JPH0950276A - ハーモニカ - Google Patents
ハーモニカInfo
- Publication number
- JPH0950276A JPH0950276A JP7204326A JP20432695A JPH0950276A JP H0950276 A JPH0950276 A JP H0950276A JP 7204326 A JP7204326 A JP 7204326A JP 20432695 A JP20432695 A JP 20432695A JP H0950276 A JPH0950276 A JP H0950276A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pitch
- cover
- harmonica
- air
- whistle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Electrophonic Musical Instruments (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 開閉可能なカバーによって空気流を制限する
ことにより、口元での吹き吸いのコントロールなしに発
音ピッチを連続的に変化させる。 【解決手段】 カバー3を蝶番10によってハーモニカ
本体2に対し開閉自在に設け、ばね部材11によって開
方向に付勢する。カバー3の内側にピッチ可変部材21
を一体的に設け、これによりカバー3の閉塞時に各笛室
7を覆う。ピッチ可変部材21は、各笛室7にそれぞれ
連通可能な空気室23と、この空気室23と小孔29を
介して連通する空気通路32を有する。カバー3を閉じ
ると、ピッチ可変部材21はハーモニカ本体2に密接し
て空気通路23を塞ぐ。このため、空気の流入、流出
は、小孔29からのみとなり減少し、通常より低いピッ
チの音を発音させる。
ことにより、口元での吹き吸いのコントロールなしに発
音ピッチを連続的に変化させる。 【解決手段】 カバー3を蝶番10によってハーモニカ
本体2に対し開閉自在に設け、ばね部材11によって開
方向に付勢する。カバー3の内側にピッチ可変部材21
を一体的に設け、これによりカバー3の閉塞時に各笛室
7を覆う。ピッチ可変部材21は、各笛室7にそれぞれ
連通可能な空気室23と、この空気室23と小孔29を
介して連通する空気通路32を有する。カバー3を閉じ
ると、ピッチ可変部材21はハーモニカ本体2に密接し
て空気通路23を塞ぐ。このため、空気の流入、流出
は、小孔29からのみとなり減少し、通常より低いピッ
チの音を発音させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハーモニカに関
し、特にベンド奏法(吹吸の際の口元でのコントロール
により音程を下げる)によらず、手による簡単な操作に
より音程を変化(下降)させ、ビブラート、ポルタメン
トといった音楽的表現力を得るようにしたハーモニカに
関する。
し、特にベンド奏法(吹吸の際の口元でのコントロール
により音程を下げる)によらず、手による簡単な操作に
より音程を変化(下降)させ、ビブラート、ポルタメン
トといった音楽的表現力を得るようにしたハーモニカに
関する。
【0002】
【従来の技術】ハーモニカには多種多様なバリエーショ
ンが存在するが、それらはシングルリードと2枚リード
のものとに大別することができる。これらハーモニカの
発音ピッチ(音程の高低)は、基本的には各リードの固
有振動数によって決定される。シングルリードのもの
は、吹き吸いの際の口元でのコントロールによって音程
を下降させる奏法が用いられ、これをベンドあるいはベ
ンディング奏法と呼んでいる。特に、ブルースハーモニ
カあるいはブルースハープと呼ばれる楽器においては、
このベンド奏法が多用されることが知られている。この
ベンド奏法によりビブラート、ポルタメントが表現さ
れ、また楽器がもともと備えていない音程をも発音する
ことができる。
ンが存在するが、それらはシングルリードと2枚リード
のものとに大別することができる。これらハーモニカの
発音ピッチ(音程の高低)は、基本的には各リードの固
有振動数によって決定される。シングルリードのもの
は、吹き吸いの際の口元でのコントロールによって音程
を下降させる奏法が用いられ、これをベンドあるいはベ
ンディング奏法と呼んでいる。特に、ブルースハーモニ
カあるいはブルースハープと呼ばれる楽器においては、
このベンド奏法が多用されることが知られている。この
ベンド奏法によりビブラート、ポルタメントが表現さ
れ、また楽器がもともと備えていない音程をも発音する
ことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した通り、従来の
ハーモニカにおいては、発音ピッチがリードの固有振動
数によって決まってしまうため、音程を連続的に変化さ
せることができず、ビブラート、ポルタメントといった
基本的な音楽的表現が不可能であった。ただし、吹き吸
いの際の口元でのコントロールによってリードを所定ピ
ッチよりも低いピッチで発音させるベンド奏法を用いれ
ば、ビブラート、ポルタメントを表現することができ
る。しかしながら、このベンド奏法は比較的高度な技術
であるため、演奏において自由に使いこなせるようにな
るのは決して容易ではない。また、吹き吸いの口元での
コントロールのため、早いフレーズにおいて的確に用い
るのは難しい。また、従来のブルースハーモニカでは、
ベンドのし易さが全リードについて一定ではなく、容易
にベンドできる音と困難な音とがあり、これが演奏にお
ける1つの制約となっている。
ハーモニカにおいては、発音ピッチがリードの固有振動
数によって決まってしまうため、音程を連続的に変化さ
せることができず、ビブラート、ポルタメントといった
基本的な音楽的表現が不可能であった。ただし、吹き吸
いの際の口元でのコントロールによってリードを所定ピ
ッチよりも低いピッチで発音させるベンド奏法を用いれ
ば、ビブラート、ポルタメントを表現することができ
る。しかしながら、このベンド奏法は比較的高度な技術
であるため、演奏において自由に使いこなせるようにな
るのは決して容易ではない。また、吹き吸いの口元での
コントロールのため、早いフレーズにおいて的確に用い
るのは難しい。また、従来のブルースハーモニカでは、
ベンドのし易さが全リードについて一定ではなく、容易
にベンドできる音と困難な音とがあり、これが演奏にお
ける1つの制約となっている。
【0004】したがって、本発明は上記した従来の問題
点を解決するためになされたものであり、その目的とす
るところは、ハーモニカ本体を覆うピッチ可変部材の開
閉操作によって空気流の流入、流出を制限することによ
り、口元での吹き吸いのコントロールなしに発音ピッチ
を連続的に変化させることができるようにしたハーモニ
カを提供することにある。
点を解決するためになされたものであり、その目的とす
るところは、ハーモニカ本体を覆うピッチ可変部材の開
閉操作によって空気流の流入、流出を制限することによ
り、口元での吹き吸いのコントロールなしに発音ピッチ
を連続的に変化させることができるようにしたハーモニ
カを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、各音高それぞれに対応して並列的に形成され
た複数個の笛室を有し、各笛室に各音高のリードがそれ
ぞれ配設されたハーモニカ本体と、このハーモニカ本体
の上下面に開閉自在に設けられ閉塞時にハーモニカ本体
に密接して各笛室を覆う一対のピッチ可変部材と、この
ピッチ可変部材を開方向に付勢するばね部材とを備え、
前記ピッチ可変部材に前記各笛室にそれぞれ連通可能な
空気室を設けるともに、この空気室と小孔を介して連通
させ、一端が大気開放される空気通路を設けたことを特
徴とする。
本発明は、各音高それぞれに対応して並列的に形成され
た複数個の笛室を有し、各笛室に各音高のリードがそれ
ぞれ配設されたハーモニカ本体と、このハーモニカ本体
の上下面に開閉自在に設けられ閉塞時にハーモニカ本体
に密接して各笛室を覆う一対のピッチ可変部材と、この
ピッチ可変部材を開方向に付勢するばね部材とを備え、
前記ピッチ可変部材に前記各笛室にそれぞれ連通可能な
空気室を設けるともに、この空気室と小孔を介して連通
させ、一端が大気開放される空気通路を設けたことを特
徴とする。
【0006】したがって、リードは、カバーが開いた通
常演奏状態において通常のピッチの音を発音する。一
方、閉じた状態においては、空気流の流入、流出がカバ
ーの放音孔からのみとなるため、空気流の流入、流出量
が制限され、通常演奏時よりも低いピッチで発音する。
ピッチ可変部材は、開いた通常演奏状態において、ハー
モニカ本体との間に空気通路を形成し、リードを通常の
ピッチで発音させる。一方、閉じた状態においてはハー
モニカ本体に密接するため、前記空気通路を塞ぐ。この
ため、空気の流入、流出は、小孔からのみとなる。した
がって、通常時よりも空気流の流入、流出量が制限さ
れ、リードは低いピッチで発音する。
常演奏状態において通常のピッチの音を発音する。一
方、閉じた状態においては、空気流の流入、流出がカバ
ーの放音孔からのみとなるため、空気流の流入、流出量
が制限され、通常演奏時よりも低いピッチで発音する。
ピッチ可変部材は、開いた通常演奏状態において、ハー
モニカ本体との間に空気通路を形成し、リードを通常の
ピッチで発音させる。一方、閉じた状態においてはハー
モニカ本体に密接するため、前記空気通路を塞ぐ。この
ため、空気の流入、流出は、小孔からのみとなる。した
がって、通常時よりも空気流の流入、流出量が制限さ
れ、リードは低いピッチで発音する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて詳
細に説明する。図1(a)、(b)、(c)は本発明に
係るハーモニカの実施の形態を示す斜視図、側面図およ
び正面図、図2は同ハーモニカの通常ピッチでの発音の
状態を示す断面図、図3はピッチを下げた発音の状態を
示す断面図、図4はハーモニカの分解斜視図である。こ
れらの図において、本実施の形態は1つの音を1枚のリ
ードで鳴らす単音ハーモニカに適用したものである。全
体を符号1で示すハーモニカは、ハーモニカ本体2と、
このハーモニカ本体2の上下面を覆う開閉自在な一対の
カバー3と、このカバー3に一体的に設けられたピッチ
可変部材21等で概ね構成されている。ハーモニカ本体
2は、射出成形によって一体に形成された笛室形成部材
4と、笛室形成部材4の上下面に位置決め固定された一
対のリードプレート5,5と、各リードプレート5にそ
れぞれ片持ち支持されて配設された複数個のリード6と
で構成されている。笛室形成部材4には各音高のリード
6に対応して複数個の笛室7がその吹口7Aを揃えて笛
室形成部材4の長手方向に並列的に形成されている。笛
室7は、断面形状が略方形の不貫通孔からなり、笛室形
成部材6の長手方向と直交する方向に長く形成されてお
り、その長さは低音側から高音側に至るにしたがって順
次短くなるよう設定されている。リード6は、従来から
広く使用されるもので、特に変わるものではなく0.3
〜0.5mm程度の厚さを有する細長い金属板(ステン
レス、黄銅板等)からなり、各笛室7に対応して前記リ
ードプレート5に形成した長孔状の窓8の開口に臨むよ
うにその一端側がスポット溶接、鋲等によって固定され
ている。リード6は、長さが低音側程長く、高音側に至
るにしたがい短くなるように形成されている。また、リ
ード6のうち吹いて鳴らす吹きリード6A(図2)はリ
ードプレート5の内側に、吸って鳴らす吸いリード6B
はリードプレート5の外側に取り付けられている。カバ
ー3は、演奏上ハーモニカ本体2を持ち易くする働き
と、ピッチ可変部材21を保持する働きとを有するもの
で、一般に黄銅板、ステンレス等によって製作され、前
端側の両端部が左右一対の蝶番10によって開閉自在に
枢支されている。また、カバー3は、板ばね、線ばね等
からなる左右一対のばね部材11によって開方向に付勢
されることにより、通常図2に示すようにハーモニカ本
体2から離間している。カバー3の開き角は、図示しな
いストッパによって制限されており、最大開き角におい
て通常のピッチの音程を発音させるようにしている。前
記ばね部材11は、リードプレート5の両端部の表面側
にそれぞれ形成された長溝13内に一端部がスポット溶
接、鋲等によって固定され、他端側が長溝13から突出
してカバー3の両端部内側面に当接している。カバー3
をばね部材11に抗して手で閉じてハーモニカ本体2に
当接させると、ばね部材11は、弾性変形して長溝13
内に収納される。なお、図2において、矢印A,Bは演
奏時の空気流の流れを示す。
細に説明する。図1(a)、(b)、(c)は本発明に
係るハーモニカの実施の形態を示す斜視図、側面図およ
び正面図、図2は同ハーモニカの通常ピッチでの発音の
状態を示す断面図、図3はピッチを下げた発音の状態を
示す断面図、図4はハーモニカの分解斜視図である。こ
れらの図において、本実施の形態は1つの音を1枚のリ
ードで鳴らす単音ハーモニカに適用したものである。全
体を符号1で示すハーモニカは、ハーモニカ本体2と、
このハーモニカ本体2の上下面を覆う開閉自在な一対の
カバー3と、このカバー3に一体的に設けられたピッチ
可変部材21等で概ね構成されている。ハーモニカ本体
2は、射出成形によって一体に形成された笛室形成部材
4と、笛室形成部材4の上下面に位置決め固定された一
対のリードプレート5,5と、各リードプレート5にそ
れぞれ片持ち支持されて配設された複数個のリード6と
で構成されている。笛室形成部材4には各音高のリード
6に対応して複数個の笛室7がその吹口7Aを揃えて笛
室形成部材4の長手方向に並列的に形成されている。笛
室7は、断面形状が略方形の不貫通孔からなり、笛室形
成部材6の長手方向と直交する方向に長く形成されてお
り、その長さは低音側から高音側に至るにしたがって順
次短くなるよう設定されている。リード6は、従来から
広く使用されるもので、特に変わるものではなく0.3
〜0.5mm程度の厚さを有する細長い金属板(ステン
レス、黄銅板等)からなり、各笛室7に対応して前記リ
ードプレート5に形成した長孔状の窓8の開口に臨むよ
うにその一端側がスポット溶接、鋲等によって固定され
ている。リード6は、長さが低音側程長く、高音側に至
るにしたがい短くなるように形成されている。また、リ
ード6のうち吹いて鳴らす吹きリード6A(図2)はリ
ードプレート5の内側に、吸って鳴らす吸いリード6B
はリードプレート5の外側に取り付けられている。カバ
ー3は、演奏上ハーモニカ本体2を持ち易くする働き
と、ピッチ可変部材21を保持する働きとを有するもの
で、一般に黄銅板、ステンレス等によって製作され、前
端側の両端部が左右一対の蝶番10によって開閉自在に
枢支されている。また、カバー3は、板ばね、線ばね等
からなる左右一対のばね部材11によって開方向に付勢
されることにより、通常図2に示すようにハーモニカ本
体2から離間している。カバー3の開き角は、図示しな
いストッパによって制限されており、最大開き角におい
て通常のピッチの音程を発音させるようにしている。前
記ばね部材11は、リードプレート5の両端部の表面側
にそれぞれ形成された長溝13内に一端部がスポット溶
接、鋲等によって固定され、他端側が長溝13から突出
してカバー3の両端部内側面に当接している。カバー3
をばね部材11に抗して手で閉じてハーモニカ本体2に
当接させると、ばね部材11は、弾性変形して長溝13
内に収納される。なお、図2において、矢印A,Bは演
奏時の空気流の流れを示す。
【0008】ピッチ可変部材21は、金属、合成樹脂等
によってリードプレート5と略同一の大きさの平板状に
形成された第1部材22と、同じく金属、合成樹脂等に
よって形成され前記第1部材22およびパッキン26と
ともに各笛室7に対応する複数個の空気室23を形成す
る第2部材24等で構成されている。第1部材22とパ
ッキン26には各笛室7と同一の大きさからなる多数の
長孔27,28が互いに対応し一致するように形成され
ており、これら両長孔27,28によって前記空気室2
3を形成している。空気室23の深さは、カバー3の閉
操作によってピッチ可変部材21が図3に示すようにハ
ーモニカ本体2に当接した際、吸いリード6Bが振動し
ても第2部材24の内面に当たらない深さに設定され
る。前記パッキン26は、前記第1部材22と同一の大
きさに形成されて第1部材22のリードプレート5と対
向する面に固着されており、これによってカバー3の閉
操作により第1部材22がリードプレート5に直接当接
しないようにするとともに、ハーモニカ本体2とピッチ
可変部材21との隙間を塞ぐようにしている。第2部材
24には各空気室23を外気と連通させる複数個の小孔
29が長手方向に並設されている。小孔29は、カバー
3を閉じたときの空気流の流入、流出を制限してピッチ
を下げるためのものである。また、第2部材24のカバ
ー3と対向する面側には仕切壁30を介してプレート3
1が固定されている。仕切壁30は、各小孔29を仕切
るとともに前記プレート31とで空気通路32を形成し
ている。この空気通路32は、前記小孔29と連通して
ピッチ可変部材21の後方に開放している。このような
構成からなるピッチ可変部材21は、吹き側、吸い側と
もに全く同じに形成されており、その両端部が各カバー
3の端部内側面にそれぞれスポット溶接、鋲等によって
固定され、かつ一対のばね部材11によって開方向に付
勢されている。
によってリードプレート5と略同一の大きさの平板状に
形成された第1部材22と、同じく金属、合成樹脂等に
よって形成され前記第1部材22およびパッキン26と
ともに各笛室7に対応する複数個の空気室23を形成す
る第2部材24等で構成されている。第1部材22とパ
ッキン26には各笛室7と同一の大きさからなる多数の
長孔27,28が互いに対応し一致するように形成され
ており、これら両長孔27,28によって前記空気室2
3を形成している。空気室23の深さは、カバー3の閉
操作によってピッチ可変部材21が図3に示すようにハ
ーモニカ本体2に当接した際、吸いリード6Bが振動し
ても第2部材24の内面に当たらない深さに設定され
る。前記パッキン26は、前記第1部材22と同一の大
きさに形成されて第1部材22のリードプレート5と対
向する面に固着されており、これによってカバー3の閉
操作により第1部材22がリードプレート5に直接当接
しないようにするとともに、ハーモニカ本体2とピッチ
可変部材21との隙間を塞ぐようにしている。第2部材
24には各空気室23を外気と連通させる複数個の小孔
29が長手方向に並設されている。小孔29は、カバー
3を閉じたときの空気流の流入、流出を制限してピッチ
を下げるためのものである。また、第2部材24のカバ
ー3と対向する面側には仕切壁30を介してプレート3
1が固定されている。仕切壁30は、各小孔29を仕切
るとともに前記プレート31とで空気通路32を形成し
ている。この空気通路32は、前記小孔29と連通して
ピッチ可変部材21の後方に開放している。このような
構成からなるピッチ可変部材21は、吹き側、吸い側と
もに全く同じに形成されており、その両端部が各カバー
3の端部内側面にそれぞれスポット溶接、鋲等によって
固定され、かつ一対のばね部材11によって開方向に付
勢されている。
【0009】このような構造において、通常演奏時はカ
バー3を図2に示すように開いた状態で使用する。この
状態において、リードプレート5とパッキン26とは離
間しており、これら両部材間の隙間が空気通路34を形
成している。吹口7Aから笛室7内に吹き込まれた空気
流Aは、リードプレート5の窓8を通ってその大部分が
前記空気通路34を、残りが空気室23、小孔29およ
び空気通路32を通りカバー3の外部に排出されること
により、吹きリード6Aを振動させ通常のピッチの音を
発音させる。一方、カバー3の内部に吸い込まれる空気
流Bは、前記空気通路32,34を通って窓8から笛室
7内に入り、吹口7Aから排出されることにより吸いリ
ード6Bを振動させ通常のピッチの音を発音させる。演
奏中にカバー3を図3に示すようにばね部材11に抗し
て閉じると、パッキン26がリードプレート5に密接す
る。この状態においては、リードプレート5とパッキン
26との間の空気通路34が塞がれ、空気流A,Bの流
入、流出が小孔29からのみとなり、空気流路が絞られ
た状態となる。したがって、空気流A,Bの流入、流出
量が上記した通常演奏時に比べて制限され、リード6は
通常演奏時よりも低いピッチで発音する。この時のピッ
チの下がり幅は、空気室23の体積、小孔29の面積お
よび空気通路32の断面積およびその長さによって調整
することができる。小孔29の面積を小さく、空気室2
3の体積を小さく、空気通路32の断面積を小さく、空
気通路32の長さを長くすればするほど、ピッチは下が
るが、あまり条件を厳しくして流路を絞りすぎると、リ
ード6が発音しなくなるため、ピッチの下げ幅に応じて
決定する。また、ピッチの下げ幅は同じでも空気通路3
2の断面積を大きく、かつ長くすると、流路を狭めた状
態で吹奏の勢いを強めても音が詰まり難く、より安定し
た演奏が可能である。
バー3を図2に示すように開いた状態で使用する。この
状態において、リードプレート5とパッキン26とは離
間しており、これら両部材間の隙間が空気通路34を形
成している。吹口7Aから笛室7内に吹き込まれた空気
流Aは、リードプレート5の窓8を通ってその大部分が
前記空気通路34を、残りが空気室23、小孔29およ
び空気通路32を通りカバー3の外部に排出されること
により、吹きリード6Aを振動させ通常のピッチの音を
発音させる。一方、カバー3の内部に吸い込まれる空気
流Bは、前記空気通路32,34を通って窓8から笛室
7内に入り、吹口7Aから排出されることにより吸いリ
ード6Bを振動させ通常のピッチの音を発音させる。演
奏中にカバー3を図3に示すようにばね部材11に抗し
て閉じると、パッキン26がリードプレート5に密接す
る。この状態においては、リードプレート5とパッキン
26との間の空気通路34が塞がれ、空気流A,Bの流
入、流出が小孔29からのみとなり、空気流路が絞られ
た状態となる。したがって、空気流A,Bの流入、流出
量が上記した通常演奏時に比べて制限され、リード6は
通常演奏時よりも低いピッチで発音する。この時のピッ
チの下がり幅は、空気室23の体積、小孔29の面積お
よび空気通路32の断面積およびその長さによって調整
することができる。小孔29の面積を小さく、空気室2
3の体積を小さく、空気通路32の断面積を小さく、空
気通路32の長さを長くすればするほど、ピッチは下が
るが、あまり条件を厳しくして流路を絞りすぎると、リ
ード6が発音しなくなるため、ピッチの下げ幅に応じて
決定する。また、ピッチの下げ幅は同じでも空気通路3
2の断面積を大きく、かつ長くすると、流路を狭めた状
態で吹奏の勢いを強めても音が詰まり難く、より安定し
た演奏が可能である。
【0010】なお、本発明の実施の形態においては、カ
バー3の内側にピッチ可変部材21を一体的に設けた例
を示したが、本発明はこれに特定されるのものではな
く、ピッチ可変部材21自体にカバーとしての機能を持
たせれば、カバー3を必ずしも必要としない。また、上
記した実施の形態に示すものは、本発明を原理的に示し
たもので、実物は意匠上、使い勝手等を考慮してより現
実的な形状となる。
バー3の内側にピッチ可変部材21を一体的に設けた例
を示したが、本発明はこれに特定されるのものではな
く、ピッチ可変部材21自体にカバーとしての機能を持
たせれば、カバー3を必ずしも必要としない。また、上
記した実施の形態に示すものは、本発明を原理的に示し
たもので、実物は意匠上、使い勝手等を考慮してより現
実的な形状となる。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るハーモ
ニカは、各音高それぞれに対応して並列的に形成された
複数個の笛室を有し、各笛室に各音高のリードがそれぞ
れ配設されたハーモニカ本体と、このハーモニカ本体の
上下面に開閉自在に設けられ閉塞時にハーモニカ本体に
密接して各笛室を覆う一対のピッチ可変部材と、このピ
ッチ可変部材を開方向に付勢するばね部材とを備え、前
記ピッチ可変部材に前記各笛室にそれぞれ連通可能な空
気室を設けるともに、この空気室と小孔を介して連通さ
せ、一端が大気開放される空気通路を設けたので、ピッ
チ可変部材をハーモニカ本体に対して開閉自在に設け、
閉じた時に空気流の流入、流出を制限するようにしたの
で、カバーを開閉する上記発明と同様にピッチ可変部材
の開閉操作のみによって発音ピッチを連続的に変化(下
降)させることができる。したがって、ビブラート、ポ
ルタメント等の演奏効果が得られ、楽器としての音楽的
表現力を高めることができる。また、手によるカバーの
開閉操作は、口元での吹き吸いのコントロールによるベ
ンド奏法に比べて容易であり、ベンド奏法を習得してい
ない初心者でも使用することが可能である。特に、早い
フレーズにおいても対応することができ、また従来通り
のベンド奏法も可能であるため、音楽的表現の選択の幅
が広がる。
ニカは、各音高それぞれに対応して並列的に形成された
複数個の笛室を有し、各笛室に各音高のリードがそれぞ
れ配設されたハーモニカ本体と、このハーモニカ本体の
上下面に開閉自在に設けられ閉塞時にハーモニカ本体に
密接して各笛室を覆う一対のピッチ可変部材と、このピ
ッチ可変部材を開方向に付勢するばね部材とを備え、前
記ピッチ可変部材に前記各笛室にそれぞれ連通可能な空
気室を設けるともに、この空気室と小孔を介して連通さ
せ、一端が大気開放される空気通路を設けたので、ピッ
チ可変部材をハーモニカ本体に対して開閉自在に設け、
閉じた時に空気流の流入、流出を制限するようにしたの
で、カバーを開閉する上記発明と同様にピッチ可変部材
の開閉操作のみによって発音ピッチを連続的に変化(下
降)させることができる。したがって、ビブラート、ポ
ルタメント等の演奏効果が得られ、楽器としての音楽的
表現力を高めることができる。また、手によるカバーの
開閉操作は、口元での吹き吸いのコントロールによるベ
ンド奏法に比べて容易であり、ベンド奏法を習得してい
ない初心者でも使用することが可能である。特に、早い
フレーズにおいても対応することができ、また従来通り
のベンド奏法も可能であるため、音楽的表現の選択の幅
が広がる。
【図1】 (a)、(b)、(c)は本発明に係るハー
モニカの実施の形態を示す斜視図、側面図および正面図
である。
モニカの実施の形態を示す斜視図、側面図および正面図
である。
【図2】 ハーモニカの通常ピッチでの発音の状態を示
す断面図である。
す断面図である。
【図3】 ピッチを下げた発音の状態を示す断面図であ
る。
る。
【図4】 ハーモニカの分解斜視図である。
1…ハーモニカ、2…ハーモニカ本体、3…カバー、4
…笛室形成部材、5…リードプレート、6…リード、7
…笛室、8…窓、9…放音孔、10…蝶番、11…ばね
部材、21…ピッチ可変部材、22…第1部材、23…
空気室、24…第2部材、29…小孔、32,34…空
気通路。
…笛室形成部材、5…リードプレート、6…リード、7
…笛室、8…窓、9…放音孔、10…蝶番、11…ばね
部材、21…ピッチ可変部材、22…第1部材、23…
空気室、24…第2部材、29…小孔、32,34…空
気通路。
Claims (1)
- 【請求項1】 各音高それぞれに対応して並列的に形成
された複数個の笛室を有し、各笛室に各音高のリードが
それぞれ配設されたハーモニカ本体と、このハーモニカ
本体の上下面に開閉自在に設けられ閉塞時にハーモニカ
本体に密接して各笛室を覆う一対のピッチ可変部材と、
このピッチ可変部材を開方向に付勢するばね部材とを備
え、前記ピッチ可変部材に前記各笛室にそれぞれ連通可
能な空気室を設けるともに、この空気室と小孔を介して
連通させ、一端が大気開放される空気通路を設けたこと
を特徴とするハーモニカ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7204326A JPH0950276A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | ハーモニカ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7204326A JPH0950276A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | ハーモニカ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0950276A true JPH0950276A (ja) | 1997-02-18 |
Family
ID=16488645
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7204326A Pending JPH0950276A (ja) | 1995-08-10 | 1995-08-10 | ハーモニカ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0950276A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001038061A (ja) * | 1999-07-30 | 2001-02-13 | Pigeon Corp | マザリーズ生成装置及び生成方法 |
CN113160775A (zh) * | 2021-04-09 | 2021-07-23 | 江苏天鹅乐器有限公司 | 一种24孔48音低音域全音阶口琴 |
-
1995
- 1995-08-10 JP JP7204326A patent/JPH0950276A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001038061A (ja) * | 1999-07-30 | 2001-02-13 | Pigeon Corp | マザリーズ生成装置及び生成方法 |
CN113160775A (zh) * | 2021-04-09 | 2021-07-23 | 江苏天鹅乐器有限公司 | 一种24孔48音低音域全音阶口琴 |
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