【発明の詳細な説明】1.発明の名称
チャネル導波管から成る接合スプリッタおよび用途2.技術分野
本発明は、比較的大きな波長スペクトルからの異なった波長または異なった波
長範囲の光線の空間における結合または分割(split)に使われる接合スプリッタ
に関する。必要に応じて、この広帯域接合スプリッタは、光線の切替え、偏移ま
たは変調に使われる。
本発明はまた、この広帯域接合スプリッタの用途も提供する。広帯域接合スプ
リッタに使われる単モード・チャネル導波管は、同日に出願された特許出願「チ
ャネル導波管およびその応用(Channel Waveguide and Applications)」中に述べ
られている単モードの集積光学広帯域チャネル導波管または白色光チャネル導波
管である。
本発明はまた、特許出願「カラー・イメージ発生システムおよびその応用品(C
olour Image Generation Systems and Applications)」にも関連する。
本文書の目的上、光線とは、可視、不可視の(赤外線および紫外線の)電磁放
射を意味するが、特に離散波長の、または400nm〜760nmの波長スペク
トル中の波長範囲の可視放射を意味する。「チャネル導波管」という名称は、周
辺媒体に関連の導波領域内の屈折率の増加によってもたらされる全反射の原則に
基づいた導波管に適用される。3.現在の技術水準
95nm未満(与えられた数値は短波可視光線に適用される)の帯域幅用の接
合スプリッタは既知である。離散チャネル導波管同士の結合は、次に示す2つの
原因による2モード干渉の基本的に既知の原則に従った光線の結合の目的に効果
がある。
-Y接合カップラの使用
-Xカップラ、方向性カップラ、3ガイド・カップラもしくはBOAのような集
積光学スイッチング素子または分布素子の使用(W.Karthe,R.Mueller,Integ
rierte optik「集積光学」、Akademische Ver-lagsgesellschaft Geest & Porti
g K.-G.,Leipzig,1991およびA,Neyer:"In-tegriert-Optische Komponenten f
ur die Optische Nachrichtentechnik"「光通信技術のための集積光学構成要素
」、ドルトムント大学教目資格取得論文,1990を参照)BOAは、集積光学デバ
イスのグループを指すフランス語の名称(bifurcation opti-que active)である
(M.Papuchon,A.Roy,D.B.Ostrowsky,「電気的に活性な光学分岐(BOA)」,
Appl.Phys.Lett.,Vol.31(1977)を参照)。
接合分割の効率―光線の効率的な変調およびスイッチングの双方またはいずれ
かのための同時要件はもちろんのこと―は、単モードにある接合スプリッタの入
力および出力を与えるチャネル導波管による。約130nm(ここに与えられて
いる数値は短波可視光線に適用される)より大きい帯域幅を持つ波長範囲用の既
知のチャネル導波管は、単モードではない。
光線の波長が異なれば、基板の屈折率、上層の屈折率、チャネル導波管の1時
限もしくは2時限屈折率のプロフィール、断面形状(例えば、幅や深さ)ならび
に基板内もしくは基板上のチャネル導波管位置のようなチャネル導波管の特徴を
なすパラメータの値も異なる。一般に、これによって、導波される光線の波長が
異なれば、異なったチャネル導波管を使う必要がある。
既知のチャネル導波管(例えば、LiNbO3中のチタニウム拡散チャネル導
波管)に基づいた接合分割の場合、使用可能波長範囲は、関連の単モード・チャ
ネル導波管の波長範囲に比べて約35nmほど減少するが、これは、Y接合カッ
プラ、方向性カップラ、3ガイド・カップラ、XカップラまたはBOAのような
2モード干渉に基づく接合スプリッタにおいては、接合または分割領域中におけ
る横方向の第2モードの振動形成は避けなければならないからである。これは、
使用可能波長範囲全域にわたる接合スプリッタの動作のための光線の透過性能の
分割比を一定に保つための前提条件である。
したがって、95nmより大きい波長範囲から光線を効率的に接合分割するた
めには、技術的観点からは約130nm(ここに与えられた値は短波可視光線に
適用される)より大きな帯域幅を持つすべての波長を効率的に透過する全く同一
の単モードのチャネル導波管を使う必要がある。技術的に十分な程度の有効性を
持つ透過とは、チャネル導波管中に導波されたモードの実効屈折率Neffが、周
辺材料の屈折率nsより少なくとも5x10-5高くなければならないということ
である。これは、導波管の減衰が1dB/cmの範囲と低い値に抑えるために必
要な1つの前提条件である。技術的に有効であるとは更に、単モード導波可能波
長範囲全域において、導波管減衰およびチャネル導波管と単モード光ファイバと
の間のカップリングの変化を30%以下に抑えなければならないということであ
るが、これは光線が通常は単モード光ファイバによってチャネル導波管中にカッ
プリングされるからである。標準のチャネル導波管を使った場合、単モード中の
全く同一のチャネル導波管内に技術的に十分な程度の効率で、例えば赤や青の光
線を導波することは不可能である。
今までのところ、全く同一の導波管構造体中にある、約95nm(ここに与え
られた数値は短波可視光線に適用される)より大きな帯域幅を持つ異なった波長
の光線を、必要とあれば、単独にまたは一緒に、効率的に変調し、偏移し、スイ
ッチングし、そして空間的に結合または分割したうえで単モード中で導波させる
ようなデバイスは知られていない。
この目的を達成するために、この形で、そして電気光学効果を利用したような
既知の変調機構と組み合わせても今まで実現されなかったような要件を満足しな
ければならない。
特許出願DE4327103A1号によれば、光学干渉法的に調節可能な光フ
ィルタが知られている。この光フィルタは、入力信号を複数の導波管分岐中に分
割する。個々の分岐中で、信号の振幅および位相は個別に制御される。次に信号
は導波管中で再結合される。
このフィルタ素子は800nmと1.6μmとの間の波長における、そして比
較的狭い帯域を用いる電気通信技術において波長の多重動作用のデマルチプレク
サとして作動する。4.発明の課題
本発明は、広い波長スペクトルからのまたは大きな波長距離を持つ複数の離散
した波長からの光ビームを空間的に結合しまたは分割し、さらに、必要に応じて
、このような空間的結合の前後または時点でこれらの光ビームを変調、偏移およ
び/またはスイッチングするための業務に基づく。ビームは、複数の波長または
波長範囲、特にすべての波長または可視光線スペクトルからの帯域幅Δλ>95 n
mのある波長からの光線を含むものとする。このことは、広帯域接合スプリッタ
を実現するためには、少なくとも130 nm(ここに与えられた数値は短波可視光線
に適用される)の単モード導波可能波長範囲を特徴として持つ広帯域チャネル導
波管のための要件も存在することを意味する。
広帯域接合スプリッタの場合、基本的に既知の応用領域は、比較的単純な構造
の光学アッセンブリおよびデバイスが可能になる程度に開発されるものとする。
この可能性は、光線の、単モードにおける透過、広い波長スペクトルを通じての
変調および/または接合分割(空間的分割または空間的結合)が可能な集積光学
デバイスを生産するために創出される。5.発明の意義
本発明によれば、請求の範囲第1項の特徴を持つチャネル導波管を具備する接
合スプリッタを手段とすれば問題は解決される。
請求の範囲第2項〜6項の特徴は、請求の範囲第1項の特徴に従った接合スプ
リッタの幾何学的、光学的応用である。請求の範囲第7項〜20は、請求の範囲
第1項の有利な更なる応用である。本発明によれば、広帯域接合スプリッタの応
用は、請求の範囲第24項〜26項に、請求の範囲第23項の更なる応用を示す
。請求の範囲第21項、22項、23項、27項、34項または35項の特徴に
準じて実効される。請求の範囲第24〜26は、請求の範囲第23項の更なる応
用を示す。請求の範囲第28項〜33項は、請求の範囲第27項の更なる応用を
示
す。請求の範囲第36項は、請求の範囲第35の更なる応用を示す。
本発明によれば、少なくとも2つの単モード集積光チャネル導波管(必ずしも
必要ではないが広帯域であることが望ましい)は、後続の単モード集積光学的広
帯域チャネル導波管(以下、SOWCWと呼ぶ)が空間的に結合された光線上を
通過するように結合される。SOWCWは、同日に出願された特許出願「チャネ
ル導波管およびその応用(Channel Waveguide and Applications)」に従って設計
される。
SOWCWは、広帯域で単モードの光線の透過が可能である。広帯域であると
は、異なった波長の、特に可視光線スペクトルで、以下に示す帯域幅の放射が、
技術的に充分な有効性で単モードで透過され得るということである。
ΔλW>0.48xλ-85 nm(ここで、λおよびΔλWはnm単位で示さ
れる)
可視光線の場合、このことは、SOWCW帯域幅がλ=400 nmに対して約
105 nmより大きく、λ=450nmに対しては約130 nmより大きいと
いうことである(図10を参照)。
単モードとは、ある波長範囲内の任意の波長の個々に対して、たった1つの実
効屈折率、すなわちSOWCW中の基本モードの実効屈折率N00を割り当てるこ
とができることを意味する(図9を参照)。標準的には、そして、このように本
明細書中でも、モード順序カウントはゼロから始まり、例えば、基本モードN00
、第1横方向モードN01、などという具合である。
本明細書では、光線とは可視または不可視の(赤外線および紫外線の)電磁放
射を意味するものと解釈される。技術的に充分な程度の効果性を持つ透過とは、
SOWCW中に導波されるモードの実効屈折率Neffが周辺材料の屈折率nsより
少なくとも5x10-5高くなければならないが、ここでnsは基板の屈折率n1ま
たは上層の屈折率n3のいずれか高い方の値を示す。これは、1 dB/cmの範
囲内の低い導波管減衰値を達成し、チャネル導波管を効果的に技術的応用される
よ
うに実現するための必要な前提条件である。
λaとΔλW間の範囲内の任意の個々の波長に対して、たった1つの実効屈折率
、すなわち基本モードの実効屈折率N00を割り当てることができる。単モード範
囲は、一方では、技術的観点からは、λa+Δλwにおける基本モードN00の効率的
発振形成によって、また他方では、技術的観点からは、波長λaにおける横方向N01
内の第1モードまたは深度方向N10内の第1モードの効率的振動形成によって
決定される。λaおよびλa+Δλwの値は、チャネル導波管の幾何学上のまたは物
質上のパラメータおよびチャネル導波管を取り囲む媒体によって決定される。原
則として、使用可能波長最小値λminおよび使用可能波長最大値λmaxは、使用さ
れる材料の光透過範囲によって決定される。
例えば、結晶質材料KTiOPO4の場合、透過範囲の最小値は約350nm
であり最大値は約4μmである。
技術的に有効とは更に、単モード導波可能波長のすべての範囲において、導波
管減衰およびSOWCWと単モード光ファイバ間における光カップリングの効率
の変化が30%以上であってはならないということであるが、この理由は光線は
通常は、単モード光ファイバによってSOWCW中にカップリングされるからで
ある。標準チャネル導波管を使用する場合、例えば赤や青の光線を単モードでし
かも技術的に充分な程度の有効性で全く同一のチャネル導波管内に導波すること
は不可能である。SOWCWパラメータ基板屈折率、上層屈折率、SOWCWの
屈折率または1時限もしくは2時限の屈折率プロフィール、断面形状(例えば、
幅や深さ)および基板中もしくは基板上におけるSOWCWの位置は、広い波長
範囲にわたって、特に可視光線の全範囲にわたって、SOWCWの単モード動作
が保証されるようにそのディメンジョンが決められる(W.Karthe,R.Mueller
,Integrated Optics,Akademische Verlags-gesellschaft Geest & PortigK.-G
.,Leipzig,1991内の「集積光チャネル導波管の一般ディメンジョン規則」を参
照)。特に、可視波長スペクトル全域の光波を導波できる、全可視スペクトルに
わたる全く同一のSOWCW内におけるこのような光波の導波は、単モードにお
いてとなり、技術的観点からは同一の有効性のものとなる。したがって、これは
実単モ
ード白色光チャネル導波管である。
本発明によるSOWCWの特徴は、その製造用プロセスに対する特定的な適用
およびその特定的な特性にある。基板の材料に対する物理的要件は、横方向にお
ける狭く制限された構造体の製造(例えば、イオン交換の際の拡散異方性の利用
)および、次の式に従った(SOWCWを取りまく材料に対する)導波に必要な
屈折率の増加n2−nsの波長に対する依存性(ばらつき)の双方またはその一方
である。
d(n2-ns)/dλ≧0(n1>n3であればnS=n1、n3>n1であればns=n3)
ここで、nsは、波導管領域の表面屈折率を指す。
SOWCWは、次に示すプロセスのいずれか1つに従って製造される。
- KTiOPO4(KTP)、LiNbO3、LiTaO3のような絶縁結晶体内でのイ
オン交換またはイオン拡散
- ガラス内でのイオン交換
- Siのような適当な基板上における重合体をもってする射出成形、圧縮成形ま
たは遠心処理、これによってリブもしくは反転リブの導波管またはPeterm
ann導波管を製造する。
- SiO2のような適当な基板上でエピタキシャル蒸着処理によって製造された
、II属からVI属またはIII属からV属の半導体材料中のSOWCW
- ドーピングまたは合金によって製造された、II価からVI価またはIII価からV価
の半導体材料中のSOWCW
- 3元または4元のII属からVI属またはIII属からV属の半導体材料のヘテロ構造
体中のSOWCW
- II属からVI属またはIII属からV属の半導体材料中の、リブもしくは反転リブの
導波管またはpetermann導波管
- 適当な基板材料、好ましくはSi内または上での、Si、SiO2、SiON
層および/または他の酸化物および/または窒化物層の結合によるSOWCW
- 適当な基板材料上におけるゾル-ゲル処理(S.Pelli,G.C.Righini,A.Verc
iani「ゾル-ゲル薄膜内の光導波管のレーザー書込み」SPIE 2213、集積光学に関
する国際シンポジウム、pp.58-63,1994)
- 上記のすべての材料中へのイオン・インプランテーション
光チャネル導波管の製造プロセス、特に絶縁結晶体内のイオン交換およびイオ
ン拡散、すなわちガラス内でのイオン交換は、イオン・インプランテーション処
理と結合し、狭く制限された構造体を獲得すれば有利なものとなる。
本発明による広帯域接合スプリッタを製造するために、その内の少なくとも1
つがSOWCWであるところの少なくとも3つのチャネル導波管が、光線の結合
、分割、スイッチング、偏移または変調が可能になるように結合される。これは
、Y接合カップラ、Xカップラ、方向性カップラ、3ガイド・カップラまたはBOAの
ような2モード干渉に基づく集積光学デバイスを使うことによって実施できる(W
.Karthe,R.Mueller,Integrierte Optik「集積光学」、Akademische Verlags
gesellschaft Ge- est & PortigK.-G.,Leipzig,1991)。さらに、集積光学の
またはマイクロ光学のリフレクタ(鏡、回折格子、プリズム)を接合分割のため
に使ってもよい。広帯域接合スプリッタの少なくとも1つのSOWCWが、広波
長範囲からの光線、特に離散波長のまたは全可視スペクトルからの離散した狭い
波長範囲の光線が次式(ここで、λおよびΔλWはnm単位)に従って単モード
で導波されるように設計されるものとする。
ΔλW>0.48xλ−85 nm
広帯域接合スプリッタは、次の式(ここで、λおよびΔλVはnm単位)に従
って、広い波長範囲にわたって効率的な動作が保証されるように、その幾何学的
、光学的パラメータによってそのディメンジョンが決められる。
ΔλV>0.27xλ−34 nm
波長λ=400nmに関していえば、このことは、例えば、波長範囲Δλ>7
5nm で有効な接合分割が存在することを意味する。
広帯域接合スプリッタが、全可視光線波長スペクトル、特に青および赤の光線
を同時に横切っての有効な接合分割を可能にすることが望ましい。接合分割可能
帯域幅が可視光線の全波長スペクトルに対応することで、実白色光接合スプリッ
タが存在する。
2モード干渉に基づいた集積光学デバイスにおいて、その基準が使用可能帯域
幅を制限するSOWCWに対して広帯域特性を決定する際の第2の基準が存在す
る。有効な動作、すなわち例えば、波長が変化するときの一定の分割比または集
積光学干渉計内での接合動作における高い吸光率を保証するために、第2横方向
モードN02の発振形成は広域化されたカップリング領域内では防止しなければな
らない。
接合スプリッタの使用可能帯域幅ΔλNはしたがって、一方ではチャネル導波
管中の基本モードN00の波長とチャネル導波管内の第1横方向または深さモード
(N01またはN10)の波長との差(ΔλW)または、他方では、チャネル導波管内
の基本モードN00発振形成の波長と広域化カップリング領域内の第2横方向モー
ドN02の波長との差のいずれか小さい方の値、すなわち、ΔλVかΔλWのいずれ
か小さい方の値によって決定される(図9を参照)。本発明による広帯域接合ス
プリッタは、共通SOWCWにおいて、広いスペクトル領域からの、特に全可視
光線スペクトル領域からの光線を結合する目的で使うと有利である。本発明の有
利な更なる応用としては、広帯域接合スプリッタのすべてのチャネル導波管がS
OWCWで構成されているものがある。
必要に応じて、カップリング点は能動的に影響を与えることができる。この目
的を達するために、カップリング点は、ビームの結合とビームの偏移の双方また
はその一方のための制御可能ユニットとして設計される。必要とあれば、広帯域
接合スプリッタは、適当な、一般的には電気的な入力信号を、複数の光源または
波長からの光線を非常に高い制御周波数(現在の技術水準ではGHz範囲)にま
で個別にそして能動的に制御することを可能にするような光学的振幅のまたは輝
度の信号に変換するための変調デバイスを具備する。
光線の振幅変調または輝度変調は、次に示す原理のいずれか1つに従って実現
される。
- 集積光学的干渉計構造体による電気光学的光変調
- 集積光学的干渉計構造体による音響光学的光変調
- 集積光学的干渉計構造体による熱光学的光変調
- 集積光学的干渉計構造体による磁気光学的光変調
- 集積光学的干渉計構造体によるオプト光学的光変調
- 集積光学的干渉計構造体による光熱的光変調
- 集積光学的干渉計構造体と関連して、半導体材料中に自由電荷担体を注入また
は空乏化することによる実効屈折率の修正
- ファブリー・ペロー効果を使った、電気光学的、音響光学的、熱光学的、電磁
光学的、オプト光学的または光熱的変調
- ファブリー・ペロー効果を使った、半導体材料中への自由電荷担体の注入また
は空乏化による実効屈折率の変更による変調
- 電気光学的、音響小学的、熱光学的、電磁光学的、オプト光学的または光熱的
しゃ断変調
- 半導体材料中への自由電荷担体の注入または空乏化の結果としての実効屈折率
の変化に基づくしゃ断変調
- 制御可能導波管増幅
- 偏光デバイスまたは偏光導波管に関連しての制御可能偏光変換
- 導波管モード変換
- 電気吸収変調
- Xカップラ、3導波カップラ、方向性カップラまたはBOAのような集積光学
的スイッチング素子またはディストリビュータを援用した変調
- 光源自体の変調
- 光源と導波管間のカップリング効率の修正による変調
カップリング点において、光線構成要素の空間的結合および/または分割およ
び/または偏移および/またはビーム偏向は受動的な場合に遂行され、追加的に
、光線構成要素の変調またはスイッチングは能動的な場合に遂行される。
広帯域接合スプリッタは、異なった波長の光源からの光線が関連のチャネル導
波間中に連続的に注入されるように有利に操作でき、接合点においては、光線構
成要素は空間的に結合され、共通SOWCWにおいては連続光線構成要素が変調
される(時間多重動作)。
原則として、すべての材料は基板の材料として使えると考えられ、その中では
、上記の要件を満たすSOWCWを製造することができ、さらに、必要に応じて
、変調入力信号を変調済み光学的振幅または光学的輝度信号に変換するためのオ
プションを提供する。
逆転(inversion)とは、複数の波長を持つ光線がSOWCW中で数100nm
の使用可能波長範囲内で同時に導波されることを求め、さらに、光線の振幅また
は輝度を制御するための用意が、例えば、新しいマルチ機能マイクロシステム技
術デバイスのファミリの基礎を提供する干渉計による測定方法を利用して、色混
合、測定技術、センサー技術、測光学および分光学の目的のために必要とされる
ような広帯域接合スプリッタの使用を意味する。
変調機構に関連してSOWCWを使えば、(例えば)インターフェロメトリ(
干渉学)的に動作する新しい集積光学検出法および分光学法の基礎が提供され、
さらに、SOWCW中で同時にまたは連続的に広い波長範囲からの複数の波長を
使う可能性が生まれ、しかもこのような使用法は、単なる電磁放射可視スペクト
ルに限られないということである。本発明の長所は、大量生産手段によって製造
されその寸法を小型化できる様々なデバイスおよび、例えば、電気光学的なモジ
ュールを製造する可能性があることである。本発明を用いれば、マウント上にモ
ノリシック形状またはハイブリッド形状で、光源、接合分割素子と接合結合素子
の双方もしくはその一方、制御素子または検出素子を集積できる。
解析機器の場合、測定セットアップを集積光学的に実現するには設計の小型化
が好ましいが、さらに、最小のサンプル量で解析には充分であろう。これらの最
小サンプル量を用いることが可能であり、しかも極めて高い測定精度精度が維持
され得るが、これは作用ウィンドウがSOWCWよりは広くなければならないだ
けであり、作用ウィンドウの長さがミリメータの範囲内で納まり得るからである
。測定セットアップを用いれば、導波された光線の作用またはチャネル導波管そ
れ自身の作用に影響を与える気体、液体および個体の全ての物理的、生物的およ
び化学的分量は、例えばSOWCW内の吸光、屈折率または拡散のいかなる変化
も検出することによって測定できる。広帯域接合スプリッタを具備する任意の測
定セットアップの場合、複数の波長または少なくとも1つの波長範囲を、広い波
長スペクトルから自由に選択できる。
本発明による広帯域接合スプリッタには次に示す長所がある。
- 光線の単モード広帯域透過
- 技術的意味において、GHz範囲中に対する光線の効果的な変調とスイッチング
の双方またはその一方を可能にする(現在の技術水準による)。
- 要件しだいで、波長依存性変調デバイスまたは波長に依存しない変調デバイス
(例えば、電気光学的変調、光源変調、くさびフィルタ)を選ぶことができる。
- ボリューム光学ポッケルス・セル(Pockels cell)またはカー・セル(Kerr cell
)(数100 V)と比較して低い電気光学変調電圧(数V)のため、マイクロエレ
クトロニクスにおける処理、構造体およびデバイスとの良好な結合が可能になる
。
- 基板材料としてKTiOPO4(KTP)を使う場合、高い密度の光学的性能を、いかなる
干渉位相の変化も伴うことなくSOWCW中に導波できる、すなわち屈折率の光
誘導による変化に対して材料が高い抵抗を示す。6.図面の簡単な説明
以下、本発明を次に示す図面を参照にして説明する。
図1〜4は、広帯域接合スプリッタ・デバイスの原理を示す;
図5は、Ti:LiNbO3チャネル導波管の構造体および同管内の屈折率のコ
ースの実例を示す;
図6は、Ti:LiNbO3接合スプリッタの帯域幅を示す;
図7は、Rb:KTP-SOWCWチャネル導波管の構造体および同管内の屈折
率のコースの実例である;
図8は、Rb:KTP広帯域接合スプリッタを示す;
図9は、有効な接合分割の波長依存性の一般例を示す;
図10は有効な接合分割の技術的に関連する波長範囲の一般例を示す;
図11は、変調デバイスを完備した広帯域接合スプリッタを示す;
図12は、マッハ・ツエンダー干渉計変調器を完備した広帯域接合スプリッタ
を示す;
図13は、制御可能光源を持つ3ガイド・カップラから成る広帯域接合スプリ
ッタを示す;
図14〜17は、広帯域接合スプリッタ(設計タイプ)を示す;
図18は、2x1マトリクスとしてのビーム結合とビーム偏移の双方またはそ
の一方用の制御可能ユニットを完備した広帯域接合スプリッタを示す;
図19は、3x1マトリックスとしてのビーム結合とビーム偏移の双方または
その一方および変調器用の受動ユニットを完備した広帯域接合スプリッタを示す
;
図20は、mxnマトリクスとしてのビーム結合とビーム偏移の双方またはそ
の一方用の制御可能ユニットを完備した広帯域接合スプリッタを示す;
図21は、分離した作用セルを持つ測光デバイスを示す;
図22は、作用ウィンドウを持つ測光デバイスを示す;
図23は、時間多重動作用の広帯域接合スプリッタを示す;
図24〜26は、入力分岐中に位相変調器を完備した広帯域接合スプリッタを
示す;
図27は、波長センサーを示す;
図28は、波長選択的振幅変調器を示す;
図29は、屈折率センサーを示す;
図30は、光線構成要素の空間的結合用周波数コンバータを持つ広帯域接合ス
プリッタを示す;
図31は、ある波長の光線とは異なる波長の光線構成要素を発生するための広
帯域接合スプリッタを示す;
図32は、ある波長の光線とは異なる波長の光線構成要素を発生するための空
間的結合用広帯域接合スプリッタを示す;
図33は、長さおよび屈折率の変動を測定するためのセンサーを示す。7.発明の実現方法
図1〜4に広帯域接合スプリッタの基本的設計タイプを示す。既知のLiNb
O3内チタン拡散チャネル導波管の特徴、およびこのようなチャネル導波管に基
づく標準の接合スプリッタを図5および図6に示す。これは、本発明による単モ
ード集積光学的広帯域チャネル導波管(SOWCW)の特徴や、その特徴が図7お
よび図8にその帯域幅について示されている、KTiOPO4(KTP)内のル
ビジウム・カリウム双方向イオン交換型チャネル導波管を用いた、本発明による
広帯域接合スプリッタと対照を成している。
図8と同様に、図6においても、選択されている例示タイプは、波長λの関数
としての基板の屈折率値n1に関連した、チャネル導波管内のモードの実効屈折
率Neff,zである。個々のチャネル導波管モードには、表面屈折率n2とn1また
はn3(上層の屈折率)のいずれか高い方の値との間にある実効屈折率Neffを割
り当てることが可能である。
Neffの値は、波長、基板、上層および導波管の屈折率すなわち屈折率プロフ
ィールならびに導波管の形状によって決まる。屈折率ik(i、k≧0、整数)
を持つ個々のモードは従って、その実効屈折率をNik線として使って図中に示さ
れるが、ここでiは深さモードのオーダーの記号でありkは横方向モードのオー
ダーの記号である。チャネル導波管は、もしある波長範囲からの波長に対して、
全く1つの実効屈折率、すなわち基本モードの実効屈折率N00しか割り当てるこ
とができないのであれば単モードである。技術的観点から見れば、光線を充分に
導波するためには、関連モードの実効屈折率は、n1とn3の双方またはその一方
より少なくとも5x10-5だけ高くなければならない。帯域幅は従って、直接に
読み取ることができる。
図9に、接合スプリッタ内の有効な接合分割の波長範囲と共に、単モードの、
そして技術的に見た場合のチャネル導波管内の効果的に導波可能な波長範囲の一
般的説明を示す。
図10に、それぞれが波長λ自身に直接依存すLiNbO3内標準チタン拡散
式チャネル導波管と共にルビジウム・カリウム双方向性イオン交換型KTiOP
O4(KTP)における本発明によるSOWCWのための、有効な接合分割の波
長範囲と共に、チャネル導波管の単モードの導波可能波長範囲を示す。
さらに、図10においては、本発明によるSOWCWおよび広帯域接合スプリ
ッタの領域は一般に、現行技術水準のチャネル導波管および接合スプリッタから
区切られている。
図1〜4に示す広帯域接合スプリッタの基本的設計タイプにおいて、基板材料
1中には単モード集積光学的広帯域チャネル導波管(以後、SOWCWと示す)
2、3、5が埋め込まれている。SOWCW 2およびSOWCW 3は個々に、
個別の入力部E1およびE2を持つ。その出力部A1およびA2において、これらはカッ
プリング点6中で結合され、共通出力部AMへの結合SOWCW 5として継続され
る。図1によれば、カップリング点はYタイプである。Yタイプは強制的なもので
はない。2モード干渉用の他のデバイス、例えば図2による3ガイド・カップラ
、図3によるXカップラ、方向性カップラまたはBOAを実現してもよい。必要
であれば、カップリング点6に能動的に影響を与えてもよい。この目的を達する
ために、カップリング点6は、ビーム結合とビーム偏移の双方またはその一方の
ための制御可能ユニットとして設計される。この例中の全てのチャネル導波管(
SOWCW)2、3、5は同一のタイプのものであり、約95nmより大きい波
長範囲からの光線の効果的な接合分割を可能にするために、単モード中で約13
0nm(この値は短波可視光線に適用される)より大きな広い波長範囲にわたっ
て光線を導波する(図3、5、6を参照)。SOWCWとなるカップリング・チ
ャネル導波管2および3の特性は強制的なものではないが、常にいかなる適用に対
しても長所を持つ。波長λ1または波長範囲Δλ1の光線は第1のSOWCW 2に
対してその入力部E1から入射され、波長λ2または波長範囲Δλ2の光線は第2の
SOWCW 3に
対してその入力部E2から入射される。SOWCW 5の共通出力部AMからは、混合
信号Mと示される空間的に結合された光線が出力されている。広帯域接合スプリ
ッタはまた、反対の方向すなわち分割する方向で動作させて、必要とあれば、S
OWCW 2およびSOWCW 3中で個別に制御し得る光線構成要素中に光線信号
を分割させることができる。図4によれば、SOWCWは集積光学的リフレクタ
Rを手段として結合される。SOWCW 2は、90°リフレクタR1を介してSOW
CW 8中に偏向される。SOWCW 3とSOWCW 8が出会う点に、第2のリフ
レクタR2が位置されるが、これはSOWCW 2およびSOWCW 3とSOWCW
8の双方またはその一方(カップリング点6)中で光線構成要素を結合子、それ
らをSOWCW 5上に送出する。必要とあれば、リフレクタRは制御可能リフレ
クタとして設計してもよい。
図5および図6は、LiNbO3中の標準のチタン拡散式チャネル導波管の例を使っ
た最初の説明が提示されている。
図5に、基板材料1中の標準チャネル導波管17を示す。この標準チャネル導波
管を製造するために、チタン拡散が、Xカットのニオブ酸リチウム(LiNbO3)(こ
こで、Xは結晶学的なX軸であり、図2のy軸に相当する)内で実行される(R.V.Sch
midt,I.P.Kaminow,Appl.Phys.Lett.,Vol.25(1974),No.8,pp.458-460
)。この目的を達するために、チタン・ストリップ18が基板表面上にスパッタリ
ングされる。950°Cより高い温度において、チタンはLiNbO3中に拡散し、これに
よって基あ材料中の屈折率は増大する。横方向においては、拡散定数は深さ方向
のそれの約2倍であるが、これが結晶中のチタン結合分布がきわめて相当に広が
る理由である。拡散時間tdが終了すると、初期ストリップ幅wを確保するために
、創られた屈折率プロファイルは以下の複数個の式によって与えられる形状を獲
得する。LiNbO3中のチタン拡散式チャネル導波管は、単モード中で数100 nmの帯
域幅を持つ光線を導波することはできない。導波管17は、幅aおよび深さtを持つ
溝として提供されているが、これは大きな程度にまでは形状的に限定されていな
い。
この溝の屈折率分布はnw=f(x,y)であり、表面屈折率はn2=nw(x'''=0,y'''=0)
であり、周辺基板材料の屈折率n1と関連して増加する。図5中の図形は、x方向
お
よびy方向における屈折率の定性的コースを示す。x方向(本書では実際にはx''
方向)およびy方向(本書では実際にはy''方向)における屈折率コースの定常転
移は標準的なものである。
図6に、基準波長500 nmの計算の一般的な有効性を制限することなく、例えば
LiNbO3中のチタン拡散式チャネル導波管内に単モードで導波される光線の波長範
囲(帯域幅)と共にTi:LiNbO3接合スプリッタによる効果的な接合分割の波長範
囲(帯域幅)を示す。グラフは、基本モードN00ならびにチャネル導波管それ自
身の幅aの横方向の第1モードN01およびチャネル導波管の2倍幅2a(すなわち、Y
スプリッタ、BOAまたはXカップラの接合カップリング点における導波領域の増大
した幅に相当する)の横方向の第2モードN02のZ偏光の光線(Neff,z,Z=結晶学
的Z軸であり、図5中のx軸に相当する)の実効屈折率を示す。Aw=3.0 μm幅で15
nm厚のスパッタリングされたチタン・ストリップを拡散源として使うが、これ
が接合カップリング領域内で最大2w(6.0 μm)まで広がる。
拡散温度は1000°Cで、拡散時間は3時間である。LiNbO3中のチタン・イオン拡
散定数の比率は次のとうりである。
Dx/Dy =2
深さのプロフィールは次のように計算される。
nw=n1+(n2-n1)*exp(-(y''')2/ay2)
横方向の屈折率のプロフィールは次のように計算される。
nw=N1+(n2-n1)*0.5[erf((2x'''+w)/2ax)-erf((2x'''-w)/2a)]x
ここで、ax=2(Dxtd)1/2であり、図5中の幅a/2に相当し、さらに、ay=2(Dytd)1/ 2
であり、図5中の深さtに相当し2 μmに達する。λ=500 nmにおいて、n1=2.249
2、n2-n1=0.0080であり、基板の屈折率n1の既知の波長依存性(ばらつき)はゼ
ロ未満である。値tdは拡散時間、erfは誤差関数を表す(Ctyroky,M.Hofman,J
.Janta,J.Schoefel「LiNbO3: Tiチャネル導波管および方向性カップラの3次
元解析」"3-D Analysis of LiNbO3:Ti Channel Waveguides and Directional Co
u-plers",IEEE J.of Quantum Electron.,Vol.QE-20(1984),No4,pp.400-4
09)を参照)。本書中に述べるチャネル導波管は490 nmから620 nmまでの波長範
囲で―技術的に有効な意味で―基本モードN00だけを導波する、すなわちチャネ
ル導波管の帯域幅はΔλ=130 nmとなる。効率的な接合分割を実現するには、広
域化された接合またはスプリッタの全領域において第2横方向モードN02の発振形
成を防止することが必要である。この理由により、λ=525 nmにおける幅a(オリ
ジナルのチャネル幅wに相当する)のチャネル導波管の基本モードN00の発振形成
と2a(オリジナルのチャネル幅2wに相当する)に広げられた接合スプリッタ構成
要素中の第2横方向モードN02の発振形成との間の波長範囲だけが使用し得る。し
たがって、接合スプリッタの効果的に使用可能な帯域幅ΔλNは35 nmだけ減少し
て、Δλv=95 nmとなる。実効屈折率は有効インデックス法を使って計算される
(G.B.Hocker,W.K.Burns「有効インデックス法による拡散チャネル導波間内
のモード分散」"Mode dispersion in diffused channel waveguides by the ffe
ctive index method",Appl.Optics,Vol.16(1977),No.1,pp.113-118)。
図7に本発明による、基板材料、この例においてはZカットのリン酸チタン(KT
iOPO4,KTP)、中の単モード集積光学的広帯域チャネル導波管(SOWCW)2を示
す。(ここでZは結晶学的Z軸であり、図4のy軸に相当する。)(M.Rottscahlk
,J.-P.Ruske,K.Hornig,A.Rasch「短波可視波長領域における単モードチャ
ネル導波管および変調器の製造および特性付け」(Fabrication and Characteriz
ation of Singlemode CHannel Waveguides and Modulators in KTiOPO4 for the
Short Visible Wavelength Region),SPIE 2213集積光学国際シンポジウム(199
4)pp.152-163を参照。)基板材料1には、将来チャネル導波管の位置になる所だ
けにギャップを残すマスクが備えられている。イオン交換は、硝酸バリウムおよ
び硝酸カリウムの構成要素を完備した硝酸ルビジウムの融成物中で遂行される。
拡
散は深さ方向でだけ優先的に遂行され、以下に示す屈折率プロファイルが形成さ
れる。横方向に鋭く輪郭付けされた狭い構造体が確実に製造されるがこれは、側
面方向の拡散がほぼ完全に無いので、マスクから導波管への透過が、1:1の比で
発生するからである。SOWCW 2は幅aおよび深さtを持つ、形状的に鋭く輪郭
付けされた溝として提供される。この溝は屈折率分布がnw=f(x,y)であり、表面
屈折率n2=nw(-a≦x''≦0,y''=0)で、これは周辺の基板材料の屈折率n1に対して
増大する。
図7にx方向およびy方向における屈折率の定性的コースを示す。x方向(ここ
では実際にはx''方向と示されている)において屈折率コースが急勾配でジャン
プし、y方向では(ここでは実際にはy'方向と示されている)屈折率がn1からn2
で比較的に高く増大しているがこれは標準的なものである。
図8に例えばKTP中のルビジウム・カリウム双方向イオン交換型チャネル導波
管内に単モードで導波される光線の波長範囲(帯域幅)と共にRb:KTP接合スプリ
ッタによる、しかも500 nmという基準波長のための計算の一般的有効性を宣言す
ることのない効果的な接合分割の波長範囲(帯域幅)を示す。このグラフに示す
Z偏光光線(Neff,z、Zは結晶学的Z軸であり、図4のy軸に相当する)の屈折率で
あり、これは基本モードN00、チャネル導波管それ自身の幅aの横方向の第1モー
ドN01およびチャネル導波管の2倍の幅(2a)―すなわちYスプリッタ、Xカップラ
またはBOAの接合カップリング点における導波領域の増大した幅に対応する―の
横方向の第2モードN02のものである。λ=500 nm、n1=1.9010においては、基板の
屈折率n1の波長に対する既知の依存性(ばらつき)はゼロ未満である(L.P.Shi
「集積光学の分野におけるKTiOPO4タイプの結晶の応用」Dissertation Univ.Co
logne(1992)を参照)。さらに、n2-n1=0.0037=一定は全波長領域に適用される。
拡散定数に関しては、次式が適用される。
Dx/Dy=10-3
したがって、横方向屈折率プロファイルは、幅a=4.0 μmすなわち接合領域内
の最大幅の値2a(8.0 μm)を持つステップ・ファイルである(図4を参照)。深
さのプロフィールは次のように計算される。
nw=n1+(n2-n1)*erfc(-y''/t)
ここで、t=4.0 μm、erfcは付加誤差関数である。この例に述べるSOWCWは
―技術的に効果的な意味では、そして470 nm〜870 nmの範囲内では―基本モード
N00だけ、すなわちチャネル導波管の帯域幅Δλ=400 nmだけを導波する。効果的
な接合分割を遂行するには、広域過された接合またはスプリッタの領域内におけ
る第2横方向モードN02の発振形成を防止しなければならない。この理由により、
λ=870 nmにおける幅aのチャネル導波管の基本モードN00の発振形成とλ=485 n
mにおける幅2aに広げられた接合スプリッタ構成要素内の第2横方向モードN02
の発振形成との間の波長範囲だけを使えばよい。したがって、本発明による接合
スプリッタの効果的に使用可能な帯域幅ΔλNは僅少値15 nmだけ減少してΔλv=
385 nmという値になる。実効屈折率は、有効インデックス法を使って計算される
。
図9にチャネル導波管内の単モード導波および接合スプリッタ内の効果的な接
合分割のための技術的に関連した使用可能波長範囲の一般例を示す。この図に関
連して、技術的に関連するとは、実効屈折率Neffがnsより少なくとも5x10-5大き
くなければならないことを意味するが、ここでnsは基板の屈折率n1または上層の
屈折率n3のいずれか大きい方の値であり、こうすることによって導波管の減衰を
充分に低い値、すなわち1 dB/cmに保証する。
範囲Δλw内の任意の波長の個々に対して、たった1つの実効屈折率、すなわち
基本モードN00の実効屈折率が割り当てられる。チャネル導波管の単モード範囲
は、技術的観点からは、一方では波長λa+Δλwにおける基本モードN00の効率的
発振形成および他方では、技術的観点からは、波長λaにおける横方向の第1モー
ドN01または深さ方向の第1モードN10の効率的発振形成によって決定される。効
率的接合分割を可能にするには、広域化された接合領域またはスプリッタ領域、
すなわち増大した、例えば2倍になった導波管幅を持つカップリング領域内にお
ける第2
横方向モードN02の発振形成を防止しなければならない。このため、チャネル導
波管の対域幅、すなわちスペクトル幅Δλvすなわち、λa+Δλwにおける1倍幅
のチャネル導波管の基本モードN00の発振形成と波長λbにおける広域化された、
例えば2倍幅のカップリング領域内における第2横方向モードN02の発振形成との
間の波長範囲に比較して接合スプリッタの使用可能対域幅を制限する更なる判定
基準が必要になる。この理由により、効率的接合分割のための使用可能帯域幅Δ
λNは、ΔλwまたはΔλvのいずれか小さい方の値となる。
図10に、それぞれ波長λの関数としての、現在の技術水準によるチャネル導
波管(チタン拡散型LiNbO3,Ti:LiNbO3から成る)および本発明によるSOWC
W(ルビジウム・カリウム双方向イオン交換型KTiOPO4,Rb:KTPから成る)の単
モード透過可能波長範囲を、現在技術水準による接合スプリッタおよび本発明に
よる広帯域接合スプリッタの効率的接合分割のための波長範囲と共に示す。最小
で3つのチャネル導波管で広帯域接合スプリッタを形成することから、本出願に
よれば広い波長スペクトルを送出するはずのチャネル導波管だけはSOWCWで
なければならない。単モード透過可能波長範囲の測定が基づく実効屈折率の計算
は、有効インデックス法を手段として行われる。基板屈折率の波長依存性(ばら
つき)と共に導波に要求される屈折率増加の既知の波長依存性(ばらつき)に基
づき、さらに具体的基準波長λaから始めると、最初に導波管の深さ、次に導波
管の幅(第1モードの各々の発振形成までの)最後に波長(基本モードが消滅す
るまでの)がこの計算で変化する。単モード透過可能波長範囲Δλwの上限は波
長λa+Δλwとなるが、ここでチャネル導波管のための基本モードの実効屈折率N00
は基板屈折率より5x10-5大きい。図6bにおいて、本発明によるSOWCWの単
モード透過可能波長範囲は、直線上に次式で与えられている。
Δλw=0.48xλ-85 nm(λおよびΔλwは、nm単位である)
効率的接合分割を可能にするためには、広域化された接合領域またはスプリッ
タ領域の全域において第2横方向モードN02の発振形成が防止されなければならな
い。
この理由により、波長λa+Δλwにおける幅aを持つチャネル導波管の基本モ
ードN00の発振形成と波長λbにおける2aに広げられた接合スプリッタ構成要素
内の第2横方向モードN02の発振形成との間の波長範囲だけが使用できる。チャネ
ル導波管の帯域幅Δλwを表すグラフの他に、接合スプリッタの帯域幅Δλvを説
明するグラフも示されている。現在の技術水準から観れば、効率的接合分割のた
めの領域の寸法Δλvは、広帯域接合スプリッタを特性付けするためには次の不
等式を満足しなければならない。
Δλv>0.27xλ-34nm(λおよびΔλvは、nm単位)
広帯域接合スプリッタに相当する領域は図10中では灰色で示されている。原
則として、効率的接合分割のための領域は、導波管材料の光学的透過領域の上限
(λmax)と共に下限(λmin)によっても制限される(図9を参照)。他の適当な導
波管材料を使って、これら2つの不等式を、本書では例として計算され説明され
ている基板材料KTiOPO4(KTP)の値λminまたはλmaxよりそれぞれ小さいまたは大
きい波長にたいしても適用できる。
図11〜図17に、広帯域接合スプリッタの第1の実施態様を示す。
図11の例では、異なった波長λ1、λ2、λ3を持つ3つの光源からの光線は個
別に、3つのSOWCW 2、3、4のおのおのに入射し、カップリング点6で結合さ
れ、SOWCW 8またはSOWCW 5内で空間的に結合され、更に通過して、S
OWCW 5の出力部AMから混合信号Mとして出力される。個々のSOWCW内で
光線の構成要素の内の振幅および輝度を制御するには、個々の光源からの光線を
選択的に変調してもよい。この例では、この制御は、制御可能振幅/輝度変調器
AM1、AM2、AM3に入力される信号S1、S2、S3を手段として行われている。この制
御可能振幅/輝度変調器AM1、AM2、AM3は、さまざまな個別のSOWCW 2、3、
4中に置かれている。この制御信号に基づいて、さまざまな波長を持つ輝度は変
調されて、自身の輝度が、個別の波長用の振幅変調器を手段として調整できる空
間的に
重畳された光線構成要素から成る混合信号Mとなる。可視光線の波長範囲内にお
いては、混合信号Mは主観的色彩印象として知覚できる。電気光学的変調がGHz範
囲(現在の技術水準)において可能なため、急速に変化する光線輝度を発生する
ような、または光線の空間的結合を手段として、肉眼内での色彩の心理的混合を
急速変化させるようなデバイスを利用できる。
図12に、マッハ・ツエンダー干渉計変調器MZI1、MZI2、MZI3として設計され
た振幅変調器または輝度変調器を持つKTiOPO4(KTP)基板1内の広帯域接合スプリ
ッタの実施態様を示す。制御電圧U1、U2、U3を電極に印加して、マッハ・ツエン
ダー干渉計の2つの分岐中の伝搬定数は、電気光学的に活性な材料中の線形電気
光学効果によって異なった値に変化する。干渉計内で結合させる替わりに、光線
の構成要素の位相付けによっては、建設的または破壊的な干渉を用いてもよい。
このようにして、これらの制御電圧は、SOWCW 2、3、4内の光線構成要素の
内の振幅を制御する(図18を参照)。
図13によれば、光源L1、L2、L3の変調によって成り、例えばレーザー・ダイ
オード用のダイオード電流を使って制御信号S1、S2、S3を手段として遂行される
振幅または輝度の変調の別の態様がある。したがって、更なる振幅変調器は、S
OWCWに対しては必須のものではない。広帯域接合スプリッタの特徴は、3ガ
イド・カップラとして本書中では設計されているカップリング点6である。
図14〜17に、そのカップリング点6または6'が2回分割または2回結合を上
回る効果を持つ広帯域接合スプリッタを示す。上図に述べる解決策はまた、その
カップリング点が2入力または2出力を上回る性能を特徴とする広帯域接合スプリ
ッタにも適用してもよい。分割方向という点においては、光線は必ずしも等しい
光線構成要素に分割されるとは限らない。
図14に、入力SOWCWが、カップリング点6'において、Y接合スプリッタ
の形で、3つのSOWCW2'、3'、4'に分割され、すなわち3つのSOWCW 2、
3、4がカップリング点6においてY接合結合器の形で結合されるような広帯域接合
スプリッタを示す。
図15に、そのカップリング点が、分割または結合動作に際して3ガイドカッ
プ
ラから成り立つ3段広帯域接合スプリッタを示す。
図16に、そのカップリング点が、分割または結合動作に際して集積光学リフ
レクタから成り立つ3段広帯域接合スプリッタを示す。
原則として、いくつの導波管でもカップリング点において合成できる(図17
を参照)。しかし、技術的な統制によって、カップリング点の製造プロセスおよ
び工学設計に対して制限が設定されている。広帯域接合スプリッタの分割動作に
おいては、波長λ0または波長範囲Δλの光線は個々のSOWCWに分割される
。入射した光線がコヒーレントであれば、個々のSOWCW中でもコヒーレント
な光線が存在する。接合動作においては、同一のまたは異なった波長の光線構成
要素は空間的に結合される。光線構成要素は、互いに干渉することはない。
図18〜20に、カップリング点6が導波管の交点によって発生される広帯域
接合スプリッタの更なる集積光学的実施態様の変更例を示す。
要件によって、交点は、完全に受動的なものとして動作する、または光線構成
要素の空間的結合のためのカップリング点6として動作する、またはビームの空
間的結合とビーム7の偏移の双方またはその一方のための制御可能ユニットとし
て、すなわち光線をスイッチング、変調または偏移しさらに空間的に結合するこ
とができる素子として設計される。ビームの空間的結合とビーム7の偏向の双方
またはその一方のための制御可能ユニットは、Xカップラ、方向性カップラまた
はBOAとして2モード干渉に基づいて動作する。
図18に、2x1マトリクスとして更なるSOWCW 5を持つ2つのSOWCW 2
、3の交点を示す。交点(カップリング点6)は、空間的結合とビーム偏移7'およ
び7''の双方またはその一方のための制御可能ユニットとして形成されている。2
つの波長λ1およびλ2を持つ光線は、SOWCW 2、3の個々に入射される。能
動カップリング点は、選択された光線ゲートとして動作し、このゲートにより共
通SOWCW 5内の光線は混合信号Mの方向に完全に無影響で通過できるが、S
OWCW 2、3内の波長λ1およびλ2を持つ光線構成要素を、SOWCW 5の方
向に異なった電気光学的輝度を持つ入力された制御信号S1およびS2の関数として
偏向させ、SOWCW 5内の光線構成要素は空間的に結合され、出力部AMから混
合信号Mとし
て出力される。完全には偏移されなかった導波された光線構成要素はSOWCW
2、3内で前方に通過し、出力部Bをブラインドする。ビーム結合とビーム偏移7'
および7''の双方またはその一方のための個々の制御可能ユニットのディメンジ
ョンは、自身がそれぞれ変調器として、選択された波長λ1またはλ2のために動
作し、同時に光線個性要素を偏向し、さらにこの構成要素を他の光線構成要素と
結合するように決められる。それぞれの他の波長は全くまたは少ししか変調器に
よって影響されない。空間的ビーム結合とビーム偏移7'および7''の双方または
その一方のための制御可能ユニットの残る相互作用に関しては、この相互作用の
程度は、制御信号と光源の双方またはその一方を能動的に制御することによって
補償される。このデバイスは、空間的ビーム結合とビーム偏移7'および7''の双
方またはその一方のための制御可能ユニットのデカップリングに関する問題が発
生しないように、時間多重形式で有利に動作させることができる。きわめて高い
制御周波数が可能であるため、これは容易に実現される。さらに、波長λ3を持
つ第3の光線構成要素を、SOWCW 5の入力部E3から入射してもよい。この光
線構成要素は、SOWCW 2、3中に入射された光線構成要素と結合させること
ができる。
図19に、3x1マトリクスとしての広帯域接合スプリッタの更なる集積光学的
実施態様の変更例を示す。SOWCW 2、3、4は別のSOWCW 5と交わる。交
点は、SOWCW 5内で光線構成要素を空間的に結合する受動カップリング点6
である。変調器AM1、AM2、AM3はそれぞれSOWCW 2、3、4上に置かれ、光線
構成要素を変調する。3つの波長λ1、λ2、λ3からの光線はそれぞれSOWCW
2、3、4に入射される。カップリング点6は光ビーム結合器および光ビーム偏向
器として作用する。空間的に結合された光線は、混合信号MとしてSOWCW 5
から出力される。SOWCW 2、3、4の所に電気光学的変調器AM1、AM2、AM3は
置かれ、これによって波長λ1、λ2、λ3の光線構成要素が、入力された制御信
号S1、S2、S3の関数として、異なった輝度を持って通過する。
さらに、ここでも波長λ4を持つ光線構成要素をSOWCW 5の入力部E4から
入力してもよい。この光線構成要素は、SOWCW 2、3、4中に導波された光線
構成要素と空間的に結合させてもよい。別法として、3つの光線構成要素が利用
され
ている場合、自身に関連の変調器およびカップリング点を完備したSOWCW 2
、3、4の1つを削除してもよい。
図20に、3x4マトリクスとしての広域接合スプリッタの更に別の集積光学的
実施態様の変更例を示す。交点は、完全に無影響の形でSOWCW中に光線を透
過させる点(受動交点)かまたはビームの空間的結合とビーム7の偏移の双方ま
たはその一方のための受動カップリング点6または制御可能ユニットのいずれか
である。3つの波長λ1、λ2、λ3からの光線はそれぞれSOWCW 2、3、4に入
射される。SOWCW 2、3、4は4つのSOWCW 8'、8''、8'''、5と交わる
。その機能を明瞭にするために、交点をマトリクスの形で示す。カラム線1-1、2
-2、3-3によって決められる交点に、ビームの空間的結合とビーム7の偏移の双方
またはその一方のための能動制御可能ユニットが位置される。これらのユニット
は3つの光線構成要素を変調する働きをする。
カラム線1-4、2-4、3-4上に受動交点6が位置されているが、これは光線構成要
素の空間的結合と偏向の双方またはその一方を実行する。カップリング点6はこ
の位置では制御されない。カップリング点6は共通SOWCW 5内の混合信号M中
に光線構成要素を空間的に結合する目的で使われる。不必要な光線構成要素はす
べて、SOWCW 2、3、4、8'、8''、8'''の出力をブラインドするために導波
される。さらに、ここでも、追加の光線構成要素をSOWCW 8'、8''、8'''の入
力部E4、E5、E6中に入射させてもよいし、制御可能である。これらの光線構成要
素は、SOWCW 2、3、4中に導波された光線構成要素と空間的に結合させても
よい。
図21および図22に、任意の物質の濃度を測光学的測定法で測定するデバイ
スを示す。測定セットアップを、広帯域接合スプリッタによって集積光学的に実
現すると、標準の解決策の場合に比較して、サンプルの分量が少なくて済み、同
時に測定に使える帯域幅も増大する。
図21において、分離作用セル14内に収納されている被測定媒体16(液体また
は気体)の吸光係数は光電検出器12によって測定される。これらの透過測定は、
個体(ここには示されていない)に対しても遂行できる。さらに、反射係数の測
定も可能である(ここには示されていない)。3つの異なった波長の光線はそれ
ぞれSOWCW 2、3、4中に入射され、空間的に結合され、次に、共通SOWC
W 5の出力部AMと光電検出器12との間に置かれている作用セル14を通って放射さ
れるが、この光電検出器12の作用セルの中に、測定される液体16が存在する。長
所として、光線およびビームの成形結果を出力するための導波管出力部AMと作用
セル14との間に出力デバイス11がある。測定は、次に示す手順の内のいずれか1
つに従って実行される。
a)導波管出力部AMから個別の光線構成要素の時間多重の結果が出力される。
吸光係数は、各々の波長に対して直接に(すなわちフィルタなしで)測定される
。個々のSOWCW 2、3、4内の変調器AM1、AM2、AM3を手段として、光線構成
要素は制御信号S1、S2、S3によってスイッチングしてもよいし、そうでない場合
は、光源自身がスイッチングされる。けい光測定の場合、フィルタFiは好都合に
作用セル14と光電検出器12との間に置かれ、励起光線と測定光線を分離する。
b)SOWCWの各々の出力部へ全ての光線構成要素が同時入射され、SOW
CW AMの出力部から光線構成要素が同時出力される。測定波長は、作用セル14
と光電検出器12(変調器なし)との間のフィルタFiを回転させることによって選
択される。光線構成要素を振幅変調することは、動的な測定手順によって通常は
高い程度の測定精度が達成されるので、全ての測定にたいして有利である。用い
られる波長の数は3つに限定はされないが、この数値は関連の目的によっては2以
上でもよい。
図22によれば、導波管の微弱な電磁場(上層に位置している)上の被測定媒
体16(気体、液体または個体)の吸光効果が測定され、評価される。この目的を
達するために、カバーされた共通SOWCW 5には輪郭を定めた作用ウィンドウ
15が備えられていて、この上に被測定媒体16が置かれる。波長λ1、λ2、λ3を
持つ光線構成要素は振幅変調器AM1、AM2、AM3を手段として変調される。被測定
媒体自身が吸光することによってまたは表面分散が変化することによって、導波
管の減衰が変化し、これは光電流Iphの変化という形で表される。この変更例で
は、チ
ャネル導波管内に導波されたモードの光線によって、電場または磁場の1部がS
OWCW自身の外側(微弱電磁場)に導波される。これら電磁場の構成要素はし
たがって、SOWCWの外側からアクセスされ影響され得る。もし吸光する媒体
がSOWCW上にあれば、微弱電磁場自身が―吸光係数によるが―減衰する、す
なわちSOWCWの表面分散が、吸光を必ずしも必要としない媒体を適用するこ
とによって変化する。その双方共、導波管減衰を変化させ、これは光電検出器12
によって測定できる。被測定媒体と接触する基板の表面は、作用ウィンドウ15以
外はバッファ層(例えば、SiO2)によってカバーされる。このようにして、微弱
電磁場波作用ウィンドウ内でだけアクセス可能となる。また、正確に限定された
測定長がこのようにして定義される(吸光全体が作用ウィンドウの長さによって
決まる)。
この測定セットアップを使えば、例えば吸光係数、屈折率または分散係数を測
定し、従って導波された光線またはチャネル導波管それ自身の動作に変化をもた
らす気体、液体および個体のこれらの(測定される)物理的、生物的および化学
的分量を測定できる。
更に別の実施態様の変更例では、作用ウィンドウ15が、物理的、化学的または
生物的な外部の影響が作用すると導波された光線またはSOWCWそれ自体の動
作に影響をおよぼすような、そしてこれらの外部影響に対して反応するような物
質でコーティングされている。測定セットアップを集積光学的に実現するには、
構造体が小型化することが望ましい。最小のサンプル量で充分であるが、これは
作用ウィンドウが導波管よりすこし広い程度であり、作用ウィンドウの長さもミ
リメーターの範囲に収まるからである。
図23に、時間多重形態で操作される広帯域接合スプリッタを示す。入力部E1
およびE2においては、一定の振幅を持つ信号が交互に印加され、振幅変調器AM1
に印加される信号Sの関数として、光線構成要素が空間的に結合された後で振幅
変調される。左方の線図に、波長λ1およびλ2を持つ印加された時間多重信号S
に振幅曲線を示す。中央のに、光線構成要素の変調のための信号Sの曲線を示す
。右方の線図に、出力部AMから出力される結合された光線構成要素(混合信号M
)を示す。
図24〜26に、すくなくとも1つのSOWCW 2とSOWCW 3の双方また
はその一方が位相変調のための電極10を備えている、本発明による広帯域スプリ
ッタを示す。電極10は、数μmの電極ギャップと共に、数ミリメーターから数セ
ンチメーターの範囲の実行電極長Lを持つ。光変調機能のための要件は、チャネ
ル導波管内に導波された光学的モードの位相に影響を与えることを可能にする基
板材料を使うことによって満足される。入力信号は離散した波長λまたは波長範
囲Δλである。
図24に、自身のSOWCW 2が位相変調用の電極10を備えている広帯域接合
スプリッタを示す。同一の波長λ1が入力部E1およびE2に印加された場合、もし
コヒーレントな光線が使われると、実際の位相付けによっては、カップリング点
において、建設的または破壊的いずれかの干渉が発生する。本書では、個別の導
波管2内の実効電極長はLである。
図25は、自身の2つのSOWCW 2およびSOWCW 3が個々に、プッシュ
プルで動作する位相変調用の電極10を備えている広帯域接合スプリッタを示す。
同一の波長λ1を入力部E1およびE2に印加した場合、もしコヒーレントな光線が
使われると、実際の位相付けによっては、カップリング点6において、建設的ま
たは破壊的いずれかの干渉が発生する。本書では、個々の導波管2または3内の実
効電極長はL/2である。もしλ1が入力部E1およびE2に印加されると、この例中で
は電極の長さはL/2であるから、全実効電極長はLとなり、したがって長さは増大
する。位相付けは変調電圧Uによって制御できる。SOWCWを使えば、波長範
囲全般にわたって機能的操作が保証される。干渉が可能な光線―これは図17aま
たは図17b中のカップリング点6で必要とされる―を得るために、広帯域接合スプ
リッタを分割方向に使っても良い(図26を参照)。
波長λまたは波長範囲Δλの光線が、SOWCW 5'の入力部Eに印加される。
SOWCW 5'は、カップリング点6'でSOWCW 2とSOWCW 3中に分割さ
れる。次に、SOWCW 2、3は個々に、干渉可能な光線を導波する。したがっ
て、
図26に、SOWCWから成るマッハ・ツエンダー干渉計(MZI)変調器を示す。
この広帯域変調器は波長選択的に動作する。
図27に、分割方向に置かれた広帯域接合スプリッタを手段として干渉可能光
線に対する備えを持った、図26からの広帯域接合スプリッタを示す。これによ
って、広い帯域幅によって波長センサーとして使われるSOWCWから成るMZI
構造体が形成される。測定したい波長λの光線が、SOWCW 5'の入力部Eに入
射され、次に集積光学的MZI構造体が続く。双方の分岐は、プッシュプル形式で
動作する位相変調器を備えている(電極10)。これにより、干渉計のアーム内に
導波された光線構成要素の位相変調が可能となる。電極10に印加される電圧Uが
変化すると、電気光学的効果により、干渉計アーム内に導波された光線の位相も
変化し、したがって出力部Aから出力された光線の振幅および輝度も変化する。
変調された光線は測定デバイス9によって検出される。
この例においては、光線は、導波された光線の透過性能がそれを手段として測
定される光電検出器12上に投入される。測定セットアップは出力デバイス11から
成るが、これは変調された光線を光電検出器12上に収束させる。表示ユニット13
は、光電検出器12によって測定された光線の透過性能を示す。ZカットKTP内およ
びTM光線における電気光学的変調器の場合の導波された光学的モードの位相と電
気変調電圧との間の相関関係(すなわち、基板の表面への垂線および線形偏光導
波光線の電場ベクトルの方向は、結晶学的Z軸に対応する)は次式で決定される
。
U=-(Δψλd)/(πLz 3r33Γ) (1)
したがって、半波電圧Uπは、次式に従って位相ずれπに対応する。
Uπ=-(λd)/(Lnz 3r33Γ) (2)
ランプ電圧(図27の左側の線図を参照)が電極に印加されると、変調器の出
力部における導波された光線の透過性能に従って光電流が変化する(図27の右
側の線図を参照)。これにより、Uπ(導波された光線の透過性能の最小値と隣
接する最大値との間の電圧)またはUπの倍数値が測定される。式(2)によれば、
Uπ
は波長によって異なる。センサーの生産中に決定された校正曲線Uπ=f(λ)を使
って、光線の波長を、半波電圧を測定することによって測定してもよい。光セル
―本書では本発明による広帯域接合スプリッタの使用と関連する―は全波長範囲
にわたって検出可能であることを保証しなければならない。光源は、線幅が測定
セットアップの解像度を決定するので、すなわち解像度を充分に利用するのであ
れば、線幅は解像度の概略値以内または未満でなければならないので、いなかる
広帯域光線をも発してはならない。マッハ・ツエンダー干渉計構造体の代わりに
、集積光学的干渉計構造体、例えばマイケルソン干渉計を使ってもよい。基本的
な動作原理はアナログ式である。
図28に、波長範囲ΔλEからなんらかの光線構成要素を濾過する広帯域光フ
ィルタを示す。これは、実施例中に使われるマッハ・ツエンダー干渉計構造体の
波長選択性を手段として実行される。出力部でデカップリングされた波長範囲Δ
λAには、波長範囲ΔλEの残存部分が含まれる。波長範囲ΔλEが白色光であれ
ば、デカップリングされた波長範囲ΔλAは、濾過された光線構成要素の補色に
対応する。
図29に、広帯域形式で操作できる、屈折率のスペクトル測定ようの小型化さ
れたセンサーを示す。異なった波長の光線が広帯域接合スプリッタによって空間
的に結合され、次にマッハ・ツエンダー干渉計構造体を通って導波される。振幅
/輝度変調器AMiを使って、必要とされる波長を選択する。マッハ・ツエンダー干
渉計MZIの1つのアームには図22に類似の作用ウィンドウ15が備えられており、
測定される媒体を付ける時の位相ずれの大きさは、この作用ウィンドウの長さに
従って測定され、他方の分岐には位相変調器を備えることによって、測定精度を
向上させ、さらに、上層が被測定媒体16を持つ場合と持たない場合との間におけ
る屈折率の差異の方向を決定することができる。被測定媒体16を付けると、上層
の屈折率が変化するので、導波された光波の伝搬定数が変化するが、これによっ
て位相が変化し、この変化は干渉学的に測定される。干渉計はこの位相変化を振
幅信号または輝度信号に変換する。屈折率の差異から、その物質や濃度を決定で
きる。入力の数は、固定カップリング光源の異なった波長の数によって決められ
る。複数の波長光線を選択的に与えることができる光源を使うと、たった1つの
入力し
か必要とされない。
図30〜32にSOWCW付きのデバイスを示すが、これは異なった波長の光
線構成要素を発生させ、空間的に結合するのい適している。レーザー・ダイオー
ドを使う必要がある場合でも、この形式で青色と緑色の光線を備えることは今の
ところ不可能である。この目的を達するために、もし被線形光学的能動材料(例
えば、KTP)を使うのであれば、第二高調波を発生させる原理を応用してもよい
。ポンピング波と第二高調波との間では、位相マッチングをとらなければならな
い。KTPでは、準位相マッチング(QPM)が使われる。
この目的を達するために、1片の導波管を細分化して、強誘電分域逆転を起こ
す。このようにして、ポンピング光波と高調波との間の位相マッチングがとられ
る。次に、充分な出力を持つポンピング光線は、その半分の波長を持つ光線を発
生させることが可能であり、すなわち、例えば830 nmの波長を持つレーザー・ダ
イオード光線を415 nmの波長の光線に変換できる。更に高い高調波、例えば波長
λ/4の光線を発生させることもできる。
周波数変換のための更に別の変更例においては、和周波数発生(SFG)または差
周波数はっせである。これら変更例は双方共、KTP内で実行できる(例えば、M.L
.Sundheimer,A.Villeneuve,G.I.Stegmann,and J.D.Bierlein「単一光源
として使った細分化されたKTP導波管内における赤色、緑色および青色の光線の
同時発生」(Simultaneous generation of red,green and blue light in a seg
mented KTP waveguide using as single source)Electrics letter,9th June 1
994,vol.30,No.12,pp.975-976」)。双方の変更例を手段とすれば、例えば
、赤外線を、ことなった離散波長を持つ可視光線に変換することができる。
図30によれば、周波数変換FU用のデバイスは各々が、SOWCW 3、4の個
々に備えられている。波長λ2は波長λ4に変換され、波長λ3は波長λ5に変換さ
れる。波長λ1、λ4、λ5は、混合信号出力部AMから空間的に結合された光線と
して与えられる。どのSOWCWがそしていくつのSOWCWが周波数変換デバ
イスFUを備えるかは、広帯域接合スプリッタの関連使用法によって決まる。
図31〜32によれば、波長λ0の光線が分割モードで動作中の広帯域接合ス
プ
リッタ中に入射する。波長λ0の光線構成要素はSOWCW 2'、3'、4'中に入射
する。SOWCW 2'、3'、4'の各々の中に、周波数変換デバイスFUが位置され
ている。各々の周波数変換デバイスFUは個別に、波長λ1、λ2、λ3の子云う線
構成要素を発生する。図31において、波長λ1、λ2、λ3の光線構成要素はデ
カップリングさせてもよい。図32において、これらの光線構成要素は、接合モ
ードにある次の広帯域接合スプリッタ中で空間的に結合される。波長λ1、λ2、
λ3を持つ光線は、出力部AMで空間的に結合される。
図33〜35に、長さと屈折率値の双方またはその一方のいかなる変化をも測
定するための集積光学的センサーを示す。これらのセンサーは、SOWCWを導
波管として使った集積光学的マイケルソン干渉計構造体を手段として実現される
。図33では、2つの単一広帯域Y接合スプリッタを使っている。図34では方向
性カップラを使い、図35ではXカップラまたはBOAを使っている。
長さの変化を測定するためのセンサーの動作原理は、全ての例において同じで
ある。波長λ1を持つ光線がSOWCW 2'の入力部Eに入射される。カップリン
グ点6'(図33)またはカップリング点6(図34および図35)において、光
線は2つの導波管アームに分割され、検出器の出力部D1およびD2でデカップリン
グされる。デカップリングデバイス11によって、この光線は2つの鏡に対して方
向付けされる。1つの鏡Sp(f)は固定位置にある。この鏡の代わりに、導波管の端
部表面に反射コーティングを施すこともできるし、またはSOWCW無いの集積
光学的リフレクタを導波管出力部の前方に位置させることもできる。2番目の鏡S
p(b)は測定される可動物体上に取り付けられる。
これらの鏡によって、光線構成要素は、導波間出力部D1およびD2に逆反射され
、カップリング点6'(図33)またはカップリング点6(図34および図35)
における導波管構造体を介してその第2の光路上で干渉させられる。重畳された
光線は再び分割され、入力部Eと共に種強く部Aにおいてもデカップリングされ得
る。出力部Aでデカップリングされ得る光線は、光電検出器12上に出力され、そ
の中で光電流Iphが発生する。ここで、D2とSp(b)間のデカップリング分岐内の光
路長が変化すると、2つの反射され再カップリングされた光線構成要素間の位相
付けも変化
し、したがって光電検出器に印加された信号の振幅または輝度も変化する。ビー
ム方向における鏡Sp(b)のλ/2の位置の変化は、光電流Iphの全変調に対応する。
図33〜図35に備えられ、この変更例では、SOWCWに付けられている電極
10および/またはSOWCW 2'内への2つの波長λ1、λ2を持つ光線の同時入射
ならびに波長選択的測定によって実現されている導波管分岐内の位相変調器の更
なる使用法については、位相変化に関連しての方向検出法が備えられている。
SOWCWを使えば、さらに、短波長用のオプションによって解像度能力を増
大させることが可能である。現時点では、青色の波長範囲または更に短い波長の
光線を単モードで導波し、変調できるチャネル導波管は知られていない。鏡Sp(b
)が固定され測定媒体が鏡Sp(b)と検出器出力部D2間に挿入されている場合、これ
は測定媒体の屈折率を測定するセンサーを表す。
参照符号
1. 基板
2. SOWCWまたはチャネル導波管
3. SOWCWまたはチャネル導波管
4. SOWCWまたはチャネル導波管
5. 共通SOWCW
6. カップリング点
7. ビームの効率的合成およびビームの偏移の双方またはいずれ
かのための制御可能ユニット
8. SOWCWまたはチャネル導波管
9. 測定デバイス
10. 電極
11. デカップリング・デバイス(アウトカップリング・デバイス
)
12. 光電検出器
13. 表示ユニット
14. 作用セル
15. 作用ウインドウ
16. 被測定媒体
17. LiNbO3内チタン拡散チャネル導波管
18. チタン・ストリップ
L1,L2,L3 光源
MZI1,MZI2,MZI3 マッハ・ツエンダー干渉計
AM1,AM2,
AM3,AM4 振幅変調器
E,E1,E2,E3 光線入力部
A,A1,A2,A3 光線入力部
S1,S2,S3 制御信号
U1,U2,U3 制御電圧
R,R1,R2 集積光学またはマイクロ光学リフレクタ
M 混合信号
AM 混合信号出力
U 電極電圧
Iph 光電流
Δψ 電気光学的に発生された位相変化
d 電極ギャップ
L 全電極長
nz Z偏光の屈折率
r33 Z方向外部電場をZ偏光屈折率と結合する線形電気光学テンソ
ルrikの構成要素
Γ 電極の外部電場と被導波光学モードの内部電場間のオーバラ
ップ計数
T 時間間隔
tM 測定時間(軸)
ST 波長選択ビーム・スプリッタ
Sp(f) 固定鏡
Sp(b) 可動鏡
D1,D2 検出用チャネル導波間出力
Dx,Dy,Dz 拡散定数
N00 チャネル導波管の基本モードの実効屈折率
N01 チャネル導波管の横方向第1モードの実効屈折率
N10 チャネル導波管の深さ方向第1モードの実効屈折率
N02 チャネル導波管の横方向第2モードの実効屈折率
Neff チャネル導波管モードの実効屈折率
Neff,z チャネル導波管のZ偏光モードの実効屈折率
ax x方向長の中間値
ay y方向長の中間値
a それぞれ、構造体または屈折率プロファイルの幅
t それぞれ、構造体または屈折率プロファイルの深さ(高さ)
w 拡散のためのチタン・ストリップのスタート幅
td 拡散時間
x-y-z 座標系
nw 導波領域内の屈折率分布
nw=f(x,y)
n1 基板の屈折率
n2 導波領域の表面屈折率
n3 上層の屈折率
ns n1>n3の場合の基板の屈折率またはn3>n1の場合の上層の屈
折率
d(n2-ns)/dλ 光学導波に必要な屈折率の増加の波長依存性(ばらつき)
Z 結晶Z軸(またはc軸)
λ0,...,λ6 波長
λa チャネル導波管内の最短端モード導波可能波長
λb 広域化カップリング領域内横方向第2モード用発振形成波長
λmin 基板材料の光学的透過領域の最小波長
λmax 基板材料の光学的透過領域の最大波長
λi 離散波長
△λ,Δλi 波長領域
Δλw チャネル導波管の帯域幅
Δλv チャネル導波管内基本モードの発振形成N00と接合スプリッタ
の広域化カップリング領域内横方向第2モードの発振形成N02
間の波長領域
ΔλN 接合スプリッタの有効使用可能領域領域
ΔλE チャネル導波管入力部における光線の帯域幅(スペクトル)
ΔλA チャネル導波管出力部における光線の帯域幅(スペクトル)
Kij 交点のマトリクス内の素子
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ルスケ、イェンス−ペーター
ドイツ連邦共和国 D−07749 イェナ
ヴィルヘルム−シュタッデ−シュトラーセ
4
(72)発明者 グルーバー、フォルカー
ドイツ連邦共和国 D−07743 イェナ
タールシュトラーセ 58