JPH0953980A - 熱型赤外線センサ - Google Patents

熱型赤外線センサ

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JPH0953980A
JPH0953980A JP7210361A JP21036195A JPH0953980A JP H0953980 A JPH0953980 A JP H0953980A JP 7210361 A JP7210361 A JP 7210361A JP 21036195 A JP21036195 A JP 21036195A JP H0953980 A JPH0953980 A JP H0953980A
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JP
Japan
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infrared
light receiving
semiconductor substrate
receiving portion
infrared light
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JP7210361A
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English (en)
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Tetsuya Tomofuji
哲也 友藤
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線強度を正確に検出できるようにする。 【解決手段】 赤外線吸収膜1A及び温度検知部1Bか
らなる赤外線受光部1は、薄膜2の上面上に形成されて
いる。脚部3は、その上端が薄膜2の端部に接続され、
その下端がSi半導体基板4の上面に接続されている。
また、Si半導体基板4の熱伝導度よりも高い熱伝導度
を有する、Alからなる高熱伝導材6が、Si半導体基
板4の下面の全面に形成されている。Si半導体基板4
の上面に形成される何らかの熱源から発せられた熱が、
Si半導体基板4内に伝導したとき、高熱伝導材6は、
Si半導体基板4よりも速く、この熱を他の位置に伝導
させ、Si半導体基板4内の温度分布を、より速く均一
化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱型赤外線センサ
に関し、特に、基板内の温度分布を速く均一になるよう
にすることにより、赤外線強度を正確に検出できるよう
にした熱型赤外線センサに関する。
【0002】
【従来の技術】熱型赤外線センサは、赤外線の照射によ
り生じる赤外線受光部の温度変化を電気的に検知するこ
とにより、赤外線の強度を検出するセンサである。図5
は、熱型赤外線センサに対する赤外線及び熱の出入りを
説明する概念図である。赤外線を受光する赤外線受光部
21は、赤外線受光部支持線23の一端に接続されてい
る。また、赤外線受光部支持線23の他端は、ヒートシ
ンク24に接続されている。
【0003】赤外線受光部21は、赤外線吸収膜及び温
度検知部からなる。金黒膜等からなる赤外線吸収膜は、
赤外線Iの入射を受けると、その温度が変化する。温度
検知部は、焦電材料、ボロメータ材料、熱電対等を使用
して構成され、赤外線吸収膜の温度変化を検知し、その
温度変化に対応して、赤外線Iの赤外線強度を検出す
る。そして、図示せぬ検出回路により、赤外線強度を電
気的な信号として出力する。
【0004】ところで、図5に示すように、赤外線I
が、赤外線受光部21に入射すると、赤外線R(その強
度は、赤外線Iよりも小さい)が、赤外線受光部21か
ら放射される。また、このとき、赤外線R’がヒートシ
ンク24から放射され、赤外線受光部21に入射してい
る。通常、赤外線受光部21とヒートシンク24との温
度差が小さいので、赤外線受光部21から放射される赤
外線Rの赤外線強度は、ヒートシンク24から放射さ
れ、赤外線受光部21に入射する赤外線R’の赤外線強
度とほぼ等しい。従って、赤外線受光部21から放射さ
れる赤外線Rは無視される。
【0005】また、赤外線受光部21とヒートシンク2
4との温度差に対応して、熱Cが、赤外線受光部21か
ら、赤外線受光部支持線23を介して、ヒートシンク2
4に伝導する。従って、ヒートシンク24の温度が、所
定の場合と異なると、赤外線受光部21からヒートシン
ク24に伝導する熱Cの量も異なる。
【0006】すなわち、同量の赤外線Iが赤外線受光部
21に入射した場合であっても、ヒートシンク24の温
度が異なると、赤外線受光部の温度は異なった値にな
る。
【0007】そこで、従来、冷却装置等を用いて、ヒー
トシンク24の温度を、常に一定にすることにより、同
量の赤外線Iが赤外線受光部21に入射した場合におけ
る赤外線受光部21の温度を一定にするようにしてい
る。
【0008】なお、図5においては、赤外線受光部21
が、1個のみ図示されているが、実際は、複数の赤外線
受光部が構成される。
【0009】次に、従来の熱型赤外線センサの、実際の
構成について説明する。
【0010】通常、熱型赤外線センサは、赤外線を受光
する複数の赤外線受光部が、1枚の基板の所定の面上に
形成されることによって構成される。つまり、この基板
が、図5に示すヒートシンク24に対応する。また、赤
外線受光部の温度変化を検知し、入射赤外線強度を検出
する検出回路が、前記基板上の所定の位置(赤外線受光
部が形成されない位置)に配置される。
【0011】ところで、上述したように、入射赤外線の
強度の検出は、赤外線受光部の温度変化を検知すること
によって行われるので、赤外線を受光した場合の赤外線
受光部の温度変化をより大きくすることによって、赤外
線強度の検出感度を高めることができる。
【0012】赤外線受光部の温度変化(検出感度)は、
赤外線受光部の熱容量及び赤外線受光部と基板との間の
熱伝導度を小さくすることにより大きくなる。そこで、
従来、赤外線受光部の熱容量及び赤外線受光部と基板と
の間の熱伝導度を小さくするような、種々の形状の熱型
赤外線センサが提案されており、以下にその構成例を示
す。
【0013】図6は、従来の熱型赤外線センサの一構成
例を示す断面図である。この熱型赤外線センサにおいて
は、赤外線を受光する赤外線受光部1が薄膜2の上面の
中央部に形成されている。この赤外線受光部1は、その
上部が赤外線を吸収する赤外線吸収膜1Aからなり、そ
の下部が赤外線吸収膜1Aの温度変化を検知する温度検
知部1Bからなる。
【0014】断熱部材からなる脚部3は、その上端が薄
膜2の下面(上面に対向する面)の端部に接続され、そ
の下部がSi半導体基板4の上面の所定の位置に接続さ
れている。
【0015】すなわち、この赤外線受光部1は、脚部3
によって支持されており(Si半導体基板4に直接形成
されず)、その下部にエアギャップ(中空部)5を有す
るマイクロブリッジ構造の赤外線受光部である。
【0016】このマイクロブリッジ構造の赤外線受光部
1を有する熱型赤外線センサにおいては、脚部3が断熱
部材からなるので、赤外線受光部1とSi半導体基板4
との間の熱伝導度が小さくされている。さらに、赤外線
受光部1とSi半導体基板4との間にエアギャップ5が
形成されているので(赤外線受光部1とSi半導体基板
4とが直接接続されていないので)、赤外線受光部1の
熱容量が小さくされている。従って、この熱型赤外線セ
ンサの赤外線受光部1は、高い検出感度を有している。
【0017】なお、上記説明においては、1画素分の赤
外線受光部について示しているが、実際には、図に示す
ように、複数の赤外線受光部が、Si半導体基板4上に
形成されている。
【0018】図7は、従来の熱型赤外線センサの他の構
成例を示す断面図である。この熱型赤外線センサは、ダ
イヤフラム構造の赤外線受光部を有している。すなわ
ち、赤外線を受光する赤外線受光部1(その上部は赤外
線吸収膜1Aであり、その下部は温度検知部1Bであ
る)が薄膜2の上面に形成され、薄膜2の下面がSi半
導体基板4Aの上面の所定の位置に形成されている。ま
た、Si半導体基板4Aは、その上面の赤外線受光部1
の形成位置に対応する位置がエッチングされており、エ
アギャップ5Aが形成されている。
【0019】このダイヤフラム構造の赤外線受光部1を
有する熱型赤外線センサにおいては、エアギャップ5A
が、Si半導体基板4Aの上部の赤外線受光部1の形成
位置に形成されているので、赤外線受光部とSi半導体
基板4Aとが直接接続されず(薄膜2の両端部を除
く)、赤外線受光部1の熱容量が小さくされている。従
って、赤外線を受光した場合の赤外線受光部1の温度変
化が大きくなり、赤外線検出感度が高められている。
【0020】なお、上記説明においては、1画素分の赤
外線受光部について説明しているが、実際には、図7に
示すように、複数の赤外線受光部がSi半導体基板4A
上に形成されている。
【0021】図8は、従来の熱型赤外線センサの他の構
成例を示す断面図である。この熱型赤外線センサにおい
ては、赤外線受光部1(その上部は赤外線吸収膜1Aで
あり、その下部は温度検知部1Bである)が、Si半導
体基板4Bの上面の所定の位置に、直接形成されてい
る。また、Si半導体基板4Bの下面の赤外線受光部1
の形成位置に対応する位置がエッチングされている。す
なわち、厚さの薄い受光部形成領域4Dが、Si半導体
基板4Bの赤外線受光部1の配置位置に形成されてい
る。
【0022】この熱型赤外線センサにおいては、Si半
導体基板4Bの赤外線受光部1の形成位置(受光部形成
領域4D)の厚さが薄くされているので、Si半導体基
板4B内において、受光部形成領域4Dから他の位置に
伝導する熱量が減少し、それに対応して、赤外線受光部
1の熱量のSi半導体基板4Bへの流出が抑制されてい
る。従って、この熱型赤外線センサは、赤外線受光部1
の有する熱容量が小さくなるような構成を有している。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常、基板
上には、赤外線受光部の他に、動作の際、熱を発生する
何らかの熱源(例えば、上述した検出回路等)が形成さ
れている(図6乃至図8中では、簡単のため省略されて
いる)。この何らかの熱源から発せられた熱は基板に伝
導する。
【0024】しかしながら、従来の熱型赤外線センサ
(例えば、図6乃至図8に示す熱型赤外線センサ)にお
いては、基板(例えば、図6乃至図8にそれぞれ示す、
Si半導体基板4,4A,4B)内の温度分布につい
て、特別な配慮がなされていなかった。すなわち、何ら
かの熱源から基板に伝導された熱は、基板内の他の位置
に伝導するが、基板の熱伝導度によっては、熱の伝導速
度が遅くなってしまい、基板内の各赤外線受光部間の温
度分布が生ずる(つまり、基板が、ヒートシンクの役割
を十分に果たしていない)。
【0025】また、図5において説明したように、赤外
線受光部の温度は、赤外線受光部と基板(図5中のヒー
トシンク24)との温度差によって変化する。従って、
均一な赤外線が、各赤外線受光部に入射した場合であっ
ても、基板内に温度分布を有すると有すると、各赤外線
受光部の温度が異なるため、各赤外線受光部の出力(検
出回路により検出される赤外線強度)が異なってしま
う。
【0026】すなわち、従来の熱型赤外線センサは、基
板内の温度分布が考慮されていないので、正確に赤外線
強度を検出することが困難になるという課題を有してい
る。
【0027】また、この基板内の温度分布は、各赤外線
受光部の素子特性による感度のバラツキの場合と異な
り、特定の赤外線受光部について発生するものではな
く、基板上の熱源によりランダムに発生するので、出力
補正回路等による補正が困難であるという課題もある。
【0028】本発明はこのような状況に鑑みてなされた
ものであり、赤外線強度を正確に検出することを目的と
する。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明の熱型赤外線セン
サは、赤外線の照射により生じる温度変化を検知し、赤
外線強度を検出する熱型赤外線センサにおいて、赤外線
を受光する受光部(例えば図1の赤外線受光部1)と、
受光部が第1の面上に形成される基板(例えば図1のS
i半導体基板4)と、基板の熱伝導度よりも高い熱伝導
度を有し、基板の所定の面上の全面または所定の領域に
形成される高熱伝導膜(例えば図1の高熱伝導材6)と
を備えることを特徴とする。
【0030】本発明の熱型赤外線センサにおいては、受
光部が赤外線を受光する。基板は、その第1の面上に受
光部が形成される。高熱伝導膜は、基板の熱伝導度より
も高い熱伝導度を有し、基板の所定の面上の全面または
所定の領域に形成される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して説明する。なお、従来の場合と対応する部分には
同一の符号を付してある。
【0032】図1は、本発明を適用した熱型赤外線セン
サの一実施例の構成を示す断面図である。本実施例の熱
型赤外線センサは、図6に示すマイクロブリッジ構造の
赤外線受光部を有する熱型赤外線センサとほぼ同様の構
成を有している。すなわち、本実施例の熱型赤外線セン
サにおいては、金黒膜からなり、赤外線を吸収する赤外
線吸収膜1A、及びボロメータ物質(温度変化に対応し
て電気抵抗値が変化する物質)であるアモルファスSi
からなり、赤外線吸収膜1Aの温度変化を検知する温度
検知部(受光層)1Bによって形成される赤外線受光部
1が、SiNとSiO2の合成膜からなる薄膜2の上面
上の中央部に形成されている。
【0033】断熱部材であるSiNからなる脚部3は、
その上端が薄膜2の下面(上面に対向する面)の端部に
接続され、その下端がSi半導体基板4の上面の所定の
位置に接続されている。すなわち、この赤外線受光部1
は、薄膜2を介して、脚部3によって支持されており
(Si半導体基板4に直接形成されておらず)、その下
部にエアギャップ(中空部)5を有するマイクロブリッ
ジ構造の赤外線受光部である。
【0034】なお、上記説明においては、1画素分の赤
外線受光部の構成について示しているが、実際には、図
1に示すように、複数の赤外線受光部がSi半導体基板
4上に形成されている。
【0035】また、赤外線受光部1(赤外線吸収層1A
及び温度検知部1B)の温度変化を検知し、赤外線強度
を検出する検出回路が、Si半導体基板4の上面の赤外
線受光部1の形成位置以外の位置(各赤外線受光部間)
に形成されている(図示せず)。また、赤外線受光部1
の下部の温度検知部1Bと、上記、図示せぬ検出回路と
を接続する配線(図示せず)が、Si半導体基板4の上
面及び脚部3の側面上に形成されている。図示せぬ検出
回路は、一定の電位差を、図示せぬ配線を介して、赤外
線受光部1の温度検知部1Bに印加するようになされて
いる。
【0036】さらに、本実施例の熱型赤外線センサにお
いては、Al(アルミニウム)からなる高熱伝導材6
が、Si半導体基板4の下面(上面に対向する面)の全
面に形成されている。このAlからなる高熱伝導材6の
熱伝導度は236[W/m・K] である。すなわち、Si半
導体基板4の熱伝導度が168[W/m・K] であるので、
この高熱伝導材6は、Si半導体基板4の熱伝導度の約
1.4倍の熱伝導度を有している。つまり、高熱伝導材
6は熱をSi半導体基板4よりも速く伝導させる。
【0037】従って、本実施例の場合、Si半導体基板
4上に形成される何らかの熱源(例えば、図示せぬ検出
回路等)から発せられた熱エネルギが、Si半導体基板
4内の所定の位置に供給され続けたとき、Si半導体基
板4内の、前記所定の位置から離れた位置で、温度が1
゜C上昇する時間は、高熱伝導膜6が形成されない場合
(すなわち、従来例(図6)に示す場合)の約0.7倍
(上記約1.4倍の逆数)の時間になる。
【0038】次に、図1に示すマイクロブリッジ構造の
熱型赤外線センサの動作について説明する。赤外線受光
部1の上部の赤外線吸収膜1Aは、照射されている赤外
線を吸収すると、その温度が変化する(上昇する)。温
度検知部1Bは、赤外線吸収膜1Aの温度変化を検知す
ると、この温度変化に伴い、内部の電気抵抗値が変化す
る。
【0039】Si半導体基板4上に配置される検出回路
(図示せず)は、一定の電位差を、図示せぬ配線を介し
て、温度検知部1Bの両端に印加している。そして、こ
の検出回路は、温度検知部1Bに流れる電流量を検知す
ることによって、その抵抗値(すなわち、赤外線吸収膜
1Aの温度変化)を検出し、この温度変化を基に、赤外
線受光部1(赤外線吸収部1A)に入射した赤外線の強
度が検出される。
【0040】また、この場合において、Si半導体基板
4上に形成される何らかの熱源(例えば、図示せぬ検出
回路等)は、所定の熱を発生しており、この熱はSi半
導体基板4内に伝導している。本実施例においては、S
i半導体基板4の熱伝導度の約1.4倍の熱伝導度を有
する高熱伝導膜6が、Si半導体基板4の下面(上面に
対向する面)の全面に形成されている。従って、本実施
例の場合、高熱伝導膜6が、この熱を、Si半導体基板
4よりも速く、他の部分に伝導するので、Si半導体基
板4内の温度分布が、従来例の場合に較べて、より速く
均一化される。よって、Si半導体基板4内の温度分布
が、従来例の場合よりも速く解消されるので、各赤外線
受光部1の温度変化(赤外線強度)を、より正確に検出
するようにすることができる。
【0041】図2は、本発明を適用した熱型赤外線セン
サの他の実施例の構成を示す断面図である。本実施例の
熱型赤外線センサは、図7に示すダイヤフラム構造の赤
外線受光部を有する熱型赤外線センサとほぼ同様の構成
を有している。すなわち、本実施例の熱型赤外線センサ
においては、金黒膜からなり、赤外線を吸収する赤外線
吸収膜1A、及びボロメータ物質(温度変化に対応して
電気抵抗値が変化する物質)であるアモルファスSiか
らなり、赤外線吸収膜1Aの温度変化を検知する温度検
知部(受光層)1Bによって形成される赤外線受光部1
が、SiNとSiO2 との合成膜からなる薄膜2の上面
に形成され、赤外線受光部を構成している。
【0042】この赤外線受光部は、Si半導体基板4A
の上面の所定の位置に形成されている。また、Si半導
体基板4Aは、その上面の赤外線受光部1に対応する位
置がエッチングされており、台形状のエアギャップ5A
が薄膜2の下部に形成されている。
【0043】上記説明においては、1画素分の赤外線受
光部について示しているが、実際には、図2に示すよう
に、複数の赤外線受光部が、Si半導体基板4A上に形
成されている。
【0044】また、Al(アルミニウム)からなる高熱
伝導膜6Aが、Si半導体基板4Aの下面の全面に形成
されている。図1に示す実施例において説明したよう
に、この高熱伝導膜6Aは、Si半導体基板4Aの熱伝
導度の約1.4倍の熱伝導度を有している。
【0045】なお、本実施例のダイヤフラム構造の赤外
線受光部を有する熱型赤外線センサの動作は、図1に示
すマイクロブリッジ構造の赤外線受光部を有する熱型赤
外線センサの動作と同様である。
【0046】本実施例のダイヤフラム構造の赤外線受光
部を有する熱型赤外線センサにおいても、Si半導体基
板4Aの熱伝導度の約1.4倍の熱伝導度を有する高熱
伝導材6Aが、Si半導体基板4A上の所定の熱源(例
えば、図示せぬ検出回路等)から発せられ、Si半導体
基板4A内に伝導した熱を、Si半導体基板4Aよりも
速く伝導するので、Si半導体基板4A内の温度分布
が、従来例(図7)の場合よりも速く均一化される。従
って、Si半導体基板4A内の温度分布が、従来例の場
合よりも速く解消されるので、各赤外線受光部の温度変
化(赤外線強度)を、より正確に検出するようにするこ
とができる。
【0047】図3は、本発明を適用した熱型赤外線セン
サの他の実施例の構成を示す断面図である。本実施例の
熱型赤外線センサは、図8に示す熱型赤外線センサとほ
ぼ同様の構成を有している。すなわち、本実施例の熱型
赤外線センサにおいては、赤外線受光部1(その上部は
赤外線吸収膜1Aであり、その下部は温度検知部1Bで
ある)が、Si半導体基板4Bの上面の所定の位置に、
直接形成されている。
【0048】Si半導体基板4Bは、その下面の赤外線
受光部1の形成位置に対応する位置がエッチングされて
おり、厚さの薄い受光部形成領域4Dが形成されてい
る。
【0049】さらに、Al(アルミニウム)からなる高
熱伝導材6Bが、Si半導体基板4Bの下面の受光部形
成領域4Dを除く領域に形成されている。以下に、高熱
伝導材6Bを、Si半導体基板4Bの全面に形成しない
理由について説明する。
【0050】すなわち、図3に示す熱型赤外線センサに
おいては、赤外線を受光する赤外線受光部1とSi半導
体基板4Bとの間には、エアギャップ(中空部)が形成
されていない(つまり、赤外線受光部1がSi半導体基
板4Bの上面に、直接形成されている)。本来、この構
造の熱型赤外線センサは、赤外線受光部1とSi半導体
基板4Bとが、直接接触しているので、赤外線受光部1
の有する熱がSi半導体基板4Bに流出してしまい、赤
外線受光部1の熱容量が大きくなり、赤外線受光部1の
温度変化が小さくなってしまう(検出感度が悪くなって
しまう)という問題を有している。
【0051】そこで、図8に示す従来例で説明したよう
に、赤外線受光部1に対応する位置のSi半導体基板4
Bの厚さを薄くする(厚さの薄い受光部形成領域4Dを
形成する)ことによって、Si半導体基板4B内におけ
る、受光部形成領域4Dから他の位置への熱の流出量を
減少させ、赤外線受光部1の有する熱の、Si半導体基
板4B(受光部形成領域4D)への流出を抑制し、赤外
線受光部1の熱容量を小さくするようにしている。
【0052】従って、高熱伝導材6Bが、流出熱量を減
少させるために形成した受光部形成領域4Dの下部に形
成されると、高熱伝導材6Bが多くの熱量を流出させる
ため、赤外線受光部1の有する熱量が、Si半導体基板
4B(受光部形成領域4D)に流出してしまい、赤外線
受光部1の熱容量が大きくなり、検出感度が悪くなって
しまう。
【0053】以上の理由から、図3に示す熱型赤外線セ
ンサにおいては、高熱伝導材6Bを、Si半導体基板4
Bの下面の、受光部形成領域4Dを除く領域に形成する
ようにしている。
【0054】本実施例においても、高熱伝導材6Bが、
Si半導体基板4B上の各赤外線受光部1間に形成され
る何らかの熱源(例えば、図示せぬ検出回路等)から発
せられ、Si半導体基板4B内に伝導した熱を、Si半
導体基板4Bよりも速く伝導する。従って、Si半導体
基板4B内(但し、受光部形成領域4Dは除く)の温度
分布が、従来(図8)の場合よりも速く均一化され、各
赤外線受光部1の温度変化(赤外線強度)を、より正確
に検出するようにすることができる。
【0055】図4は、本発明を適用した熱型赤外線セン
サの他の実施例の構成を示す断面図である。本実施例の
熱型赤外線センサの構成は、図3に示す熱型赤外線セン
サの構成と基本的に同様であり、高熱伝導材6Cの形成
位置だけが異なっている。
【0056】すなわち、本実施例の熱型赤外線センサに
おいては、Alからなる高熱伝導材6Cが、Si半導体
基板4Bの上面(赤外線受光部1が形成されている面)
の各赤外線受光部1の間に形成されている。なお、本実
施例の場合、高熱伝導材6CとSi半導体基板4Bとの
間には、図示せぬ検出回路等が形成されているが、この
検出回路等の上面(つまり、検出回路等と高熱伝導材6
Cとの間)には、検出回路等を保護するための酸化膜ま
たは窒化膜が形成されている。従って、高熱伝導膜6C
を上記位置に形成するようにしても、検出回路等の動作
には、影響がない。
【0057】本実施例の熱型赤外線センサにおいても、
Si半導体基板4B上に形成される何らかの熱源(例え
ば、検出回路等)から発せられた熱が、高熱伝導材6C
によって、Si半導体基板4Bよりも速く伝導される。
従って、Si半導体基板4B内(但し、受光部形成領域
4Dは除く)の温度分布が、従来例の場合よりも速く均
一化され、各赤外線受光部1の温度変化(赤外線強度)
を、より正確に検出することができる。
【0058】なお、以上の実施例においては、Si半導
体基板を基板として用いるようにしているが、本発明は
これに限定されず、例えば、半導体基板として、MgO
半導体基板を用いるようにしてもよく、また、絶縁体基
板として、Al23基板、ガラス(SiO2)基板等を
用いるようにしてもよい。
【0059】また、以上の実施例においては、高熱伝導
材としてAlを用いるようにしているが、本発明はこれ
に限定されず、例えば、Cu(銅)、Au(金)、Ag
(銀)等によって、高熱伝導材を構成するようにしても
よい。これらの物質の熱伝導度は、それぞれ、Cuが4
03、Auが319、Agが428(単位はすべて[W/
m・K]) であり、Alの熱伝導度236[W/m・K] より
も大きく、熱伝導の観点からは、Alよりも有効な物質
である。但し、これらの物質は、半導体基板に対して不
純物準位を形成する汚染源になる場合があるので、その
使用に際しては、十分な注意が必要とされる。
【0060】なお、以上の実施例においては、熱型赤外
線センサについて説明しているが、センサには、単純に
光等を検出するものはもとより、撮像素子のように、画
像を取得するものも含まれるのは勿論である。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明の熱型赤外線セン
サによれば、基板の熱伝導度よりも高い熱伝導度を有す
る高熱伝導材を、基板の所定の面の全面または所定の領
域に形成するようにしたので、赤外線強度をより正確に
検出するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した熱型赤外線センサの一実施例
の構成を示す断面図である。
【図2】本発明を適用した熱型赤外線センサの他の実施
例の構成を示す断面図である。
【図3】本発明を適用した熱型赤外線センサの他の実施
例の構成を示す断面図である。
【図4】本発明を適用した熱型赤外線センサの他の実施
例の構成を示す断面図である。
【図5】熱型赤外線センサの概念図である。
【図6】従来の熱型赤外線センサの一構成例を示す断面
図である。
【図7】従来の熱型赤外線センサの他の構成例を示す断
面図である。
【図8】従来の熱型赤外線センサの他の構成例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 赤外線受光部 1A 赤外線吸収膜 1B 温度検知部 2 薄膜 3 脚部 4,4A,4B Si半導体基板 4D 受光部形成領域 5,5A エアギャップ 6,6B,6C 高熱伝導材 21 赤外線受光部 23 赤外線受光部支持線 24 ヒートシンク

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線の照射により生じる温度変化を検
    知し、赤外線強度を検出する熱型赤外線センサにおい
    て、 前記赤外線を受光する受光部と、 前記受光部が第1の面上に形成される基板と、 前記基板の熱伝導度よりも高い熱伝導度を有し、前記基
    板の所定の面上の全面または所定の領域に形成される高
    熱伝導膜とを備えることを特徴とする熱型赤外線セン
    サ。
  2. 【請求項2】 前記高熱伝導膜は、前記基板の前記第1
    の面に対向する第2の面上に形成されることを特徴とす
    る請求項1に記載の熱型赤外線センサ。
  3. 【請求項3】 前記基板は、Si半導体からなることを
    特徴とする請求項1または2に記載の熱型赤外線セン
    サ。
  4. 【請求項4】 前記高熱伝導膜は、Al,Cu,Au,
    Agのうちの、いずれかからなることを特徴とする請求
    項1,2または3に記載の熱型赤外線センサ。
JP7210361A 1995-08-18 1995-08-18 熱型赤外線センサ Withdrawn JPH0953980A (ja)

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