JPH09507391A - 低プロフィール灌流形式拡張カテーテル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 バルーン（１６）の内部に延長するガイドワイヤ受理内側管腔（１１）内に配置されるコイル状支持エレメント（１７）を有するバルーン拡張カテーテル。実質的に、この形式のカテーテル、特に灌流形式拡張カテーテルでは、バルーンが高圧に膨張される際、内側部材が崩壊する危険がほとんどなしに、低いプロフィールが得られる。更に、コイル状支持エレメント（１７）によってバルーンの端部におけるより滑らかな移行が提供され、それによりガイドワイヤ上のカテーテルの軌道追従性が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】 低プロフィール灌流形式拡張カテーテル発明の背景 本発明は、一般に経皮経管管動脈形成術（ＰＴＣＡ）において使用されるバル ーン拡張カテーテル等の管内カテーテルに関する。 古典的なＰＴＣＡ処置においては、予め成形された遠位先端部を有する案内カ テーテルが、患者の心臓血管系内へと経皮的に導入され、案内カテーテルの予め 成形された遠位先端部が所望の冠状動脈の口に隣接する大動脈内に配置されるま で、その内を前進する。案内カテーテルの遠位先端部を回転させるために、案内 カテーテルは近位端からねじられるか又は回転させられ、その結果所望の冠状動 脈口内へと案内され得る。ガイドワイヤ及びバルーン拡張カテーテルは、ガイド ワイヤを拡張カテーテルの内側管腔内に滑動可能に配置して、案内カテーテル中 に導入され、その中をその遠位先端まで前進する。ガイドワイヤはまず、ガイド ワイヤの遠位端が拡張されるべき病変部を横切るまで、案内カテーテルの遠位先 端から外方へと前進し、患者の冠状動脈の口内に位置される。拡張カテーテルは 次に、拡張カテーテルの遠位端上のバルーンが病変部を横切って適当に位置され るまで、先に前進した ガイドワイヤ上を案内カテーテルの遠位先端から外へ前進する。一旦適切に位置 されると、バルーンは、比較的高圧（例えば約４−１２気圧）の放射線不透過性 液体で、所定寸法まで膨張され、病変動脈の狭窄領域を拡張する。バルーンは次 に収縮され、それにより拡張カテーテルは拡張された狭窄から除去され得、その 中の血流が再開する。 案内カテーテル、拡張カテーテル、ガイドワイヤ、及び血管形成術処置のため の他の装置の詳細は、米国特許第４，３２３，０７１号(Simpson-Robert)、米国 特許第４，４３９，１８５号(Lundquist)、米国特許第４，４６８，２２４号(En zmann et al.)、米国特許第４，５１６，９７２号(Sam-son)、米国特許第４，４ ３８，６２２号(Samson et al.)、米国特許第４，５５４，９２９号(Samson et al.)、米国特許第４，５８２，１８５号(Samson)、米国特許第４，６１６，６５ ２号(Simpson)、米国特許第４，６３８，８０５号(Pow-ell)、米国特許第４，７ ４８，９８６号(Morrison et al.)、米国特許第４，８９８，５７７号(Badger e t al.)、及び米国特許第４，８２７，９４３号(Taylor et al.)中に見られ、こ れらは参照により本明細書中に完全に組み込まれる。 バルーン血管形成カテーテルについていくつかの特記すべき改良が近年なされ ている。かような改変のひとつが米国特許第４，７４８，９８２号(Horzewski e t al.)に記載され、該改変においては、カテーテル本体の遠位区域内に、少くと も長さ約１０cmの短いスリーブつまり内側管腔が設けられ、該管腔は、バルーン に対して近位の第一の口からカテーテル の遠位端の第二の口まで延長し、ガイドワイヤを滑動可能に受理するように適合 されている。近位口は、カテーテルの遠位端から約１０cm以上、約４０cm以下で ある。好ましくは、近位口からバルーンの近位端に対して近位の位置まで延長す る溝がカテーテル本体に設けられ、患者の体外へと延長するガイドワイヤの近位 端からカテーテルを除去するのを容易にする。 本出願の譲受け人（アドヴァンスト・カーディオヴァスキュラー・システムズ ・インコーポレイテッド）よって市場に導入された別の改変は、動脈の切開部及 び他の動脈の損傷を補修するために、長時間の拡張を可能にする、灌流形式拡張 カテーテルである。この灌流カテーテルは、カテーテル本体の少くともバルーン に対して近位の部分を形成する壁に、複数の灌流口を有し、該部分は、カテーテ ル本体の遠位端まで延長する内側管腔と流体連通している。カテーテル本体のバ ルーンに対して遠位の部分には、好ましくは複数の灌流口が設けられ、この部分 もまたカテーテル本体の遠位端まで延長する内側管腔と流体連通している。狭窄 を拡張するために、拡張カテーテルの遠位端上のバルーンが膨張すると、冠状動 脈構造中の拡張カテーテルの位置によって、動脈又は大動脈又はその両方の中の 、酸素を送り込まれた血液は、近位の灌流口、及びカテーテル本体の内側管腔中 を通り、遠位灌流口から外へ強制的に通過させられる。これにより、膨張したバ ルーンより下流に酸素を送りこまれた血液を供給し、カテーテルに対して遠位の 組織における乏血状態を防止又は最小化 し、よって長時間の拡張を容易にする。当業者に理解されるように、狭窄に対し て遠位の組織は、存在し得る乏血状態により、すでに頻繁に危険にさらされてい る。結果として、灌流口及び内側管腔の寸法を決める際に、乏血状態を防止又は 最小化するために、カテーテルに対して遠位の組織へと酸素を送りこまれた血液 の適切な流れがあることを確実にするように注意しなければならない。残念なこ とに、商業的に入手可能な灌流カテーテルは、バルーンの内部を通して延長する 内側管状部材の大きさのため、比較的大きなプロフィールサイズを有しており、 そのため多くの遠位冠状動脈位置においての使用を妨げられている。 管内カテーテル、特に冠状動脈血管形成カテーテルの分野における開発作業の 主なそして継続的な趣旨は、かようなカテーテルのプロフィール、つまり横方向 の寸法を減少させ、押圧性に不利益に影響を及ぼすことなく、特にかようなカテ ーテルの遠位部分における可撓性を改良することであった。押圧性をまったく又 はほとんど損なうことなくプロフィールを減少させることにより、拡張カテーテ ルを患者の冠状動脈の血管系内により深くまで前進させ、より堅固な病変部を横 切ることができる。 この分野における多くの進歩にもかかわらず、押圧性をまったく又はほとんど 損なうことなくより高い可撓性を有する、より低いプロフィールの灌流形式拡張 カテーテルが未だ必要とされている。本発明はこの必要を満たすものである。発明の要旨 本発明は、血管形成処置の間にカテーテル上のバルーンが膨張された際に、カ テーテルに対して遠位に血液を灌流するように適合される、改良されたバルーン 血管形成カテーテルに関する。 本発明の管内カテーテルは、内部に延長する少くとも一つの内側管腔を有する 細長いカテーテルシャフトと、カテーテルシャフトの内側管腔と流体連通する内 部を有する、カテーテルシャフトの遠位端上の膨張可能部材と、膨張可能部材よ り近位の位置から膨張可能部材より遠位の位置へと血液を灌流するように適応さ れる、バルーンの内部を通って延長する管状エレメント、好ましくは薄壁管状エ レメントとを含む。コイル状バネ等の支持手段が、薄壁管状エレメント中に延長 する内側管腔内に配置され、支持を提供し、膨張部材の膨張時におけるつぶれを 防ぐ。 現在好ましい実施態様において、薄壁管状エレメントのための支持部材は、膨 張可能部材の少くとも一端、好ましくは両端を越えて延長し、膨張可能部材と、 カテーテルの隣接する区域との間の円滑な移行を容易にし、それによりガイドワ イヤ上のカテーテルの軌道追従性を改良する。適当な支持部材は、例えば３０４ 合金等のステンレス鋼、及び特に超弾性の性質を有するニティノール(Nitinol) 等の高強度金属の平らなリボンで形成された、螺旋状コイルである。リボンの横 方向の寸法は、厚さ約０．０００５から約０．００２インチ（０．０１３−０． ０５１mm）、幅約０．００３３から約０． ０１インチ（０．０７６−０．２５４mm）である。コイルの各回が互いに積み重 ねられているのが好ましいが、コイルは回が互いに積み重ねられている時の長さ の５０％まで伸長されていてもよい。 本発明の改良されたカテーテル構造は、同時係属中の１９９１年５月１５日出 願の同時係属中の米国特許願「低プロフィール拡張カテーテル(Low Profile Dil atation Catheter)」(Sirhan et al.)に記載の拡張カテーテルにおける使用に特 に適当であり、この出願は参照によって本明細書に完全に組み込まれる。 Sirhan et al.の適用に記載される拡張カテーテルのカテーテルシャフトは、 内部に延長する内側管腔を有する内側管状部材と、内側管状部材の周囲に配置さ れる外側管状部材とを有する遠位区域を有する。遠位区域において、外側管状部 材のある長さは、内側表面つまりその内周の相当な部分によって、内側管状部材 の外側表面に接合されている。外側管状部材の周囲の少くとも約１５％から約９ ０％、好ましくは約４０％から約８０％は、下部の内側管状部材に接合され、そ れにより外側部材の接合部分が、接合される内側管状部材の形状をとる。外側管 状部材の長さに沿った非接合部分は、内側管状部材と共に、長手方向に延長する 内側管腔を規定する。 内側管状部材と外側管状部材との間の接合は、そのかなりの部分が接合されて いれば、連続的である必要はなく、つまり断続的であってもよい。接合区域は、 基本的にカテーテルの全長に沿って延長してもよいが、約１cm未満であってはな らない。好ましくは、接合区域の長さは、約１０cmから約４０cmである。カテー テルの遠位部分の外側管状部材のある長さを内側部材の外面に接合することによ り、カテーテル本体のその領域内の少くとも一つの横方向寸法におけるプロフィ ールは、実質的に減少され、それにより改良された可撓性が提供される。更に、 内側部材と外側管状部材の接合部分は、互いに支持し合い、それによりカテーテ ルの押圧性を改良する。ただ一つの横方向の寸法の実質的な減少により、可撓性 を実質的に改良することができる。冠状動脈拡張カテーテルのためのカテーテル 本体の遠位区域の最小限の横断面寸法は、約０．０２から約０．０６インチ（０ ．５１−１．５mm）のオーダーである。末梢動脈については、この寸法はこれよ りも大きくてもよい。 バルーンの内部を通して血液を灌流するように適合された、コイルによって支 持される薄壁内側管状部材は、バルーン膨張の際に、３５０ｐｓｉ以上の膨張圧 力に対してさえ、つぶれる傾向はほとんどない。また、コイル支持ははるかに円 滑な移行を提供し、結果としてガイドワイヤ上のカテーテルの軌道追従性が改良 される。本発明のこれら及び他の利点は、添付の説明的図面と組み合わせて、以 下の発明の詳細な説明からより明らかになるであろう。図面の簡単な説明 図１は、本発明の特徴を具体化する灌流形式バルーン拡張カテーテルの一部断 面立面図である。 図２は、図１に示されるカテーテルの２−２線に沿った横方向横断面図である 。 図３は、図１に示されるカテーテルの３−３線に沿った横方向横断面図である 。 図４は、図１に示されるカテーテルの４−４線に沿った横方向横断面図である 。 図５は、図１に示されるカテーテルの５−５線に沿った横方向横断面図である 。 図６は、図１から図５に示される内側管状部材内に配置される螺旋状コイルを 形成するリボンの横方向横断面図である。 図７は、本発明の特徴を具体化する別の灌流形式バルーン拡張カテーテルの一 部断面立面図である。 図８は、図７に示されるカテーテルの８−８線に沿った横方向横断面図である 。 図９は、図７に示されるカテーテルの９−９線に沿った横方向横断面図である 。 図１０は、図７に示されるカテーテルの１０−１０線に沿った横方向横断面図 である。 図１１は、図７に示されるカテーテルの１１−１１線に沿った横方向横断面図 である。発明の詳細な説明 図１から図５は、本発明の特徴を具体化するワイヤー上灌流形式拡張カテーテ ルを概略的に示す。このカテーテルは、細長いカテーテル本体１０を含み、該本 体１０は、内側管腔 １２を備える内側管状部材１１と、内側管状部材の周囲に配置されてその間に環 状内側管腔１４を規定する外側管状部材１３とを有し、該環状内側管腔１４は、 カテーテル本体の近位部分中に延長する。内側及び外側管状部材１１及び１３の 近位端に、アダプター１５が固定される。比較的非弾性で膨張可能なバルーン１ ６は、外側管状部材１３の一部として形成され、バルーンの遠位端は、内側管状 部材１１の遠位端に固定される。バルーン１６は、図１に示されるように外側管 状部材１３と同一の管から形成されてもよく、又は当業者には周知であるように 、これと別個に作成し、又は異なる材料で作成されて外側管状部材の遠位端に固 定されてもよい。 平らなリボン１８で形成される螺旋状コイル１７は、内側管状部材１１内に配 置され、その内でバルーン１６の両端の間に延長する。リボン１８の横方向横断 面は、図６に示され、その長方形の形状が示される。代表的には、リボン１８の 横断面寸法は、厚さ約０．００１５インチ（０．０３８mm）、幅約０．０１イン チ（０．２５mm）であるが、コイル１７を作成する材料の強度、及び特定のバル ーン拡張処置の必要に応じて、他の寸法を用いてもよい。コイル１７の各回は、 好ましくは互いに隣接して積み上げられるが、コイルの各回の間に空隙を設ける ようにコイルを伸長してもよい。 外側管状部材１３は一般に、少くとも一方向において小さい横方向寸法の遠位 区域１９を有する。図１及び図３に最もよく示されるように、遠位区域１９の長 さ２０は、内側管状部材の外面に接合され、周囲の外側部材１３の相当な部分、 代表的には約５０％から約８０％は、内側管状部材に接合される。遠位区域１９ の長さ２０に沿った非接合部分２１は、バルーン１６の内部及び環状管腔１４と 流体連通する膨張管腔２１を形成する。バルーン１６に対して近位の複数の灌流 口２３は、内側及び外側管状部材１１及び１３のそれぞれ接合壁２４及び２５を 通り、内側管状部材１１の内側管腔１２と流体連通している。また、一つ以上の 灌流口２６が、バルーン１６に対して遠位に内側管状部材１１の壁２７を通して 設けられ、その中に延長する内側管腔１２と流体連通している。この態様におい て、バルーン１６が血管形成処置の間に患者の血管系内で膨張されると、酸素を 送りこまれた血液は近位灌流口２３、内側管腔１２中、次に遠位灌流口２６から 外へ強制的に通され、カテーテルの遠位に酸素を送りこまれた血液を提供し、そ れによりその下流の組織における乏血状態の発生を防ぐ。接合区域内の管状部材 １１の内側管腔１２の横方向寸法は、ガイドワイヤ２８が、血流の妨げとなるの を防ぐために内側管腔１２の灌流部分から充分に引き抜かれた際に、その中の適 切な血液の流れを許容するのに充分大きくなければならない。 図１から図６に示される拡張カテーテルの使用は、一般にワイヤ上灌流形式拡 張カテーテルによる慣用のＰＴＣＡ処置に準ずる。ガイドワイヤ２８は、カテー テル本体１０の内側管状部材１１の内側管腔１２内へと後向きに装着され、ガイ ドワイヤ及びカテーテルの両方が共に、予め患者の動脈系中にその遠位端を所望 の冠状動脈の口内に位置付けして配置さ れた案内カテーテル（図示せず）中を前進する。ガイドワイヤ２８は、案内カテ ーテルの遠位端から外方へ、患者の冠状動脈構造内へと、拡張する病変部を横切 るまで前進し、次に拡張カテーテルが、該拡張カテーテル上のバルーン１６が狭 窄領域内に適当に配置されるまで、所定位置に保持されたガイドワイヤ上を前進 する。膨張流体を環状管腔１４、及び外側管状部材１３の非接合部分によって形 成される膨張管腔２２中を通して向け、バルーン１６を膨張させることにより、 病変部が拡張される。バルーン１６は、例えば代表的には約２０−３０分、時に は５時間以上の間の長時間に渡って膨張状態に維持され得る。バルーン１６は、 膨張すると動脈の管腔を閉塞し、冠状動脈中の酸素を送りこまれた血液を、近位 灌流口２３を通して内側管腔１２内へ、そして遠位灌流口２６から外方へ膨張し たバルーンに対して遠位の組織へと流し、それにより遠位位置における乏血状態 の苦痛を防止または最小限とする。好ましくは、ガイドワイヤ２８は、カテーテ ルの内側管腔１２内の位置へと引き戻され、それによりガイドワイヤの遠位端が 近位灌流口２３に対して近位となり、内側管腔１２中の血液の流れを阻害するの を防ぐ。拡張の後、バルーン１６は収縮され、次にカテーテル及びガイドワイヤ ２８が患者から引き出される。更に治療及び診断がなされる場合には、拡張カテ ーテルを除去する前に、ガイドワイヤを交換ワイヤに取り替え、それにより最初 のカテーテルを除去して、別のカテーテルを所望の位置まで前進させることがで き、または所定位置のガイドワイヤの近位端に延長ワイヤを取り 付けて、基本的に同じ機能を果たすこともできる。米国特許第４，８２７，９４ １号(Taylor et al.)の交換ワイヤ及び延長ワイヤの論考を参照のこと。尚この 特許は参照により本明細書中に組み込まれる。 図７から図１１は、本発明の灌流拡張カテーテルの別の実施態様を概略的に示 す。この実施態様においてカテーテルは、二層状の近位部分３２を備える外側管 状部材３１を有する本体３０を含み、該近位部分３２は、好ましくは下部管で形 成される内側管状エレメント３４上に密着する、例えばシュランクフィットする 、外側プラスチック管状コーティングつまりジャケット３３を有する。カテーテ ル本体３０の近位端にはアダプター３５が固定される。比較的非弾性のバルーン ３７の近位スカート３６が、外側プラスチックエレメント３３の遠位端に固定さ れる。バルーン３７の近位スカート３８は、内側管状部材３９の遠位端に接合さ れる。カテーテル本体３０は可撓性遠位区域４０を有し、該区域ではバルーン３ ７の近位スカート３６の内側表面の長さ４１に沿った相当の部分が内側管状部材 ３９の外面に接合される。複数の灌流口４２が、バルーンスカート３６及び内側 管状部材３９のそれぞれ接合された壁４３及び４４を通して延長し、内側管状部 材３９の内側管腔４５と流体連通している。この点では、この実施態様の遠位端 は図１から図６に示される実施態様と非常に類似している。 図７から図１１に示される実施態様において、カテーテル本体３０には近位ガ イドワイヤ口４６が設けられ、該口４６ は、バルーンスカート３６と内側管状部材３９との接合壁３４及び４４を通り、 内側管状部材３９の遠位部分に延長する比較的短い内側管腔４５と流体連通して いる。内側管状部材３９の遠位端に、その内側管腔４５と連通して、遠位ガイド ワイヤ口４７が設けられる。ガイドワイヤ４８は、内側管腔４５中を通して近位 に、近位口４６から外方へと延長し、ガイドワイヤ４８の遠位端上のコイル４９ は、内側管状部材３９の遠位端にて、遠位口４７から外方へ延長する。支持螺旋 状コイル５０は、管状部材３９の内側管腔４５内に配置され、バルーン３７の近 位端と遠位端との間、好ましくは近位灌流口４２と遠位灌流口５１との間に延長 する。 外面上に外側プラスチックジャケット３３が固定される内側管状エレメント３ ４は、好ましくは下部管であり、本出願の譲受人であるアドヴァンスト・カーデ ィオヴァスキュラー・システムズ・インコーポレイテッドに譲渡された１９９０ 年１２月１８日出願の同時係属中の米国特許願第０７／６２９，３８１号「超弾 性案内部材(Superelastic Guiding Member)」に記載されるように、３０４合金 等のステンレス鋼、若しくはＮｉＴｉ合金、特に超弾性性質を有するＮｉＴｉ合 金で形成されてもよい。内側管状エレメント３４の遠位端部は、バルーン３７の 近位スカート３６の近位部内の内側管腔５２内にうまく嵌合するように先端を切 ってあり、バルーンの内部に膨張流体を向けるために内側管状部材３９に接合さ れていない。 内部にガイドワイヤを滑動可能に受理するように適合され た比較的短い内側管腔を備える、本実施態様のカテーテル構造により、交換ワイ ヤ又はガイドワイヤ延長部を使用する必要がなくなる。好ましくは、内側管状部 材３９及び近位スカート３６の近位ガイドワイヤ口４６からバルーン３７の近位 端に隣接する位置まで延長する接合壁４３及び４４に、好ましくは近位灌流口４ ２を通って、溝５３が設けられる。溝５３によって、カテーテルを別のカテーテ ルと取替え又は交換する際、ガイドワイヤ４８の近位端からカテーテルを除去す るのが非常に容易となり、また参照によって本明細書に組み込まれるHorzewski et al.に記載されるガイドワイヤ延長部又は交換ワイヤを使用する必要がなくな る。 本実施態様の拡張カテーテルを患者の冠状動脈構造内に挿入するのに、少くと も二つの方式がある。第一の方法は、先の実施態様とほとんど同一である、つま りガイドワイヤ４８がカテーテル本体３０の内側管状部材３９の短い内側管腔４ ５内へ予め装填され、予め患者の動脈系内にその遠位端を所望の冠状動脈の口内 に位置して配置された案内カテーテル（図示せず）にその両方を前進させる。第 二の方法は、しばしば「ベアワイヤ(bare wire)」テクニックと呼ばれ、まずガ イドワイヤ４８を、患者の冠状動脈内に、拡張する病変部を横切って位置される まで、案内カテーテル中からその外方へと前進させることを含む。ガイドワイヤ ４８の近位端は、患者の体外にあり、後向きに装着される、つまり内側管状部材 ３９の短い内側管腔４５内に挿入され、近位ガイドワイヤ口４６を出るまでその 中を近位に前進する。ガイドワイヤ４ ８の近位端は固定され、カテーテル上の拡張バルーン３７が狭窄領域を横切って 位置されるまで、カテーテルがガイドワイヤ上を患者の動脈系内を前進し、それ により狭窄はバルーンの膨張によって拡張され得る。膨張したバルーン３７は動 脈通路を閉塞し、血液を近位灌流口４２を通って内側管腔４５内へ、そして遠位 灌流口５１から外方へ流し、バルーンに対して遠位の組織における乏血状態を最 小限とする。先に説明した実施態様と同様に、バルーンは、より長時間膨張状態 に維持され得る。病変部の拡張の後、バルーン３７は収縮され、カテーテルは患 者の動脈から除去される。他の治療が必要な場合は、カテーテルは、ガイドワイ ヤを固定位置に残して、ガイドワイヤ４８上を滑動可能に除去され、それにより 交換ワイヤ又はガイドワイヤ延長部の必要なしに、他のカテーテルが固定位置の ガイドワイヤ上を同様の態様で前進することができる。 上述の灌流形式カテーテルは、当業者にとって周知である慣用の技術によって 形成されてもよく、これらの適当な技術の多くは、本明細書に組み込まれた参照 文献に記載されている。接合遠位区域１９及び４０は、外側管状部材１３及び近 位スカート３６の遠位区域を形成する部分を、下部に延在する内側部材１１及び ３９上に熱収縮することによって形成してもよい。マンドレル（図示せず）は、 内側管状部材１１と外側管状部材１３との間、及びスカート３６と内側管状部材 ３９との間の間隙に配置され、それにより、外側管状部材又はスカートを熱収縮 することにより、カテーテル本体の近位 部分中の管腔及びバルーンの内部と流体連通する膨張管腔が遠位区域中に形成さ れる。内側管状部材の内側管腔内に別のマンドレルを挿入して、その上の外側管 状部材の熱収縮の間、内側管状部材を支持、成形してもよい。遠位区域を形成す るのに別の方法を用いてもよい。例えば、遠位区域１９及び４０を予備成形し、 その後内側管状部材の外面に接着的に接合してもよい。外側管状部材を内側管状 部材の外面上に熱収縮させる際に複数のマンドレルを使用することにより、膨張 管腔と同様の多数の管腔を遠位区域中に、その頂部及び底部等に形成してもよい 。 本発明のカテーテル及びガイドワイヤの種々の部品は、広範囲の慣用の材料か ら形成することができる。内側及び外側プラスチック管状部材は、ポリエチレン 、ポリエステル、ポリイミド、塩化ポリビニル、及び他の適当なプラスチック材 料から形成することができる。。下部管はステンレス鋼、ＮｉＴｉ超弾性合金、 又は他の適当な材料で形成することができる。１９８８年９月６日出願の同時係 属中の米国特許願第０７／２４１，０４７号（参照により本明細書中に組み込ま れる）に記載されるような複合材料を使用してもよい。バルーンはポリエチレン 、ポリエチレンテレフタレート、及び他の適当なポリマー又は他の材料で形成す ることができる。 カテーテルの寸法は、一般に慣用の管内カテーテルの寸法に準ずる。冠状動脈 用には、長さは代表的には約１３５cm、外側管状部材の外径は約０．０２から約 ０．０６インチである。内部にコイル又は他の支持手段が配置される内側管状部 材は、一般に直径約０．０１５から約０．０３５インチ（０．３８−０．８９mm ）、壁厚約０．００１５インチ（０．３８mm）以下、好ましくは約０．０００８ から約０．００１２インチ（０．０２−０．０３mm）の内側管腔を有する。現在 好ましい実施態様において、可撓性遠位区域は充分長く（例えば遠位区域の近位 端は、好ましくはカテーテルの遠位端から約１５から約４０cmである）、遠位区 域が、管内処置の間に、案内カテーテルを出て患者の冠状動脈構造に入る、カテ ーテル本体のバルーンより近位の唯一の部分となることを確実にする。カテーテ ルの横方向寸法は、末梢動脈及び他の位置において使用されるカテーテルについ ては、より大きくても良い。 当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、改変及び改良がなされてもよ いことを理解するであろう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レロール，アンドリュー アメリカ合衆国カリフォルニア州94087, サニーヴェイル，ブラームス・ウェイ・ 4558・＃301 (72)発明者 フェルナンド，ジョビート，エル アメリカ合衆国カリフォルニア州95350, モデスト，レイモンド・ドライブ・1113

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．バルーンの膨張時に、血液をカテーテルに対して遠位の動脈位置に灌流する ように適合されるバルーン拡張カテーテルであって、該カテーテルは、 ａ）近位端及び遠位端、並びにその遠位端に膨張流体を向けるように適合され た内側管腔を有する細長いカテーテル本体と、 ｂ）細長いカテーテルシャフトの内側管腔と流体連通する第一の管腔と、多管 腔遠位区域の遠位部分の少なくとも一つの遠位灌流口と多管腔遠位区域の近位部 分の少なくとも一つの近位灌流口との間に延長する第二の管腔とを有する、細長 いカテーテル本体の遠位端の多管腔遠位区域であって、前記第二の管腔は、第二 の内側管腔内に配置されるコイル状エレメントによって支持される管状部材によ って規定される、多管腔遠位区域と、 ｃ）近位灌流口と遠位灌流口との間の位置の遠位区域に固定される近位端及び 遠位端を有し、遠位区域の第一の管腔と流体連通する内部を有する、多管腔遠位 区域上の膨張可能バルーンとを含む、バルーン拡張カテーテル。 ２．第二の内側管腔内に配置されるコイル状エレメントがリボンから形成される 、請求の範囲第１項に記載のバルーン拡張カテーテル。 ３．リボンが、ステンレス鋼と超弾性の性質を有するＮｉＴｉ合金とからなる群 より選択される材料で形成される、 請求の範囲第２項に記載のバルーン拡張カテーテル。 ４．コイル状エレメントが膨張可能部材の少くとも一端を越えて延長する、請求 の範囲第１項に記載のバルーン拡張カテーテル。 ５．コイル状エレメントが膨張部材の両端を越えて延長する、請求の範囲第１項 に記載のバルーン拡張カテーテル。 ６．コイル状エレメントが第二の内側管腔内に密着する、請求の範囲第１項に記 載のバルーン拡張カテーテル。 ７．多管腔遠位エレメントが、コイル状エレメントがその第二の内側管腔内に密 着するように熱収縮される、請求の範囲第６項に記載のバルーン拡張カテーテル 。 ８．多管腔遠位区域が、第二の内側管腔と流体連通する近位灌流口に対して近位 に位置するガイドワイヤ受理口を有する、請求の範囲第１項に記載のバルーン拡 張カテーテル。 ９．多管腔遠位区域が、第二の内側管腔の遠位端に位置され、それと流体連通す るガイドワイヤ受理口を有する、請求の範囲第８項に記載のバルーン拡張カテー テル。 10．バルーンの膨張時に、血液をカテーテルに対して遠位の動脈位置へと灌流す るように適合されるバルーン拡張カテーテルであって、該カテーテルは、 ａ）近位端及び遠位端、並びにその遠位端に膨張流体を向けるように適合され た内側管腔を有する細長いカテーテル本体と、 ｂ）細長いカテーテルシャフトの内側管腔と流体連通する第一の管腔と、多管 腔遠位区域の近位部分の第一のガイド ワイヤ口と多管腔遠位区域の遠位部分の第二のガイドワイヤ口との間に廷長する 、第二のガイドワイヤ受理管腔と、多管腔遠位区域の遠位部分の少なくとも一つ の遠位灌流口と、多管腔遠位区域の第一のガイドワイヤ口に対して遠位の部分の 少くとも一つの近位灌流口とを有する、細長いカテーテル本体の遠位端の多管腔 遠位区域であって、前記第二の管腔は、第二の内側管腔内に配置されるコイル状 エレメントによって支持される管状部材によって規定される、多管腔遠位区域と 、 ｃ）近位灌流口と遠位灌流口との間の位置の遠位区域に固定される近位端及び 遠位端を有し、遠位区域の第一管腔と流体連通してそこから膨張流体を受理する ように適合される内部を有する、多管腔遠位区域の膨張可能バルーンとを含む、 バルーン拡張カテーテル。 11．第二の内側管腔内に配置されるコイル状エレメントがリボンから形成される 、請求の範囲第１０項に記載のバルーン拡張カテーテル。 12．リボンが、ステンレス鋼及び超弾性の性質を有するＮｉＴｉ合金からなる群 より選択される材料から形成される、請求の範囲第１１項に記載のバルーン拡張 カテーテル。 13．コイル状エレメントが、膨張可能部材の少くとも一端を越えて延長する、請 求の範囲第１０項に記載のバルーン拡張カテーテル。 14．コイル状エレメントが、膨張可能部材の両端を越えて延長する、請求の範囲 第１０項に記載のバルーン拡張カテー テル。 15．コイル状エレメントが、第二の内側管腔内に密着する、請求の範囲第１０項 に記載のバルーン拡張カテーテル。 16．多管腔遠位エレメントが、コイル状エレメントがその第二の内側管腔内に密 着するように熱収縮される、請求の範囲第１５項に記載のバルーン拡張カテーテ ル。 17．バルーン拡張カテーテルであって、該カテーテルは、 ａ）近位端及び遠位端、並びにその遠位端へと膨張流体を向けるように適合さ れた内側管腔を有する、細長いカテーテル本体と、 ｂ）細長いカテーテルシャフトの内側管腔と流体連通する第一の管腔と、第二 の内側管腔内に配置されるコイル状エレメントによって支持される管状部材によ って規定される第二の管腔とを有する、細長いカテーテル本体の遠位端の多管腔 遠位区域と、 ｃ）遠位区域に離隔位置にて固定される近位端及び遠位端を有し、遠位区域の 第一の管腔と流体連通する内部と、膨張可能バルーンの内部を通って延長するコ イル状エレメントによって支持される管状部材とを有する、多管腔遠位区域上の 膨張可能バルーンとを有する、バルーン拡張カテーテル。 18．バルーン拡張カテーテルであって、該カテーテルは、 ａ）近位端及び遠位端、並びにその遠位端へと膨張流体を向けるように適合さ れた内側管腔を有する、細長いカテーテル本体と、 ｂ）細長いカテーテルシャフトの内側管腔と流体連通する第一の管腔と、多管 腔遠位区域の近位部分の第一のガイドワイヤ口と多管腔遠位区域の遠位部分の第 二のガイドワイヤ口との間に延長する第二のガイドワイヤ受理管腔とを有する細 長いカテーテル本体の遠位端の多管腔遠位区域であって、該区域は第二の内側管 腔内に位置されるコイル状エレメントによって支持される管状部材によって規定 される、多管腔遠位区域と、 ｃ）近位ガイドワイヤ口と遠位ガイドワイヤ口との間の位置で遠位区域に固定 される近位端及び遠位端を有し、遠位区域の第一の管腔と流体連通してそこから 膨張流体を受理するように適合される内部を有する、多管腔遠位区域上の膨張可 能バルーンとを有する、バルーン拡張カテーテル。