JPH09512639A - 作動部材の移動調節距離を検出する距離センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 回転する駆動エレメントによって駆動される作動部材の移動調節距離を検出する距離センサであって、駆動エレメントによって駆動される、切換カム（１９）を備えた第１の切換車（１３）と、環状の歯列（２０）を備えた回転可能な第２の切換車（１５）とを有するステップ・バイ・ステップ式切換装置（１１）と、第２の切換車（１５）の回転位置を検出するための装置（１２）とが設けられているものにおいて、騒音を大幅に減衰するために、第２の切換車（１５）に設けられた歯列（２０）とこの歯列（２０）に係合する切換カム（１９）とが大面積に形成されていて、両切換車（１３，１５）が、両切換車（１３，１５）の、互いに隣接する面が反発し合うように磁化されている（第２図）。

Description

【発明の詳細な説明】 作動部材の移動調節距離を検出する距離センサ 背景技術 本発明は、請求項１の上位概念に規定された形式の、回転する駆動エレメント 、特に伝動装置出力軸によって駆動される、特に自動車に設けられたスライド式 屋根の作動部材の移動調節距離を検出する距離センサに関する。 このような距離センサは、駆動ユニットの制御の際及び位置検出の際に、駆動 ユニットによって駆動される作動部材の作動距離を駆動ユニット内で検出するた めに使用される。この場合、組み込まれたステップ・バイ・ステップ式切換装置 によって、高い位置決め精度が達成可能である。汎用のステップ・バイ・ステッ プ式切換装置の場合には、第２の切換車のステップ・バイ・ステップ式の回転連 行時に、第１の切換車に配置された切換カムが第２の切換車の歯列の歯面に当接 した際に、はっきりと耳障りな衝撃騒音が生じる。この騒音は、迅速に次々と切 り換えする際に著しい騒音となる。この騒音発生のために、このような距離セン サは、十分に騒音が減衰されていることが要求される幾つかの使用範囲において 使用することができない。 発明の利点 これに対して、請求項１の特徴部に記載の本発明による距離センサは、組み込 まれたステップ・バイ・ステップ式切換装置が完全に無騒音で作動するという利 点を有している。両切換車間において反発作用する合成磁力を有するように切換 車を磁化することによって、切換カムの係合面と歯列との間に常に空隙が残る。 空隙は、両係合面の相互の衝突を阻止する。第２の切換車は、第１の切換車の切 換カムによって、切換カムの１切換ステップ後に再び第２の切換車の歯列から進 出するまで、反発磁力に基づき音を立てずに駆動される。このことは、第２の切 換車における負荷モーメントが公称トルクよりも際立って大きくない場合に云え る。例えば軸受けの損傷、汚染、又は氷結に基づき第２の切換車を回転させるた めに磁力がもはや十分でなく、第２の切換車の運動が著しく困難な場合には、切 換カムが、空隙を克服して歯列の歯面に当接する。この場合、当然ながら周知の 衝撃騒音が発生する。しかしこれは一時的な非常運転なので、この騒音発生は許 容範囲内である。従って本発明による距離センサは、切換車の運動が困難な時で も作動部材の移動調節のための非常運転を可能にするという付加的な利点も有し ている。 別の請求項に記載された措置によって、請求項１に記載された距離センサの有 利な別の構成及び改善が可能となる。 本発明の有利な構成によれば、両切換車は、同じ磁化方向で軸方向又は半径方 向に磁化されており、この場合、車中心にＮ極又はＳ極を有する半径方向磁化が より効果的であることが判った。切換車は、この場合、有利にはプラストフェラ イト（Plastoferrit）又はプラストフェライトとプラスチックとの複合物から成 る射出成形材として形成されている。しかし択一的に、切換車に、案内薄板と相 まった輪形磁石を設けることもできる。案内薄板のジオメトリ形状は、外歯列若 しくは切換カムの外輪郭に対応して形成される。 本発明の有利な構成によれば、第２の切換車の歯列は、第２の切換車の周面に 軸方向で互いに直接に相前後して配置された、互いに等しく形成された２つの外 歯列に分割されている。各歯列は、互いに同じ円周角だけずらされた、有利には 先のとがった歯先を有しており、これらの歯先が、連続的に互いに内外に移行し 合う円弧状の歯面によって互いに結合されている。両外歯列は、互いに半ピッチ だけずらして回動されて、且つ、互いに固定的に配属されて配置されている。 第２の切換車の前記構成に対応して、第１の切換車は、円弧状の半径方向フラ ンジを支持しており、半径方向フランジは、第２の切換車に設けられた一方の外 歯列だけに係合し、半径方向フランジの周面は、半径方向の空隙間隔を保って前 記外歯列の歯面に向き合っている。半径方向フランジは、切換カムの範囲で内方 に引き込まれている。 切換カムは、第１の切換車に軸方向で突設された第１のカム部分と、フランジ 引き込み部の制限面によって形成された第２のカム部分とを有している。第１の カム部分は、第２の切換車に設けられ且つ半円形の外輪郭を備えた他方の外歯列 だけに係合する。両カム部分は、両カム部分が第１の切換車の回転時に相次いで それぞれ対応する外歯列に係合し、この場合第１のカム部分が前記他方の外歯列 から進出したときに第２のカム部分が前記一方の外歯列に進入するように、相互 に配置されている。 上記の建設的な構成によって、第２の切換車の切換えも、引き続き第２の切換 車を次の切換ステップまでロックすることも、第１の切換車と第２の切換車との 直接に互いに近傍を回転し且つ互いに空隙を挟んで向き合う外面同士が接触する ことなく行うことができる。第１の切換カムが、一方の外歯列に係合することに よって第２の切換車の切換ステップを開始する間に（この切換ステップは第２の カム部分が他方の外歯列に係合することによって終了される）、円弧状の半径方 向フランジが回転して外歯列の互いに連続する２つの歯先の間の歯面範囲に入り 込むことによって、第２の切換車が、切換カムの第１のカム部分が対応する外歯 列に入り込むと同時に半径方向フランジが外歯列から進出するまでの間、ロック される。 本発明の有利な実施例によれば、第２の切換車の回転位置のための検出装置は 、磁気的なセンサユニットである。このセンサユニットは、回転する切換車の磁 界における変化を検出する。従って、第２の切換車の回転位置検出も、無接触・ 無騒音で行われる。 本発明の有利な実施例では、磁気的なセンサユニットは、第２の切換車の磁界 で互いに回転角度間隔を保って配置された少なくとも２つのホールセンサ又はホ ールスイッチと、第２の切換車に配置された磁気的な不均質部とを有している。 この不均質部は、各１つのホールセンサ又はホールスイッチのうちの１つに接近 して整直した場合に、その都度ホールセンサ又はホールスイッチの出力信号の変 化を生ぜしめる。両ホールセンサの出力信号は評価される。停止信号は、ホール センサがホールセンサの出力信号を変化させるとすぐに発信される。このことは 、磁気的な不均質部がホールセンサとほぼ整直した場合に云える。両ホールセン サの相互の配置は、第２の切換車の移動調節ステップの数ひいては作動部材の移 動調節距離を生ぜしめる。第１の切換車に設けられた切換カムの場合には、第２ の切換車を更に送るためにそれぞれ３６０°の切換ステップだけ回転しなければ ならない。従って移動調節距離の解像能は３６０°である。 １８０°だけの移動調節距離の改善された解像能は、本発明の別の構成によれ ば、次のような構成によっ て達成された。即ち、センサユニットが付加的に、第１の切換車の磁界に配置さ れた別のホールセンサ又はホールスイッチと、第１の切換車に切換カムの範囲で 配置された磁気的な不均質部とを有しており、この不均質部が、別のホールセン サに接近して整直した場合に前記別のホールセンサの出力信号の変化を生ぜしめ る。第１の切換車に対応するホールセンサの出力信号と、第２の切換車に対応す るその都度１つのホールセンサとが論理的にＡＮＤ結合されると、駆動エレメン トを停止させるための停止信号は、第２の切換車に設けられた制限された不均質 部が両ホールセンサのうちの一方に向けられ、且つ第１の切換車の制限された不 均質部が前記別のホールセンサに向けられた場合だけに、出力される。 本発明の有利な構成によれば、切換車に設けられた、空間的に制限された磁気 的な不均質部は、この場所に設けられたセグメント状の隆起部又は凹部によって 実現される。切換車が軸方向で磁化されている場合には、セグメント状の隆起部 が、有利には、各切換車の回転軸線から半径方向間隔を保って各回転車から軸方 向で突出するように設けられた、円セグメント状の横断面を備えた一体的な角柱 体によって実現され、ホールセンサが、対応する切換車から軸方向間隔を保って プリント配線板に配置されている。角柱体がその都度ホールセンサの下方に位置 すると、このことによって もたらされる磁界変化が、対応するホールセンサの出力信号の変化を生ぜしめる 。角柱体は、第２の切換車における各角柱体が、ほぼ第１の切換車の半径方向フ ランジに係合する外歯列のピッチにわたって延び、且つ、第１の切換車における 角柱体が半径方向フランジの引き込み部を越えて延びるように形成されている。 切換カムの第１のカム部分の半円形の外輪郭の、第１の切換車の回転軸線からの 最大半径方向間隔と、円弧状のフランジの外半径とは、同じ大きさである。 図面 本発明は、図面に示した実施例に基づき以下の記述で詳しく説明される。 第１図 自動車のスライド式屋根のための距離センサの側面図である。 第２図 第１図に基づく距離センサに組み込まれたステップ・バイ・ステップ 式切換装置の、第１図の矢印方向ＩＩで見た平面図である。 実施例の説明 第１図に側面図で示した距離センサは、自動車に設けられた、電気的な駆動ユ ニットによって開閉又は昇降されるスライド式屋根の目下の屋根スライド位置を 検出するために働く。屋根スライド位置は直接にスライド式屋根において検出す ることができないので、位置検出は、駆動ユニットに設けられた位置センサによ って行われる。駆動ユニットは、公知のように電動モ ータと伝動装置とから成っており、伝動装置の出力ピニオンは、直接にスライド 式屋根の運動を生ぜしめる。駆動ユニットからは、第１図に出力ピニオン１０だ けが図示されている。 距離センサは、ステップ・バイ・ステップ式切換装置１１と、ステップ・バイ ・ステップ式切換装置１１の回転位置を検出するための装置とを有している。こ の装置は、以下で回転位置検出装置１２と呼ばれる。ステップ・バイ・ステップ 式切換装置１１には、第１の切換車１３が所属している。第１の切換車１３は、 出力ピニオン１０の軸１４に相対回動不能に嵌められている。更にステップ・バ イ・ステップ式切換装置１１には第２の切換車１５が所属しており、第２の切換 車１５は、軸１４に対して平行な回転軸線１６を中心に回転可能に配置されてい る。このためには、第２の切換車１５は回転可能に、受容部１７に保持された軸 １８に嵌められている。第２図から判るように、第１の切換車１３は切換カム１ ９を支持しており、第２の切換車１５は環状の歯列２０を有している。歯列２０ には、第１の切換車１３の各回転時に切換カム１９が一時的に係合し、このこと によって第２の切換車１５が、規定の回転角度を有する１切換ステップだけさら に回転する。両切換車１３，１５は、軸方向で、詳しく言えば同じ磁化方向で磁 化されている。両切換車１３，１５の磁化方向は、第１図にＮ−Ｓで示されてい る。両切換車１３，１５は、それぞれ射出成形材としてプラストフェライトから 製造されている。 詳細に見ると、第２の切換車１５の歯列２０は、第２の切換車１５の周面に軸 方向で直接に相前後して配置された２つの外歯列２０１，２０２に分割されてい る。両外歯列２０１，２０２は、同一に形成されている。各外歯列２０１；２０ ２は、同じ円周角だけ互いにずらされた、先のとがった複数の歯先２１を有して いる。これらの歯先２１は、円弧状の、それぞれ歯先２１に対して対称的に延び る歯面２３，２３を介して互いに結合されている。互いに相前後する歯の歯面２ ２，２３は連続的に互いに内外に移行しているので、歯先２１から歯先２１まで 、２つの歯面２２，２３から構成される円弧状の面が延びている。両歯列２０１ ，２０２は、互いに半ピッチだけずらされて互いに対して固定的に配属されて配 置されている。歯のずれを判りやすくするために、歯列２０２の歯先２１´と歯 面２２´，２３´との符号は、「′」を有している。ピッチは、歯先２１；２１ ´の相互の間隔によって規定され、回転角度と呼ばれる。ピッチは、第２図にお いてはｔで示されていて、両外歯列２０１，２０２において一定である。 第１の切換車１３は、円弧状の半径方向フランジ２４を支持している。半径方 向フランジ２４は、外歯列２０２だけに係合する。第１の切換車１３の外面は、 第２図から判るように、半径方向の空隙２５を保って外歯列２０２の歯面２２´ ，２３´に向き合って位置している。切換カム１９の範囲では、半径方向フラン ジ２４は、半径方向フランジ２４のフランジ半径が徐々に最小になるように半径 方向対称的に内方に引き込まれている。切換カム１９は、第１の切換車１３に設 けられた、第２の切換車１５に設けられた外歯列２０１だけに係合するための半 径方向で突出した第１のカム部分１９１と、フランジ引き込み部の制限面２４１ ，２４２によって形成された第２のカム部分１９２とを有している。第１のカム 部分１９１は、ほぼ半円形の外輪郭を有している。第１のカム部分１９１の、第 １の切換車１３の回転軸線２６からの最大間隔は、半径方向フランジ２４の外直 径と同じである。両カム部分１９１，１９２は、第１の切換車１３に、次のよう に互いに配置されている。即ち、両カム部分１９１，１９２が、第１の切換車１ ３の回転時に相前後してそれぞれ、第２の切換車１５に設けられた対応する外歯 列２０１；２０２に、歯面２２，２３；２２´２３´に対して空隙間隔を保って 係合するようになっている。この場合、第２のカム部分１９２は、第１のカム部 分１９１が対応する外歯列２０１から進出した時に、対応する外歯列２０２に進 入する。 ステップ・バイ・ステップ式切換装置１１の機能形式は、以下の通りである。 第１の切換車１３の停止状態では、半径方向フランジ２４は、対応する外歯列 ２０２に係合している。この場合、両切換車１３，１５の同じ軸方向の磁化方向 によって、両切換車１３，１５の間に、合成磁力が生じる。このことによって、 両切換車１３，１５は互いに反発しあう。このことによって空隙２５が維持され 、半径方向フランジ２４の外面による歯面２２′，２３′への接触が阻止される 。空隙２５と歯面２２，′２３′とを介して、半径方向フランジ２４によって、 第２の切換車１５は第１の切換車１３の停止時に回転しないようにロックされて いる。駆動ユニットが回路接続され出力ピニオン１０がスライド式屋根を移動調 節させると、第１の切換車１３の（例えば第２図で見て逆時計回り方向への）各 回転時に、まず第１のカム部分１９１は、このカム部分１９１に対応する外歯列 ２０１に係合し、且つ、合成された反発磁力によって生ぜしめられた、第１のカ ム部分１９１の外輪郭と歯面２３との間の空隙２５を介して、第２の切換車１５ を、まず半切換ステップだけ押し進める。この半切換ステップは、外歯列２０１ の半ピッチに対応する。この場合、第１のカム部分１９１が外歯列２０１から進 出して、同時に第２のカム部分１９２が対応する外歯列２０２に係合する。両切 換車１３，１５の間で合成された反発磁力によって、フランジ引き込み部の制限 面２４１と外歯列２０２の歯面２３′との間にやはり 空隙２５が残るので、第２のカム部分１９２も歯面２３′に接触しない。従って 第２のカム部分１９２は無接触で第２の切換車１５を、第２のカム部分１９２が 再び外歯列２０２から進出するまで、更に半切換ステップだけ回転させる。従っ て、第２の切換車１５は１切換ステップだけ更に回転させられた。１切換ステッ プは、規定の回転角度に相当し、外歯列２０１，２０２のピッチｔと同じである 。第１の切換車１３は次に回転する際に、上記の過程を繰り返す。 このことから判るように、第２の切換車１５は第１の切換車１３によってステ ップ毎に機械的に回転させられる。しかし、この場合、切換カム１９と歯列２０ との大面積の構成と両切換車１３，１５の同じ磁化方向とによって、切換カム１ ９と歯列２０との係合面（この係合面は、第２の切換車１５の機械的な切換を生 ぜしめる）が互いに接触しない。このことは、第２の切換車１５に公称トルクよ りも際立って大きな負荷モーメントが生じない場合に云える。しかし、第２の切 換車１５が、例えば氷結、軸受けの損傷、又は軸受けの汚染によって極めて運動 が困難になると、切換車１３，１５の間の合成磁力は、切換カム１９と歯列２０ との間の空隙２５を維持するためにはもはや十分でない。この場合、切換カム１ ９が、外歯列２０１，２０２の対応する歯面２３，２３′に当接し、第２の切換 車１５が、切換カム１９と歯列２０との間の面接触に よって強制的に回転させられる。 駆動ユニットの電動モータの逆の回転方向の場合には、軸１４ひいては第１の 切換車１３は、第２図で見て時計回り方向に回転する。第２の切換車１５を連行 するための切換過程は、上記と同様であるが、次のような相違点がある。即ちこ の場合は、各回転時に切換カム１９が、歯面２２，２２′を介して第２の切換車 １５を１切換ステップだけ逆時計回り方向に運動させる。 切換車１３，１５の磁化に基づき、回転位置検出装置１２は有利には磁気的な センサユニットとして形成されており、このセンサユニットは、回転する切換車 １３，１５の磁界における変化を検出し、ひいては第２の切換車１５の回転位置 を検出する。センサユニットは、第２の切換車１５の磁界に配置された３つのホ ールセンサ又はホールスイッチ２７，２８，２９と、第２の切換車１５に配置さ れた磁気的な不均質部とを有している。この不均質部は、第１図及び第２図に示 した実施例では、円セグメント状の横断面を備えた角柱体３０として形成されて いる。角柱体３０は、第２の切換車１５の回転軸線１６から半径方向間隔を保っ て、第２の切換車１５から軸方向で突出している。しかし、磁気的な不均質部は 、違う構成の隆起部によって実現することもできるし、又は第２の切換車１５に 凹部を設けることによって実現することもできる。ホ ールセンサ２７，２８，２９は、プリント配線板３１に配置されている。プリン ト配線板３１は、切換車１３，１５から間隔を保って空間的に固定されて配置さ れている。ホールセンサ２７，２８，２９は、この場合、プリント配線板３１の 、第２の切換車１５の方を向いた下面に配置されている。第１図では、ホールセ ンサ２７，２９だけを見て取ることができる。３つのホールセンサ２７，２８， ２９のプリント配線板３１上の位置を判りやすくするために、第２図にはホール センサ２７，２８，２９が付加的に図示されている。これらのホールセンサ２７ ，２８，２９は、第２の切換車１５から軸方向間隔を保って位置するように設け られなければならない。 ホールセンサ２７，２８，２９の作用形式は公知であり、例えば米国特許第４ ８５７７８４号明細書にも記載されている。簡単に述べると、各ホールセンサ２ ７，２８，２９は、ホールセンサ２７，２８，２９がさらされている磁界が変化 すると、各自の電気的な出力信号を変化させる。磁界の変化は、角柱体３０が、 第１図のホールセンサ２７に関して図示されているように、その都度１つのホー ルセンサ２７，２８，２９に対してほぼ軸方向で整直させられた際に、角柱体３ ０によって生ぜしめられる。電子回路（図示せず）は、ホールセンサ２７，２８ ，２９の出力信号を評価し、角柱体３０がホールセンサ２７；２８；２９の下方 に位置すると同時に、駆動ユニットの電動モータを停止させる。ホールセンサ２ ７，２８，２９の、第２の切換車１５上に分配された相互の配置は、第２の切換 車１５の切換ステップの数を生ぜしめ、ひいては、出力ピニオン１０によるスラ イド式屋根の移動調節距離を生ぜしめる。第２図から判るように、例えば第２の 切換車１５は、ホールセンサ２８の出力信号が電動モータの停止をもたらす前に 、８切換ステップだけ回転させられる。 第１の切換車１３がその都度完全に１回転しなければならないので、第２の切 換車１５は１切換ステップだけ回転させられ、分解能は３６０°の移動調節距離 にわたる。この場合、１８０°の移動調節距離にわたるより良好な分解能に達す るためには、磁気的なセンサユニットが、プリント配線板３１に配置された、第 １の切換車１３に対応する第４のホールセンサ３２と、第１の切換車１３に切換 カム１９の範囲で設けられた磁気的な不均質部とを有している。この不均質部は 、やはり角柱体３３によって実現することができる。この角柱体３３は、円セグ メント状の横断面を有していて、第１の切換車１３の回転軸線２６から半径方向 間隔を保って第１の切換車１３に一体的に軸方向で突出するように配置されてい る。角柱体３３はこの場合、制限面２４１，２４２を備えた、第１の切換車１３ に設けられた半径方向フランジ２４の引き込み部を幾 分越えて延びており、これに対して第２の切換車１５に一体的に軸方向に突出す るように設けられた角柱体３０は、外歯列２０２のピッチよりも幾分少なく延び ている。両角柱体３０，３３は、この場合半径方向対称的に配置されている。ホ ールセンサ３２も、第１図に示されているように角柱体３３が軸方向でホールセ ンサ３２の下方に位置すると同時に、ホールセンサ３２の出力信号を変化させる 。電子回路は、ホールセンサ３２の出力信号を、それぞれホールセンサ２７，２ ８又は２９の出力信号に、論理的なＡＮＤ素子によって結合させる。従って、駆 動ユニットの電動モータは、ホールセンサ２７又はホールセンサ２８又はホール センサ２９とホールセンサ３２との両方がそれぞれの出力信号を変化させた時、 即ち角柱体３３がホールセンサ３２の下方に、角柱体３０がホールセンサ２７， ２８又は２９の下方に位置した時に、停止させられる。第２の切換車１５に対応 するホールセンサ２７，２８，２９の数と、これらのホールセンサ２７，２８， ２９の第２の切換車１５の円周にわたる分配は任意であり、スライド式屋根の、 実現したいスライド距離に関連している。 本発明は、説明したような、自動車に設けられたスライド式屋根のための距離 センサの実施例に制限されない。従って、本発明による距離センサは、任意の作 動部材の移動調節距離を検出するために使用すること ができる。当然ながら、回転位置検出装置として磁気的なセンサユニットを使用 せずに、例えば第２の切換車に相対回動不能に結合されたカウンタを使用するこ とも可能である。しかし磁気的なセンサユニットは、第２の切換車の、同様に無 接触でひいては無騒音の回転角度検出の利点を有している。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．回転する駆動エレメント、特に伝動装置出力ピニオン（１０）によって駆 動される、特に自動車に設けられたスライド式屋根の作動部材の移動調節距離を 検出する距離センサであって、ステップ・バイ・ステップ式切換装置（１１）が 設けられており、該ステップ・バイ・ステップ式切換装置（１１）が、相対回動 不能に駆動エレメントに結合された第１の切換車（１３）と、駆動エレメントに 対して軸平行な回転軸線（１６）を中心にして回転可能な第２の切換車（１５） とを有しており、第１の切換車（１３）に、少なくとも１つの切換カム（１９） が配置されており、第２の回転車（１５）が、少なくとも１つの切換カム（１９ ）と協働する環状の歯列（２０）を支持しており、第２の切換車（１５）が、第 １の切換車（１３）の各回転時に切換カム（１９）が前記歯列（２０）に一時的 に係合することによって、その都度規定の回転角度を有する少なくとも１つの切 換ステップだけ回転させられ、第２の回転車（１５）の回転位置を検出するため の装置（１２）が設けられている形式のものにおいて、前記歯列（２０）と、該 歯列（２０）に係合する前記切換カム（１９）とが大面積に形成されており、両 切換車（１３，１５）が、両切換車（１３，１５）のそれぞれ直接に互いに隣接 し合う面が互いに反発する ように磁化されていることを特徴とする、作動部材の移動調節距離を検出する距 離センサ。 ２．両切換車（１３，１５）が軸方向又は半径方向で同じ磁化方向に磁化され ている、請求項１記載の距離センサ。 ３．切換車（１３，１５）が、プラストフェライト又はプラストフェライトと プラスチックとの複合物から成る射出成形材として形成されている、請求項１又 は２記載の距離センサ。 ４．第２の切換車（１５）の歯列（２０）が、軸方向で直接に相前後して第２ の切換車（１５）の周面に配置された、互いに等しく形成された２つの外歯列（ ２０１，２０２）に分割されており、各外歯列（２０１，２０２）が、互いに等 しい円周角だけずらされた、有利には先のとがった複数の歯先（２１，２１′） を有しており、これらの歯先（２１，２１′）が、連続的に互いに内外に移行し 合う円弧状の歯面（２２，２３；２２′２３′）によって互いに結合されており 、両外歯列（２０１，２０２）が、互いに半ピッチ（ｔ）だけずらして回動させ られて互いに固定的に配属されて配置されている、請求項１から３までのいずれ か１項記載の距離センサ。 ５．第１の切換車（１３）が円弧状の半径方向フランジ（２４）を支持してお り、該半径方向フランジ（２４）が、第２の切換車（１５）に設けられた一方の 外歯列（２０２）だけに係合し、半径方向フランジ（２４）の周面が、半径方向 の空隙間隔を保って前記外歯列（２０２）の歯面（２２′，２３′）に向き合っ ており、半径方向フランジ（２４）が、切換カム（１９）の範囲で半径方向対称 的に、半径方向フランジ（２４）のフランジ半径が徐々に最小になるように内方 に引き込まれており、切換カム（１９）が、第１の切換車（１３）に半径方向で 突設された第１のカム部分（１９１）と、フランジ引き込み部の制限面（２４１ ，２４２）によって形成された第２のカム部分（１９２）とを有しており、第１ のカム部分（１９１）が、第２の切換車（１５）に設けられた他方の外歯列（２ ０１）だけに係合し、且つ半円形の外輪郭を有しており、該外輪郭の、第１の切 換車（１３）の回転軸線（２６）からの最大半径方向間隔が、半径方向フランジ （２４）の外直径と同じであり、切換カム（１９）の両カム部分（１９１，１９ ２）が、相互の配置に基づき、両カム部分（１９１，１９２）が第１の切換車（ １３）の回転時に、第２の切換車（１５）に設けられたそれぞれ対応する外歯列 （２０１；２０２）に、歯面（２２，２３；２２′，２３′）への空隙間隔を保 って相次いで係合し、この場合第２のカム部分（１９２）が、第１のカム部分（ １９１）が前記他方の外歯列（２０１）から進出したときに前記一方の外歯列（ ２０２）に進入するようになっている、請求項４記載 の距離センサ。 ６．第２の切換車（１５）の回転位置の検出装置（１２）が磁気的なセンサユ ニットであり、該センサユニットが、回転する切換車（１３，１５）の磁界にお ける変化を検出するようになっている、請求項１から５までのいずれか１項記載 の距離センサ。 ７．センサユニットが、第２の切換車（１５）の磁界で互いに回転角度間隔を 保って配置された少なくとも２つのホールセンサ（２７，２８，２９）と、第２ の切換車（１５）に配置された磁気的な不均質部とを有しており、該不均質部が 、ホールセンサ（２７，２８，２９）のうちの１つに接近して整直した場合にそ の都度ホールセンサ（２７，２８，２９）の出力信号の変化を生ぜしめるように なっている、請求項６記載の距離センサ。 ８．センサユニットが、第１の切換車（１３）の磁界に配置された別のホール センサ（３２）と、第１の切換車（１３）に切換カム（１９）の範囲で配置され た磁気的な不均質部とを有しており、該不均質部が、前記別のホールセンサ（３ ２）に接近して整直した場合に該ホールセンサ（３２）の出力信号の変化を生ぜ しめ、第１の切換車（１３）に対応するホールセンサ（３２）の出力信号と、第 ２の切換車（１５）に対応するホールセンサ（２７，２８，２９）のうちの各１ つとが論理的にＡＮＤ結合されている、請求項７記載 の距離センサ。 ９．前記不均質部が、切換車（１３，１５）に設けられたセグメント状の隆起 部又は凹部によって実現されている、請求項７又は８記載の距離センサ。 １０．切換車（１３，１５）が軸方向で磁化されている場合に、ホールセンサ （２７，２８，２９，３３）が、対応する切換車（１３，１５）から軸方向間隔 を保って空間的に固定されて、有利にはプリント配線板（３１）に配置されてお り、切換車（１３，１５）に設けられたセグメント状の前記隆起部が、それぞれ 各切換車（１３，１５）の回転軸線（１６，２６）から半径方向間隔を保って各 切換車（１３，１５）から軸方向で突出するように設けられた一体的な角柱体（ ３０，３３）として、有利には円セグメント状の横断面に形成されている、請求 項９記載の距離センサ。