JPH09506526A - 靴、とりわけスキー靴用支承板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 この発明は、靴の支承板（とりわけ、アルペンスキー靴の締め具に連設される支承板）に関する。その横断面において、支承板は側方区域（８、９）によって縁取られる中央区域（７）を有する。この支承板の特徴は、中央区域が比較的硬質であり、側方区域が弾性変形可能なことである。これらの区域は減摩性材料（10）から成る柔軟な薄板部材で覆われる。

Description

【発明の詳細な説明】 靴、とりわけスキー靴用支承板 本発明は、靴（とりわけ、スキーのような滑走用スポーツに使用される靴）の ための支承板に関する。 このようなスポーツは、スキーヤーの靴を保持要素で支承状態に保持する滑走 用ボードを用いて実施される。さらに、各々の靴は、靴を受け容れるために特別 に設置される支承面上に乗る。靴は、通常、その前端部と後端部の辺りにそれぞ れ位置する２の支承板上に乗る。 靴が引き外し可能な保持要素に連設される支承板にとって、靴とその支承部の 間で滑動摩擦を可能な限り減少させることが重要である。実際、この摩擦は、靴 の解放を遅らせることがある。この目的で、ある種の支承板は、例えばポリテト ラフルオロエチレンのような減摩材から成る薄膜または薄板で被覆される。この 種の支承板は、フランス国公開特許出願第2150314号により公知である。 別の支承板は、長手方向ヒンジ連結軸を中心として揺動可能に取り付けられる 上面を有するという特徴をもつ。例えば、フランス国公開特許出願第2656225号 には、下部板に対して長手方向軸を中心として枢動可能に取り付けられる上部板 を有する支承板についての記載がある。その上、緩衝材料のブロックが上部分を 名目水平位 置に保持する。この装置は、スキーヤーの使い心持ちを改善できるようにする。 また、この種の装置が或る種の転倒（とりわけ、「前方捩じれ転倒」と呼ばれる 転倒形態においてスキーヤーを保護するのに役立つと考えられている。実際、こ の種の装置がスキー靴の解放を容易にし、かつスキーヤーの膝が酷い怪我になる ことを避けると考えられている。 この構造の欠点の１つは、構造が比較的複雑であるということである。実際、 ヒンジ連結軸を介して互に連結される上部板と下部板の２の板部材が使用される 。さらに、この構造は、多数の間隙を有し、この間隙に雪や埃が侵入して、その 機能を阻害することがある。 本発明は、この種の装置を改良することを目的とする。したがって、本発明の 目的の一つは、格別簡単な構造を有するこの種の支承板を提案することにある。 本発明の別の目的は、雪や氷に対するより良好な保護を提供する支承板を提案 することにある。 これらの目的は、請求の範囲１によれば、並置される３の中実区域（すなわち 、１の中央区域と２の側方区域）からなる支承板を作ることにより達成される。 中央区域は靴を支承するために比較的硬く、また少なくとも１の側方区域は、靴 の側方傾動による応力の作用でたわむよう弾性変形可能である。 本発明の別の目的は、側方解放の場合、靴にとって弱い摩擦しか生じない支承 板を提案することにある。 本発明の二義的な目的は、比較的簡単に製造できる支承板を提案することにあ る。 この目的は、本発明によれば、側方区域を中央区域に追加成形（デュプリケー トモールド）することにより達成される。 本発明のその他の目的と利点は、以下の記述の中で明らかとなろう。 本発明は、以下の記載およびその構成部分を成す添付の図面を参照することに より、より良く理解されよう。 第１図は、本発明の図示例として、アルペンスキー板の前部締め具要素に連設 される支承板を示す。 第２図は、本発明の非限定的な実施例による支承板の垂直横断面図である。 第３図は、第２図の支承板の機能を示す図である。 第４図は、一変形実施態様を示す。 第５図から第８図までは、別の諸変形実施態様を示す。 本発明の非限定的な図示例として、第１図は前部締め具要素１を示す。この要 素は公知型式のものであるので、詳細に記述しないことにする。該要素は、本体 ３に担持される靴の保持用顎部２を有する。本体は、スキー板に一体連結される 台座４に取り付けられる。台座は、靴底を乗せる支承板５を介して後方へ伸び出 ている。支承板は、通常、顎部の少し後方に位置しており、かつ靴底の前部の規 格化された区域がその上に乗る。 第２図および第３図は、本発明の第一の実施態様による支承板５の横断面図で ある。これら諸図では、靴底を鎖線６で略示しておく。 この実施態様によれば、支承板は横断方向に並置される３の区域（すなわち、 ２の側方区域８と９で縁取られる中央区域７）を有する。 ここでは、中央区域７は靴の幅の中央部辺りに位置する。各側方区域は中央区 域の側部から支承板の端の縁部まで延在する。 中央区域は硬質材料の棒部材からなる。 ２の側方区域自体は弾性変形可能な材料で製作される。 ３の区域は中実である。すなわち、雪や埃などが侵入する可能性のある開口部 または空隙部が残されていない。 中央区域の幅および材料の硬さは、該中央区域がこの箇所で靴底を介して伝達 されるスキーヤーの体重を支えることができるように選択される。第２図に示す ように、この中央区域は、顕著に膨らんだ上面を有する。 棒部材は、締め具要素で画成される長手方向に沿って方向づけられる。しかし ながら、この方向に対して僅かに傾斜してもよい。さらに、その側面７ａ、７ｂ は平行状、あるいは収斂状または放散状であってもよい。靴を支承する棒部材の 上面は、長手方向に沿って、平坦または膨らんでいてもよい。 側方区域の材料の硬さは、対象区域が靴の側方捩じり応力の作用でたわむよう に選択される。この状態を第３図に示す。 側方区域の材料の硬さは、２の区域で同一であるか、または異なっていてもよ い。 側方捩じりの場合、靴は、支承板の中央区域により支持される中央部分を中心 として傾動し、外方へ向かう部分は下降する。中央棒部材７の膨らんだ形状によ り、靴の傾動が容易になり、かつどの場合にも、鋭い稜部を中心とする傾動が避 けられる。 靴の運動のこのような可能性により、或る種の転倒の形態（特に締め具内で靴 の捩じりを伴う前方捩じり転倒）における靴の解放を容易にすること、したがっ て、スキーヤーの膝の保護が向上することが考えられる。 第２図および第３図に示されるように、中央区域と側方区域は、減摩材（例え ば、ポリテトラフルオロエチレン）の薄層10で被覆される。この薄板は、支承板 の上面で一種の柔軟な薄皮になる。 さらに、好ましい一実施態様によれば、この薄板の中央区域と側方区域は、こ の側方区域の層厚の一部分上で該側方区域の縁部に沿って立ち上がる側方折返し 縁部12を有する台座11により担持される。この折返し縁部は、とりわけ、１の側 方区域がたわむとき、外方へ向かう変形可能な材料のクリープ（fluage）を阻止 する。 支承板５の各種要素間の組付けは、何らか適宜な手段 で実施される。中央棒部材と側方区域の材料とは互に親和性（適合性）を有する （すなわち、側方区域の材料は中央区域の棒部材７に追加成形（デュプリケート モールド）できる）のが有利であり、また減摩性薄板の組立は、側方区域の材料 の加硫または重合の際に実施される。例えば、中央棒部材は、「デルラン（DELR IN）」と言う商品名で知られている材料、またはガラス繊維を充填したポリアミ ド、例えば「リルサン（RILSAN）」の商品名で知られているポリアミドでできて おり、かつ側方区域は熱硬化性ゴムで作られる。 第４図は、中央区域が、弾性変形可能な材料で作られるが、側方区域14と15の 硬度よりも高い硬度の棒部材13から成る一変形実施態様を示す。中央棒部材に緩 衝特性を持たせてもよい。 このようにして、支承板は、側方傾動できる以外に、垂直方向に沿って比較的 柔軟性を有し、また場合によっては垂直緩衝性をも有する。 中央棒部材13と側方区域14、15の材質は互に適合性を有する（すなわち、側方 区域は中央棒部材に追加成形を施して形成する）のが有利である。例えば、中央 区域と２の側方区域は、連続する２回の型込めまたは射出成形により２段階で形 成される。 例えば、中央棒部材は硬度の高い熱硬化性ゴムで作られ、また側方区域はそれ よりも硬度の低い熱硬化性ゴムで作られる。 第５図は、中央区域を形成する棒部材16の下面が同じく膨らんでいる一変形実 施態様を示す。この場合、１の側方区域がたわむことにより、棒部材が、僅かで はあるが、それ自体を中心として枢動するに至る。 第６図は、中央棒部材18が支承板の縁部の一方にまで連続的に伸び出ている別 の一変形態様を示す。反対側には、この棒部材18よりも硬度が比較的低い側方区 域19が存在する。 第７図は一変形実施態様を示す。この変形態様によれば、中央棒部材21の幅は 明らかにもっと広く、締め具要素の中央長手方向軸に対してずれた位置を占める 。例えば、棒部材21は足の内側の方へずれている。このことにより、側方区域23 はもう一方の側方区域22よりも狭い。したがって、外側へ向かう足の傾動は、内 側へ向かう足の傾動よりも容易である。第７図で示すように、棒部材21は、傾斜 した上面を有してもよい。 第８図は、本発明の一変形実施態様による支承板の横断面を示す。 この変形態様によれば、台座25と中央区域26は単一成形体（モノブロック）で ある。 この台座は、支承板の高部の一部分に沿って上昇する折返し縁部27、28を各々 の側方縁部上に有する。 この折返し縁部27、28は、内側へ向かって延在する折返し部29、30をその上部 分に有する。 中央区域26の両側には、弾性変形可能な材料でできた ２のブロックが占める側方区域が存在する。この材料は例えば熱硬化性ゴムであ る。 このブロックは、例えば台座の底部に乗せられる。また、このブロックは接着 または機械的手段によって台座に組付けてもよい。 支承板は、その上部に、諸区域を覆う薄板を有する。 この薄板は、その側方縁部に沿って下降し、かつ折返し部29と30の下に嵌入す る側壁部33と34を有する。両側壁部は支持体と薄板との連結を保証する。 該薄板は、可撓性材料で作られる。この薄板は、長手方向に方向づけられる厚 みの薄い折たたみ線（lignes de pliages de faible epaisseur）36を中央区域2 6一帯に有するのが好ましい。 これら折たたみ線は、この箇所において、側方区域のいづれか一方がたわむと き、薄板の撓曲を容易にする。 減摩性材料の薄膜40をなんらか適宜な手段（例えば、接着）によって薄板の上 面に連結する。 この薄膜は薄板の撓曲と共に変形する。 これまで述べてきた諸変形実施態様を組み合わせてもよいことは言うまでもな い。さらに、本発明は、上述した諸実施態様に限定されるものではなく、それ以 外の数多くの変形が可能である。 特に、上述した装置は、靴のいかなる前部支承装置または後部支承装置（とり わけ、探触子、または或る種の る。 そのうえ、減摩性材料の薄膜を長手方向または横断方向に方向づけられる形材 で置き換えることもできよう。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．滑走スポーツ靴の締め具要素用支承板であって、上面に靴の支承面を提供し 、前記上面は靴の側方傾動作用により側方へ傾動できるものにおいて、 前記支承板は１の側方区域（19）あるいは２の側方区域（８、９；14、15； 22、23）によって縁取られる中央区域（７、13、16、18、21）を有し、 前記中央区域は比較的硬質で、垂直方向に沿って靴を支持することができ、 かつ一側方区域または両側方区域は靴の側方傾動作用により弾性変形可能であり 、 前記中央区域と一側方区域または両側方区域が、靴を支承する働きをするた めに、柔軟な外皮（10）で覆われることを特徴とする締め具要素用支承板。 ２．前記中央区域が比較的硬質の棒部材（７）であることを特徴とする請求項１ による締め具要素用支承板。 ３．前記側方区域（８、９）が、前記硬質の棒部材の追加形成により作られるこ とを特徴とする請求項２による締め具要素用支承板。 ４．前記中央区域（13）と前記側方区域（14、15）が密度の異なる弾性変形可能 な材料で作られることを特徴とする請求項１による締め具要素用支承板。 ５．前記中央区域（13）と前記側方区域（14、15）が、互いに追加成形可能な親 和性を有する材料で作られ ることを特徴とする請求項４による締め具要素用支承板。 ６．前記中央区域がその両側を前記側方区域によって縁取りされる場合、前記側 方区域の一方（23）が他方（22）より幅狭であることを特徴とする請求項１によ る締め具要素用支承板。 ７．前記中央区域がその両側を前記側方区域によって縁取りされる場合、前記側 方区域の一方が他方より低硬度であることを特徴とする請求項１による締め具要 素用支承板。 ８．前記支承板が減摩性材料から成る柔軟な薄板部材（10）で覆われることを特 徴とする請求項１ないし７のいずれか１による締め具要素用支承板。 ９．弾性変形可能な区域の各々が硬質の折返し縁部で側方を縁取られることを特 徴とする請求項１ないし８のいずれか１による締め具要素用支承板。