【発明の詳細な説明】
有機高分子材料の難燃加工方法
本発明は、少なくとも1種のリン含有低分子化合物の存在下におけるプラズマ
処理によって有機高分子材料を難燃(flame-proofing)加工する方法、この新規方
法によって処理された有機材料、ならびに重合体構造のハロゲンを含有していな
いリン含有フィルムの製造方法に関する。
通常、高分子材料はリン含有モノマーの共重合体を含浸させることによって難
燃加工することができる。このようなリン含有組成物を使用した繊維材料の処理
が、特に米国特許第2926145号明細書および同第2733229号明細書
に開示されている。この方法によって有効な難燃処理を達成するためには、大量
の活性物質を使用する必要がある。しかしながら、この活性物質の使用は有機基
質の諸特性、たとえば光化学的安定性または機械的性質に悪影響を及ぼす可能性
がある。
公知のプラズマ化学的難燃加工法、特に、G.AkovaliとG.Gundoganとによって
J.Appl.Polym.Sci.41,2011(1990)に記載された方法,G.AlkovaliとF.Takrouriと
によってJ.Appl.Polym.Sci.42,2717(1991)に記載された方法、C.I.Simionescu
等によってACS Symp.Ser.187.57(1982)に記載された方法においては、使用さ
れる揮発性低分子化合物は常にハロゲン化炭化水素または三塩化リンのごときハ
ロゲン化化合物である。
誠に驚くべきことながら、今回、効果的な難燃加工が少なくとも1種の、ハロ
ゲンを含有していない低分子リン化合物を使用するプラズマ化学的加工によって
達成されることが見いだされた。本方法においては、活性物質の消費は、典型的
な従来の湿式科学的方法の場合よりもはるかに少ない。
したがって、本発明は少なくとも1種の低分子揮発性化合物の存在下における
低温プラズマ処理による有機高分子材料の難燃加工方法に関し、本発明の方法は
、ハロゲンを含有していないリン化合物から選択された揮発性化合物を低温プラ
ズマの作用にかけて、有機材料の上に重合体構造を形成することを特徴とする。
ガス放電の原理、特にプラズマ化学のガス放電の原理は公知であり、そして、
たとえば、特に、A.T.Bellの”Fundamentals of Plasma Chemistry”[J.R.Hol
lahanおよびA.T.Bell編集”Technology and Application of Plasma Chemistry
”Wiley,New York(1974)所載]、またはH.SuhrのPlasma Chem.Plasma Process.3 (1)
,1(1983)に記載されている。
本発明の方法のために適当な低分子化合物は、第一にハロゲンを含まないリン
化合物であって、分解することなく揮発または昇華されうるもの、すなわち10-4
バールから常圧までの圧力、かつ室温乃至250℃までにおいて安定なリン化
合物である。
このような条件を満たす好ましいリン化合物は、主として不飽和有機亜リン酸
(organophosphorus)およびそれらの誘導体である。このような化合物を以下に例
示する。
不飽和ホスホン酸、たとえばH2C=CHCH2P(OH)2または
C6H5CH=CHCOCH2CH(C6H5)P(O)(OH)2;
α、β−不飽和アルキルおよびシクロアルキル−ホスホン酸、たとえばH2C=CHP(
O)(OH)2;
芳香族基を有するα、β−不飽和ホスホン酸、たとえばH2C=C(C6H5)P(O)(OH)2;
β、γ−不飽和ホスホン酸、たとえばH2C=CHCH2P(O)(OH)2;
2つの二重結合を含有する不飽和ホスホン酸、たとえばC6H5CH=CHCH=CHP(O)(OH)2
;
α、β−不飽和ホスホン酸アミド、たとえばH2C=CHP(O)[N(CH3)2]2;
β、γ−不飽和ホスホン酸アミド、たとえばH2C=C(CN)CH2P(O)(NHCH3)(OC2H5);
α、β−不飽和ホスホン酸エステル、たとえばH2C=CHP(O)(OCH3)2;
β、γ−不飽和ホスホン酸エステル、たとえばH2C=CHCH2P(O)(OCH3)2,H3CP(O)(
OCH2CH=CH2)2またはH2C=CHCH2P(O)(OCH2CH=CH2)2,
β、γ−不飽和ヒドロキシ−およびケト−ホスホン酸エステル、たとえば
H2C=CH(OH)CHP(O)(OCH3)2またはH2C=CH(O)CP(O)(OC2H5)2;
γ、δ−不飽和アルキルおよびシクロアルキル−ホスホン酸エステル、たとえば
H2C=CH(OC2H5)CHCH2P(O)(OC2H5)2または下記式のいずれかの化合物
2つの二重結合または1つの三重結合を含有する不飽和ホスホン酸エステル、た
とえばH2C=C=CHP(O)(OC2H5)2またはH3CC≡CP(O)(OC2H5)2;
α、β−不飽和ホスホノジチオール酸、たとえばH5C2OCH=CHP(O)(SC2H5)2;
α、β−およびγ、δ−不飽和チオホスホン酸エステル、たとえば
H5C6HC=CHP(S)(OCH3)2またはH2C=CH(OH)CP(S)(OC2H5)2;
α、β−不飽和トリチオホスホン酸エステル、
たとえばH5C2OCH=CHP(S)(SOC2H5)2;
β、γ−不飽和ホスホノ酸エステル、たとえばH5C6HP(O)(OCH2CH=CH2),
H5C6P(O)(OCH2CH=CH2)2,H5C2HP(O)(OCH2CH=CH2),H5C2P(OCH2CH=CH2)2;
α、β−不飽和アルキル−およびアリール−ホスホン酸エステルおよびアルキル
−およびアリール−ホスホノアミド、たとえばH3CP(O)(OC4H9)(OCH=CH2)、
H5C6P(O)(OC4H9)(OCH=CH2)、H3CP(O)[N(CH3)2](OCH=CH2)または
H5C6P(O)[N(CH3)2](OCH=CH2);
β、γ−不飽和ヒドロキシ−およびケト−アルキルホスホン酸エステル、たとえ
ば
H3C(OH)CHP(O)(OCH2CH=CH2)2またはH3C(O)CP(O)(OCH2CH=CH2)2;
α、β−およびγ、δ−不飽和亜リン酸エステル、たとえば
H2C=CHOP(OCH3)2またはH2C=CHCH2OP(OCH2CH2CN)2;
2つまたは3つの二重結合または1つ乃至3つの二重結合を含有する不飽和亜リ
ン酸エステル、たとえばP(OH)(OCH2CH=CH2)(OCH2CH=CH2)、
α、β−不飽和リン酸エステル、たとえばH2C=CHOP(O)(OC2H5)2、またはH2C=CCH3
OP(O)(OC2H5)2;C2H5O(O)CH=CCH3OP(O)(OC2H5)2;
2つまたは3つの二重結合を含有するα、β−不飽和リン酸エステル、たとえば
P(O)(OCH=CH2)(OCH=CH2)(OCH=CH2);
1つ乃至3つの二重結合を含有するβ、γ−不飽和リン酸エステル、たとえば
P(O)(OC2H5)(OC2H5)(OCH2CH=CH2),P(O)(OC2H5)(OCH2CH=CH2)(OCH2CH=CH2)、また
は P(O)(OCH2CH=CH2)(OCH2CH=CH2)(OCH2CH=CH2);
下記式のリン酸エステル
β、γ−不飽和N−ホスホロアミド、たとえば
α、β−不飽和チオリン酸エステル、たとえばH2C=CHOP(S)(OC2H5)2または
H2C=CHOP(S)(OCH=C(C2H5)2)2;
β、γ−不飽和チオホスホン酸エステル、たとえばH2C=CHCH2OP(S)(OC2H5)2また
はH2C=CHCH2OP(S)(OCH2CH=CH2)2;
不飽和第三ホスフィン、たとえばC6H5P(CH=CH2)2;
不飽和ホスフィンオキシドおよびホスフィンスルフィド、
たとえばP(O)(CH2CH=CH2)3またはP(S)(CH2CH=CH2)3。
さらに下記式の置換ホスファゼンも適当である
(式中、Rは-NHCH2CH=CH2であり、nは3である)。これらの化合物は下記構造
式を有する:
好ましいリン化合物は下記式の化合物である
〔式中、
X1とX2とは互いに独立的に水素;C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C2-
C5アルケニル(これらはそれぞれ置換されていないか、またはヒドロキシルま
たはシアノによって置換されている);モノ−またはジ−C1-C5アルキルアミ
ノ;またはC2-C5アルケニルオキシ;または下記式の基であり、
A1とA2とは互いに独立的に酸素または硫黄であり、
R1は水素;C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニル(これら
はそれぞれ置換されていないか、またはヒドロキシルまたはシアノによって置換
されている);モノ−またはジ−C1-C5アルキルアミノ;またはC2-C5アルケ
ニルオキシであり;
X3はC1-C5アルキル、C2-C5アルケニルまたはC2-C5アルキニル(これらは
それぞれ置換されていないか、またはヒドロキシル、C1-C5アルコキシ、C2-
C5アルキルカルボニル、C2-C5アルコキシカルボニル、シアノ、C1-C5アル
キルチオまたはフェニルによって置換されている);C3-C5アルキルジエニル
;置換されていないか、またはC1-C5アルキル、C2-C5アルケニルによって置
換されたC1-C5アルコキシ;C2-C5アルケニルオキシ;C2-C5
アルコキシカルボニル;モノ−またはジ−C1-C6アルキルアミノ;モノ−また
はジ−C2-C5アルケニルアミノ;モノ−またはジ−C1-C6アルキルアミノ;置
換されていないか、またはヒドロキシル、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルキル
カルボニル、C2-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルキルチオまたはフェニ
ルによって置換されたフェニル;または下記式のいずれかの基である〕。
最も好ましい式(1)のリン含有化合物は下記により定義されるものである:
X1とX2とが互いに独立的に水素;C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C2-
C5アルケニル(これらはそれぞれ置換されていないか、またはヒドロキシルま
たはシアノによって置換されている);モノ−またはジ−C1-C5アルキルアミ
ノ;またはC2-C5アルケニルオキシであり;
A1が酸素であり;
R1が水素;C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C2-C5アルケニル(これら
はそれぞれ置換されていないか、またはヒドロキシルまたはシアノによって置換
されている);モノ−またはジ−C1-C5アルキルアミノ;またはC2-C5アルケ
ニルオキシであり;
X3がC1-C5アルキル、C2-C5アルケニルまたはC2-C5アルキニル(これらは
それぞれ置換されていないか、またはヒドロキシル、C1-C5アルコキシ、C2-
C5アルキルカルボニル、C2-C5アルコキシカルボニル、シアノ、
C1-C5アルキルチオまたはフェニルによって置換されている);C3-C5アルキ
ルジエニル;置換されていないか、またはC1-C5アルキル、C2-C5アルケニル
によって置換されているC1-C5アルコキシ;C2-C5アルケニルオキシ;C2-C5
アルコキシカルボニル;モノ−またはジ−C1-C6アルキルアミノ;モノ−また
はジ−C2-C5アルケニルアミノ;モノ−またはジ−C1-C6アルキルアミノ;置
換されていないか、またはヒドロキシル、C1-C5アルコキシ、C2−C5アルキ
ルカルボニル、C2-C5アルコキシカルボニル、C1-C5アルキルチオまたはフェ
ニルによって置換されているフェニルである。
リン含有化合物は単独で使用してもよいし、また異なる化合物の混合物として
使用してもよい。
C1-C5アルキル、C1-C5アルコキシ、C1-C5アルキルチオ、モノ−C1-C5
アルキルアミノおよびジ−C1-C5アルキルアミノの代表例は以下のものである
。メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル
、tert−ブチル、アミルまたはイソアミル;またはメトキシ、エトキシ、イ
ソプロポキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシまたはtert−アミルオキ
シ;またはメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオまたはブチルチオ;またはメ
チルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、エチルア
ミノ、ジプロピルアミノまたはジブチルアミノ。
C2-C6アルケニルの例はアリル、プロペニル、ブテニルまたは好ましくはビ
ニルである。
C2-C5アルカノイルの例はアセチルまたはプロピオニルである。
C2-C5アルキニル基の例はエチニルまたは2−プロピオニルである。
C3-C5アルキルジエニルの例はプロピルジエニルまたは1、3−ブタジエニ
ルである。
下記の有機材料が本発明のプラズマ化学的処理に適する:
1.モノオレフィンおよびジオレフィンの重合体、たとえばポリプロピレン、ポ
リイソブチレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリイソプ
レンまたはポリブタジェン、さらにはシクロオレフィンたえばシクロペンテンま
たはノルボルネンの重合体;ポリエチレン(これは場合によっては架橋されうる
)、たとえば高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE
)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、枝分かれ低密度ポリエチレン(B
LDPE)など。
ポリオレフィン類、たとえば上記したモノオレフィンの重合体、好ましくはポ
リエチレンおよびポリプロピレンは各種の方法、特に、下記の方法によって製造
することができる:
(a)ラジカル重合(通常は、高圧高温下において実施される)、
(b)通常、周期表のIVb,Vb,VIbまたはVIII族の1種またはそれ
以上の金属を含有する触媒を使用した触媒重合。これらの金属は、通常1つまた
はそれ以上の配位子、たとえば酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル
、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリール(これはπ
−またはσ−配位されうる)を有する。これらの金属錯塩は遊離の形態または基
質に固定された、たとえば活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、アルミ
ナまたは酸化ケイ素に固定された形態でありうる。これらの触媒は、重合媒質に
可溶性または不溶性でありうる。触媒は、重合時において、そのままで使用する
こともできるし、またさらに賦活化剤を使用することができる。賦活化剤の例は
金属アルキル、金属
水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アリキル酸化物または金属アルキル
オキサンなどであり、これらの金属は周期表のIa,IIaまたはIIIa族の元素で
ある。賦活化剤は、さらにエステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基
によって変性されていてもよい。これらの触媒系は、通常Phillips,Standard O
il IndianaによりZiegler(-Natta)触媒、TNZ(Du Pont)触媒、メタロセン触媒ま
たはシングルサイト触媒(SSC=singlesite catalysts)と呼ばれている。
2.上記(1)において例示した重合体の混合物、たとえばポリプロピレンとポ
リプロピレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレン(たとえばPP/HD
PE,PP/LDPE)および異種タイプのポリエチレンの混合物(たとえばL
DPE/HDPE)。
3.モノオレフィンとジオレフィンとの相互の共重合体、または他のビニルモノ
マーとの共重合体、たとえばエチレン−プロピレン共重合体、線状低密度ポリエ
チレン(LLDPE)およびこれらと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合
物、プロピレン/ブテン−1共重合体、プロピレン/イソブチレン共重合体、エ
チレン/ブテン−1共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/メチル
ペンテン共重合体、エチレン/ヘプテン共重合体、エチレン/オクテン共重合体
、プロピレン/ブタジェン共重合体、イソブチレン/イソプレン共重合体、エチ
レン/アルキルアクリレート共重合体、エチレン/アルキルメタクリレート共重
合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体およびこれらと一酸化炭素との共重合体ま
たはエチレン/アクリル酸共重合体ならびにそれらの塩(イオノマー)、さらに
はエチレンとプロピレンおよびジエンたとえばヘキサジエン、ジシクロペンタジ
エンまたはエチリデン−ノルボルネンとのターポリマー
;および
これら共重合体相互の混合物、および上記(1)で例示した重合体との混合物
、たとえば、ポリプロピレン/エチレン−プロピレン共重合体、LDPE/エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸共重合
体(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAAおよび交互的またはラ
ンダムなポリアルキレン/一酸化炭素共重合体およびこれらと他の重合体たとえ
ばポリアミドとの混合物。
4.炭化水素樹脂(たとえばC5-C9)。これらは、その水素化変性体(たとえ
ば粘着付与剤)を含む。およびポリアルキレンとスターチとの混合物。
5.ポリスチレンポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
6.スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンまたはアクリル誘導体との共重
合体、たとえばスチレン/ブタジェン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン
/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジェン/アルキルアクリレート,ス
チレン/ブタジェン/アルキルメタクリレート、スチレン/無水マレイン酸、ス
チレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレン共重合体と他の重合
体たとえばポリアクリレート、ジエン重合体またはエチレン/プロピレン/ジエ
ンターポリマーとの耐衝撃性混合物;およびスチレンのブロック共重合体、たと
えばスチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチ
レン/エチレン/ブチレン/スチレンまたはスチレン/エチレン/プロピレン/
スチレン。
7.スチレンまたはα−メチルスチレンのグラフト重合体、たとえばポリブタジ
ェンにスチレンをグラフトしたグラフト重合体、ポリブタジェン−スチレンまた
はポリブタジェン−アクリロニトリルにスチレンをグラフトしたグラフト
重合体;ポリブタジェンにスチレンとアクリロニトリル(またはメタクリロニト
リル)とをグラフトしたグラフト重合体;ポリブタジェンにスチレン、アクリロ
ニトリルおよびメチルメタクリレートをグラフトしたグラフト重合体;ポリブタ
ジェンにスチレンと無水マレイン酸とをグラフトしたグラフト重合体;ポリブタ
ジェンにスチレン,アクリロニトリルおよび無水マレイン酸またはマレインイミ
ドをグラフトしたグラフト重合体;ポリブタジェンにスチレンとマレインイミド
とをグラフトしたグラフト重合体;ポリブタジェンにスチレンとアルキルアクリ
レートまたはアクリルメタクリレートとをグラフトしたグラフト重合体;エチレ
ン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレンとアクリロニトリルとをグラフ
トしたグラフト重合体;ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリ
レートにスチレンとアクリロニトリルとをグラフトしたグラフト重合体、アクリ
レート/ブタジェン共重合体にスチレンとアクリロニトリルとをグラフトしたグ
ラフト重合体、ならびにこれらと(6)で上記した共重合体との混合物、たとえ
ばABS、MBS、ASAまたはAESポリマーとして公知の共重合体混合物。
8.ハロゲン含有重合体、たとえばポリクロロプレン、塩化ゴム、塩素化または
スルホ塩素化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンとの共重合体、エピクロ
ロヒドリンの単独重合体および共重合体、特にハロゲン含有ビニル化合物の重合
体、たとえばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフ
ッ化ビニリデン;さらには塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニ
ルまたは塩化ビニリデン/酢酸ビニル共重合体のごときそれらの共重合体。
9.α、β−不飽和酸およびそれらの誘導体から誘導された重合体、たとえばポ
リアクリレートおよびポリメタクリレート;ポリメチルメタクリレート、ポリア
クリルアミドおよびポリアクリルニトリル、酢酸ブチルで耐衝撃変性された誘導
体。
10.上記(9)で例示したモノマーの相互の共重合体、または他の不飽和モノ
マーとの共重合体、たとえばアクリロニトリル/ブタジェン共重合体、アクリロ
ニトリル/アルキルアクリレート共重合体、アクリロニトリル/アルコキシアル
キルアクリレート共重合体、アクリロニトリル/ハロゲン化ビニル共重合体、ま
たはアクリロニトリル/アルキルメタクリレート/ブタジェンターポリマー。
11.不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル誘導体またはそのアセタ
ールから誘導された重合体、たとえばポリビニルアルコール、ポリビニルアセテ
ート、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポイビニルマレエー
ト、ポリビニルブチラール、ポリアリルフタレートまたはポリアリルメラミン;
さらにはそれらの上記(1)で例示したオレフィンとの共重合体。
12.環式エーテルの単独重合体または共重合体、たとえばポリアルキレングリ
コール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、またはこれらとビス
グリシジルエーテルとの共重合体。
13.ポリアセタール、たとえばポリオキシメチレン、およびコモノマーとして
の酸化エチレンを含有するポリオキシメチレン;サーモプラスチックポリウレタ
ン、アクリレートまたはMBSによって変性されたポリアセタール。
14.ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド、およびスチレン重合体または
ポリアミドとポリフェニレンオキシドとの混合物。
15.一方がヒドロキシル末端ポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジェ
ン、そして他方が脂肪族または芳香族ポリイソシアネートから誘導されポリウレ
タン、ならびにそれらの前駆体。
16.ジアミンとジカルボン酸および/またはアミノカルボン酸または対応する
タクタムから誘導されたポリアミドおよびコポリアミド、たとえばポリアミド4
、ポリアミド6、ポリアミド6/6,6/10,6/9,6/12,4/6,1
2/12,ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレンジアミンとアジピン
酸とから出発した芳香族ポリアミド;変性剤としてのエラストマーを加えたまた
は加えない、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸および/またはテレフタル
酸とから製造されたポリアミド、たとえばポリ−2、4、4−トリメチルヘキサ
メチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;上記
ポリアミドとポリオレフィン、オレフィン共重合体、イオノマーまたは化学的に
結合されたまたはグラフトされたエラストマーとのブロック共重合体;あるいは
ポリエーテルたとえばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまた
はポリテトラメチレングリコールとのブロック重合体;さらにはEPDMまたは
ABSによって変性されたポリアミドまたはコポリアミド;および加工中に縮合
されたポリアミド(RIMポリアミド系)。
17.ポリウレア、ポリイミド、ポリアミド−イミドおよびポリベンゾイミダゾ
ール。
18.ジカルボン酸とジアルコールおよび/またはヒドロキシカルボン酸または
対応するラクトンから誘導されたポリエステル、たとえばポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1、4−ジメチロイルシクロヘキ
サンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、さらにはヒドロキシル末端
ポリエーテルから誘導されたブロックポリエーテルエステル;およびポ
リカーボネートまたはMBSによって変性されたポリエステル。
19.ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
20.ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
21.一方がアルデヒド、そして他方がフェノール、尿素およびメラミンから誘
導された架橋重合体、たとえばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ホル
ムアルデヒド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
22.乾性および非乾性アルキド樹脂。
23.飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールおよび架橋剤としてのビ
ニル化合物との共重合体から誘導された不飽和ポリエステル樹脂、さらにまたそ
れらの低燃焼性ハロゲン含有変性体。
24.置換アクリレート、たとえばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレー
トまたはポリエステルアクリレートから誘導された架橋アクリル樹脂。
25.メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂によっ
て架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリレート樹脂。
26.ポリエポキシド、たとえばビスグリシジルエーテルまたは環式脂肪族ジエ
ポキシドから誘導された架橋エポキシ樹脂。
27.天然高分子、たとえばセルロース、天然ゴム、ゼラチンおよびこれらの化
学変性された同族誘導体、たとえばセルロースアセテート、セルロースプロピオ
ナート、セルロースブチラート、またはセルロースエーテル、たとえばメチルセ
ルロース;さらにはロジンおよびその誘導体。
28.上記した重合体のブレンド品(ポリブレンド)、たとえばPP/EPDM
,ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVC/ABS,PV
C/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、
PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/サーモプラスチックPUR、
PC/サーモプラスチックPUR、POM/アクリレート、POM/MBS,P
PO/HIPS,PPO/PA6.6および共重合体、PA/HDPE,PA/
PP、PA/PPO。
本発明の方法は、特に各種形状の紡織繊維材料、たとえば繊維、糸、スプール
、不織布、編物、織布あるいは完成衣料あるいは家具用布、たとえばカーペット
、家具用上張り、カーテン、布被覆壁紙などの難燃加工に好適である。
仕上げ加工される繊維材料は天然、合成、または両者の混合繊維材料でありう
る。適当な天然繊維材料は、特にケラチン含有またはセルロース繊維材料(再生
セルロースから得られたものを含む)であり、例えばリネン、大麻、サイザル、
ラミーおよび、好ましくは、ウール、木綿および/または人造絹糸、ビスコース
レーヨンまたはビスコースファイバーなどである。
純粋なセルロース繊維のほかに、セルロース繊維と合成繊維との混合物も適宜
に使用できる。この場合、セルロース成分は混合物の好ましくは20乃至80重
量%である。適当な合成繊維の例はポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン
、アクリロニトリル共重合体、または最も好ましくはポリアクリロニトリルであ
る。さほど好ましくはないが、同じく使用可能である繊維材料は酢酸セルロース
繊維、たとえば第二酢酸セルロースまたはトリ酢酸セルロース、さらには架橋さ
れたポリビニルアルコール、たとえばポリビニルアルコールの酢酸エステルまた
はケタールなどである。
しかしながら、セルロース繊維およびその合成繊維との混合物の他に、純粋な
合成繊維材料、特にポリエステルまたは特に好ましくはポリアクリロニトリル、
アクリロニトリル共重合体またはポリオレフィンから製造された繊維材料が最も
好ましい繊維材料である。
ポリエステル繊維材料は主としてテレフタル酸から、典型的にはポリ(エチレ
ングリコールテレフタレート)またはポリ(1、4−シクロヘキシレンジメチル
テレフタレート)から誘導される。
アクリロニトリル共重合体は、共重合体を基準にして、アクリロニトリルを通
常は50重量%、好ましくは少なくとも85重量%含有する。この共重合体は、
特にその製造のためにコモノマーとして使用される化合物が他のビニル化合物、
典型的には塩化ビニル、塩化ビニリデン、メタクリレート、アクリルアミドまた
はスチレンスルホン酸であるものである。
ポリオレフィン繊維は、特にステープルまたはフィラメントの形状の混合され
たか、または混合されていないポリプロピレン繊維が好ましい。
本新規プラズマ化学的難燃加工法のためには、乾燥した末処理の有機材料をプ
ラズマ反応器の中に入れるのが好都合である。このための反応器の構造および組
み立て自体は、たとえば下記の文献から公知である:
J.A. Thornton, Thin Solid Films, 107(1),3(1983),または
A.Rutscher(編集): Wissensspeicher Plasmatechnik, VEB Fachbuchverlag, ラ
イプチッヒ(1983)。
本発明の方法のためには、2つの平行な電極(平行なプレート電極)を備えて
いる反応器を使用するのが好ましい。電極間隔は通常可変であり、1乃至30c
m,好ましくは2乃至10cmである。電流は容量的または誘導的に結合され得
、そして通常下側(基板)電極(=カソード)に印加され、上側電極(=アノー
ド)は好ましくはいわゆる
”plasma douche”である。
被処理有機材料は基板電極上に置かれる。そのあと、反応器を閉じ、そして機
械的真空ポンプを使用して10乃至20分間、少なくとも10-3ミリバーるの圧
力に到達するまで減圧する。
有機材料は片面処理もできるし、両面処理もできる。
工程は連続式またはバッチ式に実施することができる。
バッチ操作の場合には、プラズマ帯域を通過する前に材料を巻物から引き出し
、そしてプラズマ帯域に案内し、その後第二のボビンに巻き上げる。
連続操作の場合(たとえば、ロール巻きポリマーフィルムまたは織物ウエブの
処理の場合)には、品物が導入され、そして処理完了時に再び容易に案内される
ことができるように特別な真空ポートが設けられる。
連続式の場合もバッチ式の場合も材料が片面または両面処理されるように、電
極は配置される。材料は両面処理されるのが好ましい。
所望低分子化合物を蒸発器るつぼに秤取し、そして予熱した蒸発源の中に置く
。蒸発源の温度は低分子化合物の流量を決定するものでもあり、流量は通常1乃
至25sccm/min.(sccm="standard cubic centimeter":標準立方センチ)、好ま
しくは5乃至10sccm/min.である。低分子化合物は通常不活性キャリヤガス、
たとえばアルゴン、ヘリウムまたはこれら不活性ガスの混合物によって希釈され
る。不活性キャリヤーガスの流量は、スループットメーターによって測定される
。低分子化合物:不活性ガス(混合物)の比は、通常は1:10,好ましくは1
:2である。
清浄のために、基質表面を1乃至5分間、好ましくは1乃至2分間、不活性ガ
スプラズマ、たとえば酸素、ヘリウムまたはアルゴンプラズマ、またはこれらの
ガス混合物の不活性ガスプラズマによって予備処理することができる。このあと
、
そのプラズマを消滅させる。次に、低分子リン化合物と不活性ガスとの所望の気
体混合物を反応器中に流入し、そしてプラズマ処理の間、流量を予定値、すなわ
ち1乃至25、好ましくは5乃至20sccm/min.に調節しながら反応器内を通過
させる。プラズマ処理の間の反応器内の圧力は、通常10-3乃至5ミリバール、
好ましくは10-1乃至1ミリバールである。
実際のプラズマは、電極に可変電流を印加することによって発生される。電極
には直流(DC)も交流(AC)も印加でき、そしてトランスミッターを用いて
1KHz乃至3GHzの周波数が発生されうる。1KHz乃至120KHz,13.56MHz
,27.12MHzまたは2.45GHzの周波数を使用するのが好ましい。ガス混合
物と一緒にグロー放電が反応器内で起こる。この時にエネルギーリッチなイオン
、フォトンならびに高反応性中性分子またはラジカルが発生され、これが有機材
料の表面に作用する。しかして、所望の高分子膜が有機材料の表面上に析出する
。
電力も約0.1乃至1W/cm2の範囲、好ましくは約0.1乃至0.3W/cm2の範
囲において可変である。
析出時間、すなわち有機材料がプラズマに被ばくされる時間は1乃至15分間
、好ましくは2乃至10分間でありうる。
本低温プラズマ処理は下記条件下において実施するのが好ましい。
圧力(p): 0.1乃至1ミリバール
電力(P): 0.1乃至1W/cm2
低分子化合物の流量(F): 1乃至25sccm/min.
処理時間(t): 1乃至25分間(min.)
処理の終了時に、プラズマを消し、そしてガスの供給を止める。反応器の真空
は、通常0.1乃至0.01ミリバールの圧力において1乃至10分間継続する
。このあと、反応器を通気し、そして基質の重量増加と蒸発器るつぼ内の低分子
化合物の重量減少とを測定する。これらのデータから低分子化合物の被処理量な
らびに有機基質上に付加されたリンの量を求めることができる。
本発明の方法によると、非常に広範な種類の有機基質を、それらの他の性質に
悪影響を及ぼすことなく、効果的に難燃加工され、しかも基質上のリンの総含量
は従来の方法に比較してはるかに少ない。
さらに本発明は、重合体構造のハロゲンを含有していないリン含有膜の製造方
法にも関する。本方法は、ハロゲンを含有していないリン化合物から選択された
少なくとも1種の揮発性低分子化合物を低温プラズマ処理にかけ、そのプラズマ
処理から得られる膜を有機基質の上に析出させることを特徴とする。
以下の実施例によって本発明を説明する。実施例1
コーティングのために、ポリプロピレン基質(190.4cm2,厚さ:90
μm,重量:1852mg)を平行プレート反応器内の荷電された下側電極の上
に置き、そして反応器を15分間少なくとも10-3ミリバールに減圧した。この
時間の間に、ジメチルビニルホスホナートの3456mgを蒸発器るつぼ内に秤取
し、上側電極上に配置された蒸発源に加えた。蒸発源は停止弁つきヘリウムキャ
リヤーガスラインを具備している。この蒸発源は、サーモスタットによって25
℃の温度に調節された。この温度はコーティング作業中約10nccmモノマーのモ
ノマーフローに相当する。ヘリウムガス自体は質量フローコントローラーによっ
て制御されており、20sccm/min.の流量で流れる。
基質表面を清浄化するため、下記の条件下において酸素プラズマによる前処理
を実施した:
流量(F) 20sccm/sccm
圧力(p): 0.1ミリバール
電流(P): 85W(0.3W/cm2に相当)
処理時間(t): 2分間
この後、プラズマを消し、モノマーチャンバーの弁をシャージに開き、同じく
蒸発源へのヘリウムキャリヤーガスラインの停止弁を開き、そしてプラズマを再
度発火させた。圧力を0.5ミルバールに調整した。
5分間のコーティング時間後、プラズマを消し、蒸発源チャンバーの弁とヘリ
ウムキャリヤーガスラインの停止弁とを閉じ、そして5分間約0.2ミリバール
において真空を続けた。その後、反応器を通気し、基質を取り出し、秤量をした
。基質の重量増加は33mgであった。ついで、蒸発器るつぼを外し、そして低分
子化合物の重量損失を測定した。残存量は3188mgであり、したがって、モノ
マーの消費量は268mgであった。よって、基質表面上の収率は12.3%,電
極面積を基準にした総収率は20.3%である。
リンの総量 0.55重量%(出発物質<0.01%)
LOI(=limiting oxygen index) 19.9(出発物質 18.2)
LOIを測定する試験は、基質を連続燃焼させるために必要な窒素−酸素大気
中の酸素の最少量を測定することからなる。連続燃焼のために必要な酸素量は、
基質の燃焼挙動と正比例関係にある。すなわち、燃焼に要する酸素が少ないほど
、その基質の可燃性は大である。換言すれば、LOIが高くなるほど、可燃性は
低下する。
測定されたLOIは、本発明の方法によって処理された材料が効果的に難燃加
工されたことを示している。実施例2−5
コーティングのために、洗濯された、165g/m2の単位面積当り重量を有し、
145℃において固着されたメラクロン(meraclone)-ポリプロピレン織布を、平
行プレート反応器内の荷電された下側電極の上に置き、そして実施例1に記載さ
れた操作に従ってヘリウムプラズマを用いて2分間前処理した。
そのあと、下記の析出条件下において、プラズマ処理を実施例1に記載したよ
うにして行った:
プラズマガス/キャリヤーガス ヘリウム
モノマー: ジメチルビニルホスホナート
流量(F): 20sccm
動作圧力: 0.1トル
析出時間 基質片面につき15分間
モノマー流量と電力とを変えることによって下記の結果を得た(表1)。
析出後、ヘリウムプラズマを用いて後処理を5分間実施した。
表に記載したLOI値は、本発明の方法によって処理された材料が効果的に難
燃加工されていることを示す。
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,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MN,NO,
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