【発明の詳細な説明】
名称:
FSK信号の記号化及び複合化のための法則及びシステム開発の背景
1.開発分野
本開発は、FSK(周波数変換による変調)によってのデータ通信、特に高速
で信頼性のある任意のFSK信号の記号化、複合化に関するものである。
2.前段階までの技術の簡潔な記述
情報交換のために離れた者同士がやり取りするのに、コンピューター、プリン
ターなどの電子データの端末装置を用意する事は、今日では当たり前のようにな
っている。データ交換のために、特定の送信リンク(連結)に適合された信号の
形で、データの物理的表現をすることが必要になる。データ通信で知られている
のは、電流または電圧の時間数列による方法である。ケーブルが送信リンクとし
て使用される場合、AC信号とDC信号の両方が使用可能である。しかし、AC
信号のみが、電話やラジオなどの伝達チャンネルとして使用されてる。データ送
信のため、情報を示す唯一のパターンは、送信機側において搬送波に記憶され、
受信機で認識される形である。非理想的な伝達チャンネルは、たいていの場合、
そのチャンネル特性のために記憶されたパターンを歪めるので、受信機でパター
ンを認識するときに問題がある。例えば、代表的な会話チャンネルは、通常およ
そ300Hzから3400Hzに限られたバンドと、周波数依存振幅反応、位相反応、
そして数ヘルツの周波数変換からなる。
AC言号のパターンは主として、位相、振幅、正弦振動の周波数の3つのパラ
メーターの内、1つ又はそれ以上を制御しながら操作する方法で生成される。C
CITT V.29と、V.32との一致に使用される、QAM法(直角位相振幅変調
法)では、一定周波数サイン波の位
相と振幅が変化する。例えば、CCITT V.21との一致に使われるFSK法で
は、サイン波がゼロクロッシングまたはピークにおいてある周波数から別の周波
数へと徐々に変化させられる。従って、この変化は、位相ジャンプ無しでも効果
がある。
FSKのための基本的な記号化式は次のようにシンプルである。1つのデジタ
ルビットの組み合わせは、1つの周波数で表され、もう1つのデジタルビットの
組み合わせは、また別の周波数で表される。従って、ある特定の時間に伝達チャ
ンネル内にある特定の周波数は、ちょうど1つのビットの組み合わせに相当する
。
非理想的伝達チャンネルで起こる位相と振幅の変化は、信号の情報内容に影響
をおよぼさないため、FSK法の信頼性は比較的高い。これまでにおいて、FS
K法の不利点と言えば送信速度が幾分遅いと言う事である(例、CCITT V.
21により秒速300ビット)。これは、主として会話チャンネルの周波数帯が約310
0Hzに規制されていることに起因する。しかし、これまでに知られている複合
化技術によると、ビットの組み合わせのためのより高速な周波数変換には、受信
機側で確実に情報を再生させるため、より長い周波数帯が必要になる。
FSK法における前段階的な複合化技術では、比較的長い過渡応答時間を要す
るアナログまたはデジタル固定位相ループ(PPLs)が幅広く使用された。よ
り新しい形のFSK法(例、最小変換キーイング(MSK),高速周波数変換キー
イング(FFS))では、周波数がゼロクロッシング区間で表される事実により、
分別器のようなカウンターと組み合わせたゼロクロッシング検波器を用いている
。しかし、これらのカウンター値は、特に同調時の付近では正しい周波数を再生
しない。即ち、周波数付近の時間の範囲で、初期に時間制限された周波数におい
て、通常相互の混信の原因となる信号残余(集団延滞の変化や、他の原因によっ
て生じる)が現われる。従って、このことは、同調時間の間隔を潜在的に使用可
能な同調時間と比べて広く取る必要を生じさせた。そしてそれによって、より最
近のFSK法でさえ、比較的遅い最大秒速2400ビットのスピードが可能となった
。
本開発に起着する問題は、上記のタイプのFSK法の記号化、複合化技術を向
上させることである。そうすることによって、特に同調時間付近で示される周波
数は速く、確実に認識される。そして、経済的で妨害に強い、非理想的伝達チャ
ンネルによるデータ送信の加
速化により、信頼度の高い方法の実行も今後の問題点である。開発の要約
数学的に言えば、本開発のFSK法は、一連の二進数データをコード化したビ
ットの組み合わせに変え、さらに、同振幅の有限個のサイン波による半周波を重
ね合わせる位相供存から起こると考えられるAC信号に変化される。サイン波ベ
ースのFSK法及びシステムが、ゼロクロッシング間隔の半周波を利用するのに
対し、コサイン波ベースのFSK法則及びシステムは、ピーク間の半周期を利用
する。よって、コサイン波ベースの方法では、連続であり微分可能な半周波を組
み合わせる。
従って、一定の振幅及び極性を除いて、AC信号を伝える情報は正値数列{S
(n)}によって独特のものとなる。ここで、このS(n)は数列で、ゼロクロッシ
ング間またはピーク間の継続時間を表す。振幅と極性のどちらもFSK法の内容
には含まれないので、一連の二進数データは完全に数列{S(n)}に記号化され
る。
有限個のサイン波しか利用可能でないので、S(n)は、有限個の数値のみしか
仮定することができない。さらに、S(n)は必然的に、300から3400Hzの代表
的伝達チャンネルの周波数帯内の周波数を表さなければならない。よって、S(
n)は、約1666μsから148μsの時間帯に存在しなければならない。
本開発のFSK法のバリエーションは、数列S(n)に使われる時間値、どのビ
ットの組み合わせが使用されたか、何回連続でS(n)の数が一連のデータの一つ
のビット組み合わせに割り当てられたか、そしてそれは等しいか、によって区別
される。
二進数データに割り当てられ、非理想的伝達チャンネルを通して送信されたA
C信号は伝達遅延(プロパゲーションデレイ)により時間移動したチャンネルの
受信部にあるAC信号を生成する。本開発に従い、数列{E(n)}は、ゼロクロ
ッシング、又はピーク間の時間間隔を継続的にカウントすることで受信機側での
AC信号に決定される。
本開発によるシステムでは、ゼロクロッシング検波器、またはその検波器に接続
された微分器が使用される。どちらの方法においても、決定されたゼロクロッシ
ングは、カウンター法で求められる。
受信機側において、FSK法によって生成されるAC信号の複合化は、それに
適した数列{E(n)}の再生が必要となる。この再生は本開発に従い、次のよう
にして行なわれる。即ち、数列{E(n)}が得られる方法:プリセレクトされた
変数s,t,そしてA(-s)+A(-s+1)+...+A(0)+...+A(t-1)+A(t)=1 の状態
を満たす一定の係数A(-s),A(s+1),..,A(0),...,A(t-1),A(t)を使って、
以下の最適化問題を定義する。
なお、F(n)とE(n)(線形近似値の誤差マージン)は、
の式により定義される。この式は、数列{E(n)}の全体もしくは、部分的につ
いて解かれる。それは、x(n)として認識され、S(n)と同じ値を想定すること
のみ認められ、数列{S(n)}と同じ形式を保持しなければならない。
本開発内において、‖F(n)‖は、類似性の基準として使われる有限個の数列
の任意の実数値を示す。例として、
これらの最適化問題の答えは、いくぶん長くなるが、それはその時使われる伝
達チャンネル及び使用されるFSK法に依存する。x(n)が有限個の値のみ式に
あてはめられる例もあって、常に任意の係数A(j)の解は存在する。
本開発により得られた解x(n)は、送信されたAC信号を示す全体、又は部分
的な数列{S(n)}とみなされ、特定のFSK法の記号化法則によって、二進数
データに複合化される。
本開発により求められる一定係数A(j)は、全送信路に何らかの方法で特徴づ
ける。一連の送信データが短時間でしか得られない場合、係数は十分な精度で試
験的に決定される。しかし、本開発を実行するにあたって、非理想的伝達チャン
ネルに加えて、送信軌道に適した制御可能なバンドパスフィルターで囲むと、よ
り有利になることが証明されている。このフィルターを使うことで、送信軌道の
特性が試験的に影響を受ける事になる。結果的にこれは最適化問題のより好まし
い近似となり、係数A(j)の最善の適用法であって、本開発の中心部である。こ
のフィルターのもう一つの利点は、実際の伝達チャンネルから生じる制御不可能
な妨害の抑制及び、現存のFSK法の状況に関連のない、又は他の送信に決定さ
れた周波範囲のフィルターリングである。
従って、受信数列{E(n)}は、可能な送信数列{S(n)}の線形の組み合わ
せで可能なかぎりの近似がされ、それによって情報内容が再生される。この複合
化テクニックは特定のFSK法に対し、下記により詳細に述べられる。
次の表現法では、T(i)の値は(m+1)個の異なる正数値で、Nは偶数である。
T(i)値の個々は、半波長コサイン波のピーク値間の時間である。任意の指数n
(i),...,n(N)はそれぞれが1以上、m以下であり、0から、
の時間内のAC信号w(t)は次の式で示される。
このAC信号w(t)において、周波数1/(2T(n(i)))でピーク値間を計算され
た半波長コサイン波は、位相干渉性と微分可能性を用いて重ね合わせられる。0
からx(w)間でのw(t)の積分は0になるので、AC信号w(t)はDC成分を持
ち合わせない。Nは偶数なのでAC信号w(t)自身も位相干渉性で重ね合わす事
ができる。組み合わせの考察から、固定されたm,N,そしてT(O)からT(m)に
対して、前述の形の異なるAC信号w(t)がちょうどm個形成される。一般的に
、これらのAC信号w(t)は、異なった長さのx(w)を持つ。しかし、T(MA
X)が、T(1)からT(m)の最大数を示すなら、すべての可能なAC信号に対し
、
データ送信は普通、"0"と"1"の状態でそれぞれが8ビット単位で形成される
256種類の文字に基づいている。1つの信号w(t)は伝達チャンネルを通しての
データ送信に256文字のうちの1文字、又は文字の組み合わせで独持に割り当て
られる。この割当は送信機側で作り出され、受信機側で格納される。例えば、N
=8,m=2,T(0)=240μs,T(1)=200μs,T(2)=160μsの場合、3個の周波
数2083Hz,2500Hz,3125Hzによって、上式は個々が最長時間2080μsを持
つ256種類のAC信号w(t)を決定する。
これらの3個の周波数は通常、会話チャンネルのバンドパス内に十分含まれる
。ゆえに、
少なくとも毎秒480データキャラクターが送信可能である。これは秒速4800ビッ
トのスピードに相当し、今までFSK法では得られなかった数値である。仮に、
m=4,T(0)=240μs,T(i)=152+16(i-1) μs (i=1〜4)が選択される
と、2083Hzと3290Hzの間の周波数のみが得られる。従って、2つのキャラク
ターを1つの信号w(t)に記号化することで、最低でも毎秒9600キャラクターの
処理能力が可能になる。このような処理能力は今までで、良質の会話チャンネル
を使ってのQAM法のオペレーティング手法でしか得られなかった。
伝達チャンネルの受信機側で形成されたAC信号w(t)を複合化するための本
開発による法則は、連続的にピーク値間の時間差を再生する数列{E(n)}の確
定に帰着する。さらに、例として、最適化問題
が成り立つ。ここで、可能な送信数列{x(n)}によってE(n)の線形(一次)近
似誤差マージンであるF(n)は
の式で示される。この式で定数A,B,CはA+B+C=1の条件式を満たす。ここ
では
はE(n)とAx(n-1)+Bx(n)+Cx(n+1)の間で類似性を測定するものとして使
われる。
非理想的伝達チャンネルの送信機側においてFSK法で形成された信号を簡単
に記号化する方法、及び高データビット速度を実現するための受信機側にある信
号の効果的な複合化方法を提供するのが、本開発の主要目的である。
本開発のもう1つの目的は、数列{E(n)}にあるゼロクロッシングまたはピ
ーク値間の時間差を測定することで、受信したFSK信号を複合化し、送信チャ
ンネルの係数を利用して送信機側で使われた数列{S(n)}を導き出す方法を提
供することである。
本開発の別の目的は、送信されたデータの最良の概算をするために、また、最
善の複合化のために非理想的伝達チャンネルにあるFSK信号を受信する装置の
供給である。
また別の目的は、位相干渉性によってあわされる半波長サイン波の変動する期
間の数列のような一連のデータを記号化し、非理想的伝達チャンネルを通してそ
の数列を送信するための装置を供給である。
また別の目的は、位相干渉性で合わされた、変動する時間周期の乱された半波
長部分の数列を受信し、半波長部分のゼロクロッシング、又はピーク間の時間間
隔を測定し、測定された時間数列と個々に格納された数列の誤差マージンの類似
性を測定し、それらを格納したものと比較する装置の供給である。
これらの開発の目的や利点は、次にある発案の詳細な説明を、図と平行して読
むとより明らかになる。図の簡単な説明
図-1は、典型的な、微分可能なコサインベースのFSK信号を作りだすために
用いる半波長サイン曲線を描く波形のセットを示している。
図-2は、図-1の波形から作られるFSK信号の一部を示している。
図-3は、典型的な、サインベースのFSK信号の位相干渉を作りだすために用
いる半波長サイン曲線を描く波形のセットを示している。
図-4は、図-3の波形から作られるFSK信号の一部を示している。
図-5は、8ビットキャラクターセットの為の典型的な数列を示し、それは、先
行及び後続可能な要素を示す。図-6は、送信機と受信機を示す、本開発システ
ムのブロック図式である。
図-7は、図-6の受信マイクロプロセッサーの一部のブロック図式である。
図-8は、本開発の法則の流れ図である。より具体的なものについての詳細な説明
図-1,2,3,4は、この発明に従って、コサインベースあるいはサインベース
の位相干渉によってFSK信号を作りだす為に用いる波形を示す。図-1におい
て、波形10は初期周波数f1のコサイン波の半分であり、波形12は、周波数f1のコ
サイン波の前半分である。同様に、波形14,16は、2番目またはそれ以上の周波
数の半分である。図-2において、図-1の波形は、微分可能な周波数変換された
波形の系列を作るため、合成される。周波数f1は、ピーク値13からピーク値19ま
での時間周期を測定することにより表され、それによってS(j+2)が決定される
。典型的なデータキャラクターは、"0"としてf1半周波、"1"としてf2半周波を
用いることによりこれらの半周波の系列から形成される。
図-3は、周波数f1の半波長サイン波を示す波形2と、周波数f1の後続の半波
長サイン波である波形4とともに半波長サイン波のセットを示す。図-3の半波
長サイン波は、周期S(j)からS(j+5)の適例な系列を示すため図-4に合成され
る。周期は3と4のゼロクロッシングによって定義される。例えば、クロッシン
グ3-3は"1"をしめし、クロッシング3-5は"0"を示すことになる。
図-5は、ASCIIキャラクターのための信号数列を示す。数列は、初期キ
ャラクター数列を示す継続時間T(0)=240μsを持つ2つの先行要素とともに、
10個の要素を含む。後続の8ビットは、256キャラクターを定義可能である。図
解のため、キャラクター10101010が示されている。それぞれ"1"は、図-1の14
または16のような半波長部分のコサイン波であり、160μsの継続時間と3125H
zの周波数を持つ。それぞれ"0"は、図-1の10または12のような半波長部分の
コサイン波であり、200μsの継続時間と2500Hzの周波数を持つ。初期要素240
μsは、2083Hzのコサイン波の半周期である。
更に図-5には、キャラクター列に影響を与える内部シンボルを作るような、
先行及び後続可能要素が示される。データが送信されていない時には、チャンネ
ル特性を維持するため、2つのゼロの連続な数列が送信される。従って、数列の
終了時には、2つの初期シン
ボルまたは2つのゼロシンボルが受信される。
図解されたものと違った長さの割当または1周波数に記号化する複数ビットが
、本発明を実行するため利用されるであろうことを理解されなければならない。
図-6により、回路の状態は本発明に従い送信機20と受信機30を示す。データ
が送信されていない時には、例えばT(p)と仮定して、T(1)からT(m)の1つ
によって示される固定周波数の全周波が連続的に送信される。ここで、T(i)は
シングル要素の半波長の継続時間を示す。このモードは定常状態の伝達路を維持
する。
もし送信機がデータキャラクターを送信するためのものであるなら、前に定義
された型のFSK信号w(t)を供給し、このAC信号をこの送信信号位相干渉に
挿入する、規定された表の方法によって、図-5の型の数列を集合化する。図-1
,2の半周波コサイン波が用いられると実用な目的を仮定し、コサイン半周波の
関数値がメモリー21にデジタルの型で格納される。送信されるデータキャラクタ
ーは、マイクロプロセッサー22によって受信される。このマイクロプロセッサー
は、上述された型の、独自に割り当てられたコサイン半周波の系列を用意し、そ
の送信信号に正しく挿入された適切な時間に一致した関数値を一致させる。送信
に対しデータキャラクターが存在しなければ、マイクロプロセッサー22は、継続
的に前もって決定された周期1/(2T(p))のコサイン全周波の関数値を一致させ
る。
デジタル化された関数値から連続なアナログ信号への変換は、次のデジタルト
ウアナログコンバーター(D/A)23でされる。それによって得られる信号は、増
幅器/減衰器24を通過する。増幅器/減衰器は、マスタープロセッサー27、及び
非理想的伝達リンク26の信号を改善するためのローパスフィルター25によって制
御される
レシーバー30において、まずローパスフィルターと、評価回路の信号を改善す
るためのマスタープロセッサー38によって制御された増幅器/減衰器32を通過す
る。バンドパスフィルター33において、重要でない周波数は削除され、もし必要
であれば、その信号はさらにより最適化された記号化のために、例えば集合猶予
のための補正によって、フィルターがかけられる。バンドパスフィルター33は、
デジタル的に調整可能な特徴
と高クロック周波数をもつ、好適なスイッチドコンデンサーフィルターを含む。
従って、バンドパスフィルター33は、有効に計算させ、チャンネル26の特徴に調
整するためマスタープロセッサー38の機能によって調整される。
バンドパスフィルター33からの信号は、微分器34に送られる。信号がすでにチ
ャンネル26において微分されていれば、微分器34は省略されてもよい。その場合
には、スイッチ37によって、バンドパスフィルターがゼロクロッシング検波器35
に直接接続される。ゼロクロッシング検波器35は、微分された信号を受信し、マ
イクロプロセッサー36によって評価されたパルスの系列を作りだす。さらに、パ
ルス間の時間間隔をカウントし、それに従い、バンドパスフィルター33の出力信
号の近接したゼロクロッシングあるいはピーク間の時間間隔を、数列として決定
し、必要な受信数列{E(n)}を得る。
残りのプロセスは、上文において記述されている、プリセレクトされた係数A
,B,Cを用いた、メモリー39に接続されたマイクロプロセッサー36によって処
理される。
検波器35からのパルスによって導かれる継続時間E(n)の処理は、以下の詳細
な場合について説明される。それは、N=8,m=2で、"0"が時間T(1)に割り
当てられ、"1"が時間T(2)に割り当てられ、"s"が時間T(0)に割当てられる
場合である。しかしながら、他の値や、他の割当方が送信された信号に用いられ
ることがあることが、理解される必要がある。図-5を例に取れば、T(0)は240
μs、T(1)は200μs、T(2)は160μsである。
認識されるように、数列{E(n)}の要素のそれぞれは、検波された継続時間
を再表示する。図-5を例に取れば、送信されたAC信号を示す数列{S(n)}
は、240; 240; 160; 200; 160; 200; 160; 200; 160; 200(マイクロセカンド)
μsを含む。得られたE(n)に一致する値は、チャンネルディストーション(ね
じれ)によって、送信値から変化する。このゆがみは、内部シンボルの干渉や順
列延滞を引き起こす。
数列のそれぞれ10個の値に対して、例えばE(i+1)からE(i+10)として、マイ
クロプロセッサー36は、この問題下でFSK法則の記号化法則の情報と、本開発
に従う複合化法則
の情報を用いる。それは、これらの値E(n)が、それぞれ、1と2の値が仮定さ
れるビット値b(1)からb(2)でのデータキャラクターとして表示されるならば
、以下の式は、好ましい近似であるとゆうことである。:
ここで、u=0またはu=p、pは、プリセレクトされたT(p)であり、A+B+C
=1である。
ここにおいて、1つのデータキャラクター示す本発明に於ける好ましいFSK
法側の信号は、常に周期2T(0)のコサイン全周期で始まり、周期2T(0)また
は2T(p)のコサイン全周波で終了することを考慮されたい。
従って、2x256 = 512通り可能な固定された係数A,B,Cに対して、マイク
ロプロセッサー36は、式(i)から(iv)の右辺を用いる長さ10個の許容目標値数列
を決定し、メモリー39に格納する。
それぞれの目標値数列Z(1)からZ(10)に対し、マイクロプロセッサー36はト
ータル誤差を作る。
もし全てのトータル誤差がプリセレクトされたバンドを越えれば、数値E(i+1)
からE(i+10)が本開発のFSK法則の送信活動によって生成されず、数列が無視
されることが、高い確実性をもって言える。従って、マイクロプロセッサー36は
、1番目の数値E(i+1)
を拒否し、残りの9つの数値の次につづく数値を連結させ、さらに上述された方
法でそれらの10個の値を解析する。しかし、前述されたバンドを越えないトー
タル誤差が1つでもあれば、最小トータル誤差TEをもつ8ビット数列b(1)か
らb(8)が決定される。更に、マイクロプロセッサー36は、記号化され、受信さ
れたとして記するそれらの8ビット数列に属するキャラクターを決定し、観測値
E(i+1)からE(i+10)を削除し、説明された方法で即時に続きの10個数値を解
析する。
マイクロプロセッサー36は、利用時間内に割り当てられたプロセスの一部を実
行可能にするため、並列的に使用可能な処理機能を持つよう有効に備え付けられ
ている。(例えば、最悪なケースに対しても480+8x160 = 1760μs)
図-7は、例によって、マイクロプロセッサー36の構造の主要部分を示す。数
値E(j)は変換表示器に送られる。10数値が示されたら、並列的に接続された絶
対値生成器41が、それらに割り当てられた数値を継続し、前述された係数A,B
,Cに対して前もって計算された可能な目標値をメモリーブロック39から読む。
それからE(j)に対する相対的な相違、さらに絶対振幅値を形成する。最後に、
これらの全ての値を決定要素43に一致するトータル誤差を送る加算器に送る。こ
れは、考え得る512のケース全てについて行なわれ、決定要素43が最小に達した
アンダーラインの8ビットを決定する。もしその最小値が前述のバンドを下回っ
たら、認識されたキャラクターを通過し、シフトレジスター40が10数値によって
前方に変換される。それ以外においては、1数値によってシフトレジスター40が
前方に変換される。
512通りの全てのケースの詳述された完全な一覧に対する替わりとして、数学
的な最適理論によって、図に描かれた処理ステップの一部が必要なだけで、ほぼ
同様に好結果が得られる定式化が得られる。通常の信号処理は、マイクロプロセ
ッサー36として使用される。
バンド、バンドパスフィルター33のセッティング、係数A,B,Cの選択は、
幾つかの実験手段によって十分な精度で比較的簡単に決定可能であることが確認
されている。これらの値は、上下の標準範囲内を変化する伝達チャンネルに対し
て保持される。長期作用下
で、12から23μsの最小トータル誤差が生じることが実験によって示されている
。例によって述べられた、FSK法則のさらなる利点は、6Hzまでの伝達チャ
ンネルにおいて、周波数劣化が本質的に有害な影響を与えないという事である。
さらに、本法則は、同調的で、記号化の相違がないため、誤差の拡散が起こらな
いことである。
認識されるように、本開発の最適な具体化は、送信される信号のデータキャラ
クターに対して、半波長サイン波を用いたFSK信号に記号化するため、そして
、送信されたデータキャラクターを復元するためのデコーダー(ピーク値からピ
ーク値あるいはゼロクロッシングからゼロクロッシングを測定することにより得
られる数列を作り出す)のための新考なシステムを構成する。受信数列は、受信
終了時に格納された全てのデータキャラクターに対して結果として得られた数列
の候補と比較する。そして、最小誤差を持つ受信数列が送信キャラクターとして
選択される。
概略として、図-1は、本開発に従った特徴的な法則の流れ図である。容易に
分かるように、送信法則はステップ50-54、受信法則は、ステップ56-62によって
定義されている。
特定の周波数、ビットコンビネーション、初期要素用法、具体的な最適化問題
、そしてより具体的なものについて詳述されてきたが、それに加えて何らかの変
更を加えることもも本開発の主旨や着眼点を損なうことなく行なうことができる
であろう。
─────────────────────────────────────────────────────
【要約の続き】
ターは、最小の誤差を作り出すような一連のデータキャ
ラクターとして選択される。