JPH095166A - 物体の表面温度測定方法及び装置 - Google Patents

物体の表面温度測定方法及び装置

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JPH095166A
JPH095166A JP15293995A JP15293995A JPH095166A JP H095166 A JPH095166 A JP H095166A JP 15293995 A JP15293995 A JP 15293995A JP 15293995 A JP15293995 A JP 15293995A JP H095166 A JPH095166 A JP H095166A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人が移動したり、環境が変化した時などに起
こる物体周辺の温湿度環境のステップチェンジや、日常
生活で起こりうるあらゆる環境温度の変化によって起こ
る物体表面の微少な温度変化をも測定できる、物体の表
面温度測定方法及び装置を提供すること。 【構成】 物体の表面温度測定方法は、サンプルを、そ
の一表面が第1の環境に存し且つその他表面が第2の環
境に存するように配置し、上記第1の環境は温湿度を可
変可能とし、上記第2の環境は温湿度を短時間で急激に
可変可能とし、上記第1の環境及び(又は)上記第2の
環境の温度及び(又は)湿度を可変させ、その際の上記
サンプルの上記一表面の温度を赤外線放射温度計で測定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣料素材等の物体の表
面温度を測定する装置、詳しくは、人が移動したり、環
境が変化した時に起こる温湿度環境のステップチェンジ
(大きな傾斜のある変化、例えば変化率が温度1℃/
秒、湿度5%RH/秒以上)を人為的に作り出し、該変
化によって起こる衣料等の物体表面の温度変化を測定す
る物体の表面温度測定装置に関するもので、例えば、衣
料素材や衛生材料の開発、繊維組織の設計又はその加工
剤の開発に利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、着衣等の物体の肌側表面温度特性
を測定する場合、サンプル(物体)を任意に設定した定
常温湿度環境下に置いて測定が行われるか、人が移動し
たり環境が変化した時に起こる温湿度環境のステップチ
ェンジによって起こる着衣等の物体の肌側表面の温度変
化を模擬的に測定するには、サンプルに温度計を接触さ
せて表面の温度を測定しつつ、測定装置ごと温湿度の異
なる環境に移すことによって起こる物体表面の温度変化
を測定することは行なわれてきた〔「寒冷環境下での着
衣方法に関する一考察」諸岡他 富山大学教育学部紀要
(B理系) No.37:69−74(平成元年)〕。しか
し、この方法では、表面温度の大きな変化は測定できる
が、サンプルに接触している温度計の熱容量が大きく、
表面温度の微少な変化は測定できない。また装置ごと移
動するため、大がかりになり、温湿度環境の変化を短時
間で定量的に繰り返すことはできない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】人が移動したり、環境
が変化した時、着衣の外の温湿度環境がステップチェン
ジし、着衣等の物体の肌側表面の温度変化が起こる。そ
の結果、人は、その物体表面との間に熱移動(輻射熱、
伝導熱)を知覚し、冷感、温暖感などを感じる。さらに
詳しくは、温度環境のステップ的な急低下により、着衣
などの物体周辺の温度が急低下し相対湿度が急上昇し、
物体の表面において吸湿が起こり、吸湿熱の発生が短時
間おこる。その結果、一時的に表面温度が上昇し、人の
皮膚との温度差が小さくなり、暖かみを感じさせる。
【0004】本発明者らは、上述の如き、人と物体表面
との間での温度特性について研究した結果、夏季に人が
屋外から冷房のきいた屋内へ移動したり、冬季に暖房の
きいた屋内から屋外へ移動したりすることにより、着衣
等の物体の外側の温湿度環境がステップチェンジ(例え
ば、30℃、80%RHから、25℃、50%RHへ変
化)することを知見した。
【0005】従来の測定装置においては、この際の物体
表面における瞬時の温度変化を測定する工夫がなされて
いなかった。従って、上記のような着衣等の物体の外側
の温湿度環境がステップチェンジした時の物体表面で生
じる瞬時の温度特性は、従来まったく知られていない。
【0006】本発明者らは、衣料素材等の表面温度の測
定装置(特開平3−274429号公報)を既に開発し
たが、この装置では、ランプチェンジ(小さい傾斜のあ
る変化、例えば変化率が0.04℃/秒、3%RH/秒
以内)の非定常温湿度環境下にある物体表面の温度変化
を測定することはできるが、温湿度環境のステップチェ
ンジや、その短時間での繰り返し変化下にある物体表面
の温度変化を測定することはできない。
【0007】前述の如く、人が移動したり、環境が変化
することにより、物体の表面領域では温湿度変化のステ
ップチェンジが起こり、物体に吸湿性が備わっている場
合には、温度低下が伴う湿度上昇時は、吸湿により表面
温度が上昇し、温度上昇に伴う湿度低下時は、放湿によ
る温度降下が生じ、どちらも、外環境温度変動に逆らっ
た方向に働くため、人体が受ける温熱ストレスを緩和す
る。また、このことは相対する2面間で生じる輻射熱の
放出に大きく影響することは以下に示すボルツマンの式
からも明らかである。
【0008】放射熱量 R=δ〔(T1+273.15)4−(T2+273.15)4〕・ε kcal/m2h ・・・・・(1) T1 : 物体I表面温度 T2 : 物体II表面温度 δ : ボルツマン定数 4.88×10-8 kcal/m2hk ε : 放射率 温度差30℃以下の場合、次式で近似できる R=hr(Ts−Tr) hr:4.0kcal/m2h℃(人の場合) Ts:皮膚温度 Tr:環境温度 (理工学社「温熱生理学」中山昭雄 編参照)
【0009】例えば、2面間に2.0℃の温度差が生じ
た場合、放射熱量は時間あたりに換算して8.0kcal/m
2hとなり、これは成人の基礎代謝量(40kcal/m2h)の
20%に相当し、その影響は大きい。
【0010】従って、本発明の目的は、人が移動した
り、環境が変化した時などに起こる物体周辺の温湿度環
境のステップチェンジや、日常生活で起こりうるあらゆ
る環境温度の変化によって起こる物体表面の微少な温度
変化をも測定できる、物体の表面温度測定方法及び装置
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を、
下記の物体の表面温度測定方法を提供することにより達
成したものである。サンプルを、その一表面が第1の環
境に存し且つその他表面が第2の環境に存するように配
置し、上記第1の環境は温湿度を可変可能とし、上記第
2の環境は温湿度を短時間で急激に可変可能とし、上記
第1の環境及び(又は)上記第2の環境の温度及び(又
は)湿度を可変させ、その際の上記サンプルの上記一表
面の温度を赤外線放射温度計で測定することを特徴とす
る物体の表面温度測定方法。
【0012】また、本発明は、本発明の上記表面温度測
定方法を実施するための好ましい装置として、下記〜
を装備してなる、物体の表面温度測定装置を提供する
ものである。 空間部A及びそれに連通部2を介して相接した空間
部Bを具備し、該空間部Aには恒温恒湿装置A’が付設
され、該空間部Bには恒温恒湿装置B’及びB”が別個
に付設されており、且つ該恒温恒湿装置B’及びB”そ
れぞれにより調整された温湿度の異なる空気によって、
該空間部Bの温湿度を可変させる機能を有する温湿度環
境可変装置1。 上記空間部Aと上記空間部Bとが相接する上記連通
部に、サンプルを、その一表面が上記空間部Aに存し且
つ、その他表面を上記空間部Bに存するように固定する
サンプル固定部3。 上記空間部Aに付設され、上記サンプルとの間に上記
空間部Aの雰囲気を介在させて上記サンプルの一表面の
温度を測定する赤外線放射温度計6を固定した表面温度
測定部5。
【0013】
【作用】本発明の物体の表面温度測定方法及び装置によ
れば、物体(サンプル)を空間部内に置き、該空間部の
温湿度を可変させることにより、人が移動したり、環境
が変化した時に起こる着衣外の温湿度環境の変化を人為
的に作り出し、該変化によって起こる物体表面の温度変
化を測定できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳述する。
まず、本発明の物体の表面温度測定装置を、図面に示す
実施例について説明する。図1は、本発明の一実施例で
ある物体の表面温度測定装置の概略を示す側面図、図2
は、図1に示す装置を構成する温湿度環境可変装置の概
略を、恒温恒湿装置を省略して示す斜視図、図3は、図
1に示す装置の概略を示す平面図で、図2及び図3は、
何れも温湿度環境可変装置における空気の流れを示す
図、図4は、図1に示す装置における放熱部の概略を示
す側面図である。
【0015】本実施例の物体の表面温度測定装置は、温
湿度環境可変装置1、サンプルの固定部3及び表面温度
測定部5を装備している。上記温湿度環境可変装置1
は、空間部A及びそれに連通部2を介して相接した空間
部Bを具備し、該空間部Aには恒温恒湿装置A’が付設
され、該空間部Bには恒温恒湿装置B’及びB”が別個
に付設されており、且つ該恒温恒湿装置B’及びB”そ
れぞれにより調整された温湿度の異なる空気によって、
該空間部Bの温湿度を可変させる機能を有している。上
記サンプル固定部3は、上記空間部Aと上記空間部Bと
が相接する上記連通部に、サンプルを、その一表面が上
記空間部Aに存し且つ固定するものである。また、上記
表面温度測定部5は、上記空間部Aに付設され、上記サ
ンプルとの間に上記空間部Aの雰囲気を介在させて上記
サンプルの一表面の温度を測定する赤外線放射温度計6
を固定している。
【0016】上記空間部B内には、上記連通部2に対応
させて、上記恒温恒湿装置B’又はB”で調整された異
なった温湿度の空気の流通の切り替えにより、サンプル
の他表面が存する上記空間部Bの温湿度を可変させるた
めの切り替え装置B1 が設けられている。この切り替え
装置B1 は、上記恒温恒湿装置B’、B”でそれぞれ調
整された異なった温湿度の空気の間にある切り替え弁型
の切り替え装置であり、この弁を該恒温恒湿装置B’又
はB”側に倒すことにより、空間部Bの温湿度のステッ
プチェンジを可能にする。そして、この切り替え装置B
1 による切り替えにより、上記空間部(第2の環境)B
は、その温湿度を短時間で急激に、具体的には、少なく
とも温度を1℃/秒以上及び(又は)湿度を5%RH/
秒以上可変可能としてある。
【0017】上記空間部Bの温湿度変動の移行時間を一
層短くするためには、異なった温湿度の空気間で共有す
る壁面を小さくし、熱容量の影響を最少におさえたり、
切り替え弁を断熱構造にすることが好ましい。この切り
替え装置B1 は、切り替え弁以外の公知の方法を用いる
こともできる。
【0018】また、上記温湿度環境可変装置1には、上
記サンプル固定部5の上方に上記空間部Aを介在させ
て、サンプル4への輻射熱を一定にする放熱機能を有す
る放熱部7が設けられており、該放射部7の上方には、
表面温度測定部3において赤外線放射温度計6を固定し
た固定具8が設けられている。
【0019】本実施例の装置について更に詳しく説明す
ると、空間部A及びBに付設されている恒温恒湿装置
A’及びB’、B”のうち、少なくとも恒温恒湿装置
B’とB”は、それぞれにより調整された温湿度の異な
る空気によって空間部Bの温湿度を可変させる機能を有
しており、サンプル固定部3は、サンプル4を、その一
表面が空間部Aに存し且つその他表面が空間部Bに存す
るように連通部2に固定できるようになしてある。温湿
度環境可変装置1における恒温恒湿装置A’及びB’、
B”は、PID制御のものが好ましい。
【0020】尚、恒温恒湿装置A’、B’、B”は、空
間部A及びBの温湿度を可変させる機能を有するものが
好ましいが、可変機能を有しないものであっても良い。
【0021】また、空間部A,Bと恒温恒湿装置A’,
B’又はB”との間では、それぞれ、恒温恒湿装置
A’,B’又はB”により調整された空気を空間部A,
Bにそれぞれ循環ファン9aにより流通させて任意の環
境を該空間部A,B内につくりだす循環装置9がそれぞ
れ設けてある。循環ファン9aは、空気の流れが図3の
矢標に示す如くなるように、空気の流出口9cに設置し
てある。更に空気の流れは、整流装置を用いてサンプル
上で層流となるようにしても良い。恒温恒湿装置A’及
びB’又はB”で調整された空気は、図3の矢標に示す
如く、それぞれ、流入口9bから流入し、サンプル4の
表面上を通過し、循環ファン9aによってそれぞれ恒温
恒湿装置A’及びB’又はB”に戻るようになしてあ
る。また、表面温度測定部5において赤外線放射温度計
6を固定する固定具8は、スライド構造により赤外線放
射温度計6の焦点を合わせることができるようになして
ある。また、該固定具8は、図4に示すように、測定用
光路10を有する放熱部7に接続されている。光路10
の径は、焦点距離と測定角より測定に支障をきたさない
ように設計すれば良く、通常、直径10mm程度である。
また、放熱部7は、図4に示す如く、恒温水の流入口7
a及び流出口7bを有する中空構造で、温度制御された
温水が還流できる構造となしてある。温度制御のための
方法としては、温水還流方式以外の公知の方法を用いる
こともできる。さらに放熱部7の底面には、図4に示す
ように銅板などの熱伝導性のよい放熱板71を設けてあ
る。放熱板71は、サンプル4と相対する面に、皮膚の
放射率に近づける目的で、黒体塗料(例えば、ジャパン
センサー(株)のJSC−1号など)を塗装したものが好
ましい。
【0022】本発明の物体の表面温度測定装置は、前記
の温湿度環境可変装置、前記のサンプル固定部及び
前記の赤外線放射温度計を固定した表面温度測定部を
装備したものであれば、上述の実施例に示したものに制
限されるものでなく、当業者が通常行い得る種々の設計
変更が可能であることは言うまでもない。尚、赤外線放
射温度計6の受光素子としては、サーモパイル、焦電素
子、ボローメータなどが用いられるが、特に焦電素子が
好ましい。
【0023】次に、本発明の物体の表面温度測定方法の
一実施態様を、図1〜図4に示す実施例の装置を用いた
場合について説明する。まず、図1に示す如くサンプル
4を固定部3にセットし、温湿度環境可変装置1の空間
部(第1の環境)Aに、恒温恒湿装置A’で湿度を調整
した所定の定常状態の空気を、循環装置9により図3の
矢標に示す如く流通させる一方、温湿度環境可変装置1
の空間部(第2の環境)Bに、恒温恒湿装置B’又は
B”で調整した所定の空気を交互に流通させる。空間部
Aに流通させる空気は、必要に応じて非定常状態とした
ものでも良い。空気の流通速度は、サンプル4の表面上
での気流速が、0〜100cm/秒となるようにするのが
好ましい。また、空間部A及びBは、気圧差をなくする
ことが好ましいが、必要に応じて空間部A又はBの気圧
を高くし空気がサンプル内を通って空間部Aから空間部
Bに流れるようにすることもできる。一方、放熱部7に
は、30〜37℃の恒温水を還流させ、サンプル4の表
面への輻射熱が一定となるようにして置く。
【0024】本発明の測定方法は、上述の如く、空間部
A及び(又は)Bの環境を可変させ乍ら、その際のサン
プル4の表面温度を、固定具8により焦点を調節した赤
外線放射温度計6により連続的に測定するもので、その
測定結果からサンプル表面の環境変化に対する特性を知
ることができる。
【0025】本発明の物体の表面温度測定方法の測定対
象となるサンプル(物体)は、特に制限されるものでな
く、具体的には、衣料素材、被服、衛生材料などが挙げ
られる。
【0026】次に、試験例を挙げて本発明の物体の表面
温度測定方法及び装置による効果を具体的に説明する。 〔試験例1〕 ・サンプル 吸湿性を有する物質、特に繊維類は、集合体とした時の
熱伝導率が小さく断熱材として利用されている。天然繊
維は合成繊維に比較して吸湿性に差があることが知られ
ているが、その働きについて詳しく研究されていない。
吸湿は相対湿度が高いほど多いことが知られている。吸
湿によって発熱が起こることも公知のことである。さら
に、繊維の表面でどの程度の温度変化があるか測定する
装置のうち、環境温湿度変化のランプチェンジに対する
温度変化を測定する装置はあるが、環境温湿度変化のス
テップチェンジや、その繰り返しに対する微少な温度変
化を測定する装置は知られていない。従って、サンプル
としては、高吸湿性の代表として木綿織布を、また低吸
湿性の代表としてポリエステル織布を用いた。
【0027】・物体の表面温度測定装置 図1〜図4に示す実施例の物体の表面温度測定装置を用
いた。尚、恒温恒湿装置A’として、ヤマト科学(株)
小型恒温恒湿度器IW220C、恒温恒湿装置B’のコ
ントローラーとしてRKC理化工業株式会社製のREX
−F4、恒温恒湿装置B’としてヤマト科学株式会社製
のHUMIDIC CHAMBER IG−46M、赤
外線放射温度計6としてミノルタカメラ株式会社製の放
射温度計TR−0506Cを用い、赤外線放射温度計6
のセンサー部とサンプル表面の距離を固定具により17
0mmに調整し、測定光路10の内径を10mmとし、材質
を銅とし内面を磨いて放射率を小さくした。また、放熱
板とサンプルとの距離は、10mmとし、放熱板は、サン
プルと相対する面に、ジャパンセンサー株式会社製の黒
体塗料JSC−1号を塗装したものを用いた。
【0028】・物体の表面温度測定方法 上記装置を用い、そのサンプル固定部3に木綿織布又は
ポリエステル織布を固定し、空間部Bの温度を図5の
(a)のグラフに示すように可変させながら、上記木綿織
布及びポリエステル織布それぞれの一表面(空間部Aに
存する表面)の温度変化を赤外線放射温度計で連続的に
測定した。それらの結果を図5の(b)に示す。尚、空間
部Aに流通させる空気の温湿度は一定とした(温度32
℃、湿度50%RH)。
【0029】
【発明の効果】本発明の物体の表面温度測定方法及び装
置によれば、人が移動したり、環境が変化した時などに
起こる着衣等の物体の外側の温湿度環境を人為的に作り
出し、該環境の変化によって起こる物体表面の微少な温
度変化を測定でき、人と物体間での熱量移動を定量的に
求めることができるため、人が移動したり、環境が変化
した時に感じる感覚(冷感、温暖感など)を定量化でき
る。その結果、本発明の物体の表面温度測定方法及び装
置は、特に次のような開発に利用できる。即ち、衣料素
材の着用時や衛生材料の装着時を想定した衣内表面温度
の測定をし、輻射熱量を算出することから、暖かみまた
は涼感のある衣料素材の開発、繊維組織の設計又はその
加工剤の開発ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である物体の表面温度測定装
置の概略を示す側面図である。
【図2】図1に示す装置を構成する温湿度環境可変装置
の概略を、恒温恒湿装置を省略して示す斜視図で、温湿
度環境可変装置における空気の流れを示す図である。
【図3】図1に示す装置の概略を示す平面図で、温湿度
環境可変装置における空気の流れを示す図である。
【図4】図4は、図1に示す装置における放熱部の概略
を示す側面図である。
【図5】図5は、空間部B内の温度変化(a)と該温度変
化に対応する木綿織布及びポリエステル織布の表面温度
変化(b)との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
A・・空間部(第1の環境) B・・空間部(第2の環境) A',B',B”・・恒温恒湿装置、 1・・温湿度環境可変装置、 2・・連通部 3・・サンプル固定部 4・・サンプル 5・・表面温度測定部 6・・赤外線放射温度計 7・・放熱部 8・・固定具 9・・循環装置 10・・測定用光路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプルを、その一表面が第1の環境に
    存し且つその他表面が第2の環境に存するように配置
    し、上記第1の環境は温湿度を可変可能とし、上記第2
    の環境は温湿度を短時間で急激に可変可能とし、上記第
    1の環境及び(又は)上記第2の環境の温度及び(又
    は)湿度を可変させ、その際の上記サンプルの上記一表
    面の温度を赤外線放射温度計で測定することを特徴とす
    る物体の表面温度測定方法。
  2. 【請求項2】 上記第2の環境は少なくとも温度を1℃
    /秒以上及び(又は)湿度を5%RH/秒以上可変可能
    としてある請求項1記載の物体の表面温度測定方法。
  3. 【請求項3】 下記〜を装備してなる、物体の表面
    温度測定装置。 空間部A及びそれに連通部2を介して相接した空間
    部Bを具備し、該空間部Aには恒温恒湿装置A’が付設
    され、該空間部Bには恒温恒湿装置B’及びB”が別個
    に付設されており、且つ該恒温恒湿装置B’及びB”そ
    れぞれにより調整された温湿度の異なる空気によって、
    該空間部Bの温湿度を可変させる機能を有する温湿度環
    境可変装置1。 上記空間部Aと上記空間部Bとが相接する上記連通
    部に、サンプルを、その一表面が上記空間部Aに存し且
    つその他表面を上記空間部Bに存するように固定するサ
    ンプル固定部3。 上記空間部Aに付設され、上記サンプルとの間に上
    記空間部Aの雰囲気を介在させて上記サンプルの一表面
    の温度を測定する赤外線放射温度計6を固定した表面温
    度測定部5。
  4. 【請求項4】 上記恒温恒湿装置B’又はB”で調整さ
    れた異なった温湿度の空気の流通の切り替えにより、サ
    ンプルの他表面が存する上記空間部Bの温湿度を可変さ
    せるための切り替え装置B1 を、上記空間部B内に有す
    る請求項3記載の物体の表面温度測定装置。
  5. 【請求項5】 上記サンプルの表面への輻射熱を一定に
    する放熱機能を有する放熱部7が設けられている、請求
    項3記載の物体の表面温度測定装置。
  6. 【請求項6】 上記恒温恒湿装置A’及びB’又はB”
    によりそれぞれ調整された空気をそれぞれ上記空間部A
    及びBに流通させる循環装置9が設けられている、請求
    項3記載の物体の表面温度測定装置。
  7. 【請求項7】 上記循環装置9が、空気を上記空間部A
    及びBそれぞれに流入させる流入口、及び上記空間部A
    及びBの空気をそれぞれ流出させる流出口を有し、且つ
    流出口にそれぞれ循環用ファン9aを備えている、請求
    項6記載の物体の表面温度測定装置。
  8. 【請求項8】 上記表面温度測定部5において上記赤外
    線放射温度計6を固定した固定具8が、スライド構造に
    より上記赤外線放射温度計6の焦点合せ機能を有する、
    請求項3記載の物体の表面温度測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8162538B2 (en) 2007-07-09 2012-04-24 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Temperature-measuring member, temperature-measuring device, and method for measuring temperature
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