。また,そのために,ダイカスト金型の突起部分の内
側と金型内に設けた冷却媒体用通路あるいはその近傍に
通じた状態で設けた穴の中に穴の内径よりも小さい外径
を有する銅棒を挿入して取付け,前記穴と銅棒の間の密
封状態の隙間部内に溶融温度の低い溶融金属を封入した
構造のダイカスト用金型とした。
【0007】
【作用】鋳造される軽金属の凝固熱および顕熱の吸収蓄
積により温度上昇が著るしい金型の突起部分からの熱伝
導は,金型本体とともに突起の先端側にある溶融温度の
低い溶融金属を通じて銅棒内に向けて行われ,また,銅
棒の根本付近から後方にある溶融温度の低い溶融金属を
通じて冷却媒体用通路に向けて行われる。
【0008】一般的に,金型材料である熱間工具鋼の熱
伝導率は25kcal/mh℃であり,これに対して,
純銅の熱伝導率は332kcal/mh℃である。した
がって,今,若し,熱通過断面積の10%の断面をもつ
銅棒を挿入すると,見掛の熱伝導率は,25×0.9+
332×0.1=55.7となり,55.7÷25≒
2.2なので,2倍以上の熱を伝えることになり,溶融
金属の熱抵抗があっても,高温部と低温部の温度差が約
半分になる。
【0009】したがって,金型の突起の高温部の温度を
引下げ,金型表面に離型剤(水溶性)を噴霧して金型表
面が冷却されたとき,突起の内外において発生する温度
差も小さくなって熱応力も小さくなり,金型の寿命も長
くなる。
【0010】一方,穴の内部に銅棒の代わりに熱伝導率
が約70kcal/mh℃のナトリウムを封入するのが
熱伝導には一番有効であるが,若しも,洩れて水と反応
すると大爆発の危険性を有し,使用困難であり,使用上
安全である溶融金属を封入する場合,一般的に溶融金属
の熱伝導率が鋼の熱伝導率より低く効果がない。したが
って熱伝導の良い銅棒と使用上安全である溶融金属によ
り,穴と銅棒の接触を良好にする本発明が安全であり,
かつ有効である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1,図2によって,本発明の実
施の形態を説明する。図1,図2において,1は下金型
ないしは固定金型,2は上金型ないしは可動金型,3は
下金型1の一部にある突起部分,4は下金型1と上金型
2の間に形成されているキャビティ,5はキャビティ4
内に鋳込充填されたアルミニウム合金等の溶湯,6は下
金型1の後方内部に形成されている冷却媒体用の通路で
ある。通常,突起部分3は周辺をキャビティ4に囲まれ
ており,鋳込んだ溶湯5からの受熱量が多く,熱の逃げ
る面積が小さく,熱が蓄積され,温度上昇が大きい部分
である。
【0012】下金型1の突起部分3の内側と冷却媒体用
の通路6の近傍に通じた状態で,下金型1の後方から穴
7を設け,この穴7の中に穴7の内径よりも少し小さい
外径を有する銅製の棒,すなわち銅棒8を挿入して設
け,穴7と銅棒8との間の空隙をなくして熱伝導を良好
にするために溶融温度の低い溶融金属9を封入した。銅
棒8の後端部は,溶融金属を前記隙間に封入した状態
で,穴7の入口部にねじ等を用いてしっかりと密封状態
で固定した。
【0013】このような金型において,溶湯5の鋳込を
繰返すことにより,下金型1の突起部3の温度が上昇す
ると,図1に矢印で示すように,この熱は溶融金属9の
先端部分に伝わり,続いて,良好な接触状態で銅棒8に
伝わる。この場合,溶融温度の低い溶融金属9が当初固
定状態であったとしても,下金型1の突起部分3の温度
上昇によって溶融し,溶融金属9の表面は穴7の内面と
銅棒8の外周面の両方に密接した状態になるので,良好
な伝達状態を示す。
【0014】銅棒8は金型材料に比較して10倍以上の
熱伝導度を有するので,熱は貯ることなく後方の冷却媒
体用通路6の近くに伝わり,その部分にある溶融金属9
および下金型1を通じて冷却媒体用通路6に伝導され,
突起部分3の温度上昇を少なくする。この場合,溶融金
属9の熱伝導率が金型材料の熱伝導率より多少小さくて
も,金型と銅棒8との間の距離が短かいので支障はな
い。
【0015】この効果について簡単なモデル式で比較す
る。図4は突起部分3に相当する部分3aの中に銅棒8
を入れた金型のモデル図,図5は突起部分3に相当する
部分3aに銅棒8を入れていないモデル図である。図
4,図5中,矢印は突起部分3に相当する部分3aの先
端部分に加えた熱の伝導状態を示す。なお,図4,図5
の突起部分3に相当する部分3aは空中にさらされてい
るものとして示した。
【0016】ここで,AO :金型の熱通過断面積 Acu:銅棒8の断面積 AM :溶融金属9の銅棒8へ熱を伝える面積 (ここでは計算を簡単にするためAcu=AM とするが実
際にはAM >Acuである。) L :熱を伝える金型の突起の高さ,すなわち,実質的
には,銅棒8の高さ,ないしは,それと同じ高さ ΔL:溶融金属9の厚さ λO :金型の熱伝導率 25kcal/mh℃ λcu:銅の熱伝導率 332kcal/mh℃ λM :溶融金属9の熱伝導率 14kcal/mh℃
(ビスマス) Δθ1 :銅棒8を入れたときの温度差 Δθ2 :銅棒8を入れないときの温度差 Q :金型で吸収すべき熱量(両方とも同じ) とすると,銅棒8を入れた場合は,
【0017】
【数1】
【0018】従来のとおり,銅棒8を用いない場合は,
【0019】
【数2】
【0020】今ここで例題として Acu=0.1AoM =Acu L=50mm=0.05m ΔL=0.2mm=0.2×10-3m Q1 =Q2 とすると
【0021】
【数3】
【0022】これに例題の数字を入れると,Δθ1 ≒Δ
θ2 /2.01となり,10%の断面積の銅棒を入れる
ことにより,温度差Δθ1 はΔθ2 の約半分になる。
【0023】このように鋳造を繰返し,金型の温度が上
昇すると,前記したように,金型の穴7の中に封入され
た充填金属9が溶融し,金型の穴7の内面と銅棒8の表
面に確実に接触し,その面積も増え,充填金属9の熱伝
導率が少し小さくても,金型の熱を銅棒8に充分伝え
る。
【0024】長い穴7の他端の冷却部分において,充填
金属9が穴7の内面の銅棒8の両側に充分接触している
場合は,充填金属9が固体であっても充分熱を伝えるこ
とができるが,接触が不充分で熱伝導が少ない場合に
は,銅棒8の熱伝導が良いので金型の高温部に近い温度
にまで上昇し,充填金属9の溶融温度以上に上り,充填
金属9を溶融し,金型の穴7の内面と銅棒8の表面の両
側に良好な接触面を形成して良好な熱伝導ができるよう
になり,金型の高温度の熱を移動させ,金型の温度差や
温度むらを少なくすることによって金型に発生する熱応
力を小さくし,破損を防止することができる。
【0025】また,銅棒8の冷却端側の一部を冷却媒体
用通路6に通じるようにすれば,冷却効果は大きくな
る。その場合は,例えば,銅棒8の冷却端側の外周の一
部が冷却媒体用通路6内の一部に位置し,銅棒8の周囲
にある充填金属9の一部も冷却媒体用通路6の一部に直
接面していることになるが,この近くの充填金属9は常
に冷却されているので,固体状態を保ち,冷却媒体用通
路6内に流れ出ることはない。もっとも,冷却媒体用通
路6の近くの充填金属9が確実に流れ出さないようにす
るためには,その部分に若干つめ物等を入れて遮断して
おくこともできる。なお,銅棒8の外周の一部や穴7の
一部が冷却媒体用通路6の一部に通じている場合でも,
穴7や銅棒8の冷却端側の大部分は冷却媒体用通路6の
近傍に通じた状態になっているので,冷却媒体用通路6
の近傍に通じた状態で穴7を設けたと言うことができ
る。
【0026】穴7と銅棒8との間の隙間に封入した溶融
金属9の量は隙間の全容積より少し少な目にしておき,
穴7と銅棒8の先端部分に若干の空間10が残るように
しておく。このように,銅棒挿入用の穴7の先端に溶融
金属9の未充填部分の小さい空間10を設けておくこと
により,溶融金属9の熱膨脹時の圧力により穴7が破壊
するのを防止する。
【0027】
【実施例】金型内の穴7と銅棒8との間の隙間に封入す
る溶融金属9ないしは充填金属としては,例えば,ハン
ダを用いた。ハンダは合金組成によって融点が異なる
が,本発明においては180℃〜240℃位のものを選
択すると,700℃近辺のアルミニウム合金等の溶湯5
をキャビティ4内に鋳込み,金型温度が250〜300
℃に上昇すると溶融金属9となり,金型と銅棒8の間の
熱伝導を良好にする。冷却媒体用の通路6内には冷却用
水ないしは冷却用油を流しておく。
【0028】なお,前記の実施の形態例において,突起
部分3や冷却媒体用の通路6や穴7等を下金型1や固定
金型側に設けた例を示したが,これらは当然のことなが
ら,上金型2や可動金型側に設けることもできる。
【0029】
【発明の効果】本発明においては,特許請求の範囲に記
載したように,ダイカスト用金型の突起部分の内側と金
型内の後方の冷たい部分の近傍に穴を明けて銅棒を挿入
するとともに,前記穴と銅棒の間の隙間に溶融温度の低
い溶融金属を封入した状態にして金型の温度の高い部分
から温度の低い部分への熱伝導を良好にするようにした
方法および金型としたので,金型の突起部分等温度上昇
の著るしい部分からの熱吸収を安全にしかも温度勾配が
直接水冷の場合よりもゆるやかな状態で行うことができ
る。
【0030】その結果,金型の温度むらを少なくするこ
とができ,また,金型の熱応力を少なくできるので,金
型の寿命を長くすることができる。また,金型内に著る
しい高温の部分の所がなくなるので,金型表面に離型剤
(水溶性)を噴霧した場合,表面と内部の温度差を小さ
くでき,表面の冷却により発生するヘヤクラックの発生
を防止できるとともに,離型剤の付着効率も上昇し,離
型剤の消費量も減少するという副次効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための金型の一部の1
実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明に類した従来の方法や金型の1例を示す
縦断面図である。
【図4】本発明の伝熱量を計算するためのモデル図であ
る。
【図5】本発明に類した従来の方法の伝熱量を計算する
ためのモデル図である。
【符号の説明】
1 下金型 2 上金型 3 突起部分 3a 突起部分3に相当する部分 4 キャビティ 5 溶湯 6 冷却媒体用通路 7 穴 8 銅棒 9 溶湯金属(充填金属) 10 空間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイカスト用金型の突起部分の内側と金
    型内の後方の冷たい部分の近傍との間に穴を明けて銅棒
    を挿入するとともに,前記穴と銅棒の間の隙間に溶融温
    度の低い溶融金属を封入した状態にして,金型の温度の
    高い部分から温度の低い部分への熱伝導を良好にするダ
    イカスト用金型の部分冷却方法。
  2. 【請求項2】 ダイカスト用金型の突起部分の内側と金
    型内に設けた冷却媒体用通路の近傍に通じた状態で設け
    た穴の中に穴の内径よりも小さい外径を有する銅棒を挿
    入して取付け,前記穴と銅棒の間の密封状態の隙間部内
    に溶融温度の低い溶融金属を封入したダイカスト用金
    型。
JP21856295A 1995-08-28 1995-08-28 ダイカスト用金型の部分冷却方法および金型 Pending JPH0957419A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006150395A (ja) * 2004-11-29 2006-06-15 Toyota Motor Corp ダイカスト鋳造システム及びダイカスト鋳造方法
JP2009195914A (ja) * 2008-02-19 2009-09-03 Mazda Motor Corp 成型金型の製造方法および成型金型

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