JPH09503743A - 神経学的疾患の治療方法 - Google Patents

神経学的疾患の治療方法

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JPH09503743A JP6525365A JP52536594A JPH09503743A JP H09503743 A JPH09503743 A JP H09503743A JP 6525365 A JP6525365 A JP 6525365A JP 52536594 A JP52536594 A JP 52536594A JP H09503743 A JPH09503743 A JP H09503743A
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Abstract

(57)【要約】 脳脊髄液(脳脊髄液)に、分散系に含有させた治療用薬剤を、薬剤が脳室腔内に存在しつづけることができるように投与することによって、ヒトの神経学的疾患を軽減する方法。

Description

【発明の詳細な説明】 神経学的疾患の治療方法 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、ヒトの脳脊髄液(CSF)に治療用薬剤をデリバリーするにあたっ て、徐放性の賦形剤を使用する神経学的疾患の治療方法に関する。 2.関連技術の説明 神経学的疾患は、治療が特に困難な疾患に属するものである。こうした疾患の 治療を複雑にしている主要な要因として、薬剤を全身投与した場合に、多くの薬 剤が血管脳関門を通過できないことがある。従来のドラッグデリバリーがこうし た必要性に応えることができないことは、慢性の神経学的疾患、たとえば良性あ るいは悪性の細胞増殖、または各種のウイルス性病因物質によって生じる疾患に 際して特に問題がある。 治療が最も困難な慢性の神経学的疾患の一つが、転移性浸潤によって生じる疾 患、たとえば髄膜炎である。新生物性髄膜炎は、癌による軟髄膜の転移性浸潤に よって生じ、急性白血病、リンパ腫、あるいは乳癌や肺癌の合併症であることが 多い。剖検による研究では、固形腫瘍の患者の5−8%で、疾病の過程で軟髄膜 への転移が生じていることが示されている。有効な全身治療によって生存率が上 昇したこともあって、新生物性髄膜炎の発症率が上昇している可能性も具体的に 示されている(Bleyer,Curr.Prob l.Cancer,12:184,1988)。 新生物性髄膜炎の標準的治療法としては、薬剤を単独で、あるいは組み合わせ て鞘内に投与する化学療法と、放射線療法とがある。脳脊髄幹全体を照射する放 射線療法は、往々にして重篤な骨髄抑制を生じ、白血病性髄膜炎の場合を除き、 活性の軟髄膜炎疾患を抑制するうえで不十分であった(Kogan,in Principle an d Practice of Radiation Oncology,Perez,et al.eds.,Lippincott,Philad elphia,PA,pp.1280-1281,1987)。同様に、全身化学療法も、活性の髄膜炎 性悪性疾患では一般的に有効というわけではなく、これは、薬剤の血液−脳関門 透過性が悪いためである(Blasberg,et al.,Can.Treat.Rep.,61: 633,197 7; Shapiro,et al.,New Eng.J.Med.,293: 161,1975)。新生物性髄膜炎の 鞘内治療で最も一般に使用される3種の化学療法剤の1種であるシタラビンは、 細胞周期特異性の薬剤で、DNAの合成中のみ細胞を死滅させる薬剤である。し たがって、シタラビンのような薬剤を用いて最適の腫瘍死滅率を得るには、薬剤 を絶えず静注したり、毎日頻繁に注射したりして、脳脊髄液中で治療有効量を長 期にわたって保持する必要がある。こうした処置は、患者にとっては不快であり 、医師にとっては時間を要し、感染性髄膜炎の危険性が増大するおそれもある。 したがって、治療用薬剤が神経学的疾患と接触しつづけて軽減効果を発揮しうる ような徐放性のデポの処方が必要とされている。本発明は、こうした必要性に応 えるものである。発明の要約 本発明は、治療用薬剤を分散系の一部として投与すると、ヒトの各種の神経学 的疾患を治療する際の、治療用薬剤の臨床有効性を大きく向上させることができ るという重要な発見から出発したものである。治療に際してこうしたアプローチ をとると、比較的長期にわたって薬剤を有効な用量レベルに保持して、神経学的 疾患が絶えず薬剤に暴露されているようにすることが可能となる。驚くべきこと に、神経学的疾患の原発巣が頭蓋領域、たとえば脳室近辺であっても、治療用薬 剤を含有する分散系を腰椎から効果的に投与することが可能である。図面の簡単な説明 図1は、脳室内に投与したDTC101の脳室の脳脊髄液での薬物動態を、1 2.5−125mgの範囲の用量の関数として示すものである。 図2は、最大脳脊髄液シタラビン濃度(図2a)ならびにAUC(図2B)を 、用量の関数として示す。 図3は、脳室のシタラビン濃度(黒丸)と腰椎のシタラビン濃度(白丸)の比 較[図AならびにBは、それぞれ、シタラビン合計濃度と遊離シタラビン濃度] と、DTC101の粒子数(図C)とを、DTC101の脳室内投与後の経過時 間の関数として示す。 図4は、DTC101を腰椎に投与した後の、経過時間の関数としての脳室の 脳脊髄液のシタラビン濃度(実線)、そして、3分ならびに14日経過後の腰椎 の脳脊髄液のシタラビン濃度(破 線)を示す。好適実施態様の詳細な説明 本発明は、神経学的疾患を軽減するにあたって、治療用薬剤を脳脊髄液(CS F)に投与する方法に関する。治療用薬剤が神経学的疾患を軽減するうえで驚く べき効果を有しているのは、治療用薬剤を分散系中に存在させたことによって、 脳室腔内に治療用薬剤が持続的に存在しうるようになったからである。本発明の 方法を用いると、治療用薬剤を神経学的疾患の領域に持続的に存在させることが できるので、慢性で、臨床上の効果が特に達成しにくいこうした疾患を治療する 上で特に有効な手段が得られる。 「神経学的疾患」という用語は、適切な治療用薬剤に対して応答しやすい脳、 脊柱、ならびに関連組織、たとえば髄膜で生ずる任意の疾患を称するものである 。本発明の方法が有効な各種神経学的疾患には、細胞増殖性疾患に関連した疾患 もある。「細胞増殖性疾患」という用語は、悪性ならびに非悪性の細胞群で、周 囲の組織と形態学的外観が往々にして異なるものを包含する。したがって、細胞 増殖性疾患は、良性腫瘍あるいは悪性腫瘍に起因する疾患である可能性がある。 後者の場合には、悪性腫瘍を、さらに、原発性の腫瘍、または転移性の腫瘍、す なわち全身の各部位から拡散してきた腫瘍として特徴づけることができる。原発 性腫瘍は、グリア細胞(星状細胞腫、欠乏起膠腫、膠芽細胞腫)、脳室上衣細胞 (脳室上衣腫)、ならびに支持組織(髄膜腫、シュバン細胞腫、脈絡叢のパピロ マ)から生じることがある。子どもの場合、腫瘍はどちらかといえば原始的な細 胞(髄芽細胞腫、神経 芽細胞腫、脊索腫)から生じるのが代表的であるのに対して、成人の場合、星状 細胞腫ならびに膠芽細胞腫が最も一般的である。しかし、最も一般的な中枢神経 系の腫瘍は総じて転移性で、軟髄膜を浸潤する腫瘍は特にそうである。転移によ って髄膜を浸潤するのが一般的である腫瘍としては、非ホジキンリンパ腫、白血 病、黒色腫、ならび胸、肺、胃腸起源の腺癌がある。 本発明の方法は、感染性疾患の結果として生じる神経学的疾患を軽減するうえ でも有用である。無菌性髄膜炎ならびに脳炎は、ウイルスによって生じる中枢神 経系の疾患である。本発明の方法が有している治療用薬剤の持続的存在を可能と する能力を最も享受しうるウイルス性感染症としては、遅発ウイルスあるいはレ トロウイルスによってひきおこされるウイルス性疾患がある。レトロウイルスと して特に重要なのは、レンチウイルスで、そうしたレンチウイルスとしては、H TLV−I、HTLV−II、HIV−1、HIV−2がある。 本発明の方法によれば、原核生物によって引き起こされた感染性疾患に起因す る神経学的疾患を治療することもできる。一般的に、原核生物病因物質としては 、細菌、たとえばヘモフィルス・インフルエンゼ、ナイセリア・メニンギティデ ィス、ストレプトコッカス・ニューモニア、シュードモナス・エルギノーサ(緑 膿菌)、エシェリキア・コリ(大腸菌)、クレブシエラ・エンテロバクター、プ ロテウス属の種、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(結核菌)、スタフィ ロコッカス・アウレウス、ならびにリステリア・モノサイトゲネスがある。また 、感染性疾患は、真核生物、たとえば菌類によって引き起こされたものでもよい 。本 発明の方法で治療を行うことのできる重要な菌類としては、クリプトコッカス、 コクシディオイデス・イミチス、ヒストプラズマ、カンジダ、ノカルジア、なら びにブラストミセスがある。 本発明の方法で使用する治療用薬剤は、デリバリーシステム、たとえばマクロ 分子複合体、ナノカプセル、微小球、あるいはビーズの形状とした合成あるいは 天然重合体、ならびに脂質含有系、たとえば水中油型乳液、ミセル、混合ミセル 、合成膜小胞、および再封止赤血球に含有させて、脳脊髄液に投与される。これ らのシステムは、まとめて、分散系として知られている。こうした系を構成する 粒子は、通常、粒径が約20nm−50μmである。粒径をこうした範囲とする と、粒子を製剤用緩衝液に懸濁させ、注射器を用いて脳脊髄液に注入することが 可能となる。粒子は脳室から投与することもできるが、鞘内に投与する方が好ま しい。特に好適なのは、腰椎穿刺による粒子の注入である。 分散系の調製にあたって使用する材料は、通常、フィルター滅菌による滅菌が 可能で、無毒で、生分解性であり、たとえば、アルブミン、エチルセルロース、 カゼイン、ゼラチン、レシチン、リン脂質、ダイズ油をこの方法で使用すること ができる。重合体分散系は、マイクロカプセル化のコアセルベーションと似た方 法で調製することができる。場合によっては、比重を変えることによって分散系 の密度を変更して、分散液の密度を脳脊髄液より高くしたり、低くしたりするこ とができる。たとえば、イオヘキソール、イオジキサノール、メトリザミド、ス クロース、トレハロース、グルコースをはじめとする比重の高い生体適合性の分 子を加えることによって、分散物質の比重を高くすることができる。 本発明で使用することのできる分散系の一種としては、治療用薬剤の重合体マ トリクスへの分散液がある。治療用薬剤は、重合体マトリクスが分解あるいは生 分解されるにつれて放出され、分解あるいは生分解された重合体マトリクスは、 可溶性生成物となって、体外へと排出される。こうした目的では、いくつかの群 の合成重合体、たとえば、ポリエステル(Pitt,et al.,in Controlled Releas e of Bioactive Materials,R.Baker,Ed.Academic Press,New York,1980) 、ポリアミド(Sidman,et al.,Journal of Membrane Science,7:227,1979) 、ポリウレタン(Maser,et al.,Journal of Polymer Science,Polymer Sympo sium,66: 259,1979)、ポリオルトエステル(Heller,et al.,Polymer Engin eering Science,21: 727,1981)、ポリ無水物(Leong,et al.,Biomaterials ,7: 364,1986)が研究されている。PLAならびにPLA/PGAのポリエス テルについては、多数の研究がすでになされている。こうした研究がなされてい るのは、もちろん、利便性や安全性を配慮してのことである。これらの重合体は 、生分解性の縫合糸としてすでに使用されているので入手が容易であり、分解し て無毒の乳酸ならびにグリコール酸となる(U.S.4,578,384、U.S.4,765,973 を参照されたい。これらの文献は、本明細書に参考文献として包含される。)。 固体重合体分散系は、塊状重合、界面重合、溶液重合、ならびに開環重合とい った重合法を使用することによって合成することができる(Odian,G.,Princip les of Polymerization,2nd ed.,John Wiley & Sons,New York,1981)。こ れらの方法のうちの任意のものを用いることによって、機械的特性、化学的特性 、 生分解特性が多岐にわたる各種の異なった合成重合体が得られ、各種の特性や性 質のこうした違いは、反応温度、反応物質の濃度、溶媒の種類、反応時間といっ たパラメータを変化させることによって制御することができる。場合によっては 、固体重合体分散系を、まず大きめの塊として生成してから、粉砕などの処理を 行って、適当な生理緩衝液への分散状態を維持するうえで十分に小さい粒子とす ることもできる(U.S.4,452,025、U.S.4,389,330,、U.S.4,696,258を参照 されたい。これらの文献は、本明細書に参考文献として包含される。)。 生分解性の板、円柱、球から治療用薬剤が放出されるメカニズムは、Hopfenbe rg(in Controlled Release Polymeric Formul ations,pp.26-32,Paul,D.R .and Harris,F.W.,Eds.,American Chemical Society,Washington,D.C.,1 976)によって記載されている。放出量がマトリクスの崩壊によって主に調節さ れるようなこうしたデバイスからの添加剤の放出は、下記の単純な式によって表 される。 Mt/M=1−[1−k0t/C0a]n 式中のnは、球では3、円柱では2、板では1である。記号aは、球あるいは円 柱の半径、または板の半分の厚さを表す。MtとMは、それぞれ、時間tなら びに無限時間の経過後の放出薬剤質量である。 本発明の分散系としては、合成膜小胞が最も好適である。「合成膜小胞」とい う用語は、通常リポソームとして知られている、同心円状の空間を1つ以上有す る構造、ならびに単一の二重層膜によって画された複数の非同心円状の空間を有 する構造のことを 称するものである。 リン脂質を水性溶媒に分散すると、リン脂質は膨潤して水和し、水性媒体が脂 質二重層を隔てている多重ラメラの同心円状の二重層小胞を自発的に形成する。 こうした系は、通常、多重ラメラリポソームあるいは多重ラメラ小胞(MLV) と称され、直径が、約100nm−約4μmの範囲である。MLVを超音波処理 すると、直径が約20nm−約50nmの範囲の小型の単ラメラ小胞(SUV) が生じ、このSUVは、その中心部分に水性溶液を含有している。 合成膜小胞の組成は、通常、リン脂質、特に相転移温度の高いリン脂質と、ス テロイド、特にコレステロールとの組み合わせである。他のリン脂質あるいは脂 質を使用することも可能である。 合成膜小胞を製造するうえで有用な脂質の例としては、ホスファチジル化合物 、たとえばホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジ ルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィンゴ脂質、セレブロシド、 ならびにガングリオシドがある。特に有用なのは、脂質部分が14−18個の炭 素原子、特に、16−18個の炭素原子を含んでおり、飽和しているジアシルホ スファチジルグリセロールである。リン脂質の具体例としては、卵ホスファチジ ルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ならびにジステアロイルホス ファチジルコリンがある。 治療用薬剤を含有する小胞を調製するにあたっては、薬剤の封入効率、薬剤の 不安定性、得られる小胞群の均一性ならびに粒径、薬剤対脂質の比、製剤の透過 性の不安定性、ならびに処方剤の 製剤学的許容性といった変化するものについて考慮する必要がある(Szoka,et al.,Annual Reviews of Biophysics and Bioengineering,9:467,1980; Deame r,et al.,in Liposomes,Marcel Dekker,New York,1983,27; Hope,et al. ,Chem.Phys.Lipids,40: 89,1986)。 場合によっては、各種の程度の標的特異性を有する合成膜小胞を製造すること も可能である。小胞のターゲティングは、解剖学的要因とメカニズム的要因とに 基づいて分類されている。解剖学的分類は、選択性のレベル、たとえば器官特異 性であるのか、細胞特異性であるのか、小器官特異性であるのかに基づいている 。メカニズム的ターゲティングは、さらに、ターゲティングが受動的であるか能 動的であるかにもとづいて区別することができる。受動的ターゲティングでは、 洞様毛細血管を含む器官の細網内皮系(RES)の細胞に運ばれるという小胞の天 然の傾向を利用する。一方、能動的ターゲティングでは、小胞を特異的なリガン ド、たとえばモノクローナル抗体、糖、糖脂質、あるいはタンパク質とカップリ ングしたり、小胞の組成あるいは粒径を変えたりすることにより、小胞の改変を 行って、天然に局在化が生じる部位以外の器官や細胞の種類にターゲテイングさ れるようにする。また、小胞が、毛細血管床に物理的に局在化してもよい。 本発明では、分散系として、再封止した赤血球を使用することもできる。赤血 球を低張溶媒に懸濁すると、膨潤が生じて細胞膜が破断する。その結果、直径約 200−500オングストロームの孔が形成され、細胞内環境と細胞外環境の平 衡化が生じることとなる。次にこの周囲溶媒のイオン強度を等張条件に調整し、 細 胞を37°Cでインキュベートすると、孔が閉じ、赤血球が再封止される。この 技術を使用すると、再封止した赤血球の内部に治療用薬剤を封入することができ る。 分散系の表面は、各種の方法で改変することができる。非脂質物質を、連結基 を介して、一種以上の疎水基、たとえば約12−20個の炭素原子からなるアル キル鎖に結合させることもできる。合成膜小胞デリバリーシステムの場合、脂質 基を脂質二重層に組み込んで、その化合物と膜二重層の安定的な結合状態(assoc iation)を保つことができる。その場合、脂質の鎖をその化合物と結合させるに あたって、各種の連結基を使用することができる。 リガンドの場合にしてもレセプターの場合にしても、合成膜小胞と結合する分 子の数は、小胞のサイズならびに結合分子のサイズ、標的細胞のレセプターある いはリガンドに対するその分子の結合親和性などに応じて、場合によって変わっ てくる。大抵の場合、結合分子は、小胞の外側膜の二重層中の分子の総数に対す る結合分子のパーセントにもとづいて、約0.05−約2モル%、好ましくは約 0.1−約1モル%が、小胞上に存在する。 一般に、ターゲティングされたデリバリーシステムの表面に結合させる各種の 化合物は、分散系が所望の組織に能動的に「ホームイン」することを可能とする リガンドならびにレセプターとする。リガンドは、レセプターと称されるまた別 の化合物と特異的に結合し、リガンドとレセプタで相同なペアを形成するような 任意の所望の化合物とすることができる。分散系の表面に結合させる化合物は、 分子量が約125−200であるような小型のハプテンから、これよりはるかに 大型の、分子量が約6000以上で ある、但し一般には100万以下であるような抗体まで、多岐にわたるものとす ることができる。タンパク質性のリガンドとレセプターが特に重要である。一般 に、特定のエフェクタ分子と結合する表面膜タンパク質は、レセプターと称され る。しかし、本発明で使用するレセプターの大半は抗体である。これらの抗体は 、モノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でもよく、エピトープ決定基と結 合することのできる断片、たとえば、Fab、F(ab’)2、ならびにFvで もよい。タンパク質、たとえば抗体の合成膜小胞との結合技術は周知のものであ る(U.S.4,806,466、U.S.4,857,735を参照されたい。これらの文献は、本明 細書に参考文献として包含される。)。 「治療用薬剤」という用語は、本明細書で本発明の組成物について使用する場 合には、薬剤、放射性同位元素、ならびに免疫調整剤を包含するものであって、 制限はない。当業者であれば、他の同様の物質についても、承知しているか、あ るいはすぐに確認できるはずである。治療用薬剤と、所定の種類の分散系との組 み合わせで、その組み合わせが他の組み合わせより適合性が高いというような組 み合わせは当然ありうる。たとえば、固体重合体分散系の製造方法は、タンパク 質性の治療用物質が有する持続性の生物活性とは適合しない可能性がある。しか し、特定の治療用物質と特定の分散系との非適合性の組み合わせを生ずるような 諸条件は周知であったり、容易に確認できたりするので、こうした問題が生じる 可能性を回避するのも日常的な作業である。 分散系に含有させることのできる薬剤としては、非タンパク質性の薬剤ならび にタンパク質性の薬剤がある。「非タンパク質性 の薬剤」という用語は、古典的に薬剤と称されていた化合物、たとえば、マイト マイシンC、ダウノルビシン、ビンブラスチン、AZT、ならびに各種ホルモン を包含するものである。特に重要なのは、抗腫瘍性の細胞周期特異的な薬剤、た とえばシタラビン、メトトレキセート、5−フルオロウラシル(5−FU)、フ ロキシウリジン(FUDR)、ブレオマイシン、6−メルカプト−プリン、6− チオグアニン、フルダラビンリン酸塩、ビンクリスチン、ならびにビンブラスチ ンである。本発明で使用できる他の同様の物質についても、当業者には周知のは ずである。 分散系に含有させることのできるタンパク質性の薬剤としては、免疫調整剤を はじめとする生体応答調整剤、ならびに抗生物質がある。「生体応答調整剤」と いう用語は、特定の所望の治療効果、たとえば、腫瘍細胞の破壊を増強するよう なかたちで免疫応答の調整に関与する物質を包含するものである。免疫応答調整 剤の例としては、リンホカインのような化合物がある。リンホカインの例として は、腫瘍壊死因子、インターロイキン、リンホトキシン、マクロファージ活性化 因子、遊走阻止因子、コロニー刺激因子、ならびにインターフェロンがある。分 散系に含有させることのできるインターフェロンとしては、α−インターフェロ ン、β−インターフェロン、γ−インターフェロン、ならびにそのサブタイプが ある。また、こうしたタンパク質性の薬剤から誘導したり、それとは独立に誘導 したりしたペプチドあるいは多糖の断片を含有させることもできる。当業者であ れば、タンパク質性の薬剤として作用しうる他の物質についても、承知している か、あるいはすぐに確認できるはずである。 細胞増殖性疾患、たとえば腫瘍を治療するにあたって放射性同位元素を使用す る際には、腫瘍の分布および大きさ、そして同位元素の安定性および放射性とい った要因によっては、ある種の放射性同位元素の方が、別の放射性同位元素より 好適な場合もある。存在している悪性腫瘍の種類によっても、ある種の放射体の 方が、別の放射体より好ましい場合がある。一般に、免疫療法では、αおよびβ 粒子を放射する放射性同位元素が好適である。たとえば、患者が固形腫瘍の病巣 を有している場合であれば、数ミリの組織を貫通しうる高エネルギーのβ放射体 、たとえば90Yが好適であろう。一方、白血病のように悪性疾患が単一の標的細 胞から構成されている場合であれば、短い距離で高エネルギーのα放射体、たと えば212Biが好適であろう。治療目的で分散系に含有させることのできる放射 性同位元素の例としては、125I、131I、90Y、67Cu、212Bi、211At、21 2 Pb、47Sc、100Pd、ならびに188Reがある。分散系に含有させることの できる他の放射性同位元素についても、当業者には周知のはずである。分散系に 抗体を含有させる場合には、抗体は、モノクローナル抗体であっても、ポリクロ ーナル抗体であっても、治療用薬剤で標識しても、しなくてもよい。「抗体」あ るいは「イムノグロブリン」という用語は、本明細書で使用する場合には、完全 な分子ばかりでなく、細胞増殖性あるいは感染性の神経学的疾患の病因物質上に 存在しているエピトープ決定基と結合することのできる断片、たとえば、Fab 、F(ab)2、ならびにFvも包含するものである。抗体に結合する場合には 、治療用薬剤は、直接結合することも、間接的に結合することもできる。間接的 な結 合の例としては、スペーサ部分を使用する例がある。こうしたスペーサ部分は、 可溶性とすることも、不溶性とすることも可能で(Diener,et al.,Science,2 31: 148,1986)、薬剤が標的部位で抗体分子から放出されるよう選択すること ができる。免疫療法に際して抗体と結合させることのできる治療用薬剤の例とし ては、上述の薬剤および放射性同位元素、ならびにレクチンおよびトキシンがあ る。 レクチンは、通常は植物性物質から単離されるタンパク質で、特定の糖部分と 結合する。多くのレクチンは、細胞を凝集させたり、リンパ球を刺激したりする ことも可能である。しかし、リシンは毒性のレクチンで、免疫治療に際して使用 されてきた。その際には、リシンのαペプチド鎖(リシンの毒性を生じている部 分)を抗体分子と結合させ、毒性効果の部位特異的デリバリーを実現するのが好 適である。 トキシンは、植物、動物、あるいは微生物によって産生される有毒物質で、用 量が十分多いと往々にして致死性ともなりうる物質である。ジフテリアトキシン は、コリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diphtheria)によって 産生される物質で、治療に使用することができる。このトキシンは、αならびに βサブユニットから構成されており、適切な条件下では、これらのサブユニット を分離することができる。毒性のα成分を抗体と結合して、抗体が特異性を有し ている標的細胞への部位特異的デリバリーに使用することができる。モノクロー ナル抗体と組み合わせることのできる他の治療用薬剤も公知であり、当業者であ れば、容易に確認することができる。 標識あるいは未標識抗体も、各種の治療用薬剤、たとえば本明細書に記載した 治療用薬剤と組み合わせて使用することができる。特に好ましいのは、モノクロ ーナル抗体と、免疫調整剤あるいは他の生体応答調整剤との併用療法である。一 例を挙げると、モノクローナル抗体は、α−インターフェロンと組み合わせて使 用することができる。この治療法は、腫瘍細胞によるモノクローナル抗体に対し て反応性の抗原の発現を増大させることによって、モノクローナル抗体の腫瘍へ のターゲティングを増強するものである(Greiner,et al.,Science,235: 895 ,1987)。複数の非同心円状の空間を有する合成膜小胞を使用した分散系は、非 同心円状の空間のそれぞれに各種の治療用薬剤を封入することができるので、併 用療法で特に有用である。当業者であれば、各種の生体応答調整剤から適当なも のを選び出して、併用するモノクローナル抗体あるいは他の治療用薬剤の薬効を 増強する所望のエフェクタ機能を創出することができるはずである。 本発明のモノクローナル抗体を、各種の治療用薬剤、たとえば本明細書に記載 した治療用薬剤と組み合わせて使用する場合には、モノクローナル抗体と治療用 薬剤の投与は、通常、実質的に同時期に行うこととなる。「実質的に同時期」と いう用語は、モノクローナル抗体と治療用薬剤が、時間的に相当近接して同時に 投与されることを意味する。通常、治療用薬剤を投与してから、モノクローナル 抗体を投与するのが好適である。たとえば、治療用薬剤を、モノクローナル抗体 を投与する1−6日前に投与することができる。治療用薬剤の投与は、たとえば 、神経学的疾患の性状、患者の状態、薬剤の半減期といった要因に応じて、毎日 行う ことも、あるいは任意の間隔をおいて行うこともできる。 本発明の組成物に関して使用する場合、「治療上有効な」という用語は、治療 用薬剤が、その治療用薬剤が目的としている特定の医学上の効果を達成するのに 十分な濃度で存在することを意味する。達成しうる所望の医療効果としては、化 学療法、抗生物質療法、ならびに代謝の調節があるが、これらに限定されるもの ではない。正確な用量は、その特定の治療用薬剤の種類および所望の効果といっ た要因、ならびに年齢、性別、一般的状態などの患者側の要因に左右される。当 業者であれば、こうした各種の要因を考慮し、使用して、過度の実験を行わなく ても、治療上有効な濃度を容易に設定することができるはずである。 以上の記載は、本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲は、これ らの記載によって限定されるものではない。実際、当業者であれば、過度の実験 を行わなくても、本明細書の教示内容にもとづいて、さらなる実施態様を容易に 考案し、製造することができるはずである。 実施例1 デポ/ARA−C(DTC101)の製造 この実施例では、単一の二重層膜で画され、ara−Cの入った複数の非同心 円状の空間を有する合成膜小胞の製造について説明する。 2インチの撹拌用ブレードを装着した13リットル入りのガラス製ホモジナイ ザー容器中で、ジオレイルレシチン(8.3g)、ジパルミトイルホスファチジ ルグリセロール(1.66g)、コレステロール(6.15g)、およびトリオ レイン(1.73 g)を、800mlのクロロホルムと混合した(脂質相)。次に、シトシンアラ ビノシド(33mg/ml)を0.151NHCl(最終容量、1.2リットル )に溶解し、ホモジナイザー容器に加えた。油中水型のエマルジョンを形成する ために、混合用ブレードを、800rpmで10分間回転させた。 遊離塩基リシン(40mM)ならびにグルコース(3.2%)を含む低イオン 強度の水性成分をホモジナイザーに加えてクロロホルム小球を形成し、混合用ブ レードを3500rpmで90秒間回転させた。クロロホルムを除去するべく、 窒素ガスを62リットル/分で混合物の中に30分間吹き込み、その間容器を3 5°Cに加熱した。得られた生成物を精製し、ポリスルホン中空糸(孔径0.1 μ、表面積8平方フィート)を使用したダイアフィルトレーションによって濃縮 した。 実施例2 デポ/ARA−C封入物を用いた鞘内ならびに脳室内投与による治療 A.患者ならびに方法 癌という組織学的診断結果と、新生物性髄膜炎という放射線学的あるいは細胞 学的検査結果とを有している12名の患者を治療した。このヒトで研究は、UC SDのヒューマン・サブジェクツ・コミッティーによる承認を得てから実施され たものである。実施状況に要件はなく、研究以前に脳脊髄液内投与による化学療 法を行っていてもよいとされた。患者には、合計47用量のDTC101が与え られた。4名の患者が血液学的悪性疾患に罹患して おり、8名の患者が固形腫瘍に罹患していた(表1)。5名の患者に、全身的化 学療法による並行的な治療を行った。 芽球クリーゼ状態の慢性髄膜炎性白血病の患者1名以外の全患者の右側脳室に、 オマヤレザバーを載置した。治療としては、2−3週に1回、保存剤を含有しな い0.9%NaCl溶液へ懸濁させたDTC101を、脳室あるいは腰椎鞘経由 で、一回の注射で投与した。レザバーは、DTC101の投与後ならびに脳脊髄 液をサンプリングするごとに、自己由来の脳脊髄液で洗浄した。 B.処置 評価が可能であった2名の患者では、3回以上のサイクルを行ってから、初回 量の12.5mgを増量した(25、37.5、50、125mg)。病状が進 行するか、最大量の7用量となるまで治療を継続した。最初の一連の検査では、 病歴および理学検査ならびに一通りの神経学的検査、全血球数(CBC)および 血小板数、細胞学的検査用の脳脊髄液試料、血清の化学的性質、適当な造影剤を 用いたまたは用いないCTあるいはMRスキャン、インジウム−DTPA脳脊髄液流 動研究を行った(Chamberlain,et al.,Neurol.,40:435-438,1990; Chamberlain,et al.,Neurol.,41: 1765-1 769,1991)。DTC101の各サイクルの前に、神経学的履歴を一通り調べ、 検査を行い、血球数と化学的性質を調べ、細胞学的検査用の脳脊髄液の試料を採 取した。一週間以上の間隔をおいて2回続けて行った脳脊髄液の細胞学的検査が 陰性であった場合に、完全な細胞学的応答が生じたと定義し、完全な応答を示さ ないものは、無応答と判定した。細胞学的所見が陰性から陽性に変わった場合に 、進行性の疾患であると判定した。実質の中枢神経系の病変、あるいは中枢神経 系の外側の病変の変化は、CSR内の治療によって影響を受けるとは考えられな いので、応答の判定に際して使用しなかった。処置によって生じた各種の中毒症 状は、米国国立癌研究所(National Cancer Institute)の「共通中毒症状スケ ール(Common Toxicity Scale)」で評価した。 図1は、12.5−125mgの範囲の各種用量のDTC101を脳室内に投 与した後の、脳脊髄液でのシタラビンの薬物動態を示すものであり、その際、脳 脊髄液の試料は、DTC101を投与したのと同じ脳室から採取した。図A:シ タラビンの合計濃度。図B:遊離シタラビンの濃度。データの各点は、3回以上 のコースから得られた平均値であり、誤差バーは、平均の標準誤差を示す。最大 許容量(75mg)を脳室内に投与した後、脳室の遊離シタラビン(デポフォー ム(DepoFoam)粒子から脳脊髄液に放出されるシタラビン)の濃度は、平均初期 (α)半減期が9.4±1.6時間(SEM)、末期(β)半減期が14.1±2 3時間(SEM)で指数的に低減した。合計脳室濃度は(遊離シタラビン +封入シタラビン)も、同様に指数的に低減した。 薬物動態学的研究 脳室の脳脊髄液と血液の試料を、投与直前と、投与後1時間、そして1、2、 4、7、14、21日後に採取した。何人かの患者では、腰椎の脳脊髄液の試料 を、腰椎の脳脊髄液の細胞学的性質の評価の一部として、上記採取時点の1時点 で採取した。腰椎内投与に関しては、1時間後の試料のかわりに、腰椎嚢の試料 を投与の3分後に採取した。採取した脳脊髄液ならびに血液の試料は、いずれも 、最終濃度で40μMのテトラヒドロウリジンの入った試験管に採取し、シタラ ビンがシチジンデアミナーゼによってインビトロで異化作用を生じてウラシルア ラビノシド(ara-U)となるのを防止した。ヘパリンを加えた血液試料をただち 氷上に載置し、遠心分離によって血液細胞から血漿を単離した。脳脊髄液の試料 を600×gで5分間遠心分離して、デポフォームの粒子を遊離シタラビン分画 から分離した(上清)。200μlのメタノールと蒸留水中で順次撹拌すること によって、デポフォームのペレットを溶解した。脳脊髄液の遊離シタラビン分画 は、それ以上の処理を行なわずに分析した。血漿を、限外濾過した(YMT膜、 No.4104;米国マサチューセッツ州ダンバース(Danvers,MA)、アミコン社(Amic on Corp.))。脳脊髄液と血漿の試料を−20°Cで凍結保存しておいてから、 すでに記載されている方法(Kaplan,JG,et al.,J.Neuro-Onc.,9:225-229 ,1990)を改変した方法で分析した。試料の分析は、高速液体クロマトグラフィ ー装置(米国マサチューセッツ州ミルフォード(Milford, MA)、ウォーターズアソシエーツ(Waters Associates))を、254mmと2 80mm紫外線検出装置、2つの直列につないだペコスフィア(Pecosphere)C −18逆相カラム(3X3Cカートリッジ、米国コネティカット州ノーウォーク (Norwalk,CT)、パーキン−エルマー(Perkin-Elmer))、ならびに流速1. 0ml/分の無勾配流動相である6.7mMリン酸カリウム/3.3mMリン酸 混合物(pH2.8)とともに使用することによって行った。シタラビンの保持 時間は6分間、主要な代謝産物であるara-Uの保持時間は7分間であった。互い に干渉するピークはなかった。 薬物動態学的曲線は、指数関数 C(t)=Ae-αt+BEβtにあてはまり、ここで、C(t)は時間5の時点 での濃度、AおよびBは定数、そしてαおよびβは初期速度定数および末期速度 定数である。RSTRIPプログラム(マイクロマッツ・サイエンティフィック ・ソフトウェア(MicroMath Scientific Software)、米国ユタ州ソルトレーク シティ(Salt Lake City,UT))を使用して、反復非線形回帰によって曲線をあ てはめた。濃度一時間曲線下面積(AUC)は、線形台形公式によって最後に測 定した濃度まで決定し、無限大まで外挿法によって推定した。シタラビンのCS Rからのクリアランスを、シタラビンの投与量をAUCで割ることによって決定 した。脳脊髄液中のシタラビンの初期分布容積(Vd)を、シタラビンの用量を 1時間の時点で測定した濃度で割ることによって、計算した。 表2には、薬物動態学的パラメータの詳細を、用量の関数とし て示す。用量を12.5mgから125mgに増大させても、半減期(T1/2) 、分布容積(Vd)、ならびにクリアランス(Cl)が有意に変動することはな かった。 図2は、DTC101を投与してから1時間後に測定した最大脳室シタラビン 濃度(図A)、及び脳脊髄液の薬剤被爆量(AUC、図B)を、脳室に投与した 用量の関数として示す。白丸及び黒丸は、それぞれ、合計シタラビン濃度及び遊 離シタラビン濃度を示す。データの各点は、3回以上のコースから得られた平均 値であり、誤差バーは、平均の標準誤差を示す。これらの薬物動態学上のパラメ ータと用量との間には線形の関係があり、調べた範囲の用量では、クリアランス の過程が飽和することはないことが示唆された。ara−Uの合計AUCは、脳 脊髄液中のシタラビンの合計AUCの、平均で3.7±0.9%(SEM)であ った。血漿では、どの時点でもシタラビンもara−Uも検出されなかった(シ タラビン及びara−Uの検出限界−0.25μg/ml)。 腰椎の脳脊髄液試料は、最大許容量(75mg)のDTC101を脳室に投与 した後に、2名の患者での5回のコースの間に採取を行った。図3では、脳室の 薬剤濃度及びDTC101の粒子数を、腰椎のクモ膜下腔の値と比較している。 図には、脳室(黒丸)及び腰椎(白丸)のシタラビン濃度の比較(図A及びBは 、それぞれ合計シタラビン濃度と遊離シタラビン濃度)と、ならびにDTC10 1の粒子数との比較(図C)を、DTC101を脳室内に投与してから経過した 時間の関数として行っている。初期脳室内遊離シタラビン濃度は、半減期6.8 時間で指数的に減少し、腰椎脳脊髄液ではシタラビンが1.25時間後に検出可 能となり、倍加時間0.53時間で急激に上昇した。その後、腰椎及び脳室の遊 離及び合計のシタラビン濃度は並行して減少し、腰椎 の薬剤濃度は、減衰曲線の末期相を通じて、脳室内の薬剤濃度と同程度のままで あった。 脳室及び腰椎内の脳脊髄液試料は、DTC101を腰椎穿刺によって鞘内に投 与した4名の患者から採取した。図4には、脳室の脳脊髄液で遊離シタラビンの 治療有効濃度(>0.1μg/m1)が腰椎穿刺による鞘内投与の後3−6日間 にわたって保持され、腰椎内投与後14日間にわたって、脳室の脳脊髄液で有意 な合計シタラビン濃度が検出されたことが示されている。DTC101を腰椎に 投与してから経過した時間の関数としての脳室の脳脊髄液のシタラビン濃度(実 線)、3分及び14日経過後の腰椎の脳脊髄液のシタラビン濃度(破線)。白四 角及び白丸は合計シタラビン濃度を示し、黒四角及び黒丸は遊離シタラビン濃度 を示す。腰椎内への投与の後、腰椎のクモ膜下腔では、14日以上にわたって遊 離シタラビンの治療有効濃度が保持された。 表3には、DTC101による毒性を用量の関数として示す。毒性は一過性で あり、DTC101を下記の量投与しても薬剤に関連した毒性によって治療に遅 延が生じることはなかった。125mgのDTC101を脳室内に投与してから 36時間経過後に発症した毒性脳障害に起因する死亡例が1例あった。この患者 は、脳の基底部での脳脊髄液の流れを部分的に遮断するための脳全体への照射( 5回に分けて20Gy)も同時に受けていた。DTC101を投与する2カ月前 に自己骨髄移植を受けていた患者1名を除き、DTC101によると思われる血 液学的毒性は認められなかった。DTC101の最大許容量は75mgであり、 用量制限的毒性は用量を125mgとした際に生じ、この用量では、 過度の嘔吐及び脳障害が認められた。 表4には、2−4mgの用量のデキサメタゾンの1日2回の経口投与が、D TC101に関連する毒性を緩和する上で大きな効果を有していたことが示され ている。発熱、頭痛、吐き気/嘔 吐はいずれも抑制された。3名の患者にデキサメタゾンを経口投与しつつDTC 101を投与し、またデキサメタゾンの経口投与を行わずに同量のDTC101 を投与した。3名の患者は、いずれもデキサメタゾンの投与を行わない場合には 毒性を呈し、デキサメタゾンの投与を同時に行った場合には毒性がほぼ完全に抑 制された。 脳室内投与と腰椎内投与とを組み合わせて行った。 4名の患者を、DTC101を腰椎の鞘内に投与して治療した。毒性は、9サ イクル中の4サイクルでグレード1−2の軽い背中の痛みが認められた以外は、 DTC101を脳室内に投与した後に観察されるものと類似していた。 12名の患者のうち9名は、治療直前の脳脊髄液の細胞学的所見が陽性であっ た。細胞学的評価を行うことが可能なこれらの9名の患者のうちの7名では、D TC101での治療によって脳脊髄液の悪性細胞がなくなった(表5)。応答の 持続期間は2−26週にわたっており、中央値は16週であった。応答を示さな い患者のうちの1名はエイズ関連非ホジキンリンパ腫に罹患しており、もう1名 の患者は原発性の脳腫瘍に罹患していた。検討を行った全患者の生存期間は、3 −64週の範囲であった(中央値:21週)。 12名の患者のうち3名は、CT又はMRIスキャンで調べると新生物性髄膜 炎の兆候を示していたものの、治療前の脳脊髄液の細胞学的所見が陰性であった ので、細胞学的応答について評価することはできなかった。しかし、これらの3 名の患者のいずれも、治療中に脳脊髄液が陽性の細胞学的所見を示すことはなか った。 驚くべきことに、細胞学的応答は全ての用量レベルで認められ、用量が多い場 合に限定されてはいなかった。多発性骨髄腫の患者1名は、DTC101の25 mgの用量レベルで最初に細胞学的に応答した後に再発し、DTC101の用量 を増やすと(37.5mg)再度応答した。頭痛を示す5名の患者のうち3名は 、DTC101の治療に対して応答した。治療の開始時に病巣性の神経性欠陥( 眼筋麻痺若しくは不全対麻痺)又は散在性の神経性 欠陥(急性錯乱状態)を有していた患者では、臨床上の改善点は認められなかっ た。 本発明のいくつかの実施態様について記載した。しかし、本発明の精神及び範 囲から逸脱することなく各種の改変を行うことも、また可能であると理解される であろう。したがって、本発明は特定の具体的に示した実施態様によって限定さ れるのではなく、添付した請求の範囲によってのみ限定されると理解すべきであ る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.疾患を有するヒトの脳脊髄液(脳脊髄液)に、分散系に含有させた治療上有 効な量の治療用薬剤を、薬剤が疾患を軽減するうえで十分な時間脳室腔内に存在 しつづけるように投与する神経学的疾患の軽減方法。 2.神経学的疾患が細胞増殖性疾患である請求の範囲第1項に記載の方法。 3.細胞増殖性疾患が良性腫瘍である請求の範囲第2項に記載の方法。 4.細胞増殖性疾患が悪性腫瘍である請求の範囲第2項に記載の方法。 5.悪性腫瘍が原発性腫瘍である請求の範囲第4項に記載の方法。 6.悪性腫瘍が転移性腫瘍である請求の範囲第4項に記載の方法。 7.転移性腫瘍が新生物性髄膜炎である請求の範囲第6項に記載の方法。 8.神経学的疾患が感染性疾患である請求の範囲第1項に記載の方法。 9.感染性疾患が、ウイルスによってひきおこされるものである請求の範囲第8 項に記載の方法。 10.ウイルスが遅発ウイルスである請求の範囲第9項に記載の方法。 11.ウイルスがレトロウイルスである請求の範囲第9項に記載の方法。 12.レトロウイルスがレンチウイルスである請求の範囲第9項に記載の方法。 13.レンチウイルスが、HTLV−1、HTLV−II、HIV−1及びHIV −2からなる群から選ばれるものである請求の範囲第12項に記載の方法。 14.感染性疾患が、原核生物によってひきおこされるものである請求の範囲第8 項に記載の方法。 15.原核生物が細菌である請求の範囲第14項に記載の方法。 16.細菌が、ヘモフィルス・インフルエンゼ(Hemophilus influenzae)、ナイセ リア・メニンギティディス(Neisseria meningitidis)、ストレプトコッカス・ニ ューモニア(Streptcoccus pneumonia)、シュードモナス・エルギノーサ(Pseudom onas aeruginosa)、エッシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、クレブシエラ・ エンテロバクター(Klebsiella Enterobacter)、プロテウス・エスピー(Proteus spp.)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis) 、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、及びリステリア ・モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)からなる群から選ばれるものであ る請求の範囲第15項に記載の方法。 17.感染症が、真核生物によってひきおこされるものである請求の範囲第8項に 記載の方法。 18.真核生物が真菌である請求の範囲第17項に記載の方法。 19.真菌が、クリプトコッカス(Cryptococcus)、コクシディオイデス・イミチス (Coccidioides immitis)、ヒストプラズマ(Histoplasma)、カンジダ(Candida)、 ノカルジア(Nocardia)、及びブラストミセスよりなる群から選ばれるものである 請求の範囲第18項に記載の方法。 20.神経学的疾患が、代謝不全によって代謝によりひきおこされるものである請 求の範囲第1項に記載の方法。 21.代謝不全が自己免疫疾患である請求の範囲第20項に記載の方法。 22.治療用薬剤が、抗腫瘍薬、抗細菌剤、及び抗ウイルス剤からなる群から選ば れるものである請求の範囲第1項に記載の方法。 23.抗腫瘍薬が、細胞周期相特異性薬剤である請求の範囲第22項に記載の方法 。 24.抗腫瘍薬が、細胞周期のS期に対して特異性である請求の範囲第23項に記 載の方法。 25.抗腫瘍薬がシタラビンである請求の範囲第24項に記載の方法。 26.分散系が合成膜小胞である請求の範囲第1項に記載の方法。 27.合成膜小胞がリポソームである請求の範囲第26項に記載の方法。 28.リポソームが複数の同心円状の空間を有している請求の範囲第27項に記載 の方法。 29.合成膜小胞が複数の非同心円状の空間を有している請求の範囲第26項に記 載の方法。 30.分散系が重合体マトリックスである請求の範囲第1項に記載の方法。 31.分散系が、脳脊髄液より比重が高いものである請求の範囲第1項に記載の方 法。 32.分散系が、脳脊髄液より比重が高い分子を封入することによって分散液の比 重を脳脊髄液より高くしたものである請求の範囲 第31項に記載の方法。 33.脳脊髄液より比重が高い分子が、ヨウ化された分子である請求の範囲第32 項に記載の方法。 34.ヨウ化分子が、イオヘキソール、イオジキサノール、及びメトリザミドから なる群から選ばれるものである請求の範囲第33項に記載の方法。 35.脳脊髄液より比重が高い分子が、炭水化物である請求の範囲第32項に記載 の方法。 36.炭水化物が、スクロース、トレハロース、ならびにグルコースよりなる群か ら選ばれるものである請求の範囲第35項に記載の方法。 37.分散系が、脳脊髄液より比重が低いものである請求の範囲第1項に記載の方 法。 38.分散系が、標的特異性である請求の範囲第1項に記載の方法。 39.分散系が、解剖学的にターゲティングされている請求の範囲第38項に記載 の方法。 40.分散系が、機械的にターゲティングされている請求の範囲第38項に記載の 方法。 41.機械的ターゲティングが受動的なものである請求の範囲第40項に記載の方 法。 42.機械的ターゲティングが能動的なものである請求の範囲第40項に記載の方 法。 43.分散系が、糖、糖脂質及びタンパク質からなる群から選ばれる部分とのカッ プリングによって能動的にターゲティングされている請求の範囲第42項に記載 の方法。 44.上記タンパク質が抗体である請求の範囲第43項に記載の方法。 45.分散系が脳室内に投与されるものである請求の範囲第1項に記載の方法。 46.分散系が腰椎内に投与されるものである請求の範囲第1項に記載の方法。 47.腰椎内投与が1回行われる請求の範囲第46項に記載の方法。
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