JPH0953016A - 繊維処理剤 - Google Patents

繊維処理剤

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JPH0953016A
JPH0953016A JP7205790A JP20579095A JPH0953016A JP H0953016 A JPH0953016 A JP H0953016A JP 7205790 A JP7205790 A JP 7205790A JP 20579095 A JP20579095 A JP 20579095A JP H0953016 A JPH0953016 A JP H0953016A
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JP
Japan
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amino
water
functional polyorganosiloxane
microemulsion
parts
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Application number
JP7205790A
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English (en)
Inventor
Sachiko Yusa
さち子 湯佐
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Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toshiba Silicone Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた希釈安定性、配合安定性および機械的
安定性を有し、オイルスポットの発生がなく、良好な撥
水性と柔軟効果を有するエマルジョン型の繊維処理剤を
提供する。 【解決手段】 (A)アミノ官能性ポリオルガノシロキ
サンに、界面活性剤を配合して予備混合物を形成させ;
(B)これに水の一部を添加し、攪拌して1次混合物を
形成させ;(C)これに残余の水を添加して、2次混合
物を形成させ;そして(D)これに酸を加えてpHを4
〜10にし、前記のアミノ官能性ポリオルガノシロキサ
ンの少なくとも一部を塩に転換させることによって得ら
れるミクロエマルジョンを主剤とする繊維処理剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エマルジョン型の
繊維処理剤に関し、特に希釈安定性、配合安定性および
繊維処理の際の機械的安定性に優れた、アミノ官能性ポ
リオルガノシロキサンのミクロエマルジョンを主剤とす
る繊維処理剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木綿、麻、絹、羊毛、アンゴラ、
モヘアのような天然繊維;レーヨン、ベンベルグのよう
な再生繊維;アセテートのような半合成繊維;ポリエス
テル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビ
ニル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイ
ロン、ポリウレタン弾性繊維のような合成繊維;および
ガラス繊維、カーボン繊維、炭化ケイ素繊維のような無
機繊維などの繊維材料に、柔軟性、平滑性、防しわ性、
伸長−回復性、撥水性のような諸性質を付与するため
に、ポリオルガノシロキサンに界面活性剤を配合し、乳
化機を使用して得られるシリコーンオイルエマルジョン
や、環状ジメチルシロキサン低量体の乳化重合によって
得られる同様のシリコーンエマルジョンが使用されてき
た。
【0003】しかしながら、これらの方法によって得ら
れたシリコーンエマルジョンは、その油相の平均粒子径
が0.3μm 以上であり、繊維処理のために水で20〜
100倍に希釈する際の希釈安定性、各種の添加剤を併
用する際の配合安定性、ならびに攪拌、循環および処理
液の絞りなどの工程における機械的せん断力に対する安
定性が不十分である。そのため、エマルジョンが破壊さ
れて、処理浴表面にポリオルガノシロキサンが浮遊し、
これが繊維材料上に油滴(オイルスポットという)とな
って、繊維にしみを生ずるという欠点がある。また、こ
のようなシリコーンエマルジョンを繊維処理に用いる場
合に、油相が繊維の微細構造まで十分に滲透せず、繊維
の表面にシリコーン層を形成するので、基油としてアミ
ノ官能性ポリオルガノシロキサンを用いたものはヌメリ
感を生ずるという問題があった。
【0004】また、極性基またはシラノール基を有する
ポリオルガノシロキサンを、特定の条件下で乳化するこ
とによって得られた、平均粒子径が0.3μm 未満のミ
クロエマルジョンを、繊維製品の手入れに使用すること
が提案されている(特開昭60−127327号公
報)。このようなミクロエマルジョンは、上記のような
安定性が多少改善されたとはいえ不十分であり、オイル
スポットを生ずるという欠点は残っている。
【0005】乳化重合触媒を含有する水に、環状ポリオ
ルガノシロキサン低量体の粗乳化物を滴下して得られ
る、平均粒子径が0.15μm 以下のミクロエマルジョ
ンを主剤とする繊維処理剤が提案されている(特開平2
−35071号)。また、環状ポリオルガノシロキサン
低量体を、ノニオン性界面活性剤とイオン性界面活性剤
を併用して、0.14μm 未満のミクロエマルジョンを
得ることが提案されている(特開平4−227932号
公報)。しかしながら、このような乳化重合によって得
られたミクロエマルジョンは、各種の添加剤によって安
定性が著しく損なわれるという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の既存
の繊維処理剤の欠点を解消することを目的とするもので
あり、優れた希釈安定性、配合安定性および機械的安定
性を有し、繊維に処理して、オイルスポットの発生がな
く、繊維内部に滲透して、繊維に良好な撥水性と優れた
柔軟性を与えるエマルジョン型の繊維処理剤を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 (A)アミノ官能性ポリオルガノシロキサンに、界面活
性剤を配合して予備混合物を形成させ; (B)該予備混合物に水の一部を添加し、攪拌して1次
混合物を形成させ; (C)該1次混合物に残余の水を添加して、2次混合物
を形成させ;そして (D)該2次混合物に酸を加えてpHを4〜10にし、
上記のアミノ官能性ポリオルガノシロキサンの少なくと
も一部を塩に転換させることによって得られるアミノ官
能性ポリオルガノシロキサンのミクロエマルジョンを主
剤として含有する繊維処理剤に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】工程(A)は、アミノ官能性ポリ
オルガノシロキサン(以下、成分(1)ということがあ
る)に界面活性剤を配合する工程である。
【0009】工程(A)において配合に供される成分
(1)は、典型的には次のシロキサン単位(a)および
(b): (a) Rab SiO(4-a-b)/2 単位; (b) Rc SiO(4-c)/2 単位〔式中、Rはたがいに
同一でも異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子を有
する1価の置換または非置換の炭化水素(ただし、後述
のQを除く)を表し、一部はケイ素官能性基であっても
よく;Qは一般式−R1 NZ2 (式中、R1 は鎖中にエ
ーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合またはカ
ルボニルチオエーテル結合が存在していてもよい2価の
炭化水素基を表し;Zはたがいに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキ
ル基または2−アミノエチル基を表す)で示されるアミ
ノ官能基を表し;aは0〜2の数であり;bは1〜3の
数であり、ただしa+bは1〜3の数であり;cは1〜
3の数である〕で示され、ケイ素官能基が存在していて
もよいアミノ官能性ポリオルガノシロキサンである。
【0010】上記の(a)単位および(b)単位のRと
しては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、
ヘキシルのようなアルキル基;ビニル、アリルのような
アルケニル基;シクロペンチル、シクロヘキシルのよう
なシクロアルキル基;フェニル基;3−クロロプロピ
ル、4−ブロモブチル、3,3,3−トルフルオロプロ
ピル、クロロシクロヘキシル、クロロフェニル、ブロモ
フェニルのようなハロゲン化炭化水素基;および3−メ
ルカプトプロピル、6−メルカプトヘキシル、メルカプ
トフェニルのようなメルカプト化炭化水素基などが例示
される。また、一部のRが、水酸基;またはメトキシ、
エトキシ、プロポキシのようなアルコキシ基であっても
よい。これらのRとしては、1〜4個の炭素原子を有す
るアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。ま
た、微細なミクロエマルジョンが得られることから、R
の一部が上記のケイ素官能基であることが好ましい。
【0011】(a)単位のアミノ官能基Qにおいて、そ
のケイ素原子と結合するR1 としては、メチレン、トリ
メチレン、2−メチルトリメチレン、テトラメチレン、
ヘキサメチレン、デカメチレンのようなアルキレン基;
フェニレン、ビフェニレン、ビス(フェニレン−4−イ
ル)メチレン、ナフチレンのようなアリーレン基;−
(CH2)3 OCH2 −、−(CH2)3 O(CH2)2 −、
−(CH2)3 S(CH2)2 −のような鎖中にエーテル結
合またはチオエーテル結合を有する2価の炭化水素基;
−(CH2)3 C(O)OCH2 −、−(CH2)3
(O)O(CH2)2 −、−(CH2)3 C(O)S(CH
2)2 −のような鎖中にエステル結合またはカルボニルチ
オエーテル結合を有する2価の炭化水素基が例示され、
合成が容易で、安定なことから、トリメチレン基が最も
好ましい。
【0012】Zは、前述のように、水素原子のほか、メ
チル、エチル、プロピル、ブチルのようなアルキル基;
または2−アミノエチル基であり、2個のZのうち、少
なくとも1個は2−アミノエチル基であることが最も好
ましい。
【0013】すなわち、アミノ官能基Qとしては、2個
のアミノ基を有するN−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピル基が最も好ましい。
【0014】アミノ官能性ポリオルガノシロキサンのア
ミノ基含有量は、0.1〜3.0ミリ当量/gが好まし
く、0.3〜1.5ミリ当量/gがさらに好ましく、0.
6〜1.0ミリ当量/gが最も好ましい。0.1ミリ当量
/g未満では、(D)工程によって塩を形成しても、エマ
ルジョンの油相の平均粒子径が0.07μm 以上となっ
て、本発明の目的に適した安定なミクロエマルジョンが
得られない。また、3.0ミリ当量/gを越えると、基材
への塗りむらを生ずる。
【0015】このようなアミノ基含有量を得るために、
(a)単位と(b)単位のモル比は、1:2〜1:39
0の範囲が好ましく、1:5〜1:65がさらに好まし
く、1:15〜1:20が最も好ましい。
【0016】成分(1)は、たとえばR1 がトリメチレ
ン基の場合、ポリオルガノハイドロジェンシロキサン
に、一般式: CH2 =CHCH2 NZ2 (式中、Zは前述のとおり)で示されるアミノ基含有不
飽和化合物を、ヒドロシリル化触媒の存在下に反応させ
ることによって、合成することができる。
【0017】また、成分(1)は、たとえば3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメ
トキシシランのようなアミノ基含有アルコキシシランの
存在下に、オクタメチルシクロテトラシロキサンのよう
な環状ポリジオルガノシロキサン低量体を開環重合させ
て得ることができる。
【0018】この場合、分子末端および場合によっては
分子中に、メトキシ、エトキシのようなアルコキシ基
や、それらの加水分解によって生じた水酸基などのケイ
素官能性基を有するアミノ官能性ポリオルガノシロキサ
ンが得られる。微細な油相を有するミクロエマルジョン
を形成させるためには、このようなケイ素官能性基を有
するものが好ましい。目的によっては、これをヘキサメ
チルジシラザンのようなシリル化剤で処理して、トリメ
チルシリル基で置換して用いてもよい。
【0019】好ましいアミノ官能性ポリオルガノシロキ
サンは、次の一般式(I):
【化1】 (式中、Zは前述のとおりで、好ましくは−(CH2)2
NH2 であり;R2 はメチル基、R3 または次式
【化2】 で示される側鎖であり;これらの式中、R3 はメチル
基、炭素数1〜2個のアルコキシ基または水酸基であ
り;xは1〜20の数であり、yおよびzはそれぞれ0
〜800の数であり、ただし、yおよびzは、分子中の
ジメチルシロキシ基の数が20〜800になるように選
ばれる)で表される油状のポリオルガノシロキサンであ
る。xは好ましくは5〜10、最も好ましくは8であ
る。なお、上記の式(I)はシロキサン単位の数を表す
もので、ブロック共重合体を意味するものではない。
【0020】工程(A)で配合される界面活性剤として
は、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレントリメチルノニルエーテル、ポリオキシエチレ
ントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエー
テル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオ
キシエチレンオレイルエーテルのようなポリオキシエチ
レンアルキルエーテル系界面活性剤;ポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェ
ニルエーテルのようなポリオキシエチレンアルキルアリ
ールエーテル系界面活性剤;ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エス
テル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルのようなエステル系
界面活性剤などのノニオン型界面活性剤;ならびにアル
キルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩
のようなカチオン性界面活性剤が例示され、1種を単独
で使用しても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのうち、安定性が良好なミクロエマルジョンが得
られることから、少なくとも一部はノニオン型であるこ
とが好ましく、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、
ポリオキシエチレントリメチルノニルエーテルのような
ポリオキシエチレンアルキルエーテルと、ポリオキシエ
チレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテルのようなポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテルとを組み合わせて用いることが
さらに好ましい。
【0021】良好で安定なミクロエマルジョンを得るた
めに、ノニオン型界面活性剤を用いるとき、そのHLB
値の加重平均が10〜16となるように、界面活性剤の
組成比を選択することが好ましい。
【0022】工程(A)における界面活性剤の使用割合
は、成分(1)の100重量部に対して10〜60重量
部が好ましく、20〜40重量部がさらに好ましく、2
5〜35重量部が特に好ましい。10重量部未満では良
好なミクロエマルジョンが得られず、60重量部を越え
て用いると、過剰な界面活性剤が、繊維に対するアミノ
官能性ポリオルガノシロキサンの密着性を阻害するから
である。
【0023】工程(A)は、成分(1)に界面活性剤を
混合する工程である。混合は常温で行ってもよいが、1
00℃未満の温度に加温してもよく、特に常温で固体の
界面活性剤を用いるときは、それらの融点に応じて適宜
に加温して、界面活性剤を液状にして混合することが好
ましい。
【0024】工程(B)は、工程(A)で得られた予備
混合物に最終的に得られるミクロエマルジョンに含まれ
る水の一部分を徐々に加えて、W/O型エマルジョンを
形成させ、ついで転相させてO/W型エマルジョンであ
る1次混合物を形成させる工程である。工程(B)にお
ける水の添加量は、予備混合物100重量部当たり、好
ましくは15〜50重量部、最も好ましくは15〜25
重量部である。水は、5〜50分かけて滴下してもよ
く、数回に分けてゆっくり加えてもよい。
【0025】工程(B)で形成される1次混合物は、均
質な混合物を形成するのに十分な時間、典型的には5〜
50分間攪拌される。工程(B)において、オイルと界
面活性剤の混合物、およびそれに添加された水は、該水
の添加中、界面活性剤によって水相とオイル相の均質な
エマルジョンが形成されるように、典型的には5〜60
分間攪拌される。工程(B)において均質な混合物を形
成するのに要する時間は、混合装置のパラメーターに関
係するが、それらは当業者によって容易に決めることが
できる。
【0026】工程(C)は、工程(B)で形成された1
次混合物に、ミクロエマルジョンに含まれる水のうちの
残余分を添加して、希釈する工程である。工程(C)に
おいて、水は、工程(B)および(C)で添加される水
の合計量が、予備混合物100重量部当たり典型的には
少なくとも50重量部、好ましくは100〜2,000
重量部、最も好ましくは300〜500重量部の範囲に
なるように添加される。水を二つの個別の工程、すなわ
ち工程(B)および(C)に分けて添加することは、水
をこのような方式で添加することが、透明なミクロエマ
ルジョンを得るために必要であって、本発明にとって重
要である。
【0027】次に、工程(D)において、酸を添加し
て、系中の(1)アミノ官能性ポリオルガノシロキサン
の少なくとも一部を塩に転換することにより、透明で安
定なミクロエマルジョンを形成させる。酸はカルボン酸
でも無機酸でもよいが、カルボン酸はギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸のような炭素数1〜4個のものが好まし
い。また、無機酸としては、塩化水素酸、臭化水素酸、
ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸などが例示される。これらの
酸は、通常、水で希釈して添加される。
【0028】添加される酸の量は、混合物のpHが4〜
10になる量である。好ましくは、アルカリ側の、7を
越えて10以下のpH、さらに好ましくは7.1〜8.
5のpHを与える量の酸を添加して、アミノ官能性ポリ
オルガノシロキサンのアミノ基を部分的に塩に転換す
る。このことによって、透明性のよい、良好なミクロエ
マルジョンが形成される。
【0029】このような、たとえばpH8を与えるのに必
要な酸の、工程(A)で使用されるアミノ官能性ポリオ
ルガノシロキサン当たりの量は、該アミノ官能性ポリオ
ルガノシロキサンのアミノ基含有量と、酸の種類によっ
て決まる。たとえば、酸として酢酸を用いる場合、成分
(1)が0.6ミリ当量/gのアミノ含有量である場合、
所望の範囲内のpHを与えるのに十分な酸の量は、該成
分(1)100重量部当たり1.5重量部である。3ミ
リ当量/gのアミノ含有量である場合には、酸の量は成分
(1)100重量部当たり7.5重量部である。0.3
〜1.5ミリ当量/gの好ましい範囲のアミノ含有量を有
する成分(1)を用いる場合には、酸の量は該成分
(1)100重量部当たり0.75〜3.75重量部の
範囲であり、そして0.6〜1.0ミリ当量/gの、最も
好ましい範囲のアミノ含有量を有する成分(1)を用い
る場合には、酸の量は該成分(1)100重量部当たり
1.5〜2.5重量部の範囲である。
【0030】このような酸の添加は、工程(A)〜
(C)の後に行うべきである。これより前に酸を添加す
れば、不透明なミクロエマルジョンまたはゲルが生ずる
からである。
【0031】本発明の方法は、さらに工程(E)とし
て、工程(D)で形成されたミクロエマルジョンに水溶
性多価アルコールを添加する工程を含んでもよい。水溶
性多価アルコールとしては、グリセリン;エチレングリ
コール、プロピレングリコールのような水溶性アルキレ
ングリコール;ならびにポリエチレングリコール、低分
子量ポリプロピレングリコール、オキシエチレン・オキ
シプロピレン共重合体のような水溶性ポリアルキレング
リコールが挙げられ、グリセリンが最も好ましい。該水
溶性多価アルコールは、エマルジョンの透明性を改善す
る作用を有するものであり、この目的の達成に有効な割
合で添加される。具体的には、水溶性多価アルコール
は、工程(D)で形成されたミクロエマルジョン100
重量部当たり典型的には2〜20重量部、好ましくは2
〜12重量部、最も好ましくは4〜8重量部の範囲であ
る。
【0032】本発明の方法は、さらに工程(F)とし
て、工程(D)で形成され、またはさらに工程(E)を
経て形成されたミクロエマルジョンに、潜在的に有害な
微生物から保護するための殺生物剤または防腐剤の有効
量を添加する工程を含むことが好ましい。
【0033】殺生物剤または防腐剤としては、ソルビン
酸、安息香酸、バニリン酸のようなカルボン酸;パラヒ
ドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチ
ル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ
安息香酸ブチルのようなパラヒドロキシ安息香酸エステ
ル;デヒドロ酢酸のような縮合エステル;塩化セチルト
リメチルアンモニウム、塩化ジドデセニルジメチルアン
モニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトリウ
ム、塩化セチルピリジウムのような第四級アンモニウム
塩;2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールのよう
なイミダゾール化合物;テトラメチルチウラムジスルフ
ィド、1,2−ベンズイソチアゾロンのような硫黄化合
物;ならびに塩化−1−(3−クロロアリル)−3,
5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンのような
アダマンタン化合物が挙げられる。
【0034】工程(F)で添加される殺生物剤または防
腐剤の割合は、使用される殺生物剤または防腐剤の種類
によっても異なるが、塩化−1−(3−クロロアリル)
−3,5,7−トリアザ−1−アゾニアアダマンタンを
例にとると、典型的には、工程(A)で形成される予備
混合物100重量部当たり2〜5重量部の割合で添加さ
れる。
【0035】このようにして得られるミクロエマルジョ
ンは、そのまま、または水で希釈して、繊維処理剤とし
て使用できる。また、目的に応じて、さらに、グリオキ
ザール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹
脂、アクリル樹脂のような樹脂加工剤;および/または
ポリオルガノハイドロジェンシロキサン、ポリジメチル
シロキサンのような撥水剤または繊維柔軟剤のエマルジ
ョンを併用してもよい。
【0036】本発明の繊維処理剤によって処理される繊
維材料としては、材質的には羊毛、絹、麻、木綿、アン
ゴラ、モヘアのような天然繊維;レーヨン、ベンベルグ
のような再生繊維、アセテートのような半合成繊維;ポ
リエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリ
塩化ビニル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ナイロン、ポリウレタン弾性繊維のような合成繊
維;およびガラス繊維、カーボン繊維、炭化ケイ素繊維
のような無機繊維が例示され、形状的にはステープル、
フィラメント、トウ、トップおよび糸が例示され、形態
的には編物、織物、不織布および紙が例示される。
【0037】本発明の繊維処理剤により繊維材料を処理
するには、スプレー処理、ロール処理、ハケ塗りまたは
浸漬などの方法が用いられる。付着量は、繊維材料の材
質や形態、および処理目的によっても異なり、特に限定
されないが、繊維材料に対し、アミノ官能性ポリオルガ
ノシロキサン分として0.01〜10.0重量%の範囲
が一般的である。ついで常温放置、熱風吹付、加熱処理
などの方法により、繊維材料にアミノ官能性ポリオルガ
ノシロキサン層を形成させる。
【0038】
【発明の効果】本発明によって、従来のエマルジョン型
シリコーン繊維処理剤に比べて、優れた希釈安定性、配
合安定性および機械安定性を有し、繊維に処理して、オ
イルスポットの発生がなく、繊維の微細構造に滲透し
て、繊維に持続性に優れた良好な撥水性と優れた柔軟性
を与え、しかも表面にヌメリ感のないドライな風合いを
与える、エマルジョン型の繊維処理剤が得られる。
【0039】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
をさらに詳細に説明する。これらの例において、特にこ
とわらないかぎり、部は重量部を表し、%は重量%を表
す。本発明は、これらの実施例によって制限されるもの
ではない。
【0040】以下の実施例および比較例において、アミ
ノ官能性ポリオルガノシロキサンとして、式(I):
【化3】 において、表1のような平均分子構造のシリコーン油を
用いた。
【0041】
【表1】
【0042】実施例1 アミノ官能性ポリオルガノシロキサンS−1の200部
を、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル10部
およびポリオキシエチレン(40)オクチルフェニルエ
ーテルの70%水溶液5部を含有する界面活性剤混合物
と配合して、予備混合物を得た。ついで、水の最初の部
分5.0部を、該混合物にゆっくり添加した。得られた
混合物を15分間攪拌して、均質で良好なエマルジョン
を得た。ついで、水の残部500部を、上記の水の最初
の部分よりも速やかに添加した。得られたエマルジョン
は、油相の平均粒子径が0.06μm で、帯青白色の不
透明な外観を有していた。
【0043】このエマルジョンに0.5%の酢酸水溶液
3.5部を添加して、系のpHを7.5に調整した。得
られたエマルジョンは半透明であり、かつ0.018μ
m の平均粒子径および28%の固形物含量を有してい
た。このエマルジョンにグリセリン(0.5%)を添加
したところ、透明性を増加した。ついで、殺生物剤とし
てダウィシル200(Dow Chemical社商品名、塩化−1
−(3−クロロアリル)−3,5,7−トリアザ−1−
アゾニアアダマンタン)0.5部を添加して攪拌し、本
発明による半透明ミクロエマルジョンE−1を得た。最
終的に得られたミクロエマルジョンの油相の平均粒子径
は0.018μm であった。なお、日本精密光学(株)
製微少濁度計を用いてミクロエマルジョンの光透過率を
測定したところ、97%であった。
【0044】実施例2 アミノ官能性ポリオルガノシロキサンとしてS−2を用
い、酢酸を2.1部添加したほかは調製例1と同様にし
て、油相の平均粒子径0.019μm で、光透過率が9
7%の、本発明による半透明ミクロエマルジョンE−2
を得た。
【0045】実施例3 アミノ官能性ポリオルガノシロキサンとしてS−3を用
い、酢酸を8.4部添加したほかは調製例1と同様にし
て、油相の平均粒子径が0.019μm で、光透過率が
97%の、本発明による半透明ミクロエマルジョンE−
3を得た。
【0046】実施例4 アミノ官能性ポリオルガノシロキサンとしてS−4を用
い、酢酸を1.3部添加したほかは調製例1と同様にし
て、油相の平均粒子径が0.025μm で、光透過率が
96%の、本発明による半透明ミクロエマルジョンE−
4を得た。
【0047】実施例5 アミノ官能性ポリオルガノシロキサンとしてS−5を用
い、酢酸を0.9部添加したほかは調製例1と同様にし
て、油相の平均粒子径が0.030μm で、光透過率が
95%の、本発明による半透明ミクロエマルジョンE−
5を得た。
【0048】実施例6 アミノ官能性ポリオルガノシロキサンとしてS−6を用
い、酢酸を2.0部添加したほかは調製例1と同様にし
て、油相の平均粒子径が0.015μm で、光透過率が
98%の、本発明による半透明本発明のミクロエマルジ
ョンE−6を得た。
【0049】比較例1 アミノ官能性ポリオルガノシロキサンS−1を350部
とり、これにポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテ
ル40部およびポリオキシエチレン(40)オクチルフ
ェニルエーテルの70%水溶液20部を加えて、攪拌し
ながら40℃まで加熱した。攪拌を続けながら、この混
合物に水60部をゆっくり添加した。ついで、これをコ
ロイドミルに通して水400部中に投入して乳化した。
これを10分間攪拌した後、水をさらに加えて、固形分
含有量を35%として、比較のためのエマルジョンM−
1を調製した。得られたエマルジョンは光透過率が0.
1%の白色不透明で、油相の平均粒子径は0.5μm で
あった。
【0050】安定性試験 実施例1〜6で得られたミクロエマルジョンE−1〜E
−6および比較例1で得られたマクロエマルジョンM−
1の機械的安定性を、JIA K6392に準じ、マロ
ンメーターを用いて試験した。すなわち、試料エマルジ
ョンをそれぞれ50g量り取り、25kgの荷重と1,0
00rpm の回転速度による回転を1時間かけた後の試料
について、油浮きの有無を含めて外観を観察し、平均粒
子径を測定するとともに、凝集物の量を測定した。その
結果を、処理前の油相の平均粒子径および外観とともに
表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】上記の各エマルジョンを、それぞれ有効成
分が3%になるように、水で希釈した。これらについ
て、上記と同様の機械的安定性の試験を行った。その結
果は表3に示すとおりであった。
【0053】
【表3】
【0054】繊維処理試験 上記の各エマルジョンを、それぞれ有効成分が3%にな
るように、水で希釈した。これらをマロンメーターによ
り、荷重を10kgにした以外は上記の安定性試験と同様
にして回転をかけた後、処理液として用いて、綿100
%の布を浸漬処理し、100℃で5分間乾燥した後、1
20℃で2分間加熱して、硬化被膜を得た。
【0055】処理布について、オイルスポットの有無を
観察し、柔軟性と風合を調べた。その結果を表4に示
す。
【0056】
【表4】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)アミノ官能性ポリオルガノシロキ
    サンに、界面活性剤を配合して予備混合物を形成させ; (B)該予備混合物に水の一部を添加し、攪拌して1次
    混合物を形成させ; (C)該1次混合物に残余の水を添加して、2次混合物
    を形成させ;そして (D)該2次混合物に酸を加えてpHを4〜10にし、
    上記のアミノ官能性ポリオルガノシロキサンの少なくと
    も一部を塩に転換させることによって得られるアミノ官
    能性ポリオルガノシロキサンのミクロエマルジョンを主
    剤として含有する繊維処理剤。
  2. 【請求項2】 アミノ官能性ポリオルガノシロキサンの
    アミノ基含有量が0.1〜3ミリ当量/gである請求項1
    記載の繊維処理剤。
  3. 【請求項3】 ミクロエマルジョンの油相の平均粒子径
    が0.005〜0.05μm である請求項1記載の繊維
    処理剤。
  4. 【請求項4】 アミノ官能性ポリオルガノシロキサンが
    ケイ素官能性基を有する請求項1記載の繊維処理剤。
  5. 【請求項5】 (D)におけるpHが7を越えて10以
    下であり、アミノ官能性ポリオルガノシロキサンが部分
    的に塩を形成する請求項1記載の繊維処理剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11292977A (ja) * 1998-04-07 1999-10-26 Shin Etsu Chem Co Ltd アミノ変性シリコーン乳化物の製造方法
JP2018003195A (ja) * 2016-07-01 2018-01-11 信越化学工業株式会社 アミノアルキル基及びポリオキシアルキレン基含有シロキサンを含む乳化組成物

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US10260196B2 (en) 2016-07-01 2019-04-16 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Emulsion composition comprising an aminoalkyl group- and polyoxyalkylene group-containing siloxane

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