JPH09503654A - 組み換えアルタナリアアルタネイタ(Alternariaalternata)アレルゲン - Google Patents

組み換えアルタナリアアルタネイタ(Alternariaalternata)アレルゲン

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JPH09503654A
JPH09503654A JP7507226A JP50722695A JPH09503654A JP H09503654 A JPH09503654 A JP H09503654A JP 7507226 A JP7507226 A JP 7507226A JP 50722695 A JP50722695 A JP 50722695A JP H09503654 A JPH09503654 A JP H09503654A
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ビルジット ジーモン
アンドレア ウンゲル
エーリッヒ レヒナエル
ラインホルト ヒルシュベール
クリストフ エブネール
ディートリッヒ クラフト
ハンス−ヨルグ プリリンゲル
ミヒャエル ブライテンバッハ
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バイオメイ プロダクションズ− ウント ヘンデルスゲゼルシャフト エム.ベー.ハー.
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Abstract

(57)【要約】 本発明はアレルゲンAlta53、Alta22及びAlta11の抗原性を有するポリペプチド、またはこれらのアレルゲンのエピトープのうち少なくとも1つを有するペプチドをコードする組み換えDNA分子に関する。これらの分子は配列1、3−5、7−9、12、および13、もしくはこれらの配列の断片と相同的に適合する核酸配列を持つか、又は該核酸と緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】組み換えアルタナリア アルタネイタ(Alternaria alterna ta)アレルゲン 本発明はアレルゲンAlta53、Alta22及びAlta11の抗原性を 有するポリペプチド、またはこれらのアレルゲンの少なくとも1つのエピトープ を有するペプチドをコードする組み換えDNA分子に関する。 Alternaria alternataの前記のアレルゲンは、これらア レルゲンの主要なcDNA由来のペプチド配列と同様、免疫反応の1つとして菌 類に対してアレルギーのある人においてIgE抗体生産を過剰に引き起こす。組 み換えアレルゲン、又は免疫原性活性がある部分ペプチドは、カビアレルギーの 改良された診断だけでなく、インビトロにおいてもインビボにおいてもTリンパ 球の免疫寛容または免疫低下の誘導に使用できるかもしれない。 ここ数年、疫学の研究でアレルギー発症の頻度が増えてきたことが明らかにな った。アレルギー疾患には多くの原因がある。今日では、花粉、動物の毛、家ダ ニの糞のようなアレルゲンの概念は誰にでも馴染みのあるものとなっているであ ろう(ウットリッチ 1991、ミヤモト 1992)。しかし、この分野の専 門的な活動では、カビは未だその生物学的、アレルギー学的意味において多くの 疑問を残している。少なからず、これらの菌類を探すのが難しい異なった生活環 境での偉大な生命力、適応力による。既知の菌類の98%が郊外に生息する。ほ とんどの菌類にとって、80%の大気湿度と20℃の気温の気候条件が理想の生 活、増殖条件である。 カビアレルゲンの機構は正確には知られていず、通常の即効型の吸入 アレルギーより複雑で込み入っているようである。呼吸器系によるだけではなく 、消化器系からの減感作の可能性が議論されていて、集中的な研究の対象になっ ている。即効型アレルギー(I型アレルギー)はIgE抗体により引き起こされ るが、IgEはレセプターを介してFc部分でエフェクター細胞(血液の好塩基 球と同様、粘膜や結合組織型の肥満細胞)と接触し、アレルゲンとの接触で炎症 性の物質(ヒスタミン、ヘパリン、アラキドン酸代謝物等)の放出がおこる(ロ ット 1991、クレン1990)。このようなIgE抗体の形成は、抗体を分 泌するために活性化したTリンパ球により分泌される可溶性物質(リンホカイン )により刺激されるBリンパ球から起こる(パランチャら 1991)。 すべての免疫反応は存在する抗原を活発に貪食する細胞によって開始される。 このため、これらの細胞は貪食細胞とも呼ばれる。それらは樹枝状細胞であるが 、後の段階でマクロファージに分化する単球でもある。これら全ての細胞には血 管外遊出(DIAPEDESIS)の可能性があり、これにより細胞は血液系を 離れて、体腔等にしみ出ることが出来る。抗原撲滅の主要な部分はマクロファー ジによって行われる。貪食の後、それらは、抗原を非常に免疫原性のあるペプチ ド(平均サイズはおよそ15アミノ酸)に分解し、マクロファージで発現される MHC(主要組織適合抗原)タンパク質と一緒に、それらをTリンパ球に与える 。この時点でTリンパ球によって行われる中心的な役割は強調されるべきである 。存在する抗原が“外因性”のものであろうと“内因性”のものであろうと、免 疫反応のこの時点においてのみ、それは見分けることができ、これがTリンパ球 の中心的役割である。“外因性”のものであると決定したら、抗原に対する更な る攻撃を阻むものはない。内因性のMHCと接触して外来タンパク質 を認識したらTリンパ球はさらにプラズマ細胞に分化し、直ちにインターロイキ ンを分泌する。このインターロイキンの分泌はBリンパ球を活性化し、Bリンパ 球は、その役目として、可溶性抗原を見分けるが、初めは、自身の分化のために インターロイキンを介してのTリンパ球からの“伝達”を必要とする。これに続 いて、Bリンパ球からプラズマ細胞への分化が起こり、そこでアトピー患者は比 較的大量のIgEクラスの抗体を分泌する。 もし、T細胞の段階で抗原が内因性のものであると認識されれば、その後は通 常の状態では、免疫反応はこの段階で終了する。しかし、免疫系の複雑な調節の カスケイドは幾つかの欠陥の可能性を抱えている。この条件の証拠は、多くの、 ほとんど致命的な、自己免疫疾患の症例であり、内因性の免疫系は“自己”と“ 非自己”を区別できない。 現在に至っても、このようにアレルギー性疾患の診断と治療は満足の行くもの ではない。cDNAクローニング、配列決定、タンパクデータバンクでのアレル ゲンタンパク質の配列比較、および組み換えアレルゲンの生産によるAlter nariaの主要アレルゲンの分子的特徴解明は間違った免疫反応を誘発するタ ンパク質のインビボにおける機能のさらなる情報を提供するだろう。この情報は 以下の理由から興味深い; 1)高度に精製された組み換えアレルゲンがより細心な診断、現在未精製抽出 物でおこなわれているものより良い診断、に使用しうる。 2)同時にアレルゲンの配列が寛容原性ペプチドを定義し、また、アレルゲン による免疫感作の間に起こるIgEクラスの切替えを理解するようになるのを助 ける。 数十年のあいだ、IgEがおこすアレルギーは、ここでは例えば菌類の胞子に 対するアレルギー、減感作によって治療されてきた(バスケットら、1991) 。この治療は、数年にわたって達成される投与量を維持するまで、投与量を増や しつつ点滴剤として水溶液の形の経口投与や注射の形態でのアレルゲン抽出物を 投与することからなる。この治療の結果は、投与されたアレルゲンにたいして寛 容性を獲得し、症状の軽減として現れる(バーカーら、1990)。このタイプ の治療の問題点は治療が起こすのと逆の反応が幾つも生じることである。減感作 の治療の過程で、治療の途中、過敏性のショックが起こる。ここでの問題は菌類 のタンパク質の単離物を標準化することの難しさにある。過敏性の作用を欠いて いるアレルゲン由来のタンパク質を使用することによって、全く危険なく投与量 を上げることが可能になるかもしれず、これにより減感作の実質的な改良が達成 されうる。 Alternaria alternataは、実際、自然界において何処で も見つけることが出来る。しかし、この菌類が好む生息地は、様々な土壌型、穀 物のサイロ、腐った木であるが、生きている植物、堆肥場、および鳥の巣もまた 好ましい。もしトマトが黒い斑点で覆われていたら、それはAlternari aのせいである可能性が高い。しかし、Alternaria alterna taが見つかるのは自然界においてだけではない。非常に頻繁に、その菌類は湿 った室内や、窓枠で見つかる。一般的に、高温多湿がこの菌類の生育には都合が よい。 現時点において、Alternaria alternataはアレルギーを 誘発する菌類のうちで最も重要なものの1つと考えられている。ヤンギンガーら (1989)は最初のアレルギー性画分を特定して、アレルゲンとして作用する 最初のタンパク質であるAlta1を単離した。Alternaria alt ernataの重大な問題は菌類の多様性の幅が広いということである:タンパ ク質のパターンの多様性とアレルギーの引き金としての能力が変化する可能性が 頻繁に論じられてきた。ニョールら(1983)はAglとAlt−1は同じア レルゲンだが、Alternaria alternataの異なった種が該タ ンパク質の多様性の幅を示すかもしれないことを提示した。ブッド(1986) のレビューの記事では、アレルギータンパク質Alt−1、現在ではAlta1 だが、の単離について記している。それまでAlternaria alter nataのアレルギータンパク質の完全なcDNAの配列は発表されていなかっ た。しかし、様々な研究がAlternaria alternata、ステム フィリウム(Stemphylium)、およびカルブラリア(Curvula ria)の間の強い交差反応を示している(アガーワル 1982)。 本発明において、配列12および13と同様に配列1、3−5、7−9もしく はこれらの配列の部分領域に相同的に相当する核酸配列を有するか、または前述 の配列と緊縮条件下でハイブリダイズする核酸配列を有するような、序文で述べ られたタイプの組み換えDNA分子を新たに作りだした。該DNA分子は前述の 配列から変性(縮重)によって誘導される核酸配列も含む。 以下の記載によりさらに発明特定事項の詳細を明らかにする。 a)ウエスタンブロッティングによるAlternaria alterna taのアレルゲンタンパク質の説明 Alternaria alternataの当該アレルゲンをクローニング するために、142人のアトピー患者の血清を使用した。菌類タンパク質抽出物 と患者との反応性を調べるために、Alternaria alternata (ウィンディシュ教授のコレクション、ベルリン、No.08−0203)を固 体培地(2%グルコース、2%ペプトン、1%イーストエクストラクト)で培養 した。タンパク質を抽出するために、28℃で3日間培養したのち菌類が繁茂し たものを刈り取り、液体窒素で破壊した。抽出したタンパク質の分離は変性ポリ アクリルアミドゲルで行れ、続いてブロッティングされ、患者の血清とインキュ ベイトされ、125 Iでラベルされた抗ヒトIgEで検出された。以下に、アレル ゲンタンパク質と反応した患者のパーセンテージを示す: Alta53 44.8% Alta22 3.4% Alta11 10.3% アレルゴン(Allergon)(スウェーデン)から購入した菌類材料から タンパク質を単離し、イムノブロットに使用した場合、ほどんど同じバンドのパ ターンが検出された。これらの数から読み取れるように、Alta53が主要ア レルゲンでAlta22とAlta11が二次的アレルゲンである。 図1は上記アレルゲンのクローニングのために使用した患者の材料をおおまか に表したものである。この図は12.5%のアクリルアミドゲルを示す。No. 35と40の患者(彼らは引き続いてスクリーニングに使用した患者でもある) は53kD、22kD、および11kDの順のバンドを示す。 このように図1は、Alternaria alternataのタンパク質 抽出物を分離し;異なった患者の血清とのインキュベーション;125 Iでラベル した抗ヒトIgEによる検出後の12.5%ポリアクリルアミドゲルのウェスタ ンブロッティングを示す。 b)cDNA発現バンクの構築 全RNAは酸グアニジウム−フェノール抽出法で当方で培養した菌類材料 er)のオリゴ(dT)セルロースを使って行われた。cDNA合成(第1及び 第2の鎖)はストラタジーン社(Stratagene Co.)の「ラムダZ APシステムマニュアル」(Manual des Lanbda ZAP−s ystem)に記載のとおりに行った。次いで、cDNAにEcoRI(3’側 )とXbaIのリンカー(5’側)が付けられ、予め短くされたラムダZAPア ームで結合され、まとめられた。最初のバンクの力価は900、000クローン であった。 c)患者の血清を使ったcDNAバンクのスクリーニング、インビボでの取り 出し、配列決定 発現バンクは“拾い上げた”ファージプラークを、検出された抗原のスペクト ルをカバーする患者の血清とインキュベーションすることによって、知られてい るように、ウェスタンブロッティングからスクリーニングされた。ファルマシア 社の抗ヒトIgE RAST抗体を使って再度検出が行われた。2次、3次のス クリーニングを行った後、150の陽性のクローンが残った。12のクローンか ら、既に即座に配列決定可能なブルースクリプトベクターが、ヘルパーファージ を使ってインビボで取り出された(ラムダZAPキットのマニュアルの手法)。 取り出したプラスミドの制限酵素による切断(EcoRI−XbaIの二重切断 )により3つの異なった挿入型が示された。これらの3つのクローンはサンガー 法(サンガー、1977)によって配列決定された。 d)β−ガラクトシダーゼ融合タンパク質としてのAlta53、Alta2 2、およびAlta11のcDNAの発現 前述したIgEスクリーニングによって、3つの完全なcDNAが得られた。 大腸菌の株であるXLI−Blueがそれぞれの組み換えプラスミドで形質転換 され、IPTG(イソプロピル β−D−チオガラクトピラノシド)が導入され た。大腸菌の全タンパク質抽出物は、次いで、電気泳動で分離され、ニトロセル ロースにブロッティングされた。該融合タンパク質は菌類に対してアレルギーの ある患者の血清IgEと、125 Iでラベルしたウサギの抗ヒトIgE抗体(ファ ルマシア、アップサラ、スウェーデン)で検出した。 次の2つの図は患者の血清とインキュベーションし、I(ヨウ素)でラベルし た抗ヒトIgEで検出したあとの組み換えβ−ガラクトシダーゼ融合タンパク質 を示す。融合タンパク質のβ−ガラクトシダーゼの部分には36個のアミノ酸が あり、これは分子量3800Daに相当する。以下の図3と図4はアレルゲンタ ンパク質のこの“増大化”を考慮に入れて見るべきである。レーン(クローン) 1、2、4、5、6、7は組み換え融合タンパク質Alta11を示し、レーン 3と12は組み換え融合タンパク質Alta22を、およびレーン8と10は組 み換えAlta53を示すが、いずれも融合部分により長くなっている このように図2と図3はIPTG導入後のブルースクリプトでの組み換え タンパク質Alta52、Alta22およびAlta11の発現を示す。 e)組み換えアレルゲン中のB−およびT−細胞エピトープの決定 アレルゲンの誘導されたアミノ酸配列は適当なコンピュータープログラムによ るB−およびT−細胞エピトープの予測のための先行条件を提供する。これらの 研究を通して、例えばT−リンパ球を刺激したり、増殖を誘導したりすることが できる特異的なT−およびB−細胞のエピトープを定めることが出来るが、また (投与量を正確に定めた場合)これらの細胞を寛容や非反応性(アネルギー)の 状態にする事もできる(ロバート、1991)。決定されたそれぞれのエピトー プは個々の図での組み換えタンパク質の説明中で記載される。 B−細胞エピトープの探索はGCGプログラム(ジェネティック コンピュー ター グループ)の“PROTCALC”の助けを借りて行ったが、このプログ ラムはウォドロー教授の研究グループによって重要なパラメーターを加えられて 拡張された。親水性(キテ−ドーリトル)(Kyte−Doolittle)、 二次構造(チョウ−ファスマン)(Chou−Fasman)、表面局在性(ロ ブソン−ガーナー)(Robson−Garnier)および自由度の比重に基 づいて決定が行われ、部分ペプチドの抗原性が計算された。 T−細胞エピトープの予測の主要な部分は基本的にはマルガリータら(198 7)のアルゴリズムに従って行われた。重要な点は決定すべきペプチドの1次配 列にしたがって親水性領域に挟まれた両親媒性のヘリックスを探すところにある 。該当するT−細胞エピトープに関して計算されたスコアは10より大きいに違 いない。MHCII結合ペプチドの場合、HLA−A2(ヒト白血球抗原)(M HCI)結合ペプチドの場合と同様に、配列やペプチドの長さに基づい ても共通性を定義することはできない。HLA−A2結合ペプチドの場合、ペプ チドの長さは10アミノ酸で、2番目のアミノ酸がチロシンで、最後のアミノ酸 がロイシンである(ラメンシーら、1993)。計算されたエピトープは個々の アレルゲンの配列の記載のところでで別々に議論する。 クローニングされた菌類のアレルゲンの分子的特徴づけ(配列のプロトコール ) 以下では、cDNAの配列とそれについて行われた分析が連続して示される。 以下の配列のコンピューターでの評価はGCGソフトウェアーパック(=ウィス コンシンパック:このパックのアルゴリズムはウィスコンシン大学により開発さ れた)の助けを借りてウルトリックス−DEC5000ワークステーション(U ltrix−DEC 5000 work station)により行われた。 A.Alta53 以下の配列1は、開始コドンATGから始まるAlta53の完全なcDNA 配列を示す。cDNAの長さは1488bpで、計算された53543Daの分 子量に相当する。分子量を基にすると、ウェスタンブロッティングで53kDに 観察されたバンドは、クローニングされ配列が決定されたアレルゲンに相当する 。実行された分析に基づくかぎりでは、成熟タンパク質はおそらくいかなるシグ ナルペプチドにも先行されていないだろう。 Alta53の相同性をスイスプロト(SWISSPROT)データバンクで 調べたところAlta53は、Clah53と同様にアルデヒドデヒドロゲナー ゼであった。高い相同性(同一性は広い範囲にわたって存在する)の証拠として 以下の配列2でAlta53とClah53を並べたところを示す。2つのタン パク質(アレルゲン)の同一性(同一アミノ酸)は互いに78%である。相同性 (同一性プラス相同なアミノ酸の交換)の程度は86%にもなる。 NAD依存ALDHはヒトにおいてアルコール代謝の最初の産物であるアセト アルデヒドの酸化に関与する主要な酵素である。この関係で、イソ酵素ももちろ ん見つけうる(ハラダら Harada et al.、1982)。例えば、 ミトコンドリアでイソ酵素のALDH Iが、細胞質でALDH IIがヒトで見 つかっている。興味深いことに、アジアではALDH Iが欠損している人は珍 しくない(ハラダら、1982)。ALDH Iが欠損していると、アセトアル デヒド濃度が高くなり、アルコール消費後、顔がいわゆる潮紅したり、他の血管 拡張の症状が観察できる。イソ酵素の欠損は本来のタンパク質の構造を変えてし まうような変異の結果だと考えられる(Hsu et al.、1987)。現 時点ではALDHとアレルギーの引き金との関係とはまだ知られていない。 以下の配列3はコンピューター検索で同定された高い抗原性を持つ領域の一覧 を示す。これらの領域は有力なB細胞のエピトープを表す。 以下の配列4はコンピュータープログラムを駆使して決定した両親媒性ヘリッ クスを示し、ここは親水性の領域に挟まれている。このような領域は、10以上 のスコアで、T−細胞のエピトープである可能性が高いところを示す。 T−細胞のエピトープはN末端でリジン(K)に、C末端でプロリン(P)(= フラッグ)に挟まれている中間点のアミノ酸の位置から計算する。T−細胞のエ ピトープである可能性が高いところはスコア指数は10以上のときだけ存在する 。 B.Alta11 以下の配列5は、Alta11の完全なcDNA配列とそこから導き出される アミノ酸配列を示す。読み取り枠は342bp、又は114アミノ酸を含む。計 算された分子量は11127Daで、これは患者の10.3%からウェスタンブ ロッティングで見つかっている11kDの抗原性タンパク質に相当する。 この場合、スイスプロト(SWISSPROT)タンパクバンクによる相同性 検索によって、リボソームタンパク質P2との相同性が見つかった。このリボソ ームタンパク質はリボソームの大きなサブユニットの構成に含まれている。ここ でClah11の相同性、Cladosporium herbarumにおけ るAlta11の対になるもの、もまた必ず存在する。Alta11とClah 11の同一性と相同性は以下の配列6から読み取れる。2つのタンパク質の同一 性は74%で、相同性の程度は84%に上昇し、これがこの2つのタンパク質が 類似した機能を持つことを疑いなく示す。 異なった生物の酸性リボソームタンパク質(P0、P1およびP2のような) がさまざまな手法で分析されてきた。Aタンパク質(酸性の)とPタンパク質( リン酸化されたAタンパク質)は区別されている。Aタンパク質は1面では疎水 性アミノ酸がたくさんある。そのため、それらはリボソームから容易に分離でき る(50%エタノールおよび高濃度の塩)。もっともよく特徴がわかっている原 核生物のAタンパク質はEscherichia coli(大腸菌)のL7/ L12タンパク質である。真核生物において相同するものはタンパク質 P1、P2であり、L7/L12に似ており、伸長因子EF1およびEF2と相 互作用を起こす。C末端の配列は狼瘡患者の自己抗体により認識されるエピトー プを含む(フランコワら、1985;リッチら、1987;ヒンら、1991) 。その相同性から、P2タンパク質はアレルゲンタンパク質Alta11に相当 する。 次に、配列7で示すB−細胞エピトープは2次構造、表面位置、親水性、自由 度等を考慮にいれて計算された。 以下の配列8では計算されたT−細胞エピトープを示し、そのアミノ酸を1文 字表記で表す。 T−細胞のエピトープはN末端でリジン(K)に、C末端でプロリン(P)(= フラッグ)に挟まれている中間点のアミノ酸の位置から計算する。T−細胞のエ ピトープである可能性が高いところはスコア指数は10以上のときだけ存在する 。 C.Alta22 以下の配列9はAlta22の完全なcDNA配列を示す。これから導き出し た1次配列もまた該配列から読み取れる。このアレルゲンタンパク質の読み取り 枠は615bpであり、これは205アミノ酸の長さに相当する。計算された組 み換えタンパクの分子量は22041Daである。実行された分析に基づくかぎ りでは、成熟タンパク質の前方にはシグナル配列は存在しない。 スイスプロトタンパクデータバンクでの配列が決定されているタンパク質との 相同性の調査では、アレルゲンであるAlta22は酵母のタンパク質YCP4 と極めて相同性が高いことが示された。2つのタンパク質の同一性は56%で、 相同性も72%である。そのように類似性が高いので、この2つのタンパク質は 共通する機能を持っていると推測してもよいだろう。以下の配列10はAlta 22とYCP4との高い相同性を反映している。 さて、YCP4の機能は何であろうか。イーストゲノムプロジェクトでは、Y CP4の配列または読み取り枠はSaccharomyces cerevis iaeの染色体3にあり、それは公表された(ビトーら、1992)。ビトーら (1992)によれば、YCP4を破壊しても表現型は変わらなかった。しかし 、改善された表現型の分析では、酵母のYCP4は熱ショックタンパク質(ヒー トショックプロテイン)としての機能を持っている可能性が示された。合わせて 、この研究はアレルゲンの機能分析においてSacchromyces cer evisiaeがいかに重要かを示すものである。形質転換の容易さが、分子遺 伝学の成熟した手法とあいまって、酵母の遺伝子を破壊して、その結果得られる 表現型を分析することを可能にする。 Alta22にはCladosporium herbarumにも相同的な 仲間があることもわかった。以下の配列11は酵母のYCP4、アレルゲンAl ta22とClah22の配列を示す。 次の配列12にコンピューターを使用して見つかったB−細胞のエピトープも 示す。 以下の配列13は計算されたT−細胞エピトープを示す。10未満のスコアを もつ両親媒性の領域は関係あるとは思われない。 T−細胞のエピトープはN末端でリジン(K)に、C末端でプロリン(P)(= フラッグ)に挟まれている中間点のアミノ酸の位置から計算する。T−細胞のエ ピトープである可能性が高いところはスコア指数は10以上のときだけ存在する 。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI G01N 33/53 0276−2J G01N 33/53 D 33/569 0276−2J 33/569 //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:645) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 ジーモン ビルジット オーストリア国 A―8700 レオベン デ ィルンボクベグ 17 (72)発明者 ウンゲル アンドレア オーストリア国 A―5201 ジーキルヘン ツァイスベルグ 14 (72)発明者 レヒナエル エーリッヒ オーストリア国 A―5400 ハレイン ド ットルストラッセ 16 (72)発明者 ヒルシュベール ラインホルト オーストリア国 A―1160 ヴィーン ナ ウジーガッセ 18/10 (72)発明者 エブネール クリストフ オーストリア国 A―1040 ヴィーン セ ント エリザベートプラッツ 4/13 (72)発明者 クラフト ディートリッヒ オーストリア国 A―1170 ヴィーン モ ンティガッセ 1 (72)発明者 プリリンゲル ハンス−ヨルグ オーストリア国 A―3711 エベルスブル ン エベルスブルン 70 (72)発明者 ブライテンバッハ ミヒャエル オーストリア国 A―5020 ザルツブルグ アルフレッド クビンストラッセ 11 /11

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.配列1、3−5、7−9、12、および13もしくはこれらの配列の部 分領域と相同的に適合する核酸配列を有する、または緊縮条件で該核酸とハイブ リダイズする核酸配列を持っていることを特徴とする、アレルゲンAlta53 、Alta22およびAlta11の抗原性を有するポリペプチド、又はこれら のアレルゲンの少なくとも1つのエピトープを有するペプチドをコードする組み 換えDNA分子。 2.前記配列1、3−5、7−9、12、および13から変性(縮重)によ って誘導することができる核酸配列を有することを特徴とするクレーム1に記載 の組み換えDNA分子。 3.抗原としてアレルゲンAlta53、Alta22およびAlta11 と交差反応性があり、これらと高い相同性を示すポリペプチドをコードする核酸 配列を有することを特徴とするクレーム1または2に記載の組み換えDNA分子 。 4.発現構成を付与する発現調節配列と機能的に結合されていることを特徴 とするクレーム1〜3に記載の組み換えDNA分子。 5.クレーム4に記載の組み換え発現構成で形質転換されることを特徴とす るポリペプチドの発現のための宿主系。 6.Alta53、Alta22若しくはAlta11又はこれらのタンパ ク質のエピトープの少なくとも1つの抗原性を有することを特徴とするクレーム 1〜3のいずれかに記載のDNA由来の組み換え又は合成によるタンパク質又は ポリペプチド。 7.前記配列1、3−5、7−9、12、および13と完全にまたは部分的 に対応するアミノ酸配列を有することを特徴とするクレーム6に記載の組み換え 又は合成によるタンパク質又はポリペプチド。 8.アレルゲンAlta53、Alta22若しくはAlta11又はこれ らの少なくとも1つのエピトープの抗原性と、付加的ポリペプチド部分とを有す る融合産物、 クレーム4に記載の発現構成のDNAによりコードされている融合産物全体、 から構成されることを特徴とするクレーム6または7のいずれかに記載の組み換 え又は合成によるタンパク質又はポリペプチド。 9.上記付加ポリペプチド部分がβ−ガラクトシダーゼ又は他の融合に適し たポリペプチドであることを特徴とするクレーム8に記載の組み換え又は合成に よるタンパク質又はポリペプチド。 10.クレーム6〜9のいずれかに記載の合成によるタンパク質又はポリペ プチドを含有することを特徴とする診断または治療用試薬。 11.患者の血清中のIgE抗体とクレーム6〜9のいずれかに記載の組み 換え又は合成によるタンパク質又はポリペプチドとの反応を測定することを特徴 とするアレルゲンAlta53、Alta22又はAlta11に対する患者の アレルギーをインビトロで検出する方法。 12.クレーム6〜9のいずれかに記載の組み換え又は合成によるタンパク 質又はポリペプチドが細胞反応の刺激又は阻害に使用されることを特徴とするア レルゲンAlta53、Alta22又はAlta11に対する細胞反応 をインビトロで検出する方法。
JP7507226A 1993-08-27 1994-08-24 組み換えアルタナリアアルタネイタ(Alternariaalternata)アレルゲン Pending JPH09503654A (ja)

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