JPH09502787A - ２つの同列軸のばね巻付け形軸継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ２つの同列配置された軸（２、３）のばね巻付け形軸継手（１）は半径方向に分割された継ぎ輪（１４）を備え、この継ぎ輪（１４）の突起部（１５）が結合される軸（２、３）の端部（４、５）に嵌め合わされるそれぞれ１つのブシュ（６、７）の対応して形成された溝（１３）に係合する。ブシュ（６、７）は巻付けばね（１９）としては標準的なコイルばねの部片が使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 ２つの同列軸のばね巻付け形軸継手 この発明は、軸心が同列配置された２つの軸のうちの一方が螺旋状の巻付けば ねを支持する周面を備えた２つの同列軸のばね巻付け形軸継手に関する。 この種の軸継手は、例えばリヒター及びフォス共著になる書籍「精密工学構造 部品」、ＶＥＢ技術出版社、、ベルリン、１９５９、に記載されているように、 フリーホイールカップリングの性質を持っている。即ち、一方の回転方向には一 方の軸の回転運動がすべりなしに他方の軸に伝達されるが、反対の回転方向には 回転運動の伝達は行われない。この場合両軸の結合は、一方の軸にその巻回部が 密接して巻付けられ、他方その他端が他方の軸に係合しているコイルばねが収縮 することによって行われる。ばね巻付け形という呼び方は、一方の軸にコイルば ねが密接して巻付けられているこのような構成に起因している。 公知のばね巻付け形軸継手においては回転トルクの伝達は直接巻付けばねによ って行われている。それ故、伝達され得る回転トルクは比較的小さい。例えば巻 付けばねとして通常の丸棒のコイルばねに代わって角棒で構成したコイルばねを 選ぶと、確かにより大きなトルクが伝達されるが、その場合には軸継手のコスト がかなり上昇する。 この発明の課題は、構造が簡単であるにもかかわらず、著しく大きなトルクを 伝達できるばね巻付け形の軸継手を提供することにある。 この発明によれば、この課題は、他方の軸も同様に巻付けばねを支持する周面 を備え、２つの軸の間に巻付けばねの支持面が配置され、この支持面における巻 付けばねの支持力が軸の相対回転方向に関連して２つの軸の間に接続された結合 装置に制御量として供給されることによって解決される。 巻付けばねがそれ自体では軸の間のトルク伝達には使われないことによって、 巻付けばねは最も簡単な形のコイルばねで充分である。この発明による軸継手は 、他方、寸法を変えないでも従来のばね巻付け形の軸継手よりも かに大きなト ルクを制御するように構成される。それにもかかわらずこの軸継手は、特に支持 面 が両軸にわたって係合し半径方向に分割されかつ軸の端部とで摩擦結合を形成す る継ぎ輪の構造部分であることによって意外に簡単な構造とすることができる。 これによりトルクの伝達が軸及び継ぎ輪における合目的的に構成された摩擦面を 介して行われ、巻き付けばねは継ぎ輪に対して制御量として作用する押圧力のみ を生ずる。例えば両軸の各々は断面がほぼ楔状の周溝を備え、継ぎ輪は周溝の各 々に対して対応の断面形状の突起部を備えることができる。 これに関連して、両楔状の周溝の軸方向外側にある制限面の各々が半径方向に 延びるように配置されるのが有利であることが実証されている。これにより軸と 継ぎ輪との間に軸方向の空間がなくなり、これによって巻付けばねの連続した支 持面が形成される。 直径の特に小さい同列配置された軸のフリーホイールカップリングは、２つの 軸心の一致した軸及び継ぎ輪がほぼ同じ直径を持ち、巻付けばねが普通の丸棒コ イルばねの部片であるときに達成できる。継手はこの場合標準的な従って経済的 なコイルばねと関連して簡単な旋盤加工部品或いは成形部品からなる。 ばね巻付け形の軸継手を、任意の長さの軸を簡単に接続させる構成部品として 形成することも可能である。このために軸の端部は、その上に巻付けばねが配置 されるブシュの中央の開口に収納され、両ブシュの少なくとも１つが巻付けばね の軸方向の移動を防ぐ装置を備える。その場合両ブシュの各々はその属する軸に クロスボルトによって結合され、このクロスボルトはブシュの周縁を越えるよう に設定され、巻付けばねの軸方向保持装置として作用する。巻付けばねの軸方向 保持のための他の有利な構成では、ブシュの少なくとも１つが巻付けばねの少な くとも１つの巻回部と係合する周溝を備える。 この発明を以下に図に示された実施例を参照して詳しく説明する。 図１はばね巻付け形の軸継手の一実施例を、一部を平面で、一部を軸方向切断 面で示す。 図２はばね巻付け形の軸継手の異なる実施例を、同じく一部を平面で、一部を 軸方向切断面で示す。 図１に示されたばね巻付け形軸継手１は破断して示された軸２をこの軸２と軸 心が一致して配列された同様に破断して示された軸３に結合する。軸２及び３の それぞれの端部４もしくは５には、それぞれ軸２及び３の端部４もしくは５を収 納する開口８もしくは９を備えるそれぞれ１つのブシュ６もしくは７が嵌め合わ されている。ブシュ６及び７並びにそれに属する軸２及び３の端部４及び５はそ れぞれ１つのクロスボルト用のクロス孔１０及び１１を備えている。なお、図で はその１つのクロスボルト１２が図１の右側に示されている。 ブシュ６及び７の互いに向き合った端部は互いに僅かの距離で対向しており、 それぞれ１つのＶ状の溝１３を備えている。継ぎ輪１４は半径方向に一重或いは 数重に分割され、その突起部１５が溝１３に嵌まり込んでいる。軸２及び３もし くは両ブシュ６及び７の周面１６及び１７並びに継ぎ輪１４の支持面１８は互い に面が一致しており、この支持面１８に普通の丸棒コイルばねの部片として形成 された巻付けばね１９が巻回されている。巻付けばね１９の巻回方向に応じて軸 ２或いは３の時計方向或いは反時計方向の回転がそれぞれ他の軸の共回りを、巻 付けばね１９が周面１６及び１７との摩擦による共回りの結果ブシュが収縮し、 これにより半径方向内側に向かう力が生じることによって起こさせ、そしてこの 力が制御量として継ぎ輪１４に加わえられる。溝１３の傾斜角及びこれに対応し た突起部１５の傾斜角により伝達可能なトルクの大きさを制御量の関数として定 めることができる。これとは異なり、公知のばね巻付け形軸継手においては、ト ルクは巻付けばね自体によって伝達される。 巻付けばね１９は、既に述べたように、標準的なコイルばねの部片である。軸 方向の移動に対して巻付けばね１９は、クロスボルト１２がブシュ６及び７の周 囲を越えるように設定されることにより防がれている。他の構成について図２に より説明する。 先ず図２を参照して溝及び突起部の異なる構成を説明する。図に示されるよう に、継ぎ輪２０は変形して形成され、その突起部２２の半径方向に延びる端面２ １が変形されたブシュ２４の同様に半径方向に延びる制限面２３に接している。 さらに端面２１及び制限面２３にはブシュ２４の周溝２５及び継ぎ輪２０の突起 部２２が結合される軸の共通の縦軸に対して傾斜して延びている。この作用は図 １の実施例の場合と同様である。しかしながら、この場合、ブシュの軸方向の位 置決めがより正確になるという利点がある。また継ぎ輪２０とブシュ２４との間 には軸方向のいかなる空間もないので、巻付けばね１９の作用に対して好都合で ある。 図２からさらにわかるように、巻付けばねはクロスピンが省略されているにも かかわらず同様に軸方向の移動が、ブシュ２４に形成された溝２６に巻付けばね １９の最後の巻回部が嵌まることによって防がれている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．軸心の一致した２つの軸（２、３）のうちの一方の軸（２）が螺旋状の巻付 けばね（１９）を支持する周面（１６）を備えるとともに、他方の軸（３）も同 様に巻付けばね（１９）を支持する周面（１７）を備え、２つの軸（２、３）の 間に巻付けばね（１９）の支持面（１８）が配置され、支持面（１８）における 巻付けばね（１９）の支持力が軸（２、３）の回転に関連して軸（２、３）の間 に接続された結合装置に制御量として供給されることを特徴とする２つの同列軸 のばね巻付け形軸継手。 ２．支持面（１８）が両軸（２、３）にわたって係合し、半径方向に分割され、 軸（２、３）の端部（４、５）とで摩擦結合を形成する継ぎ輪（１４）の構造部 分であることを特徴とする請求項１記載のばね巻付け形軸継手。 ３．両軸（２、３）の各々が断面がほぼ楔状の周溝（１３）を備え、継ぎ輪（１ ４）がこの周溝（１３）の各々に対して対応の断面形状の突起部（１５）を備え ていることを特徴とする請求項２記載のばね巻付け形軸継手。 ４．両楔状の周溝（２５）の各々の軸方向外側にある制限面（２３）が半径方向 に延びて配置されていることを特徴とする請求項３記載のばね巻付け形軸継手。 ５．同列配置されている軸（２、３）及び継ぎ輪（１４）がほぼ同一直径を備え 、巻付けばね（１９）が普通の丸棒コイルばねの部片であることを特徴とする請 求項２又は３記載のばね巻付け形軸継手。 ６．軸（２、３）の周面（１６、１７）及び周溝（１３）が軸（２、３）の端部 （４、５）を中央の開口（８）内に収納するそれぞれ１つのブシュ（６、７）の 構造部分であり、両ブシュ（６、７）の少なくとも１つが巻付けばね（１９）の 軸方向移動を防ぐ装置を備えていることを特徴とする請求項１ないし５の１つに 記載のばね巻付け形軸継手。 ７．両ブシュ（６、７）の各々がその属する軸（２、３）にクロスボルト（１２ ）によって結合され、このクロスボルト（１２）がブシュ（６、７）の周縁を越 えるように設定され、巻付けばね（１９）の軸方向移動防止手段として作用して いることを特徴とする請求項６記載のばね巻付け形軸継手。 ８．ブシュ（２４）の少なくとも一方が巻付けばね（１９）の少なくとも１つの 巻回部を係合するための周溝（２６）を備えていることを特徴とする請求項６記 載のばね巻付け形軸継手。