JPH09504453A - 心内膜マッピング装置及び方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、その内部に血液を含む心臓の室の壁をマッピングするための、心内膜マッピング装置（１１）である。装置（１１）は、可撓性の細長い管状部材（１３）の遠位端部（１７）により支持されて収縮位置と拡張位置との間で移動可能な、バスケット組立体（２２）を含む。バスケット組立体（２２）は、接合された近位及び遠位端部（２７、２８）を有する複数の離間したアーム（２５）と、各アーム（２５）により支持された複数の電極（３６）とを有する。アーム（２５）は、バスケット組立体（２２）が拡張位置にあるときそれらの間に空間（３３）を有する。回転可能な部材（４１）は、接合された遠位端部（２８）に回転可能に連結され、バスケット組立体（２２）内に配設される。少なくとも１つの電極（５７）が、回転可能な部材（４１）により支持されて心臓の壁と係合する。回転可能な部材（６８）には、トルクノブ（６８）が連結され、バスケット組立体（２２）内で部材（４１）を回転させると共に、該部材を径方向外側に湾曲させてアーム（２５）間の空間（３３）に移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】 心内膜マッピング装置及び方法 本発明は、一般に、心内膜マッピングを行うための医療用装置に関し、特に、 電極アレイを備えたバスケット組立体を有する心内膜マッピング装置に関する。 従来、カテーテルは、心内膜マッピングを行うために、その遠位端部にバスケ ット組立体を備えている。これらのバスケット組立体は、心内膜と実質的に係合 して心臓内の血液を流通せしめる、円周方向に離間した複数の細長い可撓性アー ムから形成されている。アームは、マルチプレクサチップに電気的に接続された 、複数の長手方向に離間した電極を有している。これらのバスケット組立体の幾 つか、例えば１９９３年４月７日に出願された出願番号第０８／０４４２５５号 、１９９２年１２月１日に出願された米国特許第５３２７８８９号、及び１９９ １年２月１５日に出願された米国特許第５１５６１５１号のバスケット組立体で は、アーム間の間隔は、マッピングで必要とする間隔よりも広くなっている。加 えて、これらのアームの小質量の電極を用いて切除を効果的に行うことは、困難 であった。更に、マッピング電極を用いた切除の実施は、マルチプレクサチップ を一層複雑なものにする。従って、上述した欠点を解消した新規で改良された心 内膜マッピング装置が必要とされている。 図１は、本発明の回転可能アーム付き心内膜マッピング装置の側面図である。 図２は、心臓の壁の一部と部分的に係合した、図１の心内膜マッピング装置の 遠位端部の部分断面拡大図である。 図３は、図２の線３−３に沿った横断面図である。 本発明の装置１１は、内部に血液を有する心臓の室の壁をマッピングするため のものであり、１９９３年４月７日に出願された同時係属出願番号第０８／０４ ４２５５号に詳細に記載されたカテーテル探針１２を含む。簡潔に言えば、カテ ーテル探針１２は、横断面円形で近位端部１６及び遠位端部１７を有するプラス チック等の適当な材料から形成された可撓性の細長い管状部材即ち軸１３を含む （図１参照）。軸１３は、横断面円形で近位端部１６から遠位端部１７まで貫通 する少なくとも１つの管腔を備え、その遠位端部にバスケット組立体２２を 支持している。バスケット組立体２２は、中央の長手方向軸線２３を有し、図１ にそれぞれ破線及び実線で示したように、略軸線に沿って収縮位置と拡張位置と の間で移動可能である。 バスケット組立体２２は、図２に示すようにバスケット組立体を拡張させて心 臓の壁２６と係合させるために外側に湾曲した形状記憶を有する、複数の長手方 向に延びる可撓性アーム２５を備えている。アーム２５は、軸１３の遠位端部１ ７に接続された管状部材即ちマンドレル３１の周縁部に取り付けられ接合された 近位端部即ち端部分２７と、バスケット組立体２２の先端３５でリング３２によ り同様に接合された遠位端部即ち端部分２８とを有する。マンドレル３１とリン グ３２は、いずれもポリエチレン又はテフロン等の任意の適当な材料から形成さ れる。拡張されると、アーム２５は、円周方向に対称的に離間し、それらの間に 複数の空間即ち開口部３３を有する。複数の長手方向に離間した電極３６は、心 臓壁と係合するように各アーム３１により支持され、検出した電気信号を軸の近 位端部１６に送信するためのマルチプレクサチップ３７に電気的に結合されてい る。アームは、また、図面には示していないがバスケット組立体の蛍光透視をな し得るように、白金又は金等の適当な材料から形成された複数の長手方向に離間 した放射線不透過性のマーカ又はトレースを支持することもできる。 細長い可撓性の回転可能な部材即ちアーム４１は、軸の遠位端部１７及びバス ケット組立体２２の遠位端部２８により支持され、図２に破線で示したようなバ スケット組立体２２内の第１の位置から、図２に実線で示したような心臓壁２６ と係合する第２の位置まで外側に湾曲させることができる。アーム４１は、横断 面円形であり、軸の管腔２１とマンドレル３１の中心に長手方向に形成された内 腔４３とを回転可能に且つ摺動可能に貫通する近位端部４２を有する。アーム４ １は、リング３２の中心に設けられた内腔４７を回転可能に貫通する遠位端部４ ６を有し、更に、アーム４１をリング３２に回転可能に連結し接続するためにそ の端部にクリンプされた係止リング５０を有する。内腔４３及び４７を形成する 内表面は、横断面円形であり、マンドレル３１及びリング３２内での回転可能な アーム４１の相対的な滑らかな動作を容易にするための軸受面として機能する。 回転可能なアーム４１は、プラスチック等の適当な材料から形成された管５１ を有する。管５１は、横断面円形で長手方向に延びる中央内腔５２と、中央内腔 ５２を中心として円周方向に配設された２つの三日月形の外側内腔５３とを備え ている（図３参照）。任意の適当な超弾性材料から形成されたコア素子即ちワイ ヤ５６は、中央内腔５２を貫通し、回転可能なアーム４１に外側に湾曲した形状 記憶を付与する。管５１は、１.０１６〜１.７７８ｍｍ（０.０４０〜０.０７０ インチ）の外径を有し、ワイヤ５６は、０.２５４〜０.６５３ｍｍ（０.０１０ 〜０.０２５インチ）の直径を有する。マンドレル３１及びリング３２は、約３. １７５〜１２.７０ｍｍ（０.１２５〜０.５００インチ）の長手方向寸法を有す ることができる。 図示例では４本の長手方向に離間した電極５７が示されているが、少なくとも １つの電極５７が、心臓の壁２６と係合するように、回転可能なアーム４１によ り支持されている。電極５７は、白金等の適当な任意の材料からから形成され、 略管状の形を有し、管５１の外周に沿って密に配設されている。外側内腔５３内 には、複数のリード手段としての導体６１が配設され、該導体の一方の端部は、 図３に示したように管５１を貫通する電気コネクタ６２を介して各電極５７に電 気的に接続されている。導体６１は、軸１３を長手方向に貫通してその近位端部 １６まで延びる。しかしながら、導体６１をマルチプレクサチップ３７に連結す ることもでき、これも本発明の範囲内にあることは理解されたい。 電極は、バスケット組立体２２の電極３６と比較して相当な質量を有し、この 場合、約１〜３ｍｍの長さと、約１.０１６〜１.９０５ｍｍ（０.０４０〜０.０ ７５インチ）の外径と、約０.０７６２ｍｍ（０.００３インチ）の厚さを有する 。回転可能なアーム４１及びその上の電極５７は、１９９２年１２月１日に出願 された米国特許第５３４８５５４号に開示された仕方で冷却することができるが 、これも本発明の範囲内にあることは理解されたい。回転可能なアームには、上 述した型の放射線不透過性マーカ又はトレースを上述した目的で設けてもよい。 軸１３の近位端部１６には、装置１１を操作するためのハンドル６６が支持さ れている。回転可能なアーム４１の近位端部４２には、トルクケーブル６７が接 合され、該ケーブルは、軸１３の管腔２１を通過してハンドルの端部から延出し 、操作する医師が接触できるようにしている。トルクケーブルの接触可能な端部 に はトルクノブ６８が固定されており、該ノブは、アーム４１をバスケット組立体 ２２内で回転させ揺動させるための、且つ、アーム４１を径方向外側に湾曲させ てバスケット組立体のアーム２５の間の開口部３３内に入れるための装置１１の 手段に含まれる。ハンドル６６上には、コネクタ７１が含まれ、該コネクタは、 マルチプレクサチップ３７と、バスケット組立体の電極３６と、回転可能なアー ム４１の導体６１及び電極５７とに、電気的に接続されている。装置１１を作動 させるために、コネクタ７１には電源、制御装置及び無線周波発生器を接続する ことができる。 操作及び使用時には、バスケット組立体２２を心室内に挿入し、１９９２年７ 月２４日に出願された米国特許第５２７９２９９号及び１９９２年６月５日に出 願された米国特許第５３２４２８４号に記載されたものと略同じ仕方で操作する ことができる。心臓の室内に位置決めされると、操作する医師は、バスケット組 立体２２を心臓内の固定位置まで拡張させてその電極３６を心臓壁と係合させ、 そこからの電気エネルギ即ちインパルスを感知して検出する。同時に、電極５７ も心臓壁から電気エネルギを検知し得るように、回転可能なアーム４１の形状記 憶がアーム４１を湾曲位置まで拡張させて心臓壁と係合させる。 電極３６及び／又は５７から得られた心臓壁２６に関する情報が分析されると 、本発明の方法及び装置は、より細かいマッピング解像度が必要とされるバスケ ット組立体アーム２５間の開口部３３内の心臓壁２６からの電気インパルスを検 出することができる。この場合、操作する医師は、トルクノブ６８をハンドル６ ６から外側に引くことにより、回転可能なアーム４１をバスケット組立体２２内 で折り畳む。次に、トルクノブを回転させて回転可能なアームをバスケット組立 体２２内で円周方向に揺動させ、適当な開口部３３と整合させる。回転可能なア ームが心臓内の突起と係合してその回転が制限される場合は、トルクノブを更に 引っぱることにより回転可能なアームを更に直線状にして突起を避けることがで きる。回転可能なアーム４１を揺動即ち回転させて所望の開口部３３と整合させ た後、トルクノブ６７をゆっくり開放し、回転可能なアームを再び外側に湾曲さ せてその形状記憶形態に復帰させ、回転可能なアームの長さの一部に沿って開口 部３３内の心臓壁２６と係合させる。電極５７の円形の断面形状は、時々不規則 な 形状の心臓壁と係合してマッピングを行う能力を増大させる。 開口部３３内の心臓壁２６を切除するために、無線周波エネルギを電極５７に 印加することもできる。電極５７はマルチプレクサチップ３７を通過することな く直接コネクタ７１に接続することができるので、チップは、切除用の無線周波 エネルギを収容可能なマルチプレクサチップより構造が簡単で安価にすることが できる。電極５７の質量が比較的大きいため、温度上昇率と切除中の電極の上限 温度が低下し、それにより、９５〜１００°Ｃの範囲まで温度が上昇した電極に より引き起こされる望ましくない血液凝固が減少する。 上述したことから、心臓壁と係合する複数の拡張可能なアームを備えたバスケ ット組立体と、該バスケット組立体のアーム間で電気インパルスを検知し得る回 転可能なアームとを有する心内膜マッピング装置が提供された、ことが分かる。 回転可能なアームは、バスケット組立体のアーム間の空間で切除を行うこともで きる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ギンゲル パッツィー エイ アメリカ合衆国 ロードアイランド州 02859 パスコーグ ブロード ストリー ト 47 (72)発明者 イムラン ミア エイ アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94306 パロ アルト バーロン アベニ ュー 731

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．血液を内部に有する心臓の室の壁をマッピングするための装置であって、前 記装置が、近位及び遠位端部を有して少なくとも１つの管腔を貫通させた可撓性 の細長い管状部材と、前記可撓性の細長い管状部材の前記遠位端部により支持さ れて収縮位置と拡張位置との間を移動可能なバスケット組立体と、を備え、前記 バスケット組立体が、接合された近位及び遠位端部を有して円周方向に離間した 複数の細長い可撓性のアームであって、前記バスケット組立体が拡張位置にある ときその間に空間を形成するアームと、各アームにより支持されて心臓の壁に係 合する複数の長手方向に離間した電極と、を有し、前記装置が、更に、前記バス ケット組立体内に配設され、前記接合された遠位端部に回転可能に連結された細 長い可撓性の回転可能な部材と、前記回転可能な部材により支持されて心臓の壁 と係合する少なくとも１つの電極と、前記回転可能な部材に連結され、前記バス ケット組立体内で前記部材を回転させると共に前記部材を径方向外側に湾曲させ てアームの間の空間に移動させ、それにより前記回転可能な部材をその長さの一 部に沿って心臓の壁と係合させマッピング及び／又は除去を行うための手段と、 を備えた、ことを特徴とする装置。 ２．前記アームの近位端部が、中心部の周りに接合され、前記回転可能な部材が 、前記中心部で回転可能な近位端部を有する、ことを特徴とする請求の範囲第１ 項記載の装置。 ３．前記中心部が、長手方向に貫通する内腔を備え、前記回転部材の近位端部が 、前記回転部材をバスケット組立体内の第１の位置から心臓の壁と係合する第２ の位置まで外側に湾曲させるように、前記内腔内で摺動可能に配設されている、 ことを特徴とする請求の範囲第２項記載の装置。 ４．血液を内部に有する心臓の室の壁をマッピングするための装置であって、前 記装置が、近位及び遠位端部を有して少なくとも１つの管腔を貫通させた可撓性 の細長い管状部材と、前記可撓性の細長い管状部材の前記遠位端部により支持さ れて収縮位置と拡張位置との間を移動可能なバスケット組立体と、を備え、前記 バスケット組立体が、近位及び遠位端部を有して円周方向に離間した複数 の細長い可撓性のアームであって、前記バスケット組立体が拡張位置にあるとき その間に空間を形成するアームと、各アームにより支持されて心臓の壁に係合す る複数の長手方向に離間した電極と、を有し、前記装置が、更に、前記バスケッ ト組立体内に配設され、円周方向に揺動可能でアームの間の空間と整合する細長 い可撓性部材と、前記可撓性部材により支持されて心臓の壁と係合する少なくと も２つの電極と、前記可撓性部材に連結され、前記バスケット組立体内で前記部 材を揺動させると共に前記少なくとも２つの電極をアームの間の空間に移動させ 、それにより心臓の壁と係合させてマッピング及び／又は除去を行うための手段 と、を備えた、ことを特徴とする装置。 ５．前記アームの遠位端部が互いに接合され、前記細長い可撓性部材が、前記互 いに接合された遠位端部に回転可能に接続された遠位端部を有する、ことを特徴 とする請求の範囲第４項記載の装置。 ６．間に空間を有する複数のアームを備えて心臓の室内の固定位置に配設される 拡張可能なバスケット組立体を用いて、心臓の室の壁をマッピングする方法にお いて、隣接したアームの間の空間内に位置する壁から複数の電気インパルスを同 時に検知する操作を含む、ことを特徴とする方法。 ７．更に、バスケット組立体のアームから心臓に関する情報を得る操作を含む、 ことを特徴とする請求の範囲第６項記載の方法。 ８．更に、隣接したアームの間の空間内に位置する壁を切除する操作を含む、こ とを特徴とする請求の範囲第６項記載の方法。