JPH09506958A - ベアリングシステムのコンポーネントにオイルバリアを形成する方法と装置及びこの方法と装置により製造した物品 - Google Patents

ベアリングシステムのコンポーネントにオイルバリアを形成する方法と装置及びこの方法と装置により製造した物品

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JPH09506958A
JPH09506958A JP8510724A JP51072496A JPH09506958A JP H09506958 A JPH09506958 A JP H09506958A JP 8510724 A JP8510724 A JP 8510724A JP 51072496 A JP51072496 A JP 51072496A JP H09506958 A JPH09506958 A JP H09506958A
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Abstract

(57)【要約】 ベアリングシステムのコンポーネント(5)にオイルバリア(C)を適用する方法及び装置であり、固体物質と溶剤とを有するバリア流体(21)を収容する容器からスタンプ(3)を引き上げ、スタンプ(3)のスタンプ表面(13)にメニスカスM1及び/又はM2を形成する或る量のバリア流体を取り出し、コンポーネント(5)に回転対称パターンでスタンプ(3)により移し変え、固体物質がコンポーネントに残留してオイルバリアとして働き、固体物質は潤滑剤に濡れない表面張力を有し、機械化した工程でベアリング表面(B)のような望ましくない位置に固体物質が至る危険を伴わずに、コンポーネントに範囲を限定しかつ再現良い手法でオイルバリアを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】 ベアリングシステムのコンポーネントにオイルバリアを形成する方法と装置及び この方法と装置により製造した物品 この発明は、固体物質と溶剤とを有するバリア流体を回転対称形態のコンポー ネントの表面に適用し、前記固体物質がフィルム形態で前記表面に残留して溶剤 の蒸発後にオイルバリアの役を果たす、ベアリングシステムのコンポーネントに オイルバリアを形成する方法に関する。 自己潤滑多孔性スリーブベアリング(軸受)、流体力学的螺旋溝ベアリング及 びボールベアリングのような保全不要(メインテナンスフリー)のベアリングを 有するシステムにおいては、ベアリングからの潤滑剤、グリース又はオイルの流 失を制限し又は完全に阻止することが重要である。ベアリングから流出する潤滑 剤は結局最後にシステムの望ましくないコンポーネントに止まり、これらコンポ ーネントを汚染する。例えばメインテナンスフリーベアリングを備え付けたコン ピュータのハードディスクドライブでは、潤滑剤は表面流れ及び/又は蒸発によ り最終的にハードディスクに止まり、このディスクを汚染する。ここに“ベアリ ングシステム”なる術語はいかなる可動ベアリング、回転ベアリング及び平行移 動ベアリングを含むものとする。蒸発に関し、蒸発率は潤滑剤のタイプ次第で決 まる。例えば真空装置で低蒸発率の潤滑剤としてペルフルオロポリエーテルを使 用する。表面流れによりベアリングから潤滑剤が漏れるのを阻止するため、ベア リングシステムの各種位置にオイルバリアを設け、ベアリングを絶縁する。同時 にこれらのオイルバリアはベアリングシステムの影響され易いコンポーネントを 漏れ出る潤滑剤による汚染から保護する。 このようなオイルバリアは、潤滑剤(オイル及びグリース)に濡れないか又は 極めて濡れにくい表面張力を有する物質、例えばパラフィンオイルを含み、潤滑 剤がオイルバリアを越えて表面流れが生じるのを阻止する。オイルバリアはバリ ア流体の形態で形成する。このようなバリア流体は市場で入手可能であり、0. 1〜2%の固体物質を含み、残余量は固体物質の担持体としての溶剤である。固 体物質は共重合体であり、溶剤はフッ素混合物である。或る量のバリア流体を適 用し溶剤を蒸発させた後、固体物質はフィルムの形で残留し、オイルバリアを形 成する。 冒頭に記載したような方法は、Nye Lubricants Inc.(New Bedford MA,USA) 発行のパンフレット“Product Bulletin:NYEBAR TYPE K To Prevent Oil Migra- tion”により既知である。使用可能で市場で入手できるバリア流体の正確な構成 もまたこの刊行物により既知である。 既知の方法によれば、処理対象のコンポーネントをバリア流体に浸すか、コン ポーネントにバリア流体を吹き付けるか、又はブラシでバリア流体を塗布するこ とでバリア流体を形成することができる。これらのバリア流体形成方法は個々の 作業者に依存するので不正確でかつ再現性に欠ける。バリア流体で覆う表面領域 は各コンポーネントに対し同一ではない。バリア流体はベアリングギャップ、接 触表面、ボール軌道輪など望ましくない位置に適用される。従って既知の方法は 比較的大きなコンポーネント及び表面にオイルバリアを形成するのに適合してい るに過ぎない。 吹き付け器のノズルを介してバリア流体を適用することで少なくとも部分的に 上述した不利な点を回避することができる。しかし実際は溶剤が素早く蒸発する ためノズルは急速に詰まり現象を呈して使用できなくなる。この方法は機械化し た工程でのコンポーネント処理には不適合である。 この発明は、上述の不利な点を排除し、正確でかつ再現性のある手法でベアリ ングシステムのコンポーネントにオイルバリアを形成することが可能で、しかも 小さなコンポーネントを処理するのに特に適合した方法を提供することを目的と する。ここで言う小さなコンポーネントとは数ミリメートル単位の寸法をもつコ ンポーネントを指す。 この発明によれば上記目的は、スタンプによりバリア流体を供給するものとし て、容器内のバリア流体にスタンプを浸した後バリア流体を収容する容器からス タンプを引き上げ、或る量のバリア流体がスタンプ表面にメニスカスを形成して スタンプにより運ばれ、次いで被覆対象のコンポーネント表面にスタンプをスタ ンプ表面にて押圧し、これにより運ばれたバリア流体の少なくとも一部をスタン プからコンポーネント表面に移し変えることにより達成される。 この発明によるスタンピング(押印)方法を用いれば、形成すべきオイルバリ アを精密に限定することが可能であり、回転対称のスタンプ表面の形状及び寸法 によりオイルバリアの形状及び寸法を規定する一方、スタンプ表面の形状及び寸 法を処理対象のコンポーネントの形状及び寸法に適合させる。これにより工程の 精度及び再現性を決定的に支配する。浸したスタンプを容器から引き上げるので 、スタンプ表面に移されるバリア流体はスタンプ表面が規定する少なくとも1個 のメニスカス(meniscus)を形成し、毎回同量のバリア流体を運び、その結果形 成すべきバリア流体を精密にかつ再現良く適用することができ、工程全体にわた る再現性を著しく改善する。バリア流体でベアリングシステムを汚染する危険、 すなわち望ましくない位置にバリア流体が入り込む危険はオイルバリアの精密な 制限により事実上皆無である。この発明による方法は比較的大きな表面領域に一 工程で、比較的短時間内に、移し変えの間に落下する小滴によりバリア流体の損 失の恐れなくバリア流体を適用することを可能とし、加えて溶剤の蒸発は殆ど無 視し得る程度の量に抑えることができる。オイルバリアの精密制限、バリア流体 の再現性の良い適用、そして全般に高度な工程の再現性のため、この発明による 方法は数ミリメータ単位の比較的小さなコンポーネントを有するベアリングシス テムのコンポーネントを処理するのに特に適合する。この発明による方法により 機械化したプロセスで、範囲を限定しかつ再現良い手法でオイルバリアを形成す ることが可能である。形成したフィルムをそれ自体既知の方法で温度が約100 ℃で約15分間加熱することでオイルバリアの信頼性と性能とを改善することが できる。 ベアリングシステムの円筒状コンポーネントに環状オイルバリアを形成するた め、バリア流体を半径方向に形成しなければならない。この発明による方法の他 の実施例では、ディスク形状をなすスタンプを用い、バリア流体を移す間に該ス タンプをその端縁でコンポーネントに押圧する一方、スタンプとコンポーネント とを相互に回転させる。オイルバリアを円筒状コンポーネントの環状溝に形成し なければならないときは、ディスク形状をなすスタンプを相互回転の間にコンポ ーネントの環状溝にスタンプ端縁で押圧し、スタンプの端縁を溝の寸法に合せて 適合させる。 またこの発明は方法を実施するための装置を含む。この発明によれば、この装 置は、容器と、垂直方向に移動自在で回転対称スタンプ表面を有するスタンプと 、スタンプを移動させる駆動システムと、ベアリングシステムのコンポーネント 用ホルダとを備える。この比較的簡単な装置を用いてこの発明による方法を精密 で再現良く、しかも信頼がおける手法で実施することができる。好適にはバリア 流体レベルの変動を狭い公差内に保持する。好適には容器内に存在するバリア流 体の溶剤の蒸発を制限するため蓋で容器を閉鎖する。 回転対称のスタンプ表面を有するスタンプの最も簡単な実施例は、移し変えの 後のコンポーネントにディスク形状箇所を残すメニスカスを形成する平坦な円形 端部表面をもつスタンプである。 この発明による装置の好適実施例では、スタンプが中央穴を備え、その端部に スタンプ表面を有する。この実施例におけるスタンプの環状スタンプ表面に関し 、バリア流体はスタンプ表面に少なくとも1個のメニスカスを形成し、またコン ポーネントには環状に分布したバリア流体を得る。 この発明による装置の他の好適実施例においては、スタンプがスタンプ表面に 立ち上がりリムを有する。この立ち上がりリムはスタンプ表面を2個の同心支持 表面に区分する結果、バリア流体はスタンプ表面に二重のメニスカスを形成する 。この手段により二つの互いに垂直なコンポーネント表面にバリア流体を形成す ることができる。 この発明による装置の別の好適実施例では、スタンプがスタンプ表面に環状溝 を有する。その結果比較的多量のバリア流体をスタンプにより移し変えることが でき、2乃至3の相互に垂直な表面に区分した、比較的大きな表面のコンポーネ ントにバリア流体を適用することができる。 ベアリングシステムの円筒状コンポーネントでこのコンポーネントの環状溝に 環状オイルバリアを形成するため、この発明による装置のさらにまた別の実施例 では、スタンプを回転自在なホイールとして構成し、かつコンポーネント用ホル ダは回転可能であり、ホルダを駆動する駆動システムを備える。コンポーネント にバリア流体を適用する間にホイールを回転するコンポーネントに接触させると 、ホイールはコンポーネントにより回転させられる。 この発明による方法により形成する少なくとも1個のオイルバリアを備えるベ アリングシステムのコンポーネントは、同一厚さのオイルバリア、一定の寸法、 きれいな外観、そしてバリア流体と接触してはならない部分で特に明確な境界に より特徴ずけられる。ベアリングシステムにおける潤滑剤の流失又は潤滑剤によ る汚染を回避するため、ベアリングギャップの各端部に一対の、ベアリングシス テムの運動部分に2箇所と静止部分に2箇所の通常は4箇所のオイルバリアが必 要である。オイルバリアは約0.5μmの厚さを有する。 極めて高度な要求、とりわけ寿命に関する要求を満たさねばならないメインテ ナンスフリーのベアリングシステムにオイルバリアを使用するのは特に有効かつ 有利である。例えばこのようなベアリングシステムはビデオレコーダの走査装置 モータに使用される。例えば直径約6mmのロータスピンドルのように比較的大 きな寸法のコンポーネントを考えると従来の方法によりこれらモータのベアリン グシステムのコンポーネントにオイルバリアを形成することを実施することもで きる。しかしこの発明による方法を用いれば、先に説明した利点を伴い工程の一 部としてオイルバリアを適用することができる。 コンピュータのハードディスクを駆動するように設計され、回転子部分と固定 子部分とを備え、回転子部分と固定子部分とがベアリングシステムを形成し、ダ イナミック溝ベアリングにより互いに軸支される電動モータに極めて効果的かつ 有利な手法でこの発明を適用することができる。これらのモータは著しく小型に 纒められた設計になり、特に処理対象のコンポーネントでは比較的小さな寸法を 有する。実際上の実施例では、ベアリンスピンドルは約2.5mmの直径を有す る。これまで述べたようにこの発明による方法は数mm単位の比較的小さな寸法 のコンポーネントを処理するのに特に適し、また上述のダイナミック溝ベアリン グのコンポーネントにオイルバリアを適用するのに適している。比較的小さな寸 法にもかかわらず、この発明による方法を適用したオイルバリアは同一厚さと明 確に範囲を限定した面積部分に特徴を有する。 この発明を図面に基づきより詳細に説明する。ここに、 図1はこの発明による方法を実施する装置の線図的説明図であり; 図2、図3及び図4は図1に示すスタンプの別種の説明図であり; 図5はロータリースタンプを有する装置の実施例の説明図であり;そして 図6はコンピュータのハードディスクドライブのための電動モータの説明図で あり、これら各図に示すベアリングシステムはこの発明による方法及び装置に適 用するオイルバリアを備えている。 各図において共通するコンポーネントには同じ符号を付した。 図1に線図的に示す装置1は本質的にスタンプ3を備え、このスタンプは両端 矢印Aに従い垂直方向に往復移動自在であり、従来の駆動システム(図示せず) により駆動する。穴7を有する処理対象の円筒状コンポーネント5、すなわちベ アリングシステムのコンポーネントを図に示し、このコンポーネントにオイルバ リヤCを設けることを要し、これを太い実線にて示す。穴7の内側周辺の一点鎖 線Bはベアリング表面、例えばスパイラル溝ベアリングのスパイラル溝を示す。 符号9はコンポーネント5のホルダを示す。またスタンプ3は少なくとも図に示 す端部が円筒状をなし、穴11を備える。スタンプ3の端部表面は回転対称スタ ンプ表面13、ここでは環状スタンプ表面を形成する。スタンプ表面13には環 状の立ち上がりリム15を設け、これにより環状スタンプ表面13を2個の環状 表面17、19に区分する。符号Hは立ち上がりリム15の高さで、符号D3は 該リムの直径であり、符号D1及び符号D2はスタンプ3の外径及び内径である 。符号d1及びd2はコンポーネント5の外径及び内径である。容器21はそれ 自体既知で、先に論じた組成物になるバリア流体Lを収容する。また先に言及し たように容器21は蓋(図示せず)を備えて、できるだけバリア流体から溶剤が 蒸発するのを阻止するようにする。スタンプ3の内径D2はコンポーネント5の 内径d2より大きく、立ち上がりリム15の直径D3はコンポーネントの外径d 1より大きい。 装置は次に述べるように作動する。すなわち装置1の非稼働位置にて、スタン プ3を流体のレベルNより下方で容器21のバリア流体Lに十分に浸す。コンポ ーネント5の或る領域に或る量のバリア流体を適用させるため、スタンプ3を作 動位置に上昇させ、スタンプ表面13の同心環状表面17を、コンポーネント5 の覆うべき表面部分と接触させる。 このときスタンプ3は或る量のバリア流体を運び、この流体はスタンプ表面1 3に二つのメニスカス(meniscus)、すなわち環状表面17にメニスカスM1を 、そして環状表面19にメニスカスM2を形成する。スタンプ表面13の同心環 状表面17、すなわちスタンプ表面のバリア流体がコンポーネント5の底と接触 する直ちに、運ばれたバリア流体の一部、すなわち約半分が表面張力により実線 Cで示す領域にわたり広がる。スタンプ3を非稼働位置まで復帰させ、数分内で 溶剤が蒸発した後、コンポーネント5には固体物質の無色透明フィルムが残り、 これが厚さ約0.5μmのオイルバリアCを形成する。これまで述べたようにし て、所望に応じこのフィルムを硬化させる。 移送されるバリア流体の量は次に述べるような多数の要素で決まる。すなわち スタンプと処理対象表面との外形、スタンプの非稼働位置と作動位置との間の移 送時間、スタンプとコンポーネントとの間の接触時間、スタンプ及び処理対象表 面の汚れの程度などである。また流体それ自身は外角より内角のほうがより容易 に広がることを考慮すべきである。概して通常の潤滑剤の表面張力より小さな表 面張力の固体物質を含むバリア流体を用いるのが好適である。例として18mN .m-1の表面張力をもつ物質である。 図1に示す実施例では、スタンプ3の外形、すなわち形状及び寸法をコンポー ネント5の外形に適合させているので、或る量の移送バリア流体はそれ自身でコ ンポーネントの外周部分に加えてコンポーネントの端部表面に広がり、そして一 方ではバリア流体が穴7と螺旋溝をもつベアリング表面Bとに入り込むことを絶 対に阻止しなければならない。 実際上用いるサイズや寸法の考え方を明確にするため、ここに実際に適用する 寸法を記載する。すなわち処理対象のコンポーネント5は2.5mmの内径と3 .8mmの外径とを有する。スタンプ3は3mmの内径D2と6mmの外径とを 有する。立ち上がりリム15の直径D3は4mm、その高さHは0.5mmであ った。移送されるバリア流体の体積は約0.5mm3であった。スタンプは硬化 可能なステンレス鋼製であり、コンポーネントは軸受用ブロンズ製である。 図2に穴をもたないスタンプ3の実施例を示し、図においてスタンプ表面13 を、高さHと直径D3とをもつ立ち上がりリム15により、一段下げた中央円形 表面23と外径D1をもつ環状表面25とに区分して、中央チャンバをスタンプ 表面に形成する。 この実施例におけるコンポーネント5は直径dと高さhとのシャフト先端29 をもつシャフト27により形成する。バリア流体は実線Cで示すようにシャフト 先端に適用する一方、シャフト27の外周はベアリング表面Bの役を果たし、こ の外周にバリア流体が存在してはならない。移送されるバリア流体はスタンプ表 面13で二重の、一つは中央円形表面23のそして他の一つは環状表面25のメ ニスカスを形成し、これらの表面には二重メニスカスMとなって一緒に流入して いる。立ち上がりリムの直径D3は被覆するシャフト先端29の直径より大きい 。 図3に示す実施例において、外径D1をもつスタンプ3は直径D2をもつ穴1 1を備える。深さGをもつ環状溝31をスタンプ3のスタンプ表面13に設け、 この溝は2個の傾斜したリング表面33、35により形成し、これらリング表面 はスタンプ表面13を角度αで囲む。穴7を備え、処理対象の円筒状コンポーネ ント5は外径d1と内径d2とを有する。処理対象のコンポーネントの端部は環 状カラー37を備え、これによりコンポーネントの自由端部にステップを付す。 カラー37は内径d3と高さkとを有す。スタンプ3の内径D2はコンポーネン ト5の内径d2より大きく、かつカラー37の内径d3より小さい。スタンプ3 及びコンポーネント5の外径はほぼ同じである。メニスカスMを形成するバリア 流体をコンポーネント5のカラー37における3箇所の相互に垂直な表面に実線 Cで示すように適用する。バリア流体は穴7の内周に到達せず、この内周はベア リング表面Bを形成する。 図4に示す実施例では、スタンプ3のスタンプ表面13を直径D3の立ち上が りリム15により高さHをもつ突起状円形中央プラットフォーム39と直径D1 をもつ環状表面41とに区分する。コンポーネント5はディスク形状をなし、直 径d2の穴7と、ベアリング表面45と、そして外径d3をもつ環状端部表面4 7とを有する。コンポーネント5は軸線方向に長さLを有する。バリア流体はス タンプ表面13に二つのメニスカスを、すなわちプラットフォーム39にメニス カスM1を、そして環状表面41にメニスカスM2を形成する。プラットフォー ム39の直径D3は穴7の直径d2より小さく、環状表面41の直径D1はコン ポーネント5の端部表面47の直径d3より小さい。バリア流体は端部表面47 と穴7に適用され、穴7ではより上方にまで進行する。スタンプのスタンプ表面 に適合する外形はバリア流体が上方に進行し過ぎてベアリング表面45に到達す るとを阻止する。 図5はベアリングシステムの円筒状コンポーネント、例えばコンポーネント5 の溝51に環状オイルバリアを形成する特殊な実施例の装置1を示す。この目的 のため、装置のスタンプ3は回転自在なホイール53として構成し、該ホイール の外側端縁を形成すべきオイルバリアの要望輪郭、すなわち溝51の輪郭に適合 させる。ホイール53をベアリング55に回転自在に取付け、かつモータ61を もつ駆動システム59により非稼働位置と作動位置との間を往復移動可能とする 。コンポーネント5は心出してホルダ9に固着する。このホルダは駆動シャフト 63とモータ65とにより回転可能とする。駆動シャフト63のベアリングを符 号67で示す。容器21をレベルNまでバリア流体で満たす。容器21をカバー 69で部分的に締め切る。装置のフレームを符号71で示す。 非稼働位置にてホイール53はバリア流体レベルNより下の容器21内にある 。作動位置に移動するとホイール53は或る量のバリア流体を運ぶ。作動位置に てホイールは外側端縁をコンポーネント5に当てるが、その間コンポーネントを 回転させておく。またホイールも回転するコンポーネントと接触する間にわたり 回転させ、ホイールにより運ばれるバリア流体をホイール53からコンポーネン ト5へ、すなわちコンポーネントの溝51へ移す。 図6は、コンピュータのハードディスクドライブに用いる電動モータ81の大 幅拡大(スケール10:1)線図であり、ここに若干数のコンポーネントはこの 発明による方法及び装置によりオイルバリアを備える。電動モータ81は基本的 に固定子部分83と、ベアリングシステムを形成する回転子部分85とを備える 。駆動するハードディスクを線図として符号87で示す。固定子部分83は基本 的にベースプレート89と、固着配置した固定子スピンドル91と、コイル93 とを備える。これらのコンポーネントを溶接、圧力ばめ、接着などの適当な方法 により固着させ相互連結する。回転子部分85はハブ部分94と、シェル95と 、鉄リング96と、そして閉鎖プレート97とを備える。これらの回転子部分も また固着により相互連結する。固定子スピンドル91は電動モータ全体の中央ベ アリングの役を果たし、環状溝51と、フランジ98と、スピンドル先端99と を備える。ベースプレート89と、固定子スピンドル91と、ハブ部分94と、 そして閉鎖プレート97とは実線Cにて示すオイルバリアを有し、これらのバリ アはこの発明による方法及び装置により形成する。ベースプレート89のオイル バリアCは図3に従うスタンプで形成したものである。固定子スピンドル91の スピンドル先端は図2に示すようなスタンプで処理した一方、溝51のオイルバ リアCは図5に示す装置により形成したものである。ハブ部分94を処理するた め図1に示すスタンプを使用し、そして図4に示すスタンプで閉鎖プレート97 を処理した。ベアリングシステムは一点鎖線Bの傍らで延びる連続ベアリングギ ャップを備える。固定子スピンドル91のフランジ98は両側軸表面に螺旋溝B を備え、閉鎖プレート97及びハブ部分94の対応する軸受面との連係で軸受と しての役を果たす。フランジ98から溝51までの固定子スピンドル91の外周 はハブ部分94の内周における螺旋溝パターンBとの連係でラジアル軸受として 働く。ベアリングシステムのベアリングギャップを、毎回いずれか一方の側、す なわち固定子スピンドル91のスピンドル先端99の側及び溝51の側で、一つ は回転子部分、一つは固定子部分の二つのオイルバリアにより制限する。固定子 スピンドルの溝51におけるオイルバリアは付加的安全手段と考えてよい。 ビデオカメラによりメニスカスのレベルを記録する方法を実行するプロセスに て、形成するバリア流体の量の公称量からの隔たりをチェックする。 さらにバリア流体がコンポーネントに存在するか否かをUVランプによりチェ ック可能とする物質をバリア流体に添加する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.固体物質と溶剤とを有するバリア流体を回転対称形態のコンポーネントの表 面に適用し、前記固体物質がフィルム形態で前記表面に残留して溶剤の蒸発後に オイルバリアの役を果たす、ベアリングシステムのコンポーネントにオイルバリ アを形成する方法において、 スタンプによりバリア流体を供給するものとして、容器内のバリア流体にス タンプを浸した後バリア流体を収容する容器からスタンプを引き上げ、或る量の バリア流体がスタンプ表面にメニスカスを形成してスタンプにより運ばれ、次い で被覆対象のコンポーネント表面にスタンプをスタンプ表面にて押圧し、これに より運ばれたバリア流体の少なくとも一部をスタンプからコンポーネント表面に 移し変えることを特徴とする、ベアリングシステムのコンポーネントにオイルバ リアを形成する方法。 2.請求項1に記載した方法において、ディスク形状をなすスタンプを用い、バ リア流体を移す間に該スタンプをその端縁でコンポーネントに押圧する一方、ス タンプとコンポーネントとを相互に回転させる、ベアリングシステムの円筒状コ ンポーネントに環状オイルバリアを形成する方法。 3.容器と、垂直方向に移動自在で回転対称スタンプ表面を有するスタンプと、 スタンプを移動させる駆動システムと、ベアリングシステムのコンポーネント用 ホルダとを備える、請求項1及び2に記載した方法を実施する装置。 4.スタンプが中央穴を備え、その端部にスタンプ表面を有する請求項3に記載 した装置。 5.スタンプがスタンプ表面に立ち上がりリムを有する請求項3又は4に記載し た装置。 6.スタンプがスタンプ表面に環状溝を有する請求項3〜5の何れか一項に記載 した装置。 7.スタンプを回転自在なホイールとして構成し、かつコンポーネント用ホルダ は回転可能であり、ホルダを駆動する駆動システムを備える請求項3〜6の何れ か一項に記載した装置。 8.少なくとも1個のオイルバリアを備え、請求項1又は2に記載した方法によ り前記オイルバリアを形成して成るベアリングシステムのコンポーネント。 9.相互に移動自在であり、かつそれぞれが少なくとも1個のオイルバリアを備 え、該オイルバリアを請求項1又は2に記載した方法により形成して成るコンポ ーネントを有するベアリングシステム。 10.回転子部分と固定子部分とを備え、回転子部分と固定子部分とはベアリング システムを形成し、ダイナミック溝軸受により互いに軸支して成る、特にコンピ ュータのハードディスクドライブに適用する電動モータにおいて、 回転子部分、固定子部分及びダイナミック溝軸受にオイルバリアを設け、こ れらのオイルバリアを請求項1又は2に記載した方法により形成することを特徴 とする電動モータ。
JP8510724A 1994-09-23 1995-09-11 ベアリングシステムのコンポーネントにオイルバリアを形成する方法と装置及びこの方法と装置により製造した物品 Pending JPH09506958A (ja)

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JPH0721313B2 (ja) * 1985-06-11 1995-03-08 三菱自動車工業株式会社 流体継手用クラッチの制御装置

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