JP2001277617A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP2001277617A
JP2001277617A JP2001050221A JP2001050221A JP2001277617A JP 2001277617 A JP2001277617 A JP 2001277617A JP 2001050221 A JP2001050221 A JP 2001050221A JP 2001050221 A JP2001050221 A JP 2001050221A JP 2001277617 A JP2001277617 A JP 2001277617A
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suction
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ink jet
jet printer
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JP2001050221A
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Masao Mitani
正男 三谷
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒゲ状にじみを大幅に低減し、カラー印刷の場
合のインク流れや混色、更には記録紙のしわ発生や膨張
による印刷精度の低下などを防ぎ、普通紙、再生紙に対
しても高価なインクジェットプリンタ用専用紙と同程度
の印刷品質を実現するインクジェットプリンタを提供す
る。 【解決手段】被記録材6を搬送しつつ、インク液を被記
録材に吐出することによって印刷を行うインクジェット
プリンタにおいて、被記録材6への印刷中、多孔質搬送
ベルト34からなるエンドレスベルトを介して被記録材
6の非記録面側を吸着しつつ被記録材6を搬送する吸着
搬送器を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットプリ
ンタに関し、特に記録紙の紙質に依存しない高品質印字
と高速乾燥、高速印刷が可能なインクジェットプリンタ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタに用いられるイ
ンクは通常、安全性等の面から水を溶媒とする水性イン
クが用いられている。そしてこの水性インクはヘッドに
おける目詰まりを防止する目的で蒸発速度を低くするこ
とが必要であるが、これは印刷後のインクの乾燥速度を
遅くし、印刷後の用紙の取扱いを困難とするだけでな
く、カラー印刷の場合のインクの流れや混色、用紙のし
わの発生や用紙の膨張、伸縮による印刷精度の低下まで
もたらす。これらを軽減する目的でインクと記録紙の改
良が行なわれているが、いずれも専用化、高コスト化が
避けられないのが現実である。
【0003】これに対し、記録装置側の対策で高速乾燥
させようといういくつかの提案があり、最近、その製品
への適用(Hewlett-Packard Journal,Feb.1994,P.35)も
なされている。その具体的な方法は熱風加熱、熱輻射加
熱、加熱プラテンローラからの伝熱加熱などによって印
刷前後の記録紙を加熱、乾燥させようとするものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらのいずれ
の方法も、対象とする記録紙の温度検出とそれによる加
熱源の通電制御が必要であり、記録紙の搬送トラブルに
よる過加熱や発煙発火防止対策、安全対策が不可欠であ
る。しかも、これらの加熱効率は一般的に低く、消費電
力は必ずしも小さなものではない。更に、電源投入後、
印字を開始できるまでの待ち時間がこの加熱源の昇温時
間で決定されるぐらい長くかかるのが一般的である。ま
た、印刷された画像はヒゲ状にじみが発生し易い。
【0005】そこで、本発明は、ヒゲ状にじみを大幅に
低減し、カラー印刷の場合のインク流れや混色、更には
記録紙のしわ発生や膨張による印刷精度の低下などを防
ぎ、普通紙、再生紙に対しても高価なインクジェットプ
リンタ用専用紙と同程度の印刷品質を実現することを目
的とする。さらには、クイックスタート、低消費電力に
なることは勿論のこと、記録紙の温度検出や加熱源の通
電制御が全く不要で、記録紙の搬送トラブルによる過加
熱が小さく、発煙発火防止対策が不要で、安全対策が大
幅に削減できる記録紙乾燥方法を提供し、高速印刷が可
能なインクジェットプリンタを実現することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、被記録材を搬送しつつ、インク液を被記
録材に吐出することによって印刷を行うインクジェット
プリンタであって、被記録材への印刷中、多孔質または
網目状シートからなる搬送ベルトを介して被記録材の非
記録面側を吸着しつつ被記録材を搬送する吸着搬送器を
備えることを特徴とするインクジェットプリンタを提供
する。
【0007】ここで、前記吸着搬送器による被記録材の
吸着は、空気の吸引によって行われ、前記搬送ベルトを
間にはさんで前記記録ヘッドと対向する位置に、吸引ダ
クトに通ずる吸引溝が前記搬送ベルトの幅方向に沿って
設けられのが好ましく、また、前記吸着搬送器の吸着
は、空気の吸引によって行われ、被記録材の搬送方向下
流側における吸引空気量が、上流側における吸引空気量
に比べて少ないのが好ましい。
【0008】さらに、上述のインクジェットプリンタ
は、前記吸着搬送器の搬送方向上流側には、加熱源とこ
の加熱源に対して摺動するエンドレスベルトとを有する
ベルト式プリヒータと、被記録材の面に対して前記ベル
ト式プリヒータと反対側の、前記加熱源と対向する位置
に前記エンドレスベルトを間にはさんで配置される圧接
ローラとを備え、前記エンドレスベルトと前記圧接ロー
ラとの間で被記録材を挟持搬送しつつ、印刷される直前
領域の被記録材の表面を圧接加熱させるのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェットプリンタ
に利用されるヘッドは、静電方式、圧電方式、サーマル
方式など、どの方式のものでも同一の効果が得られるこ
とは説明するまでもないであろう。しかし本発明者によ
る大規模、高集積密度のサーマルインクジェットプリン
トヘッドが得られるようになった現在、このヘッドを用
いて高速印刷が可能となったマルチカラーまたはフルカ
ラーのサーマルインクジェットプリンタに本発明を適用
するのが最も大きなインパクトを与えることも明らかで
ある(特願平05−90123号参照)。というのは、
従来タイプのサーマルインクジェットプリンタのフルカ
ラー印刷の印刷スピードは0.5ページ/分(ppm)
程度であるのに対し、本発明者の発明になるサーマルイ
ンクジェットプリンタのフルカラー印刷の印刷スピード
は、印刷インクの乾燥時間を無視すれば100ppmで
も可能となっているからである。すなわち、このプリン
タでの印刷スピードの限界は印刷インクの乾燥時間で決
定されているのである。
【0010】本発明のインクジェットプリンタでは、イ
ンクジェットヘッド下に搬送された被記録材は既に真空
吸着ベルトに固定されており、被記録材が通気性のある
記録紙の場合、真空吸着ベルト側からの吸引によって着
地インク滴は記録紙の厚さ方向に拡散しやすい条件で定
着乾燥される。このことは、後述する手段によって厚さ
方向にも高温低湿度となっている記録紙の高速乾燥能力
を最大限に活用し、順次着地する多色のインク滴を最小
の滲み量と混色率でフルカラー印刷できることを示して
いる。さらに、このような高温低湿度の記録紙への印字
によって、従来方法では低減させることが困難であった
ヒゲ状滲みを大幅に低減させることができるようにな
り、普通紙、再生紙でも高価な専用紙並みの印字品質で
記録することが可能となる。そして真空吸着ベルトによ
る記録紙の固定搬送は、印字過程における記録紙の伸縮
変形を最小限に抑え、フルカラー印刷時の着地インク滴
の位置ずれを最小にして高品質なフルカラー印刷を可能
とする。一方、印刷インクで濡れた記録紙を高速乾燥さ
せるには非接触で加熱、乾燥させるか記録紙の裏面から
伝熱加熱する方法しか知られておらず、いずれも加熱効
率の非常に悪い方法であることは既に述べた通りであ
る。これに対し、本発明のインクジェットプリンタは、
印字前の記録紙の印字面側から圧接加熱するので加熱効
率の最も良い方法となっている。そして記録紙の保管状
況によって異なる記録紙中の含有水分がこのプリヒーテ
ィングによって蒸散され、ヘッド下に搬送された記録紙
は高温低湿度のほぼ一定条件の被記録材となっている。
すなわち、記録紙の保管状況に依存しない常に理想的な
条件にある被記録材をヘッド下に供給できるのである。
【0011】以上で説明した事情は通気性の無いOHP
シートの場合でも結果的にはよく似た印刷品質が得られ
ており、これはOHPシートの方が記録紙よりも熱容量
が大きく、インクの乾燥速度という点で類似の効果を発
揮しているものと推定される。また、特殊な例ではある
が、封筒などのように2重の袋状記録紙もこのベルト式
プリヒータはしわを発生させることなく加熱乾燥するこ
とができ、これへの高速印刷も可能である。
【0012】なお、上記ベルト式プリヒータは耐熱性、
剛性を有するポリイミド樹脂製エンドレスベルトで、加
熱源の熱を有効に被記録材に伝達する観点からと、熱伝
導性、剛性、潤滑性、電気絶縁性に優れたジルコニア添
加アルミナセラミック放熱板との加圧摺動による摩耗寿
命等の観点からその厚さは20〜50μmが最適である
ことを実施例で示す。また、加熱源にPTCヒータ得を
用いると、その自己温度制御性能によって何らの温度制
御を行なうことなく設計通りの温度に被記録材を加熱す
ることができ、しかも本プリンタは少なくとも数ppm
以上のカラー印刷速度を有するので、印刷速度を全ての
印刷モードで一定としても何らの不都合も生じないので
加熱源の温度は常に一定としてよい。すなわち、一定の
キュリー温度を持つ一種類のPTCヒータチップからプ
リヒータを構成してよく、設定温度を変える必要がない
のである。ただし、ラインヘッドとか走査型ヘッドによ
ってプリンタの印刷速度が変わるので、それに応じてP
TCヒータのキュリー温度を選定すればよい。ただし、
搬送トラブルなどによる記録紙の過加熱を避ける目的で
利用するPTCヒータの最高キュリー点は230℃(記
録紙加熱面で約180℃)以下とするのがよい。また、
真空吸着搬送での吸引空気量を印刷領域付近までを大き
くし、それ以降を小さくするのは被記録材が搬送部に導
入された初期段階において大きな吸着力を確保するため
であり、搬送ベルトを微細な多孔質膜または網目状シー
トで構成したエンドレスベルトとすることによって印字
領域における記録紙全域にわたって搬送ベルトからの真
空吸引を均一化でき、記録紙全域での高品質印刷が実現
できるのである。
【0013】本発明になるフルカラーサーマルインクジ
ェットプリンタの断面構造を図1に示す。
【0014】被記録材6は印刷される直前にベルト式プ
リヒータ2によって順次加熱され、被記録材6が記録紙
の場合はその含有水分を蒸散させて若干温度を低下させ
ながら真空吸着搬送器3の多孔質搬送ベルト34に吸着
固定されてフルカラーラインヘッド1の直下に搬送され
てくる。フルカラーラインヘッド1は本発明者によって
発明(特願平05−90123号、05−231913
号、05−318272号)された大規模、高集積密度
のサーマルインクジェットプリントヘッドで、搬送され
てくる被記録材6の幅一杯に例えば400dpi(ドッ
ト/インチ)の密度でインク吐出ノズルが並んでおり、
このノズル列が約1.5mm間隔で被記録材6の搬送方
向に4列並んで3色+黒色の水性インク滴を被記録材6
に向かって吐出してフルカラー印刷するようになってい
る。4はオリフィスキャップ、5はオリフィス面のクリ
ーニング関連部材であるが、本発明に直接的な関係がな
いので説明を省略する(特願平06−65005号参
照)。
【0015】まず、ベルト式プリヒータ2の詳細な説明
を行なう。この種のヒータはレーザビームプリンタの定
着器として考え出されたもので(USP3,811,8
28)、クイックスタートと低消費電力化をその目的と
している。加熱源としては赤外線ランプとか発熱抵抗体
を用い、正確な温度検出と制御が不可欠である。また、
エンドレスベルトは耐熱性と高温剛性に優れたポリイミ
ド樹脂フィルムの表面に非粘着性に優れたPTFEを被
覆した2層構造のベルトとし、トナーのオフセットを防
ぐ工夫がなされるのが一般的である。これに対し図1に
示すプリヒータ2は、加熱源とエンドレスベルト24を
有し、加熱源は、PTCヒータ、すなわち、自己温度制
御性を持つ複数個の薄いPTC(Positive Temperature
Coefficient)サーミスタヒータチップ(以降、PTC
ヒータチップという)22と、ヒータ表面の平滑性、エ
ンドレスベルト24との潤滑性、更には良好な熱伝達性
などを同時に満足させるジルコニア添加アルミナセラミ
ック放熱板21とを有し、エンドレスベルト24にはポ
リイミド樹脂単層膜を用いることを大きな特徴としてい
る。PTCヒータチップ22は、それ自身の低い熱伝導
率の為に、大きな発熱量を引き出すことに限界がある
が、ここではPTCヒータチップ22のチップ厚さを
0.9mmと薄くし、チップの通電電極の配置に工夫を
凝らして比較的大きな加熱能力を引き出している。しか
しこの薄いチップとしたことによって平滑性のよい長尺
の単体ヒータとすることが難しく、約10ヶのチップを
並べて構成する必要があった。このため、薄いエンドレ
スポリイミドベルト24の摺動に対し、ベルトにしわを
発生させないための平滑な薄板で、摩耗や摩擦係数が小
さく、熱伝導率が大きく、しかも電気絶縁性で安い放熱
板21が必要となったのであり、上記ジルコニア添加ア
ルミナセラミック(例えば(株)日立化成のハロックス
−Z)が最適材料として選定されたのである。断熱ホル
ダ23に埋め込まれたPTCヒータチップ22に100
VAC電源を接続した時の放電板21の表面温度と、図
1に示すように圧接ローラ26をセットして記録紙6を
通した時の記録紙表面の出口温度の測定結果を図2に示
す。ここに用いたエンドレスベルト24の厚さは25μ
m、放熱板21の厚さは0.3mm、PTCヒータチッ
プ幅とニップ幅が8mm、PTCヒータチップ22のキ
ュリー温度が170℃、記録紙の通紙速度は50mm/
Sであった。この結果を見て分かるように、PTCヒー
タチップ22に通電を開始して5〜10秒後にはほぼ飽
和温度近くまで昇温させることができることである。す
なわち、図2の条件(A4縦送りで8〜9ppmの搬送
速度)で通電開始5秒後にこのプリヒータに導入される
記録紙は100〜110℃に加熱され、その含有水分は
急速に蒸散、ほぼ完全に乾燥した90〜100℃の記録
紙がフルカラーラインヘッド1の直下に搬送されてくる
のである。20〜30ppmという高速プリンタに対し
ては、PTCヒータチップ22のキュリー温度を高くす
ればよく、また240℃までのキュリー温度を持つPT
Cヒータチップ22は容易に入手できる。そしてこのプ
リヒータにPTCヒータチップ22を用いる利点は、温
度検出と通電制御が全く不要となるだけでなく、葉書の
印刷などのようにヒータ幅(ベルト幅)よりも狭い被記
録材を通しても、その通紙による温度低下領域のみのP
TCヒータチップ22に余分な電流が流れて温度低下を
回復させ、常にヒータ幅全域の温度を均一(±5%程度
の範囲で)に維持してくれることである。一方、このよ
うな機能のない赤外線ランプとか発熱抵抗体で加熱する
と、通紙以外の部分のヒータは通紙によって冷却される
ヒータと同じ電流が流れるために異常昇温し、ポリイミ
ドベルトを破壊してしまう。従ってこれを防ぐために印
刷を一時中断するなどの安全対策がとられているようで
ある。
【0016】次に圧接ローラ26について述べる。記録
紙6に両面印刷する場合、既に印刷されている面と加熱
圧接する圧接ローラ26は非粘着性に優れたシリコンゴ
ムで構成するのが最善である。というのは、既に印刷さ
れている面の印刷がレーザビームプリンタによるトナー
(軟化点が110〜120℃という低いものが増えてい
る)である場合も想定され、トナーに対する非粘着性と
いう点ではPTFEよりもシリコンゴムの方がはるかに
優れているからである(特開平05−341672号参
照)。勿論、液体インクジェットプリンタによる印刷面
に対しても問題がない。更に伝熱板21とエンドレスベ
ルト24との圧接摺動による摩擦力と摩耗量は小さい程
よく、被記録材への加熱効率をよくする必要がある。こ
れらを同時に満足させるには圧接ローラ26の加圧力を
小さくし、ニップ幅を大きくして圧接加熱時間を長くす
る必要がある。このためには圧接ローラ26を発泡シリ
コンゴムローラとし、その硬度もJIS−Aスケールで
5度以下とするのがよい。こうすることによってニップ
幅を8mm程度にすることは容易であり、図2はこのよ
うな条件での結果を示す。
【0017】以上のような条件で圧接摺動させた時のジ
ルコニア添加アルミナセラミック製の伝熱板21とエン
ドレスベルト24との動摩擦係数の時間経過とそれらの
摩耗量を測定した。図3にその結果を示すが、カーボン
微粉末入りの導電性ポリイミドからなるエンドレスベル
ト24の場合も含め、何らの潤滑剤を用いることなく非
常に小さな動摩擦係数を維持できることが分かる。な
お、この場合のベルトの摺動速度は50mm/Sであ
り、200時間は36km走行に相当している。すなわ
ち、A4用紙を縦送りして約10万ページを通紙した結
果である。そしてこの時の放熱板21とエンドレスベル
ト24の摺動面の摩耗量を測定したところ、両者共、測
定限界の1μm以下であり、25μm厚さのポリイミド
ベルトで100万ページの通紙も可能と思われる。な
お、プリンタによっては数100万ページということが
要求される場合もあるが、加熱効率の点からはポリイミ
ドベルトの厚さは薄い程よく、50μm以下の範囲で利
用するのが望ましい。
【0018】次に真空吸着搬送器3について述べる。ベ
ルト式プリヒータ2で加熱された被記録材6はガイド
(図示せず)によって真空吸着搬送器3に導かれ、プリ
ヒータと等速または若干遅い搬送速度で送行中の多孔質
搬送ベルト34に吸着されてラインヘッド1の直下に搬
送されてくる。多孔質搬送ベルト34には例えばテフロ
ン(登録商標)コートまたはポリイミドコートしたガラ
スクロスのエンドレスベルトが利用できる。ただし、ガ
ラスクロスには隙間の多い「からみ織」または網目状シ
ートなどが適している。そしてラインヘッド1の直下付
近の吸引穴32を緻密にあけておくか、各ノズル列に対
応した位置に幅1mm程度の吸引溝を4本(4色フルカ
ラーの場合)あけておくことによって、この付近の記録
紙全面から均一に吸引できるようになっている。この吸
引が記録紙の固定搬送と同時に付着インクを直ちに紙の
厚さ方向に吸引し、加熱された記録紙全面での滲み、混
色、インク流れを完全に防止すると共にインクの高速乾
燥に大きく貢献することは作用の項で述べた通りであ
る。なお、ヘッド1の直下から遠ざかった位置での吸引
穴32は記録紙6をソフトに吸着搬送するだけでよく、
また吸引ダクト33からの吸引空気量を少なくするため
にもその穴数は大幅に少なくしてある。またこれらは多
孔質搬送ベルトの摺動摩耗量の低減と回転駆動力の低減
にも大きく貢献している。
【0019】さて、以上に述べた方法で約30ppmま
での高速、高品質フルカラー印刷が可能となったが、こ
こではその結果が顕著に認識できるモノクロ印字での糸
状滲みについて示す。図4は、インクジェットプリンタ
用に開発された滲まない専用紙、レーザビームプリンタ
用普通紙、再生紙の3種類の記録紙に印字した結果の拡
大写真である。ここではプリヒーティングによって約6
0℃に加熱し、しかも真空吸引の結果を見るために加熱
のみの印字結果も示してある。加熱印字、加熱吸引印字
の効果の大きさが一目見るだけで明らかである。このよ
うに、モノクロ印字では付着インク量が少ないために6
0℃程度にプリヒーティングするだけでこれだけの効果
が認められる。しかし、フルカラー印刷では付着インク
量が約1桁多く、記録紙を100℃以上に加熱、乾燥さ
せ、しかも真空吸引しながらの印刷が高品質化に不可欠
な条件となる。しかし、これだけの対策によって、安価
な普通紙、あるいは再生紙を用いても高価な特別仕様の
専用紙と同程度の画質が得られる効果は絶大である。
【0020】なお、図4を見て分かるように、主インク
滴に続くサテライト(サブドロップ)は認められない。
これは本発明者の特許出願発明(特願平06−2106
0号)になるサテライトフリーサーマルインクジェット
プリントヘッドを用いたためであり、これによってゴー
ストを解消させると共に余分なインクを付着させない分
だけ乾燥負荷が低減し、印字品質の更なる向上に寄与し
ているのである。なお、吸着固定搬送が高精細印刷に有
効であり、600〜800dpiという場合に特に効果
的な結果が得られるのであるが、その評価を定量化する
のが難しいこともあり本願では省略する。
【0021】以上説明した内容はラインヘッドを前提と
したものとなっているが、より小規模な走査型カラーヘ
ッドを図1のラインヘッド1の部分で走査印字させれば
全く同一の結果が得られることは説明するまでもないこ
とであろう。なお、OHPシートでは吸引による高品質
化は得られないが、高速乾燥とそれによる混色、インク
流れ等が防止できることは同じである。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、真空吸着搬送ベルトに
微細多孔質エンドレスベルトを用いることによって、記
録紙の全域にわたって吸引による高印字品質化と高速乾
燥を保障できる。さらに、印刷直前領域の被記録材をベ
ルト式プリヒータで加熱乾燥させ、しかも真空吸着搬送
しながら印字するので普通紙、再生紙に対しても専用紙
並みの印刷品質とすることができ、しかもインクを高速
に乾燥させられるので高速フルカラー印刷時における用
紙ハンドリングが容易となる。そしてPTCヒータ等を
用いたベルト式プリヒータでは複雑高価な制御系が不要
で、しかも各種サイズの被記録材を連続印刷しても何ら
不都合は発生せず、安全でもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェットプリンタの一実施例
の構成を示す図である。
【図2】 ベルト式プリヒータのヒータ単独での伝熱板
表面温度と、記録紙を加熱した時のヒータ出口での温度
の経時変化を説明する説明図である。
【図3】 ジルコニア添加アルミナセラミック製の放熱
板とポリイミドエンドレスベルトの圧接摺動時の動摩擦
係数の経時変化を説明する説明図である。
【図4】 各種記録紙に従来印字、60℃加熱印字、6
0℃加熱吸引印字した時の拡大写真の像を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 フルカラーラインヘッド 2 ベルト式プリヒータ 3 真空吸着搬送器 4 オリフィスキャップ 5 ヘッドクリーナ 6 被記録材 21 放熱板 22 PTCサーミスタヒータチップ 23 断熱ホルダ 24 エンドレスベルト 25 ドライブローラ 26 圧接ローラ 31 搬送台 32 吸引穴 33 吸引ダクト 34 多孔質搬送ベルト 35 搬送ドライブローラ 36 テンションローラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被記録材を搬送しつつ、インク液を記録ヘ
    ッドから被記録材に吐出することによって印刷を行うイ
    ンクジェットプリンタであって、 被記録材への印刷中、多孔質または網目状シートからな
    る搬送ベルトを介して被記録材の非記録面側を吸着しつ
    つ被記録材を搬送する吸着搬送器を備えることを特徴と
    するインクジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】前記吸着搬送器による被記録材の吸着は、
    空気の吸引によって行われ、 前記搬送ベルトを間にはさんで前記記録ヘッドと対向す
    る位置に、吸引ダクトに通ずる吸引溝が前記搬送ベルト
    の幅方向に沿って設けられたことを特徴とする請求項1
    に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 【請求項3】前記吸着搬送器による被記録材の吸着は、
    空気の吸引によって行われ、 被記録材の搬送方向下流側における吸引空気量が、上流
    側における吸引空気量に比べて少ないことを特徴とする
    請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のインクジ
    ェットプリンタであって、 前記吸着搬送器の搬送方向上流側には、加熱源とこの加
    熱源に対して摺動するエンドレスベルトとを有するベル
    ト式プリヒータと、被記録材の面に対して前記ベルト式
    プリヒータと反対側の、前記加熱源と対向する位置に前
    記エンドレスベルトを間にはさんで配置される圧接ロー
    ラとを備え、前記エンドレスベルトと前記圧接ローラと
    の間で被記録材を挟持搬送しつつ、印刷される直前領域
    の被記録材の表面を圧接加熱させることを特徴とするイ
    ンクジェットプリンタ。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2010201818A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Fujifilm Corp 液体吐出装置
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