JPH09505073A

JPH09505073A - リノール酸亜鉛を含有する皮膚疾患治療用組成物

Info

Publication number: JPH09505073A
Application number: JP7514275A
Authority: JP
Inventors: デレックブライス−スミス
Original assignee: カッパファーマシューティカルズリミテッド
Priority date: 1993-11-18
Filing date: 1994-10-28
Publication date: 1997-05-20
Also published as: GB9323808D0; WO1995013806A1; EP0727991A1; US5792449A

Abstract

(57)【要約】薬剤上許容されるキャリア中にリノール酸亜鉛および遊離のリノール酸を含有する皮膚疾患治療用組成物が開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】リノール酸亜鉛を含有する皮膚疾患治療用組成物本発明は、亜鉛を含有し皮膚疾患を治療するための組成物に関する。従来から存する亜鉛含有クリームや軟膏は酸化亜鉛の形態で亜鉛を含有している。酸化亜鉛は、亜鉛の形態としては、水、脂質および非極性溶媒に極めて溶けにくく、したがって、単に薬剤キャリア（担体）中に懸濁させて白色の軟膏またはクリームを調製しているので皮膚中に吸収される度合が低く、使用後に皮膚に見苦しい沈着物を残す。本発明は、少なくともかなりの程度、このような問題を解消する。本発明に従えば、薬剤上許容されるキャリア中にリノール酸亜鉛および遊離のリノール酸を含有することを特徴とする皮膚疾患治療用の組成物が提供される。リノール酸亜鉛は、白色で脂溶性の亜鉛形態であり、皮膚中に容易に吸収される。中性またはアルカリ性の製剤よりも若干酸性の組成物の方が皮膚による吸収は良好であることが知られているので、組成物中に遊離のリノール酸を含有させて該組成物のｐＨをｐＨ５．５近傍に調整する。本発明の組成物は、０．１から８．５％、好ましくは１から５％の亜鉛イオンを含有することができる。また、本発明の組成物は、０．１から５０％の遊離のリノール酸を含有することができる。さらに、本発明の組成物は、オレイン酸亜鉛、酸化亜鉛、リノール酸の共役異性体の亜鉛塩、水および乳化剤を含有してもよい。また、本発明の組成物は、抗酸化剤、例えば、ビタミンＥやビタミンＡを含有してもよい。さらに、本発明の組成物は、皮膚の状態に良好な効果を与えるものとして知られているビタミンＤ３またはその他の添加物を含有することもできる。瘡、けば立ち皮疹などを局所的に軽減するのに使用することができる。本発明の組成物は、また、抗菌成分、例えば、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ素酸カリウム、ヨードフォアまたは塩化セチルピリジニウムを含有することもできる。このような組成物は、軽い切り傷や皮膚剥離とともに、さら重い下肢部その他の皮膚潰瘍の治療に有用であると考えられる。本発明の組成物は、さらに、少量の銅イオン（好ましくはリノール酸銅の形態で）を含有することもできる。本発明の組成物は、また、局所麻酔剤、例えばリグノカインを含有してもよい。このような製剤は、痒みおよび／または痛みの迅速な症候軽減をもたらすであろう。薬剤上許容されるキャリアは、乳化性軟膏ＢＰまたはその他の好適なキャリア、例えば、ソフト／ハードパラフィンから構成されることができる。本発明の組成物は、クリームもしくは軟膏の形態で、または該組成物に予め浸漬したパッドもしくは包帯を介して、または、損傷部位に有効量の組成物を付与することのできるその他の投与方法により皮膚に局所的に適用することができる。組成物のコンシステンシー（稠度）はその水分含有量の変化に応じてクリームから軟膏に変化することができる。本発明に従うリノール酸亜鉛クリームは、化粧品や日焼け止めローションに利用することができる。本発明の第２の視点に従えば、皮膚疾患治療用組成物を製造する方法であって、薬剤上許容されるキャリア中にリノール酸亜鉛および遊離のリノール酸を含有する組成物の製造方法が提供される。製造方法は、適当なキャリア（例えば、乳化性軟膏ＢＰ）中に酸化亜鉛を混合すること、リノール酸を添加すること、および、酸化亜鉛の実質的に全てをリノール酸亜鉛に転化させるとともに、充分な遊離のリノール酸が残存して冷却したときに組成物を僅かに酸性のｐＨに維持するような温度に撹拌しながら加熱することを含む。本発明の組成物の製造方法の１例として、１５ｇの酸化亜鉛と２５０ｇの乳化性軟膏ＢＰを撹拌して液状化するまで加温する。その後、該混合物に２２７ｍｌのリノール酸を加えて撹拌し７０℃まで撹拌して、液体が青黄色に変化し僅かに濁るようにする。その後、混合物を撹拌しながら冷却して本発明の組成物を得る。使用するリノール酸は、純粋なリノール酸でなくてもよく、リノール酸６８％、オレイン酸２２％およびリノール酸の共役異性体１０％から成るもの［例えば、米国ハーキュレス社（Hercules）によって製造されている］ものでもよい。リノール酸の一部は、グリセリドの形態を成すものでもよい。組成物中に存在する遊離のリノール酸の量は、酸化亜鉛の存在量に応じて変化し得る。冷却の前に組成物に水を添加して、該組成物のコンシステンシーを変化させることができる。この工程は混合物を乳化させるために激しく撹拌することが必要であり、例えば、冷却の前に、上述したような混合物に加温下に激しく撹拌しながら１００ｍｌの水を添加して軟らかい製剤を得ることができた。別の方法として、予め生成したリノール酸亜鉛と遊離のリノール酸を適当なキャリア中に分散させる方法によっても本発明の組成物を製造することができる。皮膚炎に罹った５人の患者について行った小規模のテストによれば、本発明の組成物を塗布するとそれらの症状のすべてが迅速に軽減されることが示された。痒みは１０分間以内に停止した。別のテストにおいては、本発明の軟膏を乾癬に罹った４人に使用した。すべての者について２週間以内にかなりの良好な効果が示された。

Claims

【特許請求の範囲】１．薬剤上許容されるキャリア中にリノール酸亜鉛および遊離のリノール酸を含有することを特徴とする皮膚疾患治療用組成物。２．５．５近傍のｐＨを有することを特徴とする請求項１に記載の組成物。３．亜鉛イオン含有量が０．１から８．５％であることを特徴とする請求項１に記載の組成物。４．遊離のリノール酸含有量が０．１から５０％であることを特徴とする請求項１から請求項３のいずれかに記載の組成物。５．オレイン酸亜鉛、酸化亜鉛、リノール酸の共役異性体の亜鉛塩、抗酸化剤（例えば、ビタミンＥまたはビタミンＡ）、ビタミンＤ３、抗菌成分（例えば、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ素酸カリウム、ヨードフォアまたは塩化セチルピリジニウム）、少量の銅イオン（好ましくはリノール酸銅の形態で）および局所麻酔剤（例えばリグノカイン）の１種またはそれ以上を含有することを特徴とする請求項１〜請求項４のいずれかに記載の組成物。６．薬剤上許容されるキャリアが乳化性軟膏から成ることを特徴とする請求項１〜請求項５のいずれかに記載の組成物。７．キャリアが水を含むことを特徴とする請求項６に記載の組成物。８．化粧品または日焼け止めローションに用いられることを特徴とする請求項１〜請求項７のいずれかに記載の組成物。９．薬剤上許容されるキャリア中にリノール酸亜鉛および遊離のリノール酸を含有する皮膚疾患治療用組成物を製造する方法であって、適当なキャリア中に酸化亜鉛を混合する工程、リノール酸を添加する工程、および、酸化亜鉛の実質的に全てをリノール酸亜鉛に転化させるとともに、充分な遊離のリノール酸が残存して冷却したときに組成物を僅かに酸性のｐＨに維持するような温度に撹拌しながら加熱する工程を含むことを特徴とする方法。１０．薬剤上許容されるキャリア中にリノール酸亜鉛および遊離のリノール酸を含有する皮膚疾患治療用組成物を製造する方法であって、予め生成したリノール酸亜鉛と遊離のリノール酸を前記キャリア中に分散させる工程を含むことを特徴とする方法。