JPH09510697A - 14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールを含有する経皮投与のための薬剤 - Google Patents
14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールを含有する経皮投与のための薬剤Info
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Abstract
(57)【要約】
経皮投与のための薬剤が記載されており、これは、場合により1種以上のゲスターゲンと組み合わされた14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールを含有することを特徴とする。
Description
【発明の詳細な説明】
14α,17α−エタノエストラ−1,3
,5(10)−トリエン−3,17β−ジ
オールを含有する経皮投与のための薬剤
本発明は、経皮投与のための薬剤に関し、これは、場合により1種以上のゲス
ターゲンと組み合わされた14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10
)−トリエン−3,17β−ジオールを含有することを特徴とする。
14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17
β−ジオールは、式:
の物質である。
これは、公知のように、非常に強いエストロゲン効果を有する薬物学的に有用
な化合物である(国際公開WO88/01275号明細書)。
さて、場合により1種以上のゲスターゲンと組み合わされた14α,17α−
エタノエストラ−1,3,
5(10)−トリエン−3,17β−ジオールは、非常に良好に、作用物質又は
作用物質混合物の経皮投与のための薬剤の製造のために使用することができると
いうことを発見した。
経皮投与される薬剤の利点は公知のように、これは、一般に、その他の、例え
ば経口で投与される薬剤で可能であるよりも、より長い時間に渡り、作用物質の
均等な遊離を可能にするということである。この特性は、一連の内分泌性疾患に
、有利に利用することができる。しかし、水中に難溶性のステロイドホルモン、
例えば、エストロゲンに関して、治療のために充分な皮膚を介する作用物質の透
過性を保証する経皮システムを調製することは、一般的にかなり問題がある。
さて、公知のステロイドホルモンを含有する経皮投与される薬剤では限定的に
のみ可能であった(ヨーロッパ特許(EP−A)第137278号明細書及びヨ
ーロッパ特許(EP−A)第275716号明細書)治療に充分な非常に均等な
、皮膚を介するステロイドホルモンの浸透速度の達成が、本発明の薬剤を用いる
と、意外にも可能であることを発見した。
本発明の薬剤のために好適なゲスターゲンは、例えば、ノルエチステロン、レ
ボノルゲストレル(Levonorgestrel)、ゲストーデン(Gestoden)、3−ケト−
デソゲストレル(desogestrel)及びそれらのエステルである。本発明の組み合
わせ製剤は、14α,17α−エ
タノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールと並んで
、有利に、1〜3殊に1〜2種のゲスターゲンを含有する。
薬剤学的製剤の製造のために、作用物質又は作用物質混合物は、好適な揮発性
溶剤及び/又は浸透促進剤中に溶かすか、又は懸濁させることができる。得られ
た溶液又は懸濁液に、慣用の助剤、例えば、マトリックス形成剤及び殺菌剤を添
加することができ、かつ場合により、殺菌の後に、慣用の投与容器中に詰めるこ
とができる。しかし、他方で、これらの溶液又は懸濁液を、乳化剤及び水の添加
下に更に加工して、ローション又は軟膏にすることもできる。場合により、噴射
ガスの添加下に、慣用の投与容器中に詰めることができるスプレーを製造するこ
ともできる。
好適な揮発性溶剤は、例えば、低級アルコール、ケトン又は低級カルボン酸エ
ステル、例えば、エタノール、イソプロパノール、アセトン又は酢酸エチル、極
性エーテル、例えばテトラヒドロフラン、低級炭化水素、例えば、シクロヘキサ
ン又はベンジン又はハロゲン化炭化水素、例えばジクロルメタン、トリクロルメ
タン、トリクロルトリフルオルエタン及びトリクロルフルオルメタンである。勿
論、これらの溶剤の混合物も好適である。
好適な浸透促進剤は、例えば、一価又は多価のアルコール、例えば、エタノー
ル、1,2−プロパンジオ
ール又はベンジルアルコール、8〜18個の炭素原子を有する飽和及び不飽和の
脂肪族アルコール、例えば、ラウリルアルコール又はセチルアルコール、炭化水
素、例えば鉱油、8〜18個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸、例えば
ステアリン酸又はオレイン酸、24個までの炭素原子を有する脂肪酸エステル又
は24個までの炭素原子を有するジカルボン酸ジエステルである。
本発明の薬剤に好適な脂肪酸エステルは、例えば、酢酸、カプロン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸及びパルミチン酸のもの、例えば、これらの
酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステ
ル、ブチルエステル、s−ブチルエステル、イソブチルエステル又はt−ブチル
エステルである。特に有利なエステルは、ミリスチン酸のもの、例えば、そのメ
チルエステル及び殊に、そのイソプロピルエステルである。好適なジカルボン酸
ジエステルは、例えば、ジイソプロピルアジペート、ジイソブチルアジペート及
びジイソプロピルセバケートである。
その他の浸透促進剤は、ホスファチジル誘導体、例えば、レシチン、テルペン
、アミド、ケトン、尿素及びその誘導体又はエーテル、例えば、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテルである。勿論、これらの浸透促進剤の混合物も、本発
明の薬剤の製造のために好
適である。
作用物質又は作用物質混合物が、最適に溶剤中に溶ける又は懸濁される濃度は
、14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17
β−ジオールでは、通常、0.01〜25重量%である。ゲスターゲンの場合に
は、濃度は、勿論、使用される作用物質の種類及び目的の単位用量に依存してお
り、これは個別に、選択された本発明の薬剤の当業者に周知の予備実験、例えば
、達成可能な作用物質の血漿濃度の測定により決定すべきである。一般に、この
場合にも、本発明の薬剤中のエストロゲン0.01〜25重量%の作用物質濃度
が充分である。14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエ
ン−3,17β−ジオールとゲスターゲンとの重量比は、組み合わせ製剤の場合
に、5:1〜1:20である。
14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17
β−ジオールに関して治療上必要な経皮一日量は、最大250μgであり;この
場合、25cm2のTTS−面積で、420ng/cm2/時の平均経皮流を必要
とする。試験管内研究で、好適な処方を用いると、本発明の薬剤を用いてのそれ
を、約10倍に上回らせることができることを確認することができた。
作用物質又はその混合物を、経皮吸収治療システム
(TTS)に導入すると、作用物質又は作用物質混合物の調節された配量を伴う
非常に均一な投与を達成することができる。好適な経皮吸収治療システムは、通
常、作用物質の経皮投与のために使用されるようなものである(Yie W.Chien:
”Transdermal Controlled Systemic Medications”,Marcel Dekker,Inc.,Ne
w York and Basel,1987,Dr.Richard Baker:”Analysis of Transdermal Dru
g Delivery Patents 1934 to 1984”及び”Analysis of Recent Transdermal De
livery Patents,1984-1986 and Enhancers”Membrane Technology & Research
1030 Hamilton Court Menlo Park CA 94025(415)328-2228)。
例えば、
a)非透過性上被層、
1〜3つの、上被層に付着し、14α,17α−エタノエストラ−1,3,5
(10)−トリエン−3,17β−ジオール、場合により、ゲスターゲン及び所
望の場合には浸透促進剤を含有し、これらの成分に関して、透過性に自己接着す
るか、又は所望の場合には、浸透促進剤を含有する皮膚圧感接着剤で覆われてい
るか又は囲まれたマトリックス層、剥離可能な保護層又は
b)所望の場合には浸透促進剤を含有する圧感接着剤を備えた上被、
1〜3つの(それぞれ)、圧感接着剤のふち部を覆
わず、被覆により圧感接着剤に固定され、14α,17α−エタノエストラ−1
,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、場合により、ゲスターゲ
ン及び浸透促進剤を含有するマトリックス層及び剥離可能な保護層、又は
c)非透過性上被層
1〜3つの、上被層に接して又は上被層中に存在し、14α,17α−エタノ
エストラ−l,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、場合により
、ゲスターゲン及び所望の場合には浸透促進剤を含有する薬剤保留部、
1〜3つのこれらの成分に関して透過性のポリマー層、透過性の場合により浸
透促進剤を含有する皮膚圧感接着剤−層及び剥離可能な保護層からなるような経
皮吸収治療システムを使用することができる。
変法a)による経皮吸収治療システムは、簡単なマトリックスシステムである
。例えば、円形、長円形又は長方形であってよく、かつ次のように製造すること
ができる。
好適な揮発性溶剤で100重量%までに満たされる、作用物質又は作用物質混
合物25重量%まで、浸透促進剤0〜40重量%、医学的に慣用の接着剤30〜
70重量%の溶液又は懸濁液を、平らな非透過性上被層に塗布する。乾燥の後に
、この層の上に、第2の、
及び所望の場合には、更に後に第3の場合による作用物質、浸透促進剤及び接着
剤を含有する層を施与し、かつ乾燥させる。次いで、このマトリックスシステム
に、剥離可能な保護層を貼付する。
システムの乾燥の後に、肌に接着しないか、又は充分には接着しない医学的に
慣用のマトリックス形成剤を使用する場合には、このシステムを、剥離可能な保
護層の施与の前に、なお、付加的に皮膚圧感接着剤で被覆する又は囲むことがで
きる。
好適な溶剤及び浸透促進剤は、例えば、既に記載のこような液体である。医学
的に慣用の接着剤としては、例えばポリアクリレート、シリコーン、ポリウレタ
ン、ブロックポリマー、スチレン−ブタジエン−コポリマー並びに天然又は合成
のゴムが好適である。その他のマトリックス形成剤としては、セルロースエーテ
ル、ポリビニル化合物又はケイ酸塩が、これに該当する。粘着性を高めるために
、得られたマトリックスに、慣用の添加剤、例えば、接着性形成樹脂及び油を添
加することができる。
保護層としては、通常、経皮吸収治療システムで使用される全てのシートが好
適である。このようなシートは、例えば、シリコーン処理をされているか、又は
フルオロポリマー被覆されている。
上被層としては、このシステムでは、例えば、ポリエチレン又はポリエステル
からなり、任意に着色され
ているか、又は金属処理されている10〜100μmの厚さのシートを使用する
ことができる。この上に施与される薬剤層は、20〜500μmの厚さを有する
のが有利である。作用物質の施与を、5〜100cm2の面積に渡り行うのが有
利である。
多層マトリックスシステムでは、例えば、非透過性上被層に施与されるマトリ
ックス中に、14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン
−3,17β−ジオール及び場合により、浸透促進剤を導入することができ、一
方で、その下に存在する1つ以上の層は、エストロゲン及び場合により同様に、
浸透促進剤を含有する。しかし、他方で、このような経皮システム中に、複数の
作用物質含有マトリックスを並置することも可能である。
変法Bによる経皮吸収治療マトリックスシステムは、例えば、同様に、円形、
長円形又は長方形であってよく、次のように製造することができる。
上被を、皮膚圧感接着剤で被覆する。次いで、この上に、それぞれのTTS毎
に、非透過性被覆を備え、14a,17α−エタノエストラ−1,3,5(10
)−トリエン−3,17β−ジオール、場合により、ゲスターゲン及び浸透促進
剤を含有するマトリックス層の1〜3つの打ち抜かれた部分を張り付け、その際
、上被が、皮膚の上に固定するために充分なふち及びその部分が複数である場合
には、その間に充分な間を
有するようにし、かつこれに、剥離可能な保護層を施す。このマトリックスシス
テムで使用される材料は、変法aのものと同じものであってよい。
変法cによる経皮吸収治療保留部システムは、例えば同様に、円形、長円系又
は長方形であってよく、かつ次のように製造することができる;
非透過性のシートを、熱及び/又は伸張により、1〜3つの0.1〜3ml容
量の窪みが生じるように成形する。ここに、浸透促進剤を有する作用物質又は作
用物質混合物1〜50重量%を有する作用物質含有溶液又は懸濁液を満たす。作
用物質含有溶液又は懸濁液は、10重量%までのマトリックス形成剤で濃化され
ていてもよい。
保留部の皮膚に対する上被として、その上に、透過性皮膚圧感接着剤層及び剥
離可能な保護層を設置される溶着又は糊付けされる透過性ポリマー層を使用する
。
このシステムでは、前記の浸透促進剤を使用することができる。透過性ポリマ
ー層は、例えば、セルロースエステル、セルロースエーテル、シリコーン又はポ
リオレフィン化合物からなる厚さ20〜200μmのシートを使用する。これら
のポリマー層を変えることにより、作用物質又は作用物質混合物の拡散速度を、
広い範囲で変動させることができる。
接着剤及び保護層として、変法aによる経皮吸収治
療システムにおいて記載されたものと同様の材料が好適である。
2つ又は3つの並置された作用物質含有マトリックス層又は薬剤保留部を有す
る経皮吸収治療システムを製造する際には、しばしば、一方に、14α,17α
−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールを、
かつ他方に、ゲスターゲンを導入するのが有利である。このような場合に、作用
物質含有マトリックスシステム又は薬剤保留部は、種々異なる作用物質だけでは
なく、付加的に、なお種々異なる浸透促進剤を含有することもできる。
変法a又はbによるマトリックスシステムの場合には、それぞれ別の部分への
作用物質の拡散を阻止するために、充分な各部分間の距離に配慮すべきである。
変法cによる保留部システムの場合には、個々の作用物質の拡散流を、それぞれ
の必要性に合わせるために、個々の保留部に、それぞれ異なる透過性ポリマー層
を備えることができる。
本発明の経皮システムのその他の特徴を、添付された寸法的には正しくない図
により詳述する。
図1は、剥離可能な保護層の無い、変法aによる簡単な円形のマトリックスシ
ステムの断面を示している。これは、非透過性上被層1及び薬剤含有マトリック
ス層2からなる。
図2は、剥離可能な保護層の無い、変法bによるマ
トリックスシステムの断面を示している。図3は、このシステムの上からの平面
図を示している。このシステムは、圧感接着剤層4を備えている上被3からなる
。この圧感接着剤層には、非透過性被覆5及び7により、2つの薬剤含有マトリ
ックス層6及び8が固定されている。
図4は、剥離可能な保護層の無い、変法cによる円形単室の保留部システムの
断面を示している。これは、非透過性上被層9、薬剤保留部10、透過性ポリマ
ー層11及び皮膚圧感接着剤層12からなる。
図5は、剥離可能な保護層の無い、変法cによる円形二室保留部システムの断
面を示している。これは、非透過性上被層13、2つの半円形薬剤保留部14及
び15、透過性ポリマー層16及び皮膚圧感接着剤層17からなる。
経皮吸収治療システムと並んで、14α,17α−エタノエストラ−1,3,
5(10)−トリエン−3,17β−ジオールの経皮投与のために、その他のガ
レヌス調合物も好適である。
経皮投与のためのエマルジョンゲルは、例えば、作用物質又は作用物質混合物
、浸透促進剤、乳化剤(その際、浸透促進剤の両親媒性伸介物質(Ambiphile Ve
rtreter)を、乳化剤として使用することができる)及び場合によりマトリック
ス形成剤からなる。典型的な処方物は、作用物質又は作用物質混合物0.1〜2
5重
量%、乳化剤0〜10重量%、マトリックス形成剤0〜5重量%、浸透促進剤0
〜50重量%及び100重量%までにする水からなる。この薬剤を、慣用の方法
で乳化させ、かつこれに、必要に応じて、慣用の酸化防止剤、保存剤等を添加す
る。
例えば、作用物質又は作用物質混合物を、溶剤、例えば水、低級アルコール又
はこれらの混合物中に、場合により、浸透促進剤の添加下に溶かすか又は懸濁さ
せ、かつマトリックス形成剤で濃化させると、単相ゲルが得られる。
このようなゲルの典型的な処方物は、作用物質又は作用物質混合物0.01〜
25重量%、マトリックス形成剤1〜20重量%、浸透促進剤0〜40重量%及
び100重量%まで補完する溶剤を含有する。
これらのゲルも、所望の場合には、酸化防止剤、保存剤等を含有することがで
きる。
典型的なスプレー処方物は、例えば、次のものである:
作用物質又は作用物質混合物1〜25重量%、マトリックス形成剤0〜20重
量%、浸透促進剤0〜60重量%及び100%まで補完する溶剤及び場合による
噴射剤。圧力ガスパッキングを使用する場合には、推進剤は必要ない。
経皮投与のための本発明の14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(1
0)−トリエン−3,17
β−ジオール含有薬剤は、従来公知の例えば、高活性のエストロゲンを含有する
経口により投与される薬剤と同様の疾患の治療のために使用することができる。
更に、本発明の場合によりゲスターゲンを含有する製剤は、避妊のためにも使用
することができる。本発明の薬剤は、比較的多い作用物質の配量を伴う長期治療
を必要とする疾患の治療の際に、特に有利である。この場合、投与頻度は、かな
り減少し、かつ主として均質な血漿濃度を達成することができる。更に、胃腸内
副作用は予期されず、かつ最初の肝臓通過が回避されることは有利である。
これらの利点は、本発明のゲスターゲン不含の単独治療薬を、特に有利なもの
にする。例えば、更年期障害、萎縮性膣炎、陰門萎縮症(Craurosis vulvae)の
際のホルモン代理治療、エストロゲン依存性腫瘍の治療、骨粗鬆症予防又は−治
療又は治療の際にエストロゲン置換を必要とするその他の疾患の治療のために。
14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17
β−ジオールと逐次的に又は連続的に組み合わせたゲスターゲンの経皮使用は、
更年期障害の治療、骨粗鬆症の予防、周期調整及び周期安定、経皮避妊及び組み
合わされたエストロゲン/ゲスターゲン置換を必要とするその他の疾患の治療の
ために特に有利である。
次の実施例で、本発明を詳述する。その際、次の市
販品を使用した:
厚さ0.074mmのポリエステルシート(Skotchpak(登録商標)1009:製
造者;3M)、ポリプロピレンシート(Celgard(登録商標)2500):製造者;C
elanese、ライナーシート Skotchpak(登録商標)1022及び1360:製造者;3M
、Transferkleber 9871:製造者;3M、Sichello(登録商標)J6610-21タイプ
のポリアクリレート系接着剤:製造者;Henkel KG、Gelva(登録商標)788タ
イプのポリアクリレート系接着剤:製造者;Monsanto、X-7-2960タイプのシリコ
ーン系接着剤:製造者;Dow Corning及びKlucel(登録商標)HXFタイプのヒドロ
キシプロピルセルロース:製造者;Hercules。
例1
ベンジン中のシリコーン系接着剤の50%溶液62.4g中に、撹拌下に順次
、
14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(1
0)−トリエン−3,17β−ジオール
0.8g
1,2プロパンジオール 8.0g
を導入する。揮発性溶剤の除去の後に、固体施与物40g/m2の均一な塗膜が
生じるように、バッチの脱ガスの後に、この混合物を、被覆装置を用いて、ポリ
エステルシート上に施与する。引き続き、フルオルポリマー被覆されたポリエス
テル−ライナーで覆う。こう
して得られたラミネートを、打ち抜き装置を用いて、10cm2の面積の円形プ
ラスターに分け、かつアルミニウムシート中に封入する。図1は、ポリエステル
−ライナーの無いこのプラスターの断面を示している。このプラスターを、ライ
ナーシートを剥がした後に、皮膚に貼る。
含量の定量で、薬剤中0.08mg/cm2の均質な作用物質分布が確認され
る。
例2
アセトン/ベンジン中のポリアクリルエステル−接着剤の50%溶液170g
中に、順次、
14α,17a−エタノエストラ−1,3,5(1
0)−トリエン−3,17β−ジオール
5.0g及び
イソプロピルミリステート 10.0g
を、撹拌下に溶かす。揮発性溶剤の除去の後に、固体施与物100g/m2の均
一な塗膜が生じるように、バッチの脱ガスの後に、この溶液を、被覆装置を用い
て、ポリエステルシート上に施与する。引き続き、シリコーン処理された作用物
質不含のライナー−シートで覆う。こうして得られたラミネート、打ち抜き装置
を用いて、面積10cm2の個々のプラスターに分け、かつアルミニウムシート
中に封入する。このプラスターを、ライナー−シートを剥がした後に、皮膚に貼
る。
14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17
β−ジオールの含有率は、薬剤中0.5mg/cm2である。
例3
アセトン/ベンジン中のポリアクリルエステル−接着剤の50%溶液112g
に、順次、
3−ケト−デソゲストレル 3.5g
14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(1
0)−トリエン−3,17β−ジオール
3.5g及び
1−ドデカノール10%を有する1,2−プロパン
ジオール 7.0g
を、撹拌下に溶かすか、もしくは懸濁させる。揮発性溶剤の除去の後に、固体施
与物70g/m2の均一な塗膜が生じるように、バッチの脱ガスの後に、この混
合物を、被覆装置を用いて、ポリエステルシート上に施与する。引き続き、シリ
コーン処理された作用物質不含のライナーシートで覆う。こうして得られたラミ
ネートを、打ち抜き装置を用いて、面積10cm2の個々のプラスターに分け、
かつアルミニウムシート中に封入する。このプラスターを、ライナー−シートを
剥がした後に、皮膚に貼る。
3−ケト−デソゲストレル及び14α,17α−エタノエストラ−1,3,5
(10)−トリエン−3,17β−ジオールの含有率は、均一で、それぞれ0.
35mg/cm2である。
例4
例1と同様に、図2及び3に記載の形状を有する2種の異なるセグメント様の
マトリックスシステムを製造する。マトリックスシステムIは、ポリエステルシ
ート7を貼付された次の組成 14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(
1
0)−トリエン−3,17β−ジオー
1.0mg
イソプロピルミリステート 5.0mg及び
アクリレート接着剤固体 44mg
のマトリックス層8からなり、かつ5cm2の面積を有する。
マトリックスシステムIIは、ポリエステルシート5を貼付された次の組成
ゲストーデン 2.0mg
イソプロピルミリステート 10.0mg及び
アクリレート接着剤固体 88mg
のマトリックス層6からなり、かつ10cm2の面積を有する。
両方のマトリックスシステムを、皮膚圧感接着剤で被覆された上被シート上に
、図3に示されているように糊付けする。覆い、かつ打ち抜いた後に、図2及び
3に示されたようなプラスターが生じる。
例5
直径7.4cmのポリエステルシートを、伸張及び熱により、面積10cm2の
円形の窪みが生じるように成形する。これを、ラウリン酸10%を含有する1,
2−プロパンジオール中の
ノルエチステロン−アセテー 2.5mg及び
14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(1
0)−トリエン−3,17β−ジオール
2.5mg
の懸濁液1mlで満たす。ポリプロピレン−又はセルロースアセテートブチレー
ト−シートを、縁で溶着する。単位時間当たりの圧力により、封止温度は、70
℃〜100℃である。透過性ポリマー層上に、圧感接着シートを移す。このプラ
スターにライナーを貼付し、かつアルミニウムシート中に封入する。
図4は、ライナーの無いこのようなプラスターの断面を示す。
例6
例5と同様に、ポリエステルシートを、2つの半円形の、仕切りによって相互
に分けられているそれぞれ面積7.5cm2の窪みが生じるように成形する。
保留部Iを、
1,2−プロパンジオール中の
14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(1
0)−トリエン−3,17β−ジオール 1.5mg
の懸濁液0.75mlで、かつ保留部IIを、
1,2−プロパンジオール中の
レボノルゲストレル 3.0mg
の懸濁液0.75mlで満たす。プラスターの更なる調製を、例5の記載と同様
に行う。図5は、ライナーの無いこのようなプラスターの断面を示す。
例7
エタノール(96容量%)又はイソプロパノール76.78g中に、順次、
14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(1
0)−トリエン−3,17β−ジオール
0.2g
ゲストーデン 0.02g
1,2−プロパンジオール 10.0g及び
イソプロピルミリステート 10.0g
を溶かす。次いで、この溶液に、ヒドロキシプロピルセルロース3gを添加し、
かつこれから空気を除去する。2時間の膨化時間の後に、このゲルを3重の内部
保護塗膜を有するアルミニウムチューブ中に詰める。
含量測定によると、ゲル中の均質な作用物質分布が、理論値の95〜105%
の値で確認される。
例8
14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17
β−ジオール20.00gを、イソプロピルミリステート1000g中に溶かし
、殺菌濾過し、かつ無菌条件下に、薬ビン(5ml)
中に詰めた。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ウルリッヒ トイバー
ドイツ連邦共和国 D−13359 ベルリン
ゾルディナー シュトラーセ 13
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.経皮投与のための薬剤において、場合により1種以上のゲスターゲンと組 み合わされた14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン −3,17β−ジオールを含有することを特徴とする、経皮投与のための薬剤。 2.ゲスターゲンとして、ノルエチステロン、レボノルゲストレル、ゲストー デン、3−ケト−デソゲストレル又はこれらの化合物のエステルを使用する、請 求項1に記載の経皮投与のための薬剤。 3.薬剤が、経皮吸収治療システム(TTS)である、請求項1又は2に記載 の経皮投与のための薬剤。 4.経皮吸収治療システムが、 a)非透過性上被層、 1〜3つの、上被層に付着し、14α,17α−エタノエストラ−1,3,5 (10)−トリエン−3,17β−ジオール、場合により、ゲスターゲン及び所 望の場合には浸透促進剤を含有し、これらの成分に関して、透過性に自己接着す るか、又は所望の場合に、浸透促進剤を含有する皮膚圧感接着剤で覆われている か又は囲まれたマトリックス層、剥離可能な保護層又は b)所望の場合には浸透促進剤を含有する圧感接着剤を備えた上被、 1〜3つの(それぞれ)、圧感接着剤の縁部を覆わず、非透過性の被覆により 圧感接着剤に固定され、14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10) −トリエン−3,17β−ジオール、場合により、ゲスターゲン及び浸透促進剤 を含有するマトリックス層及び剥離可能な保護層、又は c)非透過性上被層 1〜3つの、上被層に接して又は上被層中に存在し、14α,17α−エタノ エストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオール、場合により 、ゲスターゲン及び所望の場合には浸透促進剤を含有する薬剤保留部、 1〜3つのこれらの成分に関して透過性のポリマー層、場合により浸透促進剤 を含有する透過性の皮膚圧感接着剤−層及び剥離可能な保護層からなる、請求項 3に記載の経皮投与のための薬剤。 5.1つの作用物質含有マトリックス層又は1つの薬剤保留部を有する、請求 項4に記載の経皮投与のための薬剤。 6.2〜3つの作用物質含有マトリックス層又は薬剤保留部を有する、請求項 4に記載の経皮投与のための薬剤。 7.作用物質含有マトリックス層又は薬剤保留部が、種々異なる作用物質を含 有する、請求項6に記載の経皮投与のための薬剤。 8.14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3, 17β−ジオールを、場合により1種以上のゲスターゲンと組み合わせて、作用 物質又は作用物質混合物を経皮投与するための薬剤を製造するために使用するこ と。 9.ゲスターゲンとして、ノルエチステロン、レボノルゲストレル、ゲストー デン、3−ケト−デソゲストレル又はこれらの化合物のエステルを使用する、1 4α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β− ジオールを、1種以上のゲスターゲンと組み合わせて、請求項8に記載の薬剤を 製造するために使用すること。 10.薬剤が、経皮吸収治療システム(TTS)である、14α,17α−エ タノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17β−ジオールを、場合 により1種以上のゲスターゲンと組み合せて、請求項8又は9に記載の薬剤を製 造するために使用すること。 11.薬剤が、請求項4から7のいずれかの記載による経皮吸収治療システム である、14α,17α−エタノエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3 ,17β−ジオールを、場合により1種以上のゲスターゲンと組み合わせて、請 求項10に記載の薬剤を製造するために使用すること。 12.請求項1から7のいずれかに記載の経皮投与 のためのゲスターゲン不含の薬剤を、更年期障害、萎縮性膣炎、陰門萎縮症のホ ルモン代理治療、エストロゲン依存性腫瘍の治療、骨粗鬆症予防又は−治療又は 治療の際にエストロゲン置換を必要とするその他の疾患の治療のために使用する こと。 13.請求項1から7のいずれかに記載の経皮投与のための薬剤を、場合によ り、ゲスターゲン含有薬剤と組み合わせて、更年期障害の治療、骨粗鬆症の予防 、周期制御、周期安定、経皮避妊及び組み合わされたエストロゲン/ゲスターゲ ン置換を必要とするその他の疾患の治療のために使用すること。
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