JPH0955340A - 電気二重層キャパシタ及びその製造方法 - Google Patents
電気二重層キャパシタ及びその製造方法Info
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- JPH0955340A JPH0955340A JP7209735A JP20973595A JPH0955340A JP H0955340 A JPH0955340 A JP H0955340A JP 7209735 A JP7209735 A JP 7209735A JP 20973595 A JP20973595 A JP 20973595A JP H0955340 A JPH0955340 A JP H0955340A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 長期信頼性に優れた電気二重層キャパシタお
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】 集電体及び前記集電体の表面に配された
分極性電極よりなる一対の電極体と、前記両電極体の間
に挟まれたセパレータと、前記分極性電極及び前記セパ
レータに含浸された電解液を具備し、かつ前記分極性電
極が、活性炭と、導電材と、カルボキシメチルセルロー
ス[(C6H9O5CH2CO2H)n]及びカルバモイルメ
チルセルロース[(C6H9O5CH2CONH2)n]のう
ち少なくとも一種からなる電気二重層キャパシタ。
よびその製造方法を提供する。 【解決手段】 集電体及び前記集電体の表面に配された
分極性電極よりなる一対の電極体と、前記両電極体の間
に挟まれたセパレータと、前記分極性電極及び前記セパ
レータに含浸された電解液を具備し、かつ前記分極性電
極が、活性炭と、導電材と、カルボキシメチルセルロー
ス[(C6H9O5CH2CO2H)n]及びカルバモイルメ
チルセルロース[(C6H9O5CH2CONH2)n]のう
ち少なくとも一種からなる電気二重層キャパシタ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、分極性電極と電
解液との界面に生じる電気二重層を利用した電気二重層
キャパシタ、及びその製造方法に関するものである。
解液との界面に生じる電気二重層を利用した電気二重層
キャパシタ、及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、電気二重層キャパシタは3V程度
までの充電が可能な大容量コンデンサとして、マイクロ
コンピュータ、メモリ、タイマー等のバックアップ用電
源に用いられている。この電気二重層キャパシタには、
プロピレンカーボネートなどの有機溶媒にテトラエチル
アンモニウム塩などの電解質を溶解させた有機溶液系の
電解液を用いたものと、硫酸水溶液などの水溶液系の電
解液を用いたものがある。
までの充電が可能な大容量コンデンサとして、マイクロ
コンピュータ、メモリ、タイマー等のバックアップ用電
源に用いられている。この電気二重層キャパシタには、
プロピレンカーボネートなどの有機溶媒にテトラエチル
アンモニウム塩などの電解質を溶解させた有機溶液系の
電解液を用いたものと、硫酸水溶液などの水溶液系の電
解液を用いたものがある。
【0003】従来の電気二重層キャパシタの製造方法に
ついて、例えば有機溶液系の電解液を用いたものの一例
について図1を用いて説明する。集電体1及び2には、
厚さ20〜50μmのアルミエッチド箔が用いられる。
分極性電極3及び4には、例えば活性炭材料に、結合剤
としてのセルロース塩、及び導電剤としてのアセチレン
ブラックを混合したものが用いられる。この結合剤とし
て用いられるセルロース塩は、水に対する溶解性を改善
するため、例えばセルロースの水酸基をアンモニウム基
あるいはナトリウムに置換したものである。
ついて、例えば有機溶液系の電解液を用いたものの一例
について図1を用いて説明する。集電体1及び2には、
厚さ20〜50μmのアルミエッチド箔が用いられる。
分極性電極3及び4には、例えば活性炭材料に、結合剤
としてのセルロース塩、及び導電剤としてのアセチレン
ブラックを混合したものが用いられる。この結合剤とし
て用いられるセルロース塩は、水に対する溶解性を改善
するため、例えばセルロースの水酸基をアンモニウム基
あるいはナトリウムに置換したものである。
【0004】例えば粒径5μmのフェノール樹脂系の活
性炭粉末、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム
塩[(C6H9O5CH2CO2NH4)n]及びアセチレン
ブラックを10:1.2:2の重量比に混合したものを
用い、これに対して重量比で約3倍量のメタノールと約
5倍量の水を加えてスラリー状の混合液を調製する。そ
して、例えば集電体1及び2として用いるアルミエッチ
ド箔をこの混合液に所定の時間浸して、その表面にそれ
ぞれ分極性電極層を付着させる。その後、水を分離する
目的で、例えば室温〜100℃程度の温度で数分間乾燥
させた後、所定の大きさに切断して、集電体1及び2
と、それらの表面にそれぞれ形成された分極性電極3及
び4よりなる電極体10及び11を得る。続いて、集電
体1及び2にそれぞれアルミニウムリード8及び9を取
り付け、2つの電極体10及び11の間にセパレータ5
を挟んで捲回し、電解液中に浸漬して真空引きすること
により、電解液を分極性電極3及び4と、セパレータ5
に含浸させる。その後、これらをアルミニウムケース6
に挿入し、パッキン7を用いてアルミニウムケース6を
封口することにより、図1に示す電気二重層キャパシタ
が得られる。
性炭粉末、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム
塩[(C6H9O5CH2CO2NH4)n]及びアセチレン
ブラックを10:1.2:2の重量比に混合したものを
用い、これに対して重量比で約3倍量のメタノールと約
5倍量の水を加えてスラリー状の混合液を調製する。そ
して、例えば集電体1及び2として用いるアルミエッチ
ド箔をこの混合液に所定の時間浸して、その表面にそれ
ぞれ分極性電極層を付着させる。その後、水を分離する
目的で、例えば室温〜100℃程度の温度で数分間乾燥
させた後、所定の大きさに切断して、集電体1及び2
と、それらの表面にそれぞれ形成された分極性電極3及
び4よりなる電極体10及び11を得る。続いて、集電
体1及び2にそれぞれアルミニウムリード8及び9を取
り付け、2つの電極体10及び11の間にセパレータ5
を挟んで捲回し、電解液中に浸漬して真空引きすること
により、電解液を分極性電極3及び4と、セパレータ5
に含浸させる。その後、これらをアルミニウムケース6
に挿入し、パッキン7を用いてアルミニウムケース6を
封口することにより、図1に示す電気二重層キャパシタ
が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の電気二重層キャ
パシタでは、長期間使用した場合、ガスが発生し、電気
二重層キャパシタを劣化させる原因となっていた。これ
は電極体の中に残留したセルロース塩の反応に起因する
ものであることが明らかになった。
パシタでは、長期間使用した場合、ガスが発生し、電気
二重層キャパシタを劣化させる原因となっていた。これ
は電極体の中に残留したセルロース塩の反応に起因する
ものであることが明らかになった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電気二重層キャ
パシタは、集電体及び前記集電体の表面に配された分極
性電極よりなる一対の電極体と、前記両電極体の間に挟
まれたセパレータと、前記分極性電極及び前記セパレー
タに含浸された電解液を具備し、かつ前記分極性電極
が、活性炭と、導電材と、カルボキシメチルセルロース
[(C6H9O5CH2CO2H)n]及びカルバモイルメチ
ルセルロース[(C6H9O5CH2CONH2)n]のうち
少なくとも一種からなるものである。このように、分極
性電極中にカルボキシメチルセルロースのアンモニウム
塩を含まないことにより、長期使用時のガス発生を抑制
するものである。
パシタは、集電体及び前記集電体の表面に配された分極
性電極よりなる一対の電極体と、前記両電極体の間に挟
まれたセパレータと、前記分極性電極及び前記セパレー
タに含浸された電解液を具備し、かつ前記分極性電極
が、活性炭と、導電材と、カルボキシメチルセルロース
[(C6H9O5CH2CO2H)n]及びカルバモイルメチ
ルセルロース[(C6H9O5CH2CONH2)n]のうち
少なくとも一種からなるものである。このように、分極
性電極中にカルボキシメチルセルロースのアンモニウム
塩を含まないことにより、長期使用時のガス発生を抑制
するものである。
【0007】本発明の電気二重層キャパシタの製造方法
は、集電体及び前記集電体の表面に配された分極性電極
よりなる一対の電極体と、前記電極体の間に挟まれたセ
パレータと、前記分極性電極及び前記セパレータに含浸
された電解液を具備する電気二重層キャパシタの製造方
法において、前記集電体を活性炭と導電材及びカルボキ
シメチルセルロースのアンモニウム塩[(C6H9O5C
H2CO2NH4)n]を分散させた分極性電極材料の混合
液に浸漬し、前記集電体表面に前記分極性電極材料を付
着させる工程と、前記集電体及び前記分極性電極材料を
熱処理することによって、前記カルボキシメチルセルロ
ースのアンモニウム塩をカルボキシメチルセルロース
[(C6H9O5CH2CO2H)n]とカルバモイルメチル
セルロース[(C6H9O5CH2CONH2)n]のうち少
なくとも一種に転化させる工程を具備するものである。
また、前記熱処理が、100℃〜180℃で1時間以
上、さらに好ましくは140℃〜180℃で5分間以上
行われることが好ましい。電極体の作製時に上記条件で
乾燥することによって、形成された分極性電極中に結合
剤として用いられたカルボキシメチルセルロースのアン
モニウム塩をカルボキシメチルセルロース及びカルバモ
イルメチルセルロースに転化させ、電極中のアンモニウ
ム塩を除去することにより、電気二重層キャパシタの使
用過程におけるガスの発生がなくなり、キャパシタの劣
化を抑制するものである。
は、集電体及び前記集電体の表面に配された分極性電極
よりなる一対の電極体と、前記電極体の間に挟まれたセ
パレータと、前記分極性電極及び前記セパレータに含浸
された電解液を具備する電気二重層キャパシタの製造方
法において、前記集電体を活性炭と導電材及びカルボキ
シメチルセルロースのアンモニウム塩[(C6H9O5C
H2CO2NH4)n]を分散させた分極性電極材料の混合
液に浸漬し、前記集電体表面に前記分極性電極材料を付
着させる工程と、前記集電体及び前記分極性電極材料を
熱処理することによって、前記カルボキシメチルセルロ
ースのアンモニウム塩をカルボキシメチルセルロース
[(C6H9O5CH2CO2H)n]とカルバモイルメチル
セルロース[(C6H9O5CH2CONH2)n]のうち少
なくとも一種に転化させる工程を具備するものである。
また、前記熱処理が、100℃〜180℃で1時間以
上、さらに好ましくは140℃〜180℃で5分間以上
行われることが好ましい。電極体の作製時に上記条件で
乾燥することによって、形成された分極性電極中に結合
剤として用いられたカルボキシメチルセルロースのアン
モニウム塩をカルボキシメチルセルロース及びカルバモ
イルメチルセルロースに転化させ、電極中のアンモニウ
ム塩を除去することにより、電気二重層キャパシタの使
用過程におけるガスの発生がなくなり、キャパシタの劣
化を抑制するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例の電気二
重層キャパシタを示す。10及び11は、集電体1及び
2と、その表面にそれぞれ形成された分極性電極3及び
4からなる電極体である。5はセパレータ、6はアルミ
ニウムケース、7はパッキン、8及び9はアルミニウム
リードである。
重層キャパシタを示す。10及び11は、集電体1及び
2と、その表面にそれぞれ形成された分極性電極3及び
4からなる電極体である。5はセパレータ、6はアルミ
ニウムケース、7はパッキン、8及び9はアルミニウム
リードである。
【0009】[実施例1]粒径5μmのフェノール樹脂
系の活性炭粉末、カルボキシメチルセルロースのアンモ
ニウム塩[(C6H9O5CH2CO2NH4)n]及びアセ
チレンブラックを10:1.2:2の重量比で混合し、
これに重量比で3倍量のメタノールと5倍量の水とを加
えてスラリー状の分極性電極材料の混合液を調製する。
集電体1及び2に用いる厚さ20μmのアルミエッチド
箔を、この混合液に15秒間浸して、その表面に分極性
電極材料を付着させる。その後、空気中100℃で1時
間乾燥し、切断して大きさ25mm×400mmの一対
の電極体10及び11を得る。得られた一対の電極体に
それぞれアルミニウムリード8及び9を取り付け、2枚
の電極体をその間にセパレータ5を挟んで捲回し、プロ
ピレンカーボネートにテトラエチルアンモニウムパーク
ロレイトを0.5mol/l溶解させた電解液の中で真
空引きすることにより、電解液を分極性電極3及び4
と、セパレータ5に含浸する。その後、これらをアルミ
ニウムケース6に挿入し、パッキン7を用いて封口す
る。以上のようにして、電気二重層キャパシタを得た。
これを実施例1の電気二重層キャパシタとする。
系の活性炭粉末、カルボキシメチルセルロースのアンモ
ニウム塩[(C6H9O5CH2CO2NH4)n]及びアセ
チレンブラックを10:1.2:2の重量比で混合し、
これに重量比で3倍量のメタノールと5倍量の水とを加
えてスラリー状の分極性電極材料の混合液を調製する。
集電体1及び2に用いる厚さ20μmのアルミエッチド
箔を、この混合液に15秒間浸して、その表面に分極性
電極材料を付着させる。その後、空気中100℃で1時
間乾燥し、切断して大きさ25mm×400mmの一対
の電極体10及び11を得る。得られた一対の電極体に
それぞれアルミニウムリード8及び9を取り付け、2枚
の電極体をその間にセパレータ5を挟んで捲回し、プロ
ピレンカーボネートにテトラエチルアンモニウムパーク
ロレイトを0.5mol/l溶解させた電解液の中で真
空引きすることにより、電解液を分極性電極3及び4
と、セパレータ5に含浸する。その後、これらをアルミ
ニウムケース6に挿入し、パッキン7を用いて封口す
る。以上のようにして、電気二重層キャパシタを得た。
これを実施例1の電気二重層キャパシタとする。
【0010】[実施例2]粒径1mmのフェノール樹脂
系の顆粒状活性炭、カルボキシメチルセルロースのアン
モニウム塩及びアセチレンブラックを10:1.2:2
の重量比に混合し、これに重量比で3倍量のメタノール
と5倍量の水とを加えてスラリー状の分極性電極材料の
混合液を調製する。集電体1及び2に用いる厚さ20μ
mのアルミエッチド箔を、この混合液に15秒間浸し
て、その表面に分極性電極材料を付着させる。その後、
空気中140℃で1時間乾燥し、切断して大きさ25m
m×400mmの一対の電極体10及び11を得る。こ
のようにして得られた電極体10及び11を用いて、実
施例1と同様に電気二重層キャパシタを作製した。これ
を実施例2の電気二重層キャパシタとする。
系の顆粒状活性炭、カルボキシメチルセルロースのアン
モニウム塩及びアセチレンブラックを10:1.2:2
の重量比に混合し、これに重量比で3倍量のメタノール
と5倍量の水とを加えてスラリー状の分極性電極材料の
混合液を調製する。集電体1及び2に用いる厚さ20μ
mのアルミエッチド箔を、この混合液に15秒間浸し
て、その表面に分極性電極材料を付着させる。その後、
空気中140℃で1時間乾燥し、切断して大きさ25m
m×400mmの一対の電極体10及び11を得る。こ
のようにして得られた電極体10及び11を用いて、実
施例1と同様に電気二重層キャパシタを作製した。これ
を実施例2の電気二重層キャパシタとする。
【0011】[実施例3]長さ5μmに切断したフェノ
ール樹脂系の活性炭繊維、カルボキシメチルセルロース
のアンモニウム塩及びアセチレンブラックを10:1.
2:2の重量比に混合したものを用い、これに重量比で
3倍量のメタノールと5倍量の水とを加えてスラリー状
の分極性電極材料の混合液を調製する。集電体1及び2
に用いる厚さ20μmのアルミエッチド箔を、この混合
液に15秒間浸して、その表面に分極性電極材料を付着
させる。その後、空気中180℃で1時間乾燥し、切断
して大きさ25mm×400mmの一対の電極体10及
び11を得る。このようにして得られた電極体10及び
11を用いて、実施例1と同様に電気二重層キャパシタ
を作製した。これを実施例3の電気二重層キャパシタと
する。
ール樹脂系の活性炭繊維、カルボキシメチルセルロース
のアンモニウム塩及びアセチレンブラックを10:1.
2:2の重量比に混合したものを用い、これに重量比で
3倍量のメタノールと5倍量の水とを加えてスラリー状
の分極性電極材料の混合液を調製する。集電体1及び2
に用いる厚さ20μmのアルミエッチド箔を、この混合
液に15秒間浸して、その表面に分極性電極材料を付着
させる。その後、空気中180℃で1時間乾燥し、切断
して大きさ25mm×400mmの一対の電極体10及
び11を得る。このようにして得られた電極体10及び
11を用いて、実施例1と同様に電気二重層キャパシタ
を作製した。これを実施例3の電気二重層キャパシタと
する。
【0012】[比較例1]粒径5μmのフェノール樹脂
系の活性炭粉末、カルボキシメチルセルロースのアンモ
ニウム塩及びアセチレンブラックを10:1.2:2の
重量比で混合し、これに重量比で3倍量のメタノールと
5倍量の水とを加えてスラリー状の分極性電極材料の混
合液を調製する。集電体1及び2に用いる厚さ20μm
のアルミエッチド箔を、この混合液に15秒間浸して、
その表面に分極性電極を形成する。その後、空気中室温
で1時間乾燥し、切断して大きさ25mm×400mm
の一対の電極体10及び11を得る。このようにして得
られた電極体10及び11を用いて、実施例1と同様に
電気二重層キャパシタを作製した。これを比較例1の電
気二重層キャパシタとする。
系の活性炭粉末、カルボキシメチルセルロースのアンモ
ニウム塩及びアセチレンブラックを10:1.2:2の
重量比で混合し、これに重量比で3倍量のメタノールと
5倍量の水とを加えてスラリー状の分極性電極材料の混
合液を調製する。集電体1及び2に用いる厚さ20μm
のアルミエッチド箔を、この混合液に15秒間浸して、
その表面に分極性電極を形成する。その後、空気中室温
で1時間乾燥し、切断して大きさ25mm×400mm
の一対の電極体10及び11を得る。このようにして得
られた電極体10及び11を用いて、実施例1と同様に
電気二重層キャパシタを作製した。これを比較例1の電
気二重層キャパシタとする。
【0013】[比較例2]粒径5μmのフェノール樹脂
系の活性炭粉末、カルボキシメチルセルロースのアンモ
ニウム塩及びアセチレンブラックを10:1.2:2の
重量比で混合し、これに重量比で3倍量のメタノールと
5倍量の水とを加えてスラリー状の分極性電極材料の混
合液を調製する。集電体1及び2に用いる厚さ20μm
のアルミエッチド箔を、この混合液に15秒間浸して、
その表面に分極性電極材料を付着させる。その後、空気
中90℃で1時間乾燥し、切断して大きさ25mm×4
00mmの一対の電極体10及び11を得る。このよう
にして得られた電極体10及び11を用いて、実施例1
と同様に電気二重層キャパシタを作製した。これを比較
例2の電気二重層キャパシタとする。
系の活性炭粉末、カルボキシメチルセルロースのアンモ
ニウム塩及びアセチレンブラックを10:1.2:2の
重量比で混合し、これに重量比で3倍量のメタノールと
5倍量の水とを加えてスラリー状の分極性電極材料の混
合液を調製する。集電体1及び2に用いる厚さ20μm
のアルミエッチド箔を、この混合液に15秒間浸して、
その表面に分極性電極材料を付着させる。その後、空気
中90℃で1時間乾燥し、切断して大きさ25mm×4
00mmの一対の電極体10及び11を得る。このよう
にして得られた電極体10及び11を用いて、実施例1
と同様に電気二重層キャパシタを作製した。これを比較
例2の電気二重層キャパシタとする。
【0014】これらの実施例1〜3及び比較例1、2に
よって得られた電極体の赤外分光分析を行った。活性
炭、アセチレンブラック以外に検出された物質を表1に
示す。
よって得られた電極体の赤外分光分析を行った。活性
炭、アセチレンブラック以外に検出された物質を表1に
示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1から明らかなように、比較例1及び2
の場合、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩
が電極体中に残存しているが、一方、実施例1〜3で得
られた電極体には、当初混合されたカルボキシメチルセ
ルロースのアンモニウム塩は残存せず、カルボキシメチ
ルセルロース[(C6H9O5CH2CO2H)n]、及びカ
ルバモイルメチルセルロース[(C6H9O5CH2CON
H2)n]に転化していることがわかる。
の場合、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩
が電極体中に残存しているが、一方、実施例1〜3で得
られた電極体には、当初混合されたカルボキシメチルセ
ルロースのアンモニウム塩は残存せず、カルボキシメチ
ルセルロース[(C6H9O5CH2CO2H)n]、及びカ
ルバモイルメチルセルロース[(C6H9O5CH2CON
H2)n]に転化していることがわかる。
【0017】実施例1〜3、比較例1及び2の電気二重
層キャパシタに対して、2.5V定電圧充電を1時間行
い、100mA定電流放電により初期電気二重層容量及
び初期直流抵抗を測定した後、75℃恒温槽中で2.8
V定電圧充電を行い、3000時間後の電気二重層容量
及び直流抵抗を測定する寿命試験を行った。表2に、そ
れぞれ初期の電気二重層容量及び直流抵抗に対する、3
000時間後の電気二重層容量及び直流抵抗の比(それ
ぞれΔC及びΔR)を示す。
層キャパシタに対して、2.5V定電圧充電を1時間行
い、100mA定電流放電により初期電気二重層容量及
び初期直流抵抗を測定した後、75℃恒温槽中で2.8
V定電圧充電を行い、3000時間後の電気二重層容量
及び直流抵抗を測定する寿命試験を行った。表2に、そ
れぞれ初期の電気二重層容量及び直流抵抗に対する、3
000時間後の電気二重層容量及び直流抵抗の比(それ
ぞれΔC及びΔR)を示す。
【0018】
【表2】
【0019】表2より、実施例1〜3の電気二重層キャ
パシタは、比較例1及び2の電気二重層キャパシタと比
較して容量変化率及び抵抗変化率が、ともに小さくなる
ことがわかる。すなわち、電極体10及び11を形成す
る際に、100〜180℃で1時間以上乾燥させること
により、長期信頼性に優れた電気二重層キャパシタを得
ることができることがわかる。
パシタは、比較例1及び2の電気二重層キャパシタと比
較して容量変化率及び抵抗変化率が、ともに小さくなる
ことがわかる。すなわち、電極体10及び11を形成す
る際に、100〜180℃で1時間以上乾燥させること
により、長期信頼性に優れた電気二重層キャパシタを得
ることができることがわかる。
【0020】[実施例4]実施例1と同様の電気二重層
キャパシタにおいて、乾燥時間を5分としたものを作製
した。 [実施例5]実施例2と同様の電気二重層キャパシタに
おいて、乾燥時間を5分としたものを作製した。 [実施例6]実施例3と同様の電気二重層キャパシタに
おいて、乾燥時間を5分としたものを作製した。
キャパシタにおいて、乾燥時間を5分としたものを作製
した。 [実施例5]実施例2と同様の電気二重層キャパシタに
おいて、乾燥時間を5分としたものを作製した。 [実施例6]実施例3と同様の電気二重層キャパシタに
おいて、乾燥時間を5分としたものを作製した。
【0021】実施例4、5、及び6によって得られた電
気二重層キャパシタに対して、2.5V定電圧充電を1
時間行い、100mA定電流放電により初期電気二重層
容量及び初期直流抵抗を測定した後、75℃恒温槽中で
2.8V定電圧充電を行い、3000時間後の電気二重
層容量及び直流抵抗を測定する寿命試験を行った。表3
に、それぞれ初期の電気二重層容量及び直流抵抗に対す
る3000時間後の電気二重層容量及び直流抵抗の比
(それぞれΔC及びΔR)を示す。
気二重層キャパシタに対して、2.5V定電圧充電を1
時間行い、100mA定電流放電により初期電気二重層
容量及び初期直流抵抗を測定した後、75℃恒温槽中で
2.8V定電圧充電を行い、3000時間後の電気二重
層容量及び直流抵抗を測定する寿命試験を行った。表3
に、それぞれ初期の電気二重層容量及び直流抵抗に対す
る3000時間後の電気二重層容量及び直流抵抗の比
(それぞれΔC及びΔR)を示す。
【0022】
【表3】
【0023】表3より、実施例4〜6の電気二重層キャ
パシタは、比較例1及び2の電気二重層キャパシタと比
べ、電気二重層容量及び直流抵抗の悪化の度合いは小さ
く、長期信頼性が改善されたことが分かる。特に、実施
4例及び5の電気二重層キャパシタは、1時間乾燥させ
た実施例1〜3と比べて若干劣るものの、良好な性能を
示す。すなわち、電極体10及び11を形成する際に、
140〜180℃で、5分以上乾燥させることにより、
長期信頼性に優れた電気二重層キャパシタが得られるこ
とがわかる。
パシタは、比較例1及び2の電気二重層キャパシタと比
べ、電気二重層容量及び直流抵抗の悪化の度合いは小さ
く、長期信頼性が改善されたことが分かる。特に、実施
4例及び5の電気二重層キャパシタは、1時間乾燥させ
た実施例1〜3と比べて若干劣るものの、良好な性能を
示す。すなわち、電極体10及び11を形成する際に、
140〜180℃で、5分以上乾燥させることにより、
長期信頼性に優れた電気二重層キャパシタが得られるこ
とがわかる。
【0024】
【発明の効果】以上のように、本発明の電気二重層キャ
パシタおよびその製造方法によれば、容量変化率、抵抗
変化率とも小さな、長期信頼性に優れた電気二重層キャ
パシタを提供することができる。
パシタおよびその製造方法によれば、容量変化率、抵抗
変化率とも小さな、長期信頼性に優れた電気二重層キャ
パシタを提供することができる。
【図1】本発明の実施例の捲回型電気二重層キャパシタ
の一部を切り欠いた斜視図である。
の一部を切り欠いた斜視図である。
【符号の説明】 1、2 集電体 3、4 分極性電極 5 セパレータ 6 アルミニウムケース 7 パッキン 8、9 アルミニウムリード 10、11 電極体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 和史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 池田 正樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 吉田 昭彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 集電体及び前記集電体の表面に配された
分極性電極よりなる一対の電極体と、前記両電極体の間
に挟まれたセパレータと、前記分極性電極及び前記セパ
レータに含浸された電解液を具備し、かつ前記分極性電
極が、活性炭と、導電材と、カルボキシメチルセルロー
ス[(C6H9O5CH2CO2H)n]及びカルバモイルメ
チルセルロース[(C6H9O5CH2CONH2)n]のう
ち少なくとも一種からなる電気二重層キャパシタ。 - 【請求項2】 集電体及び前記集電体の表面に配された
分極性電極よりなる一対の電極体と、前記電極体の間に
挟まれたセパレータと、前記分極性電極及び前記セパレ
ータに含浸された電解液を具備する電気二重層キャパシ
タの製造方法において、前記集電体を活性炭と導電材及
びカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩[(C
6H9O5CH2CO2NH4)n]を分散させた分極性電極
材料の混合液に浸漬し、前記集電体表面に前記分極性電
極材料を付着させる工程と、前記集電体及び前記分極性
電極材料を熱処理することによって、前記カルボキシメ
チルセルロースのアンモニウム塩をカルボキシメチルセ
ルロース[(C6H9O5CH2CO2H)n]とカルバモイ
ルメチルセルロース[(C6H9O5CH2CONH2)n]
のうち少なくとも一種に転化させる工程を具備する電気
二重層キャパシタの製造方法。 - 【請求項3】 前記熱処理が、100℃〜180℃で、
1時間以上行われる請求項2記載の電気二重層キャパシ
タの製造方法。 - 【請求項4】 前記熱処理が、140℃〜180℃で、
5分間以上行われる請求項2記載の電気二重層キャパシ
タの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7209735A JPH0955340A (ja) | 1995-08-17 | 1995-08-17 | 電気二重層キャパシタ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7209735A JPH0955340A (ja) | 1995-08-17 | 1995-08-17 | 電気二重層キャパシタ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0955340A true JPH0955340A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16577778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7209735A Pending JPH0955340A (ja) | 1995-08-17 | 1995-08-17 | 電気二重層キャパシタ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0955340A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11102843A (ja) * | 1997-07-28 | 1999-04-13 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電気二重層キャパシタおよびその製造方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5942448B2 (ja) * | 1979-01-10 | 1984-10-15 | 松下電器産業株式会社 | 電気二重層キャパシタ |
JPH03280518A (ja) * | 1990-03-29 | 1991-12-11 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電気二重層キャパシタおよびその製造法 |
JPH04162510A (ja) * | 1990-10-25 | 1992-06-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電気二重層キャパシタ |
JPH0794374A (ja) * | 1993-05-19 | 1995-04-07 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電気二重層キャパシタ |
-
1995
- 1995-08-17 JP JP7209735A patent/JPH0955340A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5942448B2 (ja) * | 1979-01-10 | 1984-10-15 | 松下電器産業株式会社 | 電気二重層キャパシタ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11102843A (ja) * | 1997-07-28 | 1999-04-13 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電気二重層キャパシタおよびその製造方法 |
JPH11102844A (ja) * | 1997-07-28 | 1999-04-13 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 電気二重層キャパシタおよびその製造方法 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040430 |