JPH09503281A - 絶縁用改良カバー及び製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 対象物を絶縁するための改善絶縁パッケージとこれを製造する方法が開示される。この絶縁パッケージは、ゆるく取り付けられるカバーに閉じ込められた１又は２以上の層の絶縁材料を含む。このカバーは絶縁材料の周りに容易に取り付けられる。上記の絶縁パッケージは、それぞれの形状の絶縁材料のために個別のカバーを予め製作する以前の方法と比べて時間と労力を節約する。好ましい態様では、カバーは、防水性材料、耐水性材料、通気性材料、及びそれらの組み合わせのうちのいずれのものからも製作することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 絶縁用改良カバー及び製造方法 関連出願 本願は、1993年６月25日出願の同時係属米国特許出願第08/082692号の部分継 続出願である。 発明の背景 １．発明の分野 本発明は、対象物のための断熱材及び遮音材、例として輸送機関（例えば航空 機、列車、船舶、自動車、貨物自動車その他）の内部に取り付けられる絶縁材の 如きものに関する。 ２．関連参考文献の説明 断熱材は様々な用途で広く使用されている。自動車におけるようなある種の普 通の輸送機関用途において快適さと向上した効率とを付け加えると同時に、その ような絶縁材はそのほかの輸送機関の適切な運転、例えば高空飛行航空機内の温 度勾配を維持するといったようなこと、にとって極めて重要である。 今日の輸送機関の多くに取り付けられる絶縁材は、非常に厳しい断熱及び防音 の要求条件を満たさなくてはならない。結果として、絶縁材料はしばしば、最大 限の絶縁を確保するため、限られた場所へ、また多くの対象物の周りにぎっしり 詰め込まれる。同様に、絶縁材は広範囲の環境条件下で働かなくてはならない。 これらの要求は、劇的な温度、圧力及び湿度の変化を定常的に被る航空機の設計 において特に厳格である。極端ではないながらも、列車、自動車や貨物自動車、 そして船舶といったようなそのほかの輸送機関も、か なりの空調や防音を要求する。 輸送機関を絶縁する方法を複雑にするのは、それらの外殻には絶縁材料を周り に取り付けなくてはならない多くの障害物（例えばパイプ、縦材（ストリンガー ）、チューブ、及び構造用リブ）が含まれるという事実である。現在、リブ、縦 材及びそのほかの同様の障害物の周りに絶縁材を配置するためには、絶縁材を切 り取ってある大きさにし、そして特注カバーを製作して取り付けるか、あるいは 障害物の周りにばらの絶縁材を単に「詰め込む」だけである。特注のカバーを製 作するには、継目を閉じそしてシールするために多量の感圧テープが手でカバー に貼られる。これらのアプローチのどちらも完全に申し分ないものではない。特 に特注カバーの製造については、これは非常に労働力を集中するものであり、且 つ時間がかかる。 スペースの束縛に加えて、絶縁材は温度及び圧力の変動に耐えなくてはならな い。非常にしっかりシールされた輸送機関、例えばジェット機のようなものは、 呼吸、発汗、食物からの蒸気等から客室内に湿分が過度に蓄積するのを経験する ことがある。そのような輸送機関の外部が内部よりも実質的に低い温度にあると 、内部の空気中の水蒸気は外殻であるいは外殻を取り囲む絶縁材の内部で凝縮し やすい。 輸送機関の外殻をライニングする絶縁材中に湿分が蓄積することは多面的な問 題である。第一に、今日一般に使用されている多くの絶縁材料、例えばガラス繊 維やある種の発泡体のようなものは、一度湿ると水分を保持する傾向がある。結 果として、絶縁材は、結露が生じて絶縁材内に残るにつれ時間をかけて重量が増 加する。重量の増加が燃料経費に実質的な差を生じさせかねない輸送機関（例え ば航空機）においては、この湿分の蓄積は燃料の膨大な浪費に帰着 する。 第二に、水分の蓄積と保持はまた、多数の安全上及び健康上の危険ももたらす 。例えば、水分の蓄積は、(a) 輸送機関の外殻の隠蔽された内部の腐食性の環境 に寄与し、そして未点検のままにされると重要な構造部品を弱くしかねず、(b) 過度な重量の増大により輸送機関の操縦性を減少させ、(c) 微生物が成長するこ とのできる不衛生な環境を助長する。 第三に、ある絶縁材中に湿分の存在することは時間をかけて絶縁材をゆがめあ るいはぼろぼろにする傾向がある。これは、側壁の湿った絶縁材の、その絶縁材 を下方に引っ張り下ろす増加した重量のせいである。結局は、絶縁材の断熱及び 防音の両方の性質を低減させる隙間が現れる。水はまたある種の絶縁材料をぼろ ぼろにし、それらの絶縁特性を更に低下させかねない。 航空機や同様の輸送機関で用いられた初期の絶縁材は、輸送機関の外殻と内壁 との間に詰められた単にばらばらの繊維あるいは詰め綿であった。この絶縁系の 欠陥の中には、取り付けて保持するのが難しい傾向のあること、ガラス繊維は取 り付けと取り外しの際に健康上危険であること、絶縁材が滑って所定の位置をは ずれることがあった。 もっと最近になって、航空機産業では、胴体の内部を腐食やそのほかの問題に ついて検査することが出来るように絶縁材を定期的に取り外すべきであることが 認識された。これを達成するために、多数の会社が、液体及び水蒸気の透過に耐 えるマイラー（MYLAR、登録商標）ポリエステルフィルム又は他の不透過性の膜 のケーシングのような、個々に包まれたカバーで絶縁材料をくるみ始めた。その ような材料は湿分がカバーを通り抜けて移動するのを防ぐのに有効ではあるもの の、時には、不透過性の防水ケーシングに呼吸穴を付 け加えて圧力変化時に通気させなくてはならない。これらの圧力補償孔は、必然 的に水蒸気が進入し水分が蓄積することに帰着した。更に、ケーシング材料は本 質的に液体及び蒸気の不透過性の手段であるという事実は、絶縁材がひとたび湿 っぽくなると絶縁パッケージは非常に長時間湿ったままであることを意味する。 親出願には、絶縁材料の周囲の包装材料として耐水性、蒸気透過性の保護カバ ーを使用することができることが開示されている。輸送機関の内部に取り付ける と、水蒸気は絶縁パッケージに自由に出入りするが、絶縁パッケージ内で生じる ことがある凝縮水はそこに含まれて漏れださず、輸送機関内で問題を引き起こす 。カバーは水蒸気に対して「透湿性」であるから、絶縁パッケージ内で生じるこ とがある結露は、条件が許容する場合には自由に蒸発し消散することができる。 これは、絶縁材のパッケージングにおける主要な改良であると信じられる。しか し、更なる改良がなお可能であるとも信じられる。 る絶縁材の正確な輪郭に合うように設計される。ところが、これらのしっかり固 定するカバーは、絶縁材料のいろいろな形状のものについてカバーを注文製作し なくてはならのいので、製造及び購入するのに費用がかかる。典型的な大型旅客 ジェット航空機は1300を超えるいろいろな大きさの絶縁材料片を有することがあ ることを考慮すると、これはかなりの経費である。注文取り付けのカバーは、絶 縁材料が変わった形状の対象物の周りに、窮屈な空間に、あるいは湾曲面に沿っ て、ぴったりと合わなくてはならない場合に特別の問題となる。現在、そのよう な絶縁材をカバーで包む容易なやり方はない。これから、窮屈な用途においては ばらばらの（カバーをかけていない）絶縁材料を使用すること（それには固有の 取扱いの問題 がある）、あるいは不規則形状の絶縁材の各片を骨を折って包みそしてシールす ることに至っている。これらの解決策のどちらも満足なものではないと信じられ る。 従って、不規則形状の絶縁材料の周りにぴったり合わすのが容易であるカバー を有する絶縁材パッケージを提供することが本発明の主目的である。 本発明のもう一つの目的は、絶縁しようとする窮屈な場所に又は対象物の周囲 に配置する場合に容易に取り付けあるいは取り外し、そして保持することができ る絶縁材パッケージを提供することである。 本発明の更に別の目的は、カバー内に含まれた液体の水が蒸発することができ るように液体の水の不透過性部分と蒸気の湿分の透過性部分とを持つ耐久性のカ バーを有する絶縁材パッケージを提供することである。 本発明のこれら及びこのほかの目的は、以下の明細書の吟味から明らかになろ う。 発明の概要 本発明は、実質的に任意の形状の対象物又は構造物を絶縁するのに使用するた めの改良された絶縁パッケージを提供する。本発明の絶縁パッケージは、実質的 に任意の形状の絶縁材、殊に不規則形状の絶縁材の周りにぴったり合うために付 形して圧縮する（compact）ことができるゆるく取り付けられるカバーを含む。 本発明のゆるく取り付けられるカバーは、注文製作の包装絶縁材の費用がかかり 且つ時間を消費する手順を回避しながら、容易に製造しそして絶縁材料を覆って その外形に合うように容易に圧縮することができる。 本発明の好ましい態様は、通気性の材料を含むカバーである。こ れは、カバーが損傷しあるいは弱体化することなく有意の圧力変化に対して自動 的に順応するのを可能にする。特に好ましいのは、不透水性で且つ水蒸気透過性 の材料から製作した少なくとも一つの部分を有するカバーである。水蒸気透過性 材料は、カバー及び絶縁材料内に含まれる液体の水が蒸発しそしてカバーを通り 抜けるのを可能にする。 図面の説明 本発明の作用は、添付の図面と結び付けて検討すれば下記の記載から明らかに なるであろう。添付の図面において、 第１図は１個の不規則形状の絶縁材料の周りの付形されたカバーとともに示し た本発明の絶縁パッケージの半横向きの等角投影図である。 第２図は第１図に示したカバーの絶縁材料なしの半横向きの等角投影図である 。 第３図は第１図に示した１個の不規則形状絶縁材料の半横向きの等角投影図で ある。 第４図は本発明に関して使用するのに適当な、上面にくぼみを持つ不規則形状 絶縁材料の一つの形態の半横向きの等角投影図である。 第５図は本発明に関して使用するのに適当な、湾曲面を有する不規則形状絶縁 材料のもう一つの形態の半横向きの等角投影図である。 第６図は本発明に関して使用するのに適当な、角のある本体を有する不規則形 状絶縁材料のなおもう一つの形態の半横向きの等角投影図である。 第７図は本発明に関して使用するのに適当な、長さ方向に沿ってスロットのあ る円筒形状を有する不規則形状絶縁材料の更に別の形態の半横向きの等角投影図 である。 第８図は航空機の内部に取り付けて示した本発明の絶縁パッケージの一つの態 様の半横向きの等角投影図である。 第９図は本発明の絶縁カバーのもう一つの態様の上平面図である。 第10図は航空機内に取り付けられて窓のための孔を含んでいる本発明の絶縁パ ッケージの更にもう一つの態様を備えた航空機内部の斜視図である。 第11図は本発明の輸送機関絶縁パッケージのもう一つの態様の拡大断面図であ る。 第12図は本発明の輸送機関絶縁パッケージの別の態様の拡大断面図である。 発明の詳しい説明 第１〜３図は、本発明の絶縁パッケージの第一の態様20を例示している。この 絶縁パッケージ20は、絶縁材のセグメント24の周囲でシールされた保護カバー22 を含む。この保護カバー22は、絶縁材料24の周りにゆるい取り付け品を形成する よう、絶縁材セグメント24より実質的に大きくなるようにされる。カバー22を通 気性材料から製作することにより、カバーは絶縁材の外形に正確に合致するよう 絶縁材24の周りに容易に押しつけることができる。 本発明は、「不規則形状」の絶縁材をシールする場合に特に効果的である。第 １図に示したように、本発明のカバー22は実質的に任意の形状の絶縁材の全ての 異常な角に合致するように形状が容易に合う。第１図に示した例では、絶縁材料 24はゆるく取り付けられるカバー22に入れられる。切り離して同様に第３図に示 した絶縁材料24は長方形の形状をしていて、その長手方向に沿った中央の溝28に 連絡する長手方向に沿って延びるスリット26を有する。この形状の発泡体の絶縁 材は、航空機の壁におけるリブあるいは同様の障害物 を覆って接続するのに一般的に使用されよう。 第２図に図示した本発明のカバー22には、少なくとも一つの開放の側面30があ る。カバー22は絶縁材料24を覆って取り付けられる。次に、カバー22は、スリッ ト26を通しそして中央の溝28に接触してはまるように付形され、押しつめられる 。この取り付けは、スリット26を通しての挿入によりリブ又は他の対象物を中央 の溝28内に配置するのを可能にする。 本発明の絶縁パッケージは、絶縁材の各形状及び寸法について注文のカバーを 注文生産することの実質的な費用をなくす。今日、製造業者は注文で絶縁材を覆 ってカバーを取り付けている。この注文による取り付けは、継ぎ目を各端部に沿 って手で作る、費用がかかり労働力を集中する工程である。本発明のゆるい取り 付けカバーにあっては、限られた数の形状及び寸法のカバーのみが必要とされる 。これらのゆるい取り付けカバーは、長方形又は他の同様の対称形状を容易に製 造することができ、且つ大抵の絶縁材の形状を被覆するために比較的限られた数 の寸法で製造することができるので、製造するのがずっと容易であり且つかかる 費用が少ない。 本発明の絶縁パッケージは実質的にどのような形状の絶縁材料の周りにも取り 付けることのできる保護カバーを含むとは言え、それは不規則形状の絶縁材料と ともに使用するのに特に適している。この出願において使用する「不規則形状の 絶縁材」には、通常のカバーを周りに取り付けるのを困難にする不ぞろいなプロ ポーションと輪郭を持つ任意の対象物が含まれる。この用語は、殊に、くぼみ、 間隙、開口、あるいは不ぞろいな表面を有する絶縁材に当てはまる。 第４〜７図は、出願人が「不規則」形状の絶縁材料と考える対象物のいくつか の例を示している。第４図は、上面36に丸みのあるくぼみ34がある１個の絶縁材 料32を図示している。第５図は、湾曲し た部分40を有する絶縁材料のセグメント38を表している。第６図は、直角の曲が り部48でつながった二つの脚44、46を有する絶縁材料のセグメント42である。第 ７図は、長さ方向に沿ってスロット52のある円筒形状を有する絶縁材料のセグメ ント50である。上記の材料は、本発明を利用して被覆し保護することができる多 くの可能性ある不規則形状の対象物の見本に過ぎないことを理解すべきである。 本発明により絶縁材料を被覆する方法は、いろいろな形態のうちの任意の一つ をとることができる。例えば、本発明の一つの態様は、少なくとも一方の端部が 開放しているカバー（第２図及び第９図に示したようなもの）を使用者に供給す ることを含む。使用者は、その後、カバーの内側に任意の所望形状の絶縁材料を 挿入し、そして次にカバーを絶縁材料の周りでシールして最終の絶縁パッケージ を提供することができる。この手法を使用すれば、現場での最終使用者によって も、絶縁パッケージを大抵の絶縁材の形状に合わせるように非常に素早く組み立 てることができる。下記で一層詳しく説明するように、この手法は前もって製作 されたいろいろなカバーを設計するのに容易に役立つ。 使用者により形成されるシールは、カバーの材料と用途の必要条件（例えば防 火性、非ガス発生性等）に応じて多数のやり方で作ることができる。例えば、シ ールはヒートシール法により、あるいは接着剤により形成することができよう。 カバーは、より良好に固着するためと必要とされるシールの数を最小限にするた めに、絶縁材料を覆って折り重ね、あるいはその周りに巻くことができよう。過 剰なカバー材料は切り落としてもよい。これは、取り付け業者が絶縁材料を作業 現場の近くで絶縁材料を改造し、取り付けようとする絶縁パッケージを最小限の 時間と労力で形成するように絶縁材料の被覆を可能にしよう。 この現場での取り付けは、使用者が絶縁パッケージに即座の変更を行って難し い障害物の周りに絶縁材料を取り付けるのを可能にしよう。更に、使用者は、導 管、開口、窓あるいはこのほかの障害物を越えてはまるように絶縁パッケージに 孔又は窓の開口を形成することができよう。この時、使用者は、カバーの開口の 周りをシールして絶縁材料を包むことができる。その上、カバーにホック、ファ スナー、あるいはこのほかの装置を加えて絶縁材料を所定の位置に固定すること ができよう。 本発明は、発汗、呼吸、食物、湿った貨物、厨房からの水蒸気等からの湿分又 は凝縮物が蓄積するのが問題となるであろう部分的にあるいは完全にシールされ た輸送機関を、特に目標にしている。ここで「輸送機関(vehicle)」という用語 を使用するときには、人間、動物及び／又は貨物を輸送するために使用される任 意の形態の装置、例として航空機（例えば飛行機、ヘリコプター、宇宙船）、陸 上輸送機関（例えば列車、自動車、貨物自動車、トラクター−トレーラー）、水 上輸送機関（例えばボート、船舶、潜水艦、ホバークラフト）といったもの等を 包含する。 第８図に示したように、航空機の内部には、壁58、リブ60及び縦材（ストリン ガー）62を含む、湾曲した外殻56がある。本発明の絶縁パッケージ（図示せず） は、リブ60と縦材62との間に取り付けて外殻を飛行機の内部から絶縁することが できる。リブ60と縦材62の周囲に絶縁材をあてがうために、絶縁パッケージ64を 取り付ける。絶縁パッケージ64は、ポケット74及び絶縁材料片68とともに、保護 カバー70（第９図に示される）を含む。図示した設置パッケージ64は、第３図に 示された材料24と同じような形状にされた絶縁材料66を含んでいる。カバーのポ ケット74は、第１図に示したカバーを形成するため同様のシール方法を使用して 形成することができる。適 当なシール方法には、接着、ヒートシール、あるいは折り重ねと締結が含まれる 。ポケット74は、絶縁材料66の周りにゆるくはまるように、比例して絶縁材料66 より実質的に大きくされる。ポケット74は、絶縁材料66をそれを通して挿入する 開放端を少なくとも一つ有する。 絶縁材料66は、この材料66がリブ60の周りにはまってリブ60を絶縁材の中央の スロット68に配置するように、第３図に示した絶縁材料34と同じような形にする ことができる。多数の材料片66を使用して、リブ60と、そしてリブ66と縦材62が 交差する残されたスペース（又は他の付形した絶縁材）を被覆することができる 。また、一つの長い絶縁材料を使用してリブ60を被覆することもできる。 第９図は、継ぎ目72を有するカバー70を製造して絶縁材料を配置することがで きるポケット74を形成する一つの方法を図示している。継ぎ目72はカバー70の垂 直の端部と水平の端部に沿って示されている。水平の継ぎ目73は、ルーム（room ）が絶縁材料66の長さに合うのを可能にする間隔をあけて形成される。この手法 を使用すれば、多数の不規則形状の絶縁材料片を「標準」寸法のカバーで取り囲 むことができる。本発明の主要な利点は、標準寸法のカバーを使って様々な不規 則形状の絶縁材料を包むという費用の節約である。 本発明の絶縁パッケージの更に別のオプションを第８図と第９図に示す。この 絶縁パッケージは、切断線78で分離された二重の継ぎ目76を使用する。この二重 の継ぎ目76は、カバー70を切断して、用途の必要条件に合致するように所望の数 のポケット74を含むのを可能にする。また、所望ならば切り離した個別のポケッ トを形成することもできる。 本発明のゆるく取り付けられるカバーのもう一つの利点は、カバーを貫通して 孔を形成し、カバーを障害物を越えてはめるのを可能 にすることができること、例えば窓の開口を形成することができることである。 第10図は、航空機の外殻86をライニングしそしてリブ82と84の間に取り付けられ た本発明の絶縁パッケージのもう一つの態様を示している。絶縁パッケージ80は 、輸送機関の外殻86の窓88又は他の装備品へのアクセスを提供するために継ぎ目 90によりシールされた開口89を有する。開口は、使用者がカバーに切って作るこ とができ、また継ぎ目は、接着剤、ヒートボンディング又は他の適当な手法を使 用して孔の周囲に形成することができる。本発明のゆるくはまる特質は、この開 口を改造した絶縁材の周りに容易に取り付けてシールするのを可能にする。 また、絶縁パッケージ80は、所定の箇所に単に詰めるだけでよく、あるいはい ろいろな保持手段のいずれか、例えばクリップ、ホック、スナップ、ホックとフ ァスナー等といったようなものにより、所定の箇所に保持してもよい。図示され た態様では、絶縁パッケージ80を部分的に又は完全に貫いて延びる補強された開 口部85が、輸送機関の外殻86に固定されたホック87に取り付けるために用意され る。開口部85は、湿分がそれらを通って絶縁材料内に入り込むのを防ぐようにシ ールされるべきである。必要に応じて更に支持するため、追加の開口部と対応す るホック又はこのほかの保持手段を絶縁パッケージ80の下部と側部に設けてもよ い。 ある種の用途においては、液体の水を通さずに、水蒸気を通すかあるいはこれ を通さない部分がカバーにあることが望ましい。液体の水を通さない性質と水蒸 気を通す性質を合わせ持つカバーを作るためには、カバーの一部分を透過性を異 にする異なる材料から製作することができる。絶縁材料を水蒸気から遮蔽しよう としたいくつかの以前の輸送機関の絶縁材とは違い、本発明のカバーの少なくと も一部分は、空気と水蒸気が自由に出入りするのを可能にする材料 から製作することができる。とは言え、輸送機関が水あるいは他の液と直接接触 しないようにするのを助けるために、カバーは不透液性になるように製作しても よい。 第10図と第11図を参照すれば、空気及び水蒸気の透過性と防水性というこの二 重の機能を達成するためには、輸送機関の外殻94に面するカバー表面の全部でな いとしても大部分を、通気性、透湿性の（breathable）、防水性の材料から、例 えば透湿性フルオロポリマー（例として多孔質のポリテトラフルオロエチレン（ PTFE）、ポリウレタン等）の積層体を使用する商業的に入手可能な様々な布帛の うちの一つのようなものから、構成するのが好ましい。このカバーはまた、この ほかの適当な材料、例えばポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポ リエチレンの微孔質の膜のようなもの等から製作することもできる。 第11図は、輸送機関の外殻94に面したカバー表面92、絶縁材93、及び輸送機関 の内部に面したカバー表面110を有する、本発明の絶縁パッケージ80の断面を示 している。好ましくは、この材料は、フィブリルとノードの多孔質網状構造を形 成するように延伸された、延伸膨張フルオロポリマー、殊に延伸膨張PTFEの積層 体を含む。このような製品は、参照して取り入れられる1976年４月27日発行のGo reの米国特許第3953566号明細書の教示によるような、既知の方法で製造するこ とができる。この材料は、メリーランド州ElktonのW．L．Gore& Associates，In c.から、GORE-TEXの登録商標で、且つ単一成分微孔質延伸膨張PTFE膜の仕様で、 商業的に入手可能である。更に、その透湿性をわずかに減じるかもしれないとは 言え、延伸膨張PTFEの一部分を親水性材料で、例えばポリウレタン又は同様の物 質、例として、参照して取り入れられる1980年３月18日発行のGoreらの米国特許 第4194041号明細書に開示されたようなもので被覆し て、延伸膨張PTFEが油又は他の汚染物により汚されるのから保護するのを助ける ことが更に望ましいことがある。この後者の材料も、W．L．Gore & Associates ，Inc.から、GORE-TEXの登録商標で、且つ二成分微孔質延伸膨張PTFE膜の仕様で 、商業的に入手可能である。 これらの特許明細書の教示により製造された材料は、水蒸気透過性である一方 で非常に液をはじくという異例の性質を持つ。結果として、輸送機関の内部の空 気中の水蒸気は本発明の絶縁パッケージに容易に出入りするが、絶縁パッケージ 内で凝縮することがある液はそれが蒸発するまでパッケージ内に間違いなく含ま れたままである。従って、絶縁材はこの過程で湿ってくることがあるかもしれな いとは言え、透湿性のカバーは、湿分が一度蒸気の状態に戻ればパッケージから 自由に出てゆくことができることを保証する。 このように、本発明の絶縁材は以前の輸送機関の絶縁法を上回る紛れもない改 良をもたらす。不透過性材料から作られたシールされた絶縁パッケージを使用す るのと違って、本発明で使用される絶縁材料には、乾き且つ条件が許す場合には その凝縮物の重量が増えたのをなくす十分な機会が与えられる。 一部の用途については、完全に不透過性のバリヤを絶縁材料と輸送機関の外殻 との間に配置することが好ましいと信じられる。ジェット機のような気密シール された輸送機関では、絶縁パッケージの外殻側カバー96を通して有効な蒸発がほ とんど起こらないことが考えられる。これを考慮して、外殻86、リブ82、84、及 び／又は輸送機関のこのほかの構造部品を液体の水と水蒸気の両方から隔離する ことが望ましいかもしれない。これを達成するためには、第10及び11図の態様の 絶縁パッケージの外殻側カバー表面94を、デラウェア州WilmingtonのE．I．DuPo nt de Nemous and Company製のポリエステルのMYLAR(登録商標)、カリフォルニ ア州Union CityのOrcon Co rpo-ration製の金属化蒸気バリヤのORCON(登録商標)といったような完全に不透 過性の材料、又はこのほかの任意の不透過性の製品から作ることができる。同様 に、側壁98、100（第10図参照）を設ける場合には、これら（又は絶縁パッケー ジ80の他の別個の部分）も特定の作業要件に対処するためそのような材料から構 成することができる。 第12図は、本発明の絶縁パッケージ80のもう一つの可能性ある構成を図示して いる。この態様においては、やはり水蒸気透過性且つ防水性材料から構成される 、外殻に面するカバー表面102が設けられる。絶縁パッケージ80ａの内表面と外 表面の両方を通して蒸発が起こることのできる（例えば輸送機関内の分割用の壁 におけるあるいはそれほど気密シールされていない輸送機関の外殻に沿っての） 用途では、この形態の構成は蒸発がそれを横切って起こりうる表面積を非常に増 加させることができる。絶縁パッケージが空気圧の変化を被る場合には（例えば 飛行機の絶縁材）、カバーはやはり通気性の材料から製作されるべきである。 本発明の絶縁パッケージ80が十分に有効であるためには、ケースを一緒に保持 する全ての継ぎ目は凝縮物が継ぎ目を通って漏れ出すのを避けるため適切にシー ルされることが重要である。継ぎ目のシールは、容認されるいずれかのやり方で もって、例えば防水性の継ぎ目シールテープを適用して、継ぎ目シール接着剤又 は他のシール用化学製品を使用して、超音波溶接、融着、ヒートシール等によっ て、達成することができる。 先に述べたように、本発明は多層の絶縁材とともに使用するのに容易に役立つ 。第12図に示した態様においては、二つの絶縁層が設けられており、第一の層10 4は開放気孔の発泡体（例えばポリウレタン、ポリイミド）であり、第二の層106 は繊維質材料（例えばガ ラス繊維）である。二つの層104、106は互いに直接接触して配置してもよいとは 言うものの、この態様では二つの絶縁層104、106の間にバリヤ材料108を設けて いる。 バリヤ材料108は、本発明において多数の役割を演じることができる。例えば 、バリヤ材料は、絶縁材の外側の絶縁層を水蒸気及び／又は液体の水から隔離及 び保護するのを助けるのに役立つこと、水蒸気が絶縁パッケージ80ａを通って輸 送機関の外殻に通過するのを防止すること、向上した絶縁性のために追加の遮熱 板及び／又は防音板として役立つこと、作業中において絶縁材料を支持しそして それを所定の箇所に保持するのを助けるための追加機構として役立つこと、等が できる。求められる性質に応じて、バリヤ材料108は、完全に透過性の布帛、透 湿性／防水性の膜、あるいは完全に不透過性の膜を含めて、任意の適当な材料を 含むことができる。 ある種の用途のためには材料の種々の組み合わせが有効である場合があるであ ろうと信じられる。例えば、用途によっては、絶縁パッケージ80の外表面102を 透湿性材料から作り、そして内表面112を水蒸気不透過性の材料から作ることが 望ましかろう。このように、第12図に示した絶縁パッケージ80ａは、水蒸気不透 過性材料110を輸送機関の内部に向けて、簡単に取り付けることができる。更に 、透過性、半透過性、又は不透過性のバリヤ材料108の１又は２以上の層も含ま せて、絶縁パッケージに他の特別な特性を付与してもよい。 本発明には広範囲の可能な用途があることは明白であろう。説明したように、 本発明の絶縁材は多くのいろいろな種類の輸送機関の外壁を絶縁するのに使用す ることができる。上記のように、ここで用いられる「外殻」という用語は、航空 機の胴体、自動車及び貨物自動車の車体、船舶の船殻又は船室、トレーラー又は 貨物コンテナ の屋根、扉、側壁又は床、列車の車体等を限定することなしに含めて、輸送機関 の内部空間を画すのに使用されるいずれの形態の分割用構造体をも包含しようと するものである。 本発明の特定の態様をここに例示及び記載したが、本発明はこのような例示と 記載に限定されるべきではない。請求の範囲の記載の範囲内で、変更や改変を本 発明の一部として取り入れて体現することができるということは明らかであろう 。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，Ｂ Ｒ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ ，ＦＩ，ＧＢ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ， ＬＵ，ＬＶ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，Ｐ Ｌ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＫ，ＵＡ，ＵＺ ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．少なくとも１個の不規則形状の絶縁材料と、この絶縁材料を取り囲むカバ ーであり、端部を有し且つ、このカバーが当該絶縁材料の周りに容易に取り付け られそして当該絶縁材料の形状に合うのを可能にするように十分な追加のカバー 材料で当該絶縁材料の周りにゆるく取り付けられる保護カバーとを含む絶縁パッ ケージであって、当該カバーが、少なくとも一部分は、このカバーを上記絶縁材 料の周りで形をつけて取り付けるのを可能にするように、空気が当該絶縁パッケ ージに流入し且つそこから流出するのを可能にする通気性材料から作られている 絶縁パッケージ。 ２．前記カバーがその端部に沿って前記絶縁材料の周りでシールされている、 請求の範囲第１項記載の絶縁パッケージ。 ３．前記カバーの少なくとも一部分が液体の水をはじき且つ水蒸気透過性の材 料製である、請求の範囲第１項記載の絶縁パッケージ。 ４．前記カバーが少なくとも二つの個別の絶縁材料の周りで閉じられて少なく とも二つのポケットを形成しており、各ポケットに少なくとも一つの絶縁材料が 収容されている、請求の範囲第１項記載の絶縁パッケージ。 ５．前記カバーがチューブ材料から作られている、請求の範囲第４項記載の絶 縁パッケージ。 ６．前記カバーの材料が延伸膨張ポリテトラフルオロエチレン膜の積層体を含 む、請求の範囲第１項記載の絶縁パッケージ。 ７．前記絶縁材料が長手方向の長さを有し、且つその長さに沿って固定された スロットを有し、前記カバーがリブが当該スロットへはまることができるように 当該絶縁材料を覆って閉じられている、請求の範囲第１項記載の絶縁パッケージ 。 ８．少なくとも１個の不規則形状の絶縁材料を取り囲むカバーを含み、このカ バーがチューブ材料を含み、そしてこのチューブが、上記カバーが上記絶縁材料 の周りに容易に取り付けられそしてこの絶縁材料の形状に合うのを可能にするよ うに十分な追加のカバー材料で少なくとも１個の絶縁材料をゆるく取り囲む絶縁 パッケージ。 ９．前記チューブが、チューブを形成するため一緒に接合された２以上の布帛 から形成されている、請求の範囲第項記載の絶縁パッケージ。 10．少なくとも１個の不規則形状の絶縁材料を、この絶縁材料の周りに容易に 取り付けるのを可能にするよう十分な追加のカバー材料を有するカバーでゆるく 取り囲み、それによって当該カバーと当該絶縁材料が絶縁パッケージを構成し、 上記絶縁材料の周りでこの保護カバーを閉じ、当該カバーが上記絶縁材料の周り に容易に取り付けられそしてこの絶縁材料の形状に合うのを可能にするように十 分な追加のカバー材料で当該絶縁材料の周りにゆるく取り付けられるようにこの カバーをシールすることを含む、絶縁パッケージの製造方法。 11．前記カバーを成形してチューブ材料にし、このチューブは多数の絶縁材料 を取り囲むのに適合しており、そして各絶縁材料の周りで前記保護カバーをシー ルすることを更に含む、請求の範囲第10項記載の方法。 12．前記絶縁材料を取り付ける前に前記カバーを片側を開放のままにしながら 前もってシールしてポケットにし、そして当該絶縁材料を取り付けた後にこのカ バーの開放側をシールすることを更に含む、請求の範囲第11項記載の方法。