JPH0953152A - 耐候性及び耐火性に優れた高力ボルト用鋼 - Google Patents

耐候性及び耐火性に優れた高力ボルト用鋼

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JPH0953152A
JPH0953152A JP23070495A JP23070495A JPH0953152A JP H0953152 A JPH0953152 A JP H0953152A JP 23070495 A JP23070495 A JP 23070495A JP 23070495 A JP23070495 A JP 23070495A JP H0953152 A JPH0953152 A JP H0953152A
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JP
Japan
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steel
refractoriness
strength
corrosion resistance
strength bolt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23070495A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Shiragami
哲夫 白神
Tomoyuki Yokota
智之 横田
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
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Publication of JPH0953152A publication Critical patent/JPH0953152A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、 建築、土木分野における各種構
造物に用いる摩擦接合用の高力ボルト用鋼であって、特
に耐火構造建造物への利用に適した耐候性及び耐火性に
優れた高力ボルト用鋼を課題とする。 【解決手段】 C:0.15〜0.30%、 Si:
0.50〜1.5%、Mn:0.60%未満、 S:
0.010%未満、 Cr:0.80〜1.50%、
Mo:0.25〜0.65%、 Cu:0.10〜0.
50%、 Al:0.01〜0.05%、 N:0.0
07〜0.030%を含有し、かつAl及びNの含有量
が、Al/N:1.5〜2.8の関係を満たし、残部が
実質的にFe及び不可避的不純物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築、土木分野に
おける各種構造物に用いる摩擦接合用の高力ボルト用鋼
に関し、とくに耐火構造建造物への利用に適した耐候性
及び耐火性に優れた高力ボルト用鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種構造物に用いられる鋼材に
は、高温に曝されると強度が著しく低下するため、火災
が発生しても鋼材の温度が高くならないように耐火被覆
を施すことが義務づけられていた。
【0003】しかし、昭和62年3月に制定された「新
耐火設計法」に基づき、高温強度に優れた鋼材を使用し
た場合には、法令で義務づけられる耐火被覆を削減また
は省略することが可能となった。そこで摩擦接合用の高
力ボルトに対しても、耐火性の指標である高温強度さえ
確保されれば、耐火被覆なしに各種構造物に用いること
ができるようになった。しかし、このとき高力ボルトは
裸で使用されるので、耐候性にも優れている必要ある。
【0004】特開平2−247355号公報及び特開平
6−264141号公報においては、耐火ボルト用鋼材
として、Cu、Ni、V、Ti、Wを添加したボルト用
鋼が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−247355号公報に開示された鋼成分のボルト及
びナットでは、その耐火性が十分とは言えず、また、耐
候性については言及されていない。
【0006】特開平6−264141号公報に開示され
た鋼成分のボルトは耐火性に優れているが、V、Ti等
の特殊元素の多量添加が必要であり、素材コストの上昇
を招く。また、耐候性もCuの添加のみしか考慮されて
おらず、不十分である。
【0007】本発明は、上記した問題点を解決するため
になされたものであり、特殊元素の多量添加による素材
コストの上昇を招くことなく、室温で980N/mm2
以上の引張強度を有し、かつ耐候性及び耐火性に優れた
高力ボルト用鋼を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題達成のために鋼材の化学成分と高温強度、耐火性、耐
候性の関係について鋭意検討を行った結果、次の知見を
得るに到った。 高い高温強度の優れた耐火性を得るにはCr、Moの
添加が必須であり、さらにNを通常のレベルより多く含
有させ、かつAlとNの比を一定範囲にする必要があ
る。 耐候性については、Si、Cr、Cuの添加が有効で
あり、また、MnSを低減する必要がある。
【0009】請求項1の発明は、下記の成分組成(wt
%である)を有することを特徴とする耐火性及び耐候性
に優れた高力ボルト用鋼を提供する。 C:0.15〜0.30%、 Si:0.50〜1.
5%、 Mn:0.60%未満、 S:0.010%未
満、 Cr:0.80〜1.50%、 Mo:0.25〜0.
65%、 Cu:0.10〜0.50%、 Al:0.01〜0.
05%、 N:0.007〜0.030%を含有し、かつAl及び
Nの含有量がAl/N:1.5〜2.8の関係を満た
し、残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明における化学成分
の限定理由について詳細に説明する。
【0011】C:Cは焼入れ焼戻し処理により引張強度
を確保するために必要な元素である。0.15%未満で
は必要な引張強度が得られず、0.30%を超えるとボ
ルト成形加工時の変形抵抗が増大し、加工性が低下する
ため、その含有量を0.15〜0.30%とする。
【0012】Si:Siは脱酸材として必要であるばか
りでなく、鋼の耐候性に対しても有効な元素である。
0.50%未満ではその効果が少なく、1.50%を超
えると変形抵抗の増大を招くため、その含有量を0.5
0〜1.50%とする。
【0013】Mn:MnはMnSとなり、腐食の起点と
なりやすく耐候性を劣化させるため、0.60%未満と
する。
【0014】S:SはMnSとなり、腐食の起点となり
やすく耐候性を劣化させるため、0.010%未満とす
る。
【0015】Cr:Crは焼入れ性を高めると同時に高
温強度及び耐候性を向上させる元素である。0.80%
未満では必要な高温強度及び耐候性が得られず、また、
1.50%を超えて添加すると変形抵抗が増大し、加工
性の低下を招くので、その含有量を0.80〜1.50
%とする。
【0016】Mo:Moは高温強度の向上に最も有効な
元素であり、その効果を得るには0.25%以上の添加
が必要であるが、0.65%を超えて添加してもその効
果が飽和し、素材コストの上昇を招くだけでなく、加工
性を低下させるため、その含有量を0.25〜0.65
%とする。
【0017】Cu:Cuは耐候性を向上させる元素であ
るが、0.10%未満ではその効果が少なく、0.50
%を超えて添加すると素材コストが上昇するとともに加
工性も低下するため、その含有量を0.10〜0.50
%とする。
【0018】Al:Alは脱酸材として添加されるだけ
でなく、AlNとして析出し、組織を微細化することに
より高温強度を向上させる元素であるが、0.01%未
満では必要な高温強度が得られず、0.05%を超えて
添加すると酸化物系の介在物が増加し、靱性の低下を招
くので、その含有量を0.01〜0.05%とする。
【0019】N:NはAlNとして析出することにより
組織を微細化し、高温強度の向上に寄与する有効な元素
であるが、0.007%未満では必要な高温強度が得ら
れず、0.030%を超えて添加すると靱性の低下を招
くので、その含有量を0.007〜0.030%とす
る。
【0020】Al/N:上記のAl及びNの含有量の範
囲にあっても、その含有量の比であるAl/Nの値が
1.5未満または2.8を超えるような場合は組織が粗
大化してしまい、必要な高温強度が得られないために、
その比を1.5〜2.8とする。
【0021】高力ボルトは、こうした組成の鋼を溶製
し、熱間圧延により丸棒された後、転造によりボルトに
成形され、1000℃近辺の温度に加熱され、焼入れ焼
戻し処理されて製造される。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1に示した化学成分の鋼を溶製し、熱間圧延により30
mmφの丸棒にした。そして、900〜1000℃の温
度に加熱し、焼入れを行い、その後常温強度が1030
〜1130N/mm2 となるよう焼き戻し処理を行っ
た。
【0023】以上のようにして得られた焼入れ焼き戻し
後の丸棒から引張試験片を切り出し室温で引張試験を行
った。また、耐火性は600℃で引張試験を行い、その
耐力で評価した。耐候性は、熱処理後の丸棒から20m
mφ×100mmの試験片を切り出し、大気中に3年間
暴露した後、腐食による重量減少量を測定して評価し
た。
【0024】
【表1】
【0025】引張試験、耐火性及び耐候性試験の結果を
表2に示す。No.1〜7は本発明鋼であるが、いずれ
も常温で980N/mm2 以上の引張強度を有してお
り、600℃の高温においても高い耐力を示し、優れた
耐火性を有していることがわかる。また、腐食による重
量減少量も少なく、耐候性も良好である。
【0026】一方、No.8はSiが本発明の範囲より
少なく、Sが多いため、また、No.9はMnが本発明
の範囲より多く、Cuが少ないため、いずれも耐火性は
良好であるが、耐候性が劣っている。
【0027】No.10、12〜15はCr、Mo、A
l、NまたはAl/Nが本発明の範囲から外れているた
め耐火性に劣る。No.11はCr、Cuが少ないので
耐火性、耐候性とも劣っている。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上示したように、本発明によれば常温
での引張温度が980N/mm2 以上で、かつ耐候性及
び耐火性に優れた高力ボルト用鋼を提供することができ
る。したがって、本発明の鋼からなる高力ボルトは、耐
火構造建造物で裸使用の摩擦接合用高力ボルトとして使
用可能であり、しかも特殊元素の多量添加を必要としな
いために低コストであることから、産業上極めて有用で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分組成(wt%である)を有す
    ることを特徴とする耐候性及び耐火性に優れた高力ボル
    ト用鋼。 C:0.15〜0.30%、 Si:0.50〜1.
    5%、 Mn:0.60%未満、 S:0.010%未
    満、 Cr:0.80〜1.50%、 Mo:0.25〜0.
    65%、 Cu:0.10〜0.50%、 Al:0.01〜0.
    05%、 N:0.007〜0.030%を含有し、かつAl及び
    Nの含有量がAl/N:1.5〜2.8の関係を満た
    し、残部が実質的にFe及び不可避的不純物からなる。
JP23070495A 1995-08-17 1995-08-17 耐候性及び耐火性に優れた高力ボルト用鋼 Pending JPH0953152A (ja)

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JP23070495A JPH0953152A (ja) 1995-08-17 1995-08-17 耐候性及び耐火性に優れた高力ボルト用鋼

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JP23070495A JPH0953152A (ja) 1995-08-17 1995-08-17 耐候性及び耐火性に優れた高力ボルト用鋼

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JPH0953152A true JPH0953152A (ja) 1997-02-25

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ID=16912014

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JP23070495A Pending JPH0953152A (ja) 1995-08-17 1995-08-17 耐候性及び耐火性に優れた高力ボルト用鋼

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113549834A (zh) * 2021-07-22 2021-10-26 中国铁道科学研究院集团有限公司金属及化学研究所 一种转向架构架用耐候钢及其制备方法

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