JPH09510628A - 側湾脊柱の減捻を達成させる工具及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明の工具及び方法は、側湾脊柱を脊柱側湾形状から脊柱後湾形状へ移動させる間に側湾脊柱の減捻を達成させる。工具は側湾脊柱の凸側に減捻力を作用させるために使用される。本発明の方法は工具を使用して側湾脊柱の減捻を達成させる。

Description

【発明の詳細な説明】 側湾脊柱の減捻を達成させる工具及び方法 発明の分野 本発明は脊柱の変形、特に脊柱側湾として知られる脊柱の状態を処置する工具 及び方法に関する。 発明の背景 前後方向から見た場合、正常な脊柱は直線状を呈する。また、側面から見た場 合は、正常な脊柱は一連の湾曲を有する。胸の湾曲は（サジタル面で）後方に凸 状となっている。腰椎は前方に凸状となった湾曲を有する。脊柱側湾とは、通常 は直線状の脊柱が前後方向から見た場合に（コロナル面で）横に曲がった状態を 言う。病原学的には、一層小さな副次的な複数のカーブを有する１つの大きなカ ーブ（主カーブ）の場合もあるし、数個の大きなカーブの場合もある。このよう なカーブの堅さ（元に戻る難しさ）は長期にわたって生じた骨の変形量及び靭帯 の萎縮量により個々に異なる。椎骨を整合させるためにハリントン(Harrington) 氏が考案した最初の装置は頂部及び底部で取り付けられた直線ロッドを使用して いた。この装置は（コロナル面での）横湾曲を矯正するのに優れた効果を発揮し たが、脊柱のサジタル面での湾曲を矯正することができない。このため、サジタ ル面での椎骨の整合には不向きであった。 脊柱側湾は３つの面内での脊柱の変形として認識されている。この変形は、（ １）前後方向から見ての横屈曲、（２）胸領域での正常な後方凸湾曲の欠如又は 側方向から見ての脊柱の直線化の欠如、及び（３）頂部椎骨の回転変形（凸側で の頂部椎骨の後方への回転及び凹側での頂部椎骨の前方への回転）として現れる 。 コトレル氏(Kotrel)は、コトレル／デュボセット(Cotrel-Dubousset)（以下、 「Ｃ−Ｄ」という）技術による手法を変更することによりこれら３つの変形を処 理する試みを行った。脊柱の変形を修正し安定化させるＣ−Ｄ手法は１９８４年 にスコリオシス・リサーチ・ササイティ(Scoliosis Research Society)により紹 介されている。Ｃ−Ｄ手法は１９８５年にテキサス・スコティッシュ・ライト・ ホスピタル(Texas Scottish Rite Hospital)（以下、「ＴＳＲＨ」という）によ り修正された。Ｃ−Ｄ手法及びＴＳＲＨ手法は脊柱に取り付ける多数のフックを 備えた湾曲ロッドを使用する。このロッドは脊柱（椎骨）のカーブの凹側に最初 に取り付けられる。この手法ではフックとロッドとの間の回転を許容し、脊柱側 湾位置での脊柱にロッドを配置できる。すなわち、ロッドの湾曲を変形した脊柱 の湾曲に適合させることができる。次いで、ロッドを９０度の角度だけ回転させ て、脊柱側湾状態を脊柱後湾状態に変換する。これにより、前後方向における脊 柱の横湾曲度が減少し、サジタル面での不十分な湾曲度を増大させる補助をなす 。これはまた、頂部椎骨の回転を減少させるものと最初は思われていた。しかし 、期待外れであった。この技術は矯正のために単一方向へ引っ張る単一ロッドに 主として依存するので、どのようにすれば椎骨の有効な減捻(derotate)を達成で きるか理解できなかった。 脊柱後湾を処置する既存の手段の上記欠点に鑑み、医師が凹側を持ち上げると 同時に凸側を圧縮する力を脊柱に加えることができ、サジタル面及びコロナル面 における変形を矯正しながら減捻トルクを与えることができるようにする改良の 必要性がある。 発明の概要 本発明は、例えば上記Ｃ−Ｄ技術及び手法を用いて、変形脊柱の横湾曲の処置 中に側湾脊柱(scoliotic spine)の減捻(derotating)を達成させる方法及び装置 に関する。本発明に係る方法及び工具（装置）により、医師は頂部椎骨(apical vertebra)まわりに椎骨の減捻を達成させることができる。本発明に係る方法及 び工具は側湾脊柱を処置する従来の技術を改善して完全にするという効果を有す る。 本発明に係る方法は、凸側及び凹側を有する脊椎側湾を処置するために使用さ れる。凹側とは横湾曲の内側を言い、凸側とは横湾曲の外側を言う。本発明の方 法は減捻ロッドを側湾脊柱に連結する工程を有する。減捻ロッドは脊柱側湾形状 (scoliotic configuration)及び脊柱後湾形状(kyphotic configuration)を有す る。減捻ロッドは脊柱に最初に取り付けるときには脊柱側湾形状にある。脊柱後 湾形状は本発明の方法が完了した後に減捻ロッドが占める位置である。脊椎湾曲 形状は横湾曲を除去すると共に脊柱に脊柱後湾状態を再導入する。側湾脊柱に減 捻ロッドを連結した後、減捻ロッドを脊柱側湾形状から脊柱後湾形状へ回転させ る。このロッドの回転により、脊柱が引っ張られ、横湾曲を減少させ、また、脊 柱を後方へ引っ張る。本発明によれば、側湾脊柱の回転変形量は、この回転工程 期間中、側湾脊柱の凸側に前方方向への力を作用させ凹側を後方へ引っ張ること により、減少される。同時に作用するこれら２つの力の組み合わせは、頂部椎骨 の減捻を達成するのに必要である。 一実施例においては、側湾脊柱の凸側に作用する力は、減捻ロッドに工具を固 定し、工具を所望の方向へ手動で偏倚させることにより、得られる。 このような工具は第１ハンドル端部と、これに対向する第１ノーズ端部とを備 えた第１アーム部材を有する。第１ハンドル端部及び第１ノーズ端部は第１ネッ ク部により相互連結される。工具はまた、第２ハンドル端部と、これに対向する 第２ノーズ端部とを備えた第２アーム部材を有し、第２ハンドル端部及び第２ノ ーズ端部は第２ネック部により相互連結される。第１アーム部材及び第２アーム 部材は第１ネック部及び第２ネック部において相互枢着される。第１アーム部材 を減捻ロッドに固定するための第１結合部材は第１ノーズ端部に固定される。第 ２アーム部材を力付与ロッドに固定するための第２結合部材は第２ノーズ端部に 設けてある。力付与ロッドは側湾脊柱の凸側に前方方向の力を作用させるために 使用される。 工具の一実施例において、調整ボルトが第１アーム部材に固定され、第１及び 第２ハンドル端部の近傍で第２アーム部材に摺動係合する。この調整ボルトは内 側調整ナット及び外側調整ナットを担持する。内側及び外側調整ナットは第２ア ーム部材の両側に位置する。 本発明に係る工具の更に別の実施例においては、第２ノーズ端部はこれに取り 付けた一体の力付与ロッドを有する。 図面の簡単な説明 本発明の上述の形態及びそれに付随する利点は、添付図面に基づく以下の詳細 な説明から一層容易に認識でき、一層良好に理解できるであろう。 第１図は、脊柱側湾形状でのＴＳＲＨ装置を装着した側湾脊柱の凹側及び後方 側から見た斜視図、 第２図は、第１図の側湾脊柱の頂部椎骨の尾側に見た平面図で、変形形状（実 線）及び正常な形状（一点鎖線）を示す図、 第３図は、脊柱後湾形状でのＴＳＲＨ装置を装着した第１図の側湾脊柱の凹側 及び後方側から見た斜視図、 第４図は、ＴＳＲＨ装置を脊柱側湾形状から脊柱後湾形状へ回転させた後の、 第１図の側湾脊柱の頂部椎骨の尾側に見た平面図で、脊柱側湾形状（一点鎖線） 及び処置後の形状を示す図、 第５図は、ＴＳＲＨ装置に取り付けた本発明の工具を装着した第１図の側湾脊 柱の凹側及び後方側から見た斜視図、 第６図は、減捻ロッドを回転させてＴＳＲＨ装置を脊柱後湾形状へ移動させ、 本発明に従って脊柱の減捻を達成した後の、第５図の側湾脊柱の凹側及び後方側 から見た斜視図、 第７図は、第６図の側湾脊柱の頂部椎骨の尾側に見た平面図で、脊柱側湾形状 （一点鎖線）及び減捻後の形状（実線）を示す図、 第８図は、本発明に従って側湾脊柱の減捻を達成するために使用される工具の 斜視図、 第９図は、減捻ロッドに取り付けられ側湾脊柱に隣接して位置決めされた本発 明に係る工具の一部の斜視図、 第１０図は、減捻ロッド及び力付与ロッドに取り付けるためのフックを示す第 ８図の工具の一部の斜視図、 第１１図は、本発明の第２実施例に係る工具の一部を示す斜視図である。 好ましい実施例の詳細な説明 側湾脊柱の減捻を達成するための本発明に係る方法及び工具についての以下の 説明においては、１９７８年から１９８３年にかけて開発された上記Ｃ−Ｄ手法 及び１９８５年の初めにに開発された上記ＴＳＲＨ手法に関連して方法及び工具 を説明する。Ｃ−Ｄ手法及びその技術は、１９８８年４月発行で北アメリカの整 形外科クリニックのフランシス・デニス(Francis Denis)医学博士の著による「 突発性脊柱側湾の処置におけるＣ−Ｄ手法」(Cotrel-Dubousset Instrumentatio n in the Treatment of Idiopathic Scoliosis)（第１９巻、Ｎｏ．２）、リチ ャード・エー・バルダーストン(Richard A．Balderston)著による「Ｃ−Ｄ手法 」（１１３−１２６頁）及び１９９２年発行のハワード・エス・アン(Howard S ．An)及びジェローム・エム・コトラー(Jerome M．Cotler)著による「脊柱手法 」(Spine Instrumentation)に詳細に記載されている。ＴＳＲＨ手法及びその技 術は、チャールス・イー・ジョンストン(Charles E．Johnston)他の著による「 テキサス・スコティッシュ・ライト・ホスピタル・ユニバーサル脊柱手法システ ム」(Texas Scottish Rite Hospital Universal Spine Instrumentation System )（１２７−１６５頁）及び上記１９９２年発行のハワード・エス・アン及びジ ェローム・エム・コトラー著による「脊柱手法」に詳細に記載されている。これ らの文献の主題はこの中で参照資料として取り入れられている。 第１図を参照すると、側湾脊柱３０は異常な横湾曲３２を有する。この横湾曲 ３２は湾曲の中心に位置する頂部椎骨３４を中心に発生している。横湾曲３２は 凸側３６と凹側３８とを有する。凹側３８は横湾曲３２の内表面であり、凸側３ ６は横湾曲３２の外表面である。側湾脊柱３０において、頂部椎骨３４及びその 両側の４ないし５個の椎骨は回転されて横湾曲３２を形成し、凹側３８の横突起 ４０は前方へ変形し、凸側３６の横突起４２は後方へ変形している。 ＴＳＲＨ装置は脊柱側湾形状と脊柱後湾形状とをとることのできる減捻ロッド ４４を有する。第１図において、減捻ロッド４４は脊柱側湾形状を呈し、２つの 基本型式のフックを用いて頂部椎骨３４のまわりで側湾脊柱３０の凹側３８に固 定される。２つの基本型式のフックは肉茎(pedicle)フック及び薄膜(lamina)フ ックである。これらのフックは種々の椎骨の肉茎、薄膜及び横突起に固定係留で きるようになっている。フックの数、型式及び位置は個々の患者の要求に応じて 医師が決定する。減捻ロッド４４は正方形のヘッド４８を備えた上端４６を有す る。正方形のヘッド４８はレンチ５０に係合する。レンチ５０は矢印５２の方向 へ減 捻ロッド４４を回転させることができる。これについては後に詳説する。 ＴＳＲＨ技術は、上端椎骨の横突起及び下端椎骨の薄膜の下位面(inferior as pect)を露出させることができる標準的な側湾脊柱の露出を含む。露出後、薄膜 及び肉茎フックを普通の方法で配置する。上述の文献は、フックの配置の操作計 画についての技術者（医師）に対するガイダンスを提供し、脊柱の実際の手法を 記載している。フックを脊柱に挿入した後、減捻ロッドを形状付けし、配置した フック内へ挿入する。減捻ロッドは凹側における側湾脊柱の横湾曲に適合する傾 向を持つ脊柱側湾形状を有するように形状付けされる。ＴＳＲＨ技術に従いロッ ドをフック内へ挿入した後、ロッドを回転させてロッドの湾曲部を９０度の角度 だけ後方へ変位させ、脊柱の湾曲に整合させる。減捻ロッドの回転により、横湾 曲の凹側が引っ張られ、脊柱を真っすぐにする。 更に第２図を参照すると、一点鎖線で示す正常な形状５４においては、頂部椎 骨３４の横突起４０、４２はニュートラル（中立）位置にある。脊柱側湾変形が 生じると、横突起４２は後方へ変位し、横突起４０は前方へ変位する。頂部椎骨 ３４のこの「回転」は矢印５６の方向に生じる。回転後の頂部椎骨３４の脊柱側 湾形状５８を実線で示す。ＴＳＲＨ技術に従って側湾脊柱３０を処置するとき、 減捻ロッド４４はレンチ５０により第１図の矢印５２の方向へ回転せしめられ、 減捻ロッド４４の湾曲部を９０度の角度だけ後方へ移動させる。この位置を第３ 図に示す。減捻ロッド４４の回転により、横湾曲３２が凹側３８の方向へ引っ張 られ、脊柱を真っすぐにする。減捻ロッドの湾曲部を９０度の角度だけ後方へ移 動させると、側湾脊柱の凹側が後方へ引っ張られる。 更に第４図を参照すると、減捻ロッド４４を回転させる前の頂部椎骨３４の脊 柱側湾形状５８を一点鎖線で示し、この状態では、横突起４２は後方に変位して おり、横突起４０は前方に変位している。減捻ロッド４４を９０度の角度だけ後 方へ回転させると、横湾曲３２の量は減少する。しかし、第４図を参照すると、 頂都椎骨３４を表す実線は処置後の形状６０を示し、いかにして横突起４２が後 方へ変位し横突起４０が前方へ変位し続けるかを示す。第４図はまた、いかにし て凹側３８が矢印６２の方向（後方方向）へ引っ張られ、脊柱後湾が脊柱に再導 入されるかをも示す。残念ながら、ＴＳＲＨ技術は頂部椎骨３４の回転を殆ど減 少させることができない。 第５、６、７図を参照すると、本発明においては、脊柱の減捻は、減捻ロッド ４４の回転中に、側湾脊柱３０の凸側３６に前方方向の力を作用させることによ り、達成される。この「減捻」力は側湾脊柱３０の凸側３６に手を加えることな く提供される。処置中に手を加える数が少なくなれば、脊髄の損傷の危険性がそ れだけ減少する。本発明の方法は頂部椎骨３４及びこれに隣接する椎骨の有効な 減捻を達成できる。本発明の方法は、減捻ロッドに固定される工具を使用し、力 付与ロッド又は力付与ロッドに取り付けられる手段を含む。力付与ロッドは、Ｔ ＳＲＨ技術を使用して減捻ロッドを回転させている期間中、側湾脊柱の凸側に前 方方向の外力を作用させるために使用される。本発明の方法を詳説する前に、工 具６４を以下に説明する。 第８図を参照すると、本発明に係る工具６４は一対のプライヤ又は一対のはさ みに似ている。上述のように、工具６４は減捻ロッド及び、この減捻ロッドの回 転中に側湾脊柱の凸側に力を作用させるために使用される力付与ロッドに固定さ れるようになっている。工具６４は２つの細長いアーム部材６６、６８を有する 。第１の細長いアーム部材６６はハンドル７０と、ノーズ部７２と、ネック部７ ４とを有する。ハンドル７０は肘部７６によりネック部７４に連結される。肘部 ７６はハンドル７０とネック部７４との間に鈍角を形成する。ネック部７４の他 端は別の肘部７８によりノーズ部７２に取り付けられる。肘部７８はノーズ部７ ２とネック部７４との間に鈍角を形成する。第２の細長いアーム部６８は第１の 細長いアーム部６６に対して鏡面対称となっている。第２の細長いアーム部６８ は、第１の細長いアーム部６６のハンドル７０、ノーズ部７２、ネック部７４、 肘部７６及び肘部７８と実質上同一のハンドル８０、ノーズ部８２、ネック部８ ４、肘部８６及び肘部８８を有する。 ネック部７４、８４は枢点９０において相互に枢着されている。従って、第１ の細長いアーム部６６は一対のプライヤのように第２の細長いアーム部６８に枢 着される。一対のプライヤと同様に、ハンドル７０、８０を互いに近づけたとき には、ノーズ部７２、８２間の距離は減少する。逆に、ハンドル７０、８０間の 距離が増大したときには、ノーズ部７２、８２間の距離も増大する。第８図の実 施例においては、ハンドル７０、８０、ネック部７４、８４及びノーズ部７２、 ８２は実質上管状である。細長いアーム部材６６、６８間の第８図に示す枢点９ ０は舌片／溝枢着構造となっている。細長いアーム部材６８はその中心を通って 機械加工されたチャンネル９２を有する。細長いアーム部材６６は狭い舌片部分 ９４を有し、この舌片部分はチャンネル９２内に収容され、チャンネル９２に垂 直な方向に各アーム部材を貫通するピボットピンによりチャンネルに回転可能に 取り付けられる。これは枢着構造９０の単なる一例にすぎず、他の型式の枢着構 造を使用できることは言うまでもない。 図示の実施例においては、把持を容易にする模様がハンドル７０、８０に設け てある。 調整ボルト９６は肘部７６に隣接してハンドル７０に固定してある。調整ボル ト９６はハンドル７０に垂直に延び、肘部８６に隣接してハンドル８０を貫通す る。調整ボルト９６はネジ部９８を有し、内側調整ナット１００及び外側調整ナ ット１０２を担持する。内側調整ナット１００及び外側調整ナット１０２はハン ドル８０の両側に位置する。ハンドル８０とハンドル７０との間の間隔は内側調 整ナット１００及び外側調整ナット１０２の位置により調整できる。更に、内側 調整ナット１００及び外側調整ナット１０２はハンドル７０、８０の相対位置を 固定するために使用できる。もちろん、これにより、ノーズ部７２、８２間の距 離も固定される。 更に第９、１０図を参照すると、図示の実施例においては、ノーズ部７２、８ ２は結合部材１０４、１０６をそれぞれ具備する。結合部材１０４はシャフト１ ０８と、２つの離間したチップ１１０とを有する。結合部材１０４はチップ１１ ０からシャフト１０８を離間させるチャンネル１１２を有する。チャンネル１１ ２は減捻ロッド４４を回転可能に収容するような寸法を有する。チップ１１０は アイボルト１１６を通過させるのに十分な距離だけ離間している。アイボルト１ １６は立方体状の本体１１８を有し、この本体はその対向面１２２、１２４を貫 通するボア１２０を具備する。ボア１２０は減捻ロッド４４を回転可能に収容す るような寸法を有する。ネジボルト１２８は面１２２、１２４を連結するアイボ ルト１１６の表面１２６から延びている。ボルト１２８はナット１３０を受け入 れるが、このナットはチップ１１０間を通過できないような寸法を有する。アイ ボルト１１６をチップ１１０とシャフト１０８との間に位置決めしたとき、ボア １２０がチャンネル１１２と整合し、ボルト１２８はチップ１１０間を延びる。 ナット１３０をボルト１２８上に螺入したとき、アイボルト１１６の本体１１８ は結合部材１０４のチップ１１０の内表面の方へ引っ張られる。本体１１８及び ボルト１２８は、減捻ロッド４４を自由に回転できるようにした状態でアイボル ト１１６を結合部材１０４に固定するような寸法を有する。 第９、１０図に示す実施例においては、ノーズ部８２は、結合部材１０４と同 一で、力付与ロッド１３２を固定するための結合部材１０６を有する。力付与ロ ッド１３２は減捻ロッド４４と実質上同じ直径を有するが、減捻ロッド４４より 実質上短い。 第１１図を参照すると、別の実施例においては、工具１３４は工具６４とほぼ 同じであるが、相違点は、ノーズ部１３８に対向するノーズ部１３６が力付与ロ ッド１３２を下から受け入れるように下向きに開いた逆向きの結合部材１４０を 有することである。逆向きの結合部材１４０を有する工具１３４は、力付与ロッ ド１３２を結合部材１４０に独立に固定する必要なしに、力付与ロッド１３２に 前方の力を作用させることができる。 第５、６、７、９図を参照すると、上述の工具６４は、後述のように、本発明 の方法を実施するために使用できる。まず、普通の技術に従ってＴＳＲＨ装置を 側湾脊柱３０に装着しなければならない。その後、第１０図に関連して説明した アイボルト１１６と組み合わせて結合部材１０４を使用することにより、工具６ ４を減捻ロッド４４に取り付ける。工具６４を減捻ロッド４４に回転可能に取り 付けた後、力付与ロッド１３２を結合部材１０６に固定する。代わりに、工具６ ４を減捻ロッド４４に固定する前に、力付与ロッド１３２を結合部材１０６に固 定してもよい。力付与ロッド１３２は凸側３６における側湾脊柱３０の横湾曲３ ２に適合する湾曲部を有する。結合部材１０４、１０６間の間隔は調整ボルト９ ６、内側調整ナット１００及び外側調整ナット１０２を用いて調整し、力付与ロ ッド１３２を横突起４２上に配置する。工具６４を減捻ロッド４４に固定した後 、レンチ５０により減捻ロッド４４を矢印１４４の方向へ回転させる。工具６４ を手動で矢印１４６の方向へ偏倚し、側湾脊柱３０の凸側３６に前方の力を作用 させる。この力により、横突起４２が前方方向へ押され、側湾脊柱の減捻を達成 させる。 特に第７図を参照すると、頂部椎骨３４を表す一点鎖線は第４図の一点鎖線と 同じ脊柱側湾位置１５８を示す。第７図の実線は本発明の方法及び工具による処 置後の頂部椎骨３４の処置済み位置１６０を示す。矢印１４８は頂部椎骨３４の 変位及び減捻の方向を示す。側湾脊柱３０の減捻後の減捻ロッド４４と工具６４ との相対位置は第６図に示す。第７図は、本発明の方法及び工具により、脊柱の 横湾曲を減少させつつ、頂部椎骨３４及びこれに隣接する椎骨の減捻がいかにし て達成できるかを示す。 本発明の方法及び工具によれば、側湾脊柱の凸側に前方の力を作用させること ができ、脊柱の減捻を有効に達成できると共に側湾脊柱の横湾曲を減少させるこ とができる。本発明の方法及び工具を用いれば、医師は従米達成できなかった減 捻を達成することができる。本発明の方法及び工具は既存の技術に比してユニー クであり、ある程度の訓練させすれば、医師は容易に使用できる。 以上、好ましい実施例につき本発明を説明したが、本発明の要旨を逸脱するこ となく種々の変形が可能であることは言うまでもない。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｈ Ｕ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＧ ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ， ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＫ，ＵＡ，ＵＳ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 凸側と凹側とを有する側湾脊柱の回転変形を減少させる方法において、 複数のフックを用いて脊柱側湾形状と脊柱後湾形状とを有する減捻ロッドを側 湾脊柱に連結する連結工程と； 上記減捻ロッドを上記脊柱側湾形状から上記脊柱後湾形状へ回転させる回転工 程と； 上記回転工程中に側湾脊柱の凸側に前方方向の力を作用させることにより側湾 脊柱の回転変形を減少させる減少工程と； から成ることを特徴とする方法。 ２． 請求の範囲第１項に記載の方法において、上記連結工程の後に、上記回転 工程中に側湾脊柱の凸側に前方方向の力を作用させる工具を上記減捻ロッドに固 定する工程を更に有することを特徴とする方法。 ３． 請求の範囲第２項に記載の方法において、上記減少工程が、上記回転工程 中に側湾脊柱の凸側を前方方向に変位させる工程を更に有することを特徴とする 方法。 ４． 請求の範囲第３項に記載の方法において、上記回転工程中、上記減捻ロッ ドが回転する方向とは反対の方向へ上記工具を手動で偏倚させることを特徴とす る方法。 ５． 側湾脊柱の回転変形を減少させるために、側湾脊柱の凹側に取り付けた減 捻ロッドの回転中に、側湾脊柱の凸側に前方方向の力を作用させるための工具に おいて、 第１ハンドル端部と、この第１ハンドル端部に対向する第１ノーズ端部と、こ れら第１ハンドル端部及び第１ノーズ端部を連結する第１ネック部とを有する第 １アーム部材； 第２ハンドル端部と、この第２ハンドル端部に対向する第２ノーズ端部と、こ れら第２ハンドル端部及び第２ノーズ端部を連結する第２ネック部とを有する第 ２アーム部材； 上記第１ネック部を上記第２ネック部に装着する枢着連結手段； 上記第１ノーズ端部に固定され、上記第１アーム部材を上記減捻ロッドに固定 するための第１結合部材；及び 上記第２ノーズ端部に固定され、上記第２アーム都材を力付与ロッドに固定す るための第２結合部材； から成ることを特徴とする工具。 ６． 請求の範囲第５項に記載の工具において、上記第１結合部材が上記減捻ロ ッドを受け入れるためのチャンネルと、２つの離間したフィンガとを有すること を特徴とする工具。 ７． 請求の範囲第５項に記載の工具において、上記第１アーム部材に固定され 、上記第２アーム部材に摺動係合する調整ボルトを更に備え、上記調整ボルトが 内側調整ナット及び外側調整ナットを担持し、これら内側調整ナット及び外側調 整ナットが当該第２アーム部材の両側に位置することを特徴とする工具。 ８． 請求の範囲第５項に記載の工具において、上記第１アーム部材及び上記第 ２アーム部材がはさみ型式で互いに枢着連結されていることを特徴とする工具。 ９． 請求の範囲第８項に記載の工具において、上記枢着連結が舌片／溝枢着構 造から成ることを特徴とする工具。 １０． 側湾脊柱の回転変形を減少させるために、側湾脊柱の凹側に取り付けた 減捻ロッドの回転中に、側湾脊柱の凸側に前方方向の力を作用させるための工具 において、 第１ハンドル端部と、この第１ハンドル端部に対向する第１ノーズ端部と、こ れら第１ハンドル端部及び第１ノーズ端部を連結する第１ネック部とを有する第 １アーム部材； 第２ハンドル端部と、この第２ハンドル端部に対向する第２ノーズ端部と、こ れら第２ハンドル端部及び第２ノーズ端部を連結する第２ネック部とを有する第 ２アーム部材； 上記第１ネック部を上記第２ネック部に装着する枢着連結手段； 上記第１ノーズ端部に固定され、上記第１アーム部材を上記減捻ロッドに固定 するための第１結合部材；及び 上記第２ノーズ端部に固定された力付与ロッド； から成ることを特徴とする工具。 １１． 請求の範囲第１０項に記載の工具において、上記第１結合部材が上記減 捻ロッドを受け入れるためのチャンネルと、２つの離間したフィンガとを有する ことを特徴とする工具。 １２． 請求の範囲第１０項に記載の工具において、上記第１アーム部材に固定 され、上記第２アーム部材に摺動係合する調整ボルトを更に備え、上記調整ボル トが内側調整ナット及び外側調整ナットを担持し、これら内側調整ナット及び外 側調整ナットが当該第２アーム部材の両側に位置することを特徴とする工具。 １３． 請求の範囲第１０項に記載の工具において、上記力付与ロッドが側湾脊 柱の凸側の輪郭に適合する輪郭を有することを特徴とする工具。 １４． 請求の範囲第１０項に記載の工具において、上記第１アーム部材及び上 記第２アーム部材がはさみ型式で互いに枢着連結されていることを特徴とする工 具。 １５． 請求の範囲第１４項に記載の工具において、上記枢着連結が舌片／溝枢 着構造から成ることを特徴とする工具。