JPH09511332A - カルパイン活性化を検出する方法およびカルパイン阻害剤を同定する方法 - Google Patents

カルパイン活性化を検出する方法およびカルパイン阻害剤を同定する方法

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JPH09511332A JP7525160A JP52516095A JPH09511332A JP H09511332 A JPH09511332 A JP H09511332A JP 7525160 A JP7525160 A JP 7525160A JP 52516095 A JP52516095 A JP 52516095A JP H09511332 A JPH09511332 A JP H09511332A
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ロバート シマン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、スペクトリンBDPに特異的に結合し、完全なスペクトリンまたは他のプロテアーゼにより生成したスペクトリンBDPには結合しない抗体を用いて、カルパイン生成スペクトリンBDPのレベルを測定することにより、カルパイン活性化を検出するための方法を提供する。カルパイン活性化のレベルの上昇に関連する疾患を診断するためのキット、およびそのような疾患の効果的な治療剤をスクリーニングするための方法もまた、本発明に含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 カルパイン活性化を検出する方法およびカルパイン阻害剤を同定する方法 発明の背景 本発明は、神経変性の状態の診断および治療に関する。 神経細胞内のカルシウム濃度は、通常、細胞外液中のカルシウムレベル(1〜2 mM)より数桁低いレベル(およそ50〜100nM)に厳密に制御されている。しかし 、損傷または疾患の病理学的な状態においては、神経内カルシウム濃度が上昇し 、カルシウム過負荷による変性が引き起こされる(Schanne et al.,Science 206 :700-702,1979)。毒性をもたらすほどにカルシウム含有量が増加すると、リパ ーゼ、ヌクレアーゼ、およびプロテアーゼの活性化を含む数多くのカルシウム依 存的な過程が刺激される。これらのさまざまなカルシウム依存性酵素が、カルシ ウムの過負荷により引き起こされる神経細胞の壊死に対して及ぼす相対的な寄与 は明らかでないが、多くの間接的な研究により、神経変性において、カルパイン Iまたはμ−カルパインとして知られるカルシウム依存性プロテアーゼの活性化 が重要であることが指摘されている(Siman et al.,Neuron 1:279-287,1988;Seu bert et al.,Brain Res.492:366-370,1989;Siman et al.,J.Neurosci.9:1579-15 90,1989;Siman,Neurotoxicity of Excitatory Amino Acids(Guidotti,A.,ed.) R aven,New York.pp,145-161,1990;Lee et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:7233- 7237,1991,and references therein)。 細胞骨格は、細胞の構造的調和を維持する網状のフィラメント構造である。ス ペクトリン(フォドリン(fodrin)としても知られる)が、神経を含む多くの細 胞系における細胞骨格の主成分である。スペクトリンのカルパイン介在タンパク 分解により、α−サブユニット中の同定されている一部位で切断が起こり、α− サブユニットはおよそ半分に分割される(Harris et al.,J.Biol.Chem.263:1575 4-15761,1988)。カルパインの活性化およびスペクトリン分解産物(BDP)のレ ベルの上昇は、いくつかの神経変性状態と関連している。神経変性状態には、ア ルツハイマー病、パーキンソン病、筋ジストロフィー、ピック病、クモ膜下出血 、HIV誘導神経障害、発作、低酸素、虚血、病変、および毒素との接触が含まれ る。 リンク(Lynch)ら(米国特許第5,118,606号)は、スペクトリン分解産物を検 出するために完全なスペクトリンに対する抗体を用いる、細胞変性を検出する方 法を開示している。バーツス(Bartus)ら(WO92/11850)は、いくつかのクラス のカルパイン阻害剤、および完全なスペクトリンに対する抗体を、スペクトリン 分解産物を検出するためにウェスタンブロット解析で用いる、カルパイン阻害剤 を同定する方法を開示している。 発明の概要 本発明は、完全なスペクトリンは認識せず、カルパイン生成スペクトリン分解 産物(BDP)のみを認識することにより、カルパイン活性化を検出するために用 いられ得る抗体を特徴とする。カルパイン生成スペクトリンBDPは、非病理学的 な細胞障害または病理学的な疾患を経験した被験者の生物試料に、これらの状態 を経験していない対照被験者と比較して特に高濃度に存在する。したがって、カ ルパイン生成スペクトリンBDPのレベルを測定することによりカルパイン活性化 を検出することは、これらの状態を診断するために有用である。 したがって、一つの面において、本発明は、生物試料中のカルパイン生成スペ クトリンBDPのレベルを測定することによりカルパイン活性化を検出する方法を 特徴とする。本方法は、完全なスペクトリンではなく、配列番号:1または配列 番号:2のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチドに特異的に結合する抗体に 、試料を接触させ、試料中のスペクトリンBDPレベルの測定法としてのイムノア ッセイにおいて試料に結合した抗体の、対照に対する相対的なレベルを決定する ことを含む。対照は、正常な個体からの比較できる試料(例えば、同容量の血液 )でもよく、また、正常な個体からの比較できる試料中に存在すると考えられる 量と等量のカルパイン生成スペクトリンBDPを含む調製物でもよい。好ましい抗 体には、ポリクローナル抗体、すなわち免疫により作製できる抗体、およびモノ クローナル抗体が含まれる。好ましい態様において、抗体は、Ab36、Ab37、Ab38 、Ab39、Ab40、およびAb41からなる群より選ばれる。 カルパイン生成スペクトリンBDPのレベルの測定は、スペクトリンBDPとスペク トリンBDP特異的抗体(本明細書において用いられるように、「スペクトリンBDP 特異的抗体」とは、カルパイン生成スペクトリンBDPを認識するが、完全なスペ クトリンは認識しない抗体をさす)との結合を検出できる、イムノアッセイを使 用 して行った。結合抗体量は、スペクトリンBDPに結合した抗体、またはスペクト リンBDPに結合した抗体を認識する二次抗体に結合した、酵素、色素、放射能、 蛍光、または発光の標識を分析することにより決定することができる。本発明に おいて用いられ得るイムノアッセイには、ELISA、細胞に基づくELISA(cell-bas ed ELISA)、フィルター結合ELISA(filter-binding ELISA)、阻害ELISA(inhi bition ELISA)、ウェスタンブロット、免疫沈降、スロットブロットアッセイ、 ドットブロットアッセイ、免疫染色、RIA、シンチレーション近接アッセイ(sci ntillation proximity assays)、フルオレセインまたはロダミンのような蛍光 物質の抗体複合体または抗原複合体を用いた蛍光イムノアッセイ、オクタロニー 二重拡散法、およびアビジン−ビオチンまたはストレプトアビジン−ビオチン検 出系を用いたイムノアッセイが含まれるが、これらに限定されない。 スペクトリン分解産物は、血液、脳脊髄液(CSF)、血小板、顎下腺、刷子縁 、精巣、胸腺、骨格筋、心筋、肺、肝臓、脾臓、副腎、腎臓、および脳を含む多 数の組織および生物試料に検出されている。カルパイン生成スペクトリン分解産 物のレベルを決定することにより、神経変性状態を診断するための好ましい生物 試料には、CSF、羊水、血液、および血液成分が含まれるが、これらに限定され ない。 本発明の方法は、病理学的な状態、およびカルパイン生成スペクトリンBDPの レベルの増加を示す、または示す危険の高いヒトのような哺乳動物を診断するた めに用いられ得る。好ましい態様において、病理学的な状態は、神経系に影響を 与えるものであり、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋ジストロフィー、多 発脳梗塞性痴呆、脳室内出血、ピック病、クモ膜下出血、HIV誘導神経変性、発 作、および網膜症からなる群より選ばれるが、これらに限定されない。 本発明の方法はまた、哺乳動物における非病理学的な細胞障害を診断するのに も用いられ得る。これは、外傷、低酸素症、無酸素症、虚血、脊髄外傷、頭部外 傷、病変、および毒素との接触からなる群より選ばれるが、これらに限定されな い。好ましい態様において、細胞障害は神経系に対するものである。 本発明はまた、被験者のカルパイン活性化の部位のインサイチューの検出の方 法を特徴とする。本方法において、カルパイン生成スペクトリンBDPに特異的な 抗 体が、当業者により適当に決定された方法および投与量を用いて、被験者に投与 される。被験者体内のスペクトリンBDPに結合した抗体の部位は、当技術分野に おいて既知のイメージング技術により決定することができ、カルパイン活性化を もたらす細胞障害または病理学的状態を経験していない対照の被験者で見られる 抗体局在のパターンと比較することができる。 もう一つの面において、本発明は、配列番号:1または配列番号:2のいずれか のアミノ酸配列を有するペプチドに特異的に結合する抗体を特徴とする。本発明 に含まれる抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルのいずれでもよい。本 発明はまた、配列番号:1および配列番号:2のいずれかのアミノ酸配列を有する 実質的に純粋なペプチドを特徴とする。これらのペプチドは、哺乳動物を適当な ペプチドまたはペプチド複合体で免疫する、それらを特異的に認識する抗体を作 製する方法において用いられ得る。これらのペプチドを認識するモノクローナル 抗体およびポリクローナル抗体は、本発明に含まれる。 本発明は、試料中のカルパイン生成スペクトリンBDPのレベルをインビトロで 決定するためのキットを特徴とする。スペクトリンBDPを検出するキットは、以 下のものを含みうる。(1)スペクトリンBDPに結合することができる(しかし完 全なスペクトリンには結合できない)一次抗体、(2)一次抗体に結合する、シ グナル生成標識に結合した二次抗体、および(3)標識された二次抗体を認識す ることができるシグナル生成三次試薬。 カルパイン生成スペクトリンBDPの検出に有用なもう一つのキット、および本 発明の一部は、(1)スペクトリンBDPに結合することができる(しかし完全なス ペクトリンには結合できない)一次抗体、および(2)やはり、スペクトリンBDP 特異的抗体であるが、一次抗体が結合する部位とは異なる(すなわち、離れた) 部位に結合するものである、シグナル生成標識に結合した二次抗体。本キットは 、例えば二抗体サンドイッチELISAのような二抗体サンドイッチイムノアッセイ を行うために最も適しており、好ましくはモノクローナル抗体を用いる。 上述の各アッセイキットにおいて、二次抗体に結合したシグナル生成標識は、 酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)で あってもよいが、これに限定されない。好ましくは、酵素および基質はいずれも キット中に供給される。(上述の第一のキットにおける)試験しようとする試料 または(上述の第二のキットにおける)一次抗体を使用者が固定化することがで きる、被覆されていない支持体も、キット中に含めることができる。キットには また、スタンダードとして用いられる精製されたスペクトリンBDPも含めること ができる。好ましい態様において、上述のキットは、Ab36、Ab37、Ab38、Ab39、 Ab40、およびAb41からなる群より選ばれる抗体を含む。 もう一つの面において、本発明は、候補化合物のカルパイン活性を阻害する能 力を決定する生化学的方法を特徴とする。本方法において、精製されたスペクト リンを、カルパインが活性化されるような条件で、候補化合物の存在下および非 存在下でカルパインと共にインキュベートする。それから、スペクトリンBDP特 異的抗体を用いたイムノアッセイで、形成されたカルパイン生成スペクトリンBD Pのレベルを測定する。阻害剤を含む試料中に存在するスペクトリンBDPの量が、 阻害剤を含まない試料中に存在する量より少ない場合に、その化合物を陽性とす る。 本発明はまた、候補化合物が細胞中のカルパイン活性を減少させる能力を決定 する方法を特徴とする。本方法において、カルパインおよびスペクトリンを発現 する細胞を、細胞中でカルパインが活性化されるような条件で、候補化合物に接 触させるか、または候補化合物の存在下および非存在下で培養する。それから、 スペクトリンBDP特異的抗体を用いたイムノアッセイで、形成されたカルパイン 生成スペクトリンBDPのレベルを測定する。阻害剤に接触させた、または阻害剤 の存在下で培養した試料中に存在するカルパイン生成スペクトリンBDPの量が、 対照の細胞からの試料中に存在する量より少ない場合に、その化合物を陽性とす る。 最後の面において、本発明は、候補化合物の哺乳動物においてカルパイン活性 を減少させる能力を測定する方法を特徴とする。本方法において、候補化合物を 、ネズミ、マウス、またはラットのような咄乳動物に投与し、それからカルパイ ン活性のレベルを上述のイムノアッセイを用いて決定する。阻害剤の投与を受け た動物から得た試料中に存在するスペクトリンBDPの量が、未処理の動物からの 同等の試料中に存在する量より少ない場合に、その化合物を陽性とする。 本明細書において用いられるように、「実質的に純粋な」という用語は、天然 においては付随している他の成分から分離された、例えばタンパク質またはポリ ペプチド、例えば配列番号:1または配列番号:2のアミノ酸配列を有するペプチ ドのような化合物をさす。典型的には、試料中の全物質の(容量で、湿重量もし くは乾重量で、またはモルパーセントもしくはモル画分で)少なくとも75%、よ り好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも99%が問題の化合物で ある場合に、化合物は実質的に純粋である。純度は、例えばポリペプチドの場合 であれば、カラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動、また はHPLC分析のような、いかなる適当な方法によっても測定できる。化合物、例え ばタンパク質もまた、天然には結合している成分を本質的に含まない場合、また は自然状態においては付随している天然の夾雑物から分離されている場合に、実 質的に純粋である。 「特異的に結合する」および「特異的に認識する」という用語は、本明細書に おいて用いられるように、スペクトリンBDPを認識して結合するが、試料中の( 完全なスペクトリンを含む)その他の分子は実質的に認識して結合しない抗体( 例えば、Ab36、Ab37、Ab38、Ab39、Ab40、およびAb41)を意味する。試料は、例 えば生物試料であり、生物試料は天然にスペクトリンBDPを含んでいる可能性が ある。本明細書において定義される抗体は、モノクローナルまたはポリクローナ ルのいずれかである。 本発明の抗体および方法の有利な特徴は、抗体がカルパイン生成スペクトリン BDPに対して特異的であるため、分画することなくスペクトリンBDPを完全なスペ クトリンと区別できるという点である。本発明においてはまた、カルパイン生成 スペクトリンBDPが、活性化されたカルパインに対して特異的であるため、他の プロテアーゼによるスペクトリン切断により生成したものとは区別することがで きる。この点は、リンク(Lynch)ら(米国特許第5,118,606号)の方法よりも優 れた重要な改良である。リンク(Lynch)らの方法では、検出するためには、例 えばゲル電気泳動とそれに続くウェスタンブロット解析、または差別的沈殿など により、スペクトリン分解産物を、完全なスペクトリンから物理的に分離する必 要があった。 この違いは非常に重要である。なぜなら、ウェスタンブロット解析で必要とさ れるような試料の分別は、本発明の方法と比較して、より技術的な熟練を要する だけでなく、極めて費用がかかり、面倒で、時間を要する作業であるからである 。本発明においては、スペクトリンとスペクトリンBDPとを、短時間の内に複数 の試料を処理することができるELISAのような、より簡便な、安価なアッセイに より区別することができる。このように、本発明は、スペクトリンBDPを検出す るための大きく改良された方法を提供する。 本発明のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明、図面、および請求の 範囲から明らかになるであろう。 詳細な説明 まず、図面を説明する。図面 図1は、脳スペクトリンのアルファサブユニット内のカルパインI切断部位、お よびAbs38および39の作製に用いたキーホールカサガイヘモシアニン(keyhole l impet hemocyanin/KLH)−ペプチド複合体を示す。虚血後のネズミ海馬膜の、Ab s212、38、および39をプローブとして用いたイムノブロットも示されている。完 全なスペクトリンおよびスペクトリン分解産物が示されている。 図2は、示されたような条件で処理し、Abs212、38、および39をプローブとし て用いた、ネズミ海馬膜のイムノブロットである。完全なスペクトリンおよびス ペクトリン分解産物が示されている。 図3は、両側の頸動脈を5分間閉塞させた後、示された時間に調整し、Ab212、A b38、およびAb39をプローブとして用いた、ネズミ海馬膜のイムノブロットであ る。 図4A〜4Gは、対照の未処理のネズミ脳(図4A)または大脳全体を5分間虚血さ せたネズミ脳(図4B〜4F)の矢状の切片の免疫組織化学解析の代表的な写真であ る。(図4B)虚血後30分;(図4C)虚血後1日;(図4D)虚血後2日;(図4E)虚 血後10日;(図4F)虚血後2日、海馬のCA1領域のより高い倍率での写真;(図4G )カルパイン分解スペクトリンに対する抗体にペプチド免疫原を予備吸着させた こと以外は(図4F)と同様。PC-壁側皮質(parietal cortex);FC-前方皮質(f rontal cortex);TT-海馬痕跡(tenia tecta);Pir-梨状皮質(piriform cort ex);S-線条(striatum);VT-腹側視床(ventral thalamus);H-海馬(hippo ca mpus);CA1-海馬CA1領域(hippocampal CA1 region)。目盛りバーは、(図4A 〜4E)においては1mmであり、(図4F〜4G)においては60μmである。切片は、Ab 37で染色した。 図5A〜5Bは、5分間虚血させたネズミからの海馬および大脳皮質の神経の免疫 組織化学解析の代表的な写真である。(図5A)海馬CA2/3境界、虚血後30分後。 星印は、錘体細胞体を示している。矢じりは、免疫反応性の樹状突起先端部を示 し、矢印は、標識された樹状突起基底部を示している。(図5B)壁側皮質、V層 、虚血後30分後。目盛りバーは、10μmである。 図6A〜6Cは、以下の条件で調製したネズミの脳の矢状縫合切片の免疫組織化学 分析の代表的な写真である。(図6A)海馬、1分間の虚血、損傷後1日後。;(図 6B)5分間の虚血、損傷後3日後。;(図6D)10分間の虚血、虚血後3日後。図6D および6Eは、(図6D)5分間の虚血から3日後の海馬のCA1領域、および(図6E)5 分間の虚血から3日後の海馬のCA2/3境界領域の銀浸透組織化学分析の代表的な写 真である。矢じりは、健康なニューロン細胞体を示し、矢印は、分解中のニュー ロンを示す。目盛りバーは、200μm(図6A)、1mm(図6B〜6C)、25μm(図6D) 、および50μm(図6E)である。 図7A〜7Eは、脳を5分間虚血させたネズミ脳の免疫組織化学分析の代表的な写 真である。(図7A)海馬のCA1領域、虚血後2日後。;(図7B)(図7A)と同様、 ただし虚血の際にMK-801を投与した。;(図7C〜7D)壁側皮質のI〜III層;(図 7E)視床、虚血後1日後。;(図7Cおよび7E)対照。;(図7D)MK-801。目盛り バーは、100μm(図7A〜7B);50μm(図7C〜7D);25μm(図7E)である。 図8は、カルシウムイオノフォアA23187の存在下(イオノフォア)および非存 在下(対照)で行った、カルパイン生成スペクトリンBDPについてのフィルター 結合ELISAの結果を示す一連のグラフである。抗体 本発明は、完全なスペクトリンではなく、活性化カルパインにより生成したス ペクトリンBDP、またはその他のプロテアーゼにより生成したスペクトリンBDPを 認識する抗体を用いて、試料中のスペクトリンBDPを検出する方法を提供する。 カルパイン活性化のレベルの上昇は、いくつかの神経変性状態と関連しているた め 、本発明の抗体は、これらの状態を診断する方法、およびカルパイン阻害剤を同 定する方法において用いることができる。本発明の抗体は、ウェスタンブロット 解析のような、分画が必要な方法と比較して、はるかに簡便で、安価で、迅速で 、かつ面倒でない、ELISAのような、スペクトリンBDPを検出する方法において用 いることができる。 完全なスペクトリンではなく、カルパイン生成スペクトリン分解産物を認識す る抗体は、免疫原として、NH2末端側のカルパイン生成スペクトリン断片のCOOH 末端(CQQQEVY;配列番号:1)、またはCOOH末端側のカルパイン生成スペクトリ ン断片のNH2末端(GMMPRDGC;配列番号:2)に相当するペプチドのいずれかを用 いて作製することができる。これらのペプチドは、当業者に既知の標準的な方法 により作製できる。本発明に含まれるその他のペプチド免疫原は、配列番号:1 のNH2末端領域、および配列番号:2のCOOH末端領域を含むものである。起源、長 さ、または天然のスペクトリン分解産物との正確な相同性に関わらず、完全なス ペクトリンではなく、カルパイン切断スペクトリンBDPに特異的に結合する抗体 を生じさせることができる、その他のタンパク質またはペプチド抗原も、本発明 の方法において有用である。 上述のペプチド抗原は、当技術分野における標準的な方法を用いて、モノクロ ーナルまたはポリクローナル抗体のいずれかを作製するために用いることができ る(例えば、「Sambrook et al.,Molecular Cloning,a Laboratory Manual,2n d edn.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York ,1989」および「Harlow et al.,Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York,1988」参照)。 本発明の方法において有用な抗体を同定するためには、完全なスペクトリンお よびカルパイン切断スペクトリンに対する抗体の反応性を比較しなければならな い。スペクトリンおよびスペクトリン分解産物の起源は、いかなるものを用いて もよい。例えば、スペクトリンは、デイビス(Davis)ら(Davis et al.,J.Biol .Chem.258:7757-7766,1983)の記述に従い精製し、カルパイン(約3μg/ml;「S eubert et al.,Synapse 1:20-24,1987」の方法により精製)の存在下および非存 在下で、適当な条件(100μM CaCl2,20mMトリス塩酸(pH7.5),5mM β-メルカプト エタノール(βME),150mM NaCl,30℃)下でインキュベートすることができる。 また、虚血を起こした動物からの組織試料(例えば、脳ホモジネートまたは血液 )を、対照の未処理の動物から採取した同様の組織試料と比較することができる 。さらに、カルパインが活性化された細胞からの抽出物を、対照の抽出物と比較 することもできる(以下を参照)。 スペクトリンおよびスペクトリン分解産物に対する抗体の反応性は、当業者に 周知の数多くのイムノアッセイで比較することができる。例えば、ELISA、フィ ルター結合ELISA、ウェスタンブロット、免疫沈降、スロットブロットアッセイ 、またはドットブロットアッセイのような改変酵素イムノアッセイを用いること ができる。ラジオイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ、オクタロニー二重拡散 解析、およびアビジン−ビオチンまたはストレプトアビジン−ビオチン検出系を 用いたイムノアッセイの既知の改変法もすべて、本発明に含まれる。神経変性状態の診断のための抗体の使用 カルパイン活性化は、神経変性の過程における初期の現象であり、明確な神経 の崩壊の前に起こると考えられる。したがって、カルパイン生成スペクトリン分 解産物の検出は、おそらく病理学的な症状が開始する前に、神経変性状態を早期 に検出するための有利な方法である。 上述のイムノアッセイで有用であることが示された抗体は、神経系の病理学的 状態を診断するための方法において用いることができる。該状態には、アルツハ イマー病、パーキンソン病、筋ジストロフィー、多発脳梗塞性痴呆、脳室内出血 、ピック病、クモ膜化出血、HIV誘導神経変性、発作、および網膜症、ならびに 外傷、低酸素症、無酸素症、虚血、頭部外傷、脊髄外傷、病変、および毒素との 接触を含む神経系に影響を与える非病理学的な細胞障害が含まれるが、これらに 限定されない。 上述のイムノアッセイはいずれも、患者からの組織試料を分析するために用い ることができる。スペクトリン分解産物は、数多くの組織で検出されている(上 記を参照)。神経変性状態の診断のために好ましい生物試料は、CSFである。な ぜなら、CSFは、神経系の変性状態から特異的に生じたスペクトリンBDPを含むと 考えられるためである。標準的な方法により、患者から腰椎CSFを得ることがで きる (The Merck Manual 12th edn.,D.N.Holvey,Ed.,Merck Sharp and Dohne Resear ch Labs Publishing,New Jersey,1972.pp.1746-1748)。この分析のためのその 他の好ましい生物試料には、羊膜液、血液、および血液成分が含まれ、これらは 標準的な方法により得ることができる。 上述の生物試料中のカルパイン生成スペクトリンBDPのレベルは、スペクトリ ンBDP特異的な抗体を用いた上述のイムノアッセイのいずれによっても決定する ことができる。分析を受けた患者の生物試料中に検出されるスペクトリン分解産 物のレベルを、正常な患者におけるレベル、または既知のスタンダードと比較す る。カルパイン生成スペクトリンBDPが、対照の試料と比較して、好ましくは50 パーセント、より好ましくは150パーセント増加している場合、神経変性状態で あると診断される。 上述の診断アッセイは、アッセイを実施するために必要な試薬を含むキットを 使用することにより容易にすることができる。阻害因子 カルパイン生成スペクトリンBDPレベルの増加の検出は、いくつかの神経変性 状態の発生と関連している(上記を参照)。したがって、カルパイン活性化のレ ベルを減少させる化合物を投与することは、これらの状態を治療するために有用 である。 数種類のカルパイン阻害因子が同定され、様々な神経変性の疾患および状態を 防ぐことが見出されている(Bartus et al.,WO92/11850)。スペクトリンの切断 を阻害する化合物を同定するために、バーツス(Bartus)らが用いた方法では、 完全なスペクトリンからスペクトリンBDPを分離するために、試料をゲル電気泳 動により分画することが必要である。上述のように、ゲル電気泳動の後にウェス タンブロットを行うには、非常に多くの時間がかかり、面倒で、費用が高く、か つ高度の技術を要する。 本発明の抗体は、活性化カルパインにより生じたスペクトリンBDPを認識する が、完全なスペクトリン、または他のプロテアーゼにより生じたスペクトリンBD Pは認識しない。したがってこれらの抗体は、完全なスペクトリンからスペクト リンBDPを区別するために試料を分画する必要がないため、ELISAのような、比較 的単 純で、安価で、かつ迅速なイムノアッセイにおいて用いることができる。本発明 の抗体は、カルパイン阻害因子を同定するための、ELISAのような方法において 用いることができる。本発明の抗体は、比較的単純で、活性化カルパインに対し て特異的であるため、本発明の抗体をELISAに用いることには、カルパイン阻害 因子を同定するための従来の方法を大きく上回る利点がある。 小有機分子は、原形質膜を通過することができることが多いため、望ましい候 補阻害因子化合物である。カルパイン阻害因子のスクリーニングは、以下のよう にして実施する。まず、化合物を生化学的スクリーニングにかけ、次に、生化学 的スクリーニングにおいて陽性と判定された化合物を、培養細胞または組織抽出 物において試験する。最後に、培養細胞または組織抽出物において陽性と判定さ れた化合物を、動物モデル系で試験する。 生化学的スクリーニングにおいては、精製されたスペクトリン(デイビス(Da vis)ら、前述)を、候補化合物の存在下および非存在下で、適当な条件(100μ M CaCl2,20mMトリス塩酸(pH7.5),5mM β-メルカプトエタノール(βME),150mM NaCl,30℃)下で、カルパイン(約3μg/ml;シューベルト(Seubert)ら、1987 年、前述の方法により精製)とともにインキュベーションする。スペクトリンBD Pのレベルは、例えばELISAのような、上述のいかなるイムノアッヤイによっても 、本発明のスペクトリンBDP特異的抗体を用いることにより決定できる。阻害因 子を含む試料中に存在するスペクトリンBDPの量が、阻害因子を含まない試料中 に存在する量よりも少ない場合に、化合物は、陽性であると判定される。 生化学的アッセイにおいて陽性であると判定された化合物は、次に、カルパイ ンおよびスペクトリンを発現し、かつ血液脳関門を構成する膜と多くの類似点を もつ膜を有する、血小板のような、培養細胞または新たに単離された細胞(標準 的な方法により単離、例えば「Ferrell et al.,J.Biol.Chem.264:20723-20729,1 989」を参照)において分析されることが多い。細胞を、候補化合物、およびA23 187のようなカルシウムイオノフォアの存在下で培養することができる。カルシ ウムイオノフォアは、カルパインを活性化させるために十分な細胞内カルシウム を提供する。形成されたカルパイン生成スペクトリンBDPのレベルは、上述のよ うな、スペクトリンBDP特異的抗体を用いたイムノアッセイで決定される。阻害 因子を 含む試料中に存在するスペクトリンBDPの量が、阻害因子を含まない試料中に存 在する量よりも少ない場合に、化合物は、陽性であると判定される。 カルパイン阻害因子を同定するための方法において用いられうるその他の細胞 には、グルタミン酸の存在下でカルシウム依存性の細胞障害を受けた神経芽腫− 網膜ハイブリッドである、RE-105細胞のような細胞が含まれる。したがって、こ れらの細胞は、神経病理学のためのインビトロのモデルとしてはたらく。Molt-4 白血球細胞(以下を参照)または脳の粗抽出物もまた、本発明のスクリーニング 法において用いることができる(脳組織を、氷上で、「10mMトリス塩酸 pH7.4,0 .32Mショ糖,1mM EGTA,1mMジチオスレイトール」中でホモジナイズし;細胞破砕 物および核を低速度遠心分離により除去する)。 細胞培養アッセイにおいてカルパイン活性化レベルが減少することが示された 化合物を、動物モデル系でさらに試験する。候補化合物を、ネズミ、マウス、ま たはラットのような動物に投与し、ELISAのようなイムノアッセイによって、動 物中のカルパイン生成スペクトリンBDPのレベルをモニターすることにより、カ ルパイン活性に対する化合物の効果を決定する。イムノアッセイには、いかなる 本発明のスペクトリンBDP特異的抗体を用いてもよい。スペクトリンBDPについて 分析することができる動物の組織には、血液、CSF、脳切片、および脳ホモジネ ートが含まれるが、これらに限定されない。阻害因子の使用 本発明は、カルパインの阻害因子を同定するための方法を提供する。カルパイ ン活性化およびスペクトリンBDPのレベルの上昇は、アルツハイマー病、パーキ ンソン病、筋ジストロフィー、多発脳梗塞性痴呆、脳室内出血、ピック病、クモ 膜化出血、HIV誘導神経変性、発作、および網膜症を含む病理学的疾患、ならび に外傷、低酸素症、無酸素症、虚血、頭部外傷、脊髄外傷、病変、および毒素と の接触を含む神経系に影響を与える非病理学的な細胞障害と関連している。した がって、本発明の阻害因子は、これらの状態を予防するため、または治療するた めの方法において用いることができる。 阻害因子は、例えば、経口、静脈注射、非経口、経皮、または粘膜への投与の ような、特定の阻害因子に適したいかなる適当な方法によっても患者に投与する ことができる。治療のための用量は、各阻害因子について特別に決定されるが、 ほとんどが、0.001〜100.0mg/kg体重の範囲内、または当業者によって臨床的に 適当と決定された範囲内にある。 以下の実施例は、本発明の方法および組成物を説明するためのものであり、限 定するためのものではない。当業者にとって明らかである免疫診断において通常 見出される様々な条件およびパラメーターを適当に改変したり、変形を適用する ことは、本発明の本旨および範囲に含まれる。 実施例 実施例1−カルパイン生成スペクトリン分解産物と特異的に反応する抗体の製造 および特徴決定 カルパイン切断により生成したNH2末端アルファ−スペクトリン断片のCOOH末 端(CQQQEVY;配列番号:1)、およびカルパイン切断により生成したCOOH末端ア ルファ−スペクトリン断片のNH2末端(GMMPRDGC;配列番号:2)に相当する短い ペプチドに対する抗体を作製した(図1;ペプチド(CQQQEVY(配列番号:1)お よびGMMPRDGC(配列番号:2)は、固相法により合成し、高速原子衝撃質量分析 によりその構造を確認した。ヘテロ二官能性のカップリング剤マレイミドベンゾ イル−N−ヒドロキシスクシニミドエステル(Calbaiochem,San Diego,CA.)を用 いて、各ペプチドをそのシステイン残基を介してキーホール カサガイ(keyhole limpet)ヘモシアニンと結合させ、次にその複合体を用いてウサギを免疫した( Harlow et al.,supra)。抗体37および38はCQQQEVY(配列番号:1)に対する抗 体であり、抗体39はGMMPRDGC(配列番号:2)を用いて調製した。)。 抗体37、38、39、および212(Ab212は、以前に開示されているような精製され たラットスペクトリンに対して調製した。;Siman et al.,1988,supra; Siman e t al.,1989,supra)を、一時的に全体を虚血させてから2日後にネズミの脳から 調製した海馬膜のイムノブロット分析により試験した(図1)。このような傷害 により、海馬におけるスペクトリン分解が増加することが以前から示されている (Seubert et al.,1989,supra; Lee et al.,supra)。抗-CQQQEVY(Ab37およびA b38)および抗-GMMPRDGC(Ab39)は150kDaのポリペプチドを標識し、このポリペ プチドは、Ab212と免疫反応性があることからスペクトリンBDPであることが確認 され た(図1)。しかしAb212とは異なり、抗ペプチド抗体(Ab37、Ab38、およびAb39 )は、完全なアルファ−スペクトリンとはほとんど、または全く反応性を示さな かった。これらの結果より、抗ペプチド抗体(Ab37、Ab38、およびAb39)により 認識されるエピトープは、完全なスペクトリンにおいては接近不可能であり、脳 の虚血により引き起こされるスペクトリンのタンパク分解の際に露出されるとい うことが示された。実施例2−カルパインIは脳の虚血によりインサイチューで活性化される カルパインIは、抗ペプチド抗体を作製するために用いたドメインにおいて脳 のスペクトリンを切断することが知られているため、脳の虚血によりインサイチ ューで活性化された海馬プロテアーゼの候補である。この可能性を検討するため 、カルパインおよび8つのプロテアーゼが、スペクトリンを切断しAb38およびAb3 9と反応性のタンパク分解断片を形成する能力を、イムノブロットにより決定し た。ネズミの脳の膜を、内因性のカルパインを活性化するためにカルシウムで処 理するか(Baudry et al.,Science 212:937-938,1981; Siman et al.,J.Neuroch em.41:950-956,1983)、または8つの他の哺乳動物のプロテアーゼで処理した( 図2)。10容の50mMトリス塩酸(pH7.4)/4mM EDTA中で、4℃でホモジナイズす ることにより、ネズミの脳から粗精製の膜画分を調製した。500×gで5分間の遠 心分離の後、ペレットを除去し、上清を30,000×gで20分間遠心分離した。ペレ ットを粗精製の膜画分として得た。膜を以下の4つのうちの1つで洗浄した。:( I)50mM トリス塩酸(pH7.4);(II)I+10mM CaCl2;(III)50mM 酢酸ナトリ ウム(pH6.0)/1mM EDTA/5mM βME;(IV)II+5mM βME。膜(50μl)を、以下 のプロテアーゼ(ミズーシ州セントルイス、シグマ社(Sigma)、またはインデ ィアナ州インディアナポリス、ベーリンガーマンハイム社(Boehringer Mannhei mより入手)と共に37℃で1時間インキュベートした。:緩衝液III中のヒトカテ プシンB(50mU)またはカテプシンL(1.25mU);緩衝液I中のヒト好中球エラス ターゼ(250ng)、ウシα−キモトリプシン(50ng)、ウシトリプシン(100ng; トシルフェニルアラニン−クロロメチルケトン(TPCK)−処理)、ヒトプラスミ ン(10mU)、またはヒト腎臓ウロキナーゼ(60mU);緩衝液II中のヒトトロンビ ン(0.4U)+200μM E64。さらに、内因性カルパイン(Baudry et al.,supra; S iman et al.,1983,s upra)を緩衝液IV中でインキュベートすることにより活性化した。SDS-PAGE試料 緩衝液を添加することにより反応を停止させ、次に加熱した。試料を5%SDS-PAG Eゲルで分画し、それをニトロセルロースへ転写し、Ab212(1:800)、Ab38(1:5 00)、またはAb39(1:300)で免疫染色を行った(Siman et al.,1988,supra; Si man et al.,1989,supra)。 脳スペクトリンに対する抗体(Ab212)により、完全な240kDaより大きいアル ファ−サブユニット、およびプロテアーゼの多くにより生成した多数のより小さ い分解産物が標識された。カルシウム、カテプシンL、エラスターゼ、キモトリ プシン、トリプシン、トロンビン、プラスミン、およびウロキナーゼのいずれを 添加しても、スペクトリンの切断が起こり、Ab212に対して免疫反応性の断片が 生成した。カルシウムの効果は、カルパインの活性化と一致して、システインプ ロテアーゼ阻害剤E64により阻害された。対照的に、Ab38およびAb39は、カルシ ウム処理によってのみ、そして前者の抗体の場合にはキモトリプシンによって生 成した、およそ150kDaの二つの独立のポリペプチドに結合した。このように、カ ルパインのインビトロ活性化により、虚血で活性化された海馬プロテアーゼによ りインビボで生成するものと類似のポリペプチド断片が生じたが、8つの他の哺 乳動物プロテアーゼによっては生じなかった。Ab38およびAb39により標識された ポリペプチドは、カルパイン切断アルファ−スペクトリンの二つの半分を示して いる。実施例3−一時的な脳の虚血後のカルパイン活性化の時間経過 Ab212を用いたイムノブロット分析により、5分間頸動脈の両側を閉塞した後、 早くも30分後には、スペクトリンBDPが海馬に存在することが明らかになった( 図3;虚血手術:体重50〜80gの雄のスナネズミ(Mongolian gerbil)(Tumblebr ook Farms,West Brookfield,MA)に、ネンブタール(Nembutal)(50mg/kg 静注 )で麻酔をかけた。頸部において前腹側中線の切開を行い、左右共通の頸動脈を 迷走神経から単離した。縫合糸を各頸動脈の周囲に縛り、1分間、5分間、または 10分間血流を完全に閉塞させた。対照の動物については、麻酔はかけたが、頸動 脈の閉塞は行わなかった。虚血後、縫合糸を除去し、両頸動脈に完全に血流が回 復したことを確認した後、創クリップで切開を閉じた。体温を直腸消息子でモニ ターし、手術の間は熱ランプを用いて、手術後の回復期にはインキュベーターを 用い て、生理学的に正常な限度内に維持した。手術後、ネズミに麻酔をかけ、虚血か ら30分後、1日後、2日後、5日後、または10日後に屠殺した。ウェスタンブロッ ト解析を行う動物は、断頭し、背側の海馬をホモジナイズした。銀染色または免 疫組織化学(以下を参照)を行う動物は、心臓内を灌流し、以下に述べるように して脳を調整した。各実験条件について、3匹のネズミを用いた。)。 海馬における虚血により誘導されたスペクトリン分解の程度は、1日から2日後 にピークに達し、頸動脈閉塞から10日後までには最小となった。一時的な虚血に より様々な時点で活性化された海馬プロテアーゼをさらに深く検討するため、同 じ試料を、カルパイン生成スペクトリン誘導体に選択的なAb38およびAb39で免疫 標識した。Ab212と同様に、これらのAbは、虚血を受けた海馬に存在する150kDa のスペクトリン断片を標識し、対照の海馬においてはほとんど検出不可能であっ たが、しかしAb212と異なり、完全なスペクトリンサブユニット(>240kDa)は 標識しなかった。断片のレベルは30分で増加し、続く2日間上昇し続けて、それ から減少した。これは、Ab212に反応性のスペクトリン誘導体により示されるパ ターンと概して一致する。実施例4−一時的な脳の虚血後のカルパイン活性化の局在 脳スペクトリンのカルパイン由来断片と反応する抗体を、脳の虚血後のカルパ イン活性化の局在部位を決定するための神経解剖学的な手段として用いた。ネズ ミの脳の矢状縫合分画において、カルパイン生成スペクトリン断片についての免 疫組織化学染色のパターンを、虚血から30分後、1日後、2日後、または10日後に 決定した(図4;組織学:脳スペクトリンのカルパイン生成断片の局在部位を決 定するために用いられる間接的な免疫ペルオキシダーゼ組織化学的方法が、すで に開示されている(Siman et al.,Neuron 3:275-285,1989)。簡単に説明すると 、虚血後の様々な時点において、ネズミにネンブタールで深く麻酔をかけ、0.1M リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)で灌流し、次に4%パラホルムアルデヒドのリ ン酸緩衝溶液で灌流した。脳をパラホルムアルデヒドで後固定し、4℃で0.1Mリ ン酸ナトリウム中の20%ショ糖溶液中で、一晩凍結防止した。矢状縫合分画を、 凍結した脳から45μm調整し、1%H2O2を含む50%メタノール中で30分間インキュ ベートした。10mMトリス塩酸/150mM NaCl(pH7.4;TBS)で洗浄した後、分画を 、0. 1%トリトンX-100を含むTBS中の5%ウマ血清中で30分間インキュベートし、次に 4℃で一晩Ab37(1:10,000)と共にインキュベートした。洗浄後、分画を、ヤギ 抗ウサギIgG(Cappel;1:100)、次にウサギペルオキシダーゼ/抗ペルオキシダ ーゼ複合体)(Cappel;1:500)と共にインキュベートした。発色させるために 、ジアミノベンジジン(500μg/ml)およびTBS中のH2O2(0.0015%)を用いた。 プレ吸着のため、50μgのペプチド免疫原(CQQQEVY;配列番号:1)を、1mlのAb3 7(1:10,000)と合わせ、室温で1時間インキュベートした。この一次抗体溶液を 上記のように用いた。さらに、対照の分画を、一次抗体を省略した以外は上記と 同様に処理した。)。 対照の(虚血を受けていない)動物の脳の分画では、神経の核周部はAb38によ り極めてわずかにしか染色されなかったのに対し、両側の頸動脈を5分間閉塞さ せた場合には、30分後までに、壁側皮質、前方皮質(層I、III、およびV)、梨 状皮質、蓋ひも、線条、腹側視床、および海馬において強い免疫反応が見られた (図4B)。この時点における海馬の免疫反応は、主にCA3領域に限定されており 、背部CA1サブ領域内の神経、およびCA2-CA3の境界も多少染色された。歯状回は 、染色されなかった。カルパイン分解スペクトリンの免疫反応は、神経特異的で あり、核周部、ならびに海馬神経の樹状突起の先端部および基底部(図4Fおよび 5;以下の図7も参照)に見られ、さらに新皮質の錘体神経の長い始原樹状突起( 図5)でも見られた。 虚血から24時間後、皮質、視床、および線条には依然免疫反応が見られたが、 海馬の染色はさらに強くなり、CA1領域に免疫反応が広範に分布していた(図4C )。この時点において、CA1領域内の錘体神経の樹状突起の先端部および基底部 の染色は顕著になった。5分間の虚血損傷の後、2日後までには、海馬のCA1領域 のみが強く染色され、海馬のCA3サブ領域、皮質、視床、および線条では、カル パイン分解スペクトリンに対する有意な免疫反応は見られなかった(図4D)。虚 血の10日後までには、事実上すべての免疫反応が消失し、虚血を受けた脳の分画 は、対照の脳の分画と区別不可能になった(図4E)。 過剰なペプチド免疫原でAb38のプレ吸着を行うと、組織分画の免疫染色は完全 に阻害された(図4G対図4F)。このことは、カルパイン分解スペクトリン抗原決 定基が特異的に標識されることと一致する。実施例5−短期間または長期間の虚血後のカルパイン活性化 虚血を損傷を与えない期間行った場合と、重篤な損傷を与える期間行った場合 のカルパイン活性化に対する効果の違いを明らかにするために、本発明者らは、 短時間(1分)、中長時間(5分)、または長時間(10分)血流を遮断した結果を 比較した。頸動脈を1分間閉塞させた場合には、神経の変性は起こらないが、閉 塞後30分までに、海馬のCA2−CA3境界領域にAb38免疫反応性のニューロンの狭い バンドが出現した(図6A)。30分の時点で他には全く免疫反応は見られず、頸動 脈閉塞から3日後には脳におけるAb38の免疫反応は消失した。 対照的に、頸動脈の閉塞を10分間行った場合は、海馬(CA1およびCA2-CA3境界 領域)、皮質、蓋ひも、および視床で染色パターンが生じ、それは30分後に現れ 、虚血損傷を与えてから3日間持続した(図6C)。場合によっては、線条および 嗅結節にも顕著な免疫反応が現れた。中長時間(5分)の虚血損傷の後の、脳皮 質、蓋ひも、および線条における免疫反応は、比較的弱いものか、または多く場 合全く存在しなかった。このように、短時間の虚血過程では長期にわたるカルパ イン活性化は生じず、中長時間の虚血過程では海馬CA1領域に限定されたカルパ イン活性化が引き起こされ、長時間の過程では、海馬の外へまで拡がった、脳皮 質および線条の領域を含むカルパイン活性化が誘導された。 5分間の虚血損傷の3日後に行った銀浸透組織化学で、海馬のCA1およびCA2-CA3 境界領域内のニューロンの分解が示された(図6DおよびE;分解中のニューロンの 銀染色は、改変したガリアス(Gallyas)法により、以前の記述(Nadler et al. ,Meth.Enzymol.103:393-400,1983; Siman et al.,Neuron,1989,supra)に従い行 った。)。この銀染色パターンは、同一の虚血の条件下で見られたカルパイン分 解スペクトリンの海馬における強い免疫反応パターンと一致した(図6B)。実施例6−虚血により誘導されるカルパイン活性化のMK-801による抑制 カルパイン活性化およびスペクトリン分解が引き起こされる、受容体を基本と した機構を明らかにするため、ネズミを非競合性のNMDA受容体アンタゴニスト、 MK-801で処理し、続いてすぐに頸動脈を5分間閉塞させた。海馬の神経壊死を部 分的に阻害する量のMK-801(3mg/kg、静注)でネズミを処理することにより(Ro be rts-Lewis et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.679:78-86,1993)、虚血から2日後の海馬 のCA1領域におけるカルパイン分解スペクトリンの免疫反応が部分的に抑制され た(図7A対図7B)。このように、虚血により誘導される海馬の神経変性を抑制す る処理により、同時にカルパイン活性化およびスペクトリン分解の減少がもたら される。虚血から1日後、MK-801処理により、皮質(図7C対図7D)、視床、およ び線条内の免疫反応が本質的に完全に阻害され、このことより、急速な、より広 範に拡がるカルパイン介在スペクトリン分解は、主にNMDA受容体の活性化により 引き起こされるということが示された。実施例7−カルパイン生成スペクトリン分解産物のフィルター結合ELISA Molt-4白血球細胞(National Institute of General Medical Sciences,Human Genetic Mutant Cell Repository,Camden,NJ,(HGMCR)、保管番号:GM2219C)を 、20μMのカルシウムイオノフォア、A23187(Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR )、およびヘペス緩衝生理食塩水中の5mMの塩化カルシウムの非存在下(図8;対 照)または存在下(図8;イオノフォア)で処理した。これらの実験条件では、 細胞内へカルシウムが流入し、カルパインが活性化され、続いてスペクトリンの カルパイン介在性の分解が起こる。60分のインキュベーション後に、細胞を20mM トリス塩酸/150mM NaCl/1%ノニデット40(NP40)/10mM EDTA pH7.5と共にイ ンキュベートすることにより、界面活性剤による細胞溶解物を調製した。遠心分 離により核を除去した。SDSを最終濃度が0.2%となるように添加した後、95℃に 加熱し、BCA法(Pierce,Inc)により溶解したタンパク質の総濃度を決定した。 次にエタノールを細胞溶解物(特に述べない限り、20μgの総タンパク質負荷) に添加した後、ニトロセルロースを底部に有する96穴の濾過プレート(Millipor e,Inc.,Bedford,MA)に適用した。ELISA分析のため、ウェルを室温で1時間、Ab3 8、Ab41、またはその両方と共にインキュベートし、遮断用緩衝液(遮断用緩衝 液=カーネーションインスタントミルク(Carnation instanto milk)の5%TBST (20mMトリス塩酸/0.15M NaCl/0.05% ツイーン20 pH7.5)溶液)で希釈した 。200μlのTBSTで5回ウェルを洗浄し、遮断用緩衝液で希釈したアルカリホスフ ァターゼ結合ヤギ抗ウサギIgG(BioRad Labs)の希釈液と共にインキュベートし た。1時間のインキュベーションの後、200μlの20mM トリス塩酸/0.5M NaCl/0 .05%ツイーン 20 pH7.5で5回ウェルを洗浄し、20mM トリス塩酸/0.15M NaCl pH7.5で2回洗浄 した。結合した抗体を検出するため、ELISA増幅系(Gibco BRL,Gaithersburg,MD )を利用した。ウェルを60分間基質と共にインキュベートし、次に60分間増幅試 薬と共にインキュベートした。基質および増幅剤の希釈は、製品説明書に従い行 った。シグナルをOD490で測定した。図8に示したとおり、シグナルは時間および タンパク質濃度に関して直線的であった。最も重要なことは、カルシウムイオノ フォアで処理された細胞の溶解物でのみ、シグナルが検出され、カルパイン活性 化および続いてスペクトリン分解が誘導されたということである。その他の態様 このように、上記の実施例は、単に例示を目的として構築されたものであり、 その他の開示を何ら限定するものではない。 上記の説明より、当業者は容易に本発明の本質的な特徴を確認し、本発明の本 旨および範囲を逸脱することなく、本発明を様々な利用および条件に応用するた め様々な変更および改変を加えることができる。本明細書において引用された出 版物は全て、完全に参照として含まれる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AM,AU,BB,BG,B R,BY,CA,CN,CZ,EE,FI,GE,HU ,JP,KG,KP,KR,KZ,LK,LT,LV, MG,MX,NO,NZ,PL,RO,RU,SI,S K,TJ,TT,UA,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.試料中のカルパイン活性化を検出する方法であって、 (a)該試料を、配列番号:1または配列番号:2いずれかのアミノ酸配列を有す るペプチドと特異的に結合する抗体と接触させる段階、および (b)該試料中のカルパイン活性化のレベルの測定法としてのイムノアッセイに より、対照と比較して、該試料に結合した該抗体のレベルを決定する段階、 を含む方法。 2.イムノアッセイがウェスタンブロットである、請求の範囲1の方法。 3.イムノアッセイがELISAである、請求の範囲1の方法。 4.ELISAがフィルター結合ELISA(filter-binding ELISA)である、請求の範囲3 の方法。 5.試料が哺乳動物に由来する、請求の範囲1の方法。 6.哺乳動物がヒトである、請求の範囲5の方法。 7.哺乳動物が、病理学的状態を有しているかまたは発現する危険を有し、かつス ペクトリン分解産物のレベルの上昇を示している、請求の範囲5の方法。 8.病理学的状態が神経系に影響を与えるものである、請求の範囲7の方法。 9.病理学的状態が、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋ジストロフィー、多 発脳梗塞性痴呆、脳室内出血、ピック病、クモ膜下出血、HIV誘導神経変性、発 作、および網膜症からなる群より選ばれる、請求の範囲7の方法。 10.哺乳動物が、外傷、低酸素症、無酸素症、虚血、脊髄外傷、頭部外傷、病変 、および毒素との接触からなる群より選ばれる非病理学的な細胞障害を経験した ことがあるか、または経験する危険を有する、請求の範囲5の方法。 11.細胞障害が神経系に対するものである、請求の範囲10の方法。 12.試料が細胞組織である、請求の範囲1の方法。 13.試料が脳脊髄液である、請求の範囲1の方法。 14.試料が血液または血液成分である、請求の範囲1の方法。 15.抗体がAb36、Ab37、Ab38、Ab39、Ab40、およびAb41からなる群より選ばれる 、請求の範囲1の方法。 16.配列番号:1または配列番号:2いずれかのアミノ酸配列を有するペプチドと 特 異的に結合する抗体。 17.配列番号:1のアミノ酸配列を有する実質的に純粋なペプチド。 18.配列番号:2のアミノ酸配列を有する実質的に純粋なペプチド。 19.請求の範囲17のペプチドに特異的に結合する抗体を製造する方法であって、 該ペプチドで哺乳動物を免疫することを含む方法。 20.請求の範囲18のペプチドに特異的に結合する抗体を製造する方法であって、 該ペプチドで哺乳動物を免疫することを含む方法。 21.配列番号:1または配列番号:2いずれかのアミノ酸配列を有するペプチドに 結合し完全なスペクトリンには結合しない抗体を含む、試料中のカルパイン生成 スペクトリン分解産物のレベルをインビトロで決定するためのキット。 22.抗体がAb36、Ab37、Ab38、Ab39、Ab40、およびAb41からなる群より選ばれる 、請求の範囲21のキット。 23.カルパイン活性を減少させる候補化合物の能力を測定する方法であって、 (a)カルパインが活性化される条件下で、スペクトリン、カルパイン、および 該候補化合物を共にインキュベートする段階、および (b)カルパイン活性を減少させる該候補化合物の能力の測定法としての、段階 (a)の反応において形成されるスペクトリン分解産物のレベルを決定するため のイムノアッセイにおいて請求の範囲16の抗体を使用する段階 を含む方法。 24.カルパイン活性を減少させる候補化合物の能力を測定する方法であって、 (a)カルパインおよびスペクトリンを発現する細胞を提供する段階、 (b)該候補化合物の存在下で該細胞中のカルパインを活性化する段階、および (c)カルパイン活性を減少させる該候補化合物の能力の測定法としての、該細 胞中に形成されるスペクトリン分解産物のレベルを決定するためのイムノアッセ イにおいて請求の範囲16の抗体を使用する段階 を含む方法。 25.カルパイン活性を減少させる候補化合物の能力を測定する方法であって、 (a)該化合物を哺乳動物に投与する段階、 (b)該哺乳動物においてカルパインを活性化する段階、および (c)カルパイン活性を減少させる該候補化合物の能力の測定法としての、該哺 乳動物におけるスペクトリン分解産物のレベルを決定するためのイムノアッセイ において請求の範囲16の抗体を使用する段階 を含む方法。 26.スペクトリン分解産物のレベルの決定が哺乳動物から得られた試料に対して 行われる、請求の範囲25の方法。
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