JPH0950800A - セパレータ及びそれを用いた非水電解液二次電池 - Google Patents

セパレータ及びそれを用いた非水電解液二次電池

Info

Publication number
JPH0950800A
JPH0950800A JP7221156A JP22115695A JPH0950800A JP H0950800 A JPH0950800 A JP H0950800A JP 7221156 A JP7221156 A JP 7221156A JP 22115695 A JP22115695 A JP 22115695A JP H0950800 A JPH0950800 A JP H0950800A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
thickness
woven fabric
battery
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7221156A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoyuki Sugano
直之 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP7221156A priority Critical patent/JPH0950800A/ja
Publication of JPH0950800A publication Critical patent/JPH0950800A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 数十μm程度に薄厚化しながら、強度及び内
部短絡に対する抵抗性が十分に確保でき、しかも安価な
セパレータを提供する。また、そのようなセパレータを
用いることにより、良好な充放電性能を発揮し、安全性
に優れるとともに低コスト化が図れる非水電解液二次電
池を実現する。 【解決手段】 可融性繊維よりなる不織布を加圧成型し
てなり、空隙率が30〜40%である不織布加工品をセ
パレータとして使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液二次電池
等において用いられるセパレータ及びそれを用いた非水
電解液二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の進歩により電子機器の
高性能化、小型化、ポータブル化が進み、これらの電子
機器に使用される二次電池に対しても、高エネルギー密
度であることが求められるようになっている。
【0003】従来より、これらの電子機器に使用されて
いる二次電池としては、ニッケル・カドミウム電池や鉛
電池等の水溶液系二次電池が挙げられる。しかし、これ
らの水溶液系二次電池は、放電電位が低いため、電池に
高いエネルギー密度が求められる分野で用いるには不十
分である。
【0004】一方、最近、リチウムやリチウム合金もし
くは炭素材料のようなリチウムイオンをドープ・脱ドー
プすることが可能な物質を負極として用い、正極にリチ
ウムコバルト複合酸化物やリチウムニッケル複合酸化物
等のリチウム複合酸化物を用いる非水電解液二次電池の
研究・開発が活発に行われている。
【0005】この非水電解液二次電池は、電池電圧が高
く、高エネルギー密度化が可能である。しかも自己放電
も少なく、サイクル性能にも優れており、高性能なポー
タブル機器の電源として期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電池では各
種電極構造が提案されている。このうち帯状の負極と正
極をセパレータを介して積層,巻回して構成される巻回
電極体は、電極の反応面積が広くとれることから、特に
重負荷条件で用いられる電池で採用されている。ここ
で、この巻回電極体では、負極と正極は、間にセパレー
タが介在されることで電気的に分離されている。このセ
パレータとしては、電極の巻回時や圧縮時等に破損しな
いように、ある程度強度が強く、内部短絡に対する抵抗
性を有することが要求される。さらに、負極と正極の間
で電解質イオンを円滑に往来させるために、セパレータ
に適当な空隙が空いており、またセパレータ厚が薄くな
され、電極間距離が狭くなっていることが必要である。
【0007】セパレータとしては、その電池に応じて各
種材質のものが提案されている。以下に、水溶液系電池
と非水電解液電池で用いられているセパレータについて
説明する。
【0008】まず、ニッケルカドミウム電池のような水
溶液系電池では、紙や不織布を数百μm程度の厚さにし
たものがセパレータとして使用されている。主流となっ
ているのは、厚さ200〜300μm程度の不織布であ
り、この材質としてはレーヨン、ナイロン(ポリアミド
繊維 商品名)、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙
げられる。
【0009】このような不織布は、安価であるものの、
厚さを100μm以上と厚くしなければ強度や内部短絡
に対する抵抗性が確保できない。すなわち、巻回電極体
の場合、セパレータには、巻取りに耐え得る程度の引き
裂き及び引っ張り等の強度(数十g/cm程度)が必要
となるが、例えば厚さ50μmの不織布では、数g/c
m程度の強度しか得られない。このため、不織布は10
0μm以上の厚さで用いることが必要になる。
【0010】これに対して、水溶液系電池では、電解液
の電導度が比較的高い。このため、100μm程度の厚
い不織布をセパレータとして用いても、実用レベルの充
放電性能が確保できる。特に、水溶液系電池では、正
極、負極はニッケル板、鉛板もしくはガラス板よりなる
集電体に電極層が形成されて構成され、数百μmの電極
厚みとなっているが、この電極は製法上表面形状が不均
一になり易い。このため、セパレータとしては、このよ
うな電極に接触しても破損しないように、厚さが薄いこ
とよりもむしろ、強度を備えていることが重視される。
このような点から、水溶液系電池では、不織布をさらに
1枚〜3枚重ねてセパレータに用いることも行われてい
る。但し、このように不織布を重ねて用いると、余分な
工程やコストがかかるといった不都合がある。
【0011】一方、非水電解液電池では、水溶液系の電
池に比べて電解液の電導度が低いといった傾向がある。
したがって、厚さの厚い不織布をセパレータとして用い
ると、特に大電流での充放電性能が損なわれる。このた
め、非水電解液二次電池では、薄くても強度が確保でき
るポリプロピレン等よりなる微多孔性膜が、20〜50
μmの厚さでセパレータとして用いられている。しか
し、微多孔性膜は、製造コストが高く、高価であるた
め、工業的に使用するには妥当であるとは言えない。
【0012】この他、セパレータとしては、微多孔性膜
と不織布を積層接合した構成のセパレータや、不織布に
ガラス繊維を複合させることで強化したセパレータが提
案されている。しかし、微多孔性膜と不織布を積層した
ものは、微多孔性膜と不織布の接点においてイオンの移
動に不可欠である空孔が減少し電極反応が疎外されると
いった問題がある。また、ガラス繊維を複合した不織布
は、通常の不織布の場合に比べてやはり工程やコストが
余分にかかるといった不都合がある。
【0013】このようにこれまでのセパレータは、強度
が不足していたり、あるいは強度は優れていても高価で
ある等、何らかの問題を有し、十分満足のいくものとは
言えない。
【0014】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、数十μm程度に薄厚化し
た場合でも、強度及び内部短絡に対する抵抗性が十分に
確保でき、しかも安価なセパレータを提供することを目
的とする。また、そのようなセパレータを用いることに
より、良好な充放電性能を発揮し、安全性に優れるとと
もに低コスト化が図れる非水電解液二次電池を提供する
ことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明では、可融性繊維よりなる不織布を加圧成
型してなり、空隙率が30〜40%となされた不織布加
工品をセパレータとして使用する。
【0016】上記可融性繊維としては、繊維の平均直径
が0.1〜10μm、融点が100〜180℃のものを
用いることが望ましい。そのような融点を有する可融性
繊維には、ポリプロピレン繊維またはポリエチレン繊維
がある。
【0017】さらに、加圧成型の圧力は20〜50kg
/cm2,温度は20〜50℃とするのが望ましい。こ
れにより不織布の空隙率が30〜40%、厚さが30〜
40μmとなり、負極と正極の間で電解質イオンを移動
させるのに適当な形状のセパレータになる。
【0018】このセパレータは、各種電池に適用できる
が、特に電解液の電導度が低い、非水電解液二次電池に
用いると優れた効果を発揮する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。
【0020】本発明のセパレータは、可融性繊維よりな
る不織布を加圧成型して構成され、空隙率が30〜40
%とされている。
【0021】可融性繊維よりなる不織布を加圧成型する
と、繊維同士が密着あるいは接着され、これによって強
度が付与される。また、この加圧成型の際には、不織布
の空隙が若干縮小するものの、熱や圧力の伝達が空隙方
向よりも繊維方向に優位であることから空隙のほとんど
は維持される。
【0022】参考のため、加圧成型が施されていない不
織布の写真を図1に、加圧成型が施された不織布の写真
を図2に示す。なお、不織布は、東洋紡績社製,商品名
P020JFであり、厚さが50〜60μm,繊維径が
2〜10μm,空隙率が55%である。また、加圧成型
条件は温度35℃,圧力40kg/cm2であり、加圧
成型後の不織布の厚さは35μm、空隙率は35%であ
る。この写真から、加圧成型によって空隙を維持しなが
ら繊維同士が密着あるいは接着されている様子がわか
る。
【0023】このような加圧成型が施された不織布加工
品よりなるセパレータは、加圧成型処理が施されていな
い不織布に比べて、同じ厚さある場合、より優れた強度
が得られる。また、表面層が網目状構成形態となってお
り、この形態が電極活物質が当該セパレータを貫通する
のを効果的に抑制する。したがって、このセパレータ
は、数十μm程度に薄厚化した場合でも、電極の巻回や
圧縮等に際して破損することがなく、負極と正極を確実
に分離することができる。
【0024】また、このセパレータは空隙率が30〜4
0%に規制された繊維状の構造体である。このような繊
維状の構造体では、繊維同士の間の空隙を介して電解質
イオンが比較的自由に行き来できる。したがって、この
ようなセパレータを用いると、例えば多孔質膜や、多孔
質膜と不織布の積層接合体をセパレータとして用いる場
合に比べて、電解質イオンの移動に対する抵抗が小さく
抑えられ、大電流条件おいても良好な充放電性能が得ら
れる。
【0025】しかも、このセパレータは、不織布を圧縮
成型するといった簡易な構成であるため、多孔質膜に比
べて安価であり、電池の低コスト化に貢献できる。
【0026】なお、セパレータに十分な強度を付与する
とともに、電極の充填密度を大きく確保し、さらに負極
と正極間での電解質イオンの往来を円滑なものとするた
めには、セパレータの厚さが重要になる。すなわち、セ
パレータの厚さは30〜40μmとされていることが望
ましい。セパレータの厚さが30μm未満である場合に
は強度が不足する。厚さが40μmを越える場合には正
極と負極間の距離が広くなり、電極間での電解質イオン
の往来が円滑に行われなくなる。また、セパレータが厚
い分、電極の充填密度が小さくなり、エネルギー密度の
増大に不利になる。
【0027】セパレータの厚さや空隙率は、用いる可融
性繊維の平均直径や加圧成型の際の温度,圧力によって
制御される。
【0028】まず、可融性繊維の平均直径は、0.1〜
10μm、より好ましくは0.1〜5μmであるのが良
い。このように繊維径が極めて細い可融性繊維を用いる
ことによって、30〜40%の空隙率が得られるように
なる。
【0029】また、加圧成型の際の条件は、圧力が20
〜50kg/cm2,温度が20〜50℃であるのが望
ましい。このような条件で加圧成型を施すことで、不織
布に十分な強度を付与しつつ、厚さ及び空隙率が上述の
適正範囲内に収まるようになる。圧力、温度が上記範囲
から外れる場合には、セパレータの空隙や厚さが不均一
になる。特に、圧縮成型時の温度が高過ぎると、ほとん
どの部分で繊維が融着してしまい、不織布がフィルム化
し、電極反応を妨げるものになる。
【0030】なお、不織布を構成する可融性繊維として
は、具体的には融点が100〜180℃の繊維,例え
ば、ポリプロピレン(融点 約160℃)、ポリエチレ
ン(融点 約110℃)等の繊維を用いるのが良い。こ
れにより、セパレータが内部短絡等の異常事態に対する
安全装置としても働くようになる。
【0031】すなわち、このような融点を有するセパレ
ータでは、電池に局部的な内部短絡等の異常が行ったと
きに、その際の発熱によって部分的に溶融し、空孔が閉
塞される。その結果、この空孔を介するイオンの伝導が
疎外もしくは停止され、電極反応が停止する。これによ
り、電池が危険な状態に陥るのが回避される。
【0032】なお、セパレータの熱溶融を考えた場合、
溶融変形が著しくなると、セパレータが正極と負極の接
触を防止できない状態に至ることも懸念される。しか
し、このセパレータは、繊維状の構造体であるため、熱
の伝幡方向と速度を見たときには、3次元方向への熱拡
散が繊維の長さ方向で大きく、空隙方向への熱拡散は小
さい。したがって、比較的緩和な溶解現象で済み、極度
な変形に至ることはない。
【0033】このようなセパレータは、水溶液系電池,
非水電解液電池を問わず使用できるが、特に電解液の電
導度が低い非水電解液二次電池に用いると大きな効果が
得られる。
【0034】なお、このセパレータが用いられる非水電
解液二次電池において、負極、正極及び非水電解液は特
に限定されず、通常、この種の電池で用いられているも
のがいずれも使用可能である。
【0035】すなわち、負極活物質としては、リチウム
金属、リチウム合金さらにはリチウムを吸蔵することが
可能な炭素質材料が用いられる。炭素質材料としては、
熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードル
コークス、石油コークス等)、黒鉛類、ガラス状炭素
類、有機高分子化合物焼成体(フラン樹脂等を適当な温
度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等が挙
げられる。
【0036】正極活物質としては、リチウム含有化合
物、例えば、一般式LiX MO2 (但し、Mは1種以上
の遷移金属、好ましくはMn、Co、Niの少なくとも
1種を表し、xは0.05≦x≦1.10である)で表
されるリチウム遷移金属複合酸化物が使用される。特
に、LiCoO2,LiNiO2は、電池電圧を高くで
き、エネルギー密度の向上に有利である。
【0037】非水電解液の有機溶媒としては、プロピレ
ンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメ
トキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロ
ラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒド
ロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3
−ジオキソラン、スルホラン、メチルスルホラン、ジメ
チルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチ
ルカーボネート、メチルプロピルカーボネート等が使用
可能である。
【0038】また、支持電解質としては、LiCl
4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB(C
654、CH3SO3Li、CF3SO3Li、LiN
(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiCl、
LiBr等が挙げられる。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例について実験結果に基
づいて説明する。
【0040】作製した電池の構成 後述の各実施例において作製した非水電解液二次電の構
造を図3に示す。
【0041】この非水電解液二次電池は、図3に示すよ
うに、負極集電体10に負極活物質を塗布してなる負極
1と、正極集電体11に正極活物質を塗布してなる正極
2とを、セパレータ3を介して巻回し、この巻回体を上
下に絶縁体4を載置した状態で電池缶5に収納してなる
ものである。
【0042】前記電池缶5には正極端子板7が封口ガス
ケット6を介してかしめることによって取り付けられ、
それぞれ負極リード体12及び正極リード体13を介し
て負極1あるいは正極2と電気的に接続され、電池の負
極あるいは正極として機能するように構成されている。
【0043】そして、本実施例の電池では、前記正極リ
ード体13は、所定の長さで切り込みが入れられた内圧
開放装置8に溶接されて取り付けられ、この内圧開放装
置8を介して正極端子板7との電気的接続が図られてい
る。
【0044】このような構成を有する電池において、電
池内部の圧力が上昇すると、前記内圧開放装置8の切り
込みが開裂し、この開裂した切り込みから内圧が開放さ
れる。
【0045】実施例1 まず、正極2を以下のようにして作製した。
【0046】炭酸コバルト1モルと炭酸リチウム0.5
モルを計量,混合し、空気雰囲気中、温度900℃で5
時間焼成し、室温で冷却した。そして、得られた焼成物
(LiCoO2)を、粉砕機で粉砕し、平均粒子径20
μmのLiCoO2粉末を得た。
【0047】このLiCoO291重量%と導電剤とし
てグラファイト6重量%及び結着剤としてポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)3重量%を混合し、さらに分散溶
媒としてNMP(N−メチル−2−ピロリドン)を添加
することで正極合剤ミックスを調製した。そして、この
正極合剤ミックスを、厚さ20μmのアルミニウム製集
電体の両面に均一に塗布し、溶剤を乾燥させた後、加圧
成型した。そして、この合剤層が形成された集電体を、
所定の電極寸法に切断することで正極を作製し、電極の
一端にアルミニウム製正極リード体13を溶接により取
り付けた。
【0048】次に、負極1を以下のようにして作製し
た。
【0049】石油ピッチを原料として用い、この石油ピ
ッチを酸素中高温で熱処理することで酸素が取り込まれ
た(いわゆる酸素架橋が施された)炭素材料を生成し
た。そして、この炭素材料を粉砕機で粉砕し、平均粒子
径20μmの炭素粉末を得た。この炭素粉末90重量%
と結着剤としてPVDF10重量%を混合し、さらに分
散溶媒としてNMPを添加することで負極合剤ミックス
を調製した。この負極合剤ミックスを、厚さ10μmの
銅製集電体の両面に均一に塗布し、溶剤を乾燥させた
後、加圧成型した。そして、この合剤層が形成された集
電体を、所定の電極寸法に切断することで負極1を作製
し、電極の一端に銅製負極リード板12を溶接により取
り付けた。
【0050】次に、ポリプロピンの微細繊維よりなる不
織布(平均繊維径2μm,厚さ56〜57μm)を、カ
レンダープレス機を用い、ロール温度35℃、圧力50
kg/cm2なる条件で加圧成型した不織布加工品をセ
パレータ3として用意した。なお、この不織布加工品
は、厚さ35μm、空隙率36%である。
【0051】そして、このセパレータ3と正極2及び負
極1を、セパレータ/正極/セパレータ/負極の順番で
積層し、これらを渦巻状に巻回した。そして、この巻回
体を、外径18mm,高さ68mmの鉄製電池缶5に収
まるような寸法に調整し、セパレータの外周端部を粘着
テープを用いて外周面に固定した。
【0052】このようにして作製した巻回電極体を、鉄
製電池缶5内に、缶底面に絶縁板4を敷設してから挿入
し、負極リード体12を電池缶5に溶接固定した。そし
て、正極リード体13を、内圧開放装置8に溶接し、そ
の上に正極端子板7を取り付けた。そして、電池缶5内
に、炭酸プロピレンと炭酸ジエチルの等量混合溶液にL
iPF6を1モル/lなる濃度で溶解させた電解液を注
入し、缶をかしめ密封することで外径18mm、高さ6
5mmの円筒型電池を作製した。
【0053】実施例2 ポリプロピレンの微細繊維よりなる不織布(平均繊維径
2μm,厚さ56〜57μm)を、温度25℃(室
温)、圧力50kg/cm2なる条件で加圧成型した不
織布加工品をセパレータとして用いたこと以外は実施例
1と同様にして電池を作製した。なお、この不織布加工
品は、厚さ36μm,空隙率38%である。
【0054】実施例3 ポリプロピレンの微細繊維よりなる不織布(平均繊維径
2μm,厚さ42μm)を、温度35℃、圧力50kg
/cm2なる条件で加圧成型した不織布加工品を2枚用
意した。なお、不織布加工品は、いずれも厚さ17μ
m,空隙率36%である。そして、この2枚の不織布加
工品を積層したものをセパレータとして用いたこと以外
は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0055】実施例4 ポリプロピレンの微細繊維よりなる不織布(平均繊維径
2μm,厚さ56〜57μm)を、温度20℃、圧力2
0kg/cm2の条件で加圧成型した不織布加工品をセ
パレータとして用いること以外は実施例1と同様にして
電池を作製した。なお、この不織布加工品は、厚さ33
μm,空隙率36%である。
【0056】実施例5 ポリエチレンの微細繊維よりなる不織布(平均繊維径1
〜2μm,厚さ56〜57μm)を、温度35℃,圧力
50kg/cm2なる条件で加圧成型した不織布加工品
をセパレータとして用いること以外は実施例1と同様に
して電池を作製した。なお、この不織布加工品は、厚さ
35μm,空隙率32%である。
【0057】実施例6 ポリエチレン微細繊維よりなる不織布(平均繊維径1〜
2μm,厚さ55μm)を、温度25℃、圧力20kg
/cm2なる条件で加圧成型した不織布をセパレータと
して用いること以外は実施例1と同様にして電池を作製
した。なお、この不織布加工品は、厚さ38μm,空隙
率36%である。
【0058】比較例1 ポリプロピレンの微細繊維よりなる不織布(平均繊維径
2〜6μm,厚さ50μm,空隙率60%)をそのまま
セパレータとして用いたこと以外は実施例1と同様にし
て電池を作製した。
【0059】比較例2 ポリプロピレンの微細繊維よりなる不織布(平均繊維径
2μm以下,厚さ40μm)を、温度50℃,圧力50
kg/cm2なる条件で加圧成型した不織布加工品をセ
パレータとして用いること以外は実施例1と同様にして
電池を作製した。なお、この不織布加工品は、厚さ28
μm,空隙率30%である。
【0060】比較例3 ポリプロピレンの微細繊維よりなる不織布(厚さ35μ
m,空隙率58%)をそのまま、セパレータとして用い
たこと以外は実施例1と同様にして電池を作製した。
【0061】比較例4 ポリプロピレンの微細繊維よりなる不織布(平均繊維径
2μm,厚さ56〜57μm)を、ロール温度60℃,
圧力50kg/cm2なる条件で加圧成型した不織布加
工品をセパレータとして用いること以外は実施例1と同
様にして電池を作製した。なお、この不織布加工品は、
厚さ30μm,空隙率29%である。
【0062】なお、上記実施例及び比較例での、セパレ
ータの材質、加圧成型条件、厚さ及び空隙率をまとめて
表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】以上のようにして作製されたぞれぞれの電
池について、充電電流1A,設定電圧4.2Vの条件で
3時間充電を行った後、0.2A,0.5A,1Aある
いは2Aの電流で、2.5Vの終止電圧まで放電を行っ
た。その際の放電容量を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】表2において、まず、加圧成型していない
不織布をそのままセパレータとして用いた比較例1及び
比較例3の電池を見ると、比較例1の電池ではセパレー
タの厚さが50μmと厚いことから、2Aといった大電
流放電条件になると十分な放電容量が得られなくなる。
また、セパレータの厚さを薄くした比較例3では、セパ
レータの強度が不足し、電極の巻取り時にショートが発
生する。
【0067】このように、何の処理も施していない不織
布では、その厚さを厚くしても薄くしても何らかの不都
合が生じ、非水電解液二次電池のセパレータとしては不
適当である。
【0068】これに対して、加圧成型が施された不織布
加工品をセパレータとして用いる実施例1〜実施例6で
は、セパレータの厚さを比較的薄くしているがショート
の発生は抑えられており、また大電流放電条件において
も十分な放電容量が得られている。このことから、この
不織布加工品は、セパレータとして優れていることがわ
かる。
【0069】但し、不織布加工品をセパレータとして用
いても、その厚さが28μmと薄過ぎる場合(比較例
2)には、やはりセパレータの強度が不足し、巻取り時
にショートが発生してしまう。また、セパレータの空隙
率が39%と小さい場合(比較例4)には、イオンの伝
導性が損なわれ、大電流放電条件での容量が不足する。
したがって、不織布加工品は、適正な空隙率及び厚さで
用いることが必要であり、空隙率は30〜40%,厚さ
は30〜40μmであるのが適当である。
【0070】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のセパレータは、可融性繊維よりなる不織布を加圧成
型してなり、空隙率が30〜40%に規制されているの
で、数十μm程度に薄厚化しながら、強度及び内部短絡
に対する抵抗性が十分に確保でき、またイオン移動性も
優れている。それに加えて構成が簡易であるため安価で
ある。したがって、このようなセパレータを例えば非水
電解液二次電池に用いると、電極巻回時における内部短
絡が防止され、また大電流放電条件においても良好な充
放電性能が得られるようになる。さらに、電池の低コス
ト化にも大いに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧成型前の不織布の繊維の形状を示す写真で
ある。
【図2】加圧成型後の不織布の繊維の形状を示す写真で
ある。
【図3】本発明を適用した非水電解液二次電池の1構成
例を示す縦断面図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可融性繊維よりなる不織布を加圧成型し
    てなり、空隙率が30〜40%であることを特徴とする
    セパレータ。
  2. 【請求項2】 可融性繊維の融点が100〜180℃で
    あることを特徴とする請求項1記載のセパレータ。
  3. 【請求項3】 可融性繊維がポリプロピレンまたはポリ
    エチレンであることを特徴とする請求項2記載のセパレ
    ータ。
  4. 【請求項4】 可融性繊維の平均直径が0.1〜10μ
    mであることを特徴とする請求項1記載のセパレータ。
  5. 【請求項5】 加圧成型の圧力が20〜50kg/cm
    2,温度が20〜50℃であることを特徴とする請求項
    1記載のセパレータ。
  6. 【請求項6】 厚さが30〜40μmであることを特徴
    とする請求項1記載のセパレータ。
  7. 【請求項7】 可融性繊維よりなる不織布を加圧成型し
    てなり、空隙率が30〜40%のセパレータを用いるこ
    とを特徴とする非水電解液二次電池。
JP7221156A 1995-08-08 1995-08-08 セパレータ及びそれを用いた非水電解液二次電池 Withdrawn JPH0950800A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7221156A JPH0950800A (ja) 1995-08-08 1995-08-08 セパレータ及びそれを用いた非水電解液二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7221156A JPH0950800A (ja) 1995-08-08 1995-08-08 セパレータ及びそれを用いた非水電解液二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0950800A true JPH0950800A (ja) 1997-02-18

Family

ID=16762360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7221156A Withdrawn JPH0950800A (ja) 1995-08-08 1995-08-08 セパレータ及びそれを用いた非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0950800A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003533862A (ja) * 2000-05-19 2003-11-11 コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー 超極細繊維状の多孔性高分子セパレータフィルムを含むリチウム二次電池及びその製造方法
JP2006286531A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Sony Corp 電池
JP2009141181A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Mitsubishi Electric Corp 電力貯蔵デバイスセルおよびその制御方法
JP4753446B2 (ja) * 2007-01-30 2011-08-24 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ポリオレフィン製微多孔膜

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003533862A (ja) * 2000-05-19 2003-11-11 コリア インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー 超極細繊維状の多孔性高分子セパレータフィルムを含むリチウム二次電池及びその製造方法
JP2006286531A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Sony Corp 電池
KR101354342B1 (ko) * 2005-04-04 2014-01-22 소니 주식회사 전지
US9985262B2 (en) 2005-04-04 2018-05-29 Murata Manufacturing Co., Ltd. Battery
JP4753446B2 (ja) * 2007-01-30 2011-08-24 旭化成イーマテリアルズ株式会社 ポリオレフィン製微多孔膜
US8283073B2 (en) 2007-01-30 2012-10-09 Asahi Kasei E-Materials Corporation Microporous polyolefin membrane
JP2009141181A (ja) * 2007-12-07 2009-06-25 Mitsubishi Electric Corp 電力貯蔵デバイスセルおよびその制御方法
US8288032B2 (en) 2007-12-07 2012-10-16 Mitsubishi Electric Corporation Energy storage device cell and control method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190245184A1 (en) Separator and battery
JP5156406B2 (ja) リチウム二次電池用正極及びその製造方法、並びにリチウム二次電池
JP4306697B2 (ja) 二次電池
EP1777761B1 (en) Lithium Rechargeable Battery
JP4752574B2 (ja) 負極及び二次電池
JP3932653B2 (ja) 非水電解液二次電池
US20090123839A1 (en) Positive electrode for lithium-ion secondary battery, manufacturing method thereof, and lithium-ion secondary battery
JP6271709B2 (ja) 非水電解質二次電池および電池パック
EP1372209A1 (en) Battery
EP0492586A2 (en) Non aqueous electrolyte secondary cell
JP4988169B2 (ja) リチウム二次電池
JP3160920B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2010160985A (ja) リチウムイオン二次電池用負極およびこれを用いたリチウムイオン二次電池
KR20010030298A (ko) 비수성 전해질 전지용 양극 활성 물질 및 이를 이용한비수성 전해질 전지
JP2002237292A (ja) 非水電解質二次電池
US20210202951A1 (en) Electrically conductive substance, positive electrode, and secondary battery
US20230223535A1 (en) Negative electrode and secondary battery including the same
US20210242489A1 (en) Negative electrode for lithium-ion secondary battery, and lithium-ion secondary battery
JPH0950800A (ja) セパレータ及びそれを用いた非水電解液二次電池
JP2000133274A (ja) ポリマ―リチウム二次電池
JP2002015720A (ja) 非水電解質二次電池
JP2012209023A (ja) 電池用電極群およびそれを用いた電池
JPH08180878A (ja) リチウム二次電池
JP3246553B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2506572Y2 (ja) リチウムイオン二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20021105