JPH09510436A - 新規なクリプトフィシン類 - Google Patents

新規なクリプトフィシン類

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JPH09510436A JP7517579A JP51757995A JPH09510436A JP H09510436 A JPH09510436 A JP H09510436A JP 7517579 A JP7517579 A JP 7517579A JP 51757995 A JP51757995 A JP 51757995A JP H09510436 A JPH09510436 A JP H09510436A
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ディー. スミス,チャールズ
エム.エル. パターソン,グレゴリー
エル. ムーベリー,スーザン
エイチ. コルベット,トーマス
エイ. ヴァレリオッテ,フレデリック
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ユニバーシティー オブ ハワイ
ウェイン ステイト ユニバーシティー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は構造(I)を有する新規なクリプトフィシン化合物を提供する。本発明はまた、ラン藻(シアノバクテリア)のNostoc sp.からクリプトフィシンを生産する方法を提供する。新規なクリプトフィシンを含有する医薬組成物も本発明によって提供され、また、クリプトフィシンを用いて高増殖性細胞の増殖を抑制する方法も提供される。本発明はさらに、クリプトフィシンを用いて薬剤耐性表現型を有する高増殖性細胞の増殖を抑制する方法、および新生物のごとき病的状態を治療する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規なクリプトフィシン類発明の背景 細胞成長の正常なコントロールを受けない細胞の増殖に特徴がある新生物形成 疾患はヒトの主な死亡原因となっている。癌化学療法の臨床治験は、こうした疾 患を治療するためにより一層効能のある新薬が望まれていることを明らかにした 。また、このような臨床治験は、細胞骨格の微小管系を破壊する薬剤が新生物細 胞の増殖を抑制する上で効果的であり得ることを明らかにした。 真核細胞の微小管系は細胞骨格の主要構成成分であり、集合および分解の動的 状態にある。すなわち、チューブリンのヘテロ二量体が重合して微小管を形成す る。これらの微小管は細胞構築、代謝および分裂の調節において重要な役割を担 っており、それらの動的な性質が細胞の正常な機能にとって不可欠である。例え ば、細胞分裂に関して、微小管が作られると、つまりチューブリンから重合され ると、紡錘体が形成される。紡錘体が使用された後で、その中に含まれる微小管 が脱重合を起こす。細胞内での微小管の重合または脱重合のどちらかを破壊する ことは有糸分裂を阻害し、ひいては細胞増殖を抑制することができる。 細胞の微小管の動的状態を阻止することによって細胞が増殖するのを妨げる薬 剤は、細胞の異常に速い増殖速度に特徴がある疾患すなわち癌の治療に有効であ ろう。実際、今日では、こうした薬剤が臨床上使用されている最も有効な癌化学 療法剤の一部を成している。 抗有糸分裂薬または毒物はその分子作用機構に基づいて3つのグループに分類 される。コルヒチンおよびコルセミドを含む第一のグループは、チューブリンを 封鎖することによって微小管の形成を阻害する。第二のグループはビンブラスチ ンやビンクリスチンを含むもので、チューブリンの準結晶質凝集物の形成を誘導 する。これら2種類の薬剤の作用は紡錘体の微小管を破壊することによって高増 殖性細胞の増殖を優先的に抑制する。タキソールを含む第三のグループはチュー ブリンの重合を促進し、それにより微小管の重合および脱重合の動的状態を混乱 させるものである。 しかしながら、ある薬剤が抗有糸分裂毒物としての活性を有することは、その 薬剤が腫瘍細胞においてそのような活性を示すという結論には至らず、また薬剤 耐性表現型を有する腫瘍細胞においても同様である。例えば、ビンブラスチンや ビンクリスチンのようなツルニチニチソウのアルカロイドはいくつかの新生物細 胞および腫瘍に対して有効であるが、ある種の薬剤耐性腫瘍および細胞に対する 活性は持ち合わせていない。薬剤耐性(DR)または多剤耐性(MDR)を示す 新生物細胞の1つの基準は、P−グリコプロテインを過剰に発現するということ である。P−グリコプロテインの輸送にとって適さない基質化合物は、このよう なMDR表現型を回避する上で有効であろう。 従って、多くの腫瘍細胞によるDRまたはMDR表現型の顕示ならびに新生物 細胞に対する抗微小管薬の臨床的に証明された作用機序からすると、非薬剤耐性 新生物細胞に対して細胞毒性を示すばかりか、薬剤耐性表現型を有する新生物細 胞に対しても細胞毒性を示す抗微小管薬の開発が必要となろう。背景技術 ネンジュモ(Nostoc)属のラン藻(シアノバクテリア)から単離された、または その単離物から合成された、所定のクリプトフィシン(cryptophycin)化合物すな わちジオキサ−ジアザシクロヘキサデセンテトロンは糸状真菌、特にアスペルギ ルス(Aspergillus)、ペニシリウム(Penicillium)およびフォーマ(Phoma)種、に 対する活性を有する抗真菌薬として同定された。しかし、それらの作用機序は不 明である。5つのクリプトフィシン化合物(ここではクリプトフィシン1、3、 5、13および15と称する)が米国特許第4,946,835 号、第4,845,085 号、第 4,845,086 号および第4,868,208 号に記載されており、こうした化合物はMB5357 と呼ばれるNostoc sp.株から単離されたものであるか、あるいはこのような単 離化合物から合成されたものであった。発明の概要 本発明は、次の構造: 〔式中、 R1はH、OH、ハロゲン、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基 または低級アルキル基であり; R2はH、OH、トン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基または低級ア ルキル基であり;または R1とR2は一緒になってエポキシド環、アジリデン環、スルフィド環またはC10 とC11の間に第二結合を形成することができ;または R1とR4は一緒になってテトラヒドロフラン環を形成することができ; R3はHまたは低級アルキル基であり; R4はOH、低級アルカノイルオキシ基または低級α−ヒドロキシアルカノイ ルオキシ基であり; R5はHまたはOH基であり; R6はHであり;または R5とR6は一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成することができ; R7はベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、ハロヒドロキシベ ンジル、ジハロヒドロキシベンジル、ハロメトキシベンジルまたはジハロメトキ シベンジル基であり; R8はOH、低級β−アミノ酸(C1がβ−アミノ酸のNに結合される)または エステル化された低級β−アミノ酸(C1がエステル化低級β−アミノ酸基のN に結合される)であり; R4とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができ;または R5とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができる; ただし、 R2がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR1はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR2はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、R2がOH、R3がメチル、R5とR6が一緒になってC5とC6 の間に第二結合を形成し、R4とR8が一緒になって次の構造X: (ここで、XのO1はR4に対応し、XのN8はR8に対応し、R9はメチル 、そしてR10はイソブチルである)を有するジデプシペプチド基を形成するとき 、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではなく; R1とR2が一緒になってエポキシド環を形成し、R3がメチル、R5とR6 が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R4とR8が一緒になって構造 X(R9はメチル、そしてR10はイソブチル)を有するジデプシペプチド基を形 成するとき、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではなく; R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチ ル、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R4とR8が一緒 になって構造X(R9はメチル、そしてR10はイソブチル)を有するジデプシペ プチド基を形成するとき、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではなく; そして R1とR2が一緒になってエポキシド環を形成し、R3がメチル、R5とR6 が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R4がロイシン酸のカルボキ シ末端に結合しており、そしてR8が3−アミノ−2−メチルプロピオン酸また は3−アミノ−2−メチルプロピオン酸メチルエステルの窒素末端に結合してい るとき、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではない〕 を有する新規なクリプトフィシン化合物を提供する。 さらに、本発明は、ラン藻(シアノバクテリア)のNostoc sp.から新規および 既知のクリプトフィシン化合物を生産する方法を提供する。新規なクリプトフィ シン化合物を含有する医薬組成物も本発明によって提供され、また、新規および 既知のクリプトフィシン化合物を用いて正常および高増殖性の哺乳動物細胞の増 殖を抑制する方法も提供される。本発明はまた、新規および既知のクリプトフィ シン化合物を用いて薬剤耐性表現型を有する高増殖性の哺乳動物細胞(多剤耐性 表現型を有するものを含む)の増殖を抑制する方法を提供する。さらに、新規お よび既知のクリプトフィシン化合物を用いて新生物のごとき病的状態を治療する 方法が本発明によって提供される。図面の簡単な説明 図1は、本発明の所定のクリプトフィシン化合物の一般構造ならびに所定の態 様におけるヒドロキシ酸単位AとDおよび2つのアミノ酸単位BとCのナンバリ ング方式を示したものである。 図2は、ジャーカット細胞の増殖および細胞周期の進行に及ぼすクリプトフィ シン化合物とビンブラスチンの影響をグラフで表したものである。ジャーカット 細胞を表示濃度のクリプトフィシン化合物(A)またはビンブラスチン(B)と ともに24時間インキュベートした。各サンプルにつき、生存細胞の数(■)お よび分裂指数(□)を「実験」の項に記載したとおりに測定した。数値は同様の 3実験のうちの1つに含まれる3通りのサンプルの平均±標準偏差(sd)を表 す。 図3は、細胞増殖に及ぼすビンブラスチン、クリプトフィシンおよびタキソー ルの影響の可逆性をグラフで表したものである。時間=0にSKOV3細胞を0 .1nMのビンブラスチン(□)、0.1nMのクリプトフィシン(■)または 1 害した。24時間後、細胞を洗い、薬剤不含培地で表示時間インキュベートした 。細胞密度は「実験」の項に記載したスルホローダミンB(SRB)染色により 測定し、3実験のうちの1つに含まれる3通りのサンプルの560nmでの吸光 度を平均±sdとして表した。 図4は、細胞増殖に及ぼすビンブラスチンおよびクリプトフィシンの組合せ効 果のイソボログラム(Isobologram)を示す。SKOV3細胞をビンブラスチン( 0〜600pM)および/またはクリプトフィシン(1〜100pM)で48時 間処理した。その後、細胞数を「実験」の項に記載したSRB染色により測定し て、IC50(■)およびビンブラスチンおよびクリプトフィシン化合物の組合 均を表す。発明の詳細な説明 本発明は、次の構造: 〔式中、 R1はH、OH、ハロゲン、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基 または低級アルキル基であり; R2はH、OH、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基または低級 アルキル基であり;または R1とR2は一緒になってエポキシド環、アジリデン環、スルフィド環またはC10 とC11の間に第二結合を形成することができ;または R1とR4は一緒になってテトラヒドロフラン環を形成することができ; R3はHまたは低級アルキル基であり; R4はOH、低級アルカノイルオキシ基または低級α−ヒドロキシアルカノイ ルオキシ基であり; R5はHまたはOH基であり; R6はHであり;または R5とR6は一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成することができ; R7はベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、ハロヒドロキシベ ンジル、ジハロヒドロキシベンジル、ハロメトキシベンジルまたはジハロメトキ シベンジル基であり; R8はOH、低級β−アミノ酸(C1がβ−アミノ酸のNに結合される)または エステル化された低級β−アミノ酸(C1がエステル化低級β−アミノ酸基のN に結合される)であり; R4とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができ;または R5とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができる; ただし、 R2がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR1はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR2はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、R2がOH、R3がメチル、R5とR6が一緒になってC5とC6 の間に第二結合を形成し、R4とR8が一緒になって次の構造X: (ここで、XのO1はR4に対応し、XのN8はR8に対応し、R9はメチル 、そしてR10はイソブチルである)を有するジデプシペプチド基を形成するとき 、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではなく; R1とR2が一緒になってエポキシド環を形成し、R3がメチル、R5とR6 が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R4とR8が一緒になって構造 X(R9はメチル、そしてR10はイソブチル)を有するジデプシペプチド基を形 成するとき、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではなく; R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチ ル、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、 R4とR5が一緒になって構造X(R9はメチル、そしてR10はイソブチル )を有するジデプシペプチド基を形成するとき、R7は3−クロロ−4−メトキ シベンジルではなく;そして R1とR2が一緒になってエポキシド環を形成し、R3がメチル、R5とR6 が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R4がロイシン酸のカルボキ シ末端に結合しており、そしてR8が3−アミノ−2−メチルプロピオン酸また は3−アミノ−2−メチルプロピオン酸メチルエステルの窒素末端に結合してい るとき、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではない〕 を有する新規なクリプトフィシン化合物を提供する。 本発明はさらにC2、C8、C9、C10およびC11に結合された基の少なくとも 1つがR立体化学を有するクリプトフィシン化合物を提供する。本発明の別の態 様では、C2、C8、C9、C10およびC11に結合された基の少なくとも1つがS 立体化学を有する。 本発明は、さらに、上記式において、R4またはR5がR8と一緒になるときに 形成されるジデプシペプチドの構造が下記構造X: [式中、XのO1はR4またはR5に対応し、XのN8はR8に対応し、R9はHまた は低級アルキル基であり、R10はHまたは低級アルキル基である。]であるクリ プトフィシンを提供する。 本明細書で使用する「低級β−アミノ酸」は、3〜8個の炭素原子を有するβ −アミノ酸を意味し、直鎖および非直鎖炭化水素を含み、例えば、3−アミノ− 2−メチルプロピオン酸が挙げられる。本明細書で使用する「エステル化低級β −アミノ酸」は、3〜5個の炭素原子を有し、カルボン酸基の水素がメチル基で 置換されているβ−アミノ酸を意味し、例えば、3−アミノ−2−メチルプロピ オン酸メチルエステルが挙げられる。本明細書で使用する「低級アルカノイルオ キシ基」は、炭素数1〜7のアルカノイルオキシ基を意味し、直鎖および非直鎖 炭化水素を含む。本明細書で使用する「低級α−ヒドロキシアルカノイルオキシ 基」は、炭素数2〜7のα−ヒドロキシアルカノイルオキシ基を意味し、直鎖お よび非直鎖炭化水素を含み、例えば、2−ヒドロキシ−4−メチル吉草酸が挙げ られる。 本明細書で使用する「低級アルコキシル基」は、1個の酸素原子に炭素数1〜 5のアルキル基が結合した基を意味する。本明細書で使用する「低級アルキル基 」は炭素数1〜5のアルキル基を意味し、直鎖および非直鎖炭化水素を含む。 本明細書で使用する「エポキシド環」は、骨格が2個の炭素原子および1個の 酸素原子から成る3員環を意味する。本明細書で使用する「アジリジン環」は、 骨格が2個の炭素原子および1個の窒素原子から成る3員環を意味する。本明細 書で使用する「スルフィド環」は、骨格が2個の炭素原子および1個の硫黄原子 から成る3員環を意味する。 本明細書で使用する「ハロゲン」は、歴史上ハロゲンとして知られる周期表上 の族の原子を意味する。ハロゲン化法としては、それらに限定されないが、ハロ ゲン化水素の付加、高温での置換、フォハロゲネーション(phohalogenatin)な どが挙げられ、そのような方法は、当業者には公知である1,2。 本発明の新規クリプトフィシン化合物の一例は、R1およびR2が一緒になって エポキシド基を形成し、R3がメチルであり、R5およびR6が一緒になってC5お よびC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7が4−メトキ シベンジルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9はメチルであり、 R10はイソブチルである。)を有するジデプシペプチドを形成する場合である。 このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン 2)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物の別の例は、R1およびR2が一緒になっ てC10およびC11の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R3が メチルであり、R5およびR6が一緒になってC5およびC6の間に二重結合が存在 するように第二の結合を形成し、R7が4−メトキシベンジルであり、R4および R8が一緒になって構造X(R9はメチルであり、R10はイソブチルである。)を 有するジデプシペプチドを形成する場合である。このクリプトフィシン化合物( クリプトフィシン 4)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR4が一緒 になってテトラヒドロフラン環を形成し、R2がOH基であり、R3がメチルであ り、R5およびR6が一緒になってC5およびC6の間に二重結合が存在するように 第二の結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルであり、R8が( 2−カルボメトキシプロピル)アミノ基である場合である。このクリプトフィシ ン化合物(クリプトフィシン 6)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR4が一緒 になってテトラヒドロフラン環を形成し、R2およびR8がOH基であり、R3が メチルであり、R5およびR6が一緒になってC5およびC6の間に二重結合が存在 するように第二の結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルであ る場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン 7)の構造は次 の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1がクロロであり 、R2がOH基であり、R3がメチルであり、R5およびR6が一緒になってC5お よびC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7が3−クロロ −4−メトキシベンジルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9はメ チルであり、R10はイソブチルである。)を有するジデプシペプチドを形成する 場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン 8)の構造は次の 通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1がメトキシ基で あり、R2がOH基であり、R3がメチルであり、R5およびR6が一緒になってC5 およびC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7が3−ク ロロ−4−メトキシベンジルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9 はメチルであり、R10はイソブチルである。)を有するジデプシペプチドを形成 する場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン 9)の構造は 次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1がメトキシ基で あり、R2およびR4がOH基であり、R3がメチルであり、R5およびR6が一緒 になってC5およびC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7 が3−クロロ−4−メトキシベンジルであり、R8が(2−カルボキシプロピル )アミノ基である場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン 10)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR4が一緒 になってテトラヒドロフラン環を形成し、R2がOH基であり、R3がメチルであ り、R5およびR6が一緒になってC5およびC6の間に二重結合が存在するように 第二の結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルであり、R8が( 2−カルボキシプロピル)アミノ基である場合である。このクリプトフィシン化 合物(クリプトフィシン12)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってC10およびC11の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、 R3がメチルであり、R4がOH基であり、R5およびR6が一緒になってC5およ びC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7が3−クロロ− 4−メトキシベンジルであり、R8が(2−カルボキシプロピル)アミノ基であ る場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン14)の構造は次 の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってエポキシド基を形成し、R3がメチルであり、R5およびR6が一緒にな ってC5およびC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7が 3−クロロ−4−ヒドロキシベンジルであり、R4およびR8が一緒になって構造 X(R9はメチルであり、R10はイソブチルである。)を有するジデプシペプチ ドを形成する場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン16) の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってC10およびC11の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、 R3がメチルであり、R5およびR6が一緒になってC5およびC6の間に二重結合 が存在するように第二の結合を形成し、R7が3−クロロ−4−ヒドロキシベン ジルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9はメチルであり、R10は イソブチルである。)を有するジデプシペプチドを形成する場合である。このク リプトフィシン化合物(クリプトフィシン17)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってC10およびC11の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、 R3がメチルであり、R5およびR6が一緒になってC5およびC6の間に二重結合 が存在するように第二の結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジ ルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9はメチルであり、R10は se c−ブチルである。)を有するジデプシペプチドを形成する場合である。このク リプトフィシン化合物(クリプトフィシン18)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってC10およびC11の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、 R3がメチルであり、R5およびR6が一緒になってC5およびC6の間に二重結合 が存在するように第二の結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジ ルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9はメチルであり、R10はイ ソプロピルである。)を有するジデプシペプチドを形成する場合である。このク リプトフィシン化合物(クリプトフィシン19)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってエポキシド基を形成し、R3がメチルであり、R5およびR6が一緒にな ってC5およびC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7が 3−クロロ−4−メトキシベンジルであり、R4およびR8が一緒になって構造X (R9は水素であり、R10はイソブチルである。)を有するジデプシペプチドを 形成する場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン21)の構 造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってエポキシド基を形成し、R3がメチルであり、R5およびR6が一緒にな ってC5およびC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7が 3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシベンジルであり、R4およびR8が一緒になっ て構造X(R9はメチルであり、R10はイソブチルである。)を有するジデプシ ペプチドを形成する場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシ ン23)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってエポキシド基を形成し、R3がメチルであり、R5およびR6が一緒にな ってC5およびC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7が 4−メトキシベンジルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9は水素 であり、R10はイソブチルである。)を有するジデプシペプチドを形成する場合 である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン24)の構造は次の通り である。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってC10およびC11の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、 R3がメチルであり、R4がヒドロキシであり、R6が水素であり、R7が3−クロ ロ−4−メトキシベンジルであり、R5およびR8が一緒になって構造X(R9は メチルであり、R10はイソブチルである。)を有するジデプシペプチドを形成す る場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン26)の構造は次 の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってC10およびC11の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、 R3が水素であり、R5およびR6が一緒になってC5およびC6の間に二重結合が 存在するように第二の結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジル であり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9はメチルであり、R10はイソ ブチルである。)を有するジデプシペプチドを形成する場合である。このクリプ トフィシン化合物(クリプトフィシン28)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってC10およびC11の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、 R3がメチルであり、R5およびR6が一緒になってC5およびC6の間に二重結合 が存在するように第二の結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジ ルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9は水素であり、R10はイソ ブチルである。)を有するジデプシペプチドを形成する場合である。このクリプ トフィシン化合物(クリプトフィシン29)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってC10およびC11の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、 R3がメチルであり、R5がヒドロキシであり、R6が水素であり、R7が3−クロ ロ−4−メトキシベンジルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9は メチルであり、R10はイソブチルである。)を有するジデプシペプチドを形成す る場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン30)の構造は次 の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってエポキシド基を形成し、R3がメチルであり、R5およびR6が一緒にな ってC5およびC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7が 3,5−ジクロロ−4−メトキシベンジルであり、R4およびR8が一緒になって 構造X(R9はメチルであり、R10はイソブチルである。)を有するジデプシペ プチドを形成する場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン 31)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってエポキシド基を形成し、R3がメチルであり、R5が水素であり、R6が 水素であり、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルであり、R4およびR8が 一緒になって構造X(R9はメチルであり、R10はイソブチルである。)を有す るジデプシペプチドを形成する場合である。このクリプトフィシン化合物(クリ プトフィシン35)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってエポキシド基を形成し、R3が水素であり、R5およびR6が一緒になっ てC5およびC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7が3 −クロロ−メトキシベンジルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9 はメチルであり、R10はイソブチルである。)を有するジデプシペプチドを形成 する場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン40)の構造は 次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってC10およびC11の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、 R3がメチルであり、R5およびR6が一緒になってC5およびC6の間に二重結合 が存在するように第二の結合を形成し、R7が3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ シベンジルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9はメチルであり、 R10はイソブチルである。)を有するジデプシペプチドを形成する場合である。 このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン45)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってエポキシド基を形成し、R3がメチルであり、R5およびR6が一緒にな ってC5およびC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7が 3−クロロ−メトキシベンジルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9 はメチルであり、R10はプロピルである。)を有するジデプシペプチドを形成 する場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン49)の構造は 次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってC10およびC11の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、 R3がメチルであり、R5およびR6が一緒になってC5およびC6の間に二重結合 が存在するように第二の結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジ ルであり、R4およびR8が一緒になって構造X(R9はメチルであり、R10はプ ロピルである。)を有するジデプシペプチドを形成する場合である。このクリプ トフィシン化合物(クリプトフィシン50)の構造は次の通りである。 本発明の新規クリプトフィシン化合物のさらに別の例は、R1およびR2が一緒 になってエポキシド基を形成し、R3がメチルであり、R5およびR6が一緒にな ってC5およびC6の間に二重結合が存在するように第二の結合を形成し、R7が 3−クロロ−4−メトキシベンジルであり、R4およびR8が一緒になって構造X (R9はメチルであり、R10は sec−ブチルである。)を有するジデプシペプチ ドを形成する場合である。このクリプトフィシン化合物(クリプトフィシン54) の構造は次の通りである。 上記化合物のうち、クリプトフィシン 2、4 、16〜19、21、23、24、26、28〜 31、40、43、45、49、50および54は、培養したラン藻(ラン菌門)のNostoc sp. 株によって産生される代謝物であり、これらの化合物は次いでこの培養物から単 離される。クリプトフィシン 6および 7は、単離操作においてメタノールを含む 溶媒を使用する場合に得られる人工的に生成されたもの(artifacts)である。ク リプトフィシン 8、9 、10〜12、14および35は、これらの天然に得られる代謝物 の誘導体であって本出願の実験の項に記載された方法で化学的に修飾されており 、例示した化合物および例示していない化合物を得るための別の方法は当業者で あ れば利用できる方法である。 本発明は、Nostoc sp.株の培養によって上記クリプトフィシン化合物を製造す る方法を提供する。ラン藻(ラン菌門)の Nostoc sp.株の形態学的特徴は、米 国特許 No.4,946,835 号にあるように、それらが糸状であり、栄養細胞から成る ということである。より長い糸状菌では、時折、挿入位置に異質細胞が認められ る。アキネート(akinetes)は認められない。生殖は、ランダムな毛状体分裂の他 に連鎖体による。Nostoc sp.の同定の規準は、J.Gen.Micro.,111:1-61(1979 )に見ることができる。 本発明はさらに、Nostoc sp.が培養できること、および新規クリプトフィシン 代謝物が先に開示されたクリプトフィシン代謝物と同様にこの培養物から単離す ることができることを提供する。本発明の好ましい態様では、GSV 224 と命名さ れた Nostoc sp.が培養菌株であり、その培養物から下記構造によって表される 化合物が単離される。 [式中、R1はH、OH、ハロゲン、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキ シル基または低級アルキル基であり;R2はH、OH、ケトン基のO、NH2、S H、低級アルコキシル基または低級アルキル基であり;あるいはR1およびR2が 一緒になってエポキシド環、アジリデン環、スルフィド環またはC10およびC11 の間に第二結合を形成してもよく;あるいは、R1およびR4が一緒になってテト ラヒドロフラン環を形成することができ;R3はHまたは低級アルキル基であり ;R4はOH、低級アルカノイルオキシ基または低級α−ヒドロキシアルカノイ ルオキシ基であり;R5はHまたはOH基であり;R6はHであり;あるいはR5 およびR6が一緒になってC5およびC6の間に第二結合を形成して もよく;R7はベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、ハロヒドロ キシベンジル、ジハロヒドロキシベンジル、ハロメトキシベンジルまたはジハロ メトキシベンジル基であり;R8はOH、低級β−アミノ酸(C1はβ−アミノ酸 のNに結合する)またはエステル化低級β−アミノ酸(C1はエステル化低級β −アミノ酸基のNに結合する)であり;R4およびR8が一緒になって低級β−ア ミノ酸が低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合してなるジデプシペプチド基を形 成してもよく;あるいは、R5およびR8が一緒になって低級β−アミノ酸が低級 α−ヒドロキシアルカン酸に結合してなるジデプシペプチド基を形成してもよく ;ただし、R2がOH、ケトン基のO、NH2、SHである場合は、R1はH、低 級アルキル基または低級アルコキシル基のみである。] 本発明の好ましい態様では、上記方法によって単離されたクリプトフィシン代 謝物を化学的に修飾することによっても、この構造を有する独特の化合物が得ら れる。クリプトフィシン化合物を化学的に修飾して本発明の範囲内である別の化 合物を製造する方法は、当業者であれば利用できる方法である。さらに、本出願 の実験の項で、別の方法をさらに詳細に記載する。 本発明の新規クリプトフィシン化合物の他に、本発明は、先に開示されたクリ プトフィシンspecies :クリプトフィシン 1、3 、5 、13および15を含む上記構 造の新規製造法および使用法を提供する。これらの化合物の構造は次の通りであ る。 本発明は、また、クリプトフィシン化合物を製造するための Nostoc sp.株、 好ましくは Nostoc sp.GSV 224 に関する。そのために、Nostoc sp.の GSV 224 株は、特許手続上の微生物の国際的寄託に関するブタペスト条約に従って、AT CC(12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852 U.S.A.)の特許培養 物寄託機関に、ATCC受託番号 55483として1993年10月 7日に寄託した。他の Nostoc sp.株、特に、Merck and Co.によってATCC受託番号 53789として 先に寄託されたMB 5357 株は、本発明の実施への利用が考えられる菌株である。 他の微生物の場合と同様に、Nostoc sp.の特徴は変わることがある。例えば、 特定菌株の組換え体、変異体または突然変異体が、紫外線、X−線、γ−線およ びN−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジンなどの公知の種々の物理 的および化学的突然変異誘発物質による処理によって得られる可能性がある。特 定菌株の天然体ならびに誘発された変異体、突然変異体および組換え体は、クリ プトフィシン化合物を産生する特徴を保持したものであれば全て、クレームした 本発明の範囲内であるとする。 本発明のクリプトフィシン化合物は、適切な培地中、水中好気性条件下で実質 的に抗菌作用を生じるまで Nostoc sp.株を培養することによって製造すること ができる。固形培地上での表面増殖などの他の培養法もこれらの化合物の製造に 使用することができる。特定菌株の増殖に使用される培養培地は、多くの窒素お よび炭素源のいずれか一つならびに無機塩を含むことができ、それらは、当業者 には公知である。製造の経済性、最適な収量および産物の単離の容易さが、使用 すべき炭素源および窒素源を選択するときに考慮される因子である。培養培地に 含ませることができる栄養無機塩としては、鉄、カリウム、ナトリウム、マグネ シウム、カルシウム、アンモニウム、塩化物、炭化物、リン酸塩、硫酸塩、硝酸 塩などのイオンを生じることができる通常の可溶塩が挙げられる。 微生物の増殖および成長に必要な必須の微量元素も培養培地に含めるべきであ る。そのような微量元素は通常、微生物の増殖要件を満たすのに十分な量で培地 の他の構成成分中の不純物として生じる。起泡性が問題になる場合は、大規模培 養培地にポリプロピレングリコール(分子量約 2000)などの消泡剤を少量(すなわ ち 0.2 ml/l)添加するのが望ましいと考えられる。 かなりの量のクリプトフィシン化合物の製造には、タンクでの水中好気性培養 を使用することができる。少量であれば、振とうフラスコ培養によって得ること ができる。大きいタンクの微生物接種に通常関連する代謝物産生における時間の ずれのために、栄養接種物を使用するのが好ましい。栄養接種物は、体積の小さ い培養培地に栄養毛状体の断片または微生物の異質細胞含有形を接種して微生物 の活発に増殖する新鮮な培養物を得ることにより作られる。次いで、その栄養接 種物を大きいタンクに移す。栄養接種物に対して使用される培地は、より大きい 培養または発酵に使用されるものと同じにすることができるが、他の培地も使用 することができる。 微生物の増殖は、約 20 〜 30 ℃の温度および約 100〜200 μモル光子 m-2se c-1の入射照度(光合成的に活性な照射)で行うことができる。 この種の水中好気性培養方法では慣例であるように、培養培地に通気する無菌 空気流に添加することにより二酸化炭素ガスを培養物に導入する。クリプトフィ シン化合物を効率的に製造するには、二酸化炭素の割合を約 1%(24 ℃、1 気圧 )にすべきである。 公知文献、特に米国特許 No.4,946,835 号には、Nostoc sp.を培養する方法が 開示されており、その内容は参考文献として本明細書に添付する。 クリプトフィシン化合物の製造は、培養中に、これらの抗生物質に対して感受 性を有することが知られている微生物に対して培養基のサンプルをテストするこ とにより追跡する。有用なアッセイ微生物は Candida albicans である。 液体好気性培養条件下での製造の後、本発明のクリプトフィシン化合物を培養 物および培養培地から、当業者には周知の方法によって回収する。回収は一般に 、まず培養培地を濾過して藻細胞を分離し、次いで分離した細胞を凍結乾燥する ことにより行う。凍結乾燥した藻は、エタノール、メタノール、イソプロパノー ルまたはジクロロメタンなどの適切な溶媒で抽出することができる。クリプトフ ィシンは、この抽出物および培養培地を迅速な逆相カラムクロマトグラフィーに かけることにより分離することができる。クリプトフィシンは、逆相高性能液体 クロマトグラフィー(HPLC)によって精製することができる。 構造から明らかなように、クリプトフィシン化合物は、化学修飾可能な基を有 する。本発明の化合物群は、抗腫瘍活性を示すクリプトフィシンを意図している 。例えば、本発明で例示する誘導体は、図1のユニットAの C-7および C-8上の エポキシド酸素またはヒドロキシ基あるいはユニットBのロイシン酸基を有する 化合物を含む。所望の抗腫瘍活性を示す新規化合物および先に開示された化合物 のそのような誘導体は、クレームした本発明に含まれる。さらに、クリプトフィ シン化合物の構造および抗腫瘍活性の間の関係は、下記の実験の項に示す。 選択したクリプトフィシン化合物は、本発明の藻によって産生される代謝物で あることが知られているが、他のクリプトフィシン化合物、例えばクリプトフィ シン 8〜15は、当業者には周知である公知方法、例えば、米国特許 No.4,868,20 8 号、4,845,086 号および4,845,085 号(これらの内容は、参考文献として本明 細書に添付する。)に開示されている合成法を使用するか、または当業者には公 知の他の方法を使用して、代謝物から誘導することができる。さらに、本発明は 、実験の項で誘導体の製造法を提供する。 本発明の新規クリプトフィシン化合物および先に開示されたクリプトフィシン 化合物は、治療上、抗腫瘍剤として使用することができ、従って、腫瘍性疾患の 治療法に使用することができる。本明細書で使用する「腫瘍性」は異常増殖組織 である新生物に関し、そのような増殖は、細胞が通常の増殖制限を受けないで増 殖するために生じる。本明細書で使用する「抗腫瘍剤」は、細胞の腫瘍性表現型 を阻害し、除去し、増殖を遅らせ、または逆転させる化合物、組成物、混合物、 相互混合物またはブレンドである。 現在、癌の治療には、化学療法、手術、放射線療法、生物学的応答調節剤によ る治療および免疫療法が使用されている。各治療法は、当業者には周知の特異的 な指標を有し、ひとつまたは全ての治療法を使用して、腫瘍細胞の全破壊達成が 試みられる。本発明により、1種以上のクリプトフィシンを使用する化学療法が 提供される。さらに、クリプトフィシンを他の抗腫瘍剤と組み合わせて使用する 併用化学療法も本発明によって提供される。併用化学療法は、一般に、単一の抗 腫瘍剤を使用するよりも効果的である。すなわち、本発明の別の発明では、無毒 性付加塩を含む、上記治療効果の付与に役立つ、治療上有効な量の本発明の少な くとも1種のクリプトフィシン化合物を含む組成物を提供する。該組成物は、生 理学的に許容できる液体、ゲルまたは固体担体、希釈剤、アジュバントおよび賦 形剤とともに提供することができる。該担体、希釈剤、アジュバントおよび賦形 剤は、the United States Pharmacopeia Vol.XXII and National Formulary Vo l.XVII ,U.S.Pharmacopeia Convention,Inc.,Rockville,MD(1989)に見るこ とができ、その内容は参考文献として本明細書に添付する。別の治療法は、AHFS Drug Information, 1993 ed.by the American Hospital Formulary Service, pp.522-660 にあり、その内容は参考文献として本明細書に添付する。 本発明はさらに、腫瘍性疾患を治療するために使用する薬剤組成物が少なくと も1種のクリプトフィシン化合物および少なくとも1種の別の抗腫瘍剤を含むこ とを提供する。クリプトフィシンとともに使用することができる抗腫瘍化合物と しては、The Merck Index,11th ed.Merck & Co.,Inc.(1989)pp.Ther 16-1 7 にある化合物が挙げられる。該文献の内容は参考文献として本明細書に添付す る。本発明のさらに別の態様では、抗腫瘍剤が代謝拮抗物質であってもよく、例 えば、それらに限定されないが、メトトレキセート、5−フルオロウラシル、6 −メルカプトプリン、シトシンアラビノシド、ヒドロキシ尿素および2−クロロ デオキシアデノシンが挙げられる。本発明の別の態様では、意図する抗腫瘍剤が アルキル化剤であり、例えば、それらに限定されないが、シクロホスファミド、 メルファラン、ブスルファン、パラプラチン、クロラムブシルおよびナイトロジ ェンマスタードが挙げられる。本発明のさらに別の態様では、抗腫瘍剤が植物ア ルカロイドであり、例えば、それらに限定されないが、ビンクリスチン、ビンブ ラスチン、タキソールおよびエトポシドが挙げられる。本発明のさらに別の態様 では、意図する抗腫瘍剤が抗生物質であり、例えば、それらに限定されないが、 ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、マイトマイシンCおよ びブレオマイシンが挙げられる。本発明のさらに別の態様では、意図する抗腫瘍 剤がホルモンであり、例えば、それらに限定されないが、カルステロン、ジオモ スタボロン、プロピオネート、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラ クトン、タモキシフェン、リン酸ポリエストラジオール、酢酸メゲステロール、 フルタミド、ニルタミドおよびトリロタンが挙げられる。本発明のさらに別の態 様では、意図する抗腫瘍剤が酵素であり、例えば、それらに限定されないが、L −アスパラギナーゼまたはアミノアクリジン誘導体(これに限定されないが、ア ムサクリンが挙げられる)が挙げられる。別の抗腫瘍剤としては、Skeel,Rolan d T.,"Antineoplastic Drugs and Biologic Response Modifier: Classificati on,Use and Toxicity of Clinically Useful Agents,"Handbook of Cancer Ch emotherapy (3rd ed.),Little Brown & Co.(1991)にあるものが挙げられ、該 文献の内容は参考文献として本明細書に添付する。 これらの化合物および組成物は、家畜用などの獣医学用途に対して、およびヒ トにおける臨床用途に対して、他の治療剤と同様の方法で哺乳類に投与すること ができる。一般に、治療的効能に必要な用量は、用途の種類および投与法ならび に個々の患者の特筆事項に従って変わる。一般に、用量は約 0.001〜1000 mg/kg 体重、より一般的には 0.01 〜 10 mg/kg 体重である。あるいは、これらの範囲 内の用量は、通常は 24 時間を超える延長された時間にわたって、一定の輸液に より所望の治療効果が得られるまで投与することができる。実際、薬剤の用量お よび投与法は、相対的有効性、相対的毒性、腫瘍の増殖特性および細胞サイクル に対するクリプトフィシンの効果、薬剤の薬動力学、年齢、性別、患者の物理的 状態、ならびにこれまでの治療に基づいて選択しなければならない。 クリプトフィシン化合物は、別の抗腫瘍剤とともに、またはそれを含まないで 、天然形または塩の形として調合されて治療用組成物にすることができる。製剤 学的に許容されうる無毒性の塩としては、塩基性付加塩(遊離カルボキシル基ま たは他の陰イオン性基とともに形成される)があり、これは、例えばナトリウム 、カリウム、アンモニウム、カルシウムまたは水酸化鉄などの無機塩基およびイ ソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジ ン、プロカインなどの有機塩基から誘導することができる。そのような塩はまた 、遊離の陽イオン性基との酸付加塩として形成することもでき、一般に、例えば 塩酸またはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデリン酸 などの有機酸によって形成される。さらに本発明が提供する他の賦形剤は、当業 者が利用できるものであり、例えば、the United States Pharmacopeia Vol.XX II and National Formulary Vol XVII ,U.S.Phamacopeia Convention,Inc.,R ockville,MD(1989)に記載されているものが挙げられ、該文献は参考文献とし て本 明細書に添付する。 所定の治療組成物に含めるための特定の担体の適応性は、好ましい投与法に依 存する。例えば、抗腫瘍組成物は、経口投与用に作ることができる。そのような 組成物は、典型的には、液剤もしくは懸濁剤、または固形剤として作られる。経 口用組成物は通常、結合剤、フィラー、担体、保存剤、安定化剤、乳化剤、緩衝 剤および賦型剤などの普通使用される添加剤、および例えば製剤用のマンニトー ル、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セ ルロース、炭酸マグネシウムなどを含む。これらの組成物は、溶液、懸濁物、錠 剤、ピル、カプセル、徐放性組成物または粉末の形状をとり、典型的には、1%〜 95% の活性成分、好ましくは 2% 〜 70%の活性成分を含む。 本発明の組成物は、注射用として、液剤、懸濁液剤またはエマルジョン剤とし て作ることができ、注射前に液体溶液または懸濁液にするのに適した固形剤とし て作ってもよい。そのような注射用組成物は、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、 鞘内または胸膜腔内に投与することができる。活性成分は、しばしば、生理学的 に許容可能であり、活性成分と相溶性である希釈剤または賦形剤と混合する。適 する希釈剤および賦形剤は、例えば、水、生理的食塩水、デキストロース、グリ セロールなど、およびそれらの混合物である。さらに、所望により、組成物は、 湿潤剤または乳化剤、安定剤またはpH緩衝剤などの少量の補助物質を含むこと ができる。 本発明はさらに、哺乳類の細胞を、哺乳類の細胞の増殖を阻害するのに十分な 量のクリプトフィシン化合物と接触させることにより、哺乳類の細胞の増殖を阻 害するための、属構造によって包含されるクリプトフィシン化合物の使用方法を 提供する。好ましい態様は、高増殖性哺乳類細胞(hyperproliferative mammalia n cells)の増殖を阻害するための方法である。この発明に対して、「高増殖性哺 乳類細胞」は、増殖の特徴的制限、例えばプログラムされた細胞死(アポプトシ ス)を受けない哺乳類細胞である。さらに好ましい態様は、哺乳類細胞がヒトで ある場合である。本発明はさらに、哺乳類細胞の少なくとも1種のクリプトフィ シン化合物および少なくとも1種の別の抗腫瘍剤との接触を提供する。意図する 抗腫瘍剤の種類は、上記で開示したものと同じである。 本発明はさらに、高増殖性細胞を、高増殖性哺乳類細胞の増殖を阻害するのに 十分な量のクリプトフィシン化合物と接触させることにより、多剤耐性表現型を 有する細胞を含む薬剤耐性表現型を有する高増殖性細胞の増殖を阻害するための 、属構造によって包含されるクリプトフィシン化合物の使用方法を提供する。好 ましい態様は、哺乳類細胞がヒトの場合である。本発明はさらに、哺乳類細胞の クリプトフィシン化合物および少なくとも1種の別の抗腫瘍剤との接触を提供す る。意図する抗腫瘍剤の種類は、上記で開示したものと同じである。 本発明はさらに、有効量の上記製剤組成物を患者に投与して高増殖性細胞の増 殖を阻害することによる、高増殖性哺乳類細胞、例えば腫瘍によって誘発される 病的症状を軽減するための方法を提供する。本明細書で使用する「病的症状」は 、細胞増殖の通常の制限を受けない哺乳類細胞の増殖により生じる病状を意味す る。細胞のそのような増殖は新生物によると考えられ、新生物は、それらに限定 されないが、乳房腫、小型細胞肺腫、非小型細胞肺腫、結腸直腸腫、白血病、黒 色腫、中枢神経系(CNS)腫、卵巣腫、前立腺腫、軟組織または骨の肉腫、頭 および首の腫瘍、膵臓および食道を含む胃の腫瘍、胃の腫瘍、骨髄腫、膀胱腫、 腎腫、甲状腺およびリンパ腺を含む神経内分泌腫、非ホジキンおよびホジキン病 が挙げられる。本発明のさらに別の態様では、腫瘍性細胞がヒトである。本発明 はさらに、クリプトフィシンを他の抗腫瘍剤と同様に他の療法と組み合わせて使 用することにより、そのような病的症状を軽減する方法を提供する。そのような 療法および種々の新生物に対するそれらの適応性は、Cancer Principles and Pr actice of Oncology ,4th ed.,Editors DeVita,V.,Hellman,S.,and Rosenb erg.,S.,Lippincott Co.(1993)に記載されており、該文献の内容は参考文献 として本明細書に添付する。 本発明の開示において、クリプトフィシン化合物は、培養細胞の微小管構造を 効果的に破壊することが分かる。さらに、Vinca アルカロイドとは対照的に、ク リプトフィシン化合物は、薬物流出ポンプ P- 糖タンパクに対して良好な基質で はないと考えられる。クリプトフィシン 1は、GSV 224 と命名されたラン藻(ラ ン菌門)Nostoc sp.株における主要なクリプトフィシンであり、マウスに移植し た腫瘍に対して優れた活性を示す。この環状ジデプシペプチドは、以前に、Nost oc sp. ATCC受託番号 53787から抗菌剤として単離され、その全体構造は以 前に決定された。この潜在的に重要な薬剤の相対的および絶対的立体化学は、化 学およびスペクトル技術を組み合わせて使用することにより、本発明で確立され た。さらに 24 個のクリプトフィシン化合物、すなわちクリプトフィシン 2〜7 、 16 〜19、21、23、24、26、28〜31、40、43、45、49、50および54も GSV 224 から単離し、その全体構造および細胞毒性を調べた。いくつかの誘導体および分 解産物も、化学的および薬理的に記載する。 下記実施例は、本発明の好ましい態様および側面の説明を助けるものであり、 本発明の範囲を限定するものではない。実験 以下の実験の開示においては、特に断らない限り、重量は全てグラム(g)、ミ リグラム(mg)、マイクログラム(μg)、ナノグラム(ng)、ピコグラム(pg)または モル(mol)で示し、濃度は体積%(%)、モル(M)、ミリモル(mM)、マイクロモル( μM)、ナノモル(nM)またはピコモル(pM)、規定(N)で示し、体積は全てリットル( l)、ミリリットル(ml)またはマイクロリットル(μl)で示し、測定はミリメータ ー(mm)である。 下記実施例では、クリプトフィシン化合物の単離および合成ならびにそれらの 本発明に係る治療剤としての用途を説明する。 1000個を超えるラン藻(ラン菌門)の抽出物の抗腫瘍活性に対するスクリーニ ングにおいて、Nostoc sp.GSV 224の疎水性抽出物は細胞毒性が強いことが分か り3、ヒト鼻咽頭癌細胞系であるKBに対する最少阻害濃度(MICs)は0.24 ng/ml を示し、ヒト結腸直腸腺癌細胞株であるLoVoに対しては 6 ng/mlを示 した。より重要なことは、この抽出物が Corbettアッセイ4,5においてかなりの 腫瘍選択細胞毒性を示したということである。バイオアッセイでモニターした藻 抽出物の逆相クロマトグラフィーの結果、主にクリプトフィシン 1である画分と なった。これは、Nostoc sp.Merck 6,7の研究者らによって先にNostoc sp.A TCC 53789から単離され、Cryptococcus株に対して非常に活性であることが見 いだされた強力な殺真菌剤である。 クリプトフィシン 1はNostoc sp.GSV 224の粗藻抽出物の毒性活性のほとんど の原因であり、純粋な化合物は、KBおよびLoVoに対して各々 3 および5 pg/ml のIC50を示した。Corbett アッセイでは、クリプトフィシン 1は腫瘍選 択性が強く、薬物感受性および薬物耐性腫瘍細胞に対する細胞毒性は同等である ことが分かった。免疫蛍光アッセイでは、クリプトフィシン 1はビンブラスチン と同様の細胞標的と相互作用するが、作用時間がより長いこと、および準結晶質 を形成しない点で後者の薬物とは異なることが分かった。予備の in vivo実験に おいて、クリプトフィシン 1は、マウスに移植した腫瘍に対して非常に有望な活 性を示した。 Nostoc sp.GSV 224には、いくつかの他のクリプトフィシン化合物が少量存在 した。これらのうちの 21 個は、藻を 1:5のジクロロメタン/アセトニトリルで 抽出し、その抽出物を逆相HPLCにかけることにより、構造決定および in vi tro での抗腫瘍評価に十分な量で単離することができた。逆相フラッシュカラム から65:35 のアセトニトリル/水で溶離した画分のクリプトフィシン 1には、ク リプトフィシン 2、 3、4 、16、17、18、19、21、23、24、26、28、29、30、31 、40、43、45、49、50 および54が伴った。クリプトフィシン 2、 3、4 、5 、 6および 7は、藻をメタノールで抽出し、逆相クロマトグラフィーをメタノール /水で行ったときにのみに認められる化合物である。クリプトフィシン 2、 3、 4、5 および 6は、3:1 のメタノール/水で溶離し、クリプトフィシン 7は、 1: 3のメタノール/水で早期に溶出されたより細胞毒性の低い画分に認められた。 非環式クリプトフィシン 5、6 および 7は、単離操作中にクリプトフィシン 1の 分解によって生じた人工的に生成されたもの(artifacts)であると思われる。 クリプトフィシン3および5はMerck の研究者がクリプトフィシン1から半合 成した殺真菌剤化合物8,9と同一であることが明らかになった。クリプトフィシ ン3はクリプトフィシン1を亜鉛−銅複合体または四ヨウ化二リンで処理するこ とによって調製された。8クリプトフィシン5はクリプトフィシン1のメタノリ シスによって調製された。9 実施例1 構造決定 新規化合物、すなわちクリプトフィシン2,4,6,7,8,9,10,12,14,16,17,19,21,2 3,24,26,28,29,30,31,40,43,45,49,50および54、の構造決定を、すでに開示され ている化合物と同様に、当業者に周知の方法論を使用した簡単な手法によって実 施した。マススペクトルデータは分子組成と一致した。COSY,HMQC,H MBCおよびNOESYスペクトルから得られたプロトンおよびカーボンNMR データによって、これらのデプシペプチド型化合物のすべての総構造を組み立て ることができた。ガスクロマトグラフィー−マススペクトル分析によって、各化 合物中の各種ヒドロキシおよびアミノ酸単位の存在が確定された。クリプトフィ シン化合物の好適な誘導体の化学分解と特別の分析手法との組合せを使用して、 絶対立体化学を含む総合的な構造を決定した。実施例2 構造−活性の関連性(SAR) 至適活性のために必要なクリプトフィシン1の構造的特徴を調べるため、ここ で述べるすべての化合物を、KB(ヒト鼻咽頭ガン)、LoVo(ヒト結腸ガン )、およびSKOV3(ヒト卵巣ガン)細胞株に対する細胞毒性について検討し た。IC50値を表1および2に列挙する。細胞毒性の比較によると、至適細胞毒 性のためには、クリプトフィシン1において、完全なマクロライド環、7,8− エポキシ−5−ヒドロキシ−6−メチル−8−フェニル−2−オクテン酸単位( 図1中単位A参照)中のエポキシおよびメチル基ならびに二重結合、3−(3− クロロ−4−メトキシフェニル)アラニン単位(単位B)中のクロロおよびO− メチル基、3−アミノ−2−メチルプロピオン酸単位(単位C)中のメチル基、 およびロイシン酸単位(単位D)のイソブチル基が必要であることが示される。 クリプトフィシン8の強力な細胞毒性はおそらく機能的には遮蔽エポキシドとし て作用するクロロヒドリンに起因するものであろう。 抗真菌性および抗細菌性試験に通常使用されモデル化されたディスク拡散アッ セイ、Corbett アッセイを使用して、最も活性な化合物について、4種類の細胞 型、すなわちマウス白血病(L1210またはP388)、マウス固型腫瘍(結腸腺ガ ン38、膵管腺ガン03、乳腺ガンM16/M17)、ヒト固型腫瘍(結腸CX-1,HC T8 ,H116 ;肺H125 ;乳房MX-1,MCF-7)、および軽度悪性線維芽細胞 (LML)に対する選択的細胞毒性をも検討した。表1に示した結果によると、 クリプトフィシン1−5および8は固型腫瘍および白血病のいずれにも選択的で はないが、M17などの薬剤耐性細胞なども含めて腫瘍細胞株に対してかなり均等 に活性であることが示された。どの化合物も固型腫瘍細胞株のいずれに対しても 、白血病細胞株に対する阻害ゾーンより大きな3250ゾーン単位、たとえば37.5mm の阻害ゾーンを示さなかった。しかし、クリプトフィシン1−5および8は全腫 瘍細胞株に対し、線維芽細胞LMLに対する阻害ゾーンに比較して顕著に大きな 阻害ゾーン(3400ゾーン単位)を示した。診断上は、臨床上有効な細胞毒性剤に 関しては、LMLは腫瘍細胞よりも正常細胞に近い挙動をとることがわかってい る(表1の5−フルオロウラシル、エトポシドおよびタキソールのCorbett アッ セイデータ参照)。細胞毒性の差異が>250 ゾーン単位であったので、クリプト フィシン1−5および8は腫瘍選択的であった。したがって、これらの化合物は in vivo 試験の候補となった。 クリプトフィシン1は薬剤耐性も含めてマウスに移植されたマウスおよびヒト 腫瘍の広範なスペクトラムに対して活性である(表3)。この化合物は5種の初 期マウス腫瘍、すなわち結腸腺ガン#38および#51、タキソール感受性およびタ キソール耐性乳ガン#16/C/RP、および膵管腺ガン#03、ならびにSCID マウス中で試験した2種の初期ヒト腫瘍、すなわちMX-1乳ガンおよびH125 腺 扁平肺ガンに対し、10%未満の腫瘍負荷T/C(処置動物の平均腫瘍負荷/非処 置動物の平均腫瘍負荷)値を示し、優れた活性を有していた。 42%未満のT/C値はNCI標準によって活性であるとされる;10%未満のT /C値はNCI標準によって優れた活性を有し、臨床上強力な活性を有している とされる。9試験したもののうち2種が総(腫瘍細胞)ログキル(log kill)値2.0 を示した。総ログキルはT−C/3.2 Tdと定義される。ここで、Tは処置グル ープの腫瘍が750mg に達するまでの日数の中央値、Cは対照グループの腫瘍が75 0mg に達するまでの日数の中央値、およびTdは腫瘍容積が2倍になる時間であ る。5−20日の薬剤処置期間中の総ログキル値が>2.8 ,2.0-2.8 ,1.3-1.9,0 .5-0.8 ,および<0.5 をそれぞれ++++,+++,++,+および -(不活性)で採点する 。100-300mg の大きさのマウスに移植した大部分の固型腫瘍を部分的にまたは完 全に退縮させる効果を得るためには、臨床活性を意味する+++ から++++程度の活 性が必要である。 クリプトフィシン8もまたマウスに移植した腫瘍の広範なスペクトラムに対し て活性である(表4)。腫瘍負荷値T/Cが<10%であり、さらに重要なことは 総ログキル活性が+++ から++++で何らかの治癒が見られ、現在まで試験した腫瘍 のすべてに対して優れた活性を示した。 現在まで続いている1試験において、クリプトフィシン35についてもまた良好 なin vivo 活性が示された。 クリプトフィシン1および8の試験中に観察された致死毒性は、臨床的に使用 されるすべての抗ガン剤に共通する白血球減少症に起因するものであった。 実施例3 培養条件 Nostoc sp.GSV224 をミシガン州立大学MSU-DOE Plant Research Laborator y のC.P.Wolk教授より入手した。Nostoc sp.ATCC 53789をAmerican Type Cultur e Collectionより購入した。藻のILフラスコ培養物を使用して、NaOHでpH を7.0 に調整した、改変BG-113と称する無機培地を含有し、加圧滅菌した20L 箱つきガラスビンに接種した。培養物に青白色蛍光管列から入射強度200μmol光 子m-2sec-1(光合成活性照射)を連続的に照射し、温度24+1℃の空気に0.5%C O2を混合して5L/minの割合で空気を吹き込んだ。典型的には、21日後、濾過に よって培養物を取り出した。凍結乾燥したNostoc sp.GSV 224およびATCC 537 89の収率はそれぞれ平均して、培養物の0.61および0.3g/Lであった。実施例4 単離 方法A 凍結乾燥したNostoc sp.GSV 224(50 g)を1:5のCH2Cl2/CH3CN 2Lで48時間抽出し、抽出液を真空下に濃縮して暗緑色の固体を生成させた。残留 物(1g;KB MIC 0.24ng/mL )をODS被覆シリカカラム(55g,7×5cm )にのせ 、1:3のCH3CN/H2O(0.8L)、1:1のCH3CN/H2O(0.8L)、65 :35のCH3CN/H2O(1.0L)、MeOH(0.8L)およびCH2Cl2(0.5L) を用いたフラッシュクロマトグラフィーに供した。65:35のCH3CN/H2Oで 溶出した画分(420mg;KB MIC 14pg/mL)を逆相HPLC(Econosil C18,10μm,2 5cm×21.5mm,250nmにおけるUV検出、65:35のCH3CN/H2O、流速 6mL/分 )に供し、クリプトフィシン1(tR49.3分,220mg)および多数の不純物画分を得 た。Econosil C18カラムからtR28.8分に溶出された画分を順相HPLC(Econos ilシリカ 5m カートリッジ、250×4.6mm 、6:4の酢酸エチル/ヘキサン、3 m L/分)によってさらに精製し、クリプトフィシン16(3.0mg )を得た。Econosil C18カラムからtR32.5分に溶出された画分をEconosilシリカカラム上で55:45の 酢酸エチル/ヘキサンを使用して3 mL/ 分でHPLCに供し、クリプトフィシン 24(0.8mg)を得た。Econosil C18カラムからtR35.5分に溶出した画分をEconosi lシリカカラム上で第1に1:1の酢酸エチル/ヘキサン、3 mL/ 分で、第2に 4:6の酢酸エチル/塩化メチレン、2.5 mL/ 分でHPLCに2回供し、クリプ トフィシン23(1.2mg )およびクリプトフィシン43(0.1mg )を得た。Econosil C18カラムからtR39.5分に溶出された画分をEconosilシリカカラム上で1:1の 酢酸エチル/ヘキサン、3 mL/ 分でHPLCに供し、クリプトフィシン2(6m g)およびクリプトフィシン21(14mg)およびtR32.5分に溶出されたクリプトフ ィシン複合混合物を得た。この後者の画分は、400gm の乾燥藻から蓄積させ、半 分取用カラム(Partisil C18,250×9.4mm,10m)上で35:65の水/アセトニト リルを用いて、続いて逆相分析用カラム(Econosil,150×4.6mm,5m)上で5: 4:1の水/アセトニトリル/メタノールを使用して1.3mL/分で連続してクロマ トグラフィーを実施して、クリプトフィシン50(tR34.8,0.4mg)およびクリプ トフィシン40(tR38.8分,0.3mg )を得た。Econosil C18カラムからtR44.5分に 溶出された画分をEconosilシリカカラム上で1:1の酢酸エチル/ヘキサンを使 用して3 mL/ 分でHPLCに供し、クリプトフィシン17(0.3mg )を得た。Econ osil C18カラムからクリプトフィシン1の肩部分としてtR54.5分に溶出された画 分を順相HPLC精製して、1:1の酢酸エチル/ヘキサン溶出によって、クリ プトフィシン45(tR6.7分,0.1mg )、クリプトフィシン26(tR8.9 分,0.5mg) およびクリプトフィシン54(tR19.8分,< 0.1mg)を得た。Econosil C18カラムか らブロードなピーク(tR58から70分)として溶出された画分をEconosilシリカカ ラム上で43:57の酢酸エチル/ヘキサンを使用して2.5 mL/ 分でHPLCに供し 、クリプトフィシン4(tR19.6分,1.5mg )、クリプトフィシン31(tR9.4分,0 .8mg )、クリプトフィシン19(tR25.8分,0.3mg )、クリプトフィシン49(tR2 8分,0.1mg )、クリプトフィシン28(tR29.0分,0.5mg )ならびに純粋でない クリプトフィシン29(tR52.5分,2.0mg )およびクリプトフィシン30(tR49分, 3.0mg )を得た。クリプトフィシン29および30は逆相HLPC(Econsil C18,1 0m,250×10mm,3:1のメタノール/水)後、純品を得た。Econosil C18カラ ムからtR78.9分に溶出した画分をEconosilシリカカラム上でHPLCに供し、ク リプトフィシン3(tR16.4分,3.0mg)を得た。Econosil C18カラムからtR82.8分 に溶出した画分をEconosilシリカカラム上で45:55の酢酸エチル/ヘキサンを使 用して3 mL/ 分でHPLCに供し、クリプトフィシン18(tR19.2分,0.8mg)を得 た。方法B 凍結乾燥したNostoc sp.GSV 224(12.23g)をMeOH700mL および400mL ずつでそれぞれ12時間および5時間(h)かけて2回抽出した。抽出液を1つに まとめ、真空濃縮して暗緑色の固体1.84g を得、これを水とCH2Cl2に分配し た。親油性部分(0.65g;KB MIC 0.24ng/mL)をODS被覆シリカカラム(55g, 7×5cm )にのせ、1:3のMeOH/H2O(0.8L)、1:1のMeOH/H2O (0.8L)、3:1のMeOH/H2O(0.8L)、MeOH(0.8L)、およびCH2 Cl2(0.5L)でフラッシュクロマトグラフィーに供した。3:1のMeOH/H2 Oで溶出された画分(22mg;KB MIC 14pg/mL)は基本的には細胞毒性活性の全 部に相当するが、溶離液として1:5のMeOH/H2Oを使用して、逆相HPL C(Econsil C18,10μu,250cm×10mm,250nm においてUV検出、流速3mL/分 )に供し、クリプトフィシン7(tR7.6 分,0.2mg),5(tR15.4分,2.3mg),2 (tR16.0分,1.0mg),1(tR19.0分,12.0mg),4(tR26.5分,1.2mg),および 3(tR30.2分,1.4mg)を得た。培養物の1つからの、1:3のMeOH/H2O でフラッシュカラムから溶出した画分(8.1mg )はより穏やかな細胞毒性(KB M IC 2μg/mL)を示した。溶離液として2:3MeOH/H2Oを使用したHPLC での精製によって、クリプトフィシンG(7,tR6.0 分,2.4mg)が得られた。実施例5 クリプトフィシン1−7のスペクトルデータ スペクトルデータ中、下線を引いたものは図1のユニツトA−Dに対応する。クリプトフィシン1 [α]D+33.8°(MeOH,c1.83);UVλmax(ε)208(42,400),218(33,700),228(23,80 0),280(2,210);CD[θ]202+15,900,[θ]206+64,900,[θ]214+26,900,[θ]224 +46,300,[θ]237+10,500。IR(CHCl3max3425,2963,1751,1719,1677,1502,12 59cm-1。EIMS m/z(相対強度(rel intensity))654/656(20/9),412/414(33/12),28 0/282(31/12),227(80),195/197(92/44),91(100);高分解能EIMS n/z 654.2665(C35 H43ClN2O8として計算,誤差4.3mmu).1H NMR(CDCl3):アミノまたはヒドロキ シ酸単位δ (炭素位置、多重度;J(Hz))7,8- エポキシ-5- ヒドロキシ-6- メチ ル-8- フェニル-2- オクテン酸(A) 5.74(2,dt;15.5 および0.9),6.68(3,ddd;15. 5,9.6および5.2),2.45(4,ddd;14.2,11.1および9.6),2.55(4,brdd;14.2および5.2 ),5.16(5,ddd;11.1,4.9および1.9),1.80(6,m),1.14,(6-Me,d;7.1),2.92(7,dd;7. 5および2.0),3.69(8,d;2.0),7.25(10/14,m),7.34-7.39(11/12/13,m);ロイシン 酸(D) 4.83(2,dd;6.8および3.3),1.70(3,m),1.36(3,m),1.70(4,m),0.86(5,d;6.6 ),0.85(5',d;6.6);3-アミノ-2-メチルプロピオン酸(C) 2.71(2,m),1.22(2-Me,d ;7.1),3.30(3,ddd;13.4,5.8および3.8),3.48(3,ddd;13.4,6.3および5.8),6.93(3 -NH,brt;5.8);3-クロロ-4-メトキシフェニルアラニン(B) 4.80(2,ddd;8.7,7,3 および5.4),5.61(2-NH,d;8.7),3.03(3,dd;14.4および7.3),3.13(3,dd;14.4およ び5.4),7.21(5,d;2.1),3.87(7-OCH3,s),6.83(8,d;8.5),7.07(9,dd;8.5および2.1 )。13C NMR(CDCl3):単位δ(炭素位置)A 165.3(1),125.3(2),141.0(3),36.7( 4),76.2(5),40.6(6),13.5(6-Me),63.0(7),59.0(8),136.7(9),125.6(10/14),128. 7(11/13),128.5(12);D 170.7(1),71.3(2),39.4(3),24.5(4),22.9(5),21.3(5') ;C 175.6(1),38.2(2),14.1(2-Me),41.1(3);B 170.9(1),53.6(2),35.0(3),129. 7(4),131.0(5),122.4(6),154.0(7),56.1(7-OCH3),112.2(8),128.4(9)。クリプトフィシン2 [α]D+20.4°(MeOH,c0.54);UVλmax(ε)206(43,800),218(37,500),232(22,90 0),278(2,410);CD[θ]203+54,100,[θ]212+16,500,[θ]225+53,600,[θ]236 −14,000。IR(CHCl3max3423,3029,2961,1742,1724,1678,1512,1258cm-1。EIM S m/z(相対強度,帰属)620(11,M+),431(3),378(8),377(6),311(11),246(10),244 (8),227(14),195(17),161(84,CH3O-C6H4-CH=CH=CO+),121(79,CH3O-C6H4-CH2 +),9 1(100);高分解能EIMS m/z 620.3094(C35H44N2O8として計算,誤差0.3mmu);161. 0605(C10H9O2として計算,誤差-0.2mmu);121.0658(C8H9Oとして計算,誤差-0.4m mu)。1H NMR(CDCl3):アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素位置、多重度;J(H z))7,8- エポキシ-5- ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2- オクテン酸(A)5. 71(2,dd;15.4 および1.3),6.70(3,ddd;15.4,10.2および5.0),2.45(4,m),2.55(4, m),5.18(5,ddd;11.3,4.8および2.0),1.79(6,m),1.14,(6-Me,d;7.0),2.92(7,dd;7 .7および2.0),3.68(8,d;2.0),7.24(10/14,m),7.34-7.39(11/12/13,m);ロイシン 酸(D) 4.82(2,dd;10.1および3.7),1.70(3,m),1.33(3,m),1.70(4,m),0.86(5,d;6. 4),0.84(5',d;6.4);3-アミノ-2-メチルプロピオン酸(C) 2.68(2,m),1.23(2-Me, d;7.3),3.39(3-H2,m),7.02(3-NH,brt;6.0);O-メチルチロシン(B) 4.79(2,ddd;8 .1,7.0および5.7),5.55(2-NH,d;8.1),3.07(3,dd;14.5および7.0),3.13(3,dd;14. 5および5.7),7.10(5/9,d;8.6),6.81(6/8,d;8.6),3.78(7-OCH3,s)。13C NMR(CDCl3 ):単位δ(炭素位置)A 165.1(1),125.1(2),141.1(3),36.7(4),76.0(5),40.7( 6),13.6(6-Me),63.0(7),59.0(8),136.7(9),125.6(10/14),128.7(11/13),128.5(1 2);D 170.6(1),71.3(2),39.4(3),24.5(4),21.3(5),22.9(5');C 176.0(1),38.1 (2),14.2(2-Me),40.7(3);B 171.1(1),53.9(2),35.3(3),131.0(4),130.2(5/9),1 14.1(6/8),158.6(7),55.2(7-OCH3)。クリプトフィシン3 [α]D+20.3°(MeOH,c1.13);UVλmax(ε)206(51,700),218(31,200),230(22,90 0),246(18,800),280(3,230);CD[θ]205+50,000,[θ]212-390,[θ]218-47,200,[ θ]233-100,[θ]251+33,400,[θ]271+4,310。IR(CHCl3max3417,2926,1742, 1721,1676,1499,1336cm-1。EIMS m/z(相対強度)638/640(2/0.7,M+),412/414(63/ 19),280/282(15/5),227(100),195(63),91(98);高分解能EIMS m/z 638.2764(C35 H43ClN2O7として計算,誤差-0.5mmu),412.1516(C20H27ClNO6として計算,誤差1. 1mmu),227.1293(C15H17NOとして計算,誤差1.0mmu)。1H NMR(CDCl3):アミノま たはヒドロキシ酸単位δ (炭素位置、多重度;J(Hz))5- ヒドロキシ-6- メチル- 8- フェニル-2,7- オクタジエン酸(A) 5.77(2,d;15.5),6.68(3,ddd;15.5,9.5およ び5.3),2.37(4,m),2.54(4,m),5.01(5,ddd;11.4,6および1.5),2.56(6,m),1.14,(6 -Me,d;7.0),6.01(7,dd;15.8および8.8),6.41(8,d;15.8),7.28-7.34(10/11/13/14 ,m),7.23(12,m),;ロイシン酸(D) 4.84(2,dd;10.1および3.6),1.62(3,m),1.36(3 ,m),1.62(4,m),0.77(5,d:6.5),0.73(5',d;6.3);3-アミノ-2-メチルプロピオン 酸(C) 2.71(2,m),1.22(2-Me,d;7.3),3.28(3,dt;13.5および7.0),3.50(3,ddd;13. 5,4.9および4),6.93(3-NH,brt;6.3);3-クロロ-4-メトキシフェニルアラニン(B) 4.82(2,m),5.64(2-NH,d;8.8),3.05(3,dd;14.5および7.0),3.13(3,dd;14.5およ び5.5),7.22(5,d;2.2),3.87(7-OCH3,s),6.84(8,d;8.5),7.08(9,dd;8.5および2.2 )。13C NMR(CDCl3):単位δ(炭素位置)A 165.4(1),125.2(2),141.4(3),36.5(4 ),77.1(5),42.3(6),17.3(6-Me),130.1(7),130.0(8),136.7(9),126.1(10/14),128 .6(11/13),128.4(12);D 170.1(1),71.6(2),39.5(3),24.5(4),21.2(5),22.7(5') ;C 175.6(1),38.3(2),14.0(2-Me),41.2(3);B 170.9(1),53.5(2),35.1(3),129. 8(4),131.0(5),122.4(6),154.0(7),56.1(7-OCH3),112.2(8),127.6(9)。クリプトフィシン4 [α]D+36.7°(MeOH,c1.93);UVλmax(ε)206(41,800),228(25,000),240(21,20 0),248(22,500),280(3,000),290(1,230);CD[θ]205+63,900,[θ]211+3,040,[ θ]218-71,900,[θ]229-11,700,[θ]234-130,[θ]252+47,500,[θ]270+5,400 。IR(CHCl3max3410,2962,2917,1741,1718,1678,1511,1251cm-1。EIMS m/z(相 対強度)604(2,M+),378(74),246(11),227(46),161(100),91(96);高分解能EIMS m /z 604.3127(C35H44N2O7として計算,誤差 2.2mmu),378.1910(C20H28NO6として 計算,誤差0.7mmu),227.1293(C15H17NOとして計算,誤差1.7mmu),161.0605(C10H9 O2として計算,誤差-0.2mmu)。1H NMR(CDCl3):アミノまたはヒドロキシ酸単位 δ (炭素位置、多重度;J(Hz))5- ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2,7-オク タジエン酸(A) 5.74(2,dd;15.3および1.2),6.71(3,ddd;15.3,10.3およ び5.0),2.37(4,m),2.53(4,m),5.03(5,ddd;11.2,6.4および2.0),2.55(6,m),1.13( 6-Me,d;6.8),6.01(7,dd;15.8 および8.8),6.40(8,d;15.8),7.28-7.37(10/11/13/ 14,m),7.22(12,m),;ロイシン酸(D) 4.84(2,dd;10.1および3.6),1.65(3,m),1.34 (3,m),1.65(4,m),0.75(5,d;6.5),0.72(5',d;6.3);3-アミノ-2-メチルプロピオ ン酸(C) 2.69(2,m),1.22(2-Me,d;7.5),3.39(3-H2,m),7.03(3-NH,brt;6.0);O-メ チルチロシン(B) 4.79(2,m),5.61(2-NH,d;7.8),3.08(3,dd;14.5および7.0),3.13 (3,dd;14.5および5.3),7.11(5/9,d;8.8),6.81(6/8,d;8.8),3.78(7-OCH3,s)。13C NMR(CDCl3):単位δ(炭素位置)A 165.3(1),125.1(2),141.5(3),36.5(4),77.1 (5),42.3(6),17.3(6-Me),130.1(7),131.8(8),136.7(9),126.2(10/14),128.7(11/ 13),127.6(12);D 170.8(1),71.6(2),39.5(3),24.5(4),21.2(5),22.7(5');C175 .9(1),38.2(2),14.2(2-Me),40.9(3);B 171.2(1),53.8(2),35.3(3),131.0(4),13 0.2(5/9),114.1(6/8),158.6(7),55.2(7-OCH3)。クリプトフィシン5(Cryptophycin5) [α]D+ 36.0°(MeOH,c 0.55);UVλmax(ε)206(45,600),218(37,700), 280(3,790),286(3,480),325(2,080);CD[θ]203+7,710,[θ]206+29,000,[θ ]210+21,400,[θ]222+59,800,[θ]234+12,800,[θ]241+13,700。IR(CHCl3max 3426,2958,1728,1672,1502,1259cm-1。EIMS m/z( 相対強度(rel inten sity))686/688(0.15/0.05),655/657(1/0.3),654/656(1.5/0.5),311/313(75/ 27),195(66),155(54),121(51),91(100);高分解能 EIMS m/z 686.2983(C36H47 ClN2O9として計算、-1.3 mmu誤差)。1H NMR(CDCl3): アミノまたはヒドロキ シ酸単位δ (炭素の位置、多重度;J(Hz))7,8- エポキシ-5- ヒドロキシ-6- メ チル-8- フェニル-2- オクテン酸(A) 5.87(2,d;15.3),6.72(3,dt;15.3 および 6.8),2.60(4,m),2.52(4,ddd;15.2,7.8, および 6.8),5.11(5, ddd;12.3,7.8,および7.1),1.87(6,m),1.12(6-Me,d;7.1),2.91(7,dd;7 .3 および2.1),3.70(8,d;2.1),7.24(10/14,brd;7.4),7.29-7.36(11/12/ 13,m);ロイシン酸(D) 4.09(2,m),2.86(2-OH,brd,6.1),1.83(3,m),1. 42(3,m),1.86(4,m),0.90(5,d;6.6),0.87(5',d;6.8);3- アミノ-2- メ チルプロピオン酸(C) 3.64(I-OCH3,s),2.60(2,m),1.07(2-Me,d;7.3),3 .27(3,ddd;13.5,8.0 および 5.5),3.39(3,m),6.32(3-NH,t;5.4);3- ク ロロ-4- メトキシフェニルアラニン(B) 4.59(2,dt;6 および 7.5),6.30(2- NH,d;7.5),2.95(3,dd;13.6 および 7.5),3.0(3,dd;13.6 および 6.0), 7.2(5,d;2.1),3.86(7-OCH3,s),6.84(8,d;8.5),7.05(9,dd,8.5;2.1)。13 C NMR(CDCl3):単位δ(炭素の位置)A 164.8(1),126.5(2),139.2(3),34.4( 4),75.5(5),39.2(6),12.9(6-Me),63.3(7),58.7(8),136.8(9),125.7(10/1 4),128.6(11/13),128.4(12);D 175.1(1),69.2(2),43.2(3),24.3(4),21.2 (5),23.2(5');C 175.4(1),51.9(1-OMe),39.1(2),14.7(2-Me),41.6(3);D 170.6(1),54.6(2),37.4(3),129.5(4),131.0(5),122.4(6),154.1(7),56.1 (7-OMe),112.2(8),128.4(9)。クリプトフィシン6 [α]D+ 17.1°(MeOH,c 1.1);UV λmax(ε)206(40,000),218(30,100), 228(21,400),282(2,430);CD[θ]203+37,700,[θ]210-5,430,[θ]213-1,260 ,[θ]221+24,100,[θ]232+8,480,[θ]240+13,400,[θ]254+790 。IR(CHCl3 )νmax3425,3006,2956,1726,1672,1641,1502,1462,1259cm-1。FABMS( チオグリセロール)m/z,(相対強度)573/575(13/6)[M-H2O]+,217(26),91(100 )。1H NMR(CDCl3): アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素の位置,多重度;J( Hz))5,7,8- トリヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2- オクテン酸(A) 5. 92(2,dt;15.0 および 1.5),6.94(3,dt;15および 7.5),2.51(4,m),2.64 (4,m),3.97(5,ddd;9.3,6.5 および 4.5),2.03(6,m),1.10(6-Me,d;6.5 ),3.70(7,dd;9.0 および 7.5),4.64(8,d;7.5),7.33-7.39(10/11/13/14, m),7.28(12,tt;6.5 および 2.0);3- クロロ-4- メトキシフェニルアラニン (B) 4.60(2,td;8.0 および 6.0),6.09(2-NH,brd;8.0),2.96(3,dd;13. 8 および 8.0),3.02(3,dd;13.8 および 6.0),7.22(5,d;2.0),3.86(7-OC H3,s),6.84(8,d;8.5),7.07(9,dd;8.5 および 2.0)3-アミノ-2- メチルプ ロピオン酸(C) 3.63(1-OCH3,s),2.58(2,m),1.07(2-Me,d;7.0),3.24(3 ,ddd;13.8,8 および 6.5),3.41(3,ddd;13.8,6.5 および 4.8),6.21 ( 3-NH,brt;6.5)。13CNMR(CDCl3):単位δ(炭素の位置)A 165.2(1),125.6(2) ,141.3(3),36.9(4),82.5(5),46.3(6),14.3(6-Me),85.1(7),84.8(8),140 .9(9),125.8(10/14),128.6(11/13),127.8(12);B 170.6(1),54.5(2),37.3( 3),129.6(4),131.0(5),122.5(6),154.1(7),56.1(7-OCH3),112.2(8),128. 5(9)C 52.0(1-OCH3),175.4(1),39.2(2),14.7(2-Me),41.6(3)。クリプトフィシン7 [α]D−51.9°(MeOH,c 0.89); UV λmax(ε)206(23,400),220(14,900) ,282(1,670);CD[θ]202+35,400,[θ]206-1,730,[θ]211-19,200,[θ]220-1 5,800,[θ]232+29,000,[θ]263+2,040 。IR(CHCl3)νmax3426,2946,1732 ,1675,1501,1258 cm-1。EIMS m/z(相対強度)455/ 457(1/0.3,[M-2H2O]+),105(100),77(98);FABMS m/z(マジック バレット マトリックス(magic bullet matrix)) 496/498[M-H2O+Na]+,(チオグリセロー ル マトリックス)474/476[M-H2O1+H]+1H NMR(CD3OHD): アミノまたはヒドロ キシ酸単位δ (炭素の位置,多重度;J(Hz))5,7,8- トリヒドロキシ-6- メチ ル-8- フェニル-2- オクテン酸(A) 6.06(2,ddd;15.5,1.3 および 1.0),6. 80(3,dt;15.5 および 7.5),2.49(4,m),2.59(4,m),3.92(5,ddd;9.5,6 .3 および 4.7),1.95(6,m),1.08(6-Me,d;6.7),3.59(7,dd;9.0 および 7. 8),4.56(8,d;7.8),7.37(10/14,brd;7.3),7.31(11/13,brt;7.3),7.24( 12,tt;7.3 および 1.5);3- クロロ-4- メトキシフェニルアラニン(B) 4.5 2(2,dd;6.9 および 5.0),2.93(3,dd;13.8および 6.9),3.15(3,dd;13.8 および5.0),7.20(5,d;2.2),3.78(7-OCH3,s),6.88(8,d;8.4),7.08(9 ,dd;8.4 および 2.2)。13C NMR(CD3OD): 単位δ(炭素の位置)A 167.4(1),1 27.6(2),140.9(3),37.9(4),84.0(5),47.6(6),14.4(6-Me),86.0(7),85.8( 8),142.9(9),127.1(10/14),129.3(11/13),128.5(12);B 177.6(1),57.3(2) ,38.2(3),132.8(4),132.1(5),122.9(6),155.0(7),56.5(7-OCH3),113.2(8 ),130.1(9)。クリプトフィシン16 [α]D+41.3°(MeOH,c 5.2);UV λmax(ε)242(4963),280(2430),286( 2212);IR(ニート(neat))νmax3402,3270,2960,1748,1724,1676,1514, 1466,1343,1239,1177 cm-1;EIMS m/z(相対強度)640/642(66/27),398/400 (47/16),265(55),227(93),181(100);高分解能 EIMS m/z 640.25676(C34H41C lN2O8として計算,-1.6 mmu 誤差)。1H NMR(CDCl3):アミノまたはヒドロキシ 酸単位δ (炭素の位置,多重度;J(Hz))7,8-エポキシ-5- ヒドロキシ-6- メチ ル-8- フェニル-2- オクテン酸(A) 5.74(2,d;16),6.67(3,ddd;15.3,9.7 および 5.5),2.45(4,dt;14.3 および 10.4),2.55(4,brdd;14.3 および 5.3),5.15(5,ddd;11.2,4.8 および 1.8),1.8(6,m),1.14(6-Me,d;7.0) ,2.92(7,dd;7.5 および 2.0),3.69(8,d;2.0),7.24-7.26(10/14,m),7.33 -7.39(11/12/13,m);3-クロロ-4- ヒドロキシフェ ニルアラニン(B) 4.8(2,m),5.64(2-NH,d;8.8),3.03(3,dd;14.5 およ び 7.0),3.11(3,dd;14.4 および 5.6),7.17(5,d;2.2),5.61(7-OH,s),6 .91(8,d;8.3),7.0(9,dd;8.3 および 2.2);3- アミノ-2- メチルプロピオ ン酸(C) 2.71(2,m),1.22(2-Me,d;7.3),3.28(3,dt;13.6 および 6.8) ,3.49(3,ddd;13.6,5 および 4.1),6.92(3-NH,br t;6.1);ロイシン酸(D 4.83(2,dd;10.1 および 3.3),1.36(3,m),1.67-1.75(3,m),1.67-1.75 (4,m),0.85(5,d;7.5),0.86(5',d;6.8)。13C NMR(CDCl3): 単位δ(炭素 の位置)A 165.3(1),125.3(2),141.0(3),36.7(4),76.2(5),40.6(6),13.5( 6-Me),63.0(7),59.0(8),136.8(9),125.6(10/14),128.7(11/13),128.6(12) ;B170.9(1),53.6(2),35.1(3),129.9(4),129.6(5),120.0(6),150.4(7),1 16.4(8),129.2(9);C 175.6(1),38.3(2),14.1(2-Me),41.1(3);D 170.8(1) ,71.3(2),39.4(3),24.6(4),21.3(5),22.9(5')。クリプトフィシン 17 [α]D+27.8°(CHCl3 c 0.37);UVλmax(ε),248(14740),268(8100),278( 3400),284(2840);IR(ニート)νmax3412,2958,1750,1723,1668,1504,1 463,1290,1177,751 cm-1;EIMS m/z(相対強度)624/626(10/3),398/400(95 /35),284(100),149(95);高分解能 EIMS m/z 624.26161(C34H41ClN2O7として 計算,-1.4 mmu 誤差)。1H NMR(CDCl3):アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭 素の位置,多重度;J(Hz))5- ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2,7-オクタ ジエン酸(A) 5.77(2,d;15.4),6.67(3,ddd;15.4,9.5,および 5.3),2.37 (4,m),4.99(5,ddd;11.2,6.3,および 1.6),2.54(6,m),1.14(6-Me,d;6 .7),6.01(7,dd;15.7,および 8.7),6.41(8,d;15.9),7.28-7.34(10/11/13 /14,m),7.23(12,m);3-クロロ-4- ヒドロキシフェニルアラニン(B) 4.82(2 ,m),5.63(2-NH,d;8.7),3.12(3,dd;14.7,および 5.6),3.03(3',dd;14. 7, および 7.1),7.18(5,d;2.0),5.47(7-OH,br s),6.91(8,d;8.3),7.0 2(9,dd;8.3,および 2.0);3- アミノ-2- メチルプロピオン酸(C) 2.71(2, m),1.21 (2-Me,d’6.9),3.25(3,m),3. 52(3',m),6.89(3-NH,br t;6.1);ロイシン酸(D) 4.84(2,dd;9.6, およ び 3.1),1.62(3,m),1.36(3',m),1.62(4,m),0.77(5,d’6.5),0.73(5', d;6.5);13C NMR(CDCl3単位δ(炭素の位置)A 165.4(1),125.3(2),141. 3(3),36.5(4),77.1(5),42.3(6),17.3(6-Me),130.0(7),129.9(8),136.7(9 ),126.2(10/14),128.6(11/13),127.6(12); B 170.9(1),53.5(2),35.1(3) ,129.6(4),131.9(5),126.2(6),150.3(7),116.3(8),127.6(9);C 175.9(1) ,38.4(2),13.9(2-Me),41.3(3);D 170.9(1),71.6(2),39.5(3),24.5(4),2 1.2(5),22.7(5')。クリプトフィシン 18 [α]D+ 54.9°(MeOH,c 0.93);UVλmax(ε)250(20518),284(3857); IR (ニート)νmax3411,3271,2966,1746,1728,1668,1505,1463,1258,117 8cm-1;EIMS m/z(相対強度)638/640(4.5/1.1),412/414(59/19),280(17),22 7(100); 高分解能 EIMS m/z 638.272934(C35H43ClN2O7として計算,2.9 mmu 誤差)。1H NMR(CDCl3):アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素の位置,多重度 ;J(Hz))5- ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2,7-オクタジエン酸(A) 5. 76(2,d;15.5),6.65(3,ddd;15.4,9.2 および 6.2),2.38-2.47(4,m),5.0 8(5,ddd;10.6,4.9 および 2.2),2.58(6,m),1.15(6-Me,d;6.8),6.07(7 ,dd;15.9 および 8.5),6.43(8,d;15.9),7.21-7.35(10/11/12/13/14,m) ;3- クロロ-4- メトキシ- フェニルアラニン(B) 4.83(2,m),3.05(3,dd;1 4.5 および 7.1),5.65(2-NH,d;8.7),3.14(3,dd;14.4 および5.5),7.21( 5,d;2.4),3.86(7-OCH3,s),6.83(8,d;8.3),7.08(9,dd;8.3 および 2.2 );3- アミノ-2- メチルプロピオン酸(C) 2.73(2,m),1.23(2-Me,d;7.2), 3.23(3,dt;13.5 および 6.8),3.56(3,ddd;13.5,5.7 および 4.0),6.85 (3-NH,dd;7.1 および 6.2);ロイシン酸(D) 4.8(2,d;4.6),1.86-1.89(3 ,m),0.94(3-Me,d;7.0),1.20-1.26(4,m),1.39-1.44(4,m),0.77(5,d;7 .4)。13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素の位置)A 165.5(1),125.2(2),141.5(3),3 6.4(4),77.7(5),41.9(6),17.1(6-Me),129.8(7),131.9(8),136.8(9),128. 6(10/14),126.2(11/13), 127.6(12);B 170.0(1),53.5(2),35.1(3),129.9(4),131.1(5),122.4(6),1 53.9(7),56.1(7-OCH3),112.2(8),128.5(9);C 175.3(1),38.6(2),14.0(2-M e),41.4(3);D 169.5(1),76.6(2),36.2(3),15.5(3-Me),24.2(4),14.0(5) 。クリプトフィシン 19 [α]D+ 62.6°(MeOH,c 0.67);UV(MeOH)λmax(ε)204(44900),230(17 000),248(15600),280(2500);IR(ニート)νmax3413,3272,2966,1745,17 26,1672,1504,1258,1199,1178,1066,692 cm-1;EIMS m/z(相対強度)62 4/626(3.0/1.4),398/400(58/21),280/282(15/5),227(100),195/197(57/22) ;高分解能 EIMS m/z 624.2585(C34H41ClN2O7として計算,1.8 mmu 誤差)。1H -NMR(CDCl3):アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素の位置,多重度;J(Hz))5 - ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2,7-オクタジエン酸(A) 5.76(2,d;1 5.2),6.64(3,ddd;15.4,9.1 および 6.2),2.38(4,m),2.47(4,m),5.04(5 ,ddd;7.1,5.1 および 1.8),2.57(6,m),1.15(6-Me,d;6.9),6.05(7,dd ;15.8 および 8.5),6.43(8,d;15.8),7.29-7.35(10/11/13/14,m),7.23(1 2,m);3-クロロ-4- メトキシフェニルアラニン(B) 4.84(2,m)5.67(2-NH, d;8.9),3.04(3,dd;14.3 および 7.1),3.14(3,dd: 14.3 および 5.3),7. 22(5,d;2.0),3.86(7-OCH3,s),6.83(8,d;8.2),7.08(9,dd;8.2 および 2.0);3- アミノ-2- メチルプロピオン酸(C) 2.75(2,m),1.23(2-Me,d;7.1 ),3.19(3,m),3.59(3,m),6.80(3-NH,brt;6.7);2-ヒドロキシイソ吉草酸 (D) 4.73(2,d;4.2),2.09(3,m),0.84(4,d;6.9),0.95(4',d;6.9)。13 C NMR(CDCl3)単位δ(炭素の位置)A 165.5(1),125.3(2),141.3(3),36.3(4) ,77.7(5),42.0(6),17.1(6-Me),129.9(7),131.9(8),136.8(9),126.1(10/1 4),128.6(11/13),127.6(12);B 171.0(1),53.4(2),35.1(3),130.0(4),131 .1(5),122.4(6),153.9(7),56.1(7-OMe),112.2(8),128.5(9);C 175.1(1), 38.7(2),13.9(2-Me),41.5(3),D 169.6(1),76.9(2),29.8(3),19.0(4),16. 7(3-Me)。クリプトフィシン 21 [α]D+ 40.2°(CHCl3c 0.72);UVλmax(ε)240(6700),280(2400),288(2 100);IR(ニート)νmax3403,3279,2957,1731,1673,1503,1464,1409,1 372,1258,1174,1065,1023,889 cm-1;EIMS m/z(相対強度)640/642(10/4) ,612(5),478(15),398(40),266(33),227(76),195(95),155(100),127(90) ;高分解能 EIMS m/z 640.2550(C34H41ClN2O8として計算,0.2 mmu 誤差);1H N MR(CDCl3アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素の位置,多重度;J(Hz))7, 8- エポキシ-5- ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニルオクタン酸(A) 5.73(2,d ;15.4),6.68(3,ddd;15.0,9.9 および 4.9),2.45(4,m),2.56(4,m),5.1 9(5,ddd;11.2,5.1 および 1.5),1.80(6,m),1.14(6-Me,d;7.1),2.92(7 ,dd;7.5 および 2.0),3.68(8,d;1.8),7.25(10/14,m),7.33-7.38(11/12/ 13,m);3- クロロ-4- メトキシフェニルアラニン(B) 4.74(2,ddd;8.2,6.8 および 6.2),5.68(2-NH,d;8.6),2.98(3,dd;14.3 および 7.7),3.14(3, dd;14.3 および 5.6),7.21(5,d;2.0),3.86(7-OMe,s),6.83(8,d;8.4) ,7.07(9,dd;8.4 および 2.0);3- アミノプロピオン酸(C) 2.56(2,m),3.5 1(3,m),3.45(3,m),6.90(3-NH,brt;5.8);ロイシン酸(D) 4.89(2,dd;1 0.0 および 3.3),1.67(3,m),1.31(3,m),1.67(4,m),0.84(5,d;6.4),0 .83(5',d;6.4);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素の位置)A 165.5(1),125.3(2) ,141.0(3),36.7(4),75.9(5),40.6(6),13.5(6-Me),63.0(7),59.0(8),136 .7(9),125.6(10/14),128.7(11/13),128.5(12);B 170.7(1),53.9(2),35.0 (3),129.8(4),130.9(5),122.4(6),153.9(7),56.1(7-OMe),112.2(8),128. 3(9);C 172.6(1),32.4(2),34.4(3),D 170.5(1),71.2(2),39.5(3),24.4(4 ),22.8(5),21.2(5')。クリプトフィシン 23 [α]D+ 47°(MeOH,c 1.55);UVλmax(ε)240(4571),282(2174),290(21 77);IR(ニート)νmax3284,2960,1747,1724,1653,1540,1490,1339,12 72,1174 cm-1;EIMS m/z(相対強度)674/675/678(47/35/8),432/434 /436(11/5/2),299/301/303(39/30/7),227(64),215/217/219(31/20/8),141(1 00);高分解能 EIMS m/z 674.21643(C34H4Cl2N2O8として計算,-0.3 mmu 誤差) ;1H NMR(CDCl3アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素の位置,多重度;J(H z))7,8-エポキシ-5- ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2- オクテン酸(A) 5.77(2,d;15.4),6.65(3,ddd;15.4,9.3 および 6.0),2.47(4,dt;14.2 および 10.2),2.55(4,br dd;14.2 および 5.6),5.13(5,ddd; 11.0,4.6 および 1.6),1.81(6,m),1.15(6-Me,d;6.9),2.93(7,dd;7.6 および 2. 0),3.7(8,d;2.0),7.22-7.26(10/14,m),7.32-7.39(11/12/13,m);3,5- ジ クロロ-4- ヒドロキシフェニルアラニン(B) 4.81(2,m),5.69(2-NH,d;8.6) ,3.11(3,dd;14.5 および 5.6),3.50(3,dd;14.3 および 7.0),7.13(5/9 ,s),5.78(7-OH,s);3-アミノ-2- メチルプロピオン酸(C) 2.73(2,m),1.2 2(2-Me,d;7.1),3.19(3,dt;13.4 および 6.9),3.58(3,ddd;13.6,5.8 および 4.1),6.82(3-NH,br t;5.9);ロイシン酸(D) 4.84(2,dd;9.9 およ び 3.2),1.38(3,m),1.68-1.75(3,m),1.68-1.75(4,m),0.86(4-Me,d;6.7 ),0.87(5,d;6.7)。13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素の位置)A 165.4(1),125.4( 2),140.9(3),36.7(4),76.3(5),40.6(6),13.5(6-Me),63.0(7),58.9(8),1 36.7(9),125.6(10/14),128.7(11/13),128.6(12);B 170.7(1),53.3(2),35. 0(3),130.3(4),129.0(5/9),121.0(6/8),146.7(7);C 175.3(1),38.4(2),1 3.9(2-Me),41.5(3);D 170.8(1),71.3(2),39.4(3),24.6(4),21.3(4-Me),2 2.9(5)。クリプトフィシン 24 [α]D+ 48.8°(CHCl3,c 0.63);UV λmax(ε)228(19006),242(8249),2 74(2351);IR(ニート)νmax3400,3284,2959,1732,1678,1652,1514,124 8,1178 cm-1;EIMS m/z(相対強度,帰属)606(2,M+),364(7),161(55,CH3O- C6H4-CH=CH=CO+),121(100,CH3O-C6H4-CH2 +),91(68);高分解能 EIMS m/z 606 .2954(C34H42N2O8として計算,-1.3 mmu 誤差);1H NMR(CDCl3)アミノまたはヒ ドロキシ酸単位 δ(炭素の位置,多重度;J(Hz))7,8-エポキシ-5- ヒドロキシ- 6- メチル-8- フェニル-2- オクテン酸(A) 5.70(2, dd;15.2 および 1.3),6.70(3,ddd;15.2,10.3 および 4.7),2.43(4,dt; 14.3 および 10.9),2.56(4,m),5.20(5,ddd;11.3,5.1 および 2.0),1.7 9(6,m),1.14(6-Me,d;7.0),2.92(7,dd;7.5 および 2.0),3.68(8,d;2.0 ),7.23-7.38(10/11/12/13/14,m);O-メチルチロシン(B) 4.73(2,m),5.58( 2-NH,d;8.3),3.03(3,dd;14.5 および 7.5),3.14(3,dd;14.5 および 5 .7),7.11(5/9,d;8.6),6.81(6/8,d;8.6),3.78(7-OMe,s);3-アミノプロ ピオン酸(C) 2.55(2-H2,m),3.42(3,m),3.53(3,m),6.97(3-NH,br t;5. 7);ロイシン酸(D) 4.89(2,dd;9.9 および 3.5),1.29(3,m),1.62-1.70(3/ 4,m),0.83(5,d;5.9),0.84(5',d;6.1);3C NMR(CDCl3): 単位δ(炭素の 位置)A 165.4(1),125.3(2),141.0(3),36.7(4),75.9(5),40.6(6),13.4(6- Me),63.0(7),59.0(8),136.7(9),125.6(10/14),128.7(11/13),128.5(12); B 170.7または 170.6(1),54.1(2),35.2(3),128.5(4),130.2(5/9),114.1(6/ 8),158.6(7),55.2(7-OMe);C 172.8(1),32.5(2),34.2(3);D 170.6または 1 70.7(1),71.2(2),39.5(3),24.4(4),21.3(5),22.8(5')。クリプトフィシン 26 [α]D+ 28.2°(CHCl3,c 1.31);UV λmax(ε)254(14615),284(2949);I R(ニート)νmax3299,2960,1732,1644,1504,1258,1209 cm-1;EIMS m/z (相対強度)656/658(0.5/0.1,M+),638/640(1.7/1.0),525/527(3.7/1.8),41 2/414(10/4),280/282(12/11),227(20),195(48),131(68);高分解能 EIMS m/ z 656.2836(C35H45ClN2O8として計算,2.8 mmu 誤差),638.2712(C35H43ClN2O7 として計算,4.7 mmu 誤差);1H NMR(CDCl3アミノまたはヒドロキシ酸単位δ (炭素の位置,多重度;J(Hz))3,5- ジヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-7- オクテン酸(A) 2.46(2,dd;14.8 および 7.8),2.58(2,dd;14.8 および 3.0),5.46(3,m),1.86−1.90(4-H2,m),3.61(5,m),2.37(6,m),1.14(6-Me ,d;6.8),6.06(7,dd;16 および 8.7),6.47(8,d;16),7.37(10/14,br d ;7.9),7.32(11/13,br t;7.6),7.22−7.28(12,m);3-クロロ-4- メトシキ フェニルアラニン(B) 4.73(2,br dt;6.4 および 8.1),6.14(2-NH,d;8.6),2.84(3,dd;14.4 および 8),3.18(3,dd ;14.4 および 6.3),7.21(5,d;2.2),3.85(7-OMe,s),6.82(8,d;8.6),7 .08(9,dd;8.6 および 2.2);3- アミノ -2-メチルプロピオン酸(C) 2.87(2 ,m),1.19(2-Me,d;7.0),3.01(3,ddd;13.4,10.6 および 4.9),3.73(3,d dd;13.4,8.2 および 4.7),6.72(3-NH,br dd;7.3 および 5.2);ロイシン 酸(D) 4.95(2,dd;9.7 および 4.2),1.62 - 1.72(3,m),1.79 - 1.84(3,m ),1.62 - 1.72(4,m),0.90(4-Me,d;6.4),0.95(5,d;6.4)。 13C NMR(CDCl3): 単位δ(炭素の位置)A 170.0(1),41.5(2),71.4(3),37.3 (4),71.9 または 71.8(5),43.6(6),16.6(6-Me),130.8(7),132.5(8),136.8 (9),126.2(10/14),128.6(11/13),127.6(12);B 170.9(1),53.2(2),34.7(3) ,130.3(4),131.1(5),122.2(6),153.8(7),56.1(7-OMe),112.2(8),128.5(9 );C 174.3(1),40.1(2),14.4(2-Me),42.5(3);D 170.7(1),71.8 または 71. 9(2),38.9(3),24.6(4),21.6(4-Me),22.9(5)。クリプトフィシン 28 [α]D+ 65.6°(MeOH,c 0.93);UV(MeOH)λmax(ε)204(48000),230(1930 0),248(18700),280(3400);IR(ニート)νmax3413,3270,2958,1745,1726 ,1665,1504,1258,1197,1175,1066,694 cm-1: EIMS m/z(相対強度)624/ 626(3.0/1.3),412/414(70/24),280/282(13/6),213(100),195/197(86/40); 高分解能 EIMS m/z 624.2626(C34H41ClN2O7として計算,-2.4 mmu 誤差);1H N MR(CDCl3アミノ酸またはヒドロキシ酸単位(炭素の位置,多重度;J(Hz))5- ヒドロキシ-8- フェニル-2,7- オクタジエン酸(A) 5.78(2,d;15.6),6.71( 3,ddd: 15.6,9.9 および 5.4),2.40(4,m),2.53(4,m),5.17(5,m),2.53( 6-H2,br t;6.7),6.07(7,dt;15.8 および 7.4),6.44(8,d;15.8),7.27-7 .38(10/11/13/14,m),7.22(12,m);3-クロロ-4- メトキシフェニルアラニン( B) 4.82(2,m),5.72(2-NH,d;8.5),3.04(3,dd;14.5 および 7.2),3.14( 3,dd;14.5 および 5.4),7.22(5,d;2.0),3.87(7-OMe,s),6.84(8,d;8. 5),7.08(9,dd;8.5 および 2.0);3- ア ミノ-2- メチルプロピオン酸(C) 2.72(2,m),1.21(2-Me,d;7.2),3.29(3, dt;13.5 および 7.0),3.49(3,ddd;13.5,4.9 および 3.8),6.97(3-NH,b r t;5.6); ロイシン酸(D) 4.82(2,m),1.40(3,m),1.62(3,m),1.62(4, m),0.76(4-Me,d;6.3),0.74(5,d;6.3);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素の 位置)A 165.4(1),125.2(2),141.2(3),38.5(4),73.5(5),38.6(6),124.1(7 ),133.8(8),136.7(9),126.1(10/14),128.6(11/13),127.6(12);B 170.9(1) ,53.6(2),35.1(3),129.8(4),131.0(5),122.4(6),154.0(7),56.1(7-OMe) ,112.3(8),128.4(9);C 175.6(1),38.3(2),14.0(2-Me),41.2(3),D 170.9( 1),71.6(2),39.6(3),24.5(4),21.5(4-Me),22.6(5)。クリプトフィシン 29 [α]D+ 22.2°(CHCl3,c 1.13);UV λmax(ε)250(17000),284(3300);I R(ニート)νmax3415,3272,2960,1744,1734,1674,1504,1259,1197,11 74,1067,694 cm-1;EIMS m/z(相対強度)624/626(2.6/1.1),398/400(44/15) ,227(100),195/197(50/16),155/157(59/20),131(63),91(95);高分解能 EI MS m/z 624.2607(C34H41ClN2O7として計算,-0.5 mmu誤差);1H NMR(CDCl3)アミ ノまたはヒドロキシ酸単位δ (炭素の位置,多重度;J(Hz))5- ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2,7 -オクタジエン酸(A) 5.75(2,dd;15.3 および 1.1 ),6.69(3,ddd;15.3,10.1 および 5.3),2.36(4,m),2.54(4,m),5.03(5, ddd;11.0,6.4 および 1.8),2.56(6,m),1.14(6-Me,d;6.8),6.01(7,dd ;15.8 および 8.8),6.41(8,d;15.8),7.28-7.33(10/11/13/14,m),7.22(12 ,m);3-クロロ-4- メトキシフェニルアラニン(B) 4.76(2,m),5.67(2-NH,d ;8.6),3.0(3,dd;14.4 および 10.2),3.14(3,dd;14.4 および 5.9),7.22 (5,d;2.2),3.87(7-OMe,s),6.83(8,d;8.4),7.08(9,dd;8.4 および 2. 2);3-アミノプロピオン酸(C) 2.55(2-H2,m),3.44(3,m),3.55(3,m),6.8 9(3-NH,br t;5.7); ロイシン酸(D) 4.90(2,dd;9.9 および 3.5),1.34( 3,ddd;15.4,10.3 および 3.5),1.63(3,m),1.63(4,m),0.76(4-Me,d;6. 4),0.72(5,d;6.4);13C NM R(CDCl3単位δ(炭素の位置)A 165.6(1),125.2(2),141.5(3),36.4(4),7 7.1(5),42.3(6),17.3(6-Me),130.1(7),131.8(8),136.7(9),126.2(10/14) ,128.6(11/13),127.6(12);B 170.9(1),53.8(2),34.9(3),129.9(4),131.0 (5),122.4(6),153.9(7),56.1(7-OMe),112.2(8),128.4(9);C 172.6(1),32 .4(2),34.5(3);D 170.4(1),71.5(2),39.7(3),24.4(4),21.2(4-Me),22.6( 5)。クリプトフィシン 30 [α]D- 12.3°(CHCl3,c 1.53);UV λmax(ε)254(17200),284(3600);I R(ニート)νmax3414,3306,2961,1738,1729,1660,1504,1258,1205,11 83,1066,695 cm-1;EIMS m/z(相対強度)656/658(1.0/0.3),638/640(3.0/1. 0),525/527(3.8/1.3),412/414(10.5/3.6),280/282(10.3/3.8),227(29),195 /197(48/17),155/157(74/21),131(100);高分解能 EIMS m/z 656.2852(C35H45C lN2O8として計算,1.3 mmu 誤差);1H-NMR(CDCl3): アミノまたはヒドロキシ酸 単位δ (炭素の位置,多重度;J(Hz))3,5- ジヒドロキシ-6- メチル-8- フェニ ル-7- オクテン酸(A) 2.25(2,dd;16.0 および 9.6),2.64(2,brd;16.0) ,3.89(3,m),2.51(3-OH,d;6.4),1.77(4,ddd;14.3,9.8 および 2.1),1. 88(4,ddd;14.3,11.3 および 3.8),4.88(5,ddd;11.3,6.2 および 2.1), 2.53(6,m),1.10(6-Me,d;6.8),5.99(7,dd;15.9 および 9.0),6.40(8,d ;15.9),7.28-7.33(10/11/13/14,m),7.23(12,m);3-クロロ-4- メトキシフ ェニルアラニン(B) 4.60(2,m),6.61(2-NH,d;8.1),3.09(3,dd;14.2 お よび 5.6),3.15(3,dd;14.2 および 7.3),7.22(5,d;2.1),3.86(7-OMe,s ),6.83(8,d;8.3),7.07(9,dd;8.3 および 2.1);3- アミノ-2- メチルプ ロピオン酸(C) 2.67(2,m),1.21(2-Me,d;7.3),3.26(3,ddd;13.6,7.3 および 6.4),3.63(3,ddd;13.6,6.2および 3.9),6.75(3-NH,br t;6.3); ロイシン酸(D) 4.83(2,dd;9.6,4.1),1.42(3,m),1.64(3,m),1.64(4,m ).0.79(4-Me,d;6.4),0.76(5,d;6.4);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素の位置 )A 171.6(1),42.4(2),66.0(3),41.3(4),76.0(5),42.0(6),17.3(6-Me),1 30.0(7),131.9(8),13 6.7(9),126.1(10/14),128.6(11/13),127.6(12);B 170.8(1),54.3(2),35.1 (3),130.1(4),131.1(5),122.2(6),153.8(7),56.1(7-OMe),112.1(8),128. 7(9);C 175.6(1),39.7(2),13.8(2-Me),41.5(3),D 171.9(1),72.1(2),39. 1(3),24.6(4).21.4(4-Me),22.7(5)。クリプトフィシン 31 [α]D+ 50.6°(MeOH,c 1.13);UVλmax(ε)242(3800),284(700);IR( ニート)νmax3412,3272,2961,1745,1725,1678,1537,1481,1270,1196 ,1176,1000,698 cm-1;EIMS m/z(相対強度)688/690/692(1.2/1.0/0.4),44 6/448/450(7.9/6.7/3.1),314/316/318(17/11/3),91(100);高分解能 EIMS m/z 688.2336(C35H42Cl2N2O8として計算,-1.8 mmu 誤差);1H-NMR(CDCl3アミ ノまたはヒドロキシ酸単位 δ(炭素の位置,多重度;J(Hz))7,8- エポキシ-5- ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2- オクテン酸(A) 5.78(2,d;15.5),6. 66(3,ddd;15.5,9.4 および 6.0),2.47(4,ddd;14.1,10.8 および 9.4),2 .56(4,m),5.14(5,ddd;10.8,4.7 および 1.7),1.82(6,m),1.15(6-Me,d ;7.1),2.93(7,dd;7.5 および 1.9),3.70(8,d;1.9),7.24-7.26(10/14,m ),7.34-7.39(11/12/13,m);3,5-ジクロロ-4- メトキシフェニルアラニン(B) 4.83(2,m),5.68(2-NH,d;9.0),3.0(3,dd;14.4 および 7.3),3.14(3,dd ;14.4 および 5.6),7.16(5/9,s),3.87(7-OMe,s);3- アミノ-2- メチルプ ロピオン酸(C) 2.74(2,m),1.22(2-Me,d;7.1),3.20(3,m),3.58(3,ddd ;13.5,5.6 および 4.1),6.82(3-NH,br t;5.6);ロイシン酸(D) 4.83(2, m),1.38(3,m),1.72(3,m),1.72(4,m),0.87(4-Me,d;6.8),0.86(5,d;6 .8);13C NMR(CDCl3単位δ(炭素の位置)A 165.4(1),125.4(2),141.0(3) ,36.7(4),76.3(5),40.6(6),13.5(6-Me),63.0(7),58.9(8),136.7(9),125 .6(10/14),128.7(11/13),128.6(12);B 170.8(1),53.3(2),35.2(3),129.3( 4),129.6(5/9),134.5(6/8),151.2(7),60.6(7-OMe);C 175.3(1),38.3(2), 13.9(2-CH3),41.5(3),D 170.6(1),71.3(2),39.4(3),24.6(4),22.9(4-Me) ,21.3(5)。クリプトフィシン 40 [α]D+ 41.6°(CHCl3,c 0.31);UV λmax(ε)242(4974),266(3911),27 4(3666),286(2359),328(511);IR(ニート)νmax3415,2959,1748,1723,1 667,1505,1463,1289,1176 cm-1;EIMS m/z(相対強度)640/642(5/2),280/ 282(7/3),213(13),195/197(51/17),155(29),141(32),121(28),91(100),6 9(47);高分解能 EIMS m/z 640.2570(C34H41ClN2O8として計算,-1.8 mmu 誤差 );1H NMR(CDCl3アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素の位置,多重度;J( Hz))7,8- エポキシ-5- ヒドロキシ-8- フェニル-2- オクテン酸(A) 5.77(2, d;15.1),6.72(3,ddd;15.1,9.7 および 4.9),2.42(4,m),2.58(4,m),5. 33(5,m),1.89(6,ddd;12.9,8.1 および 5.0),2.13(6,ddd;12.9,9.3 お よび 5.0),2.98(7,ddd;6.7,4.5 および 1.9),3.64(8,d;1.9),7.31-7.39 (10/11/13/14,m),7.22(12,m);3- クロロ-4- メトキシフェニルアラニン(B 4.83(2,m),5.64(2-NH,d;8.6),3.03(3,dd;14.3 および 7.5),3.14(3 ,dd;14.3 および 5.4),7.21 (5,d;2.0),3.87(7-OMe,s),6.84(8,d;8. 3),7.08(9,dd;8.3 および 2.0);3- アミノ-2- メチルプロピオン酸(C) 2 .72(2,m),1.23(2-Me,d;7.3),3.31(3,dt;13.8 および 6.9),3.50(3,dd d;13.6,5.7 および 3.9),6.96(3-NH,br t;6.0);ロイシン酸(D) 4.85(2 ,dd;6.7,3.4),1.42(3,m),1.72(3,m),1.72(4,m),0.86(4-Me,d,3.7) ,0.87(5,d,3.7);13C NMR(CDCl3)単位δ(炭素の位置)A 165.3(1),125.2(2 ),140.9(3),39.0(4),72.0(5),37.3(6),59.0(7),58.7(8),140.9(9),125. 6(10/14),128.7(11/13),128.5(12);B 170.9(1),53.6(2),35.1(3),129.8(4 ),131.0(5),122.5(6),157.0(7),56.1(7-OMe),112.3(8),128.4(9);C 175. 6(1),38.3(2),14.1(2-Me),41.1(3);D 170.9(1),71.4(2),39.4(3),24.5(4 ),21.5(4-Me),22.8(5)。クリプトフィシン 43 [α]D+ 20°(CHCl3,c 0.2);UVλmax(ε)250(20512),282(4083),294(1 734);IR(ニート)νmax3400,3272,2927,1727,1660,1516,1455, 1242,1175 cm-1;EIMS m/z(相対強度)533(24),484(3),445(14),398(9),3 64(29),227(59),149(67),91(100);高分解能 EIMS m/z 590.3044(C34H41N2O7 として計算,-5.2 mmu 誤差);1H NMR(CDCl3)アミノまたはヒドロキシ酸単位δ (炭素の位置,多重度;J(Hz))5- ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2,7- オ クタジエン酸(A) 5.75(2,d;15.3),6.69(3,ddd;15.3,9.9 および 5.3), 2.37(4,dt;14.2 および 10.4),2.52(4,m),5.01(5,ddd;11.2,6.4 およ び 1.8),2.55(6,m),1.13(6-Me,d;6.9),6.01(7,dd;15.8 および 8.9), 6.41 (8,d;15.8),7.21-7.34(10/11/12/13/14,m);4- メトキシフェニルアラ ニン(B) 4.80(2,m),5.64(2-NH,d;8.4),3.06(3,dd;14.5 および 7.2), 3.13(3,dd;14.4 および 5.3),7.06(5/9,d;8.4),6.74(6/8,d;8.4);3- アミノ-2- メチルプロピオン酸(C) 2.69(2,m),1.22(2-Me,d;7.3),3.33(3 ,m),3.44(3,dt;14.0 および 4.7),7.0(3-NH,m);ロイシン酸(D) 4.84(2 ,dd;10.0 および 3.6),1.60-1.67(3,m),1.35(3,m),1.60 - 1.67(4,m) ,0.76(5,d;6.4),0.73(5',d;6.7);13C NMR(CDCl3単位δ(炭素の位置 )A 125.2(2),141.5(3),36.5(4),77.5(5),42.3(6),17.3(6-Me),130.1(7) ,131.8(8),136.8(9),126.2(10/14),128.6(11/13),127.6(12);B 53.8(2), 35.3(3),129.8(4),130.5(5/9),115.6(6/8),154.6(7);C 38.3(2),14.1(2-M e),41.0(3);D 71.6(2),39.6(3),24.5(4),21.2(5),22.9(5')。少量の試料 では、カルボニル炭素のシグナルは見られなかった。クリプトフィシン 45 [α]D+ 72.0°(MeOH,c 0.122);UV λmax(ε)250(25500),284(5300);I R(ニート)νmax3407,3239,2958,1743,1727,1667,1538,1469,1242,11 96,1177,694 cm-1;EIMS m/z(相対強度)658/660/662(2.1/1.4/0.3),483(7 .6)432/434/436(9.5/6.4/1.8),300/302/304(8.0/5.5/1.2),227(100)91(87) ;高分解能 EIMS m/z 658.2207(C34H40Cl2N2O7として計算,0.6 mmu 誤差);1H- NMR(CDCl3):アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素の位置,多重度;J(Hz))5- ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2,7- オクタジエン酸 (A) 5.80(2,d;14.7),6.66(3,ddd;14.7,8.5 および 5.5),2.38(4,m), 2.53(4,m),4.97(5,br dd;10.4 および 6.2),2.57(6,m),1.14(6-Me,d;6 .7),6.01(7,dd;15.9 および 8.7),6.42(8,d;15.9),7.28-7.34(10/11/13 /14,m),7.22(12;m);3,5-ジクロロ-4- ヒドロキシフェニルアラニン(B) 4. 82(2,m),5.73(2-NH,br d;8.7),3.02(3,dd;14.3 および 6.2),3.10(3,d d;14.3 および 5.2),7.14(5/9,s),5.79(7-OH,s);3-アミノ-2- メチルプ ロピオン酸(C) 2.73(2,m),1.21(2-Me,d;7.0),3.17(3,m),3.60(3,m), 6.81(3-NH,br t;6.7);ロイシン酸(D) 4.84(2,dd;10.0 および 3.2),1.38( 3,ddd;14.9,10.2 および 3.2),1.65(3,m),1.65(4,m),0.78(4-Me,d;6. 5).0.73(5,d;6.5);13C NMR(CDCl3単位δ(炭素の位置)A 165.5(1),125 .4(2),141.2(3),36.4(4),77.6(5),42.3(6),17.3(6-Me),130.0(7),131.9( 8),136.7(9),126.2(10/14),128.6(11/13),127.6(12);B 171.0(1),53.2(2) ,35.0(3),130.4(4),129.1(5/9),121.0(6/8),146.7(7);C 175.2(1),38.5( 2),13.9(2-Me),41.6(3),D 170.7(1),71.5(2),39.5(3),24.6(4),22.7(4-M e),21.2(5)。クリプトフィシン 49 [α]D+ 68.1°(MeOH,c 0.075);UV λmax(ε)246(25500),284(5200);I R(ニート)νmax3401,3282,2962,1744,1728,1668,1540,1505,1464,12 58,1198,1177,1066,694 cm-1;EIMS m/z(相対強度)624/626(0.8/0.3),39 8/400(43/14),227(78),195/197(58/26)91(100); 高分解能 EIMS m/z 624.265 0(C34H41ClN2O7として計算,-4.8 mmu 誤差);1H-NMR(CDCl3): アミノまたはヒ ドロキシ酸単位 δ(炭素の位置,多重度;J(Hz))5- ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2,7- オクタジエン酸(A) 5.77(2,d;14.1),6.67(3,m),2.38(4, m),2.50(4,m),5.01(5,m),2.56(6,m),1.13(6-Me,d;6.5),6.03(7,dd; 15.8 および 8.6),6.42(8,d;15.8),7.29-7.35(10/11/13/14,m),7.23(12; m);3-クロロ-4- メトキシフェニルアラニン(B) 4.82(2,m),5.64(2-NH,m) ,3.06(3,m),3.13(3,m),7.22(5,m),3.87(7-OMe,s),6.83(8,m),7.08(9 ,m);3-アミノ-2- メチルプロピオン酸 (C) 2.72(2,m),1.22(2-Me,d;6.7),3.26(3,m),3.53(3,m),6.90(3-NH ,m);2- ヒドロキシ吉草酸(D) 4.81(2,dd;8.8 および 3.9),1.63(3,m), 1.68(3,m),1.33(4-H2,m),0.74(5,t;7.3)。クリプトフィシン 50 [α]D+ 32.0°(CHCl3c 0.44);UVλmax(ε)242(4933),262(3996),274(3 719),286(2430),332(359);IR(ニート)νmax3412,3274,2958,1752,1724 ,1676,1648,1503,1465,1258,1177,1066,753 cm-1;EIMS m/z(相対強度 )640/642(4/2),398/400(11/4),280/282(10/3),227(17),195/197(57/18),1 57(20),141(31),91(100);高分解能 EIMS m/z 640.2531(C34H41ClN2O8として 計算,2.1 mmu 誤差);1H NMR(CDCl3アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素 の位置,多重度;J(Hz))7,8- エポキシ-5- ヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル オクタン酸(A) 5.73(2,d;15.7),6.67(3,ddd;15.7,9.7 および 5.4),2. 45(4,m),2.55(4,m),5.13(5,ddd;11.2,5.0 および 1.7),1.78(6,m),1 .15(6-Me,d,6.9),2.91(7,dd;7.5 および 1.9),3.68(8,d;1.7),7.25(10 /14,m),7.33-7.38(11/12/13;m);3- クロロ-4- メトキシフェニルアラニン( B) 4.80(2,ddd;8.3,7.1 および 5.4),5.61(2-NH,d;8.3),3.03(3,dd;1 4.4 および 7.3),3.13(3,dd;14.4 および 5.6),7.21(5,d;1.9),3.87(7- OMe,s),6.83(8,d;8.4),7.07(9,dd; 8.4および 2.2);3- アミノ-2- メチ ルプロピオン酸(C) 2.71(2,m),1.22(2-Me,d;7.3),3.29(3,dt;13.6 お よび 6.9),3.49(3,ddd;13.6,6.7 および 5.0),6.92(3-NH,br t;6.7);2 - ヒドロキシペンタン酸(D) 4.75(2,dd;9.2 および 3.7),1.55(3,m),1.6 5(3,m),1.33(4-H2,m),0.84(5,t;7.3);13C NMR(CDCl3)単位δ値(炭素の 位置)A 165.3(1),125.3(2),141.0(3),36.9(4),76.3(5),40.8(6),13.6(6- Me),63.2(7),59.1(8),136.8(9),125.5(10/14),128.7(11/13),128.5(12); B 170.9(1),53.6(2),35.1(3),129.8(4),131.0(5),122.5(6),154.0(7),56 .1(7-OMe),112.3(8).128.5(9);C 175.6(1),38.4(2),14.1(2-Me),41.2(3) ;D 170.4(1),72.4(2),32.7(3),18.4(4),13.5(5)。クリプトフィシン 54 EIMS m/z(相対強度)654/656(17/10),493(5),411/413(12/4),280(16),22 7(25),195/197(45/25),141(30),91(100); 高分解能 EIMS m/z 654.2686(C35 H43ClN2O8として計算,2.2 mmu 誤差);1H NMR(CDCl3): アミノまたはヒドロキ シ酸単位 δ(炭素の位置,多重度;J(Hz))5- ヒドロキシ-6- メチル-7- オキソ -8- フェニル-2- オクテン酸(A) 5.73(2,d;15.4),6.66(3,ddd;15.4,9.7 ,5.7),2.46(4,m),2.53(4,m),5.16(5,ddd;11.0,4.2,1.7),1.79(6,m) ,1.14(6-Me,d;6.8),2.89(7,dd;7.4,1.8),3.69(8,d;1.9),7.25(10/14 ,m),7.30-7.38(11/12/13,m);(B) 4.81(2,m),5.63(2-NH,d;8.6),3.03( 3,dd;14.5,7.3),3.13(3,dd;14.5,5.5),7.21(5,d;2.2),3.87(7-OMe, s),6.83(8,d;8.4),7.07(9,dd;8.4,2.2);(C) 2.73(2,m),1.22(2-Me, d;7.3),3.26(3,ddd;13.4,6.8,6.8),3.51(3,ddd;13.4,6.8,5.3),6.8 8(3-NH,br t;6.8);(D) 4.73(2,d;4.2),1.78-1.82(3,m),0.92(3-Me,d ;6.8),1.36-1.41(4,m),1.18-1.20(4,m),0.80(5,t;7.5);13C NMR(CDCl3 ):単位δ(炭素の位置)A 165.3(1),125.4(2),141.0(3),36.6(4),76.3(5), 40.6(6),13.2(6-Me),63.1(7),58.7(8),136.7(9),125.4(10/14),128.6(11/ 13),128.5(12);B 170.9(1),53.5(2),35.0(3),129.8(4),131.0(5),125.2( 6),153.9(7),56.1(7-OMe),112.2(8),128.4(9);C 175.4(1),38.5(2),14.0 (2-Me),41.3(3);D 169.4(1),76.5(2),36.1(3),15.6(3-Me),24.0(4),11.2 (5)。実施例6 クリプトフィシン誘導体の合成 クリプトフィシン8 3.8mgのクリプトフィシン1を含む 1.5mLの1,2-ジメトキシエタン/ 水(2:1)の 水溶液に、9μL の1N HCl を加えた。この溶液を室温で4 時間攪拌し、炭酸カ リウムで中和して、エバポレートした。残渣を水とCH2Cl2とに分配した。CH2Cl2 −可溶性物質を逆相HPLCで精製し、3.3mg の純粋なクリプトフィシン8を得た。 EIMS m/z(相対強度)690/692/694(0.8/0.5/0.2)。高分解能 EIMS m/z 690. 2533(C35H44Cl2N2O8として計算,-5.8 mmu 誤差)。1H NMR(CDCL3): アミノ またはヒドロキシ酸単位 δ(炭素の位置,多重度;J(Hz))8- クロロ-5,7- ジヒ ドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2- オクテン酸(A) 5.79(2,d;15.4),6.69 (3,ddd;15.4,9.7 および 5.6),2.68(4,ddt;14.0,5.5 および 1.8),2.3 8(4,m),5.11(5,ddd;10.8,8.6 および 1.8),2.51(6,m),1.05(6-Me,d;7 .0),4.01(7,dd;9.6 および 1.9),4.65(8,d;9.6),7.36-7.41(10/11/12/1 3/14,m);ロイシン酸(D) 4.92(2,dd;10.1 および 3.5),1.76(3/4,m),1 .45(3,m),0.94(5,d;6.6),0.94(5',d;6.4);3-アミノ-2- メチルプロピオ ン酸(C) 2.73(2,m),1.22(2-Me,d;7.2),3.25(3,ddd;13.6,6.8 および 6.1),3.54(3,ddd;13.5,6.1 および 3.4),6.91(3-NH,brt;6.1);3-クロロ -4- メトキシフェニルアラニン(B) 4.82(2,ddd;8.8,7.2 および 5.6),5.6 4(2-NH,d;8.8),3.03(3,dd;15.4 および 7.2),3.16(3,dd;15.4および 5. 6),7.23(5,d;2.2),3.88(7-OCH3,s),6.85(8,d;8.5),7.09(9,dd;8.5 および 2.2)。クリプトフィシン9 10mgのクリプトフィシン1を含む1 mL の乾燥メタノールに、10μL のメタノ ール性HCl(25 mL のメタノールで1.25g の塩化チオニルを処理して得られた)を 添加した。4時間攪拌した後、溶媒を真空下に除去し、サンプルを真空下に12時 間置いた。逆相 HPLC より、8mgの純粋なクリプトフィシン9が得られた。 1H NMR(CDCl3): アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素の位置,多重度; J(H z));5,7-ジヒドロキシ-8- メトキシ-6- メチル-8- フェニル-2- オクテン酸(A ) 5.76(2,d;15.5),6.67(3,ddd;15.5,9.5 および 5.6),2.34(4,ddd;14 .1,11.1 および 9.5),2.62(4,dddd;14.1,5.6,1.8 および 1.5),5.09(5 ,ddd;11.1,7.8 および 1.8),2.24(6,dqd;7.8,7.0 および 2.2),1.03(6 -Me,d;7.0),3.71(7,dd;8.3 および 2.2),4.03(8,d;8.3),3.20(8-OCH3 ,s),7.31-7.40(10/11/12/13/14,m); ロイシン酸(D) 4.86(2,dd;9.8 お よび 3.5),1.71(3/4,m),1.41(3,m),0.89(5/5',d;6.4);3-アミノ-2- メ チルプロピオン酸 (C) 2.71(2,ddq;6.8,3.9 および 7.2),1.21(2-Me,d;7 .2),3.23(3,ddd;13.5,6.8 および 6.0),3.52(3,ddd;13. 5,6.0 および 3.9),6.90(3-NH,brt;6.0);3-クロロ-4- メトキシフェニル アラニン(B) 4.82(2,ddd;8.8,7.4 および 5.7),5.66(2-NH,d;8.8),3.0 2(3,dd;14.4,7.4),3.15(3,dd;14.4 および 5.5),7.23(5,d;2.2),3.8 7(7-OCH3,s),6.84(8,d;8.5),7.08(9,dd;8.5 および 2.2)。クリプトフィシン 10 7mgのクリプトフィシン9を含む1mLのアセトン溶液と0.3 mLの水を攪拌し、 ここに8μL の 2N NaOHを加えた。4時間攪拌した後、1N HCl でpH 7 に中和し 、減圧下に溶媒を除去した。残渣を逆相 HPLC に供し、MeOH/H2O(7:3)で溶出し て純粋なクリプトフィシン 10(5mg)を得た。 1H NMR(CD3OD): アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素の位置,多重度;J(Hz ));5,7-ジヒドロキシ-8- メトキシ-6- メチル-8- フェニル-2- オクテン酸(A 5.99(2,dt: 15.4 および 1.3),6.82(3,dt;15.4および 7.3),2.30(4,m ),2.50(4,m),3.66(5,td;7.8 および 3.5),2.05(6,d ペンテット(pentet) ;1.8 および 7.0),0.96(6-Me,d;7.0),4.04(7,dd;8.8 および 2.0),4.0 1(8,d;8.8),3.12(8-OCH3,s),7.26-7.36(10/11/12/13/14,m);3-アミノ-2- メチルプロピオン酸(C) 2.50(2,m),1.02(2-Me,d;7.3),3.16(3,dd;13. 4 および 6.9),3.82(3,dd;13.4 および 6.6);3-クロロ-4- メトキシフェ ニルアラニン(B) 4.57(2,dd;8.5 および 6.5),2.82(3,dd;13.9 および 8.6),3.03(3,dd;13.9 および 6.5),7.25(5,d;2.2),3.82(7-OCH3,s),6 .96(8,d;8.6),7.13(9,dd;8.6 および 2.2)。13C NMR(CD3OD): δ179.5,1 73.4,168.2,155.4,143.7,141.7,131.9,131.7,129.8,129.3(2C),129.2( 2C),128.8,126.2,123.2,113.4,85.9,74.5,74.1,56.8,56.6,56.3,43. 3,41.2,40.2,38.8,38.0,15.5,9.9。クリプトフィシン 12 5mgのクリプトフィシン1、5または8を含む1mLのアセトン/ 水(4:1)に、1 5μL の 2N NaOHを加えた。室温で5時間攪拌した後、反応混合物をlN HClでpH 7 に中和し、エバポレートした。CH2Cl2−可溶性物質を、CH2Cl2 、EtOAc/ CH2Cl2(1:1)、およびEtOAc を用いて、小さなシリカーカートリッジを通過させ た。EtOAc で溶出された画分は純粋なクリプトフィシン12を含んでいた。 1H NMR(CD3OD): アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素の位置,多重度;J(Hz ));5,7,8-トリヒドロキシ-6- メチル-8- フェニル-2-オクテン酸(A) 6.07(A ) (2,ddd;15.5,1.3 および 1.2),6.40(3,dt;15.5 および 7.3),2.49(4 ,m),2.60(4,m),3.92(5,ddd;9.3,6.7 および4.5),1.94(6,m),1.07(6-M e,d;6.6),3.61(7,dd;8.9 および7.6),4.56(8,d;7.6),7.36(10/14,dd ;7.4 および 1.5),7.32(11/13,brt;7.5),7.25(12,m);3-アミノ-2- メチ ルプロピオン酸 (C) 2.54(2,ddq;7.0,6.6 および 7.0),1.02(2-Me,d;7.0 ),3.14(3,dd;13.5 および 7.0),3.42(3,dd;13.4 および 6.6);3- クロロ -4- メトキシフェニルアラニン (B) 4.57(2,dd;8.4 および 6.7),2.83(3, dd;13.8 および 8.4),3.02(3,dd;13.8 および 6.6),7.25(5,d;2.1),3. 82(7-OCH3,s),6.95(8,d;8.5),7.12(9,dd;8.5 および 2.1)。クリプトフィ シン12をジアゾメタンでメチル化することにより、クリプトフィシン6が得られ た。クリプトフィシン 14 3mgのクリプトフィシン6を含む1mLのアセトン/H2O(3:1)の溶液に、5μLの 2N NaOHを加えた。5時間攪拌した後、反応混合物をlN HCl でpH 7 に中和し、 その後エバポレートして乾固した。残渣を逆相 HPLC に供し、2.4mg のクリプト フィシン 14を得た。 1H NMR(CD3OD): アミノまたはヒドロキシ酸単位δ(炭素の位置,多重度;J(Hz ));5-ヒドロキシ-6-メチル-8-フェニル-2,7-オクタジエン酸(A) 5.98(2,d; 15.3),6.78(3,dt;15.3 および 7.5),2.35(4,m),3.64(5,td;7.2 および 4.8),2.47(6,m),1.14(6-Me,d;6.9),6.22(7,dd;15.9 および 8.1),6. 39(8,d,15.9),7.24-7.36(10/11/12/13/14,m);3- アミノ-2- メチルプロピ オン酸(c) 2.35(2,m),1.02(2-Me,d;6.9),3.18(3,dd;13.2 およ び6.6) ,3.36(3,dd;13.2 および4.5);3- クロロ-4- メトキシフェニルアラニン(B 4.58(2,dd;8.7 および 6.3),2.80(3,dd;13.8 お よび 9.0),3.05(3,dd;13.8 および 6.3),7.25(5,d;2.1),3.82(7-OCH3, s),6.95(8,d;8.4),7.13(9,dd;8.4 および 2.1)。クリプトフィシン 35 触媒量のptO2を0.5 mlのCH2Cl2を含むフラスコ中に加えた。フラスコ内の空気 を除去し、H2を充填し、混合物を室温で20分攪拌した。10mgのクリプトフィシン 1を含む最小量のCH2Cl2溶液を加え、混合物を室温で45分間攪拌した。触媒をセ ライト(celite)/綿を通して濾過して除き、溶媒をエバポレートした。残渣をC1 8 の逆相 HPLC カラムにかけ、6.5 mgのクリプトフィシン35を得た。 EIMSm/z(相対強度)656/658(25/10),412/414(25/12),280/282(20/10),195 /197(78/25),14(58),91(100);高分解能 EIMS m/z 656.2864(C35H45ClN2O8と して計算,0.0 mmu 誤差);1H NMR(CDCl3アミノまたはヒドロキシ酸単位δ値 (炭素の位置,多重度;J(Hz))2,3- ジヒドロ-7,8- エポキシ-5- ヒドロキシ-6 - メチル-8- フェニルオクタン酸(A) 2.32(2,ddd;14.5,9.2,5.8),2.10(2 ,ddd;14.5,9.2,6.2),1.5-1.8(3/4重なり合っている m),5.07(5,ddd;12. 5,5.6 2.0),1.80(6,m),1.12(6-Me,d;7.0),2.90(7,dd;7.4,1.8),3.67 (8,d;1.8),7.24(10/14,m),7.32-7.38(11/12/13,m);3- クロロ-4- メトキ シフェニルアラニン(B) 4.71(2,ddd;8.7,6.4,6.3),5.62(2-NH,d;8.7) ,3.08(2H-3,br d;6.4),7.19(5,d;2.0),3.87(7-OMe,s),6.83(8,d;8.5 ),7.07(9,dd;8.4,2.0);3- アミノ-2- メチルプロピオン酸(C) 2.72(2,m ),1.18(2-Me,d;6.9),3.12(3,ddd;11.4,10.6,5.6),3.70(3,ddd),6.76 (3-NH,br t,6.0);ロイシン酸(D) 4.83(2,dd;9.9,3.8),1.39(3,m),1. 70(3,m),1.72(4,m),0.87(4-Me,d;5.3),0.86(5,d;5.3);13C NMR(CDCl3 )単位δ値(炭素の位置)A 172.4(1),36.2(2),32.0(3),21.1(4),76.6(5),4 0.2(6),13.6(6-Me),63.3(7),59.2(8),136.8(9),125.6(10/14),128.7(11/1 3),128.6(12);B 170.7(1),53.7(2),35.5(3),130.0(4),131.1(5),122.2(6 ),153.8(7),56.1(7-OMe),112.1(8),128.5(9);C 175.2(1),38.2(2),13.6( 2-Me),42.1(3);D 171.9(1),71.7(2),39.6(3),24.5(4),22.9(4-Me),21.4( 5)。実施例 10 クリプトフィシン物質の微小管脱重合活性の分析 ビンブラスチン、サイトカラシンB、テラメチルローダミン イソシアナート (TRITC)-ファロイジン(phalloidin)、スルフォローダミンB(SRB)およびβ- チ ューブリンおよびビメンチンに対する抗体をSigma Chemical Companyより入手し た。アール塩(Earle's salt)を含むイーグル基本培地(BME)をGibco より、また ウシ胎児血清(FBS)をHyclone Laboratoriesより購入した。細胞株 Jurkat T細胞白血病株および A-10 ラット大動脈平滑筋細胞をアメリカン・タ イプ・カルチャー・コレクションより入手し、10% FBSおよび50μg/mlの硫酸ゲ ンタマイシンを含むBME 中で培養した。ヒト卵巣癌細胞(SKOV3)およびビンブラ スチンに対する耐性で選択されたサブライン(SKVLB1)は、オンタリオ癌研究所の ビクター・リン博士から快く贈られたものである。いずれの細胞株も10% FBSお よび50μg/mlの硫酸ゲンタマイシンを含むBME 中で維持した。ビンブラスチンを 終濃度1 μg/mlとなるように継代後24時間のSKVLB1細胞に添加し、P-グリコプロ テイン−過剰発現細胞のための選択圧力を維持した。細胞増殖アッセイおよびサイクルアレストアッセイ(Cycle Arrest Assays) 細胞増殖アッセイをSkehanらの方法11に従って行った。Jurkat細胞のために、 培養液をSkehan11に記載されたように指示された薬剤で処理し、総細胞数を血球 計算板中でカウントして決定した。有糸分裂中の細胞の比率を0.4 %ギムザを含 むPBS で染色し、PBS で3回さっと洗浄して決定した。1回の処理当たり、少な くとも1000個の細胞を、有糸分裂像の存在のために評価し、計測された総細胞数 に対する有糸分裂像を有する細胞の比率として分裂指数を計算した。免疫蛍光アッセイ A-10細胞をBME/10% FBS 中でカバーガラス上でほぼコンフレントまで増殖させ た。PBS に溶解した化合物を指示された終濃度で添加し、細胞をさらに24時間イ ンキュベートした。微小管および中間径フィラメントの染色のために、細胞を冷 メタノールで固定し、10% 子ウシ血清を含むPBS でインキュベートして非特異的 結合部位をブロックした。その後細胞を37℃で60分間、製造元によって推奨され た希釈で、モノクローナル抗 -β- チューブリンまたはモノクローナル抗ビメン チンのいずれかと共にインキュベートした。結合した一次抗体を引き続きフルオ レセイン結合ウサギ抗マウス IgGと共に45分間インキュベートして目に見えるよ うにした。カバーガラスを顕微鏡用スライドガラス上に載せ、蛍光パターンを調 べ、フルオレセイン用エピフルオレセンス光学系(epifluorescence optics)を備 えたツァイス光学顕微鏡 III(Zeiss Photomicroscope III)を用いて写真を撮影 した。ミクロフィラメントの染色のために、細胞を3%パラホルムアルデヒドで 固定し、0.2%トライトンX-100 で浸透可能にし、水素化ホウ素ナトリウム(1mg/m l)で化学的に還元した。その後、100nM のTRITC-ファロイジン含有PBSを添加 し、この混合物を45分間37℃でインキュベートした。これらの細胞を、カバーガ ラスを載せる前にPBS で手早く3回洗浄し、直ちに上記のように写真撮影した。クリプトフィシンおよびビンブラスチンのJurkat 細胞の増殖および細胞周期に 対する効果 クリプトフィシン化合物およびビンブラスチンの細胞増殖に対する効果のため の濃度依存曲線および有糸分裂中の細胞の比率を、図2Aおよび2Bに各々示した。 未処理細胞の3%未満が有糸分裂像を示した。クリプトフィシン化合物およびビ ンブラスチンはいずれも、分裂中と観察された細胞の比率の濃度依存的な増加を 引き起こした。分裂指数の増加は、細胞増殖の減少とほぼ相関していた。すなわ ち、クリプトフィシン化合物およびビンブラスチンのいずれもが50%の細胞に有 糸分裂中蓄積を生じる濃度は、細胞の増殖を50%阻害した濃度と事実上同じであ った。これらの効果に対するクリプトフィシン化合物およびビンブラスチンのIC50 は、各々0.2 および8nMであった。細胞骨格に対するサイトカラシンB、ビンブラスチンおよびクリプトフィシンの 効果 大動脈平滑筋(A-10)細胞をカバーガラス上で増殖させ、PBS 、2μM サイトカ ラシンB、100nM ビンブラスチン、または 10nM クリプトフィシン化合物で処理 した。24時間後、微小管およびビメンチン中間径フィラメントを間接免疫蛍光に よって目に見えるようにし、ミクロフィラメントをTRITC-ファロイジンを用いて 染色した。各薬剤の形態学的効果を調べた。未処理細胞では核周囲の微小管組織 中心を完備した大規模な微小管ネットワークが示された。ミクロフィラメントの 束は細胞の主軸に沿って濃縮されていたが、ビメンチン中間径フィラメントは、 細胞質中に均一に分布していた。サイトカラシンBは、準結晶質凝集物(paracr ystalline remnants)の蓄積に沿ってミクロフィラメントの脱重合を生じさせた 。この化合物は、微小管または中間径フィラメントのいずれの分布にも影響しな かった。ビンブラスチンおよびクリプトフィシン化合物はいずれも、微小管の著 しい枯渇を生じさせた。いずれの化合物もミクロフィラメント組織に影響を与え なかった;しかしながら、ビメンチン中間径フィラメントは崩れ、ビンブラスチ ンまたはクリプトフィシンのいずれかで処理された細胞の核の周囲に同心円を形 成した。タキソール−安定化微小管に対するクリプトフィシン類およびビンブラスチンの 効果 PBS 、100nM ビンブラスチンまたは10nM クリプトフィシン化合物を添加する 前に、A-10細胞を、0または10μM のタキソールで3時間処理した。24時間後、 微小管組織を上記のように免疫蛍光によって調べた。コントロール細胞における これらと比較して、タキソール処理細胞中の微小管は、特に細胞の極領域で大き く束ねられていた。前述のように、ビンブラスチンは前処理をしていない細胞中 の微小管の完全な脱重合を生じさせた。しかしながら、タキソールを用いた前処 理により、ビンブラスチンに応答する微小管の脱重合が妨害された。同様に、タ キソール前処理により、クリプトフィシン−誘導脱重合に対して微小管が完全に 安定化された。ビンブラスチンおよびクリプトフィシンによる微小管脱重合の可逆性 100nM のビンブラスチンまたは10nMのクリプトフィシン類のいずれかで24時間 、A-10細胞を処理したところ、完全な微小管脱重合が生じた。その後、細胞を洗 浄し、薬剤を添加していない培地で1時間または24時間、インキュベートした。 ビンブラスチンが離れた後、微小管は速やかに再重合し、1時間後に微小管の有 意なレベルを示し、24時間後に完全な形態学的回復を示した。対照的に、クリプ トフィシン化合物が離れた後、これらの化合物で1時間または24時間処理した細 胞では、微小管は再度現れることはなかった。細胞増殖のクリプトフィシン−、ビンブラスチン−およびタキソール−阻害の可 逆性 SKOV3 細胞を、予め設定したビンブラスチン、クリプトフィシン化合物または タキソールのIC50濃度(表5に要約した実験で決定された値)で24時間処理した 。この間中、細胞密度は0.4 から0.5 ±0.05吸光度単位へ増加し(図3)、3つ の処理のために細胞数が25%増加したことを示した。薬剤を除去すると、ビンブ ラスチン−処理細胞では、24時間以内に細胞数が約3倍になるという速やかな増 殖が生じた。対照的に、クリプトフィシン化合物またはタキソール処理細胞では 、これらの薬剤を除去しても24時間以内に細胞数は0.2 から0.4 倍に増加しただ けで、分裂休止が残っていた。クリプトフィシンまたはタキソール処理細胞の増 殖能は、その後の24時間でこれらの細胞が2倍になったことから、引き続き保存 されていた。細胞増殖に対するビンブラスチンおよびクリプトフィシン類の組合せの効果 SKOV3 細胞を、クリプトフィシン類およびビンブラスチンの組合せで、48時間 処理した。その後、生存している細胞数の比率を決定し、各組合せのためのIC50 を計算した。これらの組合せ処理の効果を、単一の薬剤処理と同様に、イソボロ グラム(isobologram)として表した(図4)。クリプトフィシン化合物とビンブ ラスチンの組合せのIC50は、相加性のラインに極めて近いものとなり、これらの 2つの薬剤が細胞増殖の相加的阻害のみを誘導することが示された。SKOV3 およびSKVLB1細胞に対するクリプトフィシン類、ビンブラスチンおよびタ キソールの細胞毒性 SKVLB1細胞は、P-グリコプロテイン12を過剰発現するため、天然物抗癌剤に耐 性である。タキソール、ビンブラスチンおよびクリプトフィシン化合物のSKOV3 およびSKVLB1細胞の増殖阻害能を表5に示した。タキソールは、SKOV3 およびSK VLB1細胞にとってのIC50、各々1nMおよび8000nMで、両方の細胞株の増殖の濃度 依存的阻害を引き起こした。ビンブラスチンはまた、両方の細胞株の増殖を、SK OV3およびSKVLB1細胞にとってのIC50、各々0.35nMおよび4200nMで阻害した。ク リプトフィシン類は、SKOV3 およびSKVLB1細胞にとってのIC50が、各々7pMおよ び600pM であることを証明した。SKVLB1細胞にとって結果として生じたこれらの 化合物に対する耐性因子を、SKVLB1細胞のIC50として計算した。SKOV3 細胞にと ってのIC50もまた、表5に示した。 このように、本発明が、既に開示されたクリプトフィシン化合物と同様、強力 な細胞増殖阻害剤であり、微小管ネットワークの破壊と有糸分裂の阻害によって 作用する新規なクリプトフィシン化合物を提供することが証明された。クリプト フィシン化合物は微小管組織および有糸分裂を含むこのように正常な細胞の機能 を破壊する。 コルヒチンおよびビンカアルカロイドなどの古典的な抗微小管剤は、有糸分裂 における細胞分裂を停止させる。細胞増殖に対するこれらの薬剤の1つの効果を 、クリプトフィシン化合物のそれと比較することが適当であると思われる。この 目的のために、ビンカアルカロイドであるビンブラスチンを古典的な抗微小管剤 の代表として選択した。したがって、クリプトフィシン化合物およびビンブラス チンのJurkat T白血病細胞株の細胞の増殖と細胞周期の進行における効果を比較 した。いずれの化合物も、細胞の増殖の濃度依存的阻害と平行して有糸分裂中の 細胞蓄積を生じさせた。 抗有糸分裂効果は、通常、有糸分裂紡錘体における微小管の破壊によって仲介 (mediate)されるため、細胞骨格構造に対するクリプトフィシン化合物の効果は 、蛍光顕微鏡法で特徴付けられる。クリプトフィシン化合物またはビンブラスチ ンのいずれかで処理された細胞を免疫蛍光染色すると、いずれの化合物も微小管 の完全な欠損を引き起こすことが明瞭に示された。SKOV3 細胞を用いた同様の実 験では、クリプトフィシン化合物の抗微小管効果は平滑筋細胞株に特有のもので はないことが示された。いずれの薬剤も、サイトカラシンBで容易に誘導された と同様、ミクロフィラメントの束のレベルまたは分布に影響せず、微小管の欠損 が、例えば、プロテアーゼの活性化またはエネルギー充足率の欠損といった非特 異的メカニズムによるものでないかもしれないということを示唆している。ビン ブラスチンおよびクリプトフィシン化合物はいずれも、細胞核の周囲に明るい染 色環が形成されたというようなビメンチン中間径フィラメントの顕著な崩壊をも 促進した。 培地からビンブラスチンを除去すると、微小管の速やかな再重合が生じた。対 照的に、クリプトフィシン化合物で処理された細胞では、培地からこの化合物が 除去されてから少なくとも24時間後、微小管の枯渇が残っていた。 本発明は、クリプトフィシン化合物が、P-グリコプロテイン−仲介多剤耐性を 回避するということを証明した。P-グリコプロテインによる輸送は、天然物抗癌 剤の能力を制限し、後天的なまたはデノボ薬剤耐性を有する腫瘍細胞の増殖を阻 害する。ビンカアルカロイドは化学療法の初期の段階では非常に有用であるが、 P-グリコプロテインによる輸送にとって極めてよい基質であり、P-グリコプロテ イン−仲介MDR 腫瘍に対する有用性が非常に限定されている。それゆえ、多剤耐 性を克服することができる可能性のある薬剤の同定は、有用で新規な抗癌剤の開 発につながるなずである。本発明のクリプトフィシン化合物は、P-グリコプロテ イン−仲介輸送にとって適当でない基質であるため、このような薬剤であるよう に思われる。この事実は、ビンブラスチン、タキソールおよび他の天然物薬剤に 比べて、クリプトフィシンのための低い細胞耐性因子に反映されている。 この明細書中で引用されたすべての刊行物および特許出願は、個々に特別に引 用されてはいないが、それらが特別かつ個別に引用され含まれていることが示唆 されていても、ここで引用によって含まれる。 上述の発明は、明瞭性と理解を目的として図面および実施例によりかなり詳細 に説明されているが、本発明の教示を考慮すると、当業者にとって、ある種の変 更および改良をおこなうことは請求の範囲の本質および範囲から離れることなく 可能であるということは明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 31/395 ADU 9454−4C A61K 31/395 ADU 38/43 ADV 8615−4C 45/00 45/00 9639−4C C07D 273/08 C07D 273/08 7329−4C 303/36 303/36 7822−4C 307/20 307/20 9159−4C 413/06 303 413/06 303 7433−4C C07J 21/00 C07J 21/00 9637−4B C12P 13/00 C12P 13/00 9051−4C A61K 37/48 ADV (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,JP,US (72)発明者 スミス,チャールズ ディー. アメリカ合衆国 19053 ペンシルバニア 州 フィースターヴィル,ケイティー ド ライブ 280番地 (72)発明者 パターソン,グレゴリー エム.エル. アメリカ合衆国 96826 ハワイ州 ホノ ルル,クイレイ ストリート 2740番地 アパートメント 905 (72)発明者 ムーベリー,スーザン エル. アメリカ合衆国 96734 ハワイ州 ホノ ルル,ケオル ドライブ 659番地 (72)発明者 コルベット,トーマス エイチ. アメリカ合衆国 48230 ミシガン州 グ ロス ポイント,グレイトン 1259番地 (72)発明者 ヴァレリオッテ,フレデリック エイ. アメリカ合衆国 48316 ミシガン州 シ ェルビー タウンシップ,セブン オーク ス ドライブ 52623番地

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.次の構造: 〔式中、 R1はH、OH、ハロゲン、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基 または低級アルキル基であり; R2はH、OH、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基または低級 アルキル基であり; または R1とR2は一緒になってエポキシド環、アジリデン環、スルフィド環またはC10 とC11の間に第二結合を形成することができ;または R1とR4は一緒になってテトラヒドロフラン環を形成することができ; R3はHまたは低級アルキル基であり; R4はOH、低級アルカノイルオキシ基または低級α−ヒドロキシアルカノイ ルオキシ基であり; R5はHまたはOH基であり; R6はHであり;または R5とR6は一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成することができ; R7はベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、ハロヒドロキシベ ンジル、ジハロヒドロキシベンジル、ハロメトキシベンジルまたはジハロメトキ シベンジル基であり; R8はOH、低級β−アミノ酸(C1がβ−アミノ酸のNに結合される)また はエステル化された低級β−アミノ酸(C1がエステル化低級β−アミノ酸基の Nに結合される)であり; R4とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができ;または R5とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができる; ただし、 R2がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR1はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR2はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、R2がOH、R3がメチル、R5とR6が一緒になってC5とC6 の間に第二結合を形成し、R4とR8が一緒になって次の構造X: (ここで、XのO1はR4に対応し、XのN8はR8に対応し、R9はメチル 、そしてR10はイソブチルである)を有するジデプシペプチド基を形成するとき 、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではなく; R1とR2が一緒になってエポキシド環を形成し、R3がメチル、R5とR6 が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R4とR8が一緒になって構造 X(R9はメチル、そしてR10はイソブチル)を有するジデプシペプチド基を形 成するとき、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではなく; R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメ チル、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R4とR8が一 緒になって構造X(R9はメチル、そしてR10はイソブチル)を有するジデプシ ペプチド基を形成するとき、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではなく ;そして R1とR2が一緒になってエポキシド環を形成し、R3がメチル、R5とR6 が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R4がロイシン酸のカルボキ シ末端に結合しており、そしてR8が3−アミノ−2−メチルプロピオン酸また は3−アミノ−2−メチルプロピオン酸メチルエステルの窒素末端に結合してい るとき、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではない〕 で表される化合物。 2.C2、C8、C9、C10およびC11に結合された基の少なくとも1つがR立体 化学を有する、請求項1に記載の化合物。 3.C2、C8、C9、C10およびC11に結合された基の少なくとも1つがS立体 化学を有する、請求項1に記載の化合物。 4.R4がR8と一緒になるとき形成されるジデプシペプチドが次の構造: (ここで、XのO1はR4に対応し、XのN8はR8に対応する)を有する、請求 項1に記載の化合物。 5.R5がR8と一緒になるとき形成されるジデプシペプチドが次の構造: (ここで、XのO1はR5に対応し、XのN8はR8に対応する)を有する、請求 項1に記載の化合物。 6.R4の低級α−ヒドロキシアルカン酸がロイシン酸またはその異性体である 、請求項1に記載の化合物。 7.R7が4−メトキシベンジル基である、請求項1に記載の化合物。 8.R7が3−ハロ−4−メトキシベンジル基である、請求項6に記載の化合物 。 9.R1とR4が一緒になってテトラヒドロフラン環を形成し、R2がOH、R3が メチル、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3− クロロ−4−メトキシベンジルであり、そしてR8が(2−カルボメトキシプロ ピル)アミノ基である、請求項1に記載の化合物。 10.R1とR4が一緒になってテトラヒドロフラン環を形成し、R2およびR8がO H、R3がメチル、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、 そしてR7が3−クロロ−4−メトキシベンジルである、請求項1に記載の化合 物。 11.R1がOCH3、R2およびR4がOH、R3がメチル、R5とR6が一緒になっ てC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジル であり、そしてR8が(2−カルボキシプロピル)アミノである、請求項1に記 載の化合物。 12.R1とR4が一緒になってテトラヒドロフラン環を形成し、R2がOH、R3が メチル、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3− クロロ−4−メトキシベンジルであり、そしてR8が(2−カルボキシプロピル )アミノである、請求項1に記載の化合物。 13.R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチ ル、R4がOH、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7 が3−クロロ−4−メトキシベンジルであり、そしてR8が(2−カルボキシプ ロピル)アミノである、請求項1に記載の化合物。 14.R1とR2が一緒になってエポキシド基を形成し、R3がメチル、R5とR6が 一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が4−メトキシベンジルで あり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9はメチル、そしてR10はイソ ブチル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 15.R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチル 、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が4−メトキ シベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9はメチル、そし てR10はイソブチル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 16.R1がクロロ基、R2がOH、R3がメチル、R5とR6が一緒になってC5とC6 の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジルであり、そ してR4とR8が一緒になって構造X(R9はメチル、そしてR10はイソブチル) を形成する、請求項4に記載の化合物。 17.R1がOCH3、R2がOH基、R3がメチル、R5とR6が一緒になって二重結 合が存在するようにC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ−4− メトキシベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9はメチル 、そしてR10はイソブチル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 18.R1とR2が一緒になってエポキシド基を形成し、R3がメチル、R5とR6が 一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ−4−ヒドロ キシベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9はメチル、そ してR10はイソブチル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 19.R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチル 、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ −4−ヒドロキシベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9 はメチル、そしてR10はイソブチル)を形成する、請求項4に記 載の化合物。 20.R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチル 、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ −4−メトキシベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9は メチル、そしてR10はsec−ブチル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 21.R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチル 、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ −4−メトキシベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9は メチル、そしてR10はイソプロピル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 22.R1とR2が一緒になってエポキシド基を形成し、R3がメチル、R5とR6が 一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキ シベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9は水素、そして R10はイソブチル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 23.R1とR2が一緒になってエポキシド基を形成し、R3がメチル、R5とR6が 一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3,5−ジクロロ−4− ヒドロキシベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9はメチ ル、そしてR10はイソブチル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 24.R1とR2が一緒になってエポキシド基を形成し、R3がメチル、R5とR6が 一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が4−メトキシベンジルで あり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9は水素、そしてR10はイソブ チル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 25.R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチル 、R4がヒドロキシ、R6がH、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジル、そし てR5とR8が一緒になって構造X(R9はメチル、そしてR10はイソブチル)を 形成する、請求項5に記載の化合物。 26.R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3が水素、 R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ− 4−メトキシベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9はメ チル、そしてR10はイソブチル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 27.R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチル 、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ −4−メトキシベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9は H、そしてR10はイソブチル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 28.R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチル 、R5がOH、R6がH、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジル、そしてR4と R8が一緒になって構造X(R9はメチル、そしてR10はイソブチル)を形成する 、請求項4に記載の化合物。 29.R1とR2が一緒になってエポキシド基を形成し、R3がメチル、R5とR6が 一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3,5−ジクロロ−4− メトキシベンジル、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9はメチル、そし てR10はイソブチル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 30.R1とR2が一緒になってエポキシド基を形成し、R3がメチル、R5およびR6 がH、R7が3−クロロ−4−メトキシベンジル、そしてR4とR8が一緒になっ て構造X(R9はメチル、そしてR10はイソブチル)を形成する、請求項4に記 載の化合物。 31.R1とR2が一緒になってエポキシド基を形成し、R3がH、R5とR6が一緒 になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキシベ ンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9はメチル、そしてR1 0 はイソブチル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 32.R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチル 、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3,5−ジ クロロ−4−ヒドロキシベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X (R9はメチル、そしてR10はイソブチル)を形成する、請求項4 に記載の化合物。 33.R1とR2が一緒になってエポキシド基を形成し、R3がメチル、R5とR6が 一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキ シベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9はメチル、そし てR10はプロピル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 34.R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチル 、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ −4−メトキシベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9は メチル、そしてR10はプロピル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 35.R1とR2が一緒になってエポキシド基を形成し、R3がメチル、R5とR6が 一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R7が3−クロロ−4−メトキ シベンジルであり、そしてR4とR8が一緒になって構造X(R9はメチル、そし てR10はsec-ブチル)を形成する、請求項4に記載の化合物。 36.請求項1に記載の化合物の生産方法であって、 a)シアノバクテリアのNostoc sp.の培養物を培養し;そして b)この培養物から請求項1に記載の化合物少なくとも1種を単離する; ことを含んでなる方法。 37.工程(b)で得られた化合物を化学的に修飾して請求項1に記載の別の化合 物を得ることをさらに含む、請求項36に記載の方法。 38.Nostoc sp.がGSV 224(ATCC No.55483)と称されるものである、請求項36に 記載の方法。 39.次の構造: 〔式中、 R1はH、OH、ハロゲン、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基 または低級アルキル基であり; R2はH、OH、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基または低級 アルキル基であり; または R1とR2は一緒になってエポキシド環、アジリデン環、スルフィド環またはC10 とC11の間に第二結合を形成することができ;または R1とR4は一緒になってテトラヒドロフラン環を形成することができ; R3はHまたは低級アルキル基であり; R4はOH、低級アルカノイルオキシ基または低級α−ヒドロキシアルカノイ ルオキシ基であり; R5はHまたはOH基であり; R6はHであり;または R5とR6は一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成することができ; R7はベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、ハロヒドロキシベ ンジル、ジハロヒドロキシベンジル、ハロメトキシベンジルまたはジハロメトキ シベンジル基であり; R8はOH、低級β−アミノ酸(C1がβ−アミノ酸のNに結合される)または エステル化された低級β−アミノ酸(C1がエステル化低級β−アミノ酸基のN に結合される)であり; R4とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができ;または R5とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができる; ただし、 R2がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR1はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR2はH、低級 アルキル基または低級アルコキシル基である〕 を有する化合物の生産方法であって、 a)GSV 224(ATCC No.55483)と称されるシアノバクテリアのNostoc sp.の 培養物を培養し;そして b)この培養物から上記の構造を有する化合物少なくとも1種を単離する; ことを含んでなる方法。 40.工程(b)で得られた化合物を化学的に修飾して上記の構造を有する別の化 合物を得ることをさらに含む、請求項39に記載の方法。 41.有効量の次の構造: 〔式中、 R1はH、OH、ハロゲン、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基 または低級アルキル基であり; R2はH、OH、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基または低級 アルキル基であり; または R1とR2は一緒になってエポキシド環、アジリデン環、スルフィド環またはC10 とC11の間に第二結合を形成することができ;または R1とR4は一緒になってテトラヒドロフラン環を形成することができ; R3はHまたは低級アルキル基であり; R4はOH、低級アルカノイルオキシ基または低級α−ヒドロキシアルカノイ ルオキシ基であり; R5はHまたはOH基であり; R6はHであり;または R5とR6は一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成することができ; R7はベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、ハロヒドロキシベ ンジル、ジハロヒドロキシベンジル、ハロメトキシベンジルまたはジハロメトキ シベンジル基であり; R8はOH、低級β−アミノ酸(C1がβ−アミノ酸のNに結合される)または エステル化された低級β−アミノ酸(C1がエステル化低級β−アミノ酸基のN に結合される)であり; R4とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができ;または R5とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができる; ただし、 R2がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR1はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR2はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、R2がOH、R3がメチル、R5とR6が一緒になってC5とC6 の間に第二結合を形成し、R4とR8が一緒になって次の構造X: (ここで、XのO1はR4に対応し、XのN8はR8に対応し、R9はメチル 、そしてR10はイソブチルである)を有するジデプシペプチド基を形成するとき 、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではなく; R1とR2が一緒になってエポキシド環を形成し、R3がメチル、R5とR6 が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R4とR8が一緒になって構造 X(R9はメチル、そしてR10はイソブチル)を有するジデプシペプチド基を形 成するとき、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではなく; R1とR2が一緒になってC10とC11の間に第二結合を形成し、R3がメチ ル、R5とR6が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、 R4とR8が一緒になって構造X(R9はメチル、そしてR10はイソブチル )を有するジデプシペプチド基を形成するとき、R7は3−クロロ−4−メトキ シベンジルではなく;そして R1とR2が一緒になってエポキシド環を形成し、R3がメチル、R5とR6 が一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成し、R4がロイシン酸のカルボキ シ末端に結合しており、そしてR8が3−アミノ−2−メチルプロピオン酸また は3−アミノ−2−メチルプロピオン酸メチルエステルの窒素末端に結合してい るとき、R7は3−クロロ−4−メトキシベンジルではない〕 を有する化合物および製剤上許容される担体を含有する高増殖性哺乳動物細胞 の増殖を抑制するための医薬組成物。 42.少なくとも1種の追加の抗腫瘍剤を含有する、請求項41に記載の医薬組成物 。 43.抗腫瘍剤が代謝拮抗物質である、請求項42に記載の医薬組成物。 44.抗腫瘍剤がアルキル化剤である、請求項42に記載の医薬組成物。 45.抗腫瘍剤が植物アルカロイドである、請求項42に記載の医薬組成物。 46.抗腫瘍剤が抗生物質である、請求項42に記載の医薬組成物。 47.抗腫瘍剤がホルモンである、請求項42に記載の医薬組成物。 48.抗腫瘍剤が酵素である、請求項42に記載の医薬組成物。 49.抗腫瘍剤が副腎皮質抑制剤である、請求項42に記載の医薬組成物。 50.抗腫瘍剤がアミノアクリジン誘導体である、請求項42に記載の医薬組成物。 51.哺乳動物細胞を該細胞の増殖を抑制するのに十分な量のクリプトフィシン化 合物と接触させることを含んでなる、哺乳動物細胞の増殖を抑制する方法。 52.クリプトフィシン化合物が次の構造: 〔式中、 R1はH、OH、ハロゲン、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基 または低級アルキル基であり; R2はH、OH、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基または低級 アルキル基であり; または R1とR2は一緒になってエポキシド環、アジリデン環、スルフィド環またはC10 とC11の間に第二結合を形成することができ;または R1とR4は一緒になってテトラヒドロフラン環を形成することができ; R3はHまたは低級アルキル基であり; R4はOH、低級アルカノイルオキシ基または低級α−ヒドロキシアルカノイ ルオキシ基であり; R5はHまたはOH基であり; R6はHであり;または R5とR6は一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成することができ; R7はベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、ハロヒドロキシベ ンジル、ジハロヒドロキシベンジル、ハロメトキシベンジルまたはジハロメトキ シベンジル基であり; R8はOH、低級β−アミノ酸(C1がβ−アミノ酸のNに結合される)または エステル化された低級β−アミノ酸(C1がエステル化低級β−アミノ酸基のN に結合される)であり; R4とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができ;または R5とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができる; ただし、 R2がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR1はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR2はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基である〕 を有する、請求項51に記載の方法。 53.哺乳動物細胞を少なくとも1種の追加の抗腫瘍剤と接触させることをさらに 含む、請求項51に記載の方法。 54.抗腫瘍剤が代謝拮抗物質である、請求項53に記載の方法。 55.抗腫瘍剤がアルキル化剤である、請求項53に記載の方法。 56.抗腫瘍剤が植物アルカロイドである、請求項53に記載の方法。 57.抗腫瘍剤が抗生物質である、請求項53に記載の方法。 58.抗腫瘍剤が酵素である、請求項53に記載の方法。 59.抗腫瘍剤が副腎皮質抑制剤である、請求項53に記載の方法。 60.抗腫瘍剤がアミノアクリジン誘導体である、請求項53に記載の方法。 61.哺乳動物細胞が高増殖性である、請求項51に記載の方法。 62.高増殖性細胞がヒト細胞である、請求項61に記載の方法。 63.多剤耐性表現型を有する高増殖性哺乳動物細胞の増殖を抑制する方法であっ て、該細胞を、微小管の重合および脱重合の動的状態を破壊して細胞の有糸分裂 を阻止するのに有効な量のクリプトフィシン化合物と接触させ、それにより該細 胞の増殖を抑制することを含んでなる方法。 64.クリプトフィシン化合物が次の構造: 〔式中、 R1はH、OH、ハロゲン、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基 または低級アルキル基であり; R2はH、OH、ケトン基のO、NH2、SH、低級アルコキシル基または低級 アルキル基であり; または R1とR2は一緒になってエポキシド環、アジリデン環、スルフィド環またはC10 とC11の間に第二結合を形成することができ;または R1とR4は一緒になってテトラヒドロフラン環を形成することができ; R3はHまたは低級アルキル基であり; R4はOH、低級アルカノイルオキシ基または低級α−ヒドロキシアルカノイ ルオキシ基であり; R5はHまたはOH基であり; R6はHであり;または R5とR6は一緒になってC5とC6の間に第二結合を形成することができ; R7はベンジル、ヒドロキシベンジル、メトキシベンジル、ハロヒドロキシベ ンジル、ジハロヒドロキシベンジル、ハロメトキシベンジルまたはジハロメトキ シベンジル基であり; R8はOH、低級β−アミノ酸(C1がβ−アミノ酸のNに結合される)または エステル化された低級β−アミノ酸(C1がエステル化低級β−アミノ酸基のN に結合される)であり; R4とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができ;または R5とR8は一緒になって低級α−ヒドロキシアルカン酸に結合された低級β− アミノ酸からなるジデプシペプチド基を形成することができる; ただし、 R2がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR1はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基であり; R1がOH、ケトン基のO、NH2、SHであるときだけR2はH、低級ア ルキル基または低級アルコキシル基である〕 を有する、請求項63に記載の方法。 65.前記の細胞を少なくとも1種の追加の抗腫瘍剤と接触させることをさらに含 む、請求項63に記載の方法。 66.抗腫瘍剤が代謝拮抗物質である、請求項65に記載の方法。 67.抗腫瘍剤がアルキル化剤である、請求項65に記載の方法。 68.抗腫瘍剤が植物アルカロイドである、請求項65に記載の方法。 69.抗腫瘍剤が抗生物質である、請求項65に記載の方法。 70.抗腫瘍剤が酵素である、請求項65に記載の方法。 71.抗腫瘍剤が副腎皮質抑制剤である、請求項65に記載の方法。 72.抗腫瘍剤がアミノアクリジン誘導体である、請求項65に記載の方法。 73.哺乳動物細胞がヒト細胞である、請求項63に記載の方法。 74.高増殖性哺乳動物細胞によって引き起こされる病的状態を軽減する方法であ って、患者に有効量の請求項41の医薬組成物を投与して該細胞の増殖を抑制する ことを含んでなる方法。 75.前記の病的状態を軽減するための少なくとも1つの追加の治療を患者に施す ことをさらに含む、請求項74に記載の方法。 76.前記の病的状態が新生物の形成により特徴づけられる、請求項75に記載の方 法。 77.新生物が乳房、小細胞肺、非小細胞肺、結腸直腸、白血病、黒色腫、膵臓腺 癌、中枢神経系(CNS)、卵巣、前立腺、軟組織または骨の肉腫、頭部および 頸部、膵臓および食道を含む胃部、胃、骨髄腫、膀胱、腎臓、甲状腺および非ホ ジキン病を含む神経内分泌およびホジキン病の新生物より成る群から選ば れる、請求項76に記載の方法。 78.哺乳動物細胞がヒト細胞である、請求項74に記載の方法。
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