JPH09511828A - 化合物ライブラリー内の活性化合物の確認と識別 - Google Patents

化合物ライブラリー内の活性化合物の確認と識別

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JPH09511828A JP7525902A JP52590295A JPH09511828A JP H09511828 A JPH09511828 A JP H09511828A JP 7525902 A JP7525902 A JP 7525902A JP 52590295 A JP52590295 A JP 52590295A JP H09511828 A JPH09511828 A JP H09511828A
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    • Y10S435/962Prevention or removal of interfering materials or reactants or other treatment to enhance results, e.g. determining or preventing nonspecific binding

Abstract

(57)【要約】 核酸あるいはペプチドなどの化合物のライブラリーが標的分子と接触され、少くとも最少活性で結合する少くとも一つの化合物を持つライブラリーが一つの反復方法で決定され、ここで標的と結合する化合物の回収(あるいは除去)の割合の変化がライブラリーにそのような化合物を含んでいることを示す。この手順は、そのそれぞれが化合物の既知の位置で既知の実体を持つサブライブラリーを使用することによりこのような化合物の配列を間接的に決定するのに使用することも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 化合物ライブラリー内の活性化合物の確認と識別発明の背景 この発明は、一つの化合物ライブラリー内に活性化合物が存在するかどうかを 確認することに関する。この発明は更に化合物の一つのライブラリー内に存在す る活性化合物の同一性を確認することに関する。 特定の標的に関して活性である化合物のライブラリー内に存在する化合物を識 別するために、各種の手順が提案されている。これらの活動は一般に一つのタン パク質あるいは他の標的分子に結合する核酸あるいはペプチドを識別することに 向けられてきた。 例えば、標的分子に結合する一つの核酸ライブラリーに存在する一つの核酸を 識別するこのような一つの手順は、増幅を含む反復手順によりライブラリーを一 つの標的分子と接触させることを含む。かくして例えば、キンツラーおよびフォ ーゲルシュタイン(核酸研究、17巻、3645ページ、1989年)およびト ゥルクおよびゴールド(サイエンス、249巻、505ページ、1990年)は 、ライブラリー内で核酸が競争的結合条件下で標的分子に露出される試験管内手 順を開示している。標的分子に結合できるこれらの核酸は、結合されないものよ り優先して回収され、また回収される活性核酸はポリメラーゼ連鎖反応(PCR )などのような増幅手順を受ける。増幅された核酸は標的に再露出され、分離さ れ、次いで再び増幅 される。増幅段階の価値は、手順の各反復に伴って標的が核酸の混合物に露出さ れ、この核酸の混合物が最高の親和力でもって標的と結合する分子を連続的に濃 縮するということにある。これは組み合わせアプローチであると見做されるが、 それは標的に結合する能力に寄与すると共に標的と低い親和力でもって結合する ライブラリー内の他の分子を排除するような選択に基づくことが全活性核酸分子 の特性に帰因するためである。この手順は信号(活性核酸)対雑音(非活性核酸 )問題を反復過程により回避する。ライブラリーが初期反復で標的に露出される 際はいつでも、活性核酸に高度に結合する量は活性でないあるいは回収されたも のの雑音に比べて非常に小さいが、最終的にはそれがたやすく測定され、識別さ れ得る反復および増幅によって活性核酸は十分に大きい量となる。こういう理由 により、非常に大きな量のライブラリーを使用することができ、きわめて高い活 性部材の単一分子でさえも識別することができる。全体としてとり出され増幅と 結びついたこの反復手順は、非常に少ない雑音および最終的には十分な量の信号 を活性核酸からとり出すことになるため、それは大抵の選別手順での有用な複雑 性を制限する信号対雑音比から生じる通常の制約を克服する。これは印象的では あるが、一方このクラスの手順はライブラリーで許容される化学的多様性を効果 的かつ劇的に制限する。これは核酸のみあるいは僅かばかり修飾された核酸を利 用することができるが、その理由はこれらの方法が手順の末端でライブラリーの 活性部材の反復の完成および直接かつ正確な識別を可能にするための生物学的方 法による増幅と信号弁別に依 存するということを基本的に意味するものである。 ペプチドライブラリーの選別手順は反復的ではない。ペプチドを増幅するPC Rなどの試験管内技法は現在利用されていない。従って、異なった戦略が実行さ れる。このような一つのアプローチでは、ランダム配列のペプチドがバクテリオ ファージ上に表示され、ファージを標的と接触させ、また標的と相互作用するこ れらのファージが分離され、再クローン化され、更に活性ペプチドをコード化す る配列が決定される(デルヴィン他、サイエンス、249巻、404ページ、1 990年。スコットおよびスミス、サイエンス、249巻、386ページ、19 90年)。も一つのアプローチでは、「コード化合成ライブラリー」(ESL) (ダワー他、WO特許番号93/06121:ブレンナーおよびラーナー、全来 科学アカデミー紀要、89巻、5381ページ、1992年:ニーデルス他、全 米科学アカデミー紀要、90巻、10700ページ、1993年)として引用さ れているように、ペプチドは直接あるいはビードを経て核酸に結合されるが、そ の方法はアミノ酸が成長するペプチドに加えられるために、付加アミノ酸をコー ド化する1個乃至それ以上のヌクレオチドがビードあるいはペプチドに直角に加 えられる。ESLアプローチの利点は、高複雑性合成ペプチドライブラリーを組 み合わせ様式で検定することが出来るということにある。ライブラリーの活性部 材を間接的に識別するコードを使用するすべての選別戦略(このような選別は、 ペプチドに加えて他の種類の合成ライブラリーについて記載されている)は、希 有高活性ライブラリー部材を識別できるように設 計される。信号対雑音問題は、それぞれが単一のライブラリー部材およびその対 応コードの多重コピーを含む個別ビードを検査するために細胞選別技術を使用す るなどのようなブルートフォースアプローチ(暴力アプローチ)により克服され る。この意味で、プールあるいは混合物を同時に選別するのとは反対に、このよ うな手順は実際にきわめて大きな数の化合物を一つ一つ先端技術を用いて素早く 選別する方法である。コード化技術は活性化合物の識別を容易にする。何故なら 、このような方法では分離される物質の量は通常非常に小さい(すなわちペプチ ドの1「ビード値」である)からである。増幅可能核酸コードを用いて、コード の直接的識別(および従って活性化合物の間接的識別)が可能になる。しかしこ の種の技術には、以下に述べるようないくつかの制約、つまり(1)ライブラリ ー部材を各自のコードと連結する複合化学の必要性、(2)ある実施例において は、それが相対的に不活性であるにしても、それでもペプチドと標的との間の相 互作用を妨げるかもしれない比較的大型のビードにペプチドを付着させる必要性 、(3)標的と核酸コードの間あるいはペプチドとコードの間の可能な相互作用 、および(4)これら手順のいくつかにおいてライブラリーの化合物は溶解しな いため、選択条件が、活性化合物が通常機能する、つまり溶液中で標的と結合す ると期待されているものとは異なっていること、などの制約が存在する。 コード化ライブラリー方法論という厄介な問題を持たない、ペプチドライブラ リーを選別する一連のアプローチ(ホートン他、ネイチャー、354巻、84ペ ージ、1991年)があ る。典型的には、ライブラリーは、そのそれぞれが同数のアミノ酸を含むペプチ ドのプールよりなる。例えばライブラリーは、各プールがペプチドの第1および 第2の位置に20個のアミノ酸の一つを持ち(かくして20×20=400プー ル)、ペプチドの残りの4個の位置がすべてのプールでランダムであるようにし て6基数のペプチドの400プールを含むことが出来る。標的を400プールの それぞれに接触させ、各プールはその活性を測定される。すべての活性プール( 例えばala.his.x.x.x.x)にとって、20個の新しいサブプール が合成され、ここで活性プールの最初の2個のアミノ酸は保存され(すなわちa la.his)、第3アミノ酸は固定され(すなわち第1プールではala.h is.gly.x.x.x,第2プールではala.his.ala.x.x. xなど)、また第4,第5、および第6位置はランダムにされ、こうして20個 のプールはペプチドの第3位置にあるアミノ酸の独自性により識別される。この 一連の「非ランダム化」手順は活性ペプチドが選択され、ここで6個すべての位 置が識別されるまで続けられる。このような手順は更にオリゴヌクレオチドにつ いても記述されている(エッカー、他、WO特許番号93/04204)。この 種の手順は増幅を使用するオリゴヌクレオチドの化学的制約(すなわちライブラ リー部材は増幅される必要がない)、また同じくコード化ライブラリー手順の化 学的に厄介な問題を回避するが、しかしこれらの制約は信号対雑音問題に取って 代わられる。何故ならこれらの手順は基本的には単なる連続プール化戦略に過ぎ ず、それは信号対雑音制約 に効果的に取り組まないためである。従ってこれらのアプローチは組み合わせよ りも付加的 であり、これにより化合物の活性がより少なくより豊かなサブクラス を含むプールが選択され、一方豊かではなくより活性の大きい化合物が無視され ることが多い。従って前記で与えられた実施例では、最良の平均活性を持つプー ルはala.his.x.x.x.xであるが、しかし選択されたプールでいず れかの個々の部材よりも高い活性を持った他のプール(例えばval.leu. x.x.x.x)で個々の部材があったかもしれないが、これらのものは識別さ れないであろう。 要約すると、合成ライブラリー選別のために一般に3種の手順がある。(1) オリゴヌクレオチドにとっては、核酸の増幅を含む反復手順がある。これらの手 順は組み合わせ的であり、信号対雑音問題を最小限に抑える。増幅がなければ、 これらの手順により巨大なライブラリーに存在する活性化合物の直接的識別は不 可能となるであろう。何故なら、反復手順から回収される物質の量はあまりにも 少なくて、核酸配列を識別するための既知の手順で使用できないからである。し かし増幅が必要であるということのために、これらの手順は非常に限られた一連 の化合物、つまり増幅ができる核酸に限定される。(2)コード化手順は、ライ ブラリーの各化合物と関連する、もしくはそれと結合する核酸コードの増幅を経 て非増幅化合物の識別を容易にするために用いられる。これらの手順は、信号対 雑音問題がたとえ単一の活性ライブラリー部材であってもそれにより生成される 雑音を最小にし信号を最大にする選別手順の使用に よって減少される範囲において組み合わせ的である。このような手順は、活性で あるこれらの個別の化合物のコピーを回収するための固体サポートの物理的分離 を通常は含むが、それは物質の回収率は低いがコードの増幅が核酸配列の既知の 方法により直接的な識別を可能にする。これらの手順は一般にもっと厄介であり 、液相ではサンプリングを可能とせず、ライブラリー内の各化合物に付着するユ ニーク核酸コードを持つ必要から生じる化学における挑戦を提出する。(3)連 続「非ランダム化」手順は、活性化合物の合成ライブラリーを選別するのに使用 される。これらの手順は他の手順の厄介な問題のいくつかを回避するために使用 することができる化学に関連して非常に柔軟であるが、それは組み合わせ的では ない。その理由はそれは信号対雑音問題に取り組まないからである。従って手順 (1)および(2)は技術的(化学)理由を選別することができるライブラリー の種類を限定するが、一方手順(3)はより希有でもっとも活性的な化合物より も相対的に豊かで活性の低い化合物を優先して生産する傾向がある。手順(3) でみられるようにさまざまな種類の化学および溶液内の合成ライブラリーの使用 を可能とし、なおかつ手順(1)および(2)でみられるように更に適切に組み 合わせ的であり、信号対雑音問題を効果的に最小にするかもしくは除去する一つ の手順は非常に強力な選別アプローチとなるであろう。以下に記述するこの発明 は、まさにそのような一つの手順を記述したものである。発明の要約 この発明の一つの見地の従って、活性化合物のライブラリー に一つの活性化合物が存在しているかどうかを確認する一つの手順が提供される 。 この発明のも一つの見地に従って、このような化合物のライブラリーに存在す る一つの活性化合物を識別する一つの手順が提供される。 この発明の更にも一つの見地に従って、広範な種類の異なった化合物に適用で き、また増幅を必要とせず、更に少なくとも望ましい活性を持つユニークなある いは非常に希有の化合物を含むライブラリーと活性がいくらか低い水準にある化 合物を高度に表示するものを含むライブラリーの間で弁別することのできる一つ の手順が提供される。 この発明は更に標的分子に対し特殊な活性を持つライブラリー内の化合物ある いは化合物群を識別するための間接的方法を提供する。 図面の説明 この発明は下記の図面と関連して更に説明されるであろう。 図1は、「ルーザー」のみを含むライブラリーの反復過程における各ラウンド での回収率の変化を図示する。 図2は、単独の「ウイナー」を含むライブラリーの反復過程における各ラウン ドでの回収率の変化を図示する。 図3は、「ルーザー」を含むライブラリーと一つの「ウイナー」を含むライブ ラリーの反復過程における各ラウンドでの回収率の変化を図示する。 図4は、異なったライブラリーの反復過程における各ラウン ドでの回収率の変化を図示する。 図5は、ライブラリーを形成するのに使用される各種のベンゾジアゼピンの構 造を表す。発明の詳細な説明 より詳細には、この発明の一つの見地に従って、化合物の一つのライブラリー において少なくともある特定水準の親和力、Kd(解離定数)すなわち活性で標 的分子と結合する少なくとも1個の化合物(以下「ウイナー」(勝者)として引 用する)が存在するかどうかを確認するために、そのような化合物のライブラリ ーを選別するための方法(プロセス)が提供され、ここで少なくとも特定水準の 活性を持つライブラリーに存在するこれらの化合物が標的分子と結合する条件の 下でこのライブラリーは標的分子と接触される。このような接触の結果として、 そうした活性を持たない化合物と混合した特定水準の活性を持ついずれの化合物 も標的と結合しようとする。その後特定水準以下の親和力すなわち活性を持つ化 合物(以下「ルーザー」(敗者)として引用する)はウイナー化合物よりも早い 割合で混合物から除去される。少なくとも1個のウイナー化合物のライブラリー 内の存在は、化合物が(化合物の除去されたものを測定するかもしくは化合物の 回収率を測定することにより検出できる)混合物から除去される(回収される) 割合の変化を検出することにより確認され、このような割合の変化はその除去( 回収)の間に除去(回収)される化合物のパーセンテージの変化として示される 。 かくして、例えば標的分子に少なくとも特定の親和力(すな わちKd)で結合するウイナー化合物あるいは化合物類をライブラリーが含んで いるかどうかを確認しなければならないものとすると、このライブラリーは、標 的と結合するライブラリーウイナー化合物から分配することで回収する適当な条 件下で標的分子と接触される。このような条件下では、いくつかのルーザー化合 物も回収されるであろう。このようなルーザー化合物の回収は検定のバックグラ ウンド(暗騒音)およびもしくは低い活性度で豊富にある化合物の結合に帰因す ることができる。最初の接触で回収される化合物が再度標的と接触される手順を 繰返すことで、ルーザーはウイナーよりも速い割合で除去されるであろう。かく してウイナーのルーザーに対する割合は、標的への露出の各反復で急速に増加す る。反復過程のある点において、ウイナーのルーザーに対する割合は、ウイナー 化合物が十分に大きくなり、ウイナー化合物が母集団で優位を占める。従って反 復のラウンド当り全化合物の回収率を座標で示してみた場合に、化合物除去の割 合に減少が見られ、最終的には理想化された状況においてプラトー(高原部)に 到達し、更なる反復で標的に結合することが観察された化合物の量は一定(コン スタント)になる。ライブラリーでのウイナーの存在は、標的に結合する化合物 除去の割合の変化、もしくは混合物から得られる結合していない化合物回収割合 の変化を確認することにより、容易に検出できる。 例えば、ライブラリーCが1000個のユニーク化合物の1000個のコピー を有し、ここで1マイクロモルの標的に対するKdを持つ化合物#C1−100 、および0.1マイクロ モルKdを持ち、従ってライブラリーの他のいずれの化合物よりも10倍大きい 活性を持つ化合物#C101を除いて、すべての化合物がルーザーであると仮定 する。反復過程の第1ラウンドで0.1マイクロモルの標的をライブラリーに露 出させると、#C101の50%、つまり約500コピーが回収され(何故なら 標的濃度はこの化合物に対するKdと等しいためである)、一方#C1−100 の僅か約10%つまり100コピーが回収されることになるであろう。更に回収 過程が他の899個の化合物(#C102−1000)の1%、つまり約10個 のコピーのバックグラウンド回収率を持つものと仮定する。反復の第2ラウンド において、残りの#C101の50%、つまり約250コピーが、#C1−10 0の10%、つまり10コピー、および不活性化合物の1%つまり約90個のラ ンダム組合せとともに回収される。要約すると、2回のラウンド後に、#C10 1の250個のコピー、100個の低活性化合物#C1−100の10コピー、 および90個のユニーク不活性化合物が存在する。第3ラウンドの後、#C10 1の約125個のコピー、100個の低活性化合物のそれぞれのただ1個のコピ ー、およびルーザー化合物の事実上ゼロのものが回収されることになるであろう 。#C101は今やたとえもともとそれが10倍だけ活性の低い化合物により1 00:1の数で勝っていたとしても残るライブラリーで多数を占めることになる 。 かくして化合物C101の優勢は、続く反復で化合物除去の割合の変化(ある いは化合物回収率の変化)に帰着し、回収率 あるいは除去率のそのような変化は、ライブラリーが少なくとも特定の活性を持 つ一つの化合物(ウイナー)を含むことを示している。 この発明は、もしライブラリーを標的と接触させ活性化合物を分離した後に、 そのようなライブラリーが標的と特別に相互作用する希有化合物を含んでいると すれば、不活性化合物あるいは低活性化合物のある小さいパーセンテージのもの もまた分離されるという事実を重視する。不活性化合物の回収は、検定のバック グラウンド、およびもしくは低活性で豊富にある化合物の結合に帰因するもので あり得る。化合物を標的と接触させ活性化合物を分離する過程を繰返した時、同 じ少ないパーセンテージの不活性あるいは低活性化合物がもっとも活性の高い化 合物と共に回収されるであろう。もっとも活性の高い化合物回収のパーセンテー ジが不活性あるいは低活性化合物回収のパーセンテージよりラウンド当りでより 大きいために、反復手順を通じて回収される活性および不活性化合物の累積パー センテージの差を絶えず拡大することになるであろう。 この発明の根底にある原理は、高度に活性のある化合物を含むライブラリーと そうでないライブラリーの間にある信号の差異にある。ライブラリーDが構成に おいてはライブラリーCと同一であるが、それは#C101に等しい化合物を含 んではいないと仮定する。つまり#D1−100すべてはKd=1マイクロモル の低活性を有し、他の900個の化合物すべては活性を持たない(ルーザー)と いうことである。ライブラリーCおよびDが各ラウンド後に「信号」(すなわち 残存する分子数) を測定されたと仮定する。第1ラウンドの後、ライブラリーCは#C101の約 500個のコピー、低活性の#C1−100の100×100=10,000個 、および約900×10=9000個のルーザーの全体で19,500個の分子 を持つ。ライブラリーDは#D1−100の100×100=10,000個、 および約900×10=9000個の不活性化合物の全体で19,000個の分 子を持つ。ライブラリーCが高活性#C101に帰因して500個だけ多くの分 子を持つことに注目されたい。反復の第1ラウンドに投入されるライブラリーの パーセンテージとして測定されるために、ライブラリーCはライブラリーDが1 .90%として回収されるのに対して、1.95%が回収される。この非常に小 さな差異は結合および測定法の実験上の不確定性(すなわち「雑音」)の範囲内 にあるようにみえる。2ラウンドの後、ライブラリーCは#C101の250個 のコピー、#C1−100の100×10=1000個、および#C102−1 000の89個で、1089個の分子を持つライブラリーDに比べて1,339 個の分子を全体として持つことになる。2ラウンドの間の回収率の差で20%以 上の差が十分に検出できる。しかし3ラウンドの後では、ライブラリーCは#C 101の125個のコピーおよび化合物#1−100の100×1=100個で あり、ライブラリーDが化合物#D1−100の100×1=100個のみを持 つのに対して全体で225個の分子を持つことになる。換言すれば、第1ラウン ドでの小さな差異、および第2ラウンドでの回収率の適度の差異が、第3ラウン ドでの回収率では今 やほとんど約2倍の差異、つまり、第3ラウンドへのインプットでライブラリー Dが100/1089つまり約9%の回収に過ぎないのに対して、ライブラリー Cは225/1339、つまり約17%の回収となるということである。この実 施例は、2種のほとんど同じライブラリーの差異が単一で希有であってかつ高度 に活性の部材であったとしても、その2種のライブラリーの間でいかに反復手順 が識別できるかを強調するものである。 かくして前記の説明で明らかであるように、標的にもともと結合する化合物が ライブラリーCから除去されると、ウイナーを持つライブラリーCで第2ラウン ドと第3ラウンドの間で除去の割合もしくは回収率に検出できる変化が存在する が、一方ライブラリーDにおいてはそのような化合物の除去あるいは回収の割合 に著しい変化は存在しない。かくして、ライブラリーがウイナーを包含するかど うかということは、それがもともと標的と結合するこれら化合物の除去割合の変 化を検出することにより増幅なしで決定することができる。 少くとも特定の活性でもって標的と結合する化合物をライブラリーが含むかど うかを識別するこの発明の過程を更に説明するものとして、ウイナーをナノモル の範囲もしくはそれ以下のKd値で標的と結合する化合物と定義し、一方、ルー ザーはマイクロモルの範囲もしくはそれ以上のKdで標的と結合するものと定義す ることができる。 ルーザーの結合は一般に「非特異的」として引用される。というのは、それは すべてのライブラリー部材で共有される特性 だからである。もしも標的が特定の部材あるいはサブクラス(ウイナー)を認識 し、それとより大きな親和力で結合できる場合には、そのような結合は「特異的 」として引用されるが、それはライブラリーの他の部材に対してよりもこれらの ウイナーに対し特異的であるからである。例えば、DNA結合タンパク質は典型 的にはいずれのDNA配列に対してもマイクロモルの範囲での非特異的結合親和 力を持つが、一方このタンパク質は特異的DNA配列とはナノモルもしくはそれ 以下のKdで結合する。 もしも1014個の分子を含むライブラリーがウイナーを含まないとすると、適 切な条件が検定に選択されない限りそれは低いバックグラウンド値を持つことに なる。例えば適切に設計された結合検定において、一般に全体として1%もしく はそれ以下のルーザーが標的と相互作用するものとして測定される。もしもルー ザーのみを含むライブラリーが1%のバックグラウンド値を持ち、標的と会合す るこれら化合物が回収され標的に再露出されるものとすると、もう一度化合物の 1%だけがこの標的と会合することになるであろう。かくして標的と会合するこ れらの化合物の回収および標的への再露出を続け、その結果をプロットするとす れば、図1で示されるように半対数プロットで線形結果を予言することになるで あろう。 もしもライブラリーが1個以上のウイナーを含むものとすると、理想的条件の 下で、すべてのウイナーは、ウイナーの濃度が標的濃度よりも低く、また標的濃 度がウイナーと会合のためのKdよりも大きいという条件で各反復に際し標的と 相互作用 するであろう。かくして、標的と会合する全化合物に対するウイナーの割合は、 標的への露出の各反復により急速に増加する。反復過程のある点において、全化 合物に対するウイナーの割合はウイナー化合物が母集団で優勢を占めるのに十分 な大きさのものとなる。従って、半対数プロットにおいて、曲線が目に見えて線 形性からそれる。最終的に理想化された状況において、プラトーに到達し、同じ 量の化合物が更に反復を加えることにより標的に結合することが観察される。例 えば、理想的な結合実験が図2で示され、ここでは、たった1個の配列がウイナ ー配列である108個の異なった核酸配列の内106個のコピーをライブラリーが 含んでいる。第5回目の反復により曲線は目に見えて線形性からそれる。図3は 図1および図2からプロットを重ね合わせたものである。第5回反復によって、 ウイナーを含まないライブラリー(以下「ルーザーライブラリー」で引用する) よりもウイナーを含むライブラリー(以下「ウイナーライブラリー」で引用する )から100倍も多くの化合物が回収され、第6回目の反復では、ルーザーライ ブラリーより10,000倍も多い化合物がウイナーライブラリーから回収され る。 化合物Aが化合物Bよりも大きな親和力で標的と相互作用するように標的と相 互作用できる2種の化合物を含むライブラリーの場合を考えてみる。標的の濃度 が化合物Bと結合するKdと同じもしくはそれ以下であるが化合物Aと結合する Kd以上であるように検定が実施されるとすれば、何回かの反復の後、大抵の観 察される標的との相互作用は化合物Aに帰因する ことになるであろう。例えば、もしも化合物Aが化合物Bの2倍の親和力で標的 と相互作用すると、4回の相互作用の後では、化合物Aは化合物Bよりも約24 倍、つまり16倍も多く標的と相互作用することになる。同様に化合物Aが化合 物Bの3倍の親和力で標的と相互作用するものとすると、4回の反復の後では化 合物Aは化合物Bよりも34倍、つまり81倍も多く回収される。かくしてライ ブラリーは、それが非常によく似た親和力で相互作用する数多くの化合物を含む 場合を除き、単一最良部材化合物であるということで「ウイナーライブラリー」 として識別されるものと思われる。更に同じ理由で、2個のライブラリーが比較 され、ライブラリーAがライブラリーBにあるどのウイナーよりもほんの僅かば かり親和力の大きい1個のウイナーを含むとすると、ライブラリーAは明らかに ライブラリーBと比較してウイナーライブラリーとして記録される。これはこの 手順にとっては重要である。というのは特定のライブラリーが他のライブラリー よりもより大きな親和力を含むことを確認するための能力は全体の手順を選別す る最終段階でウイナーの識別を間接的に説明することを可能にするであろう。 あるライブラリーが2個のウイナー化合物を含み、それが標的と同じ大きさの 親和力で相互作用するものとすると、半対数プロットにおけるプラトー水準は1 個のウイナーを含むライブラリーのプラトー水準の2倍の高さにあるだろう(図 4)。かくして理想的条件の下で、ルーザーライブラリーからウイナーライブラ リーを識別できるだけでなくライブラリーに1個以上 のウイナーがあるかどうかを推定することを可能にする。 かくして当然明らかなように、この発明に従って、もしもライブラリーがウイ ナーを含まない場合には、ラウンド当り回収される物質(あるいはラウンド当り 除去される物質)のプロットは、通常各ラウンドでの相対的に固定した回収パー センテージ(固定したルーザー除去のパーセンテージ)に従って、各ラウンドで 回収される物質の量が絶えず減少する単調なものになるであろう。1個以上のウ イナーを含むライブラリーは、ラウンド当りより高いパーセンテージで回収され る(ラウンド当りより低いパーセンテージで除去される)ウイナー化合物が残存 するライブラリー混合物の多数を占めるようにラウンドが到達するまで同じプロ ットを続ける。続くすべてのラウンドにおいて、プロットは「プラトー」に到達 するが、それは一度残る化合物の大多数がウイナーになると、比較的高い物質回 収率が各ラウンドで見られる(比較的低い物質の除去率が各ラウンドで見られる )からである。かくしてこのようなプロットにより、ライブラリー内でウイナー の存在あるいは不在がたやすく決定される。 もっとも、一つの実施例に従って、所謂ルーザーの除去が反復過程で回収化合 物を標的に再接触させることにより達成されるけれども、この発明はまたライブ ラリーがウイナーを含むかどうかを識別するために所謂ルーザーを除去する他の 方法も考慮する。 かくして例えば、結合化合物を回収しその回収化合物を標的に再接触させる代 りに、最初の結合の後、標的はより低い親和 力で標的と結合するこれらの化合物を標的から優先的に除去するどのような方法 ででも処理することができる。限定されない実施例として、これは一つの透析過 程により達成することができ、ここではライブラリーが透析される一連の緩衝液 (透析物)の変化が透析物を通過するルーザーを優先的に含み、これに対して標 的は膜を通過できずより大きな標的には結合するウイナーと優先的に接触を続け るであろう。もしも例えば標的ライブラリー保温サンプルが、相対的に大きな標 的は透析膜を通過できず相対的に小さいライブラリー部材は通過できるように分 子量を切捨てた透析膜を横切る10倍もの過剰な透析物を備える透析チャンバに 置かれるとすると、それから約90%の結合していないライブラリー部材が透析 膜を横切り透析物に移行するであろう。各回において透析物は新鮮な緩衝液で取 り替えられ、更に90%の結合していない部材(ルーザー)が膜を通過して移行 し、これによりサンプル内のルーザーの全数を少なくさせる。ウイナーはこれと 対照的にそれが持つ標的との相互作用に帰因してサンプル内に優先的に維持され るであろう。 透析物の変化は、ルーザーが優先的に分散する緩衝液の連続流によっても達成 することができた。一定時間の後、標的含有サンプルもしくはその一部はライブ ラリーの残存量を検定することができた。高親和力のウイナーを含むライブラリ ーはより高い割合で膜を通過して分散するより低い親和力の化合物を持つライブ ラリーよりももっと長い時間後により多くの物質を保持するであろう。このよう な連続時間ベースの手順は、基本的 により高速の多ラウンド手順であり、ここでラウンドは、透析物が変化するにつ れてたえず当初の透析条件を「カットし直すこと」よりなる。 核酸ライブラリーを選別するのに使用できるライブラリーを標的分子に接触さ せた後でルーザーを除去し従ってウイナーを豊富にするも一つの手順は、標的分 子に結合する核酸から「センス」および「アンチセンス」鎖を生成することを含 む。1993年6月18日に出願されたアメリカ合衆国特許番号079,677 号に記載される雑種形成しない鎖の除去を伴う雑種形成および鎖の融解のサイク ルはルーザーの除去を産出し、前記のプロットを使用することによって、このよ うなライブラリーがウイナー配列を含むかどうかを決定することができる。 このようにして当然明らかなように、ウイナー除去の割合よりも大きい割合で 所謂ルーザーを除去する広範な種類の手順のどれか一つが、ライブラリーがウイ ナーを含むかどうかを決定することを可能にし、そのライブラリー内では、割合 の変化がライブラリーがウイナーを含むことを示す化合物の回収と関連してルー ザーの除去が変化の割合に表れることになる。 かくしてこの発明に従って、標的に結合する化合物除去の割合の変化(あるい は化合物回収割合の変化)はウイナーがライブラリーに存在するかどうかを示す 。かくして例えば割合が2倍の変化といえば化合物回収の割合もしくは化合物除 去の割合が高いことを示す。かくして当然明らかであるように、この発明の目的 のための化合物除去の割合は化合物回収の割合と関係 し、またどちらかの割合の変化はライブラリー内のウイナーの存在を示すものと なる。 この発明に従って、特定の希薄さのウイナーを選別するために必要なライブラ リーの初期サイズ(N=全分子数)、およびウイナーライブラリー対ルーザーラ イブラリーでの残存分子数の100%の増加を検出するために必要な反復ラウン ド数(R)を算出することができる。ウイナーはライブラリー内でルーザーに対 するウイナーの比に等しい初期頻度(f)を持ち、あるパーセントの産出高(y )で各反復から回収することができる。ルーザーは、あるバックグラウンドパー センテージ(b)で回収される。(蛍光あるいは各種の他の方法により)検出で きる分子量の最小数=dとする。次いで残っている全分子量が2倍(即ち100 %)増加するのに必要なラウンド数はR=log(f)/log(b/y)の方 程式で定義される。またライブラリーは、検出しきい値以上であるためにはラウ ンドRで十分な残存分子量を持つN=d/〔(f)(y/100)R]の大きさ でなければならない。例えば実際に適当に大きいライブラリーは約N=1015分 子量、b=0.1%のバックグラウンド、およびウイナーの産出量/反復が約y =20%である。これらのパラメーターを所与として、これら2個の方程式はR およびfを共に解のあるものとし、全体で108分子量内の約1個のウイナーが 回収される分子の観察された量で2倍に増加するものとして選択の4ラウンド後 に検出されるであろうということを示している。これらは実際の実験において妥 当な数であるが必ずしもそれに限定され るものではない。何故なら、検出しきい値、バックグラウンド、初期ライブラリ ーサイズ、およびウイナーの産出量はすべてより希有なウイナーでさえも検出さ れることを可能にし、事実上より有利になるからである。この実施例において、 ライブラリーが108ユニーク配列内で107コピーを含むことができ、この手順 が標的に対して最高の親和力を持つ1個のユニーク配列を検出できることに注目 したい。選択肢としては、ライブラリーは1015個も多くのユニーク配列を持つ ことができ、またこの手順はライブラリー内に107個の少ない配列のサブセッ ト(あるいは族)を検出することができる。 この発明に従って検査されるライブラリーを形成するのに使用される化合物は 、多種多様の化合物のいずれであってもよく、とりわけ、この発明に従って、標 的分子に初期に結合する化合物を増幅する必要はないからである。かくして例え ば、ライブラリーは一本鎖もしくは二本鎖の核酸から形成できる核酸ライブラリ ーであってもよく、またこのような一本鎖核酸はDNAあるいはRNAであって もよい。同様に核酸あるいはオリゴヌクレオチドが使用される時には、このよう な核酸は修飾あるいは非修飾核酸であってもよい。 ここで使用される「核酸」という用語は、核酸がリボ核酸、すなわちRNA; オキシリボ核酸、すなわちDNA:あるいは混合リボ核酸/デオキシリボ核酸; なわち核酸が、リボースあるいはデオキシリボース蔗糖、2´−O−メチルリボ ースあるいは他の2´置換あるいは共役蔗糖、もしくはこのような蔗糖の混合物 を意味する。選択肢としては核酸は5炭素あるい は6炭素蔗糖、例えばアラビノース、キシロース、グルコース、ガラクトース、 あるいはこれらのデオキシ誘導体もしくは蔗糖のいずれかの混合物などを含む。 核酸の1個以上のリン含有部分は修飾することも非修飾のままおくこともでき る。リン含有部分は、例えばリン酸塩、ホスホネート、アルキルホスホネート、 アミノアルキルホスホネート、アルキルチオホスホネート、ホスホルアミデート 、ホスホロジアミデート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホ ロチオネート、ホスホロチオレート、ホスホルアミドチオレートあるいはホスホ ルイミデートである。しかしこの発明の範囲はいずれか特定のリン部分あるいは 部分群に限定されるものでないことは理解されねばならない。更にまた、リン部 分を陽性イオン、陰性イオンあるいは双性イオン成分で修飾することができる。 核酸はまた、炭酸塩、カルボキシメチルエステル、アミド酢酸塩、カルバミン酸 塩、アセタール、その他のようなリンを含まない1個以上のバックボーン結合を 含むこともある。また核酸はペプチド核酸(PNA)の1個以上のバックボーン 結合を含むことも可能である(エグホーム他、ジャーナル・オブ・アメリカン・ ケミカル・ソサイエティ、114巻、1895ページ(1992年))。 核酸はまたいずれかの天然もしくは天然でない、置換もしくは非置換プリンあ るいはピリミジン塩基を含む。このようなプリンあるいはピリミジン塩基は、必 ずしもそれに限定されないが、アデニン、シトシン、チミン、グアニン、ウラシ ル、あるいは他のプリンおよびピリミジン類、もしくはその類似体、例 えばイソシトシン、6−メチルウラシル、4,6−ジ−ヒドロキシチミジン、ヒ ポキサンチン、キサンチン、2,6−ジアミノプリン、5−アザシトシン、5− メチルシトシン、7−デアザ−アデニン、7−デアザ−クアニン、その他を含む 。 核酸は修飾されて、その結果少くとも核酸の1個のヌクレオチド単位が共役基 を含むことがある。このような共役基は、必ずしもそれに限定されないが(a) D−アミノ酸およびL−アミノ酸を含むアミノ酸、(b)ペプチド、ポリペプチ ド、およびタンパク質、(c)ジペプチド模擬体(dipeptide mim ics)、(d)蔗糖、(e)蔗糖リン酸塩、(f)神経伝達物質、(g)ホル モン、(h)ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、(i)ポリエチレ ンイミン、(j)デキストラン、(k)無水ポリマレイン酸、(l)シクロデキ ストリン、(m)でんぷん、(n)必ずしも限定されないがコレステロールなど のステロールを含むステロイド、(o)アクリジン、(p)ビタミンおよびポリ エチレングリコールなどのポリアルキレングリコールを含む。このような部分は 核酸を細胞内および循環での分解に対しより耐性にし、およびもしくは核酸を細 胞に対してより透過性のものにする。共役部分は3´末端ヌクレオチド単位、お よびもしくは5´端ヌクレオチド単位、およびもしくは内部ヌクレオチド単位に 取り付けられ、あるいは共役部分は核酸の3´端およびもしくは5´端に取り付 けられる。一つの実施例において、置換ヌクレオチド単位は非置換ヌクレオチド 単位と交互に並ぶ。も一つの実施例において、すべてのヌクレオチド単位は共役 部分で置換される。 共役部分は核酸にプリンあるいはピリミジン塩基、リン酸基の所で取り付けら れ、あるいは蔗糖に取り付けられる。共役部分が塩基に取り付けられる場合には 、この部分が取り付けられる塩基に依存するが塩基のある位置に取り付けられる ことが望ましい。この部分がアデニンに取り付けられる時には、それはC2,N 6,あるいはC8の位置に取り付けられることができる。部分がグアニンに取り 付けられる場合には、それはN2あるいはC8の位置に取り付け可能である。シ トシンに部分が取り付けられる場合、それはC5あるいはN4の位置である。部 分がチミンあるいはウラシルに取り付けられる時には、それはC5の位置で取り 付け可能である。 一つの実施例において、核酸は約5個乃至100個のヌクレオチド単位を、望 ましくは約8個乃至約60個のヌクレオチド単位を含む。 更にも一つの実施例において、核酸は非核酸成分、例えばペプチドあるいはタ ンパク質、もしくは単なる炭水化物、および脂質などを含むより大きな分子の一 部分を表わす。 核酸は一本鎖、二本鎖、ステムループ構造、擬節(pseudoknot)、 あるいは閉鎖、円形構造の形態であり得る。 核酸は従来の技術に習熟した人に既知の各種の容認された方法で合成すること ができる。例えば核酸は自動核酸合成機で合成することができる。選択肢として は、核酸は5´よび3´末端でフランキングあるいはプライマー配列の使用を通 じて酵素で合成することができる。も一つの選択肢としては、核酸は液相化学で 合成可能である。しかしこの発明の範囲は合成のい ずれか特定の方法に限定されるものではない。 この発明に従ってライブラリーを形成するのに使用される化合物はペプチドで ある。 選択肢として、化合物は有機化合物、例えばオリゴ糖、ベンゾジアゼピン等の ものである。ライブラリー形成のための適切な型の化合物を選択することは、こ こで示された教訓から当業者の範囲内にあると見做される。 同様に、標的分子はライブラリー内の化合物が結合できる多種多様の標的分子 のいずれか一つである。望ましい標的分子はポリペプチドあるいはタンパク質で あるが、この発明はこのような標的に限定されるものではない。 同様に、この発明に従って選別されるライブラリーは混合された化合物よりな る。例えば、ライブラリー化合物はアミノ酸とヌクレオチドの混合物を含むオリ ゴマーより構成される。かくしてこの発明に従って、ライブラリーは多種多様の 化合物のいずれかより形成することができ、ライブラリーを多種多様の標的分子 のいずれかと接触させることにより選別することができる。更にこの発明に従っ て、標的に結合する化合物がライブラリーに存在することだけが必要であり、そ れと共に選別は少くとも特定の活性を持つこれらの化合物が標的分子に結合を行 わせるように選別が達成される。 望ましい実施例においてこのようにあらかじめ定められた活性は少くとも特定 の親和力(すなわちKd)で標的と結合する化合物により定義されるけれども、 この発明は更にこのような活性が標的分子を不活性化するかもしくは活性化する かにより 測定される特定の活性で標的と結合する1個以上の化合物をライブラリーが含む かどうかを決定することも考慮する。 例えば、もし化合物が化学量論的にその標的の活性を遮断する方法で標的の部 位と結合するならば、標的の活性の減少を測定することによりライブラリー内の ウイナーの存在を決定することができる。この実施例において、ライブラリーの 阻害活性は、すべての出発ライブラリーが活性を示す条件下で、各反復後に検査 される。物質が各ライブラリーから失われ、これによって阻害検定で化合物の全 体の濃度を低下させるために、ルーザーライブラリーはその阻害活性を失う。し かしウイナーライブラリーは初期ウイナー濃度がその化合物に対するIC50を上 まわる間は阻害の水準を維持する。例えばウイナーのIC50が1ナノモルである とすると、このライブラリーは1マイクロモルの非特異的IC50を有し、また初 期ライブラリー濃度は100マイクロモルである。ライブラリー内のウイナーの 頻度が104個の化合物当り1個であるとすれば、次いで各ラウンド当りウイナ ーの選択回収が50%であり、ルーザーが1%である場合2ラウンド後にルーザ ーは10ナノモルだけの濃度で存在し、従って何らの非特異的阻害を示すことは ない。しかしウイナー含有ライブラリーは未だに2.5ナノモルのウイナーを含 んでおり、少くとも3ラウンドを通じて50%以上を阻害する。反復がなければ 、ライブラリー全体として非特異的阻害活性であるためにウイナーは検出されな いであろう。一般に、ウイナーがルーザーよりもx倍低いIC50を持つがライブ ラリー内では1:x以下の希有である場合には、 その場合反復手順のみがそれを確認することを可能にする。 各反復後の回収化合物量を決定したり半対数プロットを準備することは評価と しては望ましいけれども、この発明の前提条件ではない。必ずしも阻害されない 実施例として、ベンゾジアゼピンライブラリー(ブーニンおよびエルマン、ジャ ーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ、114巻、10997ペ ージ、1992年)がライブラリー化合物を標的と接触させることでウイナーの 存在を検定されるが、ここでは従来よく知られている技術である非結合ベンゾジ アゼピン対標的と結合したものの分子量の差異にもとづく数多くの分離技術の一 つを用いて非結合化合物から結合化合物を分離し、結合ベンゾジアゼピンを抽出 し、その抽出化合物をも一度標的と接触させ望ましいあるいは可能な限りできる だけ多くのサイクルでこのような反復を続ける検定である。最後の反復の後、抽 出ベンゾジアゼピンの存在を例えば加速質量分光器分析(フォーゲルおよびター テルトーブ、トレンド・アナリティカル・ケミストリー、11巻、142ページ 、1992年)により定量する。前にルーザーとして定義された1個以上のベン ゾジアゼピンのサンプルを平行して走らせることにより、このようなルーザーに 対するバックグラウンド水準を確定し、比較することによって実験ライブラリー がウイナーを含むかどうかを推定する。 当業者にとって当然明らかであるように、「反復」(iteration)あ るいは「繰り返し」(reiteration)という用語は、もともと標的と 結合し勝ちな化合物を標的 と再接触させることには限定されず、標的と結合するこれらの化合物が処理する 各種の手順を包括し、その化合物のいくつかのものは少くとも特定の活性を持ち 、またそのいくつかは特定の活性以下のものを持ち、そのようにして標的と結合 し、また特定の活性を持たないこれらの化合物は、もしあれば、標的と結合し少 くとも特定の活性を持った化合物よりも早い割合で除去されるであろう。かくし て例えば、特定の活性を持たない化合物をより早い割合で除去するこのような反 復は、一連のラウンドあるいは段階を含むものであり、ここでは標的と結合する 化合物は回収されまた標的と再接触され、あるいは例えば透析、あるいは核酸も しくはオリゴヌクレオチドの場合は標的分子に結合するこれら核酸のセンスおよ びアンチセンス鎖の融解など前記の手順を含むことができ、このようにして結合 親和力の少ないものは早い割合で除去される。 この発明で採用される反復手順で回収される物質の量は多種多様の方法で測定 される。かくして例えば、ライブラリーのすべての部材は放射線で標識されるか 蛍光染料でタグ標識される。必ずしも限定されない実施例として、一つの核酸ラ イブラリーが従来よく知られている酵素末端標識法により32Pを使って標識され る。各反復の後、標的と会合する核酸が回収され、回収核酸の全体あるいは一部 がチェレンコフ分解法で測定される。 蛍光体の添加なしでこのような測定がシンチレーション分光計で実施されるた めに、評価サンプルの全量が更に標的への露出反復のために保存される。各反復 で測定されるチェレ ンコフ分解の数は更なる反復を実行することについての実現可能性を決定する。 も一つの限定されない実施例は、そのそれぞれが定義された核酸配列(「標識配 列」(tagsequence))に共有結合で付着する化合物を含むライブラ リーであり、そのため標的配列、この場合は標識配列に対する核酸プローブのハ イブリッド形成を使用する既知の方法のいずれかにより化合物の量を測定するこ とができる。 選択肢としては、も一つの限定されないこの発明の実施例として、ペプチドラ イブラリーの各部材がフルオレセインあるいはローダミンなどのような比較的小 さな蛍光体で標識される。標的への露出の各反復後に、ペプチドの回収量が蛍光 光度計で測定される。まだ十分に蛍光物質がありあと1回のラウンドで選択およ び定量化が可能であると判断される場合には、も一度回収ペプチド母集団の全体 あるいはその一部が更に反復を行うために利用することができる。 この発明は更にある種の化合物もしくはある種の大きさの化合物が標的分子と 相互作用するのにもっとも適しているかどうかを決定するために前もって選別す ることに向けられる。 かくして例えば、ペプチドベース治療薬を探究するに際して、標的と相互作用 する最小のペプチドを決定することが望ましい。というのはより大きな化合物は 生産に費用がかかるだけでなく、生物学的利用能も小さくなるからである。 従って、異なった大きさのペプチドライブラリーを生成し、どのライブラリー がウイナー含んでいるかを決定することができる。かくして例えば、もしペプチ ド、トリペプチドおよびテ トラペプチドのライブラリーがウイナーを含んでいず、一方ペンタペプチドおよ びヘキサペプチドライブラリーがウイナーを含んでいるものとすると、続くウイ ナーペプチド配列の決定はペンタペプチドライブラリーを使って実行することが できるが、それはこれらのライブラリーがウイナーを含む最小分子量ライブラリ ーであると決定されるからである。選択肢としては、ペンタペプチドおよびヘキ サペプチドライブラリーの双方(それ以下の小分子量の配列であってはならない )は更にウイナー配列のために分析することが可能である。 この発明のも一つの限定されない実施例としては、標的と最良に相互作用する ものとして識別された一本鎖核酸が、ステムループあるいは擬節のような別個の 識別できる構造を呈するものであるとしばしば決定される。これらの構造はしば しば配列非特異的であるが、相互作用を最適化する方法のように標的に対し核酸 の選択された配列特異的領域を提供する構造枠組みを用意するには多分基本的な ものである。選択された核酸にこのような構造的特性を与える必要性は、基本的 にはウイナーとして適切な候補者である母集団にある化合物の割合を減少させる 。最終結果は、ライブラリーの複雑性の多くの価値が失われ、また適当な構造枠 組みを持つものに対する核酸の母集団を狭めるのに必要な数多くのサイクルが不 必要に大きすぎるということである。このような構造を所有するように部材核酸 が設計されるライブラリーの用途は選択手順を最適化する。 観察される構造化核酸の中では、ステムループ、気泡型、擬節および4個単位 構造のものが知られている。塩基対が形成さ れる限り塩基配列はその大部分が構造領域とは無関係であるので、この発明にと っては核酸ライブラリーは固定配列塩基対領域で設計される。すべての核酸が特 定の構造を所有するライブラリーが1個以上のウイナーを含むことがあらかじめ 定められているとすれば、このような構造を持つライブラリーは、ウイナー配列 の決定に際し、次のような利点を提供する。(1)選択はより少ない選択サイク ルで完成される。(2)構造が化合物内に既に組み込まれているために、選択さ れ得る配列の複雑性を越えることなしにより高度な複雑性を分子の可変領域に導 入する。また、(3)構造がウイナー配列に最小に許容される大きさのランダム 領域を含むものとすると、これは異なったウイナー分子におけるランダム領域の 多重登録簿をウイナーライブラリーが占拠することを阻害する。これはすなわち 異なったウイナー化合物の数を減少させるものとなる。 構造的核酸ライブラリーは既知の手順により自動核酸合成機を用いて生成され る。ライブラリーは必ずしもそれに限定されないが、ステムループ、気泡型、擬 節あるいは4個単位を含む構造をとるように生成される。ライブラリーはこれら の構造の1個以上のものを含むことができる。構造ライブラリーはRNA,DN A、この2種の混合物、およびもしくは修飾ヌクレオチドよりなる化合物を含む ことができる。 ステムループ構造は相補的末端を持つ分子をも構築することで生成され、その 塩基対はステムループ配座を維持するために適切な親和力を有する。単純なステ ムループ構造の限定されない一つの実施例は配列Gxyxを持ち、ここでxは 少くと も2から10あるいはそれ以上であり、またNyはランダムルームを表わし、こ こでyは少くとも3から20あるいはそれ以上の数である。このようなライブラ リーにおいて、Gx領域にある各GはCx領域にある対応するCと対をなすことが 期待され、下記の構造を形成する(x=5,y=6が例として示される)。 このループは天然のヌクレオチド(リボA,C,G,Uあるいはデオキシリボ A,C,G,T)もしくは塩基,蔗糖およびもしくはバックボーンで修飾された ヌクレオチドを含むことができる。このような修飾塩基の例は必ずしもそれに限 定されないが、5´メチルU,2,6ジアミノプリン,イノシンである。このよ うな修飾蔗糖の例は必ずしもそれに限定されないが、2´アルキル化蔗糖、2´ −0−アルキル蔗糖、2´ハロゲン化蔗糖、2´アミノ置換蔗糖である。このよ うな修飾バックボーン基の例は必ずしもそれに限定されないが、ホスホロチオエ ート、ホスホロジチオエート、メチルホスホネートおよびアミノアルキルバック ボーンである。このループは更に歩行不能ヌクレオチドつまり非ヌクレオチドを 含みこれは必ずしもそれに限定されないが、所謂PNAs,グリコールあるいは アミノ酸、もしくは前記記載の他のモノマー単位を含む。 ステムにおいては、塩基はそれが適切に塩基対に設計されて いる限りにおいて変化することができる。実際に、塩基対形成でずれ量を避ける ために、ステムにある塩基を変化させることが望ましい。前記の構造においてA はGとまたT(あるいはU)はCと置換することができ、あるいはステムはA− T(あるいはA−U)およびG−C塩基対よりなることもできる。加えてリボG −Uあるいは修飾リボG−U塩基対をステムで使用することができる。いずれか の修飾塩基対はそれが適切な塩基対を形成する限りにおいてステムに加わること が可能となる。ステムは更に予備の非塩基対領域を含むこともできる。分子の3 ´あるいは5´末端(もしくは両端)には定量化もしくは識別の目的に使用でき る部分を付け加えることができる。このような部分の例は、必ずしもそれに限定 されないが、無対のヌクレオチド、ビオチン、フルロレセイン、アミノ酸、32P を含む。ステムの一端あるいは両端が、直角化合物を経るオリゴヌクレオチド「 コード化配列」にあるいは前記の標識配列に共有結合で取り付けることもでき、 これはビューテル他により記述されている(アメリカ合衆国特許出願番号08/ 079,677号)。 気泡構造はステム領域がループを取り囲むことを除けばステムループと類似し ている。気泡ライブラリーを生成する限定されない方法は下記のオリゴマー:Gvwxyxzvの合成による。このような構造において、GvはCvと塩基 対し気泡の一側面にステムを形成し、AxはTxと塩基対し気泡の他の側面にステ ムを形成する。ライブラリー内の化合物は次いで下記の構造を持つ(V=4,W =4.X=4,Y=4、および Z=4は例として示される)。 予見されるように、vは少くとも2個から10個もしくはそれ以上のヌクレオ チドを表わすことができ、xは少くとも2個から10個もしくはそれ以上のヌク レオチドを表わすことができる。NwあるいはNzは固定配列を持つことができる けれども、NwおよびNzはともにランダムループ構造を形成する。wおよびzは それぞれ1個から20個もしくはそれ以上のヌクレオチドと同じ位小さなもので あり得る。wおよびzは同じであっても等しくなくてもよい。 気泡ライブラリーは天然生成のヌクレオチドを含むことができ、あるいはステ ムループライブラリーについて前記した修飾ヌクレオチドもしくは非ヌクレオチ ド成分を含むこともできる。気泡ライブラリー内の分子はステムループライブラ リーで記述した3´あるいは5´末端にとり付けられる付加物を含むことができ る。 同様に、ライブラリーは擬節あるいは4個単位構造を含むことができる。 ライブラリーで使用されるこれらおよび他の構造は、従来のこのような構造に ついての現在の知識にもとづいて予見することができる(例えばパグリーシ他、 Acc、ケミカルリサーチ、24巻、152ページ、1991年)。 前記のものに加え、構造ライブラリーはオリゴヌクレオチド以外の化合物を用 いて構築することができ、このような化合物は、必ずしもそれに限定されないが ペプチドおよび剛性有機化合物である。 この発明の一つの実施例として、所与の標的に対し最良に検査される構築核酸 の性質および大きさの両方を決定するため事前選別が使用される。この手順はそ のランダム位置の大きさが異なる構築化合物を含む一連のライブラリーに標的を 接触させることを含む。限定されない例として、標的は、ランダムヌクレオチド 配列を含むループのような漸進的により大きなループを含むステムループライブ ラリーに標的を接触させる。このようにして異なったライブラリーは、4−ヌク レオチドループ、5−ヌクレオチドループ、6−ヌクレオチドループ、等以下2 0−ヌクレオチドループ、あるいはそれ以上のループを含むことができる。標的 を各ステムループライブラリーに接触させることに続き、ライブラリーのそれぞ れがウイナーあるいはルーザーライブラリーであるかどうかが決定される。ウイ ナーライブラリーが少くとも所与の大きさのループを含まなければならないもの と決定されると、その最小サイズもしくはそれより大きいループサイズを含む構 築ライブラリーのみがウイナー配列を識別するために利用される。 標的への親和力に関して異なった構造のものを試験することも更にこの発明の 一つの見地である。例えば、この発明に従って、事前選別がステムループ、気泡 型、擬節、4個単位および線状ライブラリーで行われ、各ライブラリーの化合物 の分子量 の大きさは殆ど同じものとされる。ウイナーとして記録されたライブラリーは、 以下に記述されるように続いて最適結合配列の選択に使用される。 更にこの発明のも一つの見地として、ライブラリーは実効電荷が異なるように 構築される。例えばライブラリーはホスホロチオエートバックボーン(ステーン 他、核酸研究、16巻、3209ページ、1988年)、メチルホスホネートバ ックボーン(ミラー他、アメリカ合衆国特許番号4,469,863号)、ある いはアミノメチルホスホネートバックボーン(フェーチ他、バイオコンジュゲー ト・ケミストリー、5巻、47ページ、1994年)を含んで構築される。これ らのライブラリーにおいては、実効電荷はそれぞれ陰性、中性あるいは陽性であ る。選択肢としては、ライブラリー成分は電荷が変化できるようにバックボーン の混合したヌクレオチドを有することができる。これらの核酸ライブラリーにつ いてこの発明の事前選別を利用して、どのライブラリーがウイナーを含むのかを 決定することができる。更に事前選別は構造および電荷の両方に関連して変化す るライブラリーで実行することができる。 非常に一般的な実施例において、ライブラリー部材がいずれかの手段で検出さ れ定量化される限りにおいて、順次的な方法(これは以下に記述されるウイナー 識別にとっては重要である)で合成できるいずれかのポリマーおよび非ポリマー ライブラリーでこの発明を使用できる。ライブラリーが核酸、ペプチド、あるい はその誘導体および修飾物のような生物ポリマーで なければならない先験的理由はないが、もっともこれらが従来の技術で既知の便 利で広く実際的な合成法としてそれを使用するという実用的な理由は存在する。 更にこの発明のも一つの見地に従って、少くとも特定の活性で標的分子と結合 する化合物の独自性あるいは配列を決定する方法が提供され、ここではそのよう な配列は間接的に、すなわち化合物を事実上配列付けることなしに決定される。 この見地において、この発明は更に前記の型の広範な化合物に向けられる。かく して例えば、発明のこの見地に従って採用される化合物は、核酸、あるいはオリ ゴヌクレオチド、ペプチド、タンパク質、天然には存在しないポリマー物質ある いは有機化合物である。この見地において、この発明は増幅を必要とはしないが 、もっとも多くの見地で必要とされないが、核酸を使用してそのような増幅を採 用することもできる。 この発明のこの見地に従って、少くとも特定の活性で標的分子と結合する化合 物あるいは化合物群の配列を確認するために、標的分子に対して選別されるべき 化合物の種類の複数の個別サブライブラリーが準備される。各サブライブラリー において、そこにある化合物は化合物内で既知の位置で既知の実体を有している 。その後各サブライブラリーは、各サブライブラリーがそこにウイナー、すなわ ち少くとも特定の活性で標的分子と結合する化合物あるいは化合物群を持ってい るかどうかを決定するため標的分子と接触される。各サブライブラリーがウイナ ー化合物あるいは化合物群を含んでいるという事実にもとづいて、この化合物の 一つの実体が既知でありまた化合物内で の実体の位置は既知となる。ウイナーライブラリーの定義にもとづいて、少くと も特定の活性で標的分子と結合する配列あるいは構造を持つ化合物を間接的に定 義することができる。 かくして例えば、前記記載の方法によるオリゴヌクレオチドライブラリーの事 前選別は、10個のオリゴヌクレオチドランダムライブラリーが一つのウイナー 配列を含み、次いでこの発明のこの見地に従って40個のサブライブラリーが合 成され、そのそれぞれが10個の位置の一つで定義される4個のヌクレオチドの 1個を含むことを決定する。各ライブラリーは、次いで例えばどのライブラリー がウイナー配列を含むかを前記記載の方法で決定するために評価される。次いで 10−ヌクレオチド長鎖オリゴヌクレオチドのためのヌクレオチド配列が、ウイ ナーを含んだ各サブライブラリーのための既知の位置で既知のヌクレオチドを知 ることにより間接的に推定される。 例えば、もしもウイナー配列が、5´−AGGCTATACG−3´であった とすると、サブライブラリーAN9,NGN8,N2GN7,N3CN6はすべてその それぞれの半対数プロットでプラトーを持ち、正である。つまり「ウイナーライ ブラリー」として記録され、一方CN9,NAN8,N2TN7,N3GN6などは負 である、つまり「ルーザーライブラリー」として記録されるであろう。全体でウ イナー配列にある10個のヌクレオチドに対応する10個のサブライブラリーが 正であると記録され、一方30ライブラリーは負であると記録されることになる であろう。 かくしてこの発明に従って、少くとも特定の活性で標的分子 と結合する配列を識別するための組み合わせアプローチが存在する。前記記載の 通り、このような活性は望ましい親和力であり、あるいは標的分子の活性を阻害 する望ましい水準にあるともいえる。同様に、複数のサブライブラリーで選別さ れる化合物は、多種多様の化合物、例えばオリゴヌクレオチド、ペプチド、ポリ マー、有機化合物等の一つである。少くとも特定の活性で標的と結合する核酸に 関連してこの発明は記述されるが、このような説明は同様に他の化合物、例えば ペプチドおよび他の有機化合物にも適用することができ、同様に親和力の他に活 性の定義にも適用できる。 かくして代表的な例としては、一本鎖6−ヌクレオチドオリゴヌクレオチドが 少くとも特定の活性で標的分子に結合することを決定した後に、既知のヌクレオ チドで1個所でそれぞれが固設される24個のサブライブラリーが用意される。 例えば、サブライブラリーが天然のリボヌクレオチドで構成されるとすると、そ のサブライブラリーセットは以下のものとなり、ここでNは4個のリボヌクレオ チドの混合物である: 各サブライブラリーは標的と接触され、サブライブラリーが1個以上のウイナ ーを含むかどうかを決定するために、前記のように標的への露出、分離および標 的への再露出の反復に委ねられる。各サブライブラリーがウイナーあるいはルー ザーライブラリーであるかを決定することにより、ウイナー配列が推定 される。例えばこの発明の反復記述手順がこのセットでウイナーおよびルーザー サブライブラリーの間を区別するのに使用され、アンダーライン付きのサブライ ブラリーだけがウイナーを含むものとする。 この場合、ウイナー配列はACGCACであると推論される。前記理由によりウイナ ー化合物の1/3の親和力を持つ化合物は、実際には、ルーザーとして作用する 。それにも拘らず、標的に対して同様の最適親和力を持つ小さい数の化合物をラ イブラリーが持つことは可能である。例えば、コンセンサス配列が存在し、そこ ではウイニング配列のあるパーセンテージが標的との相互作用できわめて重要で あり、一方、配列の他の部分は基本的には無関係で、構造枠組みとして役立つだ けである。このような場合、所与の固定基本位置で1個以上のウイナーサブライ ブラリーが存在するであろう。例えば以下のものである。 このような場合、コンセンサス配列AYGYAR(すなわち、ACGCAA,ACGCAG,ACGU AA,ACGUAG,AUGCAA,AUGCAG,AUGUAAおよびAUGUAGがすべてウイナーである)( 以下選択肢1という)があるか、若しくは限定された数の独立ウイナー配列、例 えばACGCAAおよびAUGUAG(以下選択肢2という)があるかを推論す ることができる。 どちらの選択肢がサブライブラリーの数量分析で正しいのかを推論することは 可能である。例えば選択肢1で正しいとすると、ANNNNN,NNGNNNおよびNNNNANサ ブライブラリーすべてが8個のウイナー配列を含み、一方選択肢2が正しいもの とすると、同じサブライブラリーは2個のウイナー配列を含む。同様に選択肢1 が正しいものとすると、NCNNNN,NUNNNN,NNNCNN,NNNUNN,NNNNNAおよびNNNNNG サブライブラリーのそれぞれは4個のウイナーを含み、一方もし選択肢2が正し いものとすれば、それらは1個のウイナー配列を含む。サブライブラリーにおけ るウイナー数でのこのような差異は、図4で示されるように測定可能であり、正 しい選択肢を推論するのに利用できた。いずれにせよ、標的に対して非常に類似 した親和力でライブラリーが無関係の配列の大多数のウイナーを含むことはあり そうもなく、候補者ウイナー配列を合成し、それらを個別に親和力検査をするこ とは簡単なことである。 この発明の前記実施例はウイナーオリゴヌクレオチドの識別のためのものでは あるが、この発明のより広範な実施例がいずれの型のポリマーおよび非ポリマー 化合物ライブラリーをも事実上一般化するものとなる。例えば、大多数の異なっ たベンゾジアゼピン誘導体は体系的に合成することができ、そのためそれは基本 ベンゾジアゼピン構造の各種位置に存在する化学成分の置換により一つ一つが他 と異なり、オリゴヌクレオチドライブラリーの部材の多くがポリマーの各位置に 付着したヌクレオチドで異なるものとなる。ベンゾジアゼピンのサブライブラ リーを合成することによって、それぞれが特定の位置で固定の化学部分を持ち、 しかも他の位置では各種異なった部分を持つことにより特徴付けられ(例えば図 5を参照のこと)、これらのライブラリーをウイナーのため試験し、大きなライ ブラリー内でもっとも活性のあるベンゾジアゼピン誘導体を識別することが可能 となる。このようなライブラリーを用いる選別手順は、各ライブラリーが特定の 位置で定義される特殊なヌクレオチドを持つ前記のオリゴヌクレオチド分析と類 似する。一般に、分子の特定の位置で異なった1個の化学特性をそれぞれが持っ ている非オーバーラッピングサブライブラリーとして体系的に分割あるいは合成 され得るライブラリーは、いずれもこの発明の分析にはなじみやすい。 この発明の手順はウイナー化合物の直接の識別を必要とはしないけれども、こ の選択手順は直接識別により倍加することができる。所与の数のラウンド後に残 存する物質の量が従来既知の手順、例えばDNA配列化、あるいはクローニング および核酸ライブラリーの配列化などを用いる識別を十分可能にするとしても、 そのような直接識別は有用であろう。これは、もしウイナーが十分豊富に存在し およびもしくはライブラリーの大きさが十分に大きく物質の増幅なしでこのよう な直接識別ができるならば、それが唯一この場合であるであろう。このような場 合には、この発明の方法は、ライブラリーがウイナーを含み、ウイナーが十分豊 富であって直接識別できるためのインジケータとして基本的に役立つ。ウイナー はその場合間接的方法を経てあるいは既知の直接的手順によって識別することが でき る。 この発明は更に以下の実施例によって説明されるが、この実施例は発明の範囲 を限定するものでないことは理解されるべきである。 実施例 実施例1.高親和力オリゴヌクレオチドの識別 もしあれば、どのライブラリーが、塩基性繊維芽細胞(bFGF)に結合する ためにKd=10nMの解離平衡定数を持つオリゴヌクレオチドを含むかを決定 するために、6個のオリゴヌクレオチドライブラリーが比較される。そのライブ ラリーは以下に述べるものである。 1.3個の「ステムループ」ライブラリー。そのそれぞれが5´−GGCCG (N5,7,9)CGGCC−3´の配列を持つので、1個のライブラリーはランダ ム配列の5の位置を含み、も一つは7のランダム位置を持ち、またも一つは9の ランダム位置を持つ。3個のライブラリーのそれぞれはランダム領域のフランキ ングの位置(横側)に示される10個の非ランダム塩基を有し、5個の相補的塩 基が各サイドにあり、そのためランダム領域はステムループ構造のループで囲ま れた領域に位置する。 2.3個の「気泡型」ライブラリー。そのそれぞれが5´−GGCCG(N4, 5.6 )GACUGAAAACAGUC(N4)CGGCC−3´の配列を持つので 、(全部で3個のライブラリー内で)4個の追加ランダム位置から気泡領域を横 切り、1個のライブラリーは4の、も一つのライブラリーは5 の、更にも一つのライブラリーは6のランダム位置を含む。3個のライブラリー は示されるように24個の非ランダム塩基を含み、そのため、ステムの一端にル ープ配列「AAAA」を持つ10塩基ステム領域の中にある気泡の各鎖にランダ ム領域は位置する。 6個のライブラリー全ては非ランダム位置全体で2´−OMe−RNAよりな り、ランダム位置で等しい割合で混合された8個の異なったヌクレオチドを含む 。ランダム位置にある8個のヌクレオチドは、dA,dC,dG,dU,2´− OMe−A(”A”),2´−OMe−C(”C”),2´−OMe−G(”G ”)、および2´−OMe−U(”U”)である。従って各ライブラリーは8N のユニーク部材を含み、そのため例えば最小のライブラリー(5Nループライブ ラリー)は85=32,768個のオリゴヌクレオチドを含み、最大のライブラ リー(6+4N気泡型ライブラリー)は8×10=1.07×109個のオリゴヌ クレオチドを含む。加えて、6個のライブラリーのすべては合成され、単一のフ ルオレセイン標識が全ての分子の5´末端にある。 各ライブラリーで全体で1015個の分子は、100nMのbFGFと一緒に1 mlの標準緩衝液(トリス−Cl,pH7.5,150mMのNaCl,3mM のMgCl2)の反応でbFGFで30分保温される。ライブラリーの1015個 の分子は、5Nループライブラリーの32,768個のユニーク部材のそれぞれ 約3×1010個のコピー、あるいは6×4N気泡型ライブラリーの109個のユ ニーク部材のそれぞれの約 106個のコピー、および他のライブラリーのそれぞれのユニーク部材の対応す る異なった数のコピーよりなり、このようにして各場合において全体の数が1015 個になることに注目しよう。 6回の反応は真空下でニトロセルロースフィルタ(ミリポアタイプHA)で濾 過され、10mlの反応緩衝液で洗浄される。湿潤フィルタは次いで200ul の7M尿素および400ulのフェノールで抽出され、次いでクロロホルム抽出 され、また抽出オリゴヌクレオチドを含む水相が収集される。オリゴヌクレオチ ドは次いで標準方法によりエタノール沈殿され、各サンプルの1%のアリコート が除去され、測定のために1%が採取されたサンプルにある蛍光物質の全量を定 量化するため蛍光検出器を用いて毛管電気泳動法により測定される。 この点において、6個のライブラリーサンプルの全ては大体1013個の分子( 1011個の分子蛍光標準のそれに等しい1%のアリコートから得られる蛍光信号 として観察されたもの)を持ち、これはライブラリーのそれぞれにある99%の 化合物がニトロセルロースフィルタを通過し、従って各ライブラリーの1%のみ のものがbFGFと結合し、それによりフィルタに留められることを示している 。これは、このような条件の下で6個のライブラリーがbFGFと結合するのに 十分なだけ高い平均ライブラリー親和力をどれも持っていないということと一致 する。 最初のbFGFへの露出後に収集された6個のサンプルは、1015個の分子を 持つ関連のない非蛍光オリゴヌクレオチド配 列、5´−AGTAGCTTGACGATCCG−3´の添加で新しい反応下で bFGFと同一条件の下で再び保温され、これは試験表面に非特異的に残される ことからライブラリーサンプルを保護するために「担体」分子として単純に加え られるものである。前の通り、反応液は濾過され洗浄される。ライブラリーサン プルはそれぞれ抽出され、沈殿され、1%のアリコートで測定される。 この点(2回にわたるbFGFへの露出後)において、約1011個の分子が6 個のサンプルのそれぞれに残存し、これは再びライブラリーサンプルがbFGF への結合について殆ど測定し難いほど少なかったことを示している。 この手順の2回の追加反復(bFGFを使った保温、フィルタによる結合分子 の分離、抽出、および測定)は、6個のサンプルのそれぞれにおいて分子数が絶 えず減少し、各ライブラリーサンプルの約99%が各反復の間に失われたことに 終わる。この点(4反復全体の後)において、6個のサンプルのそれぞれは約1 07個の分子を含むことが判明する。もう1回の反復後では、5+4N気泡型ラ イブラリーは約107個の分子を含むことが判明し、これはこれらの残存分子が 、このライブラリーの108個の約1個が希有サブセットであることを表わし、 この水準はライブラリーにある単一のユニーク配列を示し、この気泡型ライブラ リーは100nMのbFGFに結合してフィルタに留められるのに十分な高いb FGFに対する親和力(すなわち十分に低いKd)を持つ。他の5個のライブラ リー全てはそれまでの反復毎に減少を続け、そのため各ライブ ラリーはこの5回のラウンド後に約105個の分子のみを含む。更にもう1回の 反復後にはこれらの他のライブラリーは全体で約103個の分子にまで減少する ため、蛍光検出によっても測定できなくなり、一方5+4N気泡型ライブラリー はまだ106および107個の間の分子量をまだ持つために、この結果が確認され る。 これらの結果から次のような結論に到達する。まだ未確認ではあるが、5+4 N気泡型ライブラリー内にはbFGFに非常に高い親和力を持つ気泡型配列が存 在する。この配列は、他の5個のライブラリーにある5Nループ,7Nループ, 9Nループ,4+4N気泡型、あるいは6+4N気泡型配列のどれよりも高い親 和力を持ち、また5+4N気泡型ライブラリーにある他のいずれの配列よりも高 い親和性を持つ。 この結論にもとづいて、72個のサブライブラリーが合成される。各サブライ ブラリーは、同じ5+4N気泡型固定構造配列を持つ。しかし9個の気泡位置に おいては、位置の内8だけがランダム化され、一方単一の残存位置が8個のヌク レオチド(dA,dC,dG,dU,2´−OMe−A、など)の一つとして特 定される。サブライブラリーが8個あり、そのそれぞれが9個の単一特定位置の それぞれに対して異なる特定ヌクレオチドを持つので、結果として全体で8×9 =72個のサブライブラリーが存在する。 72個のサブライブラリー全てと最初の5+4N気泡型ライブラリー(9個の 位置全てがランダム化されているもの)は、bFGFでの保温、フィルタによる 分離、抽出、およびアリ コートによる測定という反復手順において、前記の通り厳密に使用される。5回 目および6回目の反復により、9個のみのサブライブラリーサンプルおよび最初 のライブラリーサンプルは105個以上の分子量を持つ。9個のサブライブラリ ーサンプルのそれぞれは反復された最初のライブラリーサンプルの5−10倍多 い分子量を持つ。反復後により多い分子量を持つサンプルを持つ9個のサブライ ブラリーは以下のものである。 この情報から、高い親和力を持つ5+4気泡型配列の配列は であるに違いないものと推論され、ここで実験的にランダム化された配列はアン ダーラインを付されている。 この配列は合成され、bFGFに対しKd=10nMを持つことが示され、こ れはbFGFが100nMであった時にその識別に導かれる反復手順で殆ど定量 的に結合することと一致する。 実施例2.高親和力ペプチド配列の識別 それぞれ4個,5個、および6個の長さのアミノ酸を持つ3個のペプチドが合 成される。各ペプチドはアミノ末端に共有結合される単一フルオロセイン成分を 持つ。これらのライブラリーはそれぞれ、対象となる特定の抗体とともにpH標 準液 条件の下で保温される。保温は1015個の分子量のペプチドに1mlの反応緩衝 液内で行われる。最初の30分の保温の後、反応液は透析器に移され、ここで1 mlのサンプルが5,000分子量遮断透析膜により反応緩衝液10mlから分 離される。未結合ペプチド(透析遮断より十分低い分子量を持つもの)は膜を通 して自由に分散することができ、一方抗体および抗体結合ペプチドは分散できな い。透析物の量がサンプル量より10倍大きいため、全ての未結合ペプチドの9 0%(ルーザー)は膜を横断して移動し、これにより抗体と結合するためサンプ ル内に留るウイナーの数と比較してサンプル内でルーザーの数を優先的に減少さ せる。15分の透析の後、10マイクロリットルの反応液がサンプルとして採ら れ、1mlの反応チャンバ内でペプチド分子数を測定するために蛍光強度を測定 される。透析物は次いで除去され10mlの緩衝液に移される。透析、サンプル の除去、および緩衝液交換の手順は10回繰返される。 この測定は、反応チャンバ内での4個のアミノ酸ライブラリーの量が10回の 各回で10mlの透析物が交換される要因によって減少する。 しかし5個および6個アミノ酸ライブラリーは各10回の透析物が交換される 要因により第7ラウンドまで減少する。その後残存ペプチドの半分以上が各緩衝 液交換の間に反応チャンバに留められる。これは、これらのライブラリーの非常 に希有なサブセットが高い親和力で抗体と結合するため、それが膜を横切って分 散することができなくなることを示している。5個ア ミノ酸ライブラリーにとっては、これは1個のみのユニークペプチド配列に対応 する。6個アミノ酸ライブラリーは、5個アミノ酸ライブラリーと比較してそれ ぞれ20倍多い配列および20倍少ないコピーを含む。従って、5個アミノ酸ラ イブラリーと同じ透析行動をそれが示す事実は、6個アミノ酸ライブラリーの中 に抗体と同じ親和力で結合する20個のペプチドが存在することを示している。 これらのデータにもとづいて、5個アミノ酸ライブラリーは同一の透析手順を 用いて100個のペプチドサブライブラリーの合成および検査の基本として使用 される。これらの実験結果から、高親和力5個アミノ酸ペプチドの識別が推論さ れる。 この発明の数多くの修飾およびバリエーションが、前記の教訓に照らして可能 となり、従って以下に述べられる特許請求の範囲内でこの発明は特に説明された もの以外にも実施することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.少くとも前もって決定された結合親和力で標的分子と結合する、化合物内の 特定の位置にある化学的実体(構成要素)を識別する一つの方法であって、 (a)個別のライブラリーを標的分子と接触させ、ここで各個別ライブラリー は特定の位置を持つ複数の化合物を持ち、ライブラリーの各化合物は特定の位置 の同じもので同じ特定の化学的実体を持ち、またライブラリーの化合物は少くと も特定の化学的実体内の一つ、あるいは特定の化学的実体に対する特定の位置に よって他のライブラリーの化合物とは異なり、前記化合物はポリマーおよび非ポ リマーよりなるグループから選択され、ポリマーに対する特定の位置での前記化 学的実体はモノマー単位でありまた非ポリマーに対する特定の位置での前記化学 的実体は化学的置換基であり、 (b)ライブラリーを決定し、ここで少くとも前もって決定された結合親和力で 標的分子と結合する化合物の割合に増加が存在し、また、 (c)ステップ(b)内で定められた各ライブラリーに対する特定の位置での特 定の化学的実体にもとづいて、少くとも前もって決定された結合親和力で標的分 子と結合する化合物に対して特定の位置で化学的実体を識別する、 ことよりなることを特徴とする方法。 2.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで接触が複数のラウンドを含む 反復手順であり、またライブラリーの決定が 少くとも2回のラウンドの間での化合物回収の変化を決定することよりなること を特徴とする方法。 3.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここでライブラリーの標的分子への 接触は、前もって決定された結合親和力以下で標的分子と結合する化合物よりも 遅い割合での少くとも前もって決定された結合親和力で標的分子と結合する化合 物を除去する条件の下で行われることを特徴とする方法。 4.請求の範囲第3項記載の方法であって、ここで接触および除去が透析により 実施されることを特徴とする方法。 5.請求の範囲第3項記載の方法であって、ここで決定が前記割合の増加を決定 する化合物の回収率の変化を測定することよりなることを特徴とする方法。 6.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記標的分子がタンパク質で あることを特徴とする方法。 7.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで前記接触が、標的分子に結合 する化合物を回収し、また少くとも前もって決定された結合親和力以下で標的分 子と結合するライブラリーから化合物を除去するために回収化合物を標的分子と 再接触させることよりなることを特徴とする方法。 8.請求の範囲第2項記載の方法であって、ここで化合物がポリマーであること を特徴とする方法。 9.請求の範囲第8項記載の方法であって、ここでモノマー単位がアミノ酸であ りポリマーがペプチドであることを特徴とする方法。 10.請求の範囲第8項記載の方法であって、ここでモノマー 単位がヌクレオチドでありポリマーがオリゴヌクレオチドであることを特徴とす る方法。 11.請求の範囲第10項記載の方法であって、ここでオリゴヌクレオチドが修 飾オリゴヌクレオチドであることを特徴とする方法。 12.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで化合物が標識されることを 特徴とする方法。 13.請求の範囲第3項記載の方法であって、ここで決定が前記割合の増加を決 定するために化合物の除去率の変化を測定することよりなることを特徴とする方 法。 14.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで化合物が核酸であることを 特徴とする方法。 15.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで化合物がペプチドであるこ とを特徴とする方法。 16.請求の範囲第1項記載の方法であって、ここで化合物が有機化合物である ことを特徴とする方法。
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