JPH09507516A - 混合ガス冷媒 - Google Patents

混合ガス冷媒

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Abstract

(57)【要約】 現在使用されているR−12のようなCFC冷媒の代替物として、R−134a、R−124及びn−ブタンが含まれる少なくとも3成分からなる混合ガス冷媒。

Description

【発明の詳細な説明】 混合ガス冷媒 [発明の背景] 本発明は、混合ガス冷媒(MR)、特に現存のクロロフルオロカーボン冷媒の 代替物として使用する混合冷媒に関する。 塩素化フルオロカーボン冷媒(CFC)は、環境破壊の原因に関係している。 特に、非常に不活発なこれらのガスは、地上レベルにおいて、冷凍システムから 放出されると、上部大気圏内に拡散する。 不活性であるために、これらのガスは、成層圏に至るまで分解することなく、 残存することができる。そしてガスは、成層圏で紫外線によって破壊され、オゾ ン層を破壊する塩素原子を放出する。近年、成層圏のオゾンレベルの減少がかな り懸念され、R−12、R−11などのある種のCFCの禁止に至っている。 自動車の空調システムでは、典型的にR−12が使用されている。一定の段階 的期間の後、R−12は将来的に使用を禁止されるので、代替物が検討されてい る。現在、自動車の空調の作用のためにR−12の代替として最もよく知られて いる新冷媒は、R−134Aと考えられている。この物質は、C224からな り、オゾンに安全であるが、高額の改装を行わないと、R−12を使用する多く の既存の自動車空調システムでは働かない。多くの自動車製造業者は将来の販売 予定の新車に、R−134A冷媒を収容する新しい装置をすでに取付けている。 しかし、既存の多くの自動車にとって、R−12に対する制約の負担のため、そ のような改装を必要とする。専門家の概算では、R−134Aに適合させるため 空調システムを改装するには、高額な改装の必要性が予測される。 不必要な高額の改装を行うことなく、現存の自動車空調システムの利用を可能 にするため、R−12の代替物を提供する相当の努力がなされている。かなりの 注目をあびている冷媒の1つのタイプは炭化水素、特にプロパンである。プロパ ンはたぶんR−12の代替物として役立つ多くの有用な熱力学特性を有するが、 残念なことにプロパンの引火性のため、直接の使用ができない。提案としては、 R−12に代替される適当な混合物を提供するため、数種類の炭化水素と他の成 分との混合がある。 炭化水素混合物は、一般に、その他の禁止されている冷媒と同様に、R−12 に代替される優れた熱力学特性を備えている。しかし、引火性をテストするため 多数の厳密な基準があり、また、いくつかの最も厳しい引火性の基準に合致する ため、熱力学特性を犠牲にしてでも、炭化水素の含有量を厳しく制限する必要が ある。 さらに、特定の混合物を立案する際に、追加の要素と制約が考慮に入れられな ければならない。特に、地球温暖化の可能性が充分に低く、且つオゾン消耗の可 能性が十分に低い等、守られなければならない環境上の安全条件がある。さらに 、究極の結果として、毒性が低くなければならない。 結果として生ずる冷媒は、システムを構成する材料を劣化させないように、材 料適合性を含める別の制約も満たされなければならない。 代替冷媒の開発のため、最も重要な要因は、ホースへの浸透である。また、す でに市場に出回っているある種の合成アキルベンゼンとエステルなどの油が空調 システムの一部でなければならないことや、ガス混合物が油を収容可能でなけれ ばならないことから、油適合性も厳しい問題である。 混合冷媒は、冷媒システムの内部に利用される特定の装置に適合しなければな らない。また、混合物は、代替される冷媒に合致する熱力学特性を有し、使用さ れているシステムに効果的結果をもたらすため、十分に高い性能係数を有しなけ ればならないという性能の必要条件がある。 さらなる問題は、混合ガス冷媒の成分の沸騰点との関係に関する問題である。 成分の混合を行う際、多くの場合、温度が上昇し、最高沸騰点の成分は速く逃げ だし、液相には低い沸騰点の成分が濃くなる傾向にある。もし残存成分に高い引 火性があれば、たとえ元の成分に引火性の性質がなくても、残留する液相が引火 性になる。さらに、問題は逃げ出す気相成分にもあり、それが通過する環境によ っては引火の原因になる可能性がある。従って、他の成分の蒸発後、大量の引火 性成分が残ることを避けるため、種々の成分の異なる逃散率が検討されなければ ならない。 上記の問題は、全ての成分に一貫性がないという点でさらに複雑になることで ある。アゼオトロピック混合物を供給するために成分を加えるとき、これらの成 分間の分離の順序は、それらの沸騰点が下降する順序と同じではないというのは よく知られている。すなわち、アゼオトロピック混合物は逆に働く。従って、逃 散は混合物全体の成分の沸騰点の順序に従うとは限らない。 最後に、商業面では、つまり混合物の成分は、市場において比較的安価で入手 可能であるべきである。 これらの制約に合った混合物の考案は、犠牲をともなう。例えば、炭化水素が 油との適合性は良いが、引火性が高い。 一方、フルオロカーボンは、一般的に、燃焼防止能力があるが、油との適合性 に問題がある。各々の成分は、独自のオゾン消耗の可能性及び地球温暖化の可能 性があり、一般的に、オゾン及び地球的問題は、現政府の規定に従って容認され るレベルより悪化すべきではないことが要求されている。 自動車空調業界に関して、引火性テストは、非常に厳しいので、炭化水素やそ の他の引火性成分の存在は厳しく制限されなければならない。 自動車の既存の空調圧縮機を再考案および改装の必要性を避けるため、R−1 2の代替物を試し、提供することが重要になっている。数多くの提案は、今のと ころ、多数の調合を示唆するものである。これらのうち、一部のものは要求され たある程度の特徴を備えているが、全部とはいはなくても、多くは、他のテスト において失敗している。例えば、自動車業界で必要な厳しい引火性のテストの継 続検査において、それらの多くは、最初には非引火性の特徴を備えているが、該 混合物は失敗となっている。他の混合物は、ホースへの浸透性があるために不合 格となっている。従って、多数の提案があるが、今のところ、受け入れられる明 確な代替物がない。 また、多数の可能性のある成分が、種々の混合の組合せに利用され、これらの 成分それぞれが種々の割合で利用されるため、可能性はほとんど無限であり、全 ての条件を満たす最適な代替物を提供できる可能性は、未だに解決されていない 大変困難な問題である。 混合冷媒の代替物の開発において、おきかえられる現在の冷媒と比較して、新 冷媒の種々の特性の間で適当な妥協案をみつける必要がある。一般に、両者の違 いは、出来る限り最小限にすべきだが、システムの特定の考案および用途のため に、両者の違いは耐えられるものである。 [発明の概要] 従って、環境問題のため政府制限に従って、典型的な既存のCFC冷媒のため の代替物の役目を果たすことができる冷媒を提供することが本発明の目的である 。 更なる本発明の目的は、自動車空調システムにおいて、典型的に利用されてい るR−12冷媒の代替物を提供することである。 さらに、もう一つの本発明の目的は、既存のCFC冷媒に取ってかわり、そし て、環境安全、材料適合性、油適合性、装置適合性、非引火性、非毒性及び高い 性能係数を有する妥当な商業上の価格の混合冷媒を提供することである。本発明 の上記及び他の目的、特徴及び利点は、重要部分を構成する付随の図面と共に、 以下の実施例により、一部は詳細が示され、一部は明確になる。 [図面の簡単な説明] 図1〜4は、本発明に従う4つの混合冷媒の温度対エンタルピの熱力学曲線を 示す。 [好ましい実施態様の説明] 本発明は、CFC冷媒の代替物として役立つ混合ガス冷媒を提供するものであ る。特にR−12冷媒の代替に役立つものである。本願発明は、検討しなければ ならない多数の制約があり、制約の全てに合致する適当な通用範囲を提供する成 分は一つもないということを認識している。特にこれらの制約は、オゾン消耗の 可能性、地球温暖化の可能性、そして低レベルの毒性を含む環境安全制約も含ま れる。また、検討すべきことは、システムの他の成分を劣化しないような混合物 の材料適合性である。混合冷媒は、システムのシールやホースからもれるべきで はない。材料は装置内に現存する油と共に作用しなければならないゆえに、油と の適合性は重要である。装置との適合性は、このガス混合物によって直面しなけ ればならない問題である。また、成分の一つあるいはそれ以上の漏れの発生で引 火性の問題が起こるべきではない。 究極的な製品の性能係数は、最終的なガス混合物の熱力学特性が代替される冷 媒のものと一致しなければならない。そして、効果的に作用しなければならない 。もちろん、商業面では、混合物の成分は、市場において、それぞれ妥当な値段 であり、入手可能であるべきである。 最も厳しい問題は、引火性の問題である。多数の引火テストがあるが、テスト の中には非引火性成分の極少量で満足するものもあれば、その他のテストでは、 さらに厳重であり、非引火性成分の量をさらに制限しなければならない。従って 、現在の炭化水素の量を最小量に制限する必要があり、多くの場合、削除する必 要がある。しかし、そうすることで、炭化水素によって与えられたいくつかの環 境上の利益と同様に、油との適合性という1つの利益を失うことになる。同様に ホースとの適合性は炭化水素の存在で助けられている。 従って、R−12の混合冷媒代替物の中に存在する炭化水素を減少したり排除 すると、制限の全てに合致することが困難であり、同時に、良質の熱力学的性能 を得ることが困難である。 多数の成分、混合冷媒および冷媒についての提案がテストされた結果、本発明 が実現された。テストの多くが、制約の1つあるいはそれ以上の成功をおさめて いるが、完全な代替物として、全必要条件をみたす混合物は、今のところ発見さ れていない。 本発明は、非常にユニークな3つの基本的な成分の組合わせを確認した。それ は多数のテストの後に発見されたもので、R−12冷媒との適合性の全必要条件 をこれら3つの成分が実質的に満たす。多数のテスト後に、全制約を実質的に満 たす成分のユニークな組合わせを得られるとは、市場において既にある入手可能 な多数の調合物と混合物、本願でテストされた多数の調合物と混合物を考慮する とき、可能とは考えられなかった。 本願発明で発見したのは、R−12の代替として必要な3つの基本的な中核成 分のテトラフルオロエタンR-134(C2H2F4)、モノクロロテトラフルオロエタンR -124(C2HClF4)およびn-ブタンである。これらの各々の成分の含有量の範囲は 、R-134aが43-83モルパーセント、R-124が10-50モルパーセントおよびn-ブタン が4-11モルパーセントの間である。 上記の割合を制限したり、増大することで利用される追加の成分として、SF6 、R-125(C2HF5);R-218(C3H3F5);R-318(C4F8)および(C3HCl2F3)などの 追加成分がある。 上記の全ての成分は、追加成分として使用できる非引火性フルオロカーボンで ある。さらに、引火性は炭化水素より少ないが、R-142b(C2H3ClF2)およびR-15 2a(C2H4F2)を含むその他の引火性成分が利用できる。 例として、全比率をモル比で表して以下の実施例を示す。 実施例1 本例は利用した基本3成分のガス混合物を示す。 R-134a 63% R-124 30% n-ブタン 7% 本件混合物の熱力学曲線は図1に示されている。 実施例2 本例は異なった割合で同じ基本3成分の存在を示す。 R-134a 55% R-124 37% n-ブタン 8% 本件混合物の熱力学曲線は図2に示されている。 実施例3 本例は非引火性フルオロカーボンを基本3成分に追加した4成分 混合物を示す。 R-134a 53% R-124 37% n-ブタン 8% R-125 2% 本件混合物の熱力学曲線は図3に示されている。 実施例4 本例は引火性フルオロカーボンを基本3成分に追加したものを示 す。 R-134a 60% R-124 25% n-ブタン 5% R-142b 10% 本件混合物の熱力学曲線は図4に示されている。 基本の上記3基本成分を使用する多数の他の混合物が、範囲や成分の上記制限 の中で試され、大概、それらは各々かなり成功している。各々の変量は、特定の 熱力学特性の結果及びその他の制約に関する特定の効率に依存する。 これまで、現在意図されている本発明の最高の実施例を開示した。しかし、本 発明の精神からはずれることなく、多数の変更や修正があることは理解されるべ きである。
【手続補正書】特許法第184条の7第1項 【提出日】1995年4月17日 【補正内容】 請求の範囲 1. 1)43-83モル%のテトラフルオロエタン(R-134a) 2)10-50モル%のモノクロロテトラフルオロエタン(R-124) 3)4-11モル%のn-ブタンの混合物を含む冷凍装置用冷媒組成物。 2. 1)61-65モル%のR-134a 2)28-32モル%のR-124、及び 3)5-9モル%のn-ブタンを含む請求項1の組成物。 3. 1)53-57モル%のR-134a 2)35-39モル%のR-124、及び 3)6-10モル%のn-ブタンを含む請求項1の組成物。 4. SF6、R-125、プロパン、R-218、R-318およびR-123から成るグループから 選ばれた少なくとも1つの追加成分をさらに含む請求項1の組成物。 5.R-142bおよびR-152aから成るグループから選ばれた少なくとも1つの追加成 分をさらに含む請求項1の組成物。 6. 1)43-83モル%のテトラフルオロエタン(R-134a) 2)10-50モル%のモノクロロテトラフルオロエタン(R-124)、及び 3)4-11モル%のn-ブタンの混合物を含む冷媒組成物を圧縮および凝縮す る冷凍方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,M X,NL,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 スティーブンソン, リチャード アメリカ合衆国、 85205、アリゾナ州、 メサ、イー. クノール サークル、 3938番地 (72)発明者 ボヤスキー, ミハイル ロシア連邦、 127599、 モスクワ リジ ョン、マーシャラ フェドレンコ ストリ ート、4−2−312番地 (72)発明者 ポチェルニフ, オレグ ロシア連邦、 143083、 モスクワ リジ ョン、オディントソボスキー レイオン 29−73、バルヴィハ(番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 1)43-83モル%のテトラフルオロエタン 2)10-50モル%のモノクロロテトラフルオロエタン 3)4-11モル%のn-ブタンの混合物からなり、R−12冷凍装置において R−12の代替物として使用する冷媒組成物。 2.テトラフルオロエタンがR-134a、モノクロロテトラフルオロエタンがR-124 とする請求項1記載の組成物。 3. 1)61-67モル%のR-134a 2)28-33モル%のR-124、及び 3)4-9モル%のn-ブタンを含む請求項2の組成物。 4. 1)53-57モル%のR-134a 2)35-39モル%のR-124、及び 3)6-10モル%のn-ブタンを含む請求項2の組成物。 5. SF6、R-125、プロパン、R-218、R-318およびR-123から成るグループから 選ばれた少なくとも1つの追加成分をさらに含む請求項2の組成物。 6.R-142bおよびR-152aから成るグループから選ばれた少なくとも1つの追加成 分をさらに含む請求項2の組成物。 7. 1)43-83モル%のテトラフルオロエタン 2)10-50モル%のモノクロロテトラフルオロエタン、及び 3)4-11モル%のn-ブタンの混合物からなり、R−12冷媒装置において R−12の代替物として使用する冷媒組成物。 8.テトラフルオロエタンがR-134a、モノクロロテトラフルオロエタンがR-124 とする請求項7の組成物。 9. 1)61-67モル%のR-134a 2)28-33モル%のR-124、及び 3)4-9モル%のn-ブタンから成る請求項8の組成物。 10.1)53-57モル%のR-134a 2)35-39モル%のR-124、及び 3)6-10モル%のn-ブタンから成る請求項8の組成物。 11.1)43-83モル%のテトラフルオロエタン 2)10-50モル%のモノクロロテトラフルオロエタン、及び 3)4-11モル%のn-ブタンの混合物を含む冷媒組成物を圧縮および凝縮す るR−12冷凍装置の冷凍方法。 12.テトラフルオロエタンがR-134a、モノクロロテトラフルオロエタンがR-12 4である請求項13の方法。 13.1)43-83モル%のテトラフルオロエタン 2)10-50モル%のモノクロロテトラフルオロエタン、及び 3)4-11モル%のn-ブタンの混合物から成る冷媒組成物を圧縮および凝縮 するR−12冷凍装置の冷凍方法。 14.テトラフルオロエタンがR-134a、モノクロロテトラフルオロエタンがR-12 4である請求項13の方法。
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