JPH0951912A - 吸収体 - Google Patents

吸収体

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JPH0951912A
JPH0951912A JP7206263A JP20626395A JPH0951912A JP H0951912 A JPH0951912 A JP H0951912A JP 7206263 A JP7206263 A JP 7206263A JP 20626395 A JP20626395 A JP 20626395A JP H0951912 A JPH0951912 A JP H0951912A
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JP
Japan
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water
absorbent resin
sheet
porous
weight
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Application number
JP7206263A
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English (en)
Inventor
Yasushi Hayashi
康 林
Chukei Fuyuki
忠敬 冬木
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸水量が多く、かつ吸水性樹脂の移動による吸
水性樹脂の偏在や脱落のない吸収体を提供する。 【解決手段】吸水性樹脂からなる繊維2を自己接着また
は自己接着と絡合とによって一体化した三次元網目構造
を有しかつ吸水しない状態での水分量が12〜25重量
%である多孔性吸水樹脂シート1と、この多孔性吸水樹
脂シート1の少なくとも片面に積層された親水性または
透水性のシート状物とを含む吸収体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性樹脂を含有
し、例えば使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッ
ド、その他の衛生物品として利用することができる吸収
体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】通常
の吸水性樹脂は粉末状であるため、これを用いた吸収体
は、吸水性樹脂を何らかの保持担体を用いてシート形状
に二次加工して取扱い易くしたものが殆どである。例え
ば、高吸水性樹脂を吸水紙や親水性の不織布に挟持させ
たり、綿状パルプ(粉砕パルプ)層間に挟持させたり、
あるいは綿状パルプと混合した形態のものが知られてい
る。
【0003】しかしながら、これらの吸収体は、輸送時
などの衝撃や振動などの外力によって内部に含有された
粉末状の吸水性樹脂が容易に移動して偏在や脱落を生
じ、吸水性樹脂を利用したメリットを充分に発揮できな
いという問題がある。そこで、高吸水性樹脂を吸水紙や
親水性の不織布に挟持させる際に、接着剤や熱可塑性不
織布のヒートシールや、水分添加による樹脂粒子自身の
接着力発現により、吸水性樹脂を吸水紙などに固定・担
持させることが提案されている。
【0004】しかしながら、吸水性樹脂をあまり多く担
持できないため、吸水性能が充分でない。そのため、吸
水性樹脂の担持量を多くすると、吸水性樹脂の層ができ
あがるが、この樹脂層はそれ自体で大きな接着力を有し
ていないので、曲げなどの外力に対して充分に樹脂粒子
を固定することができない。また、接着剤を用いて接着
強度を上げると、吸水性樹脂の吸水量、吸水速度が低下
する。
【0005】また、綿状パルプ(粉砕パルプ)層間に挟
持させたり、あるいは綿状パルプと混合した吸収体で
は、綿状パルプに熱可塑性繊維を混合してプレスなどで
成形する際に熱可塑性繊維を溶融させ強度のある成形物
を得ることが提案されている。さらに、吸水性樹脂を吸
水紙や親水性の不織布上で直接重合しシート状の一体物
を作り、吸水性樹脂の移動による偏在や脱落を防止する
ことが提案されている。
【0006】しかし、吸水紙などのシート基材上には物
理的にあまり多くを重合できない。すなわち、大量に重
合させると、外見上殆どシートと変わりなくなり、単位
重量あたりの表面積が小さくなって、吸水速度が低下す
るという問題がある。一方、特開平1−260014号
公報にはポリアクリル酸系重合体を架橋した吸水性繊維
が開示されている。
【0007】しかしながら、この吸水性繊維を使用する
場合、繊維成形工程と共に、繊維間を接着するシート化
工程(不織布製造工程)を必要とするため、工程数が増
え、またコストアップになるという問題がある。さら
に、得られた吸水性シートの吸水前後における接着点崩
壊や吸水性繊維の移動・脱落の防止が充分とはいえな
い。
【0008】これらの問題を解決するために、本出願人
は、先に吸水性樹脂からなる繊維を自己接着または自己
接着と絡合とによって一体化した吸水性樹脂を提案した
(特開平7−145208号公報)。この吸水性樹脂
は、繊維同士が重合により自己接着または自己接着と絡
合とによって一体化されているので、吸水により繊維が
膨潤・変形しても、互いに追従することができるため、
繊維が移動・脱落を防止でき、また吸水により接着力が
低下することがないという利点がある。
【0009】本発明の主たる目的は、吸水量が多く、か
つ吸水性樹脂の移動による吸水性樹脂の偏在や脱落がな
く、しかも衛生物品等に使用するのに好適な柔らかさを
有する吸収体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の技術
的課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、粒状の吸水
性樹脂を含有させたり、繊維状吸水性樹脂を不織布状に
二次加工したシート状物ではなく、前記した三次元網目
構造を有する多孔性吸水樹脂シートを吸収体のコアとし
て使用することにより、吸水性能(吸水量および吸水速
度)が高く、かつ外圧によって吸水性樹脂が移動して偏
在や脱落することがないという新たな事実を見出し本発
明を完成するに到った。
【0011】すなわち、本発明の吸収体は、吸水性樹脂
からなる繊維を自己接着または自己接着と絡合とによっ
て一体化した三次元網目構造を有しかつ吸水しない状態
での水分量が12〜25重量%である多孔性吸水樹脂シ
ートと、この多孔性吸水樹脂シートの少なくとも片面に
積層された親水性または透水性のシート状物とを含むこ
とを特徴とする。
【0012】上記多孔性吸水樹脂シートは、吸収体が吸
い込んだ水分を溜める、いわばタンク機能を果たすシー
ト状物であるので、吸水性樹脂を多量(100g/m2
以上)に含有した吸収体を得ることができ、しかもシー
ト状物であるため外圧により吸水性樹脂が移動すること
がなく、また特殊な方法で吸水性樹脂を固定する必要も
ないので複雑な製造工程を経ることなく簡単に吸収体を
製造でき、きわめて経済的である。また、多孔性吸水樹
脂シートは多孔性であるので、多量の液体をその空隙内
に保持し(シートの厚み方向に吸収)、かつ液体をシー
ト面にそって横方向に速やかに拡散させる(二次元的拡
散)ことにより、いわゆる三次元的な吸水が可能となる
ので、吸収体表面にベトツキがなく、液体を速やかに吸
収することができる。
【0013】また、上記多孔性吸水樹脂シートは非吸水
状態で12〜25重量%の水分を含有しているので、剛
直とならず可撓性あるいは柔軟性を有している。そのた
め、おむつ、生理用ナプキンなどの人の肌に接する衛生
物品に適用するのに好適である。ここで、水分量とは多
孔性吸水樹脂シートの総量に対する水分の割合をいう。
【0014】本発明の他の吸収体は、吸水性樹脂からな
る繊維を自己接着または自己接着と絡合とによって一体
化した三次元網目構造を有しかつ吸水しない状態での水
分量が12〜25重量%である多孔性吸水樹脂シート
と、この多孔性吸水樹脂シートの空隙部に充填された親
水性または透水性の充填物と、前記多孔性吸水樹脂の少
なくとも片面に積層された親水性または透水性のシート
状物とを含むことを特徴とする。
【0015】このように多孔性吸水樹脂シートの空隙部
に親水性または透水性の充填物を充填することにより、
吸収体の吸水率を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】前記吸水性樹脂としては、例えば
ポリアクリル酸塩系重合体の架橋物があげられる。この
架橋物は、その分子中に存在するカルボキシル基の20
〜95モル%がアルカリ金属またはアンモニアによって
中和されているのが好ましい。前記アルカリ金属として
は、例えばカリウム、ナトリウム、リチウムなどがあげ
られる。
【0017】前記多孔性吸水樹脂シートは、例えば、モ
ノマーを含む重合組成物をノズルから曳糸させながら落
下させ、落下過程で重合反応を開始させ、落下点で積層
させながら積層状態で重合を完結させて一体化し、三次
元の網目構造を形成するなどの方法によって製造するこ
とができる。すなわち、本発明では、吸水性樹脂のフィ
ルムを直接多孔化するのではなく、繊維状の吸水性樹脂
を3次元的に相互に自己接着させてシート状に形成する
ことにより、実質的に多孔化したフィルム状のシートを
作成している。従って、このシートは表面積が大きく、
そのため吸水速度、吸水量も大きいという利点がある。
【0018】また、各繊維間の接着は、通常の化学繊維
を用いる不織布の製造において従来から行われている接
着剤を用いる方法では吸水性樹脂の特性を損なわせるこ
とから、本発明における多孔性吸水樹脂シートでは吸水
性樹脂自身を直接接着させる方法を利用している。従っ
て、本発明でいう自己接着とは、接着剤のような吸水性
樹脂以外の成分を介することなく、吸水性樹脂同士が直
接接着し、吸水後もその接着点が崩壊し難いものをい
う。また、絡合とは繊維同士の絡み合いにより滑りは可
能であるが、自由な移動が妨げられている状態を意味す
る。
【0019】また、本発明では、モノマー混合液を直接
繊維状に成形・重合しながら、実質的に重合が完結する
までに繊維(長繊維)を積層することによって、積層時
に繊維同士が接触する接触点でも更に重合を進行させる
方法を採ることによって、(A)モノマーから原料樹脂
を製造する工程、(B)樹脂を繊維状に加工する工程お
よび(C)繊維を不織布に加工する工程の3工程を1工
程で一挙に行うことができる。そのため、従来の各工程
で必要とする製造設備及びメーカー間の輸送が不要にな
りコストダウンになる。
【0020】また、重合途中の繊維状吸水性樹脂をポイ
ント的に接触・積層させて重合を続けることにより各繊
維間が直接に接着した不織布形状のものが出来る。本発
明における吸水性樹脂としては、例えばポリアクリル酸
塩系重合体、とくにその架橋物があげられる。この重合
体を製造するために使用するモノマーとしては、例えば
アクリル酸、メタクリル酸またはそれらのエステル体が
あげられ、これらはカルボキシル基の20〜95モル
%、好ましくは20〜75モル%がアルカリ金属または
アンモニアによって中和されているのが好ましく、中和
度がこの範囲よりも大きいと重合性が悪くなり、中和度
がこの範囲よりも小さいと吸水性が悪くなる。前記アル
カリ金属としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウ
ム塩などがあげられる。また、親水性等の特性を改良す
るために、モノマーとしてアクリルアミド、N−ビニル
ピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等を
混合して、ポリアクリル酸塩系の共重合体を製造しても
よい。
【0021】繊維状の吸水性樹脂を重合するためには、
重合の立ち上がり速度が速くかつ制御が比較的容易なレ
ドックス重合や紫外線重合を行うのが好ましい。また、
中・低温熱重合に用いる熱重合開始剤を用いて熱重合を
行うことも可能である。その際、粘度の低い重合組成物
は曳糸性に劣り、繊維が得られにくいので、曳糸性のあ
る増粘剤をモノマーに添加するのが好ましい。
【0022】また、吸水性樹脂の繊維同士を接着して一
体化するためには、ノズル先端からの重合組成物(モノ
マーおよびその他の添加剤の混合液)の落下速度、重合
雰囲気温度のほか、レドックス重合の場合は特にレドッ
クスの組み合わせおよび濃度、紫外線重合の場合は紫外
線ランプ強度及び開始剤濃度・種類、架橋剤量、熱重合
の場合は開始剤の種類、温度管理等を調整することで重
合反応速度をコントロールし、繊維間の接着度合いを調
整することが必要である。
【0023】前記曳糸性増粘剤は、これを添加すること
によって単に増粘するのではなく、例えば内径0.35
mm程度のノズル孔から重合組成物を押出したとき、5
0cm以上の曳糸性を有するものが好ましい。曳糸性は粘
性と弾性の相互作用によって現れるものであり、増粘効
果の高いものが必ずしも曳糸性の高いものとは限らない
場合も多い。
【0024】本発明において使用可能な曳糸性増粘剤と
しては、例えば非イオン性もしくは弱イオン性高分子化
合物、具体的にはヒドロキシエチルセルロース、ポリア
クリルアミド、部分アニオン化ポリアクリルアミド、ポ
リエチレンオキサイド、ポリアクリル酸エステル、ポリ
メタクリル酸エステル、部分カチオン化ポリメタクリル
酸エステル、部分カチオン化ポリアクリル酸エステル、
ヒドロキシプロピル化グァーガム、ラムザンガム等が挙
げられる。
【0025】一般に、強イオン性増粘剤は、ポリアクリ
ル酸塩系吸水性樹脂の製造においてアクリル酸の中和液
成分との相互作用から十分に膨潤せず、イオン性が強く
なるほど必要とする曳糸効果が現れにくくなるため好ま
しくない。また、ホウ砂や四ホウ酸ナトリウムによって
高分子間に化学結合を生じせしめることによって曳糸性
を出すことも可能である。
【0026】増粘剤はモノマー水溶液に対して少量、通
常、モノマー100重量部に対し3重量部以下で増粘お
よび曳糸効果(特に曳糸効果)を示すことができる。ま
た、使用する増粘剤の分子量は大きい方が好ましく、分
子量が小さくなると少量では曳糸効果を示すことができ
なくなる。また、使用可能な架橋剤としては、例えば吸
水性樹脂の高分子鎖間を交叉反応によって結合し、水不
溶性を付与することが出来るモノマーないしはオリゴマ
ー化合物であれば特に限定されず、好ましくは(1) 重合
性二重結合を分子内に2個以上有しモノマーと共重合性
を示すもの、(2) モノマーの官能基(カルボキシル基
等)と重合中または重合後の乾燥時に反応し得るような
官能基を分子内に2個以上有するもの、あるいは(3) 前
記2者の官能基を分子内にそれぞれ少なくとも1個有す
るもので、吸水性樹脂がポリアクリル酸塩の場合にはポ
リアクリル酸を中和するための中和液に対してある程度
の溶解性を示すモノマーもしくはオリゴマー化合物であ
る。
【0027】前記重合性二重結合を有する官能基として
はアクリロイル基:CH2 =CHCO−,メタクリロイ
ル基:CH2 =C(CH3 )CO−,アクリルアミド
基:CH2 =CH−CONH−,マレイン酸ジエステル
基:−OCOCH=CH−COO−,アリル基:CH2
=CH−CH2 −,ビニルエーテル基:CH2 =CH−
O−,ビニルチオエーテル基:CH2 =CH−S−,ビ
ニルアミノ基:CH2 =CH−NH−などがあげられ
る。また、カルボキシル基と反応し得る官能基として
は、例えばグリシジル基,アミノ基,ヒドロキシル基,
リン酸基等があげられる。
【0028】具体的に説明すると、(メタ)アクリロイ
ル基を有する架橋剤としては、例えばエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート,ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート,ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート,プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート,ポリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート,グリセリンジ(メタ)アクリレート,グリセ
リントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトール
ジ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート,トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート,トリアクリロイルオキシエチル
ホスフェート,ジメタクロイルオキシエチルホスフェー
トなどがあげられる。
【0029】アクリルアミド基を有する架橋剤として
は、例えばN,N′−メチレンビス(メタ)アクリルア
ミドなどがあげられる。アリル基を有する架橋剤として
は、例えばジアリルオルソフタレート,ジアリルイソフ
タレート,ジアリルマレート,ジアリルテレフタレー
ト,トリアリルシアヌレート,トリアリルイソシアヌレ
ート,トリアリルホスフェート,トリメチロールプロパ
ンジアリルエーテル,ペンタエリスリトールトリアリル
エーテル,ジアリルジメチルアンモニウムクロライド,
ジエチレングリコールジアリルエーテル,テトラアリル
ポリメリテート,トリアリルトリメリテート,マレイン
酸ジアリル,ジアリルアミン,トリアリルアミンなどが
あげられる。
【0030】グリシジル基を有する化合物としては、例
えばエチレングリコールジグルシジルエーテル,ジエチ
レングリコールジグリシジルエーテル,ポリエチレング
ルコールジグリシジルエーテル,プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル,ポリプロピレングリコールジグ
リシジルエーテル,ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル,1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル,アジピン酸ジグリシジルエステル,ポリテトラ
メチレングリコールジグリシジルエーテル,トリメチロ
ールプロパンジグリシジルエーテル,トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル,グリセリンジグリシジ
ルエーテル,グリセリントリグリシジルエーテル,トリ
グリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート,ジグリセロールポリグリシジルエーテル,ペン
タエリスリトールポリグリシジルエーテル,ポリグリセ
ロールポリグリシジルエーテル,ソルビトールポリグリ
シジルエーテル,フタル酸ジグリシジルエステル,ヘキ
サヒドロフタル酸ジグリシジルエステルなどがあげられ
る。
【0031】アクリル酸と共重合可能な成分としては、
例えば分子内に重合性二重結合を有し前記アクリル酸モ
ノマーと共重合性を示すものがあげられるが、中和液に
対しある程度の溶解性を示すモノマーもしくはプレポリ
マーであることが必要あり、例えばアクリロイル基:C
2 =CHCO−,メタクリロイル基:CH2 =C(C
3 )CO−,アクリルアミド基:CH2 =CH−CO
NH−,アリル基:CH2 =CH−CH2 −,ビニルエ
ーテル基:CH2 =CH−O−,ビニルチオエーテル
基:CH2 =CH−S−,ビニルアミノ基:CH2 =C
H−NH−等の官能基を有する化合物である。
【0032】具体的には、例えばアクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アク
リロイルエタンスルホン酸,2−アクリロイルプロパン
スルホン酸,及びそれらの塩類,またそれらのアルキル
またはアルコキシエステル類,アクリルアミド,ビニル
スルホン酸等が挙げられる。
【0033】架橋剤の使用量はモノマーに対して0.0
01〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%であ
る。0.001重量%未満では架橋密度が低すぎて吸水
時の吸水性樹脂が弱く、べたつきが激しかったりノリ状
となる。また10重量%を超えると、架橋密度が高すぎ
吸水能力が減少すると共に、非常に脆いゲル体となって
しまう。
【0034】本発明における多孔性吸水樹脂シートを得
るために使用する重合方法は、ラジカル重合法であれば
いかなる方法でも採用可能であるが、本発明において利
用できる重合方法は、ノズルから落下途中の曳糸状態で
重合反応が短時間(秒単位)で開始され、その落下点に
て積層・一体化するまでに、重合反応によって形成され
た繊維の形状保持が出来る程度まで重合反応を進行させ
ることが出来るものであれば特に限定されない。従って
重合開始剤を使用する系では紫外線等を照射する方法、
レドックス系や熱重合系の方法、また重合開始剤を使用
しない系では放射線、電子線を照射する方法を使用する
ことが可能である。これらの中では、重合装置のコスト
および重合速度の制御や応答の迅速さと容易さの点で紫
外線照射重合方法が、開始剤等の添加剤コストと温度管
理の点でレドックス重合法がそれぞれ好ましい。また、
低・中温熱重合方法でも開始剤等の添加剤コストの点で
有利である。
【0035】重合組成物中のモノマー濃度は特に制限さ
れないが、重合反応の制御の容易さ、収率、経済性等を
考慮すれば20〜80重量%の範囲にあることが好まし
い。重合組成物に配合する重合開始剤としては、通常使
用される紫外線重合開始剤、熱重合開始剤、レドックス
重合開始剤などが特別な制限なく使用可能である。紫外
線重合開始剤としては、紫外線照射によってラジカル重
合に有効なラジカルを生じるもしくは生じさせるもので
あれば特に制限はなく、具体的にはアセトフェノン及び
アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン及びベンゾフェ
ノン誘導体、ベンゾイン誘導体、チオキサントン誘導
体、ビアセチル、アゾ化合物のうち1種もしくはそれら
の混合物から選ばれる。とくに、アセトフェノン及びア
セトフェノン誘導体、ベンゾイン誘導体、ベンゾフェノ
ン及びベンゾフェノン誘導体が好ましい。
【0036】アセトフェノン誘導体としては、例えば2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン,1−(4−
イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル
プロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン,1−
ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン,2−メチ
ル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパ
ン−1−オン,オリゴ〔2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノ
ン〕などがあげられる。
【0037】ベンゾイン誘導体としては、例えばベンジ
ルジメチルケタール,ベンゾインメチルエーテル,ベン
ゾインエチルエーテル,ベンゾインイソプロピルエーテ
ル,ベンゾインイソブチルエーテルなどがあげられ、と
くにベンジルジメチルケタールが好ましい。ベンゾフェ
ノン誘導体としては、例えばアクリル化ベンゾフェノ
ン,2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどがあげ
られるが、とくにベンゾフェノンを使用するのが好まし
い。
【0038】紫外線重合開始剤は、モノマーに対し0.
01〜5重量部、好ましくは0.05〜1.0重量部で
使用する。前記レドックス重合開始剤は、酸化剤と還元
剤との酸化還元反応によるラジカルの発生によってラジ
カル重合を開始させるもので、還元剤により分解速度を
調整する。具体的には、例えばハイドロパーオキサイド
類として過酸化水素−鉄(II)塩、過酸化水素−亜硫酸塩
などがあげられ、過硫酸塩類として過硫酸塩類−亜硫酸
塩、過硫酸塩類−鉄(II)塩などがあげられる。
【0039】熱重合開始剤としては、低・中温熱重合開
始剤が好ましい。ここで低・中温熱重合開始剤とは10
時間半減期温度が30〜100度にあるものを指す。具
体的には、低・中温熱重合開始剤として、ジアシルパー
オキサイド類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパー
オキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエ
ステル類、パーオキシカーボネート類などがあげられ
る。
【0040】吸水性樹脂からなる繊維の径は0.05〜
5mmの範囲にあるのが好ましい。径が0.05mmに
満たないとノズル加工が困難なばかりでなく、樹脂の吐
出量が上がらず、また重合するまでに僅かな気流の乱れ
で個々の繊維同士が融合し太くなって製品ロスが生じ生
産性が上がらない。一方、径が5mmを超えると樹脂の
吸水速度が遅くかつシート厚みが大きくなり実用的でな
くなる。より好ましい径は0.05〜3mmである。
【0041】前記のように重合して得られる多孔性吸水
樹脂シートは、この樹脂シートの総量に対する水分量が
30〜45重量%であるため、常温乾燥または熱風、減
圧などによる強制乾燥にて水分量を12〜25重量%、
好ましくは15〜18重量%の範囲内になるように調整
する。水分量がこの範囲を下回ると、多孔性吸水樹脂シ
ートが剛直となり、得られる吸収体も硬いものになる。
一方、水分量が前記範囲を超えると、樹脂表面にベトツ
キが生じ、外力によって容易に伸びたり、切断されたり
して取扱いが極めて困難になる。
【0042】また、前記多孔性吸水樹脂シートは、空隙
率が25〜99%の範囲にあるのが好ましい。空隙率が
99%を超えると吸水前後でのシート強度が充分ではな
く、吸水絶対量も少ないので実用的でない。一方、空隙
率が25%未満であるとシート強度は充分であるが、編
み目が細かすぎるために樹脂の膨潤により編み目が詰ま
りゲルブロッキングを起こしてやすい。より好ましい空
隙率は50〜98.5%、なかんづく80〜97%であ
る。
【0043】さらに、前記多孔性吸水樹脂シートは、比
表面積が0.1〜5.5m2 /gの範囲にあるのが好ま
しい。比表面積が0.1cm2/g未満であると吸収速度
が遅く、5.5cm2/gを越えると繊維の径が細くな
り、生産性の面で問題がある。好ましい比表面積は0.
2〜4.5cm2/gである。また、本発明における多孔
性吸水樹脂シートの吸水率をより向上させるために、多
孔性吸水樹脂シートの空隙部内に親水性または透水性の
充填物を充填してもよい。このような充填物としては、
例えば綿状パルプのほか、レーヨンやコットン繊維、共
重合や表面処理によって親水化された化学繊維などの、
親水性または透水性の樹脂素材などからなる親水性また
は透水性の繊維、粉末、顆粒などがあげられる。これら
の充填物の粒径または繊維長は特に限定されるものでは
なく、毛細管現象を効率よく生じさせるものであればよ
い。また、充填物の充填量は多孔性吸水樹脂シートの1
00重量部に対して5〜50重量部、好ましくは10〜
30重量部である。
【0044】充填物を充填するには、単に多孔性吸水樹
脂シートを充填物と混合するだけでよく、これにより多
孔性吸水樹脂シートの空隙内に充填物が入って空隙内に
保持される。次に、多孔性吸水樹脂シートの少なくとも
片面に積層される親水性または透水性のシート状物につ
いて説明する。上記親水性または透水性のシート状物と
しては、従来より使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の
衛生物品における吸収体の材料として用いられている綿
状パルプなどが代表例としてあげられる。このものは、
パルプシートを機械的に解繊することにより得られる繊
維長5mm以下の繊維である。
【0045】また、親水性の化学繊維からなるシート状
物も使用可能である。親水性の化学繊維としては、例え
ばポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
アミドなどの繊維あるいはこれらの複合繊維などを界面
活性剤により親水化したものや、上記化学繊維の製造時
に親水性モノマーなどを共重合させて親水性を付与した
ものがあげられる。
【0046】親水性または透水性のシート状物の形態は
特に限定されるものではなく、綿状層であってもよく、
織布または不織布の形態で使用してもよい。本発明の吸
収体は、前記多孔性吸水樹脂シートをコアとして、これ
の両面または片面に親水性または透水性のシート状物を
積層して製造される。積層とは、単に積み重ねる場合の
ほか、多孔性吸水樹脂シートを親水性または透水性のシ
ート状物で巻回する場合も含まれる。積み重ね枚数や巻
回数は特に制限されず、使用目的や用途に応じて適宜決
定することができる。
【0047】このとき、多孔性吸水樹脂シートの使用量
は、目的とする用途によって異なるが、通常、50〜5
00g/m2 、好ましくは80〜200g/m2 であ
る。多孔性吸水樹脂シートは単一層であってもよく、あ
るいは2層以上を積層したものであってもよい。また、
吸水性樹脂の吸収体内の分布を適宜設定することも可能
であり、例えば中央部のみに多孔性吸水樹脂シートを2
層以上積層し、周縁部は1層のみとしたり、あるいはそ
の逆にしてもよい。
【0048】また、親水性または透水性のシート状物
は、通常坪量が15〜50g/m2 、好ましくは18〜
40g/m2 で使用される。得られた吸収体は、その裏
面に非透水性シート(ポリエチレンシートなど)を、表
面に透水性シート(親水性の不織布など)をそれぞれ配
置し、それらのシートの周縁部を接着または熱溶着する
ことにより、おむつ、生理用ナプキンなどの衛生物品が
得られる。
【0049】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳細に説明す
る。 参考例1 (多孔性吸水樹脂シートの製造)73%が水酸化ナトリ
ウムによって中和された部分中和アクリル酸の水溶液
(モノマー濃度45重量%)100重量部にポリエチレ
ングリコール(PEG200)ジアクリレート0.05
重量部、ポリエチレンオキサイド0.2重量部、2−ヒ
ドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オ
ン2重量部を溶解した。このモノマー水溶液の粘度はB
型粘度計で測定(20℃,ローター回転数10)したと
ころ、600cps であり、1m落下で曳糸可能であっ
た。
【0050】このモノマー水溶液を繊維径150μmに
なるようにノズルから曳糸落下させながら、落下途中の
側面より高圧水銀ランプ(80W/cm)にて2秒間照
射し、重合反応を開始させた。長繊維状に曳糸した重合
物を落下地点にて積層し、乾燥して、厚さ約0.5m
m、吸水量が18重量%の多孔性吸水樹脂シートを得
た。得られた多孔性吸水樹脂シートは秤量60g/c
m2、空隙率98%であった。この多孔性吸水樹脂シート
のイオン交換水に対する吸水能力を測定したところ10
分間で420g/gであった。
【0051】得られた多孔性吸水樹脂シートを図1に示
す。また、図2は図1に示す多孔性吸水樹脂シート1の
一部を顕微鏡で観察した部分拡大図である。図1および
図2から吸水性樹脂からなる繊維2が絡みあってシート
状物が形成されていることがわかる。また、絡みあった
繊維1,1は相互に自己接着によって接着されていた。 参考例2 (多孔性吸水樹脂シートの製造)73%が水酸化ナトリ
ウムによって中和された部分中和アクリル酸水溶液(モ
ノマー濃度45重量%)100重量部にポリエチレング
リコール(PEG200)ジグリシジルエーテル−アク
リル酸付加物0.05重量部、ポリアクリル酸エステル
−アクリルアミド共重合体0.2重量部、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン2重量部を溶解した。
このモノマー水溶液の粘度はB型粘度計で測定(20
℃、ローター回転数10)したところ、550cps であ
り、1m落下で曳糸可能であった。
【0052】このモノマー水溶液を繊維径100μmに
なるようにノズルから曳糸落下させながら、落下途中の
側面より高圧水銀ランプにて(80W/cm)にて2秒
間照射し、重合反応を開始させた。長繊維状に曳糸した
重合物を落下地点にて積層し、乾燥して、厚さ約0.5
mm、水分量17重量%の多孔性吸水樹脂シートを得
た。得られた多孔性吸水樹脂シートは秤量55g/c
m2、空隙率85%であった。この多孔性吸水樹脂シート
のイオン交換水に対する吸水能力を測定したところ10
分間で230g/gであった。 参考例3 (多孔性吸水樹脂シートの製造)57%が水酸化ナリト
ウムによって中和された部分中和アクリル酸水溶液(モ
ノマー濃度50重量%)100重量部にポリエチレング
リコール(PEG200)ジアクリレート0.05重量
部、ポリエチレンオキサイド0.24重量部、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
2重量部を溶解した。このモノマー水溶液の粘度はB型
粘度計で測定(20℃、ローター回転数10)したとこ
ろ、750cps であり、1m落下で曳糸可能であった。
【0053】このモノマー水溶液を繊維径150μmに
なるようにノズルから曳糸落下させながら、落下途中の
側面より高圧水銀ランプ(80W/cm)にて2秒間照
射し、重合反応を開始させた。長繊維状に曳糸した重合
物を落下点にて積層し、乾燥して、厚さ約0.6mm、
水分量16重量%の多孔性吸水樹脂シートを得た。得ら
れた多孔性吸水樹脂シートは秤量60g/cm2 、空隙率
94%であった。この多孔性吸水樹脂シートのイオン交
換水に対する吸水能力を測定したところ10分間で39
0g/gであった。 参考例4 (多孔性吸水樹脂シートの製造)20%が水酸化ナトリ
ウムによって中和された部分中和アクリル酸水溶液(モ
ノマー濃度73重量%)100重量部にポリエチレング
リコール(PEG200)ジアクリレート0.05重量
部、ポリエチレンオキサイド0.1重量部、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン1
重量部を溶解した。このモノマー水溶液の粘度はB型粘
度計で測定(20℃、ローター回転数10)したところ
680cps であり、1m落下で曳糸可能であった。
【0054】このモノマー水溶液を繊維径180μmに
なるようにノズルから曳糸落下させながら、落下途中の
側面より高圧水銀ランプ(80W/cm)にて2秒間照
射し、重合反応を開始させた。長繊維状に曳糸した重合
物を落下点にて積層し、乾燥して、厚さ約0.7mm、
水分量18重量%の多孔性吸水樹脂シートを得た。得ら
れた多孔性吸水樹脂シートは秤量90g/cm2 、空隙
率96%であった。この多孔性吸水樹脂シートのイオン
交換水に対する吸水能力を測定したところ10分間で3
00g/gであった。 実施例1 (使い捨ておむつの製造)参考例1で得た多孔性吸水樹
脂シートを目付け量250g/m2 で使用し、その上面
に目付け量40g/m2 の綿状パルプの不織布および同
25g/m2 のポリエステル−ポリエステル/ポリエチ
レン混紡不織布をこの順に積層して吸収体を得た。
【0055】この吸収体を厚さ μmのポリエチレン
フィルムからなる非透水性裏面シート上に載置し、さら
に吸収体の表面を透水性表面シート(レーヨン・ポリエ
チレン混紡不織布)で覆い、前記裏面シートと表面シー
トとをその周縁部でヒートシールして使い捨ておむつを
得た。得られた使い捨ておむつを揉みほぐした後、立て
て振動を与えたが、吸収体内での吸水性樹脂の移動によ
る偏在やこぼれは全く認められなかった。 実施例2〜4 参考例1で得た多孔性吸水樹脂シートに代えて、参考例
2〜4で得た多孔性吸水樹脂シートを用いたほかは、実
施例1と同様にして使い捨ておむつを得た。
【0056】得られた各使い捨ておむつを揉みほぐした
後、立てて振動を与えたが、吸収体内での吸水性樹脂の
移動による偏在やこぼれは全く認められなかった。 実施例5 (生理用ナプキンの製造)参考例1で得たで得た多孔性
吸水樹脂シートを目付け量130g/m2 で使用し、そ
の上面に目付け量40g/m2 の綿状パルプの不織布お
よび同25g/m 2 のポリエステル−ポリエステル/ポ
リエチレン混紡不織布をこの順に積層して吸収体を得
た。
【0057】この吸収体の裏面および両側部を厚さ30
μmのポリエチレンフィルムからなる非透水性シートで
覆い、表面を透水性表面シート(レーヨン・ポリエチレ
ン混紡不織布)で覆い、前記裏面シートと表面シートと
をその周縁部でヒートシールして使い捨ておむつを得
た。得られた生理用ナプキンを揉みほぐした後、立てて
振動を与えたが、吸収体内での吸水性樹脂の移動による
偏在やこぼれは全く認められなかった。 実施例6〜8 参考例1で得た多孔性吸水樹脂シートに代えて、参考例
2〜4で得た多孔性吸水樹脂シートを用いたほかは、実
施例1と同様にして生理用ナプキンを得た。
【0058】得られた各生理用ナプキンを揉みほぐした
後、立てて振動を与えたが、吸収体内での吸水性樹脂の
移動による偏在やこぼれは全く認められなかった。 実施例9 参考例1で得た多孔性吸水樹脂シートを目付け量250
g/m2 で使用し、下から順に24メッシュの金網、目
付け量40g/m2 のポリエステル−ポリエステル/ポ
リエチレン混紡不織布、多孔性吸収樹脂シート、綿状パ
ルプを積層し、金網側から吸引して、綿状パルプの繊維
を多孔性吸水樹脂シートの空隙部に充填した。次に、金
網を取り除いて不織布と反対側に60μmのポリエチレ
ンフィルムを積層し周縁部をヒートシールして吸収体を
得た。
【0059】得られた吸収体を揉みほぐした後、立てて
振動を与えたが、吸収体内での吸水性樹脂の移動による
偏在やこぼれは全く認められなかった。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、吸水性樹脂からなる繊
維同士が重合により自己接着または自己接着と絡合とに
より一体化された多孔性吸水樹脂シートを用いることに
より、以下の効果がある。 (1) 複雑な工程を経ることなく、吸水性樹脂が高担持
(100g/m2 以上)された吸収体を得ることができ
る。 (2) 外圧によって吸水性樹脂が吸収体内を移動すること
がないので、吸水性樹脂の偏りや脱落が生じない。 (3) 多孔性吸水樹脂シートは多孔性であるので、多量の
液体をその空隙内に保持し(シートの厚み方向に吸
収)、かつ液体をシート面にそって横方向に速やかに拡
散させる(二次元的拡散)ことにより、いわゆる三次元
的な吸水が可能となるので、吸収体表面にベトツキがな
く、液体を速やかに吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得た多孔性吸水樹脂シートの平面図
である。
【図2】図1に示す多孔性吸水樹脂シートの顕微鏡観察
(25倍)による拡大図である。
【符号の説明】
1 多孔性吸水樹脂シート 2 繊維

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水性樹脂からなる繊維を自己接着または
    自己接着と絡合とによって一体化した三次元網目構造を
    有しかつ吸水しない状態での水分量が12〜25重量%
    である多孔性吸水樹脂シートと、この多孔性吸水樹脂シ
    ートの少なくとも片面に積層された親水性または透水性
    のシート状物とを含むことを特徴とする吸収体。
  2. 【請求項2】吸水性樹脂からなる繊維を自己接着または
    自己接着と絡合とによって一体化した三次元網目構造を
    有しかつ吸水しない状態での水分量が12〜25重量%
    である多孔性吸水樹脂シートと、この多孔性吸水樹脂シ
    ートの空隙部に充填された親水性または透水性の充填物
    と、前記多孔性吸水樹脂の少なくとも片面に積層された
    親水性または透水性のシート状物とを含むことを特徴と
    する吸収体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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