JPH09509112A - 画像を記録担体に転写するための熱転写印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 含まれた液体１９を部分的に蒸発させることによって、液体１９で湿らされることができる第１の織物帯１に画像転写部３で画像を転写する。後続の転写部１２では、第１の織物帯１は加熱装置１０と第２の織物帯４との間に位置する。印刷インキ１１は第２の織物帯に含まれている。第１の織物帯１に残留し、画像を表し、かつ転写部１２で蒸発する液体１９によって、この印刷インキ１１は第２の織物帯から追い出され、記録担体９に転写される。

Description

【発明の詳細な説明】 画像を記録担体に転写するための熱転写印刷装置 本発明は、印刷機またはコピー機において記録担体に画像を転写するための熱 転写印刷装置に関するものである。 米国特許第４７３１６１９号明細書は、熱転写印刷装置のための熱転写ヘッド を開示している。熱転写ヘッドは転写部に配置されている。この転写部で画像が 記録担体に転写される。熱転写ヘッドと記録担体との間を印刷インキ皮膜が記録 担体の搬送方向に搬送される。この印刷インキ皮膜は複数の小さな孔を有してお り、この孔に印刷インキが含まれている。この印刷インキはインキ着けステーシ ョンで印刷インキ皮膜の孔内に導入される。転写部では、印刷インキ皮膜が熱転 写ヘッド上を滑動し同時に予熱される。熱転写ヘッドは、印刷インキ皮膜の孔内 の印刷インキを速やかに加熱するために働く個々に作動可能な複数の加熱エレメ ントを有している。加熱エレメントは、再生しようとする画像に基づいて、制御 ユニットによって作動される。印刷インキを素早く加熱することにより、印刷イ ンキ皮膜の孔の中に気泡が生ぜしめられ、その結果、印刷インキが孔から記録担 体の方向へ即座に追い出される。 公知の形式により、顔料成分を多く含む粘性の高い印刷インキを記録担体に転 写することができる。したがって、ハーフトーンを印刷することもでき、その結 果電子写真質のカラー画像を形成することもできる。しかし、公知の熱転写印刷 装置の場合、印刷インキに関してかなりの要求がなされている。すなわち、印刷 インキは約４００°Ｃまで熱に対して安定していなければならない。印刷インキ の温度に応じて、記録担体の表面の負荷も高まる。したがって、これらの厳しい 要求を満たす記録担体だけが使用され得る。加熱作業は印刷ヘッドの比較的小さ な領域に制限されているので、得られる印刷スピードもそれに応じて制限される 。 欧州特許公開第０２０２３７０号明細書は、複数の熱転写ヘッドを備えた熱転 写印刷装置を開示している。各熱転写ヘッドは印刷インキを記録担体に転写する ために働く。各熱転写ヘッドには印刷インキ容器を備えたカートリッジが配属さ れており、このカートリッジにおいて印刷インキ皮膜の孔に印刷インキが充填さ れる。印刷インキ皮膜は熱転写ヘッド上に案内され、そこで印刷インキが加熱さ れ、気泡の形成によって印刷インキが記録担体へ転写される。多色刷りの場合、 インキの数に応じた複数の転写部が必要となる。 本発明の課題は、高い熱応力に耐えない汎用の印刷インキを使用することがで き、記録担体における低い 負荷を保証し、速い印刷スピードを可能にする、印刷機またはコピー機において 記録担体に画像を転写するための熱転写印刷装置を提供することである。 この課題は、請求項１に記載の特徴により解決された。本発明の構成および実 施例は従属請求項に記載されている。 本発明による熱転写印刷装置によって、熱転写印刷において汎用の顔料が使用 可能となる。転写部に設けられた加熱装置の熱効果は、第１の織物帯に含まれた 液体だけに限られている。この液体は蒸発させられ、ひいては第２の織物帯から 記録担体の方向へ印刷インキを部分的に追い出す。記録担体に衝突する印刷イン キは僅かにしか加熱されないので、記録担体は僅かな熱負荷しか受けない。第１ の織物帯における液体の蒸発によって、画像が異なる２個所で形成され、これに より、画像を形成するための全体のエネルギが互いに間隔をおいた２個所で放出 されるので、転写部に配置された加熱装置における熱負荷は比較的僅かである。 しかし、印刷エネルギの分割は、印刷スピードを高めるために利用することもで きる。 織物帯は、液体または印刷インキを吸収し、この液体または印刷インキを再び 部分的に放出するという特性を有している。したがって、“織物帯”という言葉 は、不規則な構造を有する帯、例えばフリースおよび前述の機能を有する他の全 ての材料も含んでいる。 本発明の１つの実施例および構成によれば、熱転写印刷装置はインキ着けステ ーションを有しており、このインキ着けステーションでは、背圧ローラをインキ 運搬ローラに向かって選択的に移動させることによって、インキ運搬ローラを、 ローラと背圧ローラとの間に位置している第２の織物帯と接触させることができ る。これにより、第２の織物帯のインキ着けが必要な場所にだけ印刷インキが着 けられることが保証される。例えば、無端形状の第２の織物帯の、先行の転写作 業でインキが排除された場所にだけ印刷インキを再び着けることが必要である。 本発明の別の実施例によれば、少なくとも２つのインキ運搬ローラが、第２の 織物帯の進行方向で連続して配置されている。その結果、第２の織物帯に異なる インキを所望の位置で部分ごとに連続して着けることができる。したがって、１ つのインキ運搬織物帯だけで多色刷りが可能となる。有利には、印刷インキで湿 らされていない部分が、第２の織物帯における個々の異なるインキ部分の間でフ リーのままである。したがって、印刷休止時には、これらのインキフリーの領域 が転写部の加熱装置の上に位置決めされる。 本発明の別の構成および実施例によれば、画像転写部は、互いに独立して作動 可能な加熱エレメントを備えた熱コームを有しており、１つの加熱コームが１つ の画素に対応している。熱コームによって、存在する 印刷情報に基づいて第１の織物帯から液体を部分的に蒸発させることができる。 転写ステーションにおける後続の転写時に得られるべきドットサイズおよび色の 濃度は、転写ステーションの加熱装置における熱エネルギを変え、かつ熱コーム の加熱エレメントの熱エネルギを変えることによって決定することができる。第 １の織物帯を湿らせる無毒な液体として水が適している。水の蒸発時には、印刷 機または印刷機中の作業エレメントを取り巻く空気を損なうおそれのある有毒な 蒸気は生じない。水蒸気は吸引装置によって除去することができる。しかし、相 応の蒸発点を有していて、環境に有害な影響を与えない無毒な液体も適している 。 以下に本発明の実施例を図面につきさらに詳しく説明する。 図面は、第１および第２の織物帯を備えた熱転写印刷装置を示している。 図面は、印刷機またはコピー機において画像を記録担体に転写するための熱転 写印刷装置を示している。記録担体９は、記録担体進行方向１４で転写部１２へ 送られる。転写部１２では、第２の織物帯４にある印刷インキ１１が、第１の織 物帯１にある印刷情報に基づき記録担体９に転写される。 第１の織物帯はエンドレステープとして形成されている。この織物帯は、２つ のローラ１０，１６を介し て張設されており、これらのローラの軸は互いに平行である。一方のローラ１０ は転写部１２に配属されており、他方のローラ１６は湿しユニット２に配属され ている。第１の織物帯１は、処理しようとする最も幅広の記録担体９と少なくと も同じ幅である。第１の織物帯１の長さは、第１の織物帯を張設する２つのロー ラ１０，１６間の距離が、この距離領域内への画像転写部３の配置を可能にする 程の大きさであるように選択される。 画像転写部３は、加熱装置を有しており、この加熱装置によって第１の織物帯 １に含まれる無毒の液体１９が、存在する印刷情報に基づいて部分的に蒸発させ られることができる。例えば冒頭に述べた米国特許第４７３１６１９号明細書よ り公知の熱コーム１３が、加熱装置として用いられる。熱コーム１３は、複数の 加熱エレメントを有しており、各加熱エレメントに印刷情報のそれぞれ１つの画 素が配属することができる。しかし、適切に制御することのできるレーザまたは 赤外線源を加熱装置として使用することもできる。 熱コーム１３は、第１の織物帯１の全幅にわたって延びている。第１の織物帯 １は熱コーム１３上に直接案内されている。第１の織物帯１の熱コーム１３とは 反対の側には、吸引装置１８が設けられており、この吸引装置は蒸発した液体１ ９を吸引する。液体１９例えば水は、吸引装置１８の下流の凝縮装置（図示せず ）において凝縮され、再び湿しユニット２へ供給されることができる。 画像転写部３では、＞２００メッシュの織物繊度を有する高級鋼線材織物とし て構成された第１の織物帯の、記録担体９へのインキ着けを行わない部分で液体 １９が蒸発させられる。したがって、第１の織物帯１が画像転写部３を通過した 後、液体１９は、第１の織物帯の、記録担体９へのインキ着けが行われる場所に だけまだ残っている。 第１の織物帯１に残留しているこの液体１９は、転写部１２において、加熱装 置として働く加熱ローラ１０によって蒸発させられ、その結果画像が記録担体９ に転写される。したがって、転写部を通過した後、第１の織物帯１にはもはや液 体１９は存在しない。湿しユニット２において再び新たな液体１９が第１の織物 帯１に転移される。湿しユニット２は互いに接触して回転する２つのローラ１６ ，１７を有しており、これらのローラ間を通って第１の織物帯１が送られること ができる。一方のローラ１７は、湿しユニット２のトラフに存在する液体１９に 浸漬されている。同時に、ローラ１７は液体１９で湿らされている。液体１９は 、第１の織物帯１上でのローラ１７の転動によって第１の織物帯１へ転移される 。第１の織物帯１は、湿しユニット２から離れる際には、液体１９で完全に湿ら されている。 第２の織物帯４は、第１の織物帯１と同様にエンドレステープとして形成され ている。第２の織物帯４は、＜１００μｍの織物厚さを有するポリエステルまた は金属被覆されたポリエステルから成っている。第２の織物帯４は少なくとも、 印刷しようとする最も幅広の記録担体９の幅に相当する幅を有している。第２の 織物帯４は３つのローラ１０，２０，２１上に案内されており、これらのローラ の軸は互いに平行である。加熱ローラ１０の領域では、第１の織物帯１は加熱ロ ーラ１０と第２の織物帯４との間に位置している。織物帯１と４との進行方向お よび速さは同じである。 転写部１２に達する前に、第２の織物帯４はインキ着けステーション５を通過 する。このインキ着けステーション５では、異なる４つの印刷インキ１１が選択 的に第２の織物帯４に着けられる。この場合、インキ着けステーション５は、モ ジュール形式で構成されているので、所望の数の印刷インキ１１を織物帯４に着 けることができる。インキ着けは、第２の織物帯４の片側に配置されたインキ運 搬ローラ７によってそれぞれ行われる。第２の織物帯４の反対側には、背圧ロー ラ６がインキ運搬ローラ７に配属されている。この背圧ローラ６は第２の織物帯 ４の表面に対して垂直方向に可動である。インキ着けを行いたい場合に、背圧ロ ーラ６がインキ運搬ローラ７に向かって移動させられる。この移動の間に、背圧 ローラ６は第２の織物帯４ に突き当たり、第２の織物帯をインキ運搬ローラ７に対して移動させる。したが って、第２の織物帯４とインキ運搬ローラ７とが接触するようになり、その結果 インキ運搬ローラ７から第２の織物帯４へインキが転写される。インキ運搬ロー ラ７は、印刷インキ１１に浸漬されている供給ローラ２２と接触して回転運動す ることにより、連続的に印刷インキ１１で湿らされる。 制御装置（図示せず）によって、そのつど１つの背圧ローラ６だけがインキ運 搬ローラ７に対して確実に押しつけられる。したがって、異なるインキ部分を第 ２の織物帯４に生ぜしめることができる。各部分の間には、印刷インキ１１のな い領域が設けられているので、転写の休止時にこれらのフリーの領域の１つが、 転写部１２の加熱装置の影響を受ける領域へ制御されることができる。 記録担体９への画像の転写は転写部１２で行われる。第１の織物帯１に液体１ ９が含まれている転写部１２では蒸発処理が行われる。記録担体９は、背圧ロー ラ８として構成された押圧エレメントによって第２の織物帯４と接触させられ、 この押圧エレメントは加熱ローラ１０に対して、記録担体９に対して垂直の方向 １５に可動である。この接触点で、第２の織物帯４と加熱ローラ１０との間に位 置している第１の織物帯１に存在する液体１９は蒸発させられる。蒸発する液体 １９が、第２の織物帯４から印刷インキ１１を追い出し、その結果前記印刷イン キが記録担体９に着けられる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．印刷機またはコピー機において記録担体（９）に画像を転写するための熱転 写印刷装置であって、 −第１の織物帯（１）が設けられており、該織物帯が液体（１９）によって湿 らされることができ、 −液体（１９）が、存在する印刷情報に基づき第１の織物帯（１）から部分的 に蒸発させられる画像転写部（３）が設けられており、 −第２の織物帯（４）が設けられており、該織物帯に印刷インキ（１１）がイ ンキ着けステーション（５）において転移されるようになっており、 −転写部（１２）が設けられており、該転写部において、 −第１の織物帯（１）と第２の織物帯（４）とが互いに重なり合うように加 熱装置（１０）上に案内され、第１の織物帯（１）が加熱装置（１０）と接触し 、その結果第１の織物帯（１）に含まれた液体（１９）が蒸発し、 −記録担体（９）が、押圧エレメント（８）によって加熱装置（１０）の方 向へ第２の織物帯（４）に対して押圧されるようになっている ことを特徴とする、熱転写印刷装置。 ２．第１の織物帯（１）が、高級鋼線材織物から成っている、請求項１記載の熱 転写印刷装置。 ３．第２の織物帯（４）として働き、＜１００μｍの織物厚さを有するポリエス テル織物を備えている、請求項１または２記載の熱転写印刷装置。 ４．記録担体（９）の搬送方向（１４）に対して横方向に延びていて、加熱可能 なローラ（１０）として形成された加熱装置を備えている、請求項１から３まで のいずれか１項記載の熱転写印刷装置。 ５．インキ着けステーション（５）が設けられており、該インキ着けステーショ ンにおいて、背圧ローラ（６）の選択的な移動によってインキ運搬ローラ（７） が第２の織物帯（４）と接触させられることができるようになっている、請求項 １から４までのいずれか１項記載の熱転写印刷装置。 ６．インキ着けステーション（５）に少なくとも２つのインキ運搬ローラ（７） が、第２の織物帯（４）の進行方向で連続して配置されている、請求項５記載の 熱転写印刷装置。 ７．画像転写部（３）が設けられており、該画像転写部が、互いに独立して作動 可能な加熱エレメントを備えた熱コーム（１３）を有しており、１つの加熱エレ メントが１つの画素に対応している、請求項１から６までのいずれか１項記載の 熱転写印刷装置。 ８．第１の織物帯（１）に配置された湿しユニット（２）が設けられており、該 湿しユニットにおいて第１の織物帯（１）が無毒な液体（１９）で湿らされ ることができるようになっている、請求項１から７までのいずれか１項記載の熱 転写印刷装置。 ９．前記湿しユニット（２）が、互いに接触して回転する２つのローラ（１６， １７）を有しており、該２つのローラ間を通って第１の織物帯（１）が搬送され 、２つのローラのうちの１つが第１の織物帯（１）に液体を転移するようになっ ている、請求項８記載の熱転写印刷装置。 １０．無端の帯として形成された織物帯（１，４）を有している、請求項１から ９までのいずれか１項記載の熱転写印刷装置。