JPH09508264A - 哺乳類単球化学誘引物質タンパク質レセプター - Google Patents

哺乳類単球化学誘引物質タンパク質レセプター

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JPH09508264A JP7519133A JP51913395A JPH09508264A JP H09508264 A JPH09508264 A JP H09508264A JP 7519133 A JP7519133 A JP 7519133A JP 51913395 A JP51913395 A JP 51913395A JP H09508264 A JPH09508264 A JP H09508264A
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Abstract

(57)【要約】 ヒトケモカインレセプターMCP−1R及びMCP−1RBをコードするDNAと、これらの発現方法が開示される。MCP−1R遺伝子のオータネイティブスプライシング型産物であるレセプタータンパク質をアッセイに使用して、MCP−1のアンタゴニストを同定することができる。このアンタゴニストは、単球の浸潤によって特徴付けられるアテローム硬化と他の疾患に治療的に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 哺乳類単球化学誘引物質タンパク質レセプター 本発明は、単球の走化性及び活性化を仲介する新規のサイトカインレセプター と、このレセプターをコードするDNA配列と、組み換え遺伝子工学技術によっ てこのレセプターを得、作製する方法に関する。これらの新規のレセプターは、 DNA配列のオータネイティブスプライシング(alternative splicing)によっ て生じると思われる。 本発明は政府の支援のもとに、米国国立衛生研究所より授与されたグラント番 号RO1−HL42662及びRO1−HL43322を受けて行われた。政府 は本発明において一定の権利を有する。 発明の背景 免疫系の細胞間にシグナルを送る調節タンパク質のファミリーが次々と同定さ れている。サイトカインと称されるこのタンパク質は、造血系及び免疫系細胞の 成育、発達及び生物活性を制御することが見出されている。サイトカインは、骨 髄、末梢血液、胎児の肝臓及び他のリンパ器官又は造血器官由来の標的細胞に対 して広範囲の生物活性を示す。このファミリーの例示的なメンバーとしては、コ ロニー刺激因子(GM−CSF、M−CSF、インターロイキン−3)、インタ ーロイキン(IL−1、IL−2、IL−11)、インターフェロン(α、β及 びγ)、腫瘍壊死因子(α及びβ)及びエリスロポエチンが含まれる。 このタンパク質のファミリーの中には、ケモカイン又はインタークリンとも称 される走化性サイトカインの発現グループが同定されている。これらのケモカイ ンは、前期炎症性活性及び回復活性を有する塩基性ヘパリン結合タンパク質であ る。ケモカインは、その特徴的な保存単一オープンリーディングフレーム、N末 端領域の典型的なシグナル配列、C末端未翻訳領域のAT豊富配列及び迅速誘導 性mRNAの発現によって、前期炎症性活性及び回復活性を有する他のサイトカ イン(IL−1、血小板由来の成長因子など)と区別される。例えば Wolpe,FA SEB J.3:2565-73(1989)及び Oppenheim,Ann.Rev.Immunol.9:617-48(1991 )を参照のこと。通常、ケモカインは8〜10kD分子質量の範囲であり、ヒト では染色体4及び17上に位置(cluster)する独特な遺伝子の産物である。全て のケモカインは4つのシステイン残基を有し、2つのジスルフィド架橋を形成す る。 染色体位置とシステイン残基の構造に基づき、2つのサブファミリーのケモカ インが認識されている。α、即ちC−X−Cサブファミリーメンバーに対するヒ ト遺伝子は、ヒト染色体4に位置する。このサブファミリーでは、第1の2つの システインが1つのアミノ酸によって離されている。このサブファミリーのメン バーであるヒトタンパク質IL−8(インターロイキン−8)、βTG(βトロ ンボグロブリン)、PF−4(血小板因子4)、IP−10、GRO(成長刺激 因子、MGSFとしても知られる黒色腫成長刺激因子)及びネズミのMIP−2 (マクロファージ阻害タンパク質−2)は、第1の2つのシステイン残基がC− X−C構造を有する他に、アミノ酸配列において30〜50%の範囲のホモロジ ーを示す。 βサブファミリーでは、第1の2つのシステイン残基は互いに隣接してC−C 構造で位置する。このβサブファミリータンパク質をコードするヒト遺伝子は、 染色体17に位置する(マウスの等価物は、ヒト染色体17の等価物であるマウ ス染色体11に位置する)。βサブファミリーのホモロジーは種内では28〜4 5%、種外では25〜55%の範囲である。例示的なメンバーには、ヒトタンパ ク質MCP−1(単球化学誘引物質タンパク質−1)、LD−78α及びβ、A CT−2、RANTES、マウスタンパク質JE因子(MCP−1のマウス相同 物)、MIP−1α及びβ(マクロファージ阻害タンパク質−1)ならびにTC A−3が含まれる。ヒトMCP−1とマウスJE因子は、とりわけ単球にいくつ かの影響を及ぼす。双方のタンパク質は in vitro でヒト単球に対する潜在的な 化学誘引物質であり、サイトゾルでの遊離カルシウムの増加を刺激したり、単球 においてレスピラトリーバーストを引き起こすことができる。MCP−1は、殺 腫瘍性活性を誘発すると共に、単球仲介腫瘍停止活性を活性化することが報告さ れている。例えば、Rollins,Mol.and Cell.Biol.11:3125-31(1991)及びWa lter,Int.J.Cancer 49:431-35(1991)を参照のこと。MCP−1は、慢性関節 リウマチ及び肺胞炎などの組織炎症過程の単球浸潤を仲介する点で重要な因子と して関係している。例えば Koch、J.Clin.Invest.90:772-79(1992)及びJon es、J.Immunol.149:2147-54(1992)を参照のこと。また、この因子は、単球− マクロファージを漸増させアテローム硬化病変を発達させるのに重要な役割を果 たしうる。例えば Nelken,J.Clin.Invest.88:1121-27(1991)、Yla-Herttu ala,Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA 88:525256(1991)及びCushing,Proc.Nat l.Acad.Sci.USA 87: 5134-38(1990)を参照のこと。 これらのケモカインの多くは分子的にクローン化され、異種で発現されて均質 に精製されている。このうちのいくつかは、そのレセプターがクローン化されて いる。C−X−CケモカインIL−8の非常に相同的な2つのレセプターがクロ ーン化されており、これらが7つの膜貫通スパニングドメインを含むGタンパク 質結合レセプターのスーパーファミリーに属することが示された。Holmes,Scie nce 253:1278-80(1991)及び Murphy,Science 253:1280-83(1991)を参照のこ と。より最近になって、C−CケモカインMIP−1αとRANTESのレセプ ターの分子がクローン化され、これが同一の7つの膜貫通スパニングレセプター スーパーファミリーに属することが示されている。Gao,J.Exp.Med.177:1421 -27(1993)及び Neote,Cell 72:415-25(1993)を参照のこと。白血球の活性化 と走化性に関与すると考えられるこのレセプターは、リガンドに依存した様々な 親和性とシグナル化の有効性を示す。このレセプターは、最も高い親和性と最良 のシグナル化有効性でヒトMIP−1αと結合する。MCP−1に対しては、こ のレセプターはRANTES及びヒトMIP−1βと比較して高い親和性を示す が、より低い有効性でシグナルを送る。Neote,上掲書、421-22を参照のこと。薬 理学研究によって特異的MCP−1レセプターの存在が予想されたが、既にクロ ーン化されたケモカインレセプターはMCP−1に対して単球の強力な反応を示 すことができず、今日までにMCP−1に対して特異的なレセプターは報告され ていない。Wang,J.Exp.Med.177:699-705(1993)及び Van Riper,J.Exp. Med.177:851-856(1993)を参照のこと。これが困難なのは、少なくともひとつに は、ケモカインファミリーの個々のレセプターは複数のリガンドに結合したりし なかったりできるため、機能的な選別、追跡及び同定を行えないという事実によ る。今日までMCP−1レセプターが研究者の目を逃れている理由の説明として 、このファミリーのレセプターメンバーが構造特性を共有し得ないということも 考えられている。Edgington,Bio/Technology II:676-81(1993)を参照のこと。 これらのケモカインに対する更なるレセプターが、当分野において未だ必要で ある。また、C−Cタンパク質の各々に対して特異的なレセプター、特にMCP −1に対する特異的なレセプターが、当分野において未だ必要である。MCP− 1に対する特異的なレセプターがないと、そのレセプターに対するMCP−1の 結合アッセイを確立させる実用的な方法がない。このようなアッセイが利用可能 になれば、MCP−1/MCP−1レセプターの相互作用のアンタゴニストを発 見する強力な手段を提供できる。このようなアンタゴニストは、腫瘍の成長の抑 制におけるアテローム硬化と、慢性関節リウマチ及び肺胞炎などの単球浸潤によ って特徴付けられる他の疾患とを治療する療法の優れた候補となるであろう。 発明の概要 1つの態様において、本発明は新規のヒトケモカイン受容タンパク質MCP− 1RA及びMCP−1RBを提供し、これらは天然の状態で通常、一緒に見出さ れる他の哺乳類タンパク質を実質的に含まない。MCP−1RA及びMCP−1 RBのアミノ酸配列は、5′未翻訳領域から推定第7膜貫通ドメインまで同一で ある(配列番号:2及び配列番号:4)が、これらは異なる細胞質尾部を有する 。従って、これらはMCP−1遺伝子のオータネイティブスプライシング型を表 すと思われる。これらのタンパク質は、組み換え遺伝子工学技術によって作製で きる。これらは更に、この因子を本質的又は他の因子による誘発で産生する細胞 源から精製できる。また、これらのタンパク質は化学的技術によっても合成でき る。当業者は、上記の方法を組み合わせて適用することができる。 活性成熟MCP−1RAは、成熟タンパク質の予想分子量が約42,000ダ ルトンとなるおよそ374アミノ酸のタンパク質である。このオータネイティブ スプライス型であるMCP−1RBは、約41,000ダルトンの分子量を有す るおよそ360アミノ酸のタンパク質である。本発明のMCP−1Rタンパク質 は、アフリカツメガエル(Xenopus)の卵母細胞中で発現させた場合MCP−1に 対して高い特異性を示す。 本発明の別の態様は、MCP−1RA及びMCP−1RBタンパク質の発現を コードするDNA配列である(配列番号:1及び配列番号:3)。これらのDN A配列は、上述のMCP−1Rタンパク質の発現をコードする単離DNA配列を 含み得る。本明細書中に使用される場合、「単離した」とは、対象DNA又はタ ンパク質配列が天然の、即ち内因性の状態で通常、一緒に見出される他の哺乳類 DNA又はタンパク質配列を実質的に含まない、という意味である。活性MCP −1RA及び1RBをコードするDNA配列は、各々図1及び図2(配列番号: 1及び3)にあるように同一の又は実質的に同一のヌクレオチド配列あるいはそ の活性フラグメントを含むことで特徴付けられる。これらのDNA配列は、コー ド配列に隣接する5′及び3′非コード配列を含み得る。これらのDNA配列は 、アミノ末端シグナルペプチドをコードしてもよい。図1及び図2は、ヒト単球 細胞株MonoMac6から単離し、アフリカツメガエルの卵母細胞中で発現さ せた各々MCP−1RA及び1RB配列の非コード5′及び3′フランキング配 列とシグナル配列をそれぞれ示す。 本発明のDNA配列が、これらのシグナル及び/又はフランキング配列のいく つか又は全てを排除し得ることは理解される。更に、生物学的に活性なヒトMC P−1Rタンパク質をコードする本発明のDNA配列は、図1又は図2の単離D NA配列(配列番号:1及び3)に対して、適当に厳格な条件下でハイブリダイ ズ可能な、あるいはそのような条件下であるが遺伝暗号の縮重のためにハイブリ ダイズ可能なDNAを含み得る。従って本発明のDNA配列は、対立遺伝子変異 、種変異又は故意の修飾に基づいて非コード配列、シグナル配列又はコード配列 における修飾を含み得る。更に、MCP−1Rの類似体(アナログ)が提供され 、 この類似体は切断ポリペプチド、例えば、下記のように生物活性を維持したアミ ノ酸配列の変更を有する変異体を含み、これは、好ましくは図1又は図2のMC P−1R配列(配列番号:2及び4)の対応領域と少なくとも80%、より好ま しくは90%、最も好ましくは95%のホモロジーを有する。例としては、図1 及び図2のMCP−1Rの天然アミノ酸配列(配列番号:2及び4)に対して微 小のアミノ酸変更を有するポリペプチド、特に保守的アミノ酸置換物が含まれる 。保守的置換物とは、側鎖において関連しているアミノ酸のファミリー内で行わ れるものをいう。遺伝学的にコードされたアミノ酸は、一般に4つのファミリー に分類される:(1)酸性=アスパルテート、グルタメート;(2)塩基性=リ シン、アルギニン、ヒスチジン;(3)非極性=アラニン、バリン、ロイシン、 イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン;及 び(4)非帯電極性=グリシン、アスパラギン、グルタミン、シスチン、セリン 、トレオニン、チロシン。フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンは、 時として芳香族アミノ酸として共に分類される。例えば、ロイシンをイソロイシ ン又はバリンで、アスパラギン酸をグルタミン酸で、トレオニンをセリンで単離 置換すること、あるいは構造的に関連したアミノ酸によるアミノ酸の同様の保守 的置換は、活性又は機能性にさほど影響を与えない。 図1及び図2の配列(配列番号:1、2、3及び4)とMCP−1Rレセプタ ー分子の一般的に示される特性を使用して、当分野の技術範囲内でMCP−1R をコードする他のポリペプチド又は他のDNA配列を得ることができる。例えば 、構造遺伝子は、正しいアミノ酸を保持しながら個々のヌクレオチドを変えるこ とによって、あるいは活性を損失させずにアミノ酸を修飾するようにヌクレオチ ドを変えることによって操作可能である。ヌクレオチドは、例えば in vitro 突 然変異誘発及びプライマー修復を含む既知の技術によって、置換、挿入又は欠失 され得る。構造遺伝子は、活性を保持しながら3′末端及び/又は5′末端で切 断され得る。例えば、図1及び図2(配列番号:1及び2;配列番号:3及び4 )にそれぞれコードされるMCP−1RA及びMCP−1RBは、欠失が所望さ れ得るN末端領域を含む。シグナル配列をコードする領域を除去し、及び/又は こ の配列を異種配列で置換することも望ましい。MCP−1R配列(配列番号:1 及び3)の一部分、特にアミノ末端ドメインを含む部分を異種コード配列に連結 し、従ってMCP−1RA又はMCP−1RBのレセプター/リガンド特異性を 有する融合ペプチドを作ることも望ましい。 このような修飾を設計する際、MCP−1R配列(配列番号:1、2、3及び 4)の非保存領域に対する変化は活性に比較的小さな影響を及ぼすが、これに対 し、保存領域での変化、特にアミノ末端ドメイン内又はその近傍の変化はより大 きな影響を及ぼすと予想される。図4に示されるように、MCP−1RA及び1 RB(配列番号:2及び4)、MIP−1α/RANTESレセプター(配列番 号:5)、オーファンレセプターHUMSTSR(配列番号:6)及び2つのI L−8レセプター(配列番号:7及び8)のアミノ酸配列の対比により、レセプ ター活性に適合するアミノ酸置換への方向性が提供される。MCP−1R配列( 配列番号:2及び4)と他の配列(配列番号:5、6、7及び8)のうち少なく とも2つとに保存されるアミノ酸残基は、置換の候補であるとは予期されない。 MCP−1R配列と他の配列のうちの少なくとも2つとにおいて保守的変形を示 す残基は、MCP−1R配列と同様の保守的置換が可能であると予期される。同 様に、MCP−1R配列と他の配列のうちの少なくとも3つとにおいて非保守的 に変形する残基は、保守的又は非保守的置換のいずれかが可能であると予期され る。MCP−1R配列に対する置換を設計する際、他の配列のうち1つの対比整 列位置に見出されるアミノ酸によって置換されることが特に好ましい。 本発明の実施は、他が示されない限り、当分野の技術範囲内である分子生物学 、微生物学、組み換えDNA及び免疫学の慣用技術を用いるであろう。これらの 技術は、文献中に十分に説明される。例えば、Sambrook,Molecular Cloning; A Laboratory Manual,Second Edition(1989); DNA Cloning,Volumes I and II( D.N.Glover,Ed.1985); Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,Ed.1984) ; Nucleic Acid Hybridization(B.D.Hames 及び S.J.Higgins,Eds.1984); Transcription and Translation(B.D.Hames及び S.J.Higgins,Eds.1984) ; Animal Cell Culture(R.I.Freshney,Ed.1986); Immobilized Cell sand Enzymes(IRL Press,1986); B.Perbal,A Practical Guide to Molecular Cloning(1984); the series,Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.) ; Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.H.Miller 及びM.P.Calos ,Eds.1987,Cold Spring Harbor Laboratory),Methods in Enzymology,Volu mes 154 and 155(それぞれ Wu 及び Grossman,Wu,Eds.),(Mayer 及び Walker ,Eds.)(1987); Immunochemical Methods in Cell and Molecular Biology(Acad emic Press,London),Scopes,(1987); Protein Purification: Principles an d Practice,Second Edition(Springer-Verlag,N.Y.); 及び Handbook of Exp erimental Immunology,Volumes I-IV(D.M.Weir及び C.C.Blackwell,Eds 1986)を参照のこと。本明細書の前述及び後述双方に記載の全ての特許、特許出 願及び出版物は、本明細書中に援用される。 本発明は更に、ベクターDNAと、哺乳類MCP−1Rポリペプチドをコード するDNA配列(配列番号:1及び3)とを含む組み換えDNAベクターを提供 する。このベクターは、選択された宿主細胞中でMCP−1Rの複製及び発現を 指示可能な調節配列と機能的に会合したMCP−1R DNAを提供する。組み 換えMCP−1Rタンパク質の発現において使用されるこのようなベクターでト ランスフォームされた宿主細胞も、本発明によって提供される。また、組み換え MCP−1Rタンパク質又はその活性フラグメントを生成する新規の方法が提供 される。この方法では、MCP−1Rタンパク質の複製及び発現を指示可能な適 切な調節配列と機能的に会合したMCP−1Rタンパク質の発現をコードするD NA配列(配列番号:1及び3)を含む上述のベクターでトランスフォームされ た宿主細胞株を、組み換えDNAの発現を可能にする適当な条件下で培養する。 次に、適切な慣用手段を用いて、発現タンパク質を宿主細胞又は培養培地から回 収する。この新規の方法は、タンパク質の発現のための宿主細胞株として種々の 既知の細胞を用いることができる。現在、好適な細胞株は、哺乳類細胞株と細菌 細胞株である。 本発明はまた、治療、診断、MCP−1Rのアッセイ又はMCP−1Rに対す る抗体作製に使用する組成物をも提供し、この組成物は上記の方法に従って調製 された有効量のMCP−1Rタンパク質を含む。本発明の別の態様は、MCP− 1レセプターの特定のアンタゴニストをスクリーニングするのに有用な、MCP −1結合を評価するアッセイを提供する。このようなアッセイは、組み換えMC P−1レセプター及び/又はその細胞外ドメインの発現及び単離工程と、MCP −1結合の固相アッセイの確立を含む。以前では利用可能でなかったこのような アッセイの有効性によって、アテローム硬化と、単球の浸潤によって特徴付けら れる他の病気の治療に有用な治療アンタゴニストの確立が可能になる。 従って、本発明の更なる態様は、本発明のアッセイを使用して同定された治療 的に有効な量のMCP−1アンタゴニストを含む医薬組成物である。このような MCP−1アンタゴニスト組成物は、アテローム硬化、癌及び単球の浸潤によっ て特徴付けられる他の疾患の治療に用いられ得る。従って、更なる態様として、 本発明は、適切な医薬的キャリア中の治療的有効量のMCP−1アンタゴニスト 又はその活性フラグメントを患者に投与することにより、これらの及び/又は他 の疾患及び病理状態を治療する方法を含む。 本発明の他の態様及び利点は、以下の詳細な説明に述べられる。 図面の簡単な説明 図1は、単離MCP−1レセプタークローンであるMCP−1RAのヒトcD NA及びアミノ酸配列(それぞれ配列番号:1及び配列番号:2)を示す。 図2は、単離MCP−1レセプタークローンであるMCP−1RBのヒトcD NA及びアミノ酸配列(それぞれ配列番号:3及び配列番号:4)を示す。 図3は、MCP−1RA及びMCP−1RBのmDNAについてプローブ処理 (probe)された造血細胞株のノザンブロット解析の結果を示す。 図4は、MIP−1α/RANTESレセプター配列(配列番号:5)、オー ファンレセプター配列HUMSTSR(配列番号:6)及び2つのIL−8レセ プター配列(配列番号:7及び8)と整列されたMCP−1レセプターA(MC P−1RA)の予想アミノ酸配列(配列番号:2)を示す。同一の残基は囲って ある。7つの推定膜貫通ドメインは、水平線で示している。整列を適正化するの に挿入したギャップは、ダッシュで示している。各配列のアミノ酸数は、配列の 右側に配置してある。 図5は、MCP−1の存在下でのカルシウム流動化を測定することによってア ッセイされたアフリカツメガエルの卵母細胞におけるMCP−1Rタンパク質の 機能的発現をグラフで示したものである。 図6は、遺伝子の発現とMCP−1に対する反応性を確認するために用いられ た実施例4に記載のカルシウム流出アッセイの結果をグラフで示したものである 。 図7は、実施例5に詳しく記載する組み換えMCP−1RBレセプターに対す る1251-MCP−1の結合をグラフで示したものである。 図8は、実施例5に詳しく記載するMCP−1RBレセプター仲介カルシウム 流動化実験の結果をグラフで示したものである。8Aは、細胞内のカルシウム流 動をMCP−1濃度(nM)の関数で示す。カルシウム一過性ピークは、MCP −1の添加後4〜8秒でおこり、活性化から90秒以内でベースラインに戻った 。8Bは、MCP−1で刺激したカルシウム流動化(EC50=3.4nM)と、 他のサイトカインで刺激したカルシウム流動化の欠如を示す。8Cは、MCP− 1がMCP−1の二次添加に対する細胞を無反応化させたことを示す。 詳細な説明 I.序説 本発明は、生物学的に活性であるヒトケモカインレセプターMCP−1RA及 び1RBを提供する。これらのレセプターは、天然の状態では通常会合している 他の哺乳類タンパク質及びタンパク様物質を実質的に含まない。MCP−1Rタ ンパク質は組み換え技術によって作製でき、潜在的なアンタゴニストをアッセイ するのに有用な大量作製が可能となり、アテローム硬化及び癌、慢性関節リウマ チなどの単球に関連する疾患を治療する療法の候補を同定できる。あるいは、M CP−1Rタンパク質は、それを分泌又は発現する哺乳類細胞株から精製された 同種タンパク質として得てもよいし、又は化学的に合成してもよい。 ヒトMCP−1RAを、ヒト単球白血病細胞株であるMonoMac6(MM 6)の誘導体から単離した。単球は大量に単離することが困難であり、1細胞あ たり2000未満の高親和性結合部位を発現するため、MCP−1に対して十分 に反応する細胞株を必要とした。反応が一様であることから、MM6細胞株を選 択した。これは、DSM ジャーマン・コレクション・オブ・マイクロオーガニズム ・アンド・セル・カルチャーズ(Masheroder Weg 1b,3300 Braunshweig,Germa ny)から入手できる。Ziegler-Heitbrock,Int.J.Cancer 41: 456(1988)も参 照のこと。細胞を適当な培地で成育させ、次にMCP−1及び他のケモカインに 対する反応における細胞内カルシウム変化についてテストした。前記の方法に従 って、MonoMac6のmRNAからcDNAライブラリーを作製した。Vu, Cell 64: 1057-68(1991)を参照のこと。他のケモカインレセプターの第2及び 第3の膜貫通ドメインとHUMSTSRオーファンレセプターとの保存配列に対 応する変性オリゴヌクレオチドプライマーを使用するポリメラーゼ鎖伸長反応( PCR)ベースの方法を用いた(配列番号:5、6、7及び8を参照)。このプ ライマーを使用してMM6細胞由来のcDNAを増幅して、7膜貫通レセプター と予期されるものにサイズが対応する多数のPCR産物を得た。サブクローン化 したPCR産物の解析により、新規のレセプターをコードすると思われる1つの cDNAと共に、プライマーの設計に用いたレセプターの予想構造をコードする cDNAが明らかになった。 このクローンの全長型を得るためにMM6のcDNAライブラリーを構築(con struct)し、PCR産物でプローブ処理した。2.1kbの単離クローンを得、 これをMCP−1RAと称した。図1は、このクローンのcDNA配列(配列番 号:1)と予想アミノ酸配列(配列番号:2)を示す。このヌクレオチド配列( 配列番号:1)は2232塩基対を含み、39塩基対の5′非コード配列と10 71塩基対の3′非コード配列を含む。MCP−1RA配列は、23位の開始メ チオニンに続く374のアミノ酸をコードする単一の長いオープンリーディング フレームによって特徴付けられる。 MCP−1RAのcDNAのヌクレオチド配列を、Genbank に記録されたヌク レオチド配列と比較した。MCP−1α/RANTESのレセプター、HUMS TSRオーファンレセプター及びIL−8のコード配列(それぞれ配列番号:5 、6、7及び8)にはホモロジーが見出された。MCP−1RAのコード配列と あらゆる他の公表ポリペプチド配列との間には、有意なホモロジーは認められな かった。 MCP−1RAの予想アミノ酸配列(配列番号:2)は、7つの推定膜貫通ド メインと、40残基の細胞外アミノ末端とを明らかにしている。MCP−1RA アミノ酸配列の更なる解析は、いくつかの興味深い特徴を示した。関連性のある MIP−1α/RANTESレセプターとIL−8レセプターとのホモロジーに もかかわらず、MCP−1RAはアミノ末端とカルボキシル末端において有意な ディバージェンス(divergence)を示している。図4(配列番号:2、5、6、7 及び8)を参照のこと。更に、第3膜貫通ドメインの末端に区画されたIFFI ILLで始まる31のアミノ酸配列において、MCP−1RAとMCP−1α/ RANTESレセプターとの間に顕著な同一性が生じている。 事前の生物学的特徴付けにより、MCP−1RAはナノモル濃度のMCP−1 に対して強力で顕著な特異的反応を示すことが示されている。驚くことに、50 0ナノモルの濃度でさえもMIP−1α、MIP−1β、RANTES又はIL −8によって反応は生じなかった。 MM6のcDNAライブラリーの更なるクローンの解析により、5′未翻訳領 域から推定第7膜貫通ドメインまでのMCP−1RA配列と同一であるが異なる 細胞質尾部を含む第2の配列が明らかになった。MCP−1RBと称するこの第 2の配列(配列番号:3及び4)は、MCP−1RAのオータネイティブスプラ イシング型であるように思われる。MCP−1RBを以下で更に特徴付ける。 本明細書中で提供されるMCP−1Rポリペプチドは、図1及び図2のMCP −1RA及び1RB(配列番号:1、2、3及び4)のものと同様の配列でコー ドされるポリペプチドも含むが、修飾はこれらに自然に提供されるか又は故意に 操作される。本発明はまた、MCP−1レセプターに対して特異性を有するMC P−1Rポリペプチドの発現をコードする新規のDNA配列を含む。これらのD NA配列は、図1及び図2のDNA配列(配列番号:1及び3)と実質的に同一 の配列及びその生物学的活性フラグメントと、図1及び図2のDNA配列(配列 番号:1及び3)に対する厳格なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイ ズするような配列とを含む。Maniatis,Molecular Cloning(A Laboratory Manua l),Cold Spring Harbor Laboratory(1982),387-389を参照のこと。このような 厳格な条件の一例は、4×SSC、65℃でのハイブリダイゼーション、次いで 0.1×SSC、65℃、1時間での洗浄である。別の厳格なハイブリダイゼー ション方式の例は、4×SSC、42℃で50%のホルムアミドを使用する。 MCP−1Rポリペプチドをコードするが、遺伝暗号固有の縮重によりコドン 配列が異なるDNA配列もまた本発明に含まれる。MCP−1R活性(例えば、 MCP−1レセプターに対する特異性)を有するMCP−1Rポリペプチドをコ ードする図1及び図2のMCP−1R DNA配列(配列番号:1及び3)にお ける対立遺伝子変異、即ち自然に生じる種間の塩基変化であり、アミノ酸の変化 を生じたり生じなかったりするものもまた、本発明に含まれる。 II.本発明の実施の形態 所望の成熟ポリペプチドを作製する方法は、次の技術を含むことができる。ま ず、MCP−1Rポリペプチドをコードするベクターを宿主細胞に挿入し、ポリ ペプチドの生成可能な適切な培養条件下で宿主細胞を培養することができる。 MCP−1R遺伝子又はそのフラグメントは、哺乳類、昆虫又は微生物宿主中 で発現できる。MCP−1R遺伝子をコードするポリヌクレオチドを、用いられ る宿主細胞のタイプに適合する適切な発現ベクターに挿入し、このベクター内の 制御エレメントに操作可能に連結させる。ベクターの構築には、当分野に既知の 技術を用いる。このような構築に関与する部位特異的DNAの切断は、市販の酵 素製造者によって一般に特定される条件下において、適切な制限酵素で処理する ことにより行われる。 適切な発現ベクターは、所望の機能(例えば、一過性発現、長期発現、組み込 み(integration)、複製、増幅)に適合し、制御エレメントが宿主細胞に適合す るものである。 A.哺乳類細胞における発現 哺乳類細胞中での複製に適切なベクターは当分野で既知であり、ウイルス性レ プリコン、即ちMCP−1Rをコードする配列の宿主ゲノムへの組み込みを確実 にする配列、を含みうる。例示的なベクターには、サルウイルスSV40、レト ロウイルス、ウシパピローマウイルス、ワクシニアウイルス及びアデノウイルス 由来のものが含まれる。 当分野で既知のように、異種DNA、この場合にはMCP−1R DNAは、 例えば相同組み換え(homologous recombination)技術を使用してウイルスゲノム へ挿入される。この挿入は一般に、本来必須ではない、例えばチミジンキナーゼ 遺伝子(tk)へ行われる。この遺伝子は選択可能マーカーをも提供する。組み 換えウイルスの構築を大幅に容易にするプラスミドシャトルベクターが記載され ている。(例えば、Mackett ら(1984); Chakrabartiら(1985); Moss(1987)を 参照。)次に、異種ポリペプチドの発現が生きた組み換えウイルスで免疫した細 胞又は個体中で生じる。 このような適切な哺乳類発現ベクターは通常、外来のDNA配列の転写を仲介 するプロモーターと、必要に応じてエンハンサーを含む。哺乳類細胞に適切なプ ロモーターは当分野で既知であり、これらには、サルウイルス40(SV40) 、サイトメガロウイルス(CMV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、アデノウ イルス(ADV)及びウシパピローマウイルス(BPV)由来のものなどのウイ ルス性プロンプターが含まれる。 前述のプロモーターと合わせてエンハンサーを必要に応じて使用すると、普通 発現レベルが増大する。エンハンサーは、内因性又は異種プロモーターに連結す ると1000倍までも転写を刺激して、通常のmRNA開始部位からの合成を行 うことができるあらゆる調節DNA配列である。エンハンサーはまた、転写開始 部位の上流又は下流に配置されても、向きが通常でも逆さでも、あるいはプロモ ーターから1000ヌクレオチドを越えて離れていても活性である。Maniatis, Science 236:1237(1987),Alberts,Molecular Biology of the Cell,2nd Ed. (1989)を参照のこと。ウイルス由来のエンハンサーエレメントは、通常広い宿主 範囲を有するため、特に有用である。哺乳類細胞において有用な例としては、S V40初期遺伝子エンハンサー(Dijkema,EMBO J.4:761(1985)を参照)と、 RSVの長末端反復(LTR)由来(Gorman,Proc.Natl.Acad.Sci.79:6777 (1982b)を参照)及びヒトサイトメガロウイルス由来(Boshart,Cell 41:521(19 85)を参照)のエンハンサー/プロモーターが含まれる。更に、いくつかのエン ハンサーはホルモン又は金属イオンなどの誘導因子の存在下でのみ調節可能であ り活性になる(Sassone-Corsi 及びBorelli,Trends Genet.2:215(1986); Mani atis,Science 236:1237(1987)を参照)。 更に発現ベクターは、MCP−1Rコード配列に操作可能に連結される終止配 列と、ポリ(A)付加配列とを普通含みうる。 選択可能マーカーをコードする配列と同様に、遺伝子の増幅を生じる配列もま た、発現ベクター、又はMCP−1RのDNA配列を含む発現ベクターと同時翻 訳される別のベクターに含んでもよい。哺乳類細胞の選択可能マーカーは当分野 で既知であり、例えばチミジンキナーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(メトトレ キサートと共にDHFR増幅体として)、アミノグリコシドホスホトランスフェ ラーゼ、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ、アスパラギンシンセタ ーゼ、アデノシンデアミナーゼ、メタロチオネイン、及び抗生物質例えばネオマ イシン耐性遺伝子が含まれる。 MCP−1Rポリペプチドをコードするベクターは、適切な哺乳類宿主細胞の トランスフォーメーションに使用できる。トランスフォーメーションは、ポリヌ クレオチドを宿主細胞に導入するあらゆる既知の方法によって可能であり、例え ばウイルスへのポリヌクレオチドのパッケージング、このウイルスによる宿主細 胞の導入が含まれる。使用するトランスフォーメーションの手順は、トランスフ ォームされる宿主に依存する。異種ポリヌクレオチドの哺乳類細胞への導入方法 は当分野で既知であり、デキストラン仲介横断、カルシウムリン酸塩沈降、ポリ ブレン仲介横断、プロトプラスト融合法、電気穿孔法、リポソームによるポリヌ クレオチドの被包、及び核へのDNAの直接マイクロインジェクションを含む。 発現用の宿主として利用可能な哺乳類細胞株は当分野で既知であり、アメリカ ン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から利用可能な多くの不死 化細胞株を含み、これらの不死化細胞株には、チャイニーズハムスター卵巣(C HO)細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細 胞(COS)、ヒト肝細胞癌細胞(例えばHep G2)及び多数の他の細胞系 が含まれるがこれらに限定されない。 B.昆虫細胞における発現 昆虫細胞における発現の場合、概して発現系の構成要素は、転移ベクター、通 常バクテリアプラスミドを含み、これは、バキュロウイルスゲノムのフラグメン トと発現すべき異種遺伝子の挿入のための簡便な制限部位との双方;転移ベクタ ー中に、バキュロウイルス特異的フラグメントに対して相同な配列を有する野生 型バキュロウイルス(これにより、バキュロウイルスゲノムへの異種遺伝子の相 同組み換えが可能になる);ならびに適切な昆虫宿主細胞及び増殖媒体を含む。 外来遺伝子を昆虫細胞へ導入する例示的な転移ベクターは、pAc373とp VL985を含む。Luckow及びSummers,Virology 17:31(1989)を参照のこと。 また、プラスミドは通常、多角体ポリアデニル化シグナルと、原核性アンピシ リン耐性遺伝子(amp)と、E.Coli での選択及び増殖のための複製開始点と を含む。Miller,Ann.Rev.Microbiol.42:177(1988)を参照のこと。 バキュロウイルス転移ベクターは通常、バキュロウイルスプロモーター、即ち バキュロウイルスRNAポリメラーゼが結合して、コード配列(例えば、構造遺 伝子)の下流(5′から3′)への転写を開始してmRNAとすることができる DNA配列を含む。プロモーターは通常、コード配列の5′末端付近に位置する 転写開始領域を有する。この転写開始領域は通常、RNAポリメラーゼ結合部位 と転写開始部位とを含む。バキュロウイルスはエンハンサーを有することもでき 、存在する場合、エンハンサーは構造遺伝子から通常遠く離れている。発現は調 節したものでもよいし、あるいは本質的でもよい。 C.微生物における発現−酵母及び細菌 真菌発現系は、酵母及びフィラメント状真菌宿主の双方を使用できる。フィラ メント状真菌発現系の例には、EP特許公開番号 357 127(1990年3月7日 公開)に記載の Aspergillusと、EP特許公開番号 376 266(1990年7月4 日公開)に記載の Acremonium Chrysogenum がある。 酵母発現系は通常、次のうちの1以上を含みうる:プロモーター配列、融合パ ートナー配列、リーダー配列、転写終止配列。 酵母RNAポリメラーゼを結合して、コード配列(例えば、構造遺伝子)の下 流(3′)への転写を開始してmRNAにすることができる酵母プロモーターは 、通常、コード配列の5′末端付近に位置した転写開始領域を有する。この転写 開始領域は普通、RNAポリメラーゼ結合部位(TATAボックス)と転写開始 部位とを含む。酵母プロモーターは通常、構造遺伝子から遠く離れている上流ア クチベーター配列を有することもできる。アクチベーター配列は、所望の異種D NA配列の誘導発現を可能にする。本質的な発現は、アクチベーター配列の非存 在下で生じる。調節発現は正調節又は負調節のいずれでもよく、従って転写を促 進又は減少させることができる。 特に有用な酵母プロモーター配列は、アルコールデヒドロゲナーゼ(ADH) (EP特許公開番号 284 044)、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース−6 −リン酸イソメラーゼ、グリセロアルデヒド−3−リン酸−デヒドロゲナーゼ( GAP又はGAPDH)、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3−ホス ホグリセリン酸ムターゼ及びピルビン酸キナーゼ(PyK)(EP特許公開番号 32 9 203)を含む。酸性ホスファターゼをコードする酵母PHO5遺伝子もまた、有 用なプロモーター配列を提供する。Myanohara,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80 :1(1983)を参照のこと。 MCP−1R遺伝子又はその活性フラグメントは、酵母の細胞内で発現させる ことができる。プロモーター配列はMCP−1R遺伝子又はフラグメントと直接 連結でき、この場合、組み換えタンパク質のN末端の最初のアミノ酸は常にメチ オニンであり、これはATG開始コドンによってコードされる。所望するなら、 シアノゲンブロマイドと共にin vitroでインキュベートすることにより、N末端 でメチオニンをタンパク質から切断することができる。 細胞内発現した融合タンパク質は、MCP−1R配列の直接発現の代わりとな るものを提供する。通常、安定性タンパク質のN末端部分、即ち融合パートナー をコードするDNA配列は、所望のポリペプチドをコードする異種DNAの5′ 末端に融合される。発現の際に、この構築物はこれらの2つのアミノ酸配列の融 合物を提供する。例えば、酵母又はヒトのスーパーオキシドジスムターゼ(SO D)遺伝子はMCP−1R配列の5′末端で連結でき、酵母中で発現できる。こ れらの2つのアミノ酸配列の接合部のDNA配列は、切断可能部位をコードして もしなくてもよい。例えば、EP特許公開番号 196 056を参照のこと。あるいは 、酵母又は細菌のMCP−1Rポリペプチドの分泌を提供するリーダー配列フラ グメントを含む融合タンパク質を作ることによって、MCP−1Rポリペプチド を細胞から増殖媒体内に分泌させることもできる。好ましくは、リーダーフラグ メントとMCP−1R配列(配列番号:1及び3)との間にコードされ、in viv o 又は in vitro のいずれかで切断されることができるプロセシング部位が存在 する。リーダー配列フラグメントは普通、細胞からのタンパク質の分泌を指示す る疎水性アミノ酸を含むシグナルペプチドをコードする。適切なシグナル配列を コードするDNAは分泌酵母タンパク質の遺伝子由来とすることができ、例えば 酵母インベルターゼ遺伝子(EP特許公開番号 12 873)及びA−因子遺伝子(米 国特許第 4,588,684号)である。あるいは、非酵母起源のリーダー、例えばイン ターフェロンリーダーを使用して酵母における分泌を提供することができる(E P特許公開番号 60057)。酵母によって認識される転写終止配列は、翻訳停止コ ドンの3′側に位置する調節領域である。この領域は、プロモーターと共に所望 の異種コード配列に隣接する。これらのフランキング配列はmRNAの転写を指 示し、MCP−1R DNAによってコードされたMCP−1Rに翻訳され得る 。 通常、プロモーター、リーダー(所望される場合)、対象コード配列及び転写 終止配列を含む前述の成分は、宿主例えば酵母又は細菌において安定的に維持可 能なプラスミドに共に配置される。プラスミドは2つの複製系を有することがで き、シャトルベクターとして、例えば発現には酵母中で、クローニング及び増幅 には原核宿主中で維持されることが可能である。このような酵母−細菌シャトル ベクターの例として、YEp24(Botstein,Gene 8:17-24(1979)を参照)、 pC1/1(Brake,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:4642-4646(1984)を参照 )及びYRp17(Stinchcomb,J.Mol.Biol.158:157(1982)を参照)が含ま れる。更に、プラスミドは高及び低コピー数プラスミドのいずれかであり得る。 高コピー数プラスミドは一般に約5〜約200、普通約10〜約150の範囲の コピー数を有する。高コピー数プラスミドを含む宿主は、好ましくは少なくとも 約10、より好ましくは少なくとも約20を有する。ベクター及びMCP−1R ポリペプチドの宿主に対する影響によって、高及び低コピー数ベクターのいずれ かを選択できる。例えば、Brake ら、上掲書を参照のこと。 あるいは、組み込みベクターを用いて発現構築物を酵母ゲノムに組み込むこと ができる。組み込みベクターは普通、ベクターの組み込みを可能にする酵母染色 体に対して相同な少なくとも1つの配列を含み、好ましくは発現構築物に隣接す る2つの相同配列を含む。Orr-Weaver,Methods In Enzymol.101:228-245(1983 )及び Rine,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:6750(1983)を参照のこと。 普通、染色体外及び組み込み発現ベクターは、トランスフォームされた酵母株 を選択できるように選択可能マーカーを含むことができる。選択可能マーカーは 、酵母宿主中で発現され得る生合成遺伝子を含むことができ、例えばADE2、 HIS4、LEU2、TRP1、ALG7及びG418耐性遺伝子であり、これ らはツニカマイシン及びG418へのそれぞれの耐性を酵母細胞に与える。更に 、適切な選択可能マーカーは、金属などの有毒化合物の存在下で成育する能力を 酵母に提供することもできる。例えば、CUP1の存在によって酵母が銅イオン の存在下で成育可能となる。Butt,Microbiol.Rev.51:351(1987)を参照のこ と。 あるいは、前記の成分のいくつかをトランスフォーメーションベクターに配置 することができる。トランスフォーメーションベクターは普通選択可能マーカー を含み、選択可能マーカーは、前述のようにレプリコン中に維持されるか又は発 展して組み込みベクターになるかのいずれかである。 染色体外及び組み込みのいずれかである発現ベクター及びトランスフォーメー ションベクターを発達させ、多くの酵母へのトランスフォーメーションを起こし ている。例示的な酵母細胞株は、Candida albicans(Kurtz,Mol.Cell.Biol. 6:142(1986))、Candida maltosa(Kunze,J.Basic Microbiol.25:141(1985)) 、Hansenula polymorpha(Gleeson,J.Gen.Microbiol.132:3459(1986)及び R oggenkamp,Mol.Gen.Genet.202:302(1986))、Kluyveromyces fragilis(Das ,J.Bacteriol.158:1165(1984))、Kluyveromyces lactis(De Louvencourt,J .Bacteriol.154:737(1983)及びVan den Berg,Bio/Technology 8:135(1990)) 、Pichia guillerimondii(Kunze,J.Basic Microbiol.25:141(1985))、Pichia pastoris(Cregg,Mol.Cell.Biol.5:3376(1985))、Saccharomyces cerevis iae(Hinnen,PROC.NATL.ACAD.SCI.USA 75:1929(1978)及びIto,J.Bacter iol.153:163(1983))、Schizosaccharomyces pombe(Beach及びNurse,Nature 3 00:706(1981))及び Yarrowia lipolytica(Davidow,Curr.Genet.10:380471( 1985)及び Gaillardin,Curr.Genet.10:49(1985))である。 外因性DNAを酵母宿主に導入する方法は当分野で周知であり、これらの方法 は普通、スフェロプラストのトランスフォーメーション及びアルカリカチオンで 処理した無傷(intact)の酵母細胞のトランスフォーメーションのいずれかを含む 。トランスフォーメーションの手順は通常、トランスフォームされるべき酵母種 によって異なる。適切なトランスフォーメーション技術については、先の段落に 記載の出版物を参照のこと。 更に、MCP−1R遺伝子又はそのフラグメントは細菌系において発現できる 。このような系では、細菌プロモーターは、細菌RNAポリメラーゼに結合して コード配列(例えば、所望の異種遺伝子)の下流(3′)転写を開始してmRN AにすることができるあらゆるDNA配列である。プロモーターは、通常コード 配列の5′末端付近に位置する転写開始領域を有する。この転写開始領域は通常 、RNAポリメラーゼ結合部位と転写開始部位とを含む。細菌プロモーターはオ ペレーターと称する第2のドメインを有することもでき、これはRNA合成が開 始する隣接RNAポリメラーゼ結合部位と重複することができる。遺伝子リプレ ッ サータンパク質がオペレーターと結合でき、これにより特定遺伝子の転写を阻害 するので、オペレーターは負調節(誘導)転写を可能にする。本質的発現は、オ ペレーターなどの負調節エレメントの非存在下で生じることができる。更に、正 調節は遺伝子アクチベータータンパク質結合配列によって達成され得、この配列 は、存在するならば、通常RNAポリメラーゼ結合配列付近(5′)に存在する 。遺伝子アクチベータータンパク質の一例はカタボライトアクチベータータンパ ク質(CAP)であり、これは Escherichia coli(E.coli)中の lacオペロン の転写開始を助成する。Raibaud,Ann.Rev.Genet.18:173(1984)を参照のこ と。)従って、調節発現は正及び負のいずれでもよく、従って転写を促進又は減 少させることができる。 代謝経路酵素をコードする配列は、特に有用なプロモーター配列を提供する。 例としては、糖代謝酵素由来のプロモーター配列、例えばガラクトース、ラクト ース(lac)(Chang,Nature 198:1056(1977)を参照)及びマルトースが含まれる。 更なる例としては、生合成酵素由来のプロモーター配列、例えばトリプトファン (trp)(Goeddel,NUC.ACIDS RES.8:4057(1981),Yelverton,Nuc.Acids Res. 9:731(1981),米国特許第 4,738,921号、EP特許公開番号 36 776 及び121 775 を参照)が含まれる。■−ラクトマーゼ(bla)プロモーター系(Weissmann,Int erferon 3(ed.I.Gresser)を参照)、バクテリオファージλPLプロモーター 系(Shimatake,Nature 292:128(128)を参照)及びT5プロモーター系(米国 特許第 4,689,406号)も有用なプロモーター配列を提供する。 更に、自然界では生じない合成プロモーターも細菌プロモーターとして機能す る。例えば、ある細菌又はバクテリオファージプロモーターの転写活性化配列を 別の細菌又はバクテリオファージプロモーターと結合させ、例えば tacプロモー ターのような合成ハイブリッドプロモーターを作ることができる(米国特許第 4 ,551,433 号、Amann,Gene 25:167(1983)及び de Boer,Proc.Natl.Acad.S ci.80:21(1983)を参照)。細菌プロモーターは、細菌RNAポリメラーゼと 結合して転写を開始する能力を有する非細菌起源の自然発生プロモーターを含む ことができる。非細菌起源の自然発生プロモーターを、適合RNAポリメラーゼ に 結合させて、原核生物においていくつかの遺伝子の高レベル発現を生成すること ができる。例として、バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼ/プロモー ター系がある。(Studier,J.Mol.Biol.189:113(1986)及び Tabor,Proc. Natl.Acad.Sci.82:1074(1985)を参照。) 機能的なプロモーター配列に加え、有効なリボソーム結合部位も、原核生物に おけるMCP−1R又はそのフラグメントの発現に有用である。E.coli ではリ ボソーム結合部位はシャイン・ダルガーノ(SD)配列と称され、開始コドン( ATG)と、開始コドンから3〜11ヌクレオチド上流の長さ3〜9ヌクレオチ ドの配列を含む(Shine,Nature 254:34(1975)を参照)。SD配列は、SD配 列及び3′末端の間の塩基とE.coli16S rRNAのものとの対合によって mRNAのリボソームへの結合を促進させると考えられている(Steitz,Biolog ical Regulation and Development: Gene Expression(ed.R.F.Goldberger)(1 979)を参照)。 MCP−1Rタンパク質は、細胞内で発現できる。プロモーター配列はMCP −1R遺伝子又はそのフラグメントと直接連結することができ、この場合N末端 の最初のアミノ酸は常にメチオニンであり、これはATG開始コドンによってコ ードされる。所望ならば、シアノゲンブロマイドと共にin vitroでインキュベー トするか、あるいは細菌メチオニンN末端ペプチダーゼと共にin vivo 又はin v itroのいずれかでインキュベートすることで、N末端でメチオニンをタンパク質 から切断できる。EP特許公開番号 219 237を参照のこと。 融合タンパク質は、直接発現の代わりとなるものを提供する。普通、外因性細 菌タンパク質又は他の安定性タンパク質のN末端部分をコードするDNA配列は 、異種MCP−1Rコード配列の5′末端に融合される。発現の際に、この構築 物はこれらの2つのアミノ酸配列の融合物を提供する。例えば、バクテリオファ ージλ細胞遺伝子はMCP−1R遺伝子又はそのフラグメントの5′末端で連結 して、細菌中で発現できる。得られた融合タンパク質は、好ましくはプロセシン グ酵素(因子Xa)のための部位を保持し、MCP−1R遺伝子又はそのフラグ メントからバクテリオファージタンパク質を切断する(Nagai,Nature 309:810( 19 84)を参照)。融合タンパク質は、lac Z遺伝子(Jia,Gene 60:197(1987))、tr p E遺伝子(Allen,J.Biotechnol.5:93(1987)及び Makoff,J.Gen.Microb iol.135:11(1989))及び Chey 遺伝子(EP特許公開番号324 647)由来の配列を 用いて作製することもできる。これらの2つのアミノ酸配列の接合部のDNA配 列は、切断可能部位をコードしてもしなくてもよい。他の例は、ユビキチン融合 タンパク質である。このような融合タンパク質は、好ましくはプロセシング酵素 (例えば、ユビキチン特異的プロセシングプロテアーゼ)のための部位を保持し てMCP−1Rポリペプチドからユビキチンを切断させるユビキチン領域を用い て作製される。この方法により、成熟MCP−1Rポリペプチドを単離できる。 Miller,Bio/Technology 7:698(1989)を参照のこと。 あるいは、細菌にMCP−1Rポリペプチドの分泌をもたらすシグナルペプチ ド配列フラグメントを含む融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を作る ることによって、MCP−1Rポリペプチドを細胞から分泌させることもできる 。(例えば、米国特許第 4,336,336号を参照。)このシグナル配列フラグメント は通常、細胞からのタンパク質の分泌を指示する疎水性アミノ酸を含むシグナル ペプチドをコードする。このタンパク質は、増殖媒体(グラム陽性細菌)と、あ るいは細胞の内膜と外膜との間に位置するピロプラズマ種(グラム陰性細菌)と のいずれかに分泌される。好ましくは、シグナルペプチドフラグメントとMCP −1Rポリペプチドとの間にコードされ、in vivo 又は in vitro のいずれかで 切断可能であるプロセシング部位が存在する。 適切なシグナル配列をコードするDNAは分泌細菌タンパク質の遺伝子から派 生させることができ、例えば E.coli外膜タンパク質遺伝子(omp A)(Masui,Ex perimental Manipulation of Gene Expression(1983)及び Ghrayeb,EMBO J.3: 2437(1984))及び E.coliアルカリホスファターゼシグナル配列(pho A)(Oka,P roc.Natl.Acad.Sci.82:7212(1985)を参照)がある。種々の Bacillus株由来 のα−アミラーゼ遺伝子のシグナル配列は、B.subtilisからの異種タンパク質 の分泌に使用できる(Palva,Proc.Natl.Acad.Sci.79:5582(1982)及びEP 特許公開番号 244 042を参照)。 細菌によって認識される転写終止配列は、翻訳停止コドンの3′側に位置する 調節領域である。これらの領域は、プロモーターと共にコード配列に隣接する。 これらの配列は、MCP−1R DNA配列(配列番号:1及び3)によってコ ードされるMCP−1Rポリペプチドに翻訳され得るmRNAの転写を指示する 。転写終止配列はしばしば、転写の終止を助成するステムループ構造を形成する ことができる約50ヌクレオチドのDNA配列を含む。例としては、E.coli に おけるtrp 遺伝子及び他の生合成遺伝子のような強力なプロモーターを有する遺 伝子から派生する転写終止配列が含まれる。 普通、プロモーター、シグナル配列(所望される場合)、対象コード配列及び 転写終止配列は、細菌宿主において安定的に維持することができる染色体外エレ メント(例えばプラスミド)に維持される。プラスミドは複製系を有し、このた め発現用あるいはクローニング及び増幅用の細菌宿主において維持可能となる。 更に、プラスミドは高及び低コピー数プラスミドのいずれかとし得る。高コピー 数プラスミドは一般に約5〜約200、典型的には約10〜約150の範囲のコ ピー数を有する。高コピー数プラスミドを含む宿主は、好ましくは少なくとも約 10、より好ましくは少なくとも約20のプラスミドを含む。 あるいは、組み込みベクターを用いて発現構築物を細菌ゲノムに組み込むこと ができる。組み込みベクターは通常、ベクターを組み込み可能にする細菌染色体 に対して相同的な少なくとも1つの配列を含む。組み込みは、ベクター中の相同 DNAと細菌染色体との間での組み換えにより生じると思われる。例えば、EP 特許公開番号 127 328を参照のこと。 通常、染色体外及び組み込み発現構築物は選択可能マーカーを含み、トランス フォームされた細菌株を選択可能にすることができる。選択可能マーカーは細菌 宿主において発現され得、アンピシリン、クロラムフェニコール、エリトロマイ シン、カナマイシン(ネオマイシン)及びテトラサイクリンのような薬剤に対し て細菌を耐性にする遺伝子を含むことができる(Davies,Ann.Rev.Microbiol .32:469(1978)を参照)。選択可能マーカーは、生合成遺伝子例えばヒスチジン 、トリプトファン及びロイシン生合成経路におけるものを含むこともできる。 あるいは、上述の成分のいくつかをトランスフォーメーションベクターにおく ことができる。トランスフォーメーションベクターは普通選択可能マーカーを含 み、これは上述のように染色体外ベクター又は組み込みベクターに維持される。 染色体外及び組み込みのいずれかである発現ベクター及びトランスフォーメー ションベクターを発達させ、多くの細菌にトランスフォーム000る。例示的な ものは、Palva,Proc,Natl.Acad.Sci.79:5582(1982)、EP特許公開番号 03 6 259及び 063 953、ならびにPCT特許発行WO84/04541(B.subtilis に関し て); Shimatake,Nature 292:128(1981),Amann,Gene 40:183(1985),Studier ,J.Mol.Biol.189:113(1986)及びEP特許発行番号 036 776、136 829及び 136 907(E.coliに関して); Powell,Appl.Environ.Microbiol.54:655(1988) 及び米国特許第 4,745,056号(Streptococcus に関して)に開示される発現ベク ターである。 外因性DNAを細菌宿主に導入する方法は当分野で周知であり、これらの方法 は通常、CaCl2、又は他の試薬、例えば二価カチオン及びDMSOで処理さ れた細菌のトランスフォーメーションを含む。DNAは電気泳動により細菌細胞 に導入することもできる。例示的な方法は、Bacillus トランスフォーメーショ ンに関しては Masson,FEMS Microbiol.Let.60:273(1989),Palva,Proc.Nat l.Acad.Sci.79:5582(1982),EP特許公開番号 032 259及び 063 953、ならび にPCT特許公開WO 84/04541 において見出すことができる。Campylobacter トランスフォーメーションに関しては、例えばMiller,Proc.Natl.Acad.Sci .85:856(1988)及び Wang,J.Bateriol.172:949(1990)を参照のこと。E.co liに関しては、例えばCohen,Proc.Natl.Acad.Sci.69:2110(1973),Dower, Nuc.Acids Res.16:6127(1988),Kushner,Genetic Engineering: Proceedings of the International Symposium on Genetic Engineering(eds.H.W.Boyer 及び S.Nicosia),Mandel,J.Mol.Biol.53:159(1970)及び Taketo,Bioch em.Biophys.Acta 949:318(1988)を参照のこと。Lactobacillus 及び Pseudomo nasに関しては、例えば Chassy,FEMS Microbiol.Let.44:173(1987)及びFie dler,Anal.Biochem.170:38(1988)をそれぞれ参照のこと。Streptococcu s に関しては、例えば Augustin,FEMS Microbiol.Let.66:203(1990),Barany ,J.Bacteriol.144:698(1980),Harlander,Streptococcal Genetics(ed.J. Ferretti 及び R.Curtiss III)(1987),Perry,Infec.Immun.32:1295(1981), Powell,Appl.Environ.Microbiol.54:655(1988)及び Somkuti,Proc.4th Ev r.Cong.Biotechnology 1:412(1987)を参照のこと。 III.発現MCP−1Rタンパク質の発現及び検出 MCP−1R発現を得るため、MCP−1Rコード配列(配列番号:1及び3 )の発現を可能とする条件下で、トランスフォーマント由来の組み換え宿主細胞 をインキュベートする。これらの条件は、選択する宿主細胞によって異なる。し かし、これらの条件は当分野で既知であるものに基づいて当業者が容易に認識で きるものである。 トランスフォームした宿主細胞において発現されたMCP−1Rタンパク質の 検出を、いくつかの方法で達成できる。例えば、MCP−1Rタンパク質が特異 性を示す2塩基切断部位を含む蛍光遺伝子基質を使用する酵素活性(又は増加し た酵素活性又は酵素活性の延長した寿命)によって検出を行うことができる。M CP−1Rタンパク質は、抗MCP−1R抗体との免疫反応性によっても検出可 能である。 IV.MCP−1レセプターアンタゴニストの同定 細胞レセプターの異なるリガンドは、生物的反応を誘発する能力に基づいて分 類される。レセプターへの結合と反応の誘発(triggering)の双方が可能な物質は アゴニストと分類される。反対に、レセプターと結合できるが反応を誘発できな いリガンドはアンタゴニストと分類される。アンタゴニストは、時折非常に有効 に天然リガンド又はそのアゴニストと競合し、これにより機能的なレセプターの 不活性化(レセプター拮抗作用)が生じる。 アンタゴニストのような、MCP−1レセプターのリガンドを同定する方法が 提供される。この方法は、MCP−1レセプターのN末端ドメインをコードする 核酸配列(配列番号:1及び3を参照)を含む発現ベクターを用いて、哺乳類細 胞株をトランスフェクトすることを含む。MCP−1レセプターのN末端ドメイ ンは、単独で又はMCP−1レセプターの他のドメインと組み合わせて発現され 得る。他のドメインは、細胞外、細胞内又は膜貫通ドメインとし得る。更に、他 のドメインが図4のもの(配列番号:5、6、7及び8)のような関連タンパク 質からの対応ドメインである場合、キメラタンパク質が発現され得る。N末端ド メインはまた、天然MCP−1レセプターの一部としても発現できる。固相アッ セイ用の可溶性タンパク質が必要な場合、細胞外ドメインの発現が好ましい。 アンタゴニストは、MCP−1レセプターのN末端ドメインを発現する細胞を 増殖させるために使用する培養培地に有効量の有機化合物を添加することによっ て同定される。有効量は、レセプタードメインに対するMCP−1の結合を遮断 するのに十分な濃度である。レセプターに対するMCP−1の結合の損失は、種 々の技術又は無傷細胞を使用して、あるいは固相アッセイにおいてアッセイが可 能である。 例えば、米国特許第 5,194,375号でIL−7について記載されたものと同様の 結合アッセイを使用し得る。このタイプのアッセイは、MCP−1の標識化と、 テストされている化合物の存在下又は非存在下におけるMCP−1レセプターと 結合した標識量の定量とを含む。使用される標識は、例えば放射標識、例えば12 5 I又は蛍光遺伝子標識とすることができる。 あるいはイムノアッセイを用いて、テストされている化合物の存在下又は非存 在下における抗MCP−1抗体を用いたMCP−1の免疫反応性の検出により、 MCP−1のレセプターに対するMCP−1の結合を検出し得る。イムノアッセ イは、例えば抗体サンドイッチアッセイ又は酵素結合イムノアッセイを含みうる 。このような方法は当分野で周知であり、Methods in Enzymology,Volumes 154 及び155(それぞれ、Wu及び Grossman,ならびに Wu,Eds.)(1987); Immunochemic al Methods in Cell and Molecular Biology(Academic Press,London)に記載 されている。 MCP−1レセプターアンタゴニストを含む医薬組成物は、慢性関節リウマチ 及び肺胞炎のような単球浸潤によって特徴付けられる疾患の治療に用いられ得る 。アンタゴニストは、治療的に有効量のアンタゴニストと、医薬的に許容可能な ビヒクルとを含む医薬組成物として投与される。このような医薬組成物は、医薬 的に許容可能なキャリア、希釈液、充填剤、塩、緩衝液、安定剤及び/又は当分 野で周知の他の物質を含むこともできる。「医薬的に許容可能な」という用語は 、活性成分の生物活性の有効性を妨害せず、それが投与される宿主に対して毒性 ではない物質を意味する。キャリア又は他の物質の特徴は、投与経路に依存する 。 投与は、様々な慣用方法で行うことができる。非経口投与が目下好適である。 この場合、アンタゴニスト組成物は非発熱性、無菌で非経口的に許容可能な水溶 液の形態とし得る。pH、等張性、安定性などに適切に関連する非経口的に許容 可能な溶液の調製は、当分野の技術範囲内にある。しかし、活性アンタゴニスト 組成物は慢性的状態を治療するのに長期間使用されることが予期されるため、長 期的には経口投与が有利である。 活性成分の量は状態の厳しさ、投与経路、アンタゴニストの活性に依存し、最 終的には担当医師によって決定される。しかし、種々の医薬組成物はアンタゴニ スト1mlあたり約10μg〜約1mgを含むべきであると現在考えられている 。 本発明の治療方法を実施する際に、治療的に有効な量のアンタゴニスト組成物 は、単球浸潤によって特徴付けられる状態を有するために、このような治療を必 要とするヒト患者に投与される。「治療的に有効な量」という用語は、患者に有 意な利益、即ち慢性的状態の治癒又は治癒速度の増大を示すのに十分な方法又は 組成物の活性成分の総量を意味する。本発明のアンタゴニスト組成物の治療的に 有効な用量は、投与される用量につき1mlあたり約10μg〜約1mgの範囲 が考えられる。投与される用量の数は、それぞれの患者及び状態の厳しさによっ て異なりうる。 本発明は、その範囲を限定することなく、例示することを意図する次の実施例 において更に説明される。 V.実施例 DNAの単離及び操作の標準的手順は、Sambrookら(1989)に基づく。プラスミ ドDNAは、E.coli 株であるHB101、D1210又はXL−1ブルー(St ratagene)中で増殖させた。DNA配列決定は、M13プライマー及び特定の内 部プライマーを使用してジデオキシ連鎖終結法(Sanger,1977)によって行った 。 実施例1 cDNAクローンのPCR同定 ケモカインレセプター遺伝子ファミリーの新規メンバーを同定してクローン化 するため、MIP−1α/RANTESレセプター、IL−8レセプター及びH UMSTSRオーファンレセプターの第2膜貫通ドメインの保存配列NLAIS DL(配列番号:11)と第3膜貫通ドメインの保存配列DRYLAIV(配列 番号:12)に対応する変性オリゴヌクレオチドプライマーを設計し、合成した (GenBank受託番号M99293)。これらのプライマーを有するMM6細胞由来 のcDNAの増幅により、7膜貫通レセプターと予期されるものにサイズが対応 する多数のPCR産物を得た。サブクローン化PCR産物の解析により、プライ マーの設計に用いたレセプターの予想フラグメントをコードするcDNAと、新 規のタンパク質をコードすると思われる1つのcDNAとが明らかになった。こ のクローンの全長型を得るために、pFROGにMM6のcDNAライブラリー を構築し、PCR産物を用いたハイブリダイゼーションによりプローブ処理した 。2.1kbのcDNAクローンを得た。MM6のcDNAライブラリーにおけ る追加クローンの解析により、5′未翻訳領域から推定第7膜貫通ドメインまで 最初に得た2.1kbのcDNA配列と同一であるが、最初に得た2.1kbの cDNA配列とは異なる細胞質尾部を含む第2の配列が明らかになった。ライブ ラリーの2つの独立したクローンは2つの配列を含むことがわかり、これはMC P−1Rタンパク質のカルボキシル末端尾部のオータネイティブスプライシング を表すと思われる。この2つの配列はMCP−1RA及びMCP−1RB、即ち 単球化学誘引物質タンパク質−1レセプターA及びBと示され、単離した第1及 び第2の配列をそれぞれ表す(配列番号:1、2、3及び4)。使用した物質及 び 方法の詳細を次に説明する。 1.オリゴヌクレオチドの合成 オリゴヌクレオチドアダプター、プローブ及びプライマーを、アプライド・バ イオシステムズ社(Applied Biosystems,Foster City,CA)装置において製造者 の指示に従って合成した。上記の第2及び第3膜貫通ドメインにおける保存配列 に対応し、MCP−1Rの同定に使用した5′末端のEcoRI及びXhoI制 限部位を組み込む変性オリゴヌクレオチドプライマーは、27−mer,5′CGC TCG AGA CCT(G又はA)(G又はT)C(C又はA)(A,T又はG)T(T又はG)(T又はG)C(T又はC)GA CCT3′(配列番号:9)及び 31-mer 5′GC GAA TTC TGG AC(G又はA)ATG GCC A GG TA(C,A又はG)C(T又はG)G TC 3′(配列番号:10)であった。 2.ポリメラーゼ鎖伸長反応(PCR) ヒト単球白血病由来のMM6細胞(Weber,Eur.J.Immunol.23:852-59(1993 )を参照)を、DSM ジャーマン・コレクション・オブ・マイクロオーガニズム・ アンド・セル・カルチャーズ(Masheroder Weg 1b,3300 Braunschweig,Germany )から得た。この細胞を10%の胎児ウシ血清、25mMのHepes及び抗生 物質で補充したRPMI−1640(GIBCO BRL,Grand Island,N.Y.)中で成育 させた。Chomczynski 及び Sacchi の方法により、全RNAをMM6細胞から単 離した。Chomczynski,Anal.Biochem.162:156-59(1987)を参照のこと。オリ ゴdTセルロースカラム(ファルマシア社、Piscataway,N.J.)におけるアフィニ ティークロマトグラフィーにより、ポリA+RNAを得た。製造者の指示(ファ ルマシア社)に従って、5μgのMM6ポリA+RNAを用いて開始し第1鎖の cDNA合成を行った。 PCR反応を最終濃度1μMで上述のPCRプライマー(配列番号:9及び1 0)と約10ng/mlでMM6のcDNAとを使用して94℃、1分間でイン キュベーションし、次に50℃で2分、72℃で1.5分で開始して、72℃で 4分間の最終延長工程で30サイクル行った。1.5%のアガロースゲル上で2 00〜300の間の塩基対を移動するPCR産物を切り出してpBluescript(sk- )にサブクローン化し、Sanger,Proc Natl Acad Sci USA74:5463-67(1977)に 記載されたように、蛍光標識付けしたジデオキシリボヌクレオチドを使用して配 列決定した。配列解析により、プライマーの設計に用いたレセプターの予想フラ グメントをコードするcDNAと、新規のタンパク質をコードすると思われる1 つのcDNAとが明らかになった。以下のサブセクション3及び4で詳細を説明 するように、このクローンの全長型を得るために適切な細胞株を選択し、cDN AライブラリーをpFROGに構築し、このPCR産物を用いてプローブ処理し た。 3.MM6細胞株の同定 単球は使用可能量で単離することが困難であり、1細胞あたり2000未満の 高親和性MCP−1結合部位を発現するため、MCP−1に対して優れた反応を 示す培養細胞株を同定する必要があった。Vu,Cell 64:1057-68(1991)に記載さ れたカルシウム流出アッセイを使用して、種々の細胞株のMCP−1誘発カルシ ウム流動を測定した。未分化のヒトHL−60細胞及びヒト赤白血病(HEL) 細胞では、カルシウム流動は検出されなかった。これに対して、MM6細胞中で は用量依存性カルシウム流動が検出され、4nMのMCP−1で最大刺激の半分 を示した。RANTESに対する前接触によってMM6細胞のMCP−1に対す る反応を除去することはできなかったが、RANTESに対する反応はMCP− 1に対する前接触によって部分的に遮断された。RANTESの代わりにMIP −1αを使用した場合にも同様の結果を得た。 4.MCP−1レセプターの発現クローニング MCP−1レセプターをクローン化するための全体的な手法は、レセプターを コードするRNAをマイクロインジェクトしたアフリカツメガエルの卵母細胞に 対するMCP−1反応性を与えることであった。この方法は、5−HT、トロン ビン、IL8RA及びMIP−1α/RANTESレセプターのクローン化にう まく用いられている。卵母細胞は妊娠したカエルから採取し、小胞細胞を取り除 くためにコラゲナーゼで処理する。cDNAライブラリーを細菌宿主細胞へ電気 穿孔し、次に細菌宿主細胞は5,000〜50,000コロニー/ペトリ皿のプ ールに分裂する。細菌の各プールからDNAを調製し、直線状にする。採取1日 後に、直線状cDNAから転写したポリA+RNA又はcRNAを卵母細胞にマ イクロインジェクトし、2日間インキュベートしてタンパク質の発現をさせる。 実験の日、卵母細胞に45Caを添加し、洗浄して取り込まれなかった45Caを除 去し、次に潜在的なリガンドと共にインキュベートした。適切なリガンドの存在 下で、45Caの有意な集注(afflux)が検出される。未注入の卵母細胞はコントロ ールとして使用される。最小1,000,000のコロニーをスクリーニングし (即ち、20〜200のプール)、陽性プールがある場合はそれを更に小さなプ ールに分け(同胞化し)、次にこれらのプールを個々にスクリーニングする。単 一のクローンを得るまでこの方法を繰り返す。 この非常に労力を有するアプローチに着手する準備として、THP−1及びM M6細胞の大規模調製物由来のポリA+RNAを卵母細胞に注入したが、MCP −1依存性シグナル化を与えることはできなかった。更に、個々のフラクション を卵母細胞に注入する前に、スクロース濃度勾配上での200〜300μgのポ リA+THP−1及びMM6のRNAのサイズ分画によって、より大きなmRN A種を豊富化した。再び、卵母細胞におけるMCP−1依存性シグナル化は示さ れなかった。更に、ライブラリープールから転写された限定数のcRNAを注入 しても、シグナル化を提供できなかった。これらの実験は、MCP−1レセプタ ーのメッセージは少ないことが最も予期され、実行可能な同胞選択によって発現 クローニングさせるのに十分大きなプールサイズでは検出不可能であることを示 唆した。このため、ポリメラーゼ鎖伸長反応(PCR)主体の手法を行った。 5.MM6cDNAライブラリーの構築及びスクリーニング Vu,Cell 64:1057-68(1991)に記載されたように、cDNAライブラリーをS P6プロモーターのすぐ3′側にある約100塩基の5′未翻訳アフリカツメガ エルグロビン配列を含むpCDM6の変形であるベクターpFROGに構築した 。 MM6のポリA+RNAからの第1鎖及び第2鎖の合成を行った後(上記サブ セクション2を参照)、アガロースゲル電気泳動によって2kb又はそれより大 きいcDNAをサイズ選択した。pFROGベクターへの挿入のため、BstX Iリンカーを添加した。連結後、pFROGをコンピテントMC1061p3細 胞へ電気穿孔した。前記サブセクション2に記述したように単離した新規のPC R産物を使用して、Sambrook,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Seco nd Edition(1989)に記載されたように、非常に厳格な条件下で(50%のホル ムアミド、6×SSC、0.1%のSDS、42℃、16時間)ハイブリダイゼ ーションによって総量1,000,000のコロニーをスクリーニングした。Sa nger,Proc.Natl.Acad.Sci.74:5463(1977)に記載されたように、蛍光標識 付けしたジデオキシリボヌクレオチドを使用して、スクリーニングでの陽性物を 配列決定した。A形のレセプターを含む2つのcDNAクローンと、B形を含む 2つのクローンを単離した。 実施例2 cDNA配列から推定されるMCP−1Rの構造 MCP−1RAのcDNAの全配列(配列番号:1)とコード化アミノ酸配列 (配列番号:2)を図1に示す。コード化タンパク質配列はcDNA配列の下に 示されている。MCP−1RBのcDNA配列(配列番号:3)とコード化アミ ノ酸配列(配列番号:4)を図2に示す。慣用の順番付けを使用する。 双方のMCP−1R DNAの翻訳は、ATG開始コドンで開始されると最も 考えられる。これは、cDNAの5′領域における唯一のインフレームMETコ ドンである。開始メチオニン(MET)に続いて、約42,000ダルトンの予 想分子量を有する374のアミノ酸のタンパク質をコードするオープンリーディ ングフレームがある。MIP−1α/RANTESレセプター、オーファンレセ プターHUMSTSRならびにIL−8レセプター8RA及び8RBの既知の膜 貫通ドメインとの直接対比により、48残基の細胞外アミノ末端が示される。膜 貫通ドメインは、アミノ酸49〜70、80〜700、115〜136、154 〜178、204〜231、244〜268及び295〜313に位置すること が最もあり得る。これらは図4で、配列グループ物(配列番号:2、5、6、7 及び8)の上の水平線によって示される。61アミノ酸のカルボキシル尾部は、 314位のセリンで開始する(図4を参照)。 MCP−1RBのcDNAは、1位のMETから313位のアルギニンまでM CP−1RAと同一のアミノ酸配列をコードし、開始METのすぐ5′側に30 の未翻訳ヌクレオチドを含む。しかし、MCP−1RBの推定アミノ酸配列(配 列番号:4)は、MCP−1RA(配列番号:2)の61アミノ酸の細胞質尾部 とは完全に異なる細胞質尾部を示す。MCP−1RBは、314アミノ酸位のア ルギニンで始まり360位のロイシンで終わる47のアミノ酸の細胞質尾部を有 する。313位で生じるオータネイティブスプライシングは、5′未翻訳配列を 含む2つのクローンの配列同一性と、313及び314アミノ酸位の間の推定ド ナー接合部に位置する特徴的なAG配列から推定できる。更に、MCP−1Rの A及びB両方に共通するcDNAが、非常に厳格な条件下において、ヒトゲノム DNAのサザンブロット上で単一バンドにハイブリダイズし、MCP−1RA及 び1RBにみられる双方のカルボキシル末端細胞質尾部をタンデムで含むMM6 ライブラリー由来の1つのcDNAクローンを得た。これは不完全に処理された (processed)RNAからの誘導を示唆する。MCP−1のレセプターであるMC P−1Rは、7膜貫通レセプターファミリーにおけるレセプターのカルボキシル 尾部のオータネイティブスプライシングの第2の既知の例にすぎない。Namba,N ature 365:166-70(1993)は、プロスタグランジン(PG)E2レセプターはオ ータネイティブにスプライシングされた4つのカルボキシル末端尾部を有し、こ れらの4つの間では配列ホモロジーが殆どないことを報告している。関連するM IP−1α/RANTES及びIL−8レセプターは、イントロンが存在しない と考えられている。Holmes,Science 253:1278-80(1991); Murphy,Science 253 :1280-83(1991)及び Neote,Cell 72:415-25(1993)を参照のこと。MCP−1 RA及び1RBの細胞質尾部を他のケモカインレセプターと共に整列させると、 これらのレセプターのうちの1つ、即ちMCP−1RBはMIP−1α/RAN TESレセプターの対応領域に対して相同することが明らかになった。MCP− 1RAのカルボキシル尾部は、他の既知のタンパク質とは有意な同一性を示さな かった。 造血細胞株のノザンブロットをSambrook,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,Second Edition(1989)に記載されたように行い、MCP−1Rクローン に対して各々をプローブ処理したところ、両mRNA種は単一の3.5kbバン ドとして移動した。図3を参照のこと。両mRNAは、MCP−1反応性細胞株 MM6及びTHP−1細胞においておよそ同等のレベルで発現した。これらは共 に、非反応性細胞株HEL及びHL−60において発現しなかった。各々のmR NAの発現は、逆転写PCRによって新しく単離したヒト単球においても検出さ れた。 実施例3 MCP−1RA及び1RBと他の7メンバー膜貫通レセプターとの類似性 MCP−1RA(配列番号:2)と、IL−8レセプターRA及びRB、MI P−1α/RANTESレセプターならびにオーファンレセプターHUMSTS R(それぞれ配列番号:7、8、5及び6)の配列の対比を図4に示す。新規の MCP−IAレセプターの推定アミノ酸配列と他の7膜貫通タンパク質との対比 により、このレセプターはMIP−1α/RANTESレセプターと最も密接に 関連しており、アミノ酸レベルで51%の同一性を有することが明らかになった 。IL−8レセプターRA及びRBはアミノ酸レベルで30%の同一性を示し、 HUMSTSRオーファンレセプターはアミノ酸レベルで31%の同一性を示し た。この解折により、MCP−1レセプターはアミノ末端及びカルボキシル末端 ドメインにおいて、関連するMIP−1α/RANTESレセプター及びIL− 8レセプターから派生していることが明らかになった。MCP−1Aレセプター とMIP−1α/RANTESレセプターとの間の顕著な同一性は、配列 IFFII LLTIDRYLAIV HAVFAL(K/R)ARTVTFGV(配列番号:13及び14)に認められ、こ れは 第3膜貫通ドメインの末端で生じる(図4を参照)。ロドプシンの対応領域はG −タンパク質結合に関係することが知られており(Frankeら、Science 250:123( 1990))、このドメインがC−Cケモカインのレセプターに共通するG−タンパ ク質活性化の態様を仲介しうることを示唆している。 実施例4 レセプター活性の確認 機能的MCP−1Rタンパク質の発現を確認し、MCP−1レセプターA及び BがMCP−1又は他のケモカインに反応性を示すかどうかを決定するために、 カルシウム流出アッセイを行った。このアッセイでは、MCP−1RA及び1R BのcRNAをアフリカツメガエルの卵母細胞にマイクロインジェクトし、アゴ ニスト誘発カルシウム流動化の検出によってレセプターのシグナル化活性を測定 した。MIP−1α/RANTESレセプター及びIL−8レセプターRAによ るシグナル化活性を同時に検査した。 Vu,Cell 64:1057-68(1991)に記載されたように、cRNAをSP6のRNA ポリメラーゼ転写によってNotI直鎖ベクターから調製し、アガロースゲル上 に流して、予期されるサイズの単一バンドを確認した。採取から1日後、20n gのcRNAを1卵母細胞あたり総量50nlで卵母細胞に注入した。改変Bart h 緩衝液中で2日間16℃でインキュベートした後、卵母細胞にCa45(50u Ci/ml、Amersham,Arlington Heights,Virginia)を3時間添加し、1時間 洗浄し、7つのグループで24ウェル皿の各ウェルに0.5ml容量で入れ、1 0分間隔で培地を集めて液体シンチレーションカウンターのβ放射を計算するこ とによってCa45流出を測定した。安定したベースラインを得た後に、サイトカ インアゴニストであるMIP−1α、MIP−1β、RANTES、IL−8及 びMCP−1を Barth培地中の卵母細胞に対して10分間添加した。未注入の卵 母細胞は、コントロールとして使用した。サイトカイン、MIP−1α、MIP −1β、RANTES、IL−8及びMCP−1はR&D Inc.,Minneapolis, Minnesota から入手した。結果を図6に示す。 MCP−1RA及び1RBは共に、ナノモル濃度のMCP−1に対して強力で 著しく特異的な反応を示した。ケモカインであるMIP−1α、MIP−1β、 RANTES又はIL−8は、これらのリガンドが500nMで存在する場合で さえも反応を示さなかった。これに対して、MIP−1α/RANTESレセプ ターは、公表された結果と一致して、MCP−1にではなくMIP−1α及びR ANTESに反応してシグナルを示した。MCP−1のEC50は15nMであっ た。 実施例5 MCP−1Rリガンドの特異性及びシグナル伝達 A.リガンドの特異性 MCP−1RBのcDNAをHEK−293細胞へトランスフェクトさせるこ とによって、MCP−1Rを安定発現させる細胞株を作製した。 ヒト胚腎臓(HEK)−293(CRL1573)細胞をアメリカン・タイプ ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection,Bethesda,M D)から入手し、10%の胎児ウシ血清(FCS)(Hyclone Laboratories Inc.,Lo gan,UT)と1%のペニシリン/ストレプトマイシンを補充したアールズ・バラン スト・ソルト・ソリューション添加最小必須培地(Minimal Essential Media wi th Earle's Balanced Salt Solution,MEM−EBSS;GIBCO/BRL ,Grand Island,N.Y.)中で37℃の湿気のある5%CO2雰囲気中で成育させ た。MCP−1レセプターであるMCP−1RBとMIP−1α/RANTES レセプターとのcDNAは哺乳類細胞発現ベクターpcDNA3(Invitrogen In c.,San Diego,CA)のポリリンカーにクローン化され、製造者の指示に従ってD NA/リポフェクタミン(GIBCO/BRL)混合物を用いて293細胞(5 0〜80%集密化)へトランスフェクトした。G418(0.8mg/ml)(G IBCO/BRL)の存在下において2〜3週間選択した後、コロニーを採取し 、レセプター発現に対するノザンブロット解析によって安定した細胞株をスクリ ーニングした。概して、ノザンブロット解析で判断したレセプター発現の レベルと、下記の機能的アッセイで得られるレセプターシグナルの強度との間に は、強い相関関係が存在した。ノザンブロットにおいてレセプターを発現しなか ったトランスフェクト細胞は、結合及びシグナル化実験における陰性コントロー ルとして使用した。 次に、Ernst,J.Immunol.152:3541-49(1994)の方法を使用して平衡結合ア ッセイを行った。異なる量の125I標識MCP−1(デュポン−NEN,Boston,MA) を、結合緩衝液(50mMの Hepes、pH7.2、1mMのCaCl2、5mM のMgCl2、0.5%のBSA(ウシ血清アルブミン、フラクションV、Sigma) )中で再懸濁した6×106のMCP−1RB発現HEK−293細胞と共に、 100倍過剰量の未標識C−CケモカインMIP−1α、MIP−1β及びRA NTES、C−X−CケモカインIL−8(ケモカインは R & D Systems,Inc. ,Minneapolis,MN から入手)の存在又は非存在下でインキュベートした。図7 に示されるような500pMの125I標識MCP−1と濃縮未標識ケモカインを 使用して競合実験を行った。 マッキントッシュコンピュータでプログラム「LIGAND」(Biosoft,Ferg uson,MO)を使用し、Scatchardの方法に従って平衡結合データを解析した。(Mun son,Anal.Biochem.107:220-39(1980)を参照。)C−X−CケモカインIL −8と同様、密接に関連したC−CケモカインMIP−1α、MIP−1β及び RANTESは、結合について競合しなかった。ノザンブロット法でMCP−1 RBを殆ど又は全く発現しなかったトランスフェクタントにおいても特異的結合 は検出されなかった。図7に示される平衡結合データの解析は、260pMの解 離定数(Kd)を示す(図7B)。このKdは、MCP−1の単球との結合(Yoshi mura,J.Immunol.145:292-97(1990); Zhang,J.Biol.Chem.269:15918-24(1 994))及びTHP−1細胞との結合(Van Riper,J.Exp.Med.177:851-56(1933) )に関して報告されているものとかなり一致する。これらのデータにより、125I −MCP−1が293細胞において発現したMCP−1RBレセプターと特異的 に及び高親和性で結合したことが示される。 B.シグナル伝達 次に、293細胞におけるカルシウム流動化を調べた。トランスフェクトした HEK−293細胞を集密化まで成育させ、手短にトリプシン処理し、1mg/ mlのBSAを含むリン酸緩衝生理的食塩水(PBS−BSA)で洗浄し、1m g/mlのBSA及び10mMのHEPES補充無血清MEM−EBSS(pH 7.0)に2×107細胞/mlの濃度で再懸濁した。これらの細胞を、5〜1 0μg/mlの indo-1AM(Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR)の存在下 において37℃で20分間暗所でインキュベートした。9容量のPBS−BSA を添加し、細胞を37℃で更に10分間インキュベートし、遠心分離によって沈 殿させ、50mlのPBS−BSA溶液で2回洗浄した。次に、洗浄 indo-1添 加細胞を、1mg/mlのBSAを補充したハンクス調製塩溶液(1.3mMの Ca2+)(HBS−BSA)におよそ0.5×106細胞/mlの濃度で室温で再懸 濁した。細胞内カルシウム([Ca2+]i)の測定のため、0.5mlの細胞懸濁 液をヒタチF−2000蛍光分光光度計内の石英キュベットに入れた。HBS− BSA中に溶解したケモカイン(MCP−1、RANTES、MIP−1α、M IP−1β、Gro−α及びIL−8)を5μl容量でキュベットに直接注入し た。細胞内カルシウムは、350nmの励起と、490nm(F1)及び410 nm(F2)の波長の蛍光放射検出によって測定した。[Ca2+iは、下記の 式に従って、アゴニスト注入後の490/410蛍光比(R)を各実施の終わり に測定した較正比と比較することで評価した: [Ca2+i=Kd×[(R−Rmin)/(Rmax−R)]×(Sf2/Sb2) 式中、Rmax及びRminは飽和(1.3mMのCa2+)時と名目上カルシウム無し の条件(10mMのEGTA、Sigma Chemical Co.)での蛍光比、Kdはindo− 1に対するカルシウムの解離定数、Rは蛍光比、そしてSf2/Sb2は410 nmにおける遊離及び結合indo-1色素の蛍光比である。Thomas,AP及び Delavi lle,F(1991),Cellular Calcium,a Practical Approach,Oxford Univ.Pres s,pp.1-54を参照のこと。 カルシウム反応を定量するため、各実験でMCP−1の用量反応曲線を作成し 、 各実験で測定した最大カルシウムシグナル(300nM MCP−1)のパーセ ントとして結果を表した。アゴニストの各濃度に反応した[Ca2+]iレベルの変 化は、ピーク[Ca2+]iレベルからベースラインを差し引くことで決定し、ベー スラインとピーク[Ca2+]iレベルは、各々アゴニストの添加前5秒間のデータ と、ピーク反応付近との平均をとって決定した。細胞外カルシウムの役割を決定 するために行った実験では、MCP−1の添加前60〜90秒に3mMのEGT Aを添加した。続いて細胞を Triton X−100(Sigma)で溶解したがindo−1 蛍光に変化はなく、これはEGTAが細胞内ベースレベル(およそ70〜100 nM)の濃度を下回るように細胞外カルシウム濃度を減少させたことを示す。全 ての実験は室温で行われた。 MCP−1は、安定的にトランスフェクトしたMCP−1RB/293細胞中 で強力なカルシウム流動化を特異的かつ用量依存的に刺激した。100pMほど の少ないMCP−1によっても、小さいが再発可能なシグナルがみられ、MCP −1に対する4つ全ての用量反応曲線の平均EC50は3.4nMであった(2. 7〜4.4nM;図8A及びB)。MCP−1RBレセプターを、MCP−1に よって選択的に活性化した。RANTES、MIP−1α、MIP−1β、Gr o−α及びIL−8は、高濃度で存在する場合でさえも、これら同一細胞中で有 意なカルシウムシグナルを刺激しなかった(図8B)。更に、これらのケモカイ ンはMCP−1による細胞の刺激を遮断することができず、これはMCP−1R Bレセプターの内因性アンタゴニストとして作用しないらしいことを示す。MC P−1依存型細胞内カルシウム流動は、短い時間の遅れと、これに[Ca2+]iの 急激な上昇が続き、MCP−1の添加後80〜90秒以内にベースレベル付近に 戻る、ということで特徴付けられた(図8A)。これらの細胞は、MCP−1の 第2の試みによる活性化に反応しないという点で、相同無反応化を示した(図8 C)。 細胞内カルシウム流動の原因を決定するため、細胞外カルシウムの存在又は非 存在下でMCP−1RB/293細胞に対してMCP−1を試みた。細胞質カル シウムの上昇は、3mMのEGTAによる細胞外カルシウムのキレート化によっ ても殆ど変わらなかった。同様の結果は、細胞を洗浄し1mMのEGTA補充カ ルシウム非含有PBSに再懸濁した場合、又は5mMのNi2+を添加して細胞外 カルシウムの流入を遮断した場合に認められた。Sozani,J.Immunol.147:2215 -21(1991); Saga,J.Biol.Chem.262:16364-69(1987)。細胞質カルシウムのベ ースラインへの下降は細胞外カルシウムの存在下でわずかに延長され、これは、 カルシウム流入が、細胞内の貯蔵物が枯渇した後もMCP−1の反応を維持する ことに貢献しうることを示唆している。これらのデータは、これらのトランスフ ェクト293細胞におけるカルシウム流動化の主要手段が細胞内カルシウムの放 出によることを示唆している。 イノシトール(1,4,5)−トリホスフェート(IP3)は、多くの7膜貫 通ドメインレセプターを含む広範囲のレセプターの活性化に反応して細胞内カル シウムを流動させる。Hung,J.Cell.Biol.116:827-32(1992); Putney,Trend s Endocrinol.Metab.5:256-60(1994)。この流動化を調べるため、Hung,J.Ce ll.Biol.116:827-32(1992)に記載されているように、イノシトールホスフェ ートの全蓄積量を測定した。HEK−293細胞を24ウェル組織培養皿に集密 化まで成育させ、10%透析済FCS補充イノシトール非含有MEM−EBSS に2μCi/ml[3H]ミオ−イノシトール(23Ci/mmol)(New England Nuclear,Boston,MA)によって一晩標識付けした。標識付けに続いて培地を除去 し、10mMのHEPES、1mg/mlのBSA及び10mMのLiCl補充 無血清MEM−EBSS培地0.5ml中で細胞を5〜10分間室温でインキュ ベートした。次に、洗浄した細胞を10mMのLiClの存在下でケモカインM CP−1、MIP−1α、MIP−1β、RANTES、IL−8及びGro− αと共に1〜30分間室温でインキュベートした。インキュベーション培地を除 去し、氷冷した20mMのギ酸1mlを添加してインキュベーションを停止した 。プレートを4℃で30分間インキュベートし、これらの上澄を1ml Dow ex AG1−X8(100〜200メッシュ、ギ酸塩形、Sigma)クロマトグラ フィーカラムに注入(アプライ)した。カラムを8mlの水で洗浄し、続いて4 0mMのギ酸ナトリウム5mlで洗浄した。[3H]イノシトールホスフェー トの総量を2Mのギ酸アンモニウム/0.1Mのギ酸5mlで溶離し、液体シン チレーションスペクトロスコピーによって定量した。トランスフェクトした29 3細胞におけるMCP−1レセプターの活性化は、ホスファチジルイノシトール の加水分解を殆ど又は全く誘導しなかった。コントロール実験では、同一の29 3細胞に同時トランスフェクトしたムスカリンレセプター(Lameh,J.Biol.Che m.267:13406-412(1993))又はオキシトシンレセプター(Kimura,Nature 356:526 -29(1992))の活性化によって5〜9倍増大したPI代謝が引き起こされた。 アデニリルシクラーゼの阻害を調べるため、MCP−1RBレセプター及びM IP−1α/RANTESレセプターにより安定的にトランスフェクトされたH EK−293細胞を24ウェル組織培養皿で集密化まで成育させ、10%FCS 補充MEM−EBSS中で2μCi/mlの[3H]アデニン(25〜30Ci/m mol)(New England Nuclear,Boston,MA)によって一晩標識付けした。翌日、 10mMのHEPES、1mg/mlのBSA及び10mMのIBMX(3−イ ソブチル−1−メチルキサンチン)補充無血清MEM−EBSS培地0.5ml で5分間室温でインキュベートすることにより、細胞を洗浄した。洗浄培地を除 去した後、ケモカイン(MCP−1、MIP−1α、MIP−1β、RANTE S、IL−8及びGro−α)のみ、フォルスコリンのみ(10μM、Sigma Che mical Co.,St.Louis,MO)又はケモカイン及びフォルスコリンを含む新しい培 地を、1mMのIBMXの存在下で20分間室温で添加することによって細胞を 刺激した。培地を、1mlの氷冷した5%のTCA(トリクロロ酢酸)、1mM のcAMP及び1mMのATP(Sigma)と取り替えることによってインキュベー ションを停止した。4℃、30分間のインキュベーションに続き、Hung,J.Bio l.Chem.267:20831-34(1992)及び Wong,Nature 351:63-65(1991)に記載された ように、標識付けした[3H]ATP及び[3H]cAMPプールをDowex50W (200〜400メッシュ、水素形、Sigma)及びニュートラルアルミナカラム(Si gma)上でクロマトグラフィーによって分離し、定量した。1mlの酸性上澄を1 mlDowex50Wカラムに添加し、ATPプールを3mlのH2Oで溶出し た。次に、Dowex50Wカラムを1mlアルミナカラムの上に配置し、 10mlのH2OをDowex樹脂に添加し、溶出物がニュートラルアルミナ上 に直接落ちるようにした。次に、5mlの0.1Mイミダゾール/0.01mM アジ化ナトリウムを用いてcAMPプールをアルミナから直接溶出した。[3H] ATP及び[3H]cAMPフラクションを、液体シンチレーションスペクトロス コピーによって計算した。各サンプルのcAMPプールを独自のATPプールに 対して標準化し、式(cAMP cpms/ATP cpms)×100による比として表し た。各実験で全用量反応曲線を作成し、フォルスコリンコントロールのパーセン トとして表した。 MCP−1レセプターの活性化は、アデニリルシクラーゼ活性の潜在的及び用 量依存的阻害を生じた。MCP−1は、これらの細胞中の基底cAMP蓄積を5 5%有意に減少させた(p<0.01、スチューデントtテスト)。アデニリル シクラーゼのフォルスコリン活性化はcAMPレベルを16倍増大させ、MCP −1の同時添加はこの増大を78%遮断し、90mMのIC50(70〜140p M)であった。アデニリルシクラーゼ活性のMCP−1阻害の規模及び潜在的能 力は、フォルスコリン濃度(3〜30μM)とは無関係であった。トランスフェ クトしていない又はpcDNA3をトランスフェクトした293細胞コントロー ルでは、MCP−1はcAMP形成を刺激も阻害もしなかった。 これらの結果は、アデニリルシクラーゼ活性の阻害が、293細胞におけるM CP−1RBレセプターの活性化の鋭敏なかつ定量的アッセイを提供することを 示している。大体は、このアッセイにおいて高濃度のRANTES、MIP−1 α、MIP−1β、IL−8又はGro−αに反応するMCP−1レセプターの 活性化は検出できず、これはカルシウム蛍光定量アッセイ及びアフリカツメガエ ル卵母細胞における我々の観察と一致する(実施例5)。 同様の実験においてMIP−1α/RANTESレセプターを293細胞に安 定的にトランスフェクトしたが、これもまたアデニリルシクラーゼ活性の潜在的 及び用量依存的阻害を仲介することがわかった。しかし、MCP−1RBレセプ ターとは異なり、MIP−1α/RANTESレセプターは様々な度合の潜在的 能力で複数のケモカインによって活性化された。MIP−1α及びRANTES はアデニリルシクラーゼ活性を阻害することに関しては大体効力が等しく、それ ぞれ110pM及び140pMのIC50を有した。MIP−1β(IC50=82 0nM)もアデニリルシクラーゼ活性を阻害したが、大幅に高い濃度においての みであり、MIP−1α及びRANTESと同程度にはcAMP蓄積を遮断しな かった。C−X−CケモカインであるIL−8及びGro−αは、1μMになる までMIP−1α/RANTESレセプターを活性化しなかった。 下記の表Iは、種々のケモカインによってMCP−1レセプターとMIP−1 α/RANTESレセプターの活性化の比較をしており、MCP−1RBレセプ ターのMCP−1に対する特異性と、MIP−1α/RANTESレセプターの MIP−1α及びRANTESに対する特異性を示している。C−X−Cケモカ インは全て、2つのクローン化したC−Cケモカインレセプターのいずれに対し ても不活性であった。 全ての実験において、MCP−1RB又はMIP−1α/RANTESレセプ ターにより仲介されるアデニリルシクラーゼ活性の最大阻害はそれぞれ〜80% 及び〜55%であった。細胞質カルシウムの急速な上昇とアデニリルシクラーゼ の潜在的阻害によって示される定性的に同様のシグナル化は、MCP−1RAレ セプターを発現する293細胞において観察された。 C.MCP−IR活性化の阻害 百日咳菌毒素によるMCP−1RBレセプター活性化の阻害を調べた。百日咳 菌毒素(List Biological Labs,Inc.,Campbell,CA)を0.01Mのリン酸ナ トリウム(pH7.0)及び0.05Mの塩化ナトリウム中に溶解し、0.1n g/ml〜100ng/mlの最終濃度で正常血清含有培地に希釈して、細胞と 共に37℃で一晩(14〜16時間)インキュベートした。293細胞の百日咳 菌毒素処理の条件は、カルシウム蛍光定量実験及びアデニリルシクラーゼ実験と 同一であった。アデニリルシクラーゼ実験では、[3H]アデニンと同時に百日咳 菌毒素を添加した。 アデニリルシクラーゼの阻害と同様に、細胞内カルシウムのMCP−1誘発流 動化は、百日咳毒素で細胞を前処理することによって実質的に遮断された。用量 反応研究によって、百日咳毒素によるこれらの2つの経路の同様の程度の阻害と 共に、100ng/mlまでのPTによる阻害に耐性である成分(≒20%)が 示された。百日咳毒素処理の効果は、MCP−1のIC50を実質的に変えること なくcAMP蓄積のMCP−1阻害の規模を減少させることであり、この結果は 、百日咳処理がGαiからMCP−1RBレセプターを機能的に分離(uncouple )するという仮説と一致する。これらの結果はまた、アデニリルシクラーゼ活性 の阻害及び細胞内カルシウムの流動化の双方が293細胞中の同一のG−タンパ ク質の活性化によって仲介されうることも示唆している。 D.結果の論述 MCP−1は、MCP−1RBで安定的にトランスフェクトされたindo−1添 加293細胞において細胞内カルシウムの急速な上昇を誘発した。安定細胞株は また、MCP−1に反応するカルシウム流動化の用量依存的相同無反応化を示し た。このカルシウム流動に対する細胞外及び細胞内カルシウム貯蔵物の相対的な 寄与は議論を呼んでいる。上記の結果は、293細胞におけるMCP−1レセプ ターの活性化後の細胞質カルシウムの初期の上昇が、殆ど独占的に細胞内カルシ ウム貯蔵物の放出によるものである、という結論を支持している。第1に、EG TA(2mM〜10mM)による細胞外カルシウムのキレート化はカルシウム一 過性の上昇及びピークレベルに殆ど影響を及ぼさなかったが、ベースラインのカ ルシウムレベルへの下降を早めた。第2に、トランスフェクト細胞を1mMのE GTAを補充したカルシウム非存在培地中でインキュベートした場合、同じ結果 が得られた。最後に、細胞外カルシウムの流入を遮断する5mMのNi2+の存在 下で殆ど同一の結果が得られた。 MCP−1RBレセプターの活性化はアデニリルシクラーゼをかなりの程度で 阻害し、これはGαiのアイソフォームの1つを介するカップリングを示唆して いる。クローン化したMIP−1α/RANTESレセプターを使用しても同様 の結果が得られ、これはC−Cケモカインのレセプターのうち少なくとも2つが Gαiを活性化することを示している。更に、百日咳毒素はカルシウム流動化と 、MCP−1により誘発されたアデニリルシクラーゼの阻害とを遮断した。カル シウム流動化とアデニリルシクラーゼ阻害に対する百日咳毒素の用量反応曲線に おける類似性は、双方がGαiとのカップリングから得られる結果でありうるこ とを示唆している。これらの研究はケモカインレセプターによるアデニリルシク ラーゼの阻害を初めて示したものであり、IL−8、fMLP及びMCP−1に 対する白血球走化性は百日咳毒素による阻害に敏感であるという報告と一致して いる。Oppenheim,Ann.Rev.Immunol.9:617-48(1991); Spangrude,J.Immuno l.135:4135-43(1985); Sozzini,J.Immunol.147:2215-21(1991)。 アデニリルシクラーゼの阻害は白血球中のGαiの活性化を最も徹底的に特徴 付けた下流効果であるが、Gαiはまた、fMLP刺激好中球におけるカリウム チャネルの活性化、有糸分裂の誘発、ならびにRas及び微小管会合タンパク質 (MAP)キナーゼの活性化とも関係がある。Yatani,Nature 336:680-82(1988 ); Seuwan,J.Biol.Chem.265:22292-99(1990); Worthen,J.Clin.Invest. 94:815-23(1994)。従って、Gαiの活性化は最終的に白血球の活性化及び走化性 を引き起こす細胞内シグナルの複合アレイを活性化し得る。 Gαiと結合して放出されるβγダイマーがホスホリパーゼCのβ2アイソフ ォーム(PLCβ2)を活性化してIP3を生成する百日咳毒性感受性シグナル伝 達経路が記載されている。Wu,Science 261:101-031。この経路を介する細胞活 性化により、細胞内カルシウムの百日咳毒性感受性流動化が生じると予期される 。しかし、組み換えMCP−1レセプターを安定的に発現する293細胞は、M CP−1で実施した場合、PI(ホスファチジルイノシトール)が存在したとし ても殆ど加水分解をしない。コントロール実験では、この細胞株に同時トランス フェクトしたGq結合レセプターは、活比化の際にイノシトールホスフェートの 総量を5〜9倍増大させた。MCP−1RBトランスフェクト細胞においてPI 代謝を検出できなかったことは、MCP−1レセプターがIP3とは無関係の新 規な機構を介して細胞内カルシウムを流動させることを示唆している。 MCP−1RBは、MCP−1に対して著しく特異的であった。シクラーゼア ッセイにおいて、MCP−1による阻害のIC50は90pMであったが、関連す るケモカインは1μMまで効力を示さなかった。これに対して、MIP−1α/ RANTESレセプターはMIP−1α及びRANTESに対しておよそ100 pM、MIP−1β及びMCP−1に対してはそれぞれ10nM、820nMの IC50を有する。従って、MCP−1はMCP−1レセプターに対して少なくと も9000倍の選択性を有し、一方MIP−1α及びRANTESはMCP−1 RBと比較してMIP−1α/RANTESレセプターに対して同様の選択性を 示した。従って、生理学的条件下では、MCP−1、MIP−1α及びRANT ESはそれぞれMCP−1RB及びMIP−1α/RANTESレセプターの特 異的アゴニストとして作用することが考えられる。 アデニリルシクラーゼのMCP−1仲介阻害のIC50はおよそ90pMであり 、結合のための解離定数(Kd=260pM)を十分下回るため、Gαiに対す る有効なカップリングには比較的少数のレセプターが占有されなければならない ことを示唆している。反対に、細胞内カルシウムのピーク流動(EC50=2〜4 n M)を引き出すには非常に多くのレセプター占有が必要とされた。この点におい て、MCP−1に対する単球走化性のEC50がサブナノモルであることは、記す に興味深いことである。Yoshimura,J.Immunol.145:292-97(1990)。従って、 MCP−1の特徴的な機能である走化性の誘発は、Gαiを介する有効なカップ リング/シグナル化を提供するが最大の細胞内カルシウム流動とこれに続くレセ プターの無反応化を生じるには不十分であるようなMCP−1濃度で最適であり 、これは細胞内カルシウムの適度な増大が単球の走化性を開始し維持するのに十 分であることを示唆している。ナノモル濃度のMCP−1で検出された高レベル の細胞内カルシウムは、レセプターを無反応化し付着分子を調節しないことによ って単球の移動を止める機能を果たしうる。 MCP−1は、種々の異なるサイトカイン又は酸化によって改変したリポタン パク質に反応して多数の異なる細胞によって in vitro で合成され分泌される。 MCP−1に対するクローン化レセプターの特異性は、単球、好塩基球及びTリ ンパ球のサブセットのみがMCP−1に反応するという事実と結びつき、MCP −1が豊富なエリアにおいて浸潤白血球の範囲を制限する有効な手段を提供する 。初期のアテローム硬化性病変は主に単球の浸潤を有し、MCP−1はこれらの 疾患において豊富である。反対に、MIP−1α/RANTESレセプターは複 数のケモカインに反応して結合及びシグナル化をし、より複雑な炎症反応を仲介 するよう作用しうる。しかし、一度活性化すると、MCP−1及びMCP−1α /RANTESレセプターは同様のシグナル導入経路を使用するようである。 非線形最小2乗プログラムにより、カルシウム蛍光定量アッセイ及びアデニリ ルシクラーゼ阻害アッセイで作成した用量反応曲線を論理学的式にあてはめた: 効果=最大効果/[1+(EC50/(アゴニスト)n] 式中、n及びEC50は半最大反応を引き出したヒル係数とアゴニスト濃度をそれ ぞれ表しており、これらは適合曲線から派生した。曲線の適合は、コンピュータ プログラム「プリズム」(Graph Pad,San Diego,CA)によって行われた。結果は 平均値±SEを表す。EC50及びIC50値が与えられると、これらの95%の確 信間隔(CI)は対数EC50及びIC50値からそれぞれ計算された。 本明細書中に記載の全ての出版物及び特許出願は、各々の個々の出版物又は特 許出願が特定に個々に援用されるのと同程度で本明細書に援用される。 本発明を十分に記載したが、請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱せずに多くの 変更を本発明に対して行うことが可能であることは当業者には明白であろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12P 21/02 0276−2J G01N 33/566 G01N 33/566 8615−4C A61K 45/00 // A61K 38/00 ABG 9282−4B C12N 5/00 B ABX 9051−4C A61K 37/02 ADU ACD ABX ADU ACD AED ABG 45/00 AED (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M X,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ, VN (72)発明者 コフリン、シャァム アメリカ合衆国 94920 カリフォルニア 州 ティバロン タートル ロック コー ト 2

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.MCP−1Rの発現をコードする、単離DNA配列。 2.他のポリペプチドと会合せず、かつ図1(配列番号:2)又は図2(配列 番号:4)の成熟アミノ酸配列を含む、ポリペプチド。 3.他のポリペプチドと会合していないポリペプチドであって、 i)図1(配列番号:1)又は図2(配列番号:3)のDNA配列、 ii)厳格な条件下でi)のDNAにハイブリダイズ可能なDNA、及び iii)遺伝暗号の縮重によってコード配列がi)及びii)のDNAとは 異なるDNA、 から成る群から選択されるDNA配列でコードされる、ポリペプチド。 4.前記単離DNAがcDNAを含む、請求の範囲第1項に記載のDNA。 5.請求の範囲第1項のDNA配列を含む発現ベクター。 6.前記DNA配列が該DNA配列の複製及び発現を指示可能な発現制御配列 と機能的に会合して構成される、請求の範囲第1項のDNA配列を用いてトラン スフォームされた細胞。 7.前記細胞が哺乳類又は細菌細胞である、請求の範囲第6項に記載の細胞。 8.適切な培養培地中で請求の範囲第6項の細胞を培養し、MCP−1Rタン パク質を前記細胞から単離することを含む、MCP−1Rタンパク質の作製方法 。 9.MCP−1レセプターのアンタゴニストを同定する方法であって、 a)MCP−1レセプターのN末端ドメインをコードする核酸配列を含む発 現ベクターを用いて哺乳類細胞株をトランスフェクトするステップと、 b)前記細胞株を培養培地で培養し、これにより前記レセプタードメインが 安定的に発現されるステップと、 c)前記レセプタードメインに対するMCP−1の結合を遮断するのに十分 な、有効量の有機化合物を前記培養培地に添加するステップと、 d)結合における前記損失を検出するステップと、 を含む、アンタゴニスト同定方法。 10.前記N末端ドメインが、他のMCP−1レセプター細胞外ドメインと結合 して発現される、請求の範囲第9項に記載の方法。 11.前記N末端ドメインが、天然MCP−1レセプターの一部として発現され る、請求の範囲第9項に記載の方法。 12.前記検出がイムノアッセイによる、請求の範囲第9項に記載の方法。 13.前記MCP−1が標識付けされる、請求の範囲第9項に記載の方法。 14.医薬的に許容可能なビヒクル中で請求の範囲9の方法を使用して同定され たMCP−1レセプターアンタゴニストの治療的有効量を含む、単球の浸潤によ って特徴付けられる疾患の治療に有用な医薬組成物。
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