JPH09512008A - うっ血性心不全を治療するための、成長ホルモンとインスリン様成長因子との組み合わせ - Google Patents

うっ血性心不全を治療するための、成長ホルモンとインスリン様成長因子との組み合わせ

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JPH09512008A JP7526975A JP52697595A JPH09512008A JP H09512008 A JPH09512008 A JP H09512008A JP 7526975 A JP7526975 A JP 7526975A JP 52697595 A JP52697595 A JP 52697595A JP H09512008 A JPH09512008 A JP H09512008A
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Abstract

(57)【要約】 うっ血性心不全に罹っている哺乳動物における心筋の収縮性および心臓の性能を高める方法を開示する。第一の方法では、成長ホルモン(GH)とインスリン様成長因子(IGF−I)との組み合わせの有効量を哺乳動物に投与することにより、うっ血性心不全に罹っている哺乳動物を治療する。第二の方法は、ACE阻害剤の存在下、GHとIGF−Iとの組み合わせの有効量を哺乳動物に投与することからなる。この方法は、ACE阻害剤を単独で用いて得られるレベル以上に、心筋の収縮性およひ心臓の性能の向上を起こす。好ましくは、哺乳動物はヒトである。

Description

【発明の詳細な説明】 うっ血性心不全を治療するための、 成長ホルモンとインスリン様成長因子との組み合わせ 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤の存在下または不存在下 、成長ホルモンおよびインスリン様成長因子Iを用いて、うっ血性心不全に罹っ ている患者を治療する分野に関する。 2.関連技術の説明 インビトロにおける研究は、ラットでのGH分泌腫の移植による成長ホルモン (GH)の慢性分泌過多が、低いATPアーゼ活性V3アイソフォーム(isoform) へのイソミオシンパターンの著しいシフトにもかかわらず、分離された心臓の乳 頭筋の無負荷短縮速度に影響を及ぼすことなく、等尺力(isometric force)の増 加をもたらすことを示している。これらの結果は、GHが、心筋をより無駄なく 機能させる心筋収縮パターンを誘発し得ることを示唆する。Timsit,J.ら、J. Clin.Invest.86:507−515(1990);Timsit,J.ら、Acta.P aediatr.Suppl.383:32−34(1992)。収縮性能の増加は、最大張 力とカルシウムに対する筋原線維の感受性との両方の増加を含め、収縮器官の特 性における特異的変化が原因であることが示された。Mayoux,E.ら、Circulat ion Research 72(1):57−64(1993)。しかし、慢性GH分泌過 多を患っている麻酔されたラットでのインビボにおける血流力学研究は、心臓の 性能に関する指数の増加または減少のいずれかを伴なって、相反する結果を与え ている。Penney,D.G.ら、Cardiovascular Research 19:270−277 (1985);Rubin,S.A.ら、J.Mol.Cell Cardiol.22:429−4 38(1990)。これらの2つのインビボにおける研究間の不一致は、血流力 学に関する麻酔の作用と多分関係がある。さらに、臨床研究は、GHの投与が、 健康な人間での心筋収縮および心拍出量を増加させることを実証している。Thu esen,L.ら、Dan.Med.Bull.35(2):193−196(1988)。G Hを用いての治療は、GHが欠損している成人での心臓の性能の有意な増加およ び自動運動(exercise)能力の改善を引き起こす。Jorgensen,J.ら、The Lanc et i:1221−1225(1989);Cuneo,R.ら、J.Appl.Physiol.7 0:695−700(1991);Christiansen,J.S.ら、Acta.Paediatr. Suppl.383:40−42(1992);Amato,G.ら、J.Clin.Endocrin ol.Metab.77:1671−1676(1994);Caidahl,K.ら、Clin. Endocrinol.40:393−400(1994)。先の研究は、2週間のGH 処置が、うっ血性心不全に罹っている意識のあるラットでの、心室の収縮性を増 加させることにより、また末梢血管抵抗を減少させることにより、心機能を改善 することを示している。Yang,R.ら、Clinical Research 42(2):32 5A(1994)。 インスリン様成長因子(IGF−I)は、培養において筋細胞でのアクチン合成 を促進すること(Florini,J.R.、Muscle and Nerve 10:577−598 [1987])、またインビトロにおいて新生児ラットの心細胞の収縮性を増加 させることが示されいる。Vetter,U.ら、Basic Res.Cardiol.83:64 7−654(1988)。IGF−Iの急性静脈内投与(注入またはボーラス注 射)は、健康な小羊での一回拍出量および心拍出量の増加を生ずる。Gluckmanら 、PCT WO92/11865(1992)。ドキソルビシンで心筋症を誘発 させたラットでは、IGF−Iを3週間用いての慢性治療が、心拍出量および一 回拍出量を増加させた。Ambler,G.R.ら、Cardiovascular Research 27: 1368−1373(1993)。 グルコースの循環レベルに対するGHの作用は、IGF−Iの作用とは正反対 である。GHの投与は、ヒトでは、グルコース不耐症を引き起し得るか、血糖レ ベルを増加させて、高血糖症を生じ得る。Sherwin,R.S.ら、Diabetologia 24:155−156(1983);Metcalfe,P.ら、Diabetologia 20: 123−128(1981)。対照的に、IGF−Iの皮下投与または静脈内投 与は、ヒトでは、血中グルコースを低下させて、低血糖症を誘発し得る。Guler ,H.P.ら、N.Engl.J.Med.317:137−140(1987);Takano ,K.ら、Endocrinol.Japan.37(2):309−317(1990);Fro esch,E.R.ら、Trends Endocrinol.Metab.1:254−260(1990 )。さらに、臨床研究は、GH処置とIGF−I処置との組み合わせは、実質的 には、GH単独またはIGF−I単独のいずれかより同化を促進することを実証 している。その組み合わせはまた、健康な被験者では、GH単独により引き起こ される高血糖症を予防し、またIGF−I単独により誘発される低血糖症をも減 衰させる。Kupfer,S.R.ら、J.Clin.Invest.91:391−396(19 93);Clemmons,D.R.ら、J.Clin.Endocrinol.Metab.75:234− 238(1992)。 心不全は、約300万人のアメリカ人を冒している。新たな心不全の患者は、 毎年約400,000に達する。うっ血性心不全は、左心室機能不全、自動運動 耐性の減少、生活の質の悪化、および平均余命の著しい短縮により特徴付けられ る症候群である。左心室の収縮性の減少は、その結果起こる全身性の動脈血管収 縮および静脈血管収縮に伴って、心拍出量の減少をもたらす。一回拍出量のさら なる減少という悪循環を促進した後、血管抵抗の上昇を増加させる、この血管収 縮は、レニン−アンジオテンシン系により幾分媒介されるらしい。この系の重要 な成分、血管収縮薬、アンジオテンシン IIはまた、アルドステロン分泌を刺激 し、多分、交換神経作動を高めて、バソプレッシン分泌を増加させるという作用 をも有する。Cohn,J.N.ら、N.England J.Med.325(5):303− 310(1991);Captopril Multicenter Research Group、J.A.C. C.2(4):755−763(1983)。カプトプリルのようなアンジオテ ンシン変換酵素(ACE)阻害剤は、うっ血性心不全に罹っている患者に対する標 準的な療法となっている。これらの薬物は、うっ血性心不全に罹っている患者で は、血流力学プロフィールおよび自動運動耐性を改善し、また罹患率および死亡 率の範囲を減少させる。Kramer,B.L.ら、Circulation 67(4):807 −816(1983);Captopril Multicenter Research Group、J.A.C . C.2(4):755−763(1983);The CONSENSUS Trial Study Group、N.Engl.J.Med.316(23):1429−1435(1 987);The SOLVD Investigators、N.Engl.J.Med.325(5) :293−302(1991)。しかし、効能が証明されたにもかかわらず、A CE阻害剤に対する反応は限定されている。機能的能力および自動運動時間の改 善は極く僅かであり、また死亡率は、減少されたとはいえ、依然として高いまま である。The CONSENSUS Trial Study Group、N.Engl.J.Med. 316(23):1429−1453(1987);The SOLVD Investi gators、N.Engl.J.Med.325(5):293−302(1991);Coh n,J.N.ら、N.England J.Med.325(5):303−310(1991 );The Captopril−Digoxin Multicenter Research Group、JAMA 2 59(4):539−544(1988)。GHおよびIGF−Iは各々、心臓 の性能を別々に改善することが示されている。しかし、今のところ、カプトプリ ルの存在下または不存在下、心不全でのGHとIGF−Iとの組み合わせの効果 は評価されていない。 従って、本発明の目的は、うっ血性心不全に罹っている患者に対する治療方法 であって、該患者に、ACE阻害剤に加えてGHおよびIGF−Iを投与するこ とからなる方法を提供することである。カプトプリルは単独で、例えば、末梢血 管抵抗を減少させることにより心機能を改善することは周知である。カプトプリ ルはGHおよびIGF−Iと一緒に、心臓の性能に関してカプトプリルが単独で 引き起こすよりも優れた改善を引き起こす。 本発明の別の目的は、うっ血性心不全に罹っている患者に対する治療方法であ って、ACE阻害剤の不存在下、GHとIGF−Iとの組み合わせの有効量を用 いて、該患者を処置することからなる方法を提供することである。GHとIGF −Iとを組み合わせての投与は、心室の収縮性の増加および末梢血管抵抗の減少 により心臓の性能の改善を生ずる。 うっ血性心不全に罹っている患者に対する心臓の性能の改善は、ACE阻害剤 を用いて治療している患者では、GHとIGF−Iとの組み合わせを治療レジメ に加えることにより達成される。これらの患者での心臓の性能の改善はまた、治 療の最初から、GH/IGF−IおよびACE阻害剤の投与によっても達成され る。 発明の要約 本発明は、うっ血性心不全の治療方法であって、ACE阻害剤を伴っての、ま たはACE阻害剤を伴わずしての、GHおよびIGF−I(GH/IGF−I)の 有効量の投与により特徴付けられる方法を提供することにより、これらの目的を 達成する。 一態様において、本発明は、うっ血性心不全を示している哺乳動物を治療する 方法であって、該哺乳動物に、GHとIGF−Iとの組み合わせ、およびACE 阻害剤の有効量を投与することからなる方法を提供する。GHおよびIGF−I の投与は、ACE阻害剤を用いて処置した後に開始するのがよい。 別の態様において、本発明は、うっ血性心不全を示している哺乳動物を治療す る方法であって、該哺乳動物に、ACE阻害剤の不存在下、GHとIGF−Iと の組み合わせの有効量を投与することからなる方法を提供する。 図面の簡単な説明 第1a図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでの体 重(BW)に関する、成長ホルモン並びにインスリン様成長因子(GH/IGF− I)の作用(線影を付けた棒グラフ)およびGH/IGF−Iに対する担体ビヒク ル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。**P<0.01、各々のビヒクルのグ ループと比較した。 第1b図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでの体 重に対する左心室重量の割合(LVW/BW)に関する、GH/IGF−Iの作用 (線影を付けた棒グラフ)およびビヒクル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。# P<0.05、##P<0.01、各々の水のグループと比較した。 第2a図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでのG Hの血清レベルに関する、GH/IGF−Iの作用(線影を付けた棒グラフ)およ びビヒクル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。**P<0.01、各々のビヒ クルのグループと比較した。 第2b図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでのI GF−Iの血清レベルに関する、GH/IGF−Iの作用(線影を付けた棒グラ フ)およびビヒクル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。**P<0.01、各々 のビヒクルのグループと比較した。 第3図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでの梗塞 の大きさに関する、GH/IGF−Iの作用(線影を付けた棒グラフ)およびビヒ クル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。 第4a図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでの収 縮期動脈血圧(SAP)に関する、GH/IGF−Iの作用(線影を付けた棒グラ フ)およびビヒクル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。##P<0.01、各々 の水のグループと比較した。 第4b図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでの平 均動脈血圧(MAP)に関する、GH/IGF−Iの作用(線影を付けた棒グラフ) およびビヒクル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。**P<0.01、各々の ビヒクルのグループと比較した。##P<0.01、各々の水のグループと比較 した。 第4c図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでの心 拍数(HR)に関する、GH/IGF−Iの作用(線影を付けた棒グラフ)およびビ ヒクル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。 第5a図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでの左 心室最大dP/dtに関する、GH/IGF−Iの作用(線影を付けた棒グラフ)お よびビヒクル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。*P<0.05、**P<0. 01、各々のビヒクルのグループと比較した。 第5b図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでの左 心室拡張終期血圧(LVEDP)に関する、GH/IGF−Iの作用(線影を付け た棒グラフ)およびビヒクル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。*P<0.05 、各々のビヒクルのグループと比較した。#P<0.05、各々の水のグループ と 比較した。^P<0.01、対照(水+ビヒクル)のグループと比較した。 第6a図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでの心 指数(CI)に関する、GH/IGF−Iの作用(線影を付けた棒グラフ)およびビ ヒクル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。**P<0.01、各々のビヒクル のグループと比較した。#P<0.05、各々の水のグループと比較した。 第6b図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでの一 回拍出量指数(SVI)に関する、GH/IGF−Iの作用(線影を付けた棒グラ フ)およびビヒクル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。*0.05、**P<0 .01、各々のビヒクルのグループと比較した。##P<0.01、各々の水のグ ループと比較した。 第6c図は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置したラットでの全 身血管抵抗(SVR)に関する、GH/IGF−Iの作用(線影を付けた棒グラフ) およびビヒクル単独の作用(空白の棒グラフ)を示す。**P<0.01、各々の ビヒクルのグループと比較した。##P<0.01、各々の水のグループと比較 した。^P<0.01、対照(水+ビヒクル)のグループと比較した。 発明の詳細な説明 a.定義 一般に、以下の用語または語句または略語は、説明、実施例、および請求の範 囲で使用される場合、指示された定義を有する。 本明細書中で使用する「BW」は、体重を示す。 本明細書中で使用する「CO」は、心拍出量を示す。 本明細書中で使用する「CI」は、心指数を示す。心指数は、心拍出量を体重 で割ったもの(CO/BW)として測定することができる。 本明細書中で使用する「HR」は、心拍数を示す。 本明細書中で使用する「LVEDP」は、左心室拡張終期血圧を示す。 本明細書中で使用する「LVW」は、左心室重量を示す。 本明細書中で使用する「MAP」は、平均動脈血圧を示す。 本明細書中で使用する「SAP」は、収縮期動脈血圧を示す。 本明細書中で使用する「SV」は、一回拍出量を示す。一回拍出量は、CO/ HRとして測定することができる。 本明細書中で使用する「SVI」は、一回拍出量指数を示す。一回拍出量指数 は、SV/BWとして測定することができる。 本明細書中で使用する「SVR」は、全身血管抵抗を示す。SVRは、MAP /CIとして測定することができる。 本明細書中で使用する「うっ血性心不全」は、左心室機能不全、自動運動耐性 の減少、生活の質の悪化、および平均余命の著しい短縮により特徴付けられる症 候群を示す。左心室の収縮性の減少は、その結果起こる全身性の動脈血管収縮お よぴ静脈血管収縮に伴って、心拍出量の減少をもたらす。レニン−アンジオテン シン系により幾分媒介されるらしい、この血管収縮は、一回拍出量のさらなる減 少という悪循環を促進した後、血管抵抗の上昇を増加させる。 本明細書中で使用する「治療」は、うっ血性心不全を患っている患者での心筋 収縮および心臓の性能の増加の誘発、さらにはまたうっ血性心不全の予防を示す 。GHとIGF−Iとの組み合わせをACE阻害剤と共に使用すると、心筋収縮 および心臓の性能の増加レベルが、ACE阻害剤の単独使用から得られるレベル 以上に増加される。 本明細書中で使用する「梗塞」は、不十分な血液供給から起こる壊死の領域を 示す。「心筋梗塞」は、不十分な冠状血液供給から起こる心筋壊死を示す。 本明細書中で使用する「哺乳動物」は、ヒト、家畜並びに飼育場の動物、およ びイヌ、ウマ、ネコ、雌ウシ等といったような、動物園、競技、またはペットの 動物を含め、哺乳動物として分類される動物を示す。好ましくは、本明細書中の 哺乳動物はヒトである。 本明細書中で使用する「ACE阻害剤」は、アンジオテンシンIのアンジオテ ンシンIIへの変換を防ぐ、アンジオテンシン変換酵素阻害薬物を示す。ACE阻 害剤は、全身血管抵抗を減少させて、循環うっ血を軽減することにより、うっ血 性心不全に有利であり得る。ACE阻害剤には、これらに制限されるものではな ルと呼ばれ、このACE阻害剤は、化学的には、1−[(2S)−3−メルカプト −2−メチルプロピオニル]−L−プロリンと名付けられている。 本明細書中で使用する「成長ホルモン」または「GH」は、天然配列または変 異体型の成長ホルモン、および天然、合成、または組み換え体であるとを問わず 、あらゆる起源から得られる成長ホルモンを示す。例には、ヒト天然配列を有す る天然GHまたは組み換えGHであるヒト成長ホルモン(hGH)(ソマトトロピ ンまたはソマトロピン)、およびソマトレム、ソマトトロピン、並びにソマトロ ピンを含め、組み換えDNA技術によって産生される、あらゆるGHまたは変異 体を指す組み換え成長ホルモン(rGH)が含まれる。組み換えヒト天然配列であ り、そのN末端にメチオニンを有する、または有していない成熟GHがヒトへの 使用に好ましい。例えば、1988年7月5日に発行された米国特許番号第4, 755,465号およびGoeddelら、Nature 282:544(1979)に記 載されている方法により、大腸菌(Escherichia coli)で産生されるメチオニル ヒト成長ホルモン(met−hGH)がさらに好ましい。Genentech社より商標プロ トロ ニン残基の存在を除き、天然ポリペプチドと同じである。この加えられたアミノ 酸は、細菌タンパク合成プロセスの結果である。Genentech社から商標ニュー ましい。この後者のhGHは、このメチオニン残基を欠き、天然ホルモンのもの と同じアミノ酸配列を有する。Grayら、Biotechnology 2:161(1984 )を参照。メチオニルhGHとhGHとは両方とも、等しい効力および薬物動態 学値を有する。Mooreら、Endocrinology 122:2920−2926(19 88)。別の適当なhGH候補は、1987年6月2日に発行された米国特許番 号 第4,670,393号に記載されているような、純粋な体細胞原性活性を有し、 また乳汁産生活性を有していない、胎盤型のGHであるhGH変異体である。1 990年5月3日に公開されたWO90/04788および1992年6月11 日に公開されたWO92/09690に記載されているようなGH変異体もまた 含まれる。 本明細書中で使用する「IGF−I」は、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、鳥類、 また好ましくはヒトを含め、あらゆる種から得られる、天然配列または変異体型 のインスリン様成長因子、および天然、合成、または組み換え体であるとを問わ ず、あらゆる起源から得られるインスリン様成長因子を示す。IGF−Iは、ヒ ト血清から分離され、また組み換えにより産生されている。例えば、欧州特許第 123,228号および同第128,733号を参照。 本発明では、ブタを治療するにはブタのIGF−I、ヒツジを治療するにはヒ ツジのIGF−I、ウシを治療するにはウシのIGF−I等といったような、治 療すべき特定の種から得られる、その型のIGF−Iが動物への使用に好ましい 。本発明では、ヒト天然配列の、成熟IGF−I、さらに好ましくは、例えば、 1987年8月5日に公開された欧州特許第230,869号;1984年12 月19日に公開された欧州特許第128,733号;または1988年10月2 6日に公開された欧州特許288,451号に記載されている方法により製造さ れる、N末端メチオニンを有していないIGF−Iがヒトへの使用に好ましい。 さらに好ましくは、この天然配列のIGF−Iは組み換えにより製造され、また 臨床研究には、Genentech社、南サンフランシスコ、カリフォルニアから入手す ることができる。 好ましいIGF−I変異体は、1991年12月31日に発行された米国特許 第5,077,276号、1987年2月26日に公開されたPCT WO87/ 01038、および1989年6月29日に公開されたPCT WO89/05 822に記載されているものであり、すなわち、それらでは、少なくとも、グル タミン酸残基が成熟分子のN末端から3位に存在しないか、またはそのN末端で アミノ酸が5つまで欠失している。最も好ましい変異体は、欠失したN末端から 最初の3つのアミノ酸を有する(脳IGF、tIGF−I、des(1−3)−IGF −I、またはdes−IGF−Iと様々に呼ばれている)。 b.本発明を行うための方法 非経口、鼻腔内、経口を含め、あらゆる適当な技術により、または経皮吸収に より、IGF−Iと組み合わせたGHを哺乳動物に直接投与する。それらは、同 じ経路により投与する必要がなく、また局所的に、または全身的に投与すること ができる。各々の物質に関する具体的な投与経路は、例えば、hGHまたはIG F−Iを単独で用いての、認められる副作用もしくは予期される副作用、または 同化を促進する作用の減退を含め、医療歴に左右されるであろう。非経口投与に は、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、および腹腔内投与が含まれる。皮下および 静脈内の注射または注入が好ましい。 有効量であるよう、GHおよびIGF−Iを投与する。GHは、特定時間(例 えば、1日1回)に特定用量の注射形態でといったように、非連続的に投与する のがよく、ここでは、注射した時点で血漿GH濃度の上昇が起こった後、次の注 射の時間までに血漿GH濃度の降下が起こるであろう。別の非連続的投与法は、 初期バーストのような活性成分の不連続放出を与え、次いで、遅滞を与えた後、 活性成分を放出することが利用できる、多くの埋込み装置の使用から生じる。例 えば、米国特許番号第4,767,628号、第2欄、19〜37行。 しかし、さらに好ましくは、血中での継続的存在がGHの投与期間中ずっと維 持されるよう、GHを投与する。このことは、最も好ましくは、例えば、浸透ミ ニポンプといったようなミニポンプでの連続注入によって成し遂げられる。ある いはまた、GHの多数回にわたる注射(すなわち、1日1回以上、例えば、1日 2回または3回)の使用により適切に成し遂げられる。 投与する場合、GHをポリマーに複合させるか、または結合させて、その循環 半減期を増加させることができる。この目的に有用なポリエチレンポリオールお よびポリオキシエチレンポリオールの例には、ポリオキシエチレングリセロール 、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビトール、ポリオキシエチ レングルコース等が含まれる。ポリオキシエチレングリセロールのグリセロール 骨 格は、例えば、動物およびヒトにおける、モノグリセリド、ジグリセリドおよび トリグリセリドで見受けられる骨格と同じである。 ポリマーは、あらゆる特定の分子量を有する必要はないが、分子量が約3,5 00〜100,000、さらに好ましくは5,000〜40,000であるのが好 ましい。好ましくは、PEGホモポリマーは置換されていないが、また一端がア ルキル基で置換されていてもよい。好ましくは、そのアルキル基は、C1−C4ア ルキル基であって、最も好ましくは、メチル基である。最も好ましくは、そのポ リマーは、PEGの非置換ホモポリマー、PEGのモノメチル置換ホモポリマー (mPEG)、またはポリオキシエチレングリセロール(POG)であって、約5, 000〜40,000の分子量を有する。 GHは、主として反応条件、ポリマーの分子量等に依存して、GHの1つまた はそれ以上のアミノ酸残基でポリマー上の末端反応基に共有結合する。本明細書 中、反応基を有するポリマーは、活性化ポリマーと呼ばれている。反応基は、G H上の遊離アミノ基または他の反応基と選択的に反応する。しかし、最適な結果 を得ために選択される反応基の種類および量、さらにはまた使用されるポリマー の種類は、反応基がGH上のあまりに多くの、特に活性な基と反応するのを避け るために、使用される個々のGHに依存するであろうことが分かるであろう。こ のことを完全に避けるのが不可能であり得るので、通例、タンパク質濃度に依存 して、タンパク質1モルにつき活性化ポリマーを約0.1〜1,000モル、好ま しくは2〜200モル使用することが推奨される。タンパク質1モルについての 活性化ポリマーの最終量は、最適な活性を維持するためのバランスであるが、可 能なら、タンパク質の循環半減期を同時に最適化する。 残基は、1つまたは2つのシステインまたはN末端アミノ酸基といったような 、タンパク質上のあらゆる反応性アミノ酸であり得るが、好ましくは、反応性ア ミノ酸は、その遊離ε−アミノ基によって活性化ポリマーの反応基に結合するリ ジンであるか、またはアミド結合によってポリマーに結合するグルタミン酸また はアスパラギン酸である。 共有結合修飾反応は、GH上の反応基がリジン基であるならば、生物学的に活 性な物質を、好ましくは約pH 5〜9、さらに好ましくは7〜9で、不活性なポ リマーと反応させるために一般的に利用される、いずれかの適当な方法により行 われる。通例、その方法は、(少なくとも1つの末端ヒドロキシル基を有する)活 性化ポリマーを製造すること、このポリマーから活性な基質を製造すること、ま たその後、GHを活性な基質と反応させて製剤に適当なGHを製造することを含 む。先の修飾反応は、1つまたはそれ以上の工程を含み得る幾つかの方法により 行うことができる。活性化ポリマーを一工程反応で製造するために使用すること ができる修飾物質の例には、シアヌル酸クロリド(2,4,6−トリクロロ−S− トリアジン)およびシアヌル酸フルオリドが含まれる。 一態様において、その修飾反応は二工程で行われ、ここでは、まず最初に、ポ リマーを、無水コハク酸または無水グルタル酸といったような酸無水物と反応さ せて、カルボン酸を形成した後、そのカルボン酸を、カルボン酸と反応すること ができる化合物と反応させて、GHと反応することができる反応性のエステル基 を有する活性化ポリマーを形成する。そのような化合物の例には、N−ヒドロキ シスクシンイミド、4−ヒドロキシ−3−ニトロベンゼンスルホン酸等が含まれ 、また好ましくは、N−ヒドロキシスクシンイミドまたは4−ヒドロキシ−3− ニトロベンゼンスルホン酸を使用する。例えば、モノメチル置換PEGを、高温 、好ましくは約100〜110℃で4時間、無水グルタル酸と反応させるのがよ い。このようにして製造したモノメチルPEG−グルタル酸を、ジシクロヘキシ ルカルボジイミドまたはイソプロピルカルボジイミドといったようなカルボジイ ミド試薬の存在下、N−ヒドロキシスクシンイミドと反応させて、活性化ポリマ ー、メトキシポリエチレングリコリル−N−スクシンイミジルグルタレートを製 造した後、これをGHと反応させることができる。この方法は、Abuchowskiら 、Cancer Biochem.Biophys.7:175−186(1984)に詳細に記載 されている。別の例では、モノメチル置換PEGを無水グルタル酸と反応させた 後、ジシクロヘキシルカルボジイミドの存在下、4−ヒドロキシ−3−ニトロベ ンゼンスルホン酸(NHSA)と反応させて、活性化ポリマーを製造することがで きる。NHSAは、Bhatnagarら、Peptides:Synthesis−Structure−Func tion、 Proceedings of the Seventh American Peptide Symposium、Richら(編) (Pierce Chemical Co.、Rockford、IL、1981)、97−100頁、 および「Novel Agent for Coupling Synthetic Peptides to Carriers an d Its Applications」と題された、Niteckiら、High−Technology Route to Virus Vaccines(American Society for Microbiology:Washington, D.C.、1986)により記載されている。 PEGに結合させたGHの具体的な製造方法には、PEG−GHに関する米国 特許番号第4,179,337号、およびGHに可逆的に、しかし共有結合により 結合させたPEGを開示している米国特許番号第4,935,465号に記載され ている方法が含まれる。PEG−GHを製造するための他の具体的な方法には、 以下のことが含まれる。 メトキシポリエチレングリコールアルデヒド(Me−PEGアルデヒド)を用い ての還元的アルキル化によるPEG化および精製は、PBS(pH 7.0)中の2m g/ml GHに、5mM Me−PEGアルデヒド−5000(分子量5,000ダル トン)および20mM NaCNBH3を加えて、室温で3時間穏やかに混合するこ とにより成し遂げられる。次いで、エタノールアミンを50mMとなるまで加え て、残りの未反応のMe−PEGを還元的にアミド化(amidate)する。その混合物 を陰イオン交換カラム、FPLC Mono Qで分離する。過剰の未反応のMe−P EGはそのカラムに結合しないので、その混合物から分離することができる。見 掛け分子量が、未反応のGHの20Kに対して、還元(reduced)SDS−PAG Eで30Kおよび40Kである、2つの主要なPEG化GH画分を得る。GH− GHBP複合体を同じ方法でPEG化して、ゲル濾過により150Kの誘導体を 得る。 N−ヒドロキシスクシンイミジルPEG(NHS−PEG)を用いてのPEG化 および精製は、GHの全リジン濃度の5倍モル過剰のNHS−PEGを、50m Mホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 8.5)またはPBS(pH 7)中にGHを2mg/m l含む溶液に加えて、室温で1時間混合することにより成し遂げられる。精製物 をSuperose 12サイジングカラムおよび/またはFPLCのMono Qで分離す る。PEG化GHは、ゲル濾過により測定すると、反応のpHにより、pH 8.5 で行う反応の場合は約300KからpH 7.0の場合は40Kまで大きさが変化 する。GH−GHBP複合体もまた、同じ方法でPEG化され、ゲル濾過から、 得られる分子量は400〜600Kdである。 PEG−マレイミドを用いてのシステイン変異体のPEG化は、部位特異的変 異誘発によってGHの単一システイン変異体を製造し、それをE.coli 16C9 菌株(deoCタンパク質を産生しないW3110 ΔtonA phoA ΔE15 Δ(arg F−lac)169 deoC2)から分泌させて、それを陰イオン交換カラムで精製す ることにより成し遂げられる。 菌株CGSC#6092(第6092番、E.coli Genetic Stock Center、 New Haven、Conn.から入手でき、またMarkら、Molec.Gen.Genet. 155 :145−152(1977)に記載されている、遺伝子型 trxA1 recA1 i lvE720::tn5 metE70 deoC2 lacZ53 rha5 malB45 rpsL15 1である)に由来するdeoC2対立遺伝子を7C1と呼ばれている菌株に伝達する ことにより、菌株16C9を遺伝学的に構築した。 P1(J.Miller、Experiments in Molecular Genetics[Cold Spring Harbor、N.Y.:Cold Spring Harbor Laboratory、1972])、および トランスポゾン遺伝学(Klecknerら、J.Mol.Biol. 116:125−159 [1977])から誘導されたファージP1Kcを用いての形質導入を伴う技術を 用いて、菌株7C1[遺伝子型 W3110 ΔtonA phoA ΔE15 Δ(argF −lac)169を有する]を幾つかの工程で構築した。F−、λ−(野生型はF+ 、λ+である)のK12菌株であるE.coli K12 W3110(Bechmann、Bac t.Rev. 36:525−557[1972])を出発宿主として使用した。 まず最初に、Tn10トランスポゾンをtonA遺伝子に挿入した後、不正確に切 除することにより、tonA遺伝子(fhuA)(Kadnerら、J.Bact. 143:256 −264[1980];Bachmann、Microbiol.Rev. 47:180−230[ 1983])を欠失させた。 この方法の第一工程では、E.coli W3110を、λ::Tn10を用いてト ランスデュースし、E.coli W3110のTn10ホッププール(hop pool)を生 成した(Klecknerら、J.Mol.Biol.、上記)。 Lブロス中、E.coli W3110::Tn10ホッププールを細胞密度が約1 ×109/mlとなるまで37℃で培養した。合計0.5mlの培養物を遠心分離して 、ペレットを、7.0×109pfuを含むλphi80溶菌液(lysate)0.2ml中に再 び懸濁させた。ファージを37℃で30分間吸着させた。次いで、懸濁液を、テ トラサイクリン(15μg/ml)を補ったEMBプレート上に塗抹した。37℃で 一晩インキュベートした後、コロニーをLブロス3ml中にプールし、37℃で一 晩培養し、2回洗浄して、Lブロス中に再び懸濁させた。この培養物でバクテリ オファージP1kc溶菌液を作製した(Miller,J.H.、Experiments in Molecu lar Biology 、上記、304頁)。 このP1kc溶菌液により、E.coli AT982(第4546番、E.coli Gene tic Stock Center、New Haven、Conn)をテトラサイクリン耐性に形質転換 させた。形質導入体を、テトラサイクリン(15μg/ml)および40μg/mlジア ミノピメリン酸(dap)を補ったLブロスプレート上で選択した。その結果得られ た形質導入体をdap遺伝子(dap+、tetR)のテトラサイクリン耐性および再生に関 してスクリーンした後、dap+、tetR形質導入体をλphi80耐性に関して試験し た。 次いで、幾つかのdap+、tetR、λphi80耐性菌株でP1kc溶菌液を作製した 。その溶菌液を使用して、E.coli W3110をテトラサイクリン耐性にトラン スデュースした。その形質導入体をλphi80耐性に関してスクリーンし、選択 した。 テトラサイクリン感受性分離株をW3110 tonA::Tn10−λphi80R 形質導入体から選択した。MaloyおよびNunn、J.Bacteriol.145:11 10(1981)。これらの分離株を単一コロニー精製後のλphi80耐性およ びテトラサイクリン感受性に関して調べた。 DNAを幾つかのテトラサイクリン感受性λphi80耐性変異体から分離して 、SstIIを用いて消化させた。放射能標識してSstIIで消化させたλ::Tn1 0 DNAをプローブとして用い、SstIIで消化したDNAをサザンブロット法によ り特性決定して、Tn10が切除されているかどうかを測定した。Davisら、Ad vanced Bacterial Genetics (Cold Spring Harbor Laboratory、New Yo rk、1980)。テトラサイクリン感受性分離株のうち1つは、λ::Tn10 に由来するDNAと親のW3110 tonA::Tn10λphi80Rに由来するD NAとの間でのハイブリダイゼーションと比べて、Tn10ハイブリダイゼーシ ョンバンドのうち2つを失っていることが示された。3つ目のハイブリダイゼー ションバンドは、移動度が変化し、Tn10の不正確な切除により引き起こされ る欠失が起こったことを示した。 不正確なTn10切除を有する菌株に由来する外膜調製物のSDS−ゲル電気 泳動は、TonAタンパク質であると推測されたバンドが、野生型のTonAタンパ ク質と比べて、電気泳動移動度が変化したことを明らかにした。その結果得られ たタンパク質は、λphi80ファージ受容体タンパク質としては機能しなかった 。Tn10の不正確な切除を受けた第2の独立の菌株は、SDSゲル上にTonA タンパク質を示さなかった。 これらの菌株はいずれも、テトラサイクリン耐性への復帰(reversion)または λphi80感受性への復帰を示さず、tonA遺伝子の部分的な欠失または完全な欠 失と共に、Tn10トランスポゾンの全部または一部の不正確な切除が存在する ことを示した。従って、TonAタンパク質(分子量78,000)は外膜から取り 除かれ、W3110 tonA菌株を幾つかのバクテリオファージに耐性とした。 次いで、プロリン生合成遺伝子に挿入されたカナマイシン耐性トランスポゾン (proC::Tn5)への遺伝的結合により、2つ以上の欠失変異体、phoA Δ E 15(Sarthyら、J.Bact. 145:288−292[1981])およびΔ(ar gF−lac)169(Schweizerら、Mol.Gen.Genet. 192:293−294[ 1983])をW3110 tonAに同時に移入した。 トランスポゾンを、グルコース最少寒天プレート上で自然原栄養菌(pro+)復帰 変異体を選択することにより取り除いた。phoA変異体の導入は、0.2mM リン 酸塩および20mg/L 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸塩を含 むグルコース最少寒天プレート上に白色のコロニーを形成する形質導入体として 認められた。同様に、Δ(argF−lac)169変異体は、酵素β−ガラクトシダー ゼの欠失を引き起こして、MacConkey−1% ラクトース寒天プレート上に白色 のコロニーを形成する細胞となる。その結果は、菌株7C1であった。 最後に、ファージP1kcを用いての多工程の形質導入方法により、アルドラー ゼを除去するdeoC変異体(Bachmann、上記)を7C1に導入した。まず最初に、 以下のようにして、トレオニン栄養要求性を7C1に導入し、deoC遺伝子の領 域におけるトランスデュースされた染色体セグメントの陽性選択のための方法を 得た。 P1kcをトレオニン栄養要求体上で培養した。そのような栄養要求体は、Cla re N.BergおよびDouglas E.Berg、Microbiology−1981、「Bacteria l Transposons」、107−116頁(Amer.Soc.for Microbiology、Wash ington、DC、1981)に記載されている。 その結果得られた溶菌液を使用して、菌株7C1をテトラサイクリン耐性にト ランスデュースし、25μg/ml テトラサイクリンを含むLBプレート上で形質 導入体を選択した。14A9と呼ばれる、その結果得られた菌株(tonAΔ、pho AΔE15、Δ(argF−lac)169 thr::tn10)は、高頻度で原栄養性に自 然に復帰したので、フザリン酸プレート(J.Bact. 145:1110[198 1])を使用して、菌株16C4と呼ばれる、安定なテトラサイクリン感受性ト レオニン栄養要求体を選択した。 P1kcを上記のCGSC#6092株で培養した。 その結果得られた溶菌液を使用して、菌株16C4を原栄養性にトランスデュ ースし、グルコース最少寒天プレート上で増殖物を選択した。菌株2D4から高 頻度でトランスデュースする溶菌液を得るには、P1kcファージを、この宿主で の増殖を2回循環させなければならなかった。菌株16C4の5つの原栄養性形 質導入体を分離し、精製して、チミジン最少寒天プレート上での増殖に関して試 験した。これら5つの分離株のうち4つは、チミジンで培養することができなか ので、deoCタンパク質の合成を排除するdeoC2変異体を得た。これら4つの分 離株のうち1つが蓄えられて(save)、菌株16C9(ΔtonA、phoA、ΔE15 、Δ(argF−lac)169、deoC2)と呼ばれた。 0.1Mリン酸ナトリウム(pH 7.5)中、モノメトキシPEGアミンをスルホ −MBsと室温で一時間反応させることにより、PEG−マレイミドを作製して 、緩衝液をリン酸塩緩衝液(pH 6.2)に交換した。次に、GHを過剰の遊離シ ステインと1時間混合して、最終混合物を、Me−PEGアルデヒドでPEG化 されたGHとして、Mono Qカラムで分離した。 エステル結合は、化学的に、また生理学的に不安定であるので、エステル官能 基を含まない結合反応のPEG試薬を使用するのが好ましい。例えば、PEG− モノメチルエーテルをホスゲンと反応させて、PEG−クロロホルメートを得る ことにより、カルバメート結合を作製することができる。次いで、この試薬をN HSエステルと同じ方法で使用して、リジン側鎖アミンを官能基化することがで きるであろう。別の例では、アミノ−PEG−モノメチルエーテルをホスゲンと 反応させることにより、尿素結合を作製する。これは、リジンアミンと反応する であろうPEG−イソシアネートを生成するであろう。 PEG試薬中に開裂可能なエステルを含んでいないPEG−GHを作製する好 79−1384(1981)により報告されているように、ナフタレンナトリウ ムで滴定してアルコキシドを生成させた後、酢酸ブロモエチルで処理してエチル エステルを形成させ、次いで、水酸化ナトリウムおよび水で処理することによっ て対応するカルボン酸に加水分解することにより、メトキシポリ(エチレングリ コール)をカルボン酸に転換する。次いで、酢酸エチル中、その結果得られたカ ルボン酸をジシクロヘキシルカルボジイミドおよびNHSと反応させることによ り、その結果得られたカルボン酸を、GHのアシル化に適当なPEG−N−ヒド ロキシスクシンイミジルエステルに転換する。 次いで、ホウ酸ナトリウム緩衝液(pH 8.5)中、GHに関して30倍モル過 剰用い、その結果得られたNHS−PEG試薬を12mg/ml GHと室温で1時 間反応させて、トリス緩衝液中のQセファロースカラムに適用して、塩グラジエ ントで溶離する。次いで、それを、0.3Mクエン酸塩緩衝液(pH 7.8)で平衡 化した別のカラム(フェニル Toyopearl)に適用する。次いで、PEG化GHを 逆塩グラジエントで溶離し、プールして、G25脱塩カラムを用い、緩衝液をマ ンニトール、グリシン、およびリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.4)に交換して 、適当な製剤化されたPEG7−GHを得る。 PEG化GH分子およびGH−GHBP複合体は、SDS−PAGE、ゲル濾 過、NMR、トリプシン(triptic)マッピング、液体クロマトグラフィー−質量 分光測定、およびインビトロにおける生物学的アッセイにより特徴付けることが できる。まず最初に、PEG化の程度をSDS−PAGEおよびゲル濾過により 適当に示した後、NMRにより分析し、これは、PEGのメチレン水素に関して 特異的な共鳴ピークを有する。各々の分子上のPEG基の数は、NMRスペクト ルまたは質量分析から計算することができる。10% SDS中でのポリアクリ ルアミドゲル電気泳動を、溶離緩衝液としての10mM トリス−HCl(pH 8. 0)、100mM NaCl中で適当に行う。どの残基がPEG化されているかを実 証するには、トリプシンマッピングを行うことができる。従って、100mM 酢 酸ナトリウム、10mM トリス−HCl、1mM 塩化カルシウム(pH 8.3)中、 100対1(mg基準)のタンパク質/酵素比でトリプシンを用いて、PEG化GH を37℃で4時間消化させて、pH<4まで酸性にして、消化を停止させた後、 HPLC Nucleosil C−18(4.6mm×150mm、5μ、100A)で分離す る。そのクロマトグラムを、PEG化されていない出発物質のクロマトグラムと 比較する。次いで、各々のピークを質量分析により分析して、ピークにおけるフ ラグメントの大きさを確かめることができる。PEG基を有するフラグメントは 、通常、注入後、HPLCカラムに保持されず、またクロマトグラフから消失す る。そのようなクロマトグラフからの消失は、少なくとも1つのリジン残基を含 むであろう、ある特定のフラグメントに関するPEG化の指標である。次いで、 従来の方法により、PEG化GHを、それがGHBPに結合する能力に関してア ッセイすることができる。 利用される様々なPEG化法は、サイズ排除クロマトグラフィーにより、35 K、51K、250K、および300Kの見掛け分子量を有する、様々な種類の PEG化された野生型GHを産生し、これらは、それらの天然の流体力学量に近 くなければならない。これらは各々、PEG1−GH、PEG2−GH、PEG 3−GH、およびPEG7−GHと名付けられた。トリプシンマッピングの結果 から、PEG1−GHとPEG2−GHとの両方が、N末端に9つのアミノ酸か らなる、クロマトグラムから欠け、またPEG化されているかもしれないフラグ メントを有しており、これらは、液体クロマトグラフのフロースルーにおいて見 い出される、大きな分子種の質量分析により確認することができる。SDS−P AGEに関する分子量から、PEG1−GHは、N末端アミンに1つのPEGを 有するかもしれず、PEG2−GHは、N末端アミンに2つのPEG分子を有し 、第三級アミドを形成するかもしれない。PEG3−GHは、NMRの結果に基 づき、1分子につき5つのPEG基を有し、またトリプシンマップに基づき、少 なくとも5つのペプチドが欠けており、それらがPEG化されていることが示唆 された。PEG7−GH分子は、質量分析に基づき、1分子につき6〜7つのP EG基を有すると考えられる。 GHにPEG基を加えるための部位、またそのような結合に好ましい残基であ る部位は、N末端メチオニンまたはフェニルアラニン、リジン38、リジン41 、リジン70、リジン140、リジン145、リジン158、およびリジン16 8である。PEG化されないと思われる2つのリジンは、リジン115およびリ ジン172であった。 GHはまた、持続性放出システムによっても適当に投与される。本発明で有用 な持続性放出組成物の例には、形作られた物品形態の半透性ポリマーマトリック ス、例えば、フィルム、またはマイクロカプセルが含まれる。持続性放出マトリ ックスには、ポリアクチド(米国特許番号第3,773,919号、欧州特許第5 8,481号)、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタメートとのコポリマ ー(Sidmanら、Biopolymers 22:547−556[1983])、ポリ(2− ヒドロキシエチルメタクリレート)(Langerら、J.Biomed.Mater.Res.15 :167−277[1981]、およびLanger、Chem.Tech.12:98−1 05[1982])、エチレンビニルアセテート(Langerら、J.Biomed.Mater .Res.15:167−277[1981])もしくはポリ−D−(−)−3−ヒド ロキシ酪酸(欧州特許第133,988号)、またはPLGAミクロスフェアが含 まれる。持続性放出GH組成物にはまた、リポソームでエントラップされた(ent rapped)GHも含まれる。GHを含むリポソームは、本質的には既知の方法によ り調製される:ドイツ特許第3,218,121号;Epsteinら、Proc.Natl.A cad.Sci.USA 82:3688−3692(1985);Hwangら、Proc. Natl.Acad.Sci.USA 77:4030−4034(1980);欧州特許 第52,322号;欧州特許第36,676号;欧州特許第88,046号;欧州 特許第143,949号;欧州特許第142,641号;日本特許出願第83−1 18008号;米国特許番号第4,485,045号および同第4,544,545 号;および欧州特許第102,324号。普通、リポソームは、脂質含量が約3 0mol%コレステロールより多い、小さい(約200〜800オングストローム) 単層板型のものであり、選択された割合は、最適な治療のために調節される。加 えて、1989年8月15日に発行された米国特許番号第4,857,505号に 記載されている ように、生物学的に活性な持続性放出製剤を活性化ポリサッカライドに共有結合 したGHの付加物から作製することができる。加えて、米国特許番号第4,83 7,381号は、脂肪またはワックスまたはそれらの混合物のミクロスフェア組 成物、および遅延放出のためのGHを記載している。 IGF−Iは、注射(一回または多数回、例えば、1日に1〜4回)または注入 を含め、いずれの方法によっても投与することができる。GHと一緒の場合には 、GHに関して先に記載したように、血中での継続的存在が治療期間中ずっと保 たれるよう、IGF−Iを製剤化することができる。従って、それをポリマーに 共有結合させるか、または上記のような持続性放出製剤にするのがよい。 加えて、IGF−Iを、いずれかの1つまたはそれ以上の結合タンパク質、例 えば、現在知られている、すなわち、IGFBP−1、IGFBP−2、IGF BP−3、IGFBP−4、IGFBP−5、またはIGFBP−6と共に適当 に投与する。IGF−Iをまた、投与のために、受容体または抗体または抗体フ ラグメントに結合させてもよい。本明細書中、IGF−Iに好ましい結合タンパ ク質はIGFBP−3であり、これは、1993年11月2日に発行された米国 特許番号第5,258,287号、およびMartin並びにBaxter、J.Biol.Chem .261:8754−8760(1986)に記載されている。このグリコシル 化IGFBP−3タンパク質は、ヒト血漿中に見い出される120−150Kd の糖タンパク質複合体の非還元SDS−PAGEゲル上の約53Kdの酸安定成 分であり、内因性IGFの大部分を運んで、またGHにより調節もされる。 IGF結合タンパク質をIGF−Iと共に投与することは、1993年2月1 6日に発行された米国特許番号第5,187,151号に記載されている方法より 成し遂げられ得る。簡単に言えば、IGF−IおよびIGFBPを約0.5:1 〜約3:1、好ましくは約1:1のモル比で皮下ボーラス注射により有効量で投 与する。 好ましくは、IGF−IとGHとの両方の投与は、例えば、静脈内方法または 皮下方法を利用する連続注入による。さらに好ましくは、その投与は、IGF− IとGHとの両方に関して皮下である。 GHとIGF−Iとの組み合わせによるうっ血性心不全の治療では、GHとI GF−Iとの組成物を製剤化し、用量として、良好な医療実施にかなった方法で 投与するであろう。これに関連して考慮すべき因子には、処置すべき個々の哺乳 動物、個々の患者の臨床病態(特に、GHまたはIGF−Iを単独で用いての治 療に関する副作用)、IGF−IとGHとの組成物の送達部位、投与方法、投与 計画、および医者に知られている他の因子が含まれる。従って、本明細書中での 目的のための各々の成分の「有効量」は、そのような考慮すべき事項により決定 され、またうっ血性心不全の患者における心臓の性能を改善して、同様に重要な 他の病態を回復させる量である。 一般的な案として、1用量につき非経口投与されるIGF−IおよびGHの各 々の全医薬的有効量は、約1μg/kg/日〜10mg/kg/日(患者の体重)の範囲 であろうが、上述のように、このことは、相当な治療判断を必要とするであろう 。治療の種類(その治療が慢性であるか、急性であるか)および患者の年齢(すな わち、初老、中年、もしくは若い成人に投与するか、または子供に投与するか) が用量に影響を及ぼすであろうと同様に、副作用の存在が用量に影響を及ぼすで あろう。急性処置に適する患者の例には熱傷患者が含まれ、この患者は、2〜4 週間処置するのがよい。慢性処置に適する患者の例には初老が含まれ、この患者 には、一般的には、若い患者より薬物を少なく与える。4カ月が半慢性用量であ ろう。急性処置のための用量は、一般的には、より広い範囲であって、慢性処置 のための用量より高い上限を有する。 一般的規則として、IGF−IおよびGHの各々の好ましい用量は、少なくと も約0.01mg/kg/日、またさらに好ましくは、ヒトに対し、各々のホルモン に関して約0.01〜1mg/kg/日である。一層さらに好ましくは、各々のホル モンの用量は、約0.01mg/kg/日〜0.25mg/kg/日である。GHに関して 具体的には、最も好ましい用量を約10〜100μg/kg/日の範囲で1日1回 与え、この用量は、最初の低い用量から傾斜的に上げていくのがよい。IGF− Iに関して具体的には、最も好ましい用量を約50−200μg/kg/日(全日用 量)、好ましくは約50−150μg/kg/日の範囲で1日2回与える(BID)。 連続的 に投与するなら、IGF−IおよびGHを各々、一般的には、例えば、ミニポン プを用いて、1日に1〜4回の注射により、または連続皮下注入により、約1μ g/kg/時間〜約50μg/kg/時間の用量割合で投与する。静脈内バッグ溶液を また使用することもできる。適当な用量を選択する際に重要な因子は、例えば、 心臓の性能の改善、症状の軽減、自動運動耐性の増加、および/または生存の長 期化により測定されて、得られた結果である。 IGF−IとGHの両方の用量を考える医者は、これらのホルモンを用いての 治療に関する既知の副作用を考慮に入れなくてはならないことに注意する。hG Hに関する副作用には、ナトリウム貯留および細胞外容量の拡大(Ikkosら、Ac ta Endocrinol.32:341−361(1959);Biglieriら、J.Clin.E ndocrinol.Metab.21:361−370(1961))、さらにはまた高イン スリン症および高血糖症が含まれる。IGF−Iの主要で明らかな副作用は、高 血糖症である。Gulerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2868− 2872(1989)。それどころか、IGF−IとGHとの組み合わせは、両 方の物質の望ましくない副作用の減少をもたらし得(例えば、IGF−Iに関す る高血糖症およびGHに関する高インスリン症)、またその分泌がIGF−Iに より抑制されるGHの血液レベルの回復をもたらし得る。 非経口投与の場合、一態様において、IGF−IおよびGHを、通例、単位投 薬量の注射可能形態(溶液、懸濁液、またはエマルション)で、医薬的に許容され 得る担体、すなわち、使用する投薬量および濃度でレシピエントに対して無毒で あって、製剤の他の成分と適合する担体と共に、所望の純度で各々を混合するこ とにより製剤化する。例えば、製剤には、好ましくは、ポリペプチドに対して有 害であることが知られている酸化剤および他の成分は含まれない。 通例、IGF−IおよびGHを各々、液状担体または微細に粉砕された固形担 体またはそれら両方と均等かつ十分に接触させることにより、製剤を調製する。 次いで、もし必要ならば、生成物を所望の製剤に形作る。好ましくは、その担体 は、非経口担体であり、さらに好ましくは、レシピエントの血液と等張の溶液で ある。そのような担体ビヒクルの例には、水、生理食塩水、リンゲル溶液、およ びデキストロース溶液が含まれる。本明細書中では、不揮発性油およびオレイン 酸エチルといったような非水性ビヒクルもまた、リポソームと同様に有用である 。 担体は、適当には、等張性および化学安定性を高める物質のような添加物を少 量含む。そのような物質は、使用する投薬量および濃度でレシピエントに対して 無毒であり、またリン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酢酸、および他の有機酸 またはそれらの塩といったような緩衝液;アスコルビン酸のような抗酸化剤;低 分子量(約10残基未満)のポリペプチド、例えば、ポリアルギニンまたはトリペ プチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンといったようなタン パク質;ポリビニルピロリドンのような疎水性ポリマー;グリシン、グルタミン 酸、アスパラギン酸、またはアルギニンといったようなアミノ酸;セルロースも しくはその誘導体、グルコース、マンノース、またはデキストリンを含め、単糖 類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート化剤;マンニトー ルまたはソルビトールといったような糖アルコール;ナトリウムのような対イオ ン、および/またはポリソルベート、ポロキサマー、またはPEGといったよう なイオン性界面活性剤が含まれる。 IGF−IおよびGHは各々、一般的には、そのようなビヒクル中、約0.1m g/ml〜100mg/ml、好ましくは1〜10mg/mlの濃度、約4.5〜8のpHで 個々に製剤化される。完全な長さのIGF−Iは、通例、約6以下のpHで安定 であり;des(1−3)−IGF−Iは、約3.2〜5で安定であり;hGHは、例 えば、7.4〜7.8のより高いpHで安定である。前述の賦形剤、担体、または 安定剤の幾つかの使用がIGF−IまたはGH塩の形成を起こすことが分かるで あろう。 加えて、IGF−IおよびGH、好ましくは完全な長さのIGF−Iを一緒に 適当な担体ビヒクル中で製剤化して、医薬組成物を形成することができる。一態 様において、製剤に使用される緩衝液は、組成物を混合して直ぐ使用するか、ま たは後の使用のために保存するかどうかにより左右されるであろう。混合した後 直ぐに使用するなら、完全な長さのIGF−IとGHとの混合物を、マンニトー ル、グリシン、およびリン酸塩(pH 7.4)中で製剤化することができる。この 混合物を保存すべきなら、クエン酸塩のような、pHが約6の緩衝液中、0.1% ポリソルベート20またはポロキサマー188といったような、このpHでGH の溶解度を増加させる界面活性剤と共に製剤化する。最終調製物は、安定な液体 または凍結乾燥固体であるのがよい。 治療投与に使用されるべきIGF−IおよびGHは、無菌であるのが好ましい 。無菌性は、無菌濾過膜(例えば、0.2ミクロン膜)を通して濾過することによ り容易に成し遂げられる。IGF−IとGHとの治療組成物は、通例、無菌アク セスポート、例えば、静脈内溶液バッグを有する容器、または皮下注射針により 剌すことができる栓を有するバイアルに入れられる。 IGF−IおよびGHは、普通、器具または多用量容器、例えば、封管アンプ ルまたはバイアル中、水溶液として、または再構築用の凍結乾燥製剤として保存 されるであろう。凍結乾燥製剤の例として、10mlのバイアルを、無菌濾過され た1%(w/v)水性IGF−IおよびGH溶液5mlで満たして、その結果得られ た混合物を凍結乾燥する。静菌注射用水を用いて、凍結乾燥したIGF−Iおよ びGHを再構成することにより、注入溶液を調製する。 投与すべき有効量のACE阻害剤は、もし使用するなら、医者または獣医の随 意であろう。投薬量の投与および調節を行って、うっ血性心不全の最適な処置を 得、また理想的には、利尿薬またはジギタリスの使用、および低血圧症並びに腎 障害といったような病態を考慮に入れる。その用量は、さらに、使用する阻害剤 の種類および処置する特定の患者といったような因子により左右されるであろう 。一般的には、使用する量は、ACE阻害剤をGHおよびIGF−Iなしで投与 する場合に使用される量と同じ用量であろう。 従って、例えば、エナラプリルの試験用量は5mgであり、次いで、患者がそれ に耐性を示すにつれて、これを日に一度、1日に10〜20mgまで傾斜的に上げ ていく。別の例として、最初に、カプトプリルを6.25mgの試験用量でヒトの 患者に経口投与した後、患者がそれに耐性を示すにつれて、その用量を1日2回 (BID)または1日3回(TID)25mgまで段階的に上げていって、BIDまた はTIDで50mgまで滴定することができる。血圧の減少が低血圧症の兆しを伴 うかどうかを測定することにより、耐性レベルを見積もる。もし示されたなら、 その用量をBIDまたはTIDで100mgまで増加させることができる。カプト プリルを、塩酸チアジンと組み合わせての活性成分として、また結腸に到達する までカプトプリルを保護する腸内放出または遅延放出コーティングを有するpH 安定化コアとして製造する。カプトプリルは、錠剤またはカプセルの形態で投与 するのに有効である。カプトプリルおよび他のACE阻害剤と関係する投薬量、 投与、指示および反対指示に関する論議は、Physicians Desk Reference、M edical Economics Data Production Co.、Montvale、NJ.2314−2 320(1994)に見い出すことができる。 本発明は、以下の実施例を参照することによって、より完全に理解されるであ ろう。しかし、その実施例は、本発明の範囲を制限するものとして構成されるべ きではない。文献および特許引用は全て、本明細書中に明白に包含される。 実施例1 カプトプリルを用いて前処置および同時処置するか、または処置することなしに 、うっ血性心不全を治療するためのGH/IGF−Iの使用 序論 この研究の目的は、カプトプリルまたは水のいずれかを用いて前処置および同 時処置するか、または処置することなしに、うっ血性心不全に罹っているラット でのヒトGH/IGF−Iの心臓への作用を評価することであった。 方法 手術前の少なくとも一週間、雄のSprague−Dawley(SD)ラット(Charles River Breeding Laboratories,Inc.、8週齢)を設備に順応させた。ラット にペレット化したラットの食物および水を自由に摂取させて、明るさおよび温度 を調節した部屋に収容した。 冠状動脈結紮 以前に記載されているように、心筋梗塞を左冠状動脈結紮により引き起こした 。 Geenen,D.L.ら、J.Appl.Physiol.63:92−96(1987);Butt rick,P.ら、Am.J.Physiol.260:H473−H479(1991)。そ れらのラットをペントバルビタールナトリウム(60mg/kg、ip)で麻酔し、気管 切開により挿管して、人工呼吸器(Harvard Apparatus Model 683)により 通気した。左側を開胸した後、7−0の絹の縫合糸を用いて、左冠状動脈をその 起始から約2mm結紮した。ラットは全て、American Heart Associationによ り1984年11月11日に採用された「Position of the American Heart Association on Research Animal Use」に従って取り扱った。4〜6週間結 紮すると、心筋梗塞は、ラットにおいてうっ血性心不全を起こした。 心電図 手術一週間後、光メトファン(metofane)麻酔下に心電図を得て、梗塞の発生を 証明した。胸部誘導を渡る異常Q波の深度および存続により、結紮したラットを 部分群に分けた。Buttrick,P.ら、Am.J.Physiol.260:H473−H4 79(1991);Kloner,R.A.ら、Am.Heart J.106(5):100 9−1013(1983)。ECG研究結果は、梗塞の大きさに関する全体評価 を与え、また成長因子およびビヒクルで処置した結紮したラットでは、大きな梗 塞および小さな梗塞が別々に分布していないことを確証した。処置している間、 体重(BW)を週に2回測定した。 GHおよびIGF−Iの投与 手術二週間後、ラットをカプトプリル(2g/L)または水の処置レジメに3週 間置いた。カプトプリルまたは水での処置を開始してから3カ月後、ビヒクルま 1日2回、皮下注射)と組換えヒトIGF−I(50mM 酢酸ナトリウム緩衝液中 、10mg/ml、2.5mg/mlフェノール、5.84mg/ml NaCl、および9mg/m l ベンジルアルコール、pH 5.4;2mg/kg/日、オスモティックポンプによ り皮下注入)との組み合わせを各々のグループのラットの処置に加えた。この方 法で処置を14日間続けた。GHおよびIGF−Iをビヒクルとしての(注射用) 水で投与した。処置している間、体重(BW)を週に2回測定した。 カテーテル法 GH/IGF−Iまたはビヒクルを用いての処置から13日後、ラットをペン トバルビタールナトリウム(50mg/kg、腹腔内)で麻酔した。動脈圧および心拍 数を測定するために、ヘパリン−生理食塩水溶液(50U/ml)を満たしたカテー テル(PE−50と融合させたPE−10)を、右大腿動脈を通して腹部大動脈に 埋込んだ。左心室圧およびdP/dtを測定するために、第2のカテーテルを、右 頸動脈を通して左心室に埋込んだ。熱希釈法により心拍出量を測定するために、 第3のカテーテルを、生理食塩水注入用に、右頸静脈を通して右心房に埋込んで 、サーミスタカテーテル(Lyons Medical Instrument Co.、Sylmar、CA) を大動脈弓に挿入した。それらのカテーテルを、皮下にくぐらせたステンレス鋼 針金の助けを借りて頸の後で肱置した後、固定した。カテーテルを埋込んだ後、 ラットを全て個々に収容した。 血流力学測定 カテーテル法を行った一日後、血流力学測定を、意識があって抑制されていな いラットで行った。心拍出量を測定するために、マイクロコンピューターシステ ム(Lyons Medical Instrument Co.)を用いて、サーミスタカテーテルを処理 し、また平均動脈圧(MAP)、収縮期動脈圧(SAP)、心拍数(HR)、左心室拡 張終期血圧(LVEDP)および左心室最大dP/dtを測定するために、他の3つ のカテーテルをGrass 7型ポリグラフ(Grass Instruments、Quincy、MA、 USA)に連結したCP−10型圧力変換器(Century Technology Company、 Inglewood、CA、USA)に接続した。心拍出量を測定するために、室温の等 張生理食塩水(0.1ml)を頸静脈カテーテルによりボーラスとして注射した。熱 希釈曲線をVR−16サイマルトレース(simultrace)記録計(Honeywell Co.、 NY)によりモニターして、心拍出量(CO)をデジタル式マイクロコンピュータ ーにより得た。COから、一回拍出量(SV)、心指数(CI)、一回拍出量指数( SVI)、および全身血管抵抗(SVR)を計算することができる。 これらの血流力学パラメーターを測定した後、血液1mlを動脈カテーテルによ り集めた。GHおよびIGF−Iを測定するために、血清を分離して、−70℃ で保存した。 実験の最後に、ラットをペントバルビタールナトリウム(60mg/kg)で麻酔し て、心臓をKCl(1M)の動脈内注射で拡張期に停止させた。心臓を摘出して、 心房および大きい管を心室から切り取った。その心室の重さを量って、10%緩 衝化ホルマリンに固定した。 梗塞の大きさの測定 壁のない(free wall)右心室を左心室から切開した。その左心室を尖から底ま で4つの横径スライスに切断した。5μmの切片を切断し、封入して、マッソン 三色染色で染色した。梗塞を起こした左心室および梗塞を起こしていない左心室 の心内膜周径および心外膜周径を面積計 Digital Image Analyzerで測定した 。4つのスライス全ての梗塞を起こした周径および全左心室周径を合計して、全 周径に対する梗塞を起こした周径のパーセントとして表した。次いで、これら2 つの割合を平均して、梗塞の大きさのパーセントとして表した。 ホルモンアッセイ 血清ヒトGHを感受性ELISAにより測定した。Celniker,A.、J.Clin. Endocrinol.Metab.68:469−476(1989);Greenen,D.L.ら 、J.Appl.Physiol.63:92−96(1987)。このアッセイは、ラッ トGHを検出しない。酸−エタノール抽出した後、標準としてヒトIGF−I( 研究試薬としてGenentech,Inc.から入手できる)、およびウサギ抗IGF−I ポリクローナル抗体を用いて、全血清IGF−Iをラジオイムノアッセイにより 測定した(Furlanetto R.W.ら、J.Clin.Invest.60:648−657[ 1977];Zapf J.ら、J.Clin.Invest.68:1321−1330[1 981])。許容範囲は1.25〜40ng/mlであったが、アッセイ内およびアッ セイ間変動は各々、5〜9%および6〜15%であった。 統計分析 結果を平均±SEMとして表す。分散の二元分析および一元分析(ANOVA) を行って、グループ間のパラメーターの差を評価した。次いで、Newman−Keul s法を用いて、有意差を後(post)hoc分析にかけた。P<0.05を有意とみなし た。 結果 BWの増加は、カプトプリルで処置したラットまたは対照ラットにおいてより 、GH/IGF−Iで処置したラットまたはカプトプリル+GH/IGF−Iで 処置したラットにおいて有意に大きかった。カプトプリル単独では、BW増加は 変わらなかった。(第1a図)。GH/IGF−Iでは、水で処置したラットでの BWに対する左心室重量の割合(LVW/BW)は有意に変わらなかった。BWに 対する左心室重量の割合(LVW/BW)は、カプトプリルで処置したグループま たはカプトプリル+GH/IGF−Iで処置したグループにおいて有意に減少し た(第1b図)。 GH/IGF−I処置は、水で処置したラットおよびカプトプリルで処置した ラットにおけるヒトGHおよびヒトIGF−Iの血清レベルを有意に増加させた (第2a図および第2b図)。GHおよびIGF−Iの血清レベルの増加は、水で 処置したラットとカプトプリルで処置したラットとの間で違わなかった。 梗塞の大きさは、4つの実験グループにおいて違わなかった(第3図)。 GH/IGF−Iは、水で処置したラットにおいて、SAPを減少させて、M APを有意に減少させる傾向にあった(第4a図および第4b図)。SAPおよび MAPは、対照グループまたはGH/IGF−Iグループと比べて、カプトプリ ルで処置したラットまたはカプトプリル+GH/IGF−Iで処置したラットに おいて有意に減少した。カプトプリルまたはGH/IGF−Iではいずれも、H Rは有意に変わらなかった(第4c図)。 GH/IGF−I処置は、水で処置したラットとカプトプリルで処置したラッ トの両方において、左心室最大dP/dtの有意な増加を引き起こした(第5a図) 。カプトプリル単独処置では、dP/dtは変わらなかった。LVEDPは、対照 グループと比べて、3つの処置したグループ全てにおいて有意に減少した(第5 b図)。 カプトプリルまたはGH/IGF−Iはいずれも、CIおよびSVIを増加さ せた(第6a図および第6b図)。CIおよびSVIの増加は、カプトプリルで処 置したグループにおいてより、カプトプリル+GH/IGF−Iで処置したグル ープにおいて有意に大きかった。SVRは、対照グループと比べて、3つの処置 したグループにおいて有意に減少した(第6c図)。 要約 GHとIGF−Iとの組み合わせを用いてのうっ血性心不全の治療は、カプト プリルの存在下または不存在下、左心室最大dP/dtの有意な増加を起こした。 この作用は、カプトプリル単独では見い出されなかった。 カプトプリルを単独で用いての慢性処置は、動脈圧、左心室拡張終期血圧およ び末梢血管抵抗の減少を引き起こした。これらの変化は、試験動物における心拍 出量および一回拍出量の増加を起こした。これらは、心不全に罹っているヒトお よび動物において明白な、ACE阻害に関する周知の利点であった。 カプトプリルを用いての初期治療後、うっ血性心不全に罹っている哺乳動物の 処置レジメに加えられたGHおよびIGF−Iは、慢性ACE阻害の作用に関す る背景以上に明らかな、心筋の収縮性および心臓の性能の増加の作用を誘発した 。さらに、LVW/BWにより測定される、心肥大を減少させる際のカプトプリ ルの有利な作用は、カプトプリル、GH、およびIGF−Iで処置したグループ において保たれる。データは、GHおよびIGF−Iと組み合わせたカプトプリ ルが、うっ血性心不全における心臓の性能を改善することを示唆する。 これらの結果は、カプトプリルまたは他のACE阻害剤を用いての治療期間後 、うっ血性心不全に罹っている患者には、GHおよびIGF−Iを処置レジメに 加えるのが有利であろうことを示唆する。これらの結果はまた、患者には、AC E阻害剤の不存在下ですら、GHとIGF−Iとの組み合わせが有利であろうこ とをも示唆する。ACE阻害剤の不存在下、GHとIGF−Iとの組み合わせが 有利である患者は、ACE阻害剤を禁忌とする患者およびACE阻害剤の副作用 に耐性がない患者である。 実施例2 うっ血性心不全に関して提唱される臨床治療 A.関与 GHの1日1回用量およびIGF−Iの1日2回用量でのGHおよびIGF− Iの患者自己投与を熟考する。各々の薬物の最初の用量は、同じ日に投与し、ま たGHに関して10〜100μg/kg/日およびIGF−Iに関して40〜12 0μg/kg/日(1日2回与える)である。これらの範囲は、副作用および効き目 によって調節されるであろう。 患者は、以下のいずれかの理由で考慮から除外される: −(手術可能または不可能な)不正確な、主要な弁の心臓病、(禁断が試みられ ていないなら、アルコールを含め)特定の処置可能な病因、または手術可能な冠 状動脈疾患から起こる心不全。 −3カ月間未満の拡張された心筋症。 −胸痛または閉塞性末梢血管疾患により制限された自動運動。 −FEV 160%が予測される慢性閉塞性肺疾患。 −糖尿病または損なわれたグルコース耐性。 −手根管症候群歴または試験で陽性のティネル徴候に関する証拠。 −症候群性変形性関節症。 −活性悪性疾患。 B.結果 この組み合わせた処置に関して予期される結果には、以下のことが含まれる: 健康感の改善、自動運動耐性の増加、筋力並びにやせた体質量の増加、全身血管 抵抗の減少、心臓の性能の向上、および代償性心筋肥大の向上。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 08/333,909 (32)優先日 1994年11月3日 (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,JP,MX (72)発明者 パオニ,ニコラス・エフ アメリカ合衆国94002カリフォルニア州 ベルモント、テラス・ドライブ1756番 (72)発明者 ヤン,レンフイ アメリカ合衆国94066カリフォルニア州 サン・ブルノ、シー・クリフ・ウェイ2045 番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.うっ血性心不全を示す哺乳動物を治療する方法であって、GHとIGF− Iとの組み合わせの有効量を該哺乳動物に投与することからなる方法。 2.成長ホルモンがヒト成長ホルモンであって、IGF−IがヒトIGF−I である、請求項1に記載の方法。 3.哺乳動物がヒトである、請求項2に記載の方法。 4.GHおよびIGF−Iの各々の有効量が約0.01〜約1mg/kg/日であ る、請求項3に記載の方法。 5.GHもしくはIGF−Iまたはその両方の投与が皮下または静脈内経路に よるものである、請求項4に記載の方法。 6.GHを1日1回投与して、IGF−Iを1日2回投与する、請求項5に記 載の方法。 7.うっ血性心不全が急性または慢性虚血から起こる、請求項1に記載の方法 。 8.うっ血性心不全が心筋梗塞から起こる、請求項1に記載の方法。 9.うっ血性心不全を示す哺乳動物を治療する方法であって、GH、IGF− IおよびACE阻害剤の組み合わせの有効量を該哺乳動物に投与することからな る方法。 10.ACE阻害剤を単独で用いての処置期間後にGHおよびIGF−Iの投 与を開始する、請求項9に記載の方法。 11.処置の最初からGH、IGF−IおよびACE阻害剤を一緒に投与する 、請求項9に記載の方法。 12.ACE阻害剤がカプトプリルである、請求項9に記載の方法。 13.成長ホルモンがヒト成長ホルモンであって、IGF−IがヒトIGF− Iである、請求項9に記載の方法。 14.哺乳動物がヒトである、請求項13に記載の方法。 15.GHもしくはIGF−Iまたはその両方の投与が皮下または静脈内経路 によるものである、請求項9に記載の方法。 16.GHを1日1回投与して、IGF−Iを1日2回投与する、請求項15 に記載の方法。 17.うっ血性心不全が急性または慢性虚血から起こる、請求項9に記載の方 法。 18.うっ血性心不全が心筋梗塞から起こる、請求項9に記載の方法。
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