JPH09503519A - イノシトール三燐酸の薬剤調製への使用 - Google Patents
イノシトール三燐酸の薬剤調製への使用Info
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- JPH09503519A JPH09503519A JP7511669A JP51166995A JPH09503519A JP H09503519 A JPH09503519 A JP H09503519A JP 7511669 A JP7511669 A JP 7511669A JP 51166995 A JP51166995 A JP 51166995A JP H09503519 A JPH09503519 A JP H09503519A
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Abstract
(57)【要約】
この発明は、レトロウイルス性の病気に対して効果的な薬剤の調製にイノシトール三燐酸(IP3)を使用することに関する。
Description
【発明の詳細な説明】
イノシトール三燐酸の薬剤調製への使用
この発明は、レトロウイルス性の病気に効果的な薬剤の調製に少なくとも1種
のイノシトールトリスホスフェート(inositoltrisphospha
te:IP3、以下イノシトール三燐酸という)の異性体を使用することに関す
る。
後天性免疫不全症候群(AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の1
型及び2型(HIV−1及びHIV−2)によって引き起こされる重大な免疫不
全病である。HIVは、AIDSの病因学的因子であり、レンチウイルス亜科(
lentivirus subfamily)に属する非発癌性の細胞変性レト
ロウイルスである。レトロウイルスは、その遺伝物質をデオキシリボ核酸(DN
A)ではなく、リボ核酸(RNA)の形で有しており、そのRNAをDNAにす
るために、逆転写酵素と呼ばれる特殊な酵素を有している。
HIVウイルスは、直径100nmで、エンベロープで覆われており、表面に
糖タンパクを、そして、内部に円柱形コアを含んでいる。このエンベロープはリ
ン脂質と糖タンパクにより形成されており、コアはゲノムと何種類かの酵素を含
んでいる。
HIVは先ず感受性細胞表面のCD4受容体に結合し、これにより人間の細胞
がHIVに感染する。この結合は、HIVのオリゴマーエンベロープ糖タンパク
(gp)と標的細胞表面の受容体を媒介にして生じ、次いで、ウイルスエンベロ
ープと原形質膜との間の融合が起こる。結合後の膜融合に至るまでの機構はあま
りわかっていないが、この融合反応では、gp41エンベロープタンパク質の疎
水性アミノ末端が露出したエンベロープタンパク質が形態変化することが推測さ
れている。
HIV感染の第1段階は、HIV−1のエンベロープ糖タンパクのgp120
が細胞受容体に結合することである。しかし、CD4が関係しない感染機構の証
拠も存在しており、多くの生体外(in vitro)のCD4陰性細胞(CD
4−negative cell)のHIV感染が報告されている(ハロウズ(
Harouse)、J.M.氏他、J.Virol、63、2527、1989
年、ザッチャー(Zachar)、V.B.氏他、J.Virol、65、21
02、1991年)。
上記のデータは、HIV感染にはCD4の発現だけが絶対的な条件ではなく、
それだけでは感染をサポートするに不十分であることを示しており、他にも感染
に必要とされる分子が存在することを示唆している。
また、感染後の重大かつ取り返しのつかない免疫低下についての病理生理学的
根拠は不明である。
AIDSは、1981年に、日和見感染、カポジ肉腫及び一次CNSリンパ腫
の症状を持つ米国の若い男性同性愛者に対して初めて認定された。その当時、例
外的な症例として全身的な悪性リンパ腫も認められていたが、1985年までは
統計的に目立つ程の増加数は認められなかった。また、罹病者は、遍在しても通
常は病気の原因となり得ない微生物による他の日和見感染も患っていた。実際の
ところ、AIDS患者にみられる感染症及び癌は、以前には、生まれつき免疫機
構に所定の欠陥を持つ人々に対してしか知られていないものであった。
この病気が最初に認定されて以来、症例数は急速に増加してきた。世界保健機
関によれば、AIDSの増加によって、西暦2000年までにはHIV感染者が
4千万人にもなるとされている。
最近、HIV感染は3つの別個の段階に分類されるようになった。即ち、数週
間継続する急性期、数年間継続する慢性期、及び、数カ月〜数年継続する最終的
な発病期(一般的にAIDSと呼ばれる段階)である。
AIDSは特異な病気である。他の感染症で、人間の免疫機構を直接攻撃して
類似した害を及ぼす病気は知られていない。
まず、このウイルスは、人体内で、普通は感染症から人体を防御する細胞を攻
撃する。これらの細胞には、単球、マクロファージ、及び、樹状細胞、いわゆる
抗原提示細胞(APC)がある。更に、HIVは、数カ月或いは数年間細胞中に
潜伏しうる。第3の難題は、HIVの遺伝子構成が非常に多様であるということ
である。
1985年に、ジドブジン(zidovudine:AZT)がヒト免疫不全
ウイルス即ちHIVに対して生体外活性を有することが分かった。このジドブジ
ンの生体外臨床活性については議論されていないが、治療開始の時期については
かなり議論されている(J.G.バートレット(Bartlett)氏、New
Engl.J.of Med.、329、351、1993年;クーパー(C
ooper)D.A.氏他、New Engl.J.of Med.、329、
297、1993年)。
AZTには貧血等の重い副作用があり、また、この薬の使用者については、H
IVが突然変異して薬が効かない菌株を生ずることがよくある。
他のヌクレオシド類似体も試験中であるが、副作用を含む作用形態がジドブジ
ンに類似するため、その使用は結局は限定されることになろう。
AZTの作用は、HIVの酵素、即ち、逆転写酵素の作用を抑制することであ
り、ウイルスの細胞内での複製を阻止することである。
レトロウイルスは、よく知られているように非常に速く変化して、患者に投与
される薬剤や抗体に対して耐性を有するHIV−1菌株を急速に生じさせる。ま
た、HIVの複製サイクルの幾つかの他の段階を治療的干渉(therapeu
tic intervention)の対象とする構想もなされてきた。このよ
うな対象の1つとして、十分な感染力を持ったHIV粒子の集合に不可欠なHI
Vプロテアーゼがある。
過去数年において、有効な抗ウイルス治療法を求めて徹底的な調査が行われて
きた。これまでに見つかった有効な薬剤には、カルボヴィール(carbovi
r)(ヴィンス(Vince)、R.氏他:Biochem.Biophys.
Res.Commun.156、1046、1988年)及び、オキサシン(o
xathin)安息香酸エステル及び誘導体類(シュルツ(Schultz)、
RJ氏他:Proc.Am.Assoc.Cancer Res.33、409
、1990年)がある。
HIVウイルスの広まりを阻止する新薬の調査が行われているが、以下の条件
を満たさなければならない。
−全くあるいは殆ど副作用がないこと。もしくは、少なくともその副作用が最
小限で許容できるものであること。
−治療係数が高いこと。
−内部でHIVウイルスが増殖する細胞にウイルスが侵入できないようにする
か、又は、そのような細胞内でウイルスが増殖できないようにして、HIVウイ
ルスの増殖を阻止すること。
−1日1回又は2回の薬剤投与が可能な程度に薬剤の半減期が長いこと。
−個々の投与量を確認できるように、化合物が血中で容易に同定できること。
−薬剤が、代謝活性の結果としてだけでなく、投与された時と同じ形態で標的
細胞に対して効果を有すること。
−薬剤が、奇形学的に安全であること。
この発明によれば、驚くべきことに、レトロウイルス性の病気に対して有効な
薬剤の調製にイノシトール三燐酸(IP3)の少なくとも1種の異性体を使用す
ることが可能となった。
この発明の推奨実施例においては、この薬剤は、後天性免疫不全症候群(AI
DS)及びAIDS関連の病気の予防及び緩和に、また、これらの病気との闘い
のために使用することを目的としたものである。また、この薬剤は、レトロウイ
ルスが原因となって起こる他の症状に対しても使用できる。
この薬剤は、レトロウイルス性の感染に対してかなり高い抑制効果を発揮する
が、副作用がない。従って、患者にとって非常に有益である。
また、この薬剤は、他の包膜ウイルス(enveloped virus)に
よって引き起こされるウイルス性の病気に対しても使用するようにされている。
例えば、この薬剤は、サイトメガロウイルス及びさまざまな種類のヘルペスウ
イルスが原因となって起こるウイルス性の病気に対して使用するようにされてい
る。
ヨーロッパ特許第179439号によれば、少なくとも1種のイノシトール三
燐酸の異性体を、薬効成分として含んでいる薬剤組成物が知られている。この特
許では、薬剤組成物の効果が血小板凝集等の異なる分野に対して示されている。
IP3の生成及びその異なる異性体の単離については、米国特許第4.777
.134号に開示されている。また、IP3異性体は、例えば、イノシトール及
び燐源から、化学的合成法または酵素を使用した合成法によっても生成できる。
さらに、IP3のハイブリッドDNA技術を含む微生物学的生成方法も適してい
る。
IP3及びその種々の異性体の構造は、米国特許第4.735.936号及び
米国特許第4.797.390号に開示されている。
この発明により使用される薬剤は、単位剤形(unit dosage fo
rm)で存在することが適切である。このような単位剤形に適した投与形態は、
錠剤、顆粒剤あるいはカプセルである。また、錠剤及び顆粒剤に対しては、胃中
で制御できない加水分解が起こらないようにし、腸内で所望の吸収がなされるよ
うに、エンテリックコーティング等の表面処理を容易に行うことができる。他の
適切な投与形態としては、緩速放出投与(slow release)及び経皮
吸収投与(transdermal administration)がある。
この薬剤には、薬学的に許容できる通常の添加剤、賦形剤、及び/または、担体
が含まれていてもよい。また、錠剤または顆粒剤の腸内での分解を容易にする崩
壊剤が、錠剤または顆粒剤に含まれていてもよい。所定の場合、特に、急性の場
合には、静脈投与用として溶液の単位剤形を使用することが好ましい。他に、投
与形態としてこの化合物を含む懸濁液を用いることが好ましい場合もあり得る。
また、この薬剤は、添加剤、賦形剤、または担体を使用せずに、IP3等だけ
で構成されるようにすることもできる。
必要であれば、この薬剤には、他のイノシトール燐酸(inositol p
hosphate)IP1、IP2、IP4、IP5及びIP6が含まれていなくて
もよい。従って、IP3異性体の混合物が、例えば、93〜100%、好ましく
は、95〜100%というように90〜100%の純度を有していてもよい。
あるいは、この薬剤は、各々が実質的に純粋な形態で存在する1以上の特定の
IP3異性体から構成されるか、又はこれを含むものとすることができる。すな
わち、異なる異性体を実質的に純粋な形態で互いに単離することができる。この
実質的に純粋な形態とは、異性体が、例えば、82〜100%や85〜100%
、好ましくは90〜100%というような80〜100%の純度を有しているこ
とを意味するものである。異性体を純粋な形態で生成することができるため、当
然、これらの異性体をどの様な比率でも混合することができる。
この薬剤はIP3から構成され得るものであり、このIP3はIP6、IP5又は
IP4の少なくとも1つと、IP3を形成するのに適した酵素等の分解性物質によ
って生成される。
大抵の場合において、この発明による薬剤の調製に使用される1または複数の
IP3異性体は、鉱質のバランス(mineral balance)に悪影響
を及ぼさないように塩の形態で存在することが適切である。この塩は、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、亜鉛、又はマグネシウムの塩か、これらの塩の2種
類以上を混合したものからなるものであることが好ましい。
また、上記した理由により、この薬剤に、カルシウム、亜鉛又はマグネシウム
と鉱酸又は有機酸との塩のうち少なくとも1種類の薬学的に許容できる塩を余分
に添加するとよい。このことは、特に、上記の鉱物が不足しがちな高齢者に有益
である。
人間の患者に薬剤投与する場合には、薬剤を様々な量で動物に投与した結果に
基づいて、当業者により適切な服用量が常套的に決められる。人間に対する推奨
服用量は、0.1〜1000mgIP3/日/kg体重の範囲内であり、特に、
0.1〜200mgIP3/日/kg体重である。
動物実験では、マウスに腹膜腔内注射で160mg/kg体重の高投薬量のI
P3を投与した後でも、何ら毒性作用は見られなかった。
通常、この薬剤は、1回の投薬量に対して、例えば、0.05〜1.3g、好
ましくは、0.1〜1gというように、0.01〜1.5gのIP3を含んでい
る。
この発明により使用される組成物は、主要なIP3異性体もしくは上記した異
性体に対応する以下の物質の少なくとも1つ、場合によっては、2以上の物質を
含んでいる。即ち、
次式のD−ミオ−イノシトール−1,2,6−三燐酸
ここでXは、水素、少なくとも1つの一価、二価又は多価のカチオン、又はそ
の組み合わせであり、nはイオンの数であり、zは各イオンの電荷である。
次式のミオ−イノシトール−1,2,3−三燐酸
ここでX、n及びzは上記したとおりである。
次式のL−ミオ−イノシトール−1,3,4−三燐酸
ここでX、n及びzは上記したとおりである。
上記の各式において、nの範囲は1〜6であり、zの範囲は1〜6である。好
ましくは、nは3〜6であり、zは1、2、又は3である。また、上記の異性体
のうち、D−ミオ−イノシトール−1,2,6−三燐酸が好ましい。
本願発明による組成物中の有効なIP3成分として利用可能な他のイノシトー
ル三燐酸異性体は、以下の構造式を有している。
イノシトール三燐酸化合物の1群は、上記構造式(I)によって定められる。
ここで、R1、R3、R5、R7、R10及びR11のうちの3つが水酸基であり、残り
の3つが燐酸基である。また、R2、R4、R6、R8、R9及びR12は水素である
。
イノシトール三燐酸の別の1群は、上記構造式(I)によって定められるが、
R1、R3、R6、R7、R9及びR12のうちの3つが水酸基で、残りの3つが燐酸
基である。また、R2、R4、R5、R8、R10及びR11は水素である。
イノシトール三燐酸のさらに別の1群は、上記構造式(I)によって定められ
るが、R1、R3、R5、R8、R10及びR12のうちの3つが水酸基で、残りの3つ
が燐酸基である。また、R2、R4、R6、R7、R9及びR11は水素である。
イノシトール三燐酸のさらに別の1群は、上記構造式(I)によって定められ
るが、R1、R4、R5、R8、R9及びR12のうちの3つが水酸基で、残りの3つ
が燐酸基である。また、R2、R3、R8、R7、R10及びR11は水素である。
イノシトール三燐酸のさらに別の1群は、上記構造式(I)によって定められ
るが、R1、R3、R6、R8、R9及びR12のうちの3つが水酸基で、残りの
3つが燐酸基である。また、R2、R4、R5、R7、R10及びR11は水素である。
イノシトール三燐酸のさらに別の1群は、上記構造式(I)によって定められ
るが、R1、R3、R6、R7、R10及びR12のうちの3つが水酸基で、残りの3つ
が燐酸基である。また、R2、R4、R5、R8、R9及びR11は水素である。
イノシトール三燐酸のさらに別の1群は、上記構造式(I)によって定められ
るが、R1、R3、R5、R8、R10及びR11のうちの3つが水酸基で、残りの3つ
が燐酸基である。また、R2、R4、R6、R7、R9及びR12は水素である。
イノシトール三燐酸のさらに別の最後の1群は、上記構造式(I)によって定
められるが、R1、R3、R5、R7、R9及びR11のうちの3つが水酸基で、残り
の3つが燐酸基である。また、R2、R4、R6、R8、R10及びR12は水素である
。
上記式から予想される範囲内の個々のイノシトール三燐酸化合物には、上記構
造式(I)を有する以下のような化合物が含まれている。即ち、構造式(I)に
おいて、
R5、R7、R10が燐酸基であり、R1、R3、R11が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R8、R9、R12が水素であるもの、
R1、R10、R11が燐酸基であり、R3、R5、R7が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R8、R9、R12が水素であるもの、
R1、R3、R11が燐酸基であり、R5、R7、R10が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R8、R9、R12が水素であるもの、
R3、R5、R7が燐酸基であり、R1、R10、R11が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R8、R9、R12が水素であるもの、
R3、R7、R10が燐酸基であり、R1、R5、R11が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R8、R9、R12が水素であるもの、
R3、R10、R11が燐酸基であり、R1、R5、R7が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R8、R9、R12が水素であるもの、
R1、R3、R6が燐酸基であり、R7、R9、R12が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R5、R8、R10、R11が水素であるもの、
R6、R7、R9が燐酸基であり、R1、R3、R12が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R5、R8、R10、R11が水素であるもの、
R3、R5、R8が燐酸基であり、R1、R10、R12が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R7、R9、R11が水素であるもの、
R1、R3、R12が燐酸基であり、R5、R8、R10が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R7、R9、R11が水素であるもの、
R1、R3、R5が燐酸基であり、R8、R10、R12が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R7、R9、R11が水素であるもの、
R1、R5、R8が燐酸基であり、R3、R10、R12が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R7、R9、R11が水素であるもの、
R1、R5、R12が燐酸基であり、R3、R8、R10が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R7、R9、R11が水素であるもの、
R1、R3、R12が燐酸基であり、R6、R8、R9が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R5、R7、R10、R11が水素であるもの、
R1、R3、R6が燐酸基であり、R7、R10、R12が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R5、R8、R9、R11が水素であるもの、
R4、R5、R8が燐酸基であり、R1、R9、R12が水酸基であり、かつ、R2、
R3、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R3、R5、R8が燐酸基であり、R1、R10、R11が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R7、R9、R12が水素であるもの、
R1、R3、R5が燐酸基であり、R8、R10、R11が水酸基であり、かつ、R2
、R4、R6、R7、R9、R12が水素であるもの、
R1、R3、R5が燐酸基であり、R7、R9、R11が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R8、R10、R12が水素であるもの、
R1、R3、R12が燐酸基であり、R5、R8、R9が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R1、R3、R8が燐酸基であり、R5、R9、R12が水酸基であり、かつ、
R2、R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R3、R5、R12が燐酸基であり、R1、R8、R9が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R1、R5、R9が燐酸基であり、R3、R8、R12が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R1、R5、R12が燐酸基であり、R3、R8、R9が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R1、R3、R9が燐酸基であり、R5、R8、R12が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R3、R5、R9が燐酸基であり、R1、R8、R12が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R5、R9、R12が燐酸基であり、R1、R3、R8が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R1、R8、R9が燐酸基であり、R3、R5、R12が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R1、R8、R12が燐酸基であり、R3、R5、R9が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R5、R8、R12が燐酸基であり、R1、R3、R9が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R1、R9、R12が燐酸基であり、R3、R5、R8が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R5、R8、R9が燐酸基であり、R1、R3、R12が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R3、R8、R9が燐酸基であり、R1、R5、R12が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R3、R9、R12が燐酸基であり、R1、R5、R8が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
R3、R8、R12が燐酸基であり、R1、R5、R9が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
及び、
R8、R9、R12が燐酸基であり、R1、R3、R5が水酸基であり、かつ、R2、
R4、R6、R7、R10、R11が水素であるもの、
である。
上記式は、イノシトールが、ミオ−イノシトール、シス−イノシトール、エピ
−イノシトール、アロ−イノシトール、ネオ−イノシトール、ムコ−イノシトー
ル、カイロ−イノシトール及びシロ−イノシトールからなる群から選択されたも
のである、イノシトール三燐酸の特定の異性体を示している。また、この発明は
、以下の例によっても説明されるが、これに限定されるものではない。例1は、
静脈投与用のIP3溶液の生成について示したものであり、例2及び3は、異な
るHIV細胞系によって生じる感染を抑制するIP3の効果を示したものである
。また、例4は、HIV患者から臨床的に採取されたウイルスにより生じるHI
V感染を抑制するIP3の能力を示すものである。例1
D−ミオ−イノシトール−1,2,6−三燐酸(IP3)のナトリウム塩の注
射溶液
IP3のナトリウム塩0.5gと塩化ナトリウム0.77gを98.73ml
の注射用の水に溶解させて、人間又は動物への注射に適した溶液を生成した。例2
D−ミオ−イノシトール−1,2,6−三燐酸(IP3)のナトリウム塩の、
HIV誘発感染に対する抑制効果
MT−4細胞(ヒトT細胞系、細胞1×106個)の5つの試料を、10%の
牛の胎児の血清と20μg/mlのゲンタマイシンと100IU/mlのストレ
プトマイシンを含む500μlの増殖培養液に懸濁させた。このようにして生成
した懸濁液のうちの4つに、D−ミオ−イノシトール−1,2,6−三燐酸(I
P3)のナトリウム塩を、最終的な濃度がそれぞれ0.2、2.0、20及び2
00μg/mlになるように添加した。残りの1つの懸濁液は、IP3を添加せ
ずに対照として使用した。50μlのHIV−3B(HIVウイルスの型コード
)を懸濁液に加えた後、37℃で2時間培養(インキュベーション)した。被感
染細胞は、よく洗浄した後、上記したような最終的な濃度になるように適量のI
P3を含む5mlの増殖培養液に再懸濁させた。
上記各懸濁液の4つのサンプルをそれぞれ細胞培養プレートに移し、37℃で
4日間培養した。感染の度合を知るための1つの測定基準は、細胞における抗原
gp−120の発現である。このHIV抗原の生成を抗体ELISA法によって
測定し、IP3を含むそれぞれの懸濁液について得られた結果を、対照とした懸
濁液と比較して表した。
この結果を標準化して、以下の表に示す。
IP3濃度(μg/ml) 感染率(%)
0 100
0.2 55
2.0 55
20 18
200 0
上記データにより、IP3がHIV誘発感染に対してかなり高い抑制効果を有
することが明らかである。例3
MT−4細胞(細胞1×106個)の3つの試料を、500μlの増殖培養液
(牛の胎児の血清(10%w/w)、ゲンタマイシン(20μg/ml)、及び
ストレプトマイシン(100IU/ml)を含有)に加えた。このようにして生
成した懸濁液のうちの2つにD−ミオ−イノシトール−1,2,6−三燐酸(I
P3)のナトリウム塩を添加し、残りの1つの懸濁液を対照とした。IP3の添加
量は、最終的に、それぞれ125μg/ml及び250μg/mlの濃度となる
ようにした。
50μlのHIV−MN(HIVウイルスの型コード)を各懸濁液に加えた後
、37℃で2時間培養した。被感染細胞は、洗浄後、上記したような最終的な濃
度になるように適量のIP3を含む5mlの増殖培養液に再懸濁させた。
上記各懸濁液の3つのサンプルをそれぞれ細胞培養プレートに移して37℃で
4日間培養し、感染の度合を、細胞における抗原gp−120の発現として測定
した。この検定を抗体ELISA法を用いて行い、IP3を含む2つの懸濁液に
ついて得られた結果を、対照とした懸濁液と比較して表した。
この結果を標準化して、以下の表に示す。
IP3濃度(μg/ml) 感染率(%)
0 100
125 70
250 50
上記データは、IP3がこの型のHIV誘発感染に対して抑制効果を有するこ
とを示している。例4
種々の濃度のD−ミオ−イノシトール−1,2,6−三燐酸(IP3)のナト
リウム塩を含有する培養液に末梢血液単核細胞(PBMC)を加えて感染を誘発
させるためにHIV感染者から採取したウイルスを使用した。HIV感染者から
採取した25CCID50(50%の細胞培養感染量)のPBMCを、3つの異な
るIP3濃度(0.125mg/ml、0.250mg/ml、0.5mg/m
l)にして培養した。第4の試料として、IP3を含まない液を対照として使用
した。培養液は、10%の牛の胎児の血清、2μMのグルタミン、100IU/
mlのペニシリン、100IU/mlのストレプトマイシン及び20μg/ml
のゲンタマイシンからなるものであった。細胞濃度は、1mlあたり2×105
個であった。全試料を37℃で1時間培養した。
その後、健康なドナーから採取したPBMCを試料に添加した。なお、この細
胞は、添加前に3日間フィトヘマグルチニン(PHA)により刺激を与えられて
いたものである。0.5×106個の、PHAの刺激を受けたPBMCを各試料
に加えた後、37℃で3時間培養した。この細胞を、よく洗浄した後、10IU
/mlのインターロイキン−2で補足した培養液に再懸濁させ、96ウェルマイ
クロタイタープレート(96−well microtite plate)中
に100.000個の細胞を有する4つのサンプルに植えつけた。その後、更に
7日間培養し、7日目にELISA法によりHIV抗原生成を検定した。得られ
た値を標準化して、以下の表にまとめた。
IP3濃度(mg/ml) HIV感染率(%)
0 100
0.125 89
0.250 16
0.500 0
臨床的にHIV感染者から採取されたウイルスによってHIV感染を生じさせ
たこの例では、IP3は強力な感染抑制効果を示している。IP3濃度を0.5m
g/mlにした場合、感染は完全に阻止されている。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C
N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE
,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,
LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N
L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE
,SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. イノシトール三燐酸(IP3)の少なくとも1つの異性体の、レトロウイ ルス性の病気に対して有効な薬剤の調製への使用。 2. 上記病気が後天性免疫不全症候群(AIDS)またはAIDS関連の病気 である、請求項1に記載の使用。 3. 上記イノシトール三燐酸の異性体が塩の形態をとっている、請求項1及び 2のいずれか1つに記載の使用。 4. 上記イノシトール三燐酸が、ナトリウム、カリウム、カルシウム、又は亜 鉛の塩である、請求項3に記載の使用。 5. 上記薬剤が、錠剤、顆粒剤、カプセル、溶液又は懸濁液を含む単位剤形を とっている、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の使用。 6. 上記イノシトール三燐酸が、D−ミオ−イノシトール−1,2,6−三燐 酸である、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の使用。
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