JPH0954553A - 平板型画像形成装置及びその製造方法 - Google Patents

平板型画像形成装置及びその製造方法

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JPH0954553A
JPH0954553A JP20710795A JP20710795A JPH0954553A JP H0954553 A JPH0954553 A JP H0954553A JP 20710795 A JP20710795 A JP 20710795A JP 20710795 A JP20710795 A JP 20710795A JP H0954553 A JPH0954553 A JP H0954553A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラットで大型のディスプレイを安全且つス
ペース効率よく設置することが可能な設置手段を具備す
る平板型画像形成装置及びその製造方法の提供。 【解決手段】 電子放出素子群を搭載した背面板、該背
面板と対向して配置され且つ前記電子放出群から放出さ
れる電子線の照射により画像が形成される画像形成部材
を搭載した前面板、及び前記背面板と前面板間の側壁部
から成る表示パネルを少なくとも有する平板型画像形成
装置の、表示パネルの重量を支える支持手段、及び回転
モーメントを支える支持手段を各々別個に具備して成る
ことを特徴とする平板型画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子源を応用した
平板型の表示装置、記録装置等の平板型画像形成装置に
関し、また伸縮部材や設置部材等の設置手段を具備する
平板型画像形成装置及び該装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子としては、熱電子源
と冷陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源
には、電界放出型(以下、FEと略記する)、金属/絶
縁層/金属型(以下、MIMと略記する)や表面伝導型
電子放出素子等がある。
【0003】FE型の例としては、W.P.Dyke & W.W.Dol
an, “Field emission”, Advace in Electron Physici
s, 8, 89 (1956) 或いはC.A.Spindt, “Physical Prope
rties of thin-film field emission cathodes with mo
lybdenium ”, J.Appl.Phys., 47, 5248 (1976) 等が知
られている。また、MIM型の例としては、C.A.Mead,
“The tunnel-emission amplifier, J. Appl. Phys., 3
2, 646 (1961) 等が知られている。更に、表面伝導型電
子放出素子の例としては、M.I.Elinson, Radio Eng. El
ectron Phys., 10, (1965)] 等がある。
【0004】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことに
より、電子放出が生ずる現象を利用するものである。こ
の表面伝導型電子放出素子としては、前記エリンソン等
によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜による[G.
Dittmer:“Thin Solis Films, 9, 317 (1972)]もの、I
23 /SnO2 薄膜による[M.Hartwell and C.G.F
onstad: “IEEE Trans. ED Conf.”,519 (1975)]もの、
カーボン薄膜による[荒木久 他:真空、第26巻、第
1号、22頁(1983)]もの等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として、前述のM.ハートウェルの素子構成
を従来図14に示す。同図において181は、基板であ
る。184は導電性薄膜で、H型形状のパターンにスパ
ッターにて形成された金属酸化薄膜等から成り、後述の
通電のフォーミングと称される通電処理により電子放出
部185が形成される。尚、図中の素子電極間隔Lは、
0.5〜1.0mm、W’は、0.1mmで設定されて
いる。尚、電子放出部185の位置及び形状について
は、不明であるので模式図として表わした。
【0006】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜184を予め
フォーミングと称される通電処理によって電子放出部1
85を形成するのが一般的であった。即ち、通電フォー
ミングとは、前記導電性薄膜184の両端に直流電圧或
いは非常に緩やかな昇電圧、例えば1V/分程度を印加
通電し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形若しくは変質
せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部185
を形成することである。尚、電子放出部185は導電性
薄膜184の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子
放出が行われる。前記通電フォーミング処理した表面伝
導型電子放出素子は、上述導電性薄膜184に電圧を印
加し、素子に電流を流すことにより、上述の電子放出部
185より電子を放出せしめるものである。
【0007】上述の表面伝導型放出素子は構造が単純で
製造も容易であることから大面積に亘り多数素子を配列
形成することができる利点がある。そこでこの特徴を生
かせるような種々の応用が研究されている。例えば、荷
電ビーム源、画像表示装置等の表示装置が挙げられる。
【0008】図15は従来の平板型画像形成装置の設置
方法を示す一例である。同図において、11は電子放出
素子群を搭載した基板(不図示)と画像形成部材を搭載
したフェースプレート(不図示)、そして支持枠(不図
示)から成る表示パネルと駆動回路基板を内包したパネ
ル筐体である。パネル筐体11背面にはパネル重量と回
転モーメントを同時に支えるため、壁面にネジ固定する
壁掛け金具16が取り付けられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、上記の設
置方法を有する画像形成装置では表示パネルサイズの大
型化に伴い、パネル全体重量が増大するため、場合によ
っては壁面が重量に耐えられず、破損してしまう。更
に、壁面の破損により、パネルが落下、破壊するため、
非常に危険である。そのため、パネル重量の軽減と共
に、安定で且つ、スペース効率の良い設置手段を具備す
る平板型画像形成装置が待望されてきた。
【0010】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、フラットで且つ大型
のディスプレイを、安全で且つスペース効率よく設置可
能な設置手段を具備する平板型画像形成装置、並びにそ
の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的は、
以下に示す本発明によって達成される。即ち本発明は、
電子放出素子群を搭載した背面板、該背面板と対向して
配置され且つ前記電子放出群から放出される電子線の照
射により画像が形成される画像形成部材を搭載した前面
板、及び前記背面板と前面板間の側壁部から成る表示パ
ネルを少なくとも有する平板型画像形成装置において、
前記表示パネルの重量を支えるための支持手段、及び回
転モーメントを支えるための支持手段を各々別個に具備
して成ることを特徴とする平板型画像形成装置、並びに
該平板型画像形成装置の製造方法を開示するものであ
る。
【0012】上記課題を解決するために、電子放出素子
群を搭載した背面板と、該背面板と対向して配置される
と共に前記電子放出群から放出される電子線の照射によ
り画像が形成される画像形成部材を搭載した前面板と、
前記背面板と前記前面板間の側壁部から成る表示パネル
を少なくとも有する平板型画像形成装置において、前記
表示パネルの重量を支えるための支持手段、及び回転モ
ーメントを支えるための支持手段が各々別個に設置され
て成ることを特徴とするものである。
【0013】また、上記設置手段を具備する平板型画像
形成装置の製造方法において、前記重量支持手段に高さ
調節機能を設けていることを特徴とするもの、前記壁面
に設けたモーメント支持手段に上下方向の変位が自由な
機能を設けたことを特徴とするものも本発明に含むもの
である。更に、上記の何れの画像形成装置においても、
前記電子放出素子として表面伝導型電子放出素子を用い
ることを特徴としたものも本発明に含むものである。従
って本発明の構成を有する平板型画像形成装置の製造方
法により、安定で且つスペース効率の良い平板画像形成
装置を得ることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して本発明の好ま
しい実施態様を示す。図1は本発明の一実施態様を示す
平板型画像形成装置の製造方法を示すものであり、同図
において11はパネル筐体であり、フェースプレートと
電子源基板、及び支持枠から成る表示パネルを内包す
る。フェースプレート上には画像形成部材(不図示)が
搭載されており、電子放出素子群が電子源基板上に搭載
されている。
【0015】パネル筐体11下部には少なくとも1個以
上の重量を支えるための重量支持手段12が設けられて
おり、この重量支持手段12の先端が床面上等に突き当
たることによりパネル重量を支える構造となっている。
また、パネル筐体背面には回転モーメントを支えるため
に設けたモーメント支持手段13が配設されている。該
モーメント支持手段13はパネル筐体に取り付けられた
上下スライド用ガイド14と、該上下スライド用ガイド
14の溝部に挟まれる壁面上に設けられたモーメント支
持金具15から構成される。
【0016】本発明において用いる冷陰極電子源は、単
純な構成であり、製法が容易な表面伝導型電子放出素子
が好適である。本発明に用いることのできる表面伝導型
電子放出素子は基本的に平面型表面伝導型電子放出素子
及び垂直型表面伝導型電子放出素子の2種類が挙げられ
る。図3は基本的な表面伝導型電子放出素子の構成を示
す模式的平面図及び断面図である。
【0017】図3において71は基板、72,73は素
子電極、74は導電性薄膜、75は電子放出部である。
基板71としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量
の少ないガラス、青板ガラス、SiO2 を表面に形成し
たガラス基板及びアルミナ等のセラミックス基板が用い
られる。
【0018】素子電極72,73の材料としては一般的
導電体が用いられ、例えばNi,Cr,Au,Mo,
W,Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属或いは合金
及びPd,Ag,Au,RuO2 ,Pd−Ag等の金属
或いは金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、
In23 −SnO2 等の透明導電体及びポリシリコン
等の半導体材料等から適宜選択される。
【0019】素子電極間隔Lは好ましくは数百オングス
トローム〜数百マイクロメートルの範囲である。また素
子電極間に印加する電圧は低い方が望ましく、再現よく
作成することが要求されるため好ましい素子電極間隔は
数マイクロメートル〜数十マイクロメートルの範囲であ
る。素子電極長さWは電極の抵抗値、電子放出特性から
数マイクロメートル〜数百マイクロメートルの範囲であ
り、また素子電極72,73の膜厚は、数百オングスト
ローム〜数マイクロメートルの範囲が好ましい。尚、図
3の構成のみならず、基板71上に導電性薄膜74、素
子電極72,73の電極を順に形成させた構成にするこ
ともできる。
【0020】導電性薄膜74は良好な電子放出特性を得
るために微粒子で構成された微粒子膜が特に好ましく、
その膜厚は素子電極72,73へのステップカバレー
ジ、該素子電極72,73間の抵抗値及び後述する通電
フォーミング条件等によって、適宜設定されるが、好ま
しくは数オングストローム〜数千オングストロームの範
囲であり、特に好ましくは10〜500オングストロー
ムの範囲である。そのシート抵抗値は1×103 〜1×
107 オーム/□の範囲である。
【0021】また導電性薄膜74を構成する材料の例と
しては、Pd,Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,
Cu,Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pd等の金
属、PdO,SnO2 ,In23 ,PdO,Sb2
3 等の酸化物、HfB2 ,ZrB2 ,LaB6 ,CeB
6 ,YB4 ,GdB4 等の硼化物、TiC,ZrC,H
fC,TaC,SiC,WC等の炭化物、TiN,Zr
N,HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導体、カーボ
ン等を挙げることができる。
【0022】尚、ここに述べる微粒子膜とは複数の微粒
子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子が
個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣
接、或いは重なり合った状態(島状も含む)の膜を表し
ており、微粒子の粒径は数オングストローム〜数千オン
グストロームの範囲であり、好ましくは10〜200オ
ングソトロームの範囲である。
【0023】電子放出部75は導電性薄膜74の一部に
形成された高抵抗の亀裂であり、通電フォーミング等に
より形成される。また亀裂内には数オングストローム〜
数百オングストロームの粒径の導電性微粒子を有するこ
ともある。この導電性微粒子は、導電性薄膜74を構成
する物質の少なくとも一部の元素を含んでいる。また電
子放出部75及びその近傍の導電性薄膜74は炭素及び
炭素化合物を有することもある。
【0024】図4は、基本的な垂直型表面伝導型電子放
出素子の構成を示す模式的図面である。図4において、
図3の同一の部材については同一符号を付与してある。
80は段差形成部である。基板71、素子電極72と7
3、導電性薄膜74、電子放出部75は前述する平面型
表面伝導型電子放出素子と同様の材料で構成することが
でき、段差形成部80は絶縁性材料で構成され、該段差
形成部80の膜厚が先に述べた平面型表面伝導型電子放
出素子の素子電極間隔Lに相当する。
【0025】その間隔は、数百オングストローム〜数十
マイクロメートルの範囲である。またその間隔は段差形
成部の製法及び素子電極間に印加する電圧により制御す
ることができるが、好ましくは数百オングストローム〜
数マイクロメートルの範囲である。導電性薄膜74は、
素子電極72,73と段差形成部80作成後に形成する
ため、素子電極72,73の上に積層される。尚、図4
において電子放出部75は段差形成部80に直線状に形
成されているように示されているが、作成条件、通電フ
ォーミング条件等に依存し、形状、位置ともこれに限る
ものではない。
【0026】上述の表面伝導型電子放出素子の製造方法
としては様々な方法が考えられるがその一例を図5に示
す。以下、図3及び図5に基づいて電子源基板の作製法
方について説明する。尚、図3と同一の部材については
同一の符号を付与してある。
【0027】(1)先ず基板を洗剤、純水及び有機溶剤
により充分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法等により
素子電極材料を堆積する。その後フォトリソグラフィー
技術により該基板上に素子電極72,73を形成(図5
(a)参照)する。
【0028】(2)次いで素子電極72,73を設けた
基板1に有機金属溶液を塗布し放置することにより有機
金属薄膜を形成する。ここでいう有機金属溶液とは前述
の導電性膜74を形成する金属を主元素とする有機金属
化合物の溶液である。その後、有機金属薄膜を加熱焼成
処理し、リフトオフ、エッチング等によりパターニング
し、導電性薄膜74を形成(図5(b)参照)する。
尚、ここでは有機金属溶液の塗布法により説明したが、
これに限るものでなく真空蒸着法、スパッタ法、化学的
気相堆積法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー
法等によって形成される場合もある。
【0029】(3)続いて、通電フォーミングと称され
る通電処理を行う。通電フォーミングは素子電極72,
73間に不図示の電源により通電を行って、導電性薄膜
74を局所的に破壊、変形若しくは変質せしめ、構造を
変化させた部位を形成させるものである。この局所的に
構造変化させた部位を電子放出部75(図5(c)参
照)と称する。
【0030】通電フォーミングの電圧波形の一例を図6
に示す。電圧波形は特にパルス波形が好ましく、パルス
波高値が一定の電圧パルスを連続的に印加する場合(図
6(a)参照)と、パルス波高値を増加させながら、電
圧パルスを印加する場合(図6(b)参照)とがある。
先ずパルス波高値の一定電圧とした場合(図6(a)参
照)について説明する。図6(a)におけるT1及びT
2は、電圧波形のパルス幅とパルス間隔でありT1を1
マイクロ秒〜10ミリ秒、T2を10マイクロ秒〜10
0ミリ秒とし、三角波の波高値(通電フォーミング時の
ピーク電圧)は表面伝導型電子放出素子の形態に応じて
適宜選択し、適当な真空度、例えば、1×10-5tor
r程度の真空雰囲気下で、数秒間〜数十分間印加する。
尚、素子の電極間に印加する波形は三角波に限定するこ
とはなく、矩形波等所望の波形を用いてもよい。
【0031】図6(b)におけるT1及びT2は図6
(a)と同様であり、三角波の波高値(通電フォーミン
グ時のピーク電圧)は、例えば0.1Vステップ程度ず
つ増加させて適当な真空雰囲気下で印加する。尚、この
場合の通電フォーミング処理はパルス間隔T2中に、導
電性薄膜74を局所的に破壊、変形しない程度の電圧、
例えば0.1V程度の電圧で、素子電流を測定し、抵抗
値を求め、例えば1Mオーム以上の抵抗を示したときに
通電フォーミング終了とする。
【0032】(4)次に通電フォーミングが終了した素
子に活性化工程と称する処理を施すことが望ましい。活
性化加工とは、例えば1×10-4〜1×10-5torr
程度の真空度で、通電フォーミング同様、パルス波高値
が一定の電圧パルスを繰り返し印加する処理のことであ
り、真空中に存在する有機物質に起因する炭素及び炭素
化合物を導電薄膜上に堆積させ素子電流If、放出電流
Ieを著しく変化させる処理である。
【0033】活性化工程は、素子電流Ifと放出電流I
eを測定しながら、例えば放出電流Ieが飽和した時点
で終了する。また印加する電圧パルスは動作駆動電圧で
行うことが好ましい。尚、ここで炭素及び炭素化合物と
は、グラファイト(単、多結晶の双方)、非晶質カーボ
ン(非晶質カーボン及び多結晶グラファイトとの混合
物)であり、その膜厚は500オングストローム以下が
好ましく、より好ましくは300オングストローム以下
である。
【0034】(5)このようにして作成した電子放出素
子を通電フォーミング工程、活性化工程における真空度
よりも高い真空度の雰囲気下において動作駆動させるの
がよい。また、更に高い真空度の雰囲気下で80〜15
0℃の加熱後動作駆動させることが望ましい。尚、通電
フォーミング工程、活性化処理した真空度より高い真空
度とは、例えば約1×10-6以上の真空度であり、より
好ましくは超高真空系であり、新たに炭素及び炭素化合
物が導電薄膜上に殆ど堆積しない真空度である。こうす
ることによって素子電流If、放出電流Ieを安定化さ
せることが可能になる。
【0035】図7は、図3にて示した構成を有する素子
の電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略構
成図である。図7において、図3と同様の符号は、同一
のものを示す。また111は電子放出素子に素子電圧V
fを印加するための電源、110は素子電極2,3間の
導電性薄膜74を流れる素子電流Ifを測定するための
電流計、114は素子の電子放出部より放出される放出
電流Ieを捕捉するためのアノード電極、113はアノ
ード電極114に電圧を印加するための高圧電源、11
2は素子の電子放出部75より放出される放出電流Ie
を測定するための電流計、115は真空装置、116は
排気ポンプである。
【0036】次に、本発明の画像形成装置について述べ
る。画像形成装置に用いられる電子源基板は複数の表面
伝導型電子放出素子を基板上に配列することにより形成
される。表面伝導型放出素子の配列の方式の例として
は、表面伝導型電子放出素子を並列に配置し個々の素子
の両端を配線で接続する梯子型配置(以下、梯子型配置
電子源基板と称する)や、表面伝導型電子放出素子の一
対の素子電極にそれぞれX方向配線、Y方向配線を接続
した単純マトリクス配置(以下マトリクス型配置電子源
基板と称する)が挙げられる。尚、梯子型配置電子源基
板を有する画像形成装置には電子放出素子からの電子の
飛翔を制御する電極である制御電極(グリッド電極)を
必要とする。
【0037】以下この原理に基づき構成した電源基板の
構成について、図8を用いて説明する。121は電子源
基板、122はX方向配線、123はY方向配線、12
4は表面伝導型電子放出素子、125は結線である。
尚、表面伝導型電子放出素子124は前述した平面型或
いは垂直型の何れであってもよい。同図において、電子
源基板121に用いる基板は、前述したガラス基板等で
あって、用途に応じて形状が適宜設定される。m本のX
方向配線122は、Dx1,Dx2,・・・・,Dxm
から成り、Y方向配線123は、Dy1,Dy2,・・
・,Dynのn本の配線より成る。
【0038】また、多数の表面伝導型素子にほぼ均等な
電圧が供給されるように、材料、膜厚、配線幅が適宜設
定される。これらm本のX方向配線122とn本のY方
向配線123間(m,nは、共に正の整数)には、不図
示の層間絶縁層により電気的に分離されて、マトリック
配線を構成する。不図示の層間絶縁層は、X方向配線1
22を形成した基板121の全面或いは一部に所望の領
域に形成される。X方向配線122とY方向配線123
は、それぞれ外部端子として引き出される。
【0039】更に、表面伝導型放出素子124の素子電
極(不図示)が、m本のX方向配線122とn本のY方
向配線123と、結線125によって電気的に接続され
ている。また、表面伝導型電子放出素子は基板或いは不
図示の層間絶縁層上の何れに形成してもよい。また詳し
くは後述する前記X方向配線122には、X方向に配列
する表面伝導型放出素子124の行を入力信号に応じて
走査するための走査信号を印加するための不図示の走査
信号発生手段と電気的に接続されている。
【0040】一方、Y方向配線123にはY方向に配列
する表面伝導型放出素子124の列の各列を入力信号に
応じて、変調するための変調信号を印加するための不図
示の変調信号発生手段と電気的に接続されている。更に
表面伝導型電子放出素子に印加される駆動電圧は、当該
素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供
給されるものである。上記構成において、単純なマトリ
クス配線のみで個別の素子を選択して独立に駆動可能に
なる。
【0041】次に、以上のようにして作成したマトリク
ス型配置電子源基板を用いた画像形成装置について、図
9〜図11に基づいて説明する。図9は画像形成装置の
基本構成図であり、図10は蛍光膜の例を、また図11
はNTSC方式のテレビ信号に応じて表示をするための
駆動回路ブロック図を示し、その駆動回路を含む画像形
成装置を表わす。
【0042】図9において121は電子放出素子を基板
上に作成した電子源基板、131は電子源基板121を
固定したリアプレート、136はガラス基板133の内
面の蛍光膜134とメタルバック135等が形成された
フェースプレート、132は支持枠、131はリアプレ
ートであり、これら部材によって外囲器138が構成さ
れる。図9において124は図3における電子放出部に
相当する。122,123は表面伝導型電子放出素子の
一対の素子電極と接続されたX方向配線及びY方向配線
である。
【0043】外囲器138は、上述の如くフェースプレ
ート136、支持枠132、リアプレート131で外囲
器138を構成したが、リアプレート131は主に電子
源基板121の強度を補強する目的で設けられるため、
電子源基板121自体で十分な強度もつ場合は別体のリ
アプレート131は不要であり、電子源基板121に直
接支持枠132を設け、フェースプレート136、支持
枠132、電子源基板121にて外囲器138を構成し
てもよい。
【0044】図10において142は蛍光体である。蛍
光体142はモノクロームの場合は蛍光体のみから成る
が、カラーの蛍光膜の場合は蛍光体の配列によりブラッ
クストライプ或いはブラックマトリクス等と称される黒
色導電材141と蛍光体142とで構成される。ブラッ
クストライプ、ブラックマトリクスが設けられる目的
は、カラー表示の場合に必要となる三原色蛍光体の各蛍
光体142間の塗り分け部を黒くすることにより混色等
を目立たなくすることと、蛍光膜134における外光反
射によるコントラストの低下を抑制することである。ブ
ラックストライプの材料としては、通常よく用いられて
いる黒鉛を主成分とする材料のみならず、導電性があ
り、光の透過及び反射が少ない材料であればこれに限る
ものではない。
【0045】ガラス基板133に蛍光体を塗布する方法
は、モノクロームか、カラーかによらず、沈澱法や印刷
法が用いられる。また、蛍光膜134(図9参照)の内
面側には通常メタルバック135が設けられる。メタル
バックの目的は、蛍光体の発光のうち内面側への光をフ
ェースプレート136側へ鏡面反射することにより輝度
を向上すること、電子ビーム加速電圧を印加するための
電極として作用すること、外囲器内で発生した負イオン
の衝突によるダメージからの蛍光体を保護すること等で
ある。
【0046】メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の
内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと称され
る)を行って、その後Alを真空蒸着法等で堆積するこ
とにより作製することができる。フェースプレート13
6には、更に蛍光膜134の導電性を高めるため蛍光膜
134の外面側に透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0047】外囲器138は、不図示の排気管を通じ1
×10-7torr程度の真空度にされ、封止が行われ
る。また、外囲器138の封止後の真空度を維持するた
めにゲッター処理を行う場合もある。これは外囲器13
8の封止を行う直前或いは封止後の抵抗加熱、或いは高
周波加熱等の加熱法により、外囲器138内の所定の位
置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を
形成する処理である。ゲッターは通常、Ba等が主成分
であり、該蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10-5
〜1×10-7torrの真空度を維持するものである。
尚、表面伝導型電子放出素子のフォーミング以降の工程
は適宜設定される。
【0048】次にマトリクス型配置電子源基板を用いて
構成した画像形成装置を、NTSC方式のテレビ信号に
基づきテレビジョン表示を行うための駆動回路の概略構
成図を図11のブロック図を用いて説明する。151は
前記表示パネルであり、また152は走査回路、153
は制御回路、154はシフトレジスタ、155はライン
メモリ、156は同期信号分離回路、157は変調信号
発生器、Vx及びVaは直流電圧源である。
【0049】以下、各部の機能を説明するが、表示パネ
ル151は端子Dox1〜Doxm及び端子Doy1〜
Doyn及び高圧端子Hvを介して外部の電気回路と接
続している。このうち端子Dox〜Doxmには前記画
像形成装置に設けられている電子源、即ちM行N列の行
列状にマトリクス配線された表面伝導型電子放出素子群
を一行(N素子)ずつ順次駆動してゆくための走査信号
が印加される。
【0050】一方、端子Dy1〜Dynには前記走査信
号により選択された一行の表面伝導型電子放出素子の各
素子の出力電子ビームを制御するための変調信号が印加
される。また高圧端子Hvには直流電圧源Vaより、例
えば10[kV]の直流電圧が供給されるが、これは表
面伝導型電子放出素子より出力される電子ビームに蛍光
体を励起するのに十分なエネルギーを付与するための加
速電圧である。
【0051】次に走査回路152について説明する。同
回路は内部にM個のスイッチング素子を備える(図中、
S1〜Smで模式的に示す)ものであり、各スイッチン
グ素子は直流電圧源Vxの出力電圧若しくは0[V]
(グランドレベル)の何れか一方を選択し、表示パネル
151の端子Dx1〜Dxmと電気的に接続するもので
ある。
【0052】S1〜Smの各スイッチング素子は制御回
路153が出力する制御信号Tscanに基づいて動作
するものであるが、実際には例えばFETのようなスイ
ッチング素子を組み合わせることにより構成することが
可能である。尚、前記の直流電圧電源Vxは、前記の表
面伝導型放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基
づき走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子
放出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力する
ように設定されている。
【0053】また制御回路153は、外部より入力する
画像信号に基づいて適切な表示が行われるように各部の
動作を整合させる働きをもつものである。次に説明する
同期信号分離回路156より送られる同期信号Tsyn
cに基づいて各部に対してTscan,Tsft及びT
mryの各制御信号を発生する。
【0054】同期信号分離回路156は、外部から入力
されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝
度信号成分とを分離するための回路で周波数分離(フィ
ルター)回路等を用いて構成することができるものであ
る。同期信号分離回路156により分離された同期信号
は、よく知られるように垂直同期信号と水平同期信号よ
り成るが、ここでは説明の便宜上、Tsync信号とし
て図示する。一方、前記テレビ信号から分離された画像
の輝度信号成分を便宜上、DATA信号と表わすが、同
信号はシフトレジスタ154に入力される。
【0055】シフトレジスタ154は、時系列的にシリ
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路153より送られる制御信号Tsftに基づいて
動作(即ち制御信号Tsftは、シフトレジスタ154
のシフトクロックであると言い換えてもよい)する。シ
リアル/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出
素子N素子分の駆動データに相当)のデータは、Id1
〜IdnのN個の並列信号として前記シフトレジスタ1
54より出力される。
【0056】ラインメモリ155は画像1ライン分のデ
ータを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であ
り、制御回路153より送られる制御信号Tmryに従
って、適宜Id1〜Idnの内容を記憶する。記憶され
た内容は、Id1〜Idnとして出力され、変調信号発
生器157に入力される。変調信号発生器157は、前
記画像データId1〜Idnのそれぞれに応じて表面伝
導型電子放出素子のそれぞれを適切に駆動変調するため
の信号源で、その出力信号は、端子Doy1〜Doyn
を通じて表示パネル151内の表面伝導型電子放出素子
に印加される。
【0057】本発明に係わる電子放出素子は、放出電流
Ieに対して以下の基本特性を有している。即ち、電子
放出には明確なしきい値電圧Vthがあり、Vth以上
の電圧を印加されたときのみ電子放出が生じる。また電
子放出しきい値以上の電圧に対しては、素子への印加電
圧の変化に応じて放出電流も変化してゆく。尚、電子放
出素子の材料や構成、製造方法を変えることにより電子
放出しきい値電圧Vthの値や印加電圧に対する放出電
流の変化の度合いが変わる場合もあるが、何れにしても
以下のようなことが言える。
【0058】即ち、本素子にパネル状の電圧を印加する
場合、例えば電子放出しきい値以下下の電圧を印加して
も電子放出は生じないが、電子放出しきい値以上の電圧
を印加する場合には電子ビームが出力される。その際、
第一にはパルスの波高値Vmを変化させることにより出
力電子ビームの強度を制御することが可能である。第二
には、パルスの幅Pwを変化させることにより出力され
る電子ビームの電荷の総量を制御することが可能であ
る。
【0059】従って、入力信号に応じて、電子放出素子
を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変調
方式等が挙げられ、電圧変調方式を実施するには変調信
号発生器157としては一定長さの電圧パルスを発生す
るが入力されるデータに応じて適宜パルスの波高値を変
調するような電圧変調方式の回路を用いる。また、パル
ス幅変調方式を実施するには変調信号発生器157とし
て、一定の波高値の電圧パルスを発生するが入力される
データに応じて適宜電圧パルスの幅を変調するようなパ
ルス幅変調方式の回路を用いるものである。
【0060】以上説明した一連の動作により本発明の画
造形形成装置は表示パネル151を用いてテレビジョン
の表示を行うことができる。尚、上記説明中特に記載し
なかったがシフトレレジスト154やラインメモリ15
5はデジタル信号式のものでもアナログ信号式のもでも
差し支えなく、要は画像信号のシリアル/パラレル変換
や記憶が所定の速度で行われればよい。
【0061】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路156の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには156の出力部にA/D変
換器を備えれば可能である。また、これと関連してライ
ンメモリ155の出力信号がデジタル信号かアナログ信
号かにより、変調信号発生器157に用いられる回路が
若干異なったものとなる。
【0062】先ずデジタル信号の場合について述べる。
電圧変調方式においては変調信号発生器157には、例
えばよく知られるD/A変換回路を用い、必要に応じて
増幅回路等を付け加えればよい。また、パルス幅変調方
式の場合、変調信号発生器157には、例えば高速の発
振器及び発振器の出力する波数を計数する計数器(カウ
ンタ)及び計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較
する比較器(コンパレータ)を組み合わせた回路を用い
ることにより構成することができる。必要に応じて、比
較器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝導
型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増
幅器を付け加えてもよい。
【0063】次にアナログ信号の場合について述べる。
電圧変調方式においては、変調信号発生器157には、
例えば、よく知られるオペアンプ等を用いた増幅回路を
用いればよく、必要に応じてレベルシフト回路等を付け
加えてもよい。またパルス幅変調方式の場合には、例え
ばよく知られた電圧制御型発振回路(VCO)を用れば
よく、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧
にまで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
【0064】以上のように完成した画像表示装置におい
て、各電子放出素子に、容器外端子Dox1〜Dox
m、Doy1〜Doynを通じ、電圧を印加することに
より、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メタルバッ
ク135、或いは透明電極(不図示)に高圧を印加し、
電子ビームを加速し、蛍光膜134に衝突させ、励起・
発光させることにより画像を表示することができる。
【0065】以上述べた構成は、表示等に用いられる好
適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう
適宜選択する。また、入力信号として、NTSC方式を
挙げたが、これに限られるものではなくPAL,SEC
AM方式等の諸方式でもよく、また、これよりも、多数
の走査線から成るTV信号(例えば、MUSE方式を始
めとする高品位TV)方式でもよい。
【0066】次に、前述の梯子型配置電子源基板及びそ
れを用いた画像形成装置について、図12及び図13を
用いて説明する。図12において、160は電子源基
板、161は電子放出素子、また162のDx1〜Dx
10は、前記の電子放出素子に接続する共通配線であ
る。電子放出素子161は、基板160上に、X方向に
並列に複数個配置(これを素子行と称する)されてい
る。
【0067】この素子行が複数個基板上に配置され、梯
子型電子源となる。各素子行の共通配線間に適宜駆動電
圧を印加することにより、各素子行を独立に駆動するこ
とが可能になる。即ち、電子ビームを放出させる素子行
には、電子放出しきい値以上の電圧を電子ビームを放出
させない素子行には、電子放出しきい値以下の電圧を印
加すればよい。また、各素子行間の共通配線Dx2〜D
x9を、例えばDx2,Dx3を同一配線とするように
してもよい。
【0068】図13は、梯子型配置の電子源を備えた画
像形成装置の構造を示すための図である。170はグリ
ッド電極、171は電子が通過するための空孔、172
はDox1,Dox2,・・・,Doxmより成る容器
外端子である。173は、グリッド電極170と接続さ
れたG1,G2,・・・Gnから成る容器外端子、16
0は前述のように各素子行間の共通配線を同一配線とし
た電子源基板である。尚、図9及び図12と同一符号は
同一部材を示す。前述の単純マトリクス配置の画像形成
装置(図9参照)との違いは、電子源基板160とフェ
ースプレート136の間に、グリッド電極170を備え
ていることである。
【0069】基板160とフェースプレート136の中
間には、グリッド電極170が設けられている。グリッ
ド電極170は、表面伝導型放出素子から放出された電
子ビームを変調することができるもので、梯子型配置の
素子行と直交して設けられたストライプ状の電極に電子
ビームを通過させるため、各素子に対応して1個づつ円
形の空孔171が設けられている。グリッドの形状や設
置位置は図13のようなものでなくともよく、開口とし
てメッシュ状に多数の通過口を設けることもあり、また
例えば表面伝導型放出素子の周囲や近傍に設けてもよ
い。容器外端子172及びグリッド容器外端子173
は、不図示の制御回路と電気的に接続されている。
【0070】本画像形成装置では、素子行を1列ずつ順
次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極列に
画像1ライン分の変調信号を同時に印加することによ
り、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像を1
ラインずつ表示することができる。また、本発明によれ
ばテレビジョン放送の表示装置のみならず、テレビジョ
ン会議システム、コンピュータ等の表示装置に適した画
像形成装置を提供することができる。また電子放出素子
として表面伝導型電子放出素子ばかりでなく、MIM型
電子放出素子、電界放出型電子放出素子等の冷陰極電子
源にも適用可能である。更には熱電子源による画像形成
装置にも適用することができる。
【0071】
【実施例】以下本発明を、図面に基いて実施例により詳
細に説明するが、本発明がこれらによって何ら限定され
るものではない。
【0072】[実施例1]前述のようにして得られた表
面伝導型電子放出素子を有するマトリクス型配置電子源
基板(図8参照)を用い、画像形成装置を作製した。図
1は実施例1にて作製した画像形成装置の構成を示す模
試記図である。同図において11はパネル筐体であり、
フェースプレートと電子源基板、及び支持枠から成る表
示パネルと駆動用電気回路基板を内包する。パネル筐体
11には重量を支えるため、アルミ製の重量支持手段1
2がネジ止め(本実施例では片側3本)固定されてお
り、この重量支持手段12の先端のゴム部が床面上に突
き当たることによりパネル重量を支えている。
【0073】前記重量支持手段12は中空円筒を入れ子
状にしてあり、締め付けネジ(不図示)により高さを調
節することができるようにしている。高さの調整範囲
は、50〜120cmであり、3本のアルミ中空円筒を
組み合わせてある。
【0074】上下高さ調節機構には送りネジ機構を使用
した。簡単にこの機構について説明する。先ず、重量支
持手段内とパネル筐体両サイド部に雄ネジ支柱が配置さ
れており、パネル両サイド下部にはナットが固定(不図
示)されている。前記雄ネジ支柱には該支柱を回転させ
るための小型モーター(不図示)が接続されており、こ
のモーターを制御することにより上下高さの調節を行っ
た。このような滑りネジ機構のみならず、ボールネジ、
静圧ネジ等によっても送り機構を実現することができ
る。
【0075】また、パネル筐体背面には回転モーメント
を支えるために設けたモーメント支持手段13が配設さ
れている。このモーメント支持手段13はパネル筐体1
1に取り付けられたアルミ製の上下スライド用ガイド1
4と、該上下スライド用ガイド14の溝部に挟まれる壁
面上に設けられたモーメント支持金具15から構成され
る。上下スライド用ガイド14の溝幅は20mmであ
り、ここをポリカーボネイド製のモーメント支持金具1
5がスライドして、高さ調節が可能となっている。
【0076】以下にフェースプレート136、支持枠1
32、そして電子源基板121から成る表示パネル(図
9参照)の作製方法を簡単に示す。詳細は実施態様に示
してある。先ず、予め前述の方法により画像形成部材を
搭載した前記フェースプレート136にフリットガラス
(不図示)をディスペンサーで塗布し、前記支持枠13
2を所望の位置に合わせた後に仮焼成、本焼成を行っ
た。
【0077】次に、前記電子源基板121に、ディスペ
ンサーでフリットガラス(不図示)を塗布し、先に作製
した支持枠132とフェースプレート136について、
所定の位置合わせを行い、仮焼成、本焼成を実施して表
示パネルを作製した。組立行程終了後、上記行程で作製
された表示パネル内を真空状態にするため、排気管(不
図示)を介して、表示パネル内を凡そ1×10-6tor
rまで真空排気し、排気管の封止を行った。表示パネル
と駆動回路をパネル筐体に固定し、上下スライド用ガイ
ド14をネジによりパネル筐体下部に取り付け、固定し
た。
【0078】また、予めパネル取り付け位置に対応する
壁面上にモーメント支持金具15をネジ(本実施例では
8本)で固定し、取り付けた。前記モーメント支持金具
15を前記上下スライド用ガイド14の溝部に挟み込
み、前記重量支持手段12の高さ調節を行って、パネル
を設置した。このように重量支持手段12と回転モーメ
ント支持手段13を各々別個に設けた画像形成装置にお
いては、パネル下部に従来例(図15参照)と同等の空
間を確保した上、非常に安定して、しかもスペース効率
よくパネルを壁面上に設置することのできる平板型画像
形成装置及びその製造方法が可能となった。
【0079】[実施例2]前述のようにして得られた表
面伝導型電子放出素子を有する梯子型配置電子源基板
(図12参照)を用い、画像形成装置を製作した。
【0080】図2は実施例2にて作製した画像形成装置
の構成を示す模試記図である。同図において11はパネ
ル筐体であり、フェースプレートと電子源基板、及び支
持枠から成る表示パネルと駆動用電気回路基板を内包す
る。パネル筐体下部には重量を支えるため、アルミ製の
重量支持手段17がパネル筐体側面に固定金具を介して
ネジ止め固定されている。尚、実施例1と同様に前記重
量支持手段12をパネル筐体下部に固定しても何ら問題
ない。重量支持手段17の先端には前記パネル筐体11
が設置される壁面に平行で裏に滑り止めのゴム(不図
示)が付けられたな張り出し足18を設け、これが床面
上に突き当たることによりパネル重量を支えている。
【0081】前記の重量支持手段17は中空円筒を入れ
子状にしてあり、締め付けネジ(不図示)により高さが
調節できるようにしている。高さの調整範囲は50〜1
20cmであり、3本のアルミ中空円筒を組み合わせ
た。パネルが配設される前面下部の空間を損なうことな
くパネル重量が床面に面圧として作用するため、より安
定な支持が可能となる。
【0082】上下高さ調節機構には送りネジ機構を使用
した。簡単にこの機構について説明する。先ず、重量支
持手段内とパネル筐体両サイド部に雄ネジ支柱が配置さ
れており、パネル両サイド下部にはナットが固定(不図
示)されている。前記雄ネジ支柱には該支柱を回転させ
るための小型モーター(不図示)が接続されており、こ
のモーターを制御することにより上下高さの調節を行っ
た。このような滑りネジ機構のみならず、ボールネジ、
静圧ネジ等によっても送り機構を実現することができ
る。
【0083】また、パネル筐体背面には回転モーメント
を支えるために設けたモーメント支持手段13が配設さ
れている。このモーメント支持手段13は、パネル筐体
に取り付けられたアルミ製の上下スライド用ガイド14
と、該上下スライド用ガイド14の溝部に挟まれる壁面
上に設けられたモーメント支持金具15から構成され
る。上下スライド用ガイド14の溝幅は20mmであ
り、ここをポリカーボネイト製のモーメント支持金具1
5がスライドして、高さ調節が可能となっている。以下
にフェースプレート136、支持枠132、そして電子
源基板121から成る表示パネル(図9参照)の作製方
法を簡単に示す。詳細は実施態様に示してある。
【0084】先ず、予め前述の方法により画像形成部材
を搭載した前記フェースプレート136にフリットガラ
ス(不図示)をディスペンサーで塗布し、前記支持枠1
32を所望の位置に合わせた後に仮焼成、本焼成を行っ
た。次に、前記電子源基板121に、ディスペンサーで
フリットガラス(不図示)を塗布し、先に作製した支持
枠132とフェースプレート136について、所定の位
置合わせを行い、仮焼成、本焼成を実施して表示パネル
を作製した。
【0085】組立行程終了後、上記行程で作製された表
示パネル内を真空状態にするため、排気管(不図示)を
介して、表示パネル内を凡そ1×10-6torrまで真
空排気し、排気管の封止を行った。表示パネルと駆動回
路をパネル筐体に固定し、上下スライド用ガイド14を
ネジによりパネル筐体下部に取り付け、固定した。
【0086】また、予めパネル取り付け位置に対応する
壁面上にモーメント支持金具15をネジ(本実施例では
8本)で固定し、取り付けた。前記モーメント支持金具
15を前記上下スライド用ガイド14の溝部に挟み込
み、前記重量支持手段17の高さ調節を行って、パネル
を設置した。このように重量支持手段17と回転モーメ
ント支持手段13を各々別個に設けた画像形成装置にお
いては、パネル下部に従来例(図15参照)と同等の空
間を確保した上、非常に安定して、しかもスペース効率
よくパネルを壁面上に設置することのできる平板型画像
形成装置及びその製造方法が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な実施態様(実施例1の装置構
成)を示す模式的斜示図。
【図2】本発明の他の実施態様(実施例2の装置構成)
を示す模式的斜示図。
【図3】本発明に用いる基本的な表面伝導型電子放出素
子の構成を示す模式図。(但し、(a)は平面図、
(b)は断面図である。)
【図4】本発明に用いる基本的な垂直表面伝導型電子放
出素子の構成を示す模式的側面図。
【図5】本発明に用いる表面伝導型電子放出素子の製造
方法の一例を示す模式的工程説明図。
【図6】本発明の実施例における通電フォーミングの電
圧波形の一例を示すグラフ図。
【図7】電子放出特性を測定するための測定評価装置の
概要を示す模式構成図。
【図8】単純マトリクス配置の電子源の構成を示す説明
図。
【図9】本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成
図。
【図10】本発明の実施例における蛍光膜の構成を示す
模式説明図。
【図11】NTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行
うための駆動回路を組み込んだ画像形成装置の一例を示
すブロック図。
【図12】本発明に用いる梯子型配置の電子源の構成の
一例を示す模式平面図。
【図13】本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成
斜視図。
【図14】従来の表面伝導型電子放出素子の構成例を示
す模式説明図。
【図15】従来の画像形成装置の設置方法の一例を示す
模式説明図。
【符号の説明】
11 パネル筐体 12,17 重量支持手段 13 モーメント支持手段 14 上下スライド用ガイド 15 モーメント支持金具 16 壁掛け金具 18 張り出し足 71,181 基板 72,73 素子電極 74 導電性薄膜 75 電子放出部 80 段差形成部 110 素子電極72,73間の導電性薄膜74を流
れる素子電流Ifを測定するための電流計 111 電子放出素子に素子電圧Vfを印加するため
の電源 112 素子の電子放出部75より放出される放出電
流Ieを測定するための電流計 113 アノード電極114に電圧を印加するための
高圧電源 114 素子の電子放出部より放出される放出電流I
eを捕捉するためのアノード電極 115 真空装置 116 排気ポンプ 121,160 電子源基板 122 X方向配線 123 Y方向配線 124 表面伝導型電子放出素子 125 結線 131 リアプレート 132 支持枠 133 ガラス基板 134 蛍光膜 135 メタルバック 136 フェースプレート 137 高圧端子 138 外囲器 141 黒色導電材 142 蛍光体 151 表示パネル 152 走査回路 153 制御回路 154 シフトレジスタ 155 ラインメモリ 156 同期信号分離回路 157 変調信号発生器 161 電子放出素子 162 電子放出素子を配線するための共通配線(D
x1〜Dx10) 170 グリッド電極 171 電子が通過するための空孔 172 Dox1、Dox2・・・Doxmより成る
容器外端子 173 グリッド電極170と接続されたG1、G
2、・・・Gnから成る容器外端子 184 導電性薄膜 185 電子放出部 Vx,Va 直流電圧源 Hv 高圧端子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出素子群を搭載した背面板、該背
    面板と対向して配置され且つ前記電子放出群から放出さ
    れる電子線の照射により画像が形成される画像形成部材
    を搭載した前面板、及び前記背面板と前面板間の側壁部
    から成る表示パネルを少なくとも有する平板型画像形成
    装置において、前記表示パネルの重量を支えるための支
    持手段、及び回転モーメントを支えるための支持手段を
    各々別個に具備して成ることを特徴とする平板型画像形
    成装置。
  2. 【請求項2】 前記電子放出素子が、表面伝導型電子放
    出素子であることを特徴とする請求項1記載の平板型画
    像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記重量支持手段が、高さ調節機能を具
    備して成ることを特徴とする請求項1又は2記載の平板
    型画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記壁面に設置されたモーメント支持手
    段が、上下方向変位の自由な機能を具備して成ることを
    特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の平板型画像
    形成装置。
  5. 【請求項5】 電子放出素子群を搭載した背面板、該背
    面板と対向して配置され且つ前記電子放出群から放出さ
    れる電子線の照射により画像が形成される画像形成部材
    を搭載した前面板、及び前記背面板と前面板間の側壁部
    から成る表示パネルを少なくとも有する平板型画像形成
    装置の製造方法において、前記表示パネルの重量を支え
    るための支持手段、及び回転モーメントを支えるための
    支持手段を各々別個に具備せしめることを特徴とする平
    板型画像形成装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記平板型画像形成装置が、請求項1乃
    至4の何れかに記載の平板型画像形成装置であることを
    特徴とする請求項5記載の平板型画像形成装置の製造方
    法。
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