JPH09502676A - 自動車用制御部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 制御部は変速制御部とエンジン制御部２を有し、これらの制御部はコミュニケーションチャネル６を介して相互に接続されている。変速機制御部の機能ユニットは、自動車のエンジン１とシャーシのデータに依存し、いわゆるエンジン及びシャーシ固有の機能ユニットであり、これらはエンジン制御部２内に集積されている。変速機のデータ、いわゆる変速機固有の構成要素に依存する機能を備えた機能ユニットは、コンピュータ制御される変速装置４内に含まれている。変速機の制御に必要なデータはエンジン制御部２と変速装置４の間でコミュニケーションチャネル６を介して交換される。シフト点選択制御部２２（これはファジィコントロール制御部として構成されてもよい）はエンジン制御部内に含まれている。

Description

【発明の詳細な説明】 自動車用制御部 本発明は請求の範囲第１項の上位概念による、制御部に関する。 自動変速機を備えた自動車におけるこの種の制御部はエンジン制御部と変速機 制御部を含んでいる。それらには種々の実施形態がある。 自動車の自動変速機とエンジンに対する、統合化された公知の制御部では変速 機がエンジン制御部から分離され独立した制御装置によって制御される（米国特 許第４９４５４８１号明細書参照）。 変速機制御部は実質的に以下に記載するような機能を実施する。 −変速移行経過制御（これは個々の変速段のソフトで磨耗の無い投入を保証する ） −コンバータロックアップクラッチの制御 −変速の論理制御（これはそのつどの投入すべき変速段を決定する） −自己診断 −ベース機能（例えば入／出力機能） 変速移行経過制御は変速機毎に形成されなければならないが、変速の論理制御 は特に自動車のエンジンやシャーシのデータに依存するので、結果として自動車 の様々なタイプ毎に多数の異なった制御変化が生じる。その他にも変速機制御部 と変速機内の様々なバルブやセンサ間のケーブルハーネスに対するコストも非常 に高くなる。 本発明の課題は、避けられない制御変化の数をできるだけ少なくすることであ る。 上記課題は請求の範囲第１項の特徴部分に記載の本発明によって解決される。 本発明の別の有利な実施例及び改善例は従属請求項に記載される。 本発明によって得られる利点は、自動車におけるケーブルハーネスの敷設やコ ミュニケーションに対するコストが大きく低減されることである。シャーシ及び エンジン固有の変速機制御機能はエンジン制御部に含まれ、これに対して純粋な 変速機固有の機能はコンピュータ制御される変速装置に含まれる。これらはイン テリジェンスアクチュエータの本質を成す（これは変速機の製造元で完全に検査 される）。このことは少なからずロジスティックな利点をもたらす。 本発明は以下の明細書で図面に基づいて詳細に説明される。 図１は本発明による制御部に備えられている、自動車駆動部の主要構成部を示 した図である。 図２は図１による駆動部の制御部をブロック回路図で示した図である。 実施例 エンジン１はエンジン制御部２によって制御され、変速機３は変速装置４によ って制御される（図１）。エンジン制御部２と変速装置４はコミュニケーション チャネル６によって接続されている。このコミュニケーションチャネル６は例え ばＣＡＮバスで構成されている。このバスは一般に公知であり、多くの公知文献 に記載されているのでここでは概略的にしか示さない。 エンジン制御部２と変速装置４との間では、一方では矢印７で示されている、 変速段の選択に使用されるデータが交換され、他方では矢印８で示されている、 それぞれの自動車への適応化に使用されるコンフィグレーションパラメータが交 換される。コミュニケーションチャネル６を介して伝送されるデータの例は以下 に記載する。 コミュニケーションチャネル６へのエンジン制御部２の双方向の接続は、線路 ９によって概略的に示されている。同様にコミュニケーションチャネル６への変 速装置４の双方向の接続は線路１０によって示されている。 信号線路１２,１３,１４によってシフトレバー１６とキックダウンスイッチ１ ７とドライビングプログラム選択スイッチ１８が変速装置４に接続されている。 これらの操作素子を介してドライバは公知の形式で自 身の命令又は希望を変速装置に入力する。変速段Ｐ，Ｒ，Ｎ，Ｓ，１，２の設定 はシフトレバー１６を介して行われ、強い加速の要求はキックダウンスイッチ１ ７を介して行われ、２つのドライビングプログラム“エコノミモード”、“スポ ーツモード”の切換はドライビングプログラム選択スイッチ１８を介して行われ る。 エンジン１は制御線路及び信号線路１５によってエンジン制御部２に接続され ている。これらの信号線路を介してエンジン回転数、エンジン温度やその他の動 作パラメータに関するセンサ信号がエンジン１からエンジン制御部２に伝送され る。このエンジン制御部２からは点火、燃料噴射量、点火時期の制御のための命 令や場合によって既知の機関パラメータがエンジン１に伝送される。 エンジン１と変速機３はここではわかりやすくするために別個に示している。 しかしながらエンジン１の出力軸が変速機３のトルクコンバータ２０に直接連結 されていることは周知である。相応に出力軸２１も自動車のドライブトレーンに 連結されている。シャーシ、ホイルサスペンション、車輪及びその他の自動車の 構成要素は本発明に直接係わりがなく、公知なものなのでここでの図示は省く。 エンジン制御部２（図２参照）においては変速機制御のいくつかの機能ユニッ トが符号５で包括的に示さ れている。これらはシャーシ又は機関固有のもので、自動車のエンジンとシャー シのデータに依存する。このエンジン制御部に集積されているのはシフト論理回 路又はシフト点選択制御部２２と、ドライバ特性又はドライビング特性分類部２ ４と診断回路２５と、ベースモジュール２６である。このベースモジュール２６ は例えばデータ入出力手順を実施する。シフト論理回路２２はファジイ制御部と して構成されてもよく、この場合はドライバ特性又はドライビング特性分類、ル ート評価、動的なシフトポイント補正等の関数も含まれる（ヨーロッパ特許第９ ３１０６８３１．６号明細書参照）。 コンピュータ制御された変速装置４（これは“ＳＧＣＵ（Smart Gear Change Unit）”とも称される）には実質的に関数ユニットのみが含まれている。この関 数ユニットは変速機のデータに依存する。それらはシフトシーケンス制御部２８ と、アクチュエータのための診断回路２９と、コンバータロックアップクラッチ 又はＴＣＣ（Torque Convertor Clutch）の制御部３０と、ベースモジュール３ ２である。このベースモジュール３２は変速機近傍のセンサ、例えば変速機内の 回転数センサ、温度センサ、液圧センサ等からの信号を処理する。 変速装置４はその機能がシャーシとエンジンに依存した最小のパラメータ化し か必要としないように構成 される。すなわち変速装置がそれぞれの自動車のシャーシとエンジンに関するデ ータをほんの僅かしか含んでいなくてもよいように構成される。このエンジン制 御部と変速装置との間の機能分散によって、エンジン制御部と、変速装置と、セ ンサと、アクチュエータ（これらは一般に公知であり、本発明によって変更され るものでもないので詳細に示していない）の間のケーブルハーネスに対するコス トが非常に低減される。 変速装置４は変速機３のケーシングに直接固定されるか又はこのケーシング内 に設けられる。この変速装置は製造元から変速機と一緒に１つのユニットとして 供給される。 エンジン制御部（ＭＳ）２と変速装置（ＳＧＣＵ）４の間ではコミュニケーシ ョンチャネルを介して状態変数Ｚと制御変数Ｓが交換される。交換すべきデータ の例は以下のテーブルに示す。なお以下のテーブルで示される符号ＷＫは変速機 のコンバータロックアップクラッチを指す。 この種のデータ交換に加えて、変速過程の制御に必要なパラメータをエンジン 制御部２と変速装置４の間でコミュニケーションチャネル６を介して交換しても よい。これらのデータは有利には物理的単位で伝送される。この伝送すべきデー タの例を以下のテーブルに示す。 シフトの種類とはここでは各変速機に依存して受入 れられたギアチェンジを指す。例えば５速から１速又は２速（場合によっては３ 速）へのシフトダウンである。これは多くの変速機において許容されないもので ある。 この結果次のような利点が得られる。すなわち変速装置４には最小のエンジン 固有データとシャーシ固有データしか必要なくなる。変速装置はエンジンとシャ ーシのデータに完全に依存しない。エンジン制御部２では最小の変速機固有デー タしか必要なくなる。これにより変速装置を製造元において種々異なるエンジン 及びシャーシの変化に適合させる必要がなくなる。変速装置内に含まれるマイク ロプロセッサ又はコンピュータ（これらは一般的に周知なものなのでここでは図 示していない）は、伝送されたエンジンパラメータとシャーシパラメータに基づ く適合化の実施のみを考慮するだけでよい。その他の手段としては、異なる車両 変化タイプのデータセットを変速装置４内に記憶し、この変化タイプの１つのデ ータセットをそのつどコードワードによってアクティブにすることである。この コードワードはコミュニケーションチャネル６を介して変速装置４に伝送される 。 物理的なパラメータ、すなわち状態変数及び制御変数の他に識別情報をエンジ ン制御部と変速装置の間で交換することも可能である。これにより以下のことが 達成される。 例えば修理の範囲内で構成要素の交換が行われた場合には、構成要素に対して コミュニケーションチャネル６を介して識別情報データを交換しなければならな いがこのデータは変化タイプ固有のものである。すなわちそのつどの構成要素を 適応させる自動車のタイプ毎に識別する。それにより他の構成要素又は制御装置 が相互に機能可能か否かを検出することができる。これにより例えば自動車に適 切でない変速機が誤って組み込まれた場合でも識別される。 その他にもこのような制御装置固有の識別データの交換によって構成要素又は 装置の不正な交換が阻止できる。それにより例えば不当な整備工場による修理や 、盗難品である装置の自動車への組み込み又は盗難車への交換部品の組み込み等 が効果的に阻止される。これにより盗難保護の改善も達成される。

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年７月１２日 【補正内容】 請求の範囲 １．コミュニケーションチャネル（６）によって相互に接続されている変速機 制御部とエンジン制御部（２）を含んだ自動変速機（３）を備えている自動車用 制御部において、 自動車のエンジン（１）とシャーシのデータに依存するシフト点選択制御部（ ２２）が エンジン制御部（２）内に集積されており、 変速機（３）のデータに依存する制御の部分が、コンピュータ制御される変速 機の変速装置（４）内に含まれており、 変速機（３）の制御に必要なデータがエンジン制御部（２）と変速装置（４） の間でコミュニケーションチャネル（６）を介して交換されることを特徴とする 、自動車用制御部。 ２．前記エンジン制御部（２）内に、ドライバのドライビング特性（２４）を 分類し、自動車の走行ルートを評価し、動的なシフト点補正を行う回路装置が含 まれている、請求の範囲第１項記載の自動車用制御部。 ３．エンジン制御部（２）から、エンジントルク実際値に関するデータと、目 標変速比に関するデータと、コンバータロックアップクラッチの目標スリップ値 に関するデータと、エンジントルク実際値の減衰に関するデータが変速装置（４ ）に伝送される、請求の範 囲第１項記載の自動車用制御部。 ４．変速装置（４）から、目標変速比の受入れに関するデータと、変速比実際 値に関するデータと、コンバータロックアップクラッチのスリップ実際値に関す るデータと、トルク減衰目標値に関するデータがエンジン制御部（２）へ伝送さ れる、請求の範囲第１項記載の自動車用制御部。 ５．変速装置（４）から、変速装置の誤動作と機能制限に関するデータと、変 速機温度に関するデータと、コンバータブースタに関するデータと、シフトレバ ー位置に関するデータがエンジン制御部に伝送される、請求の範囲第１項記載の 自動車用制御部。 ６．点火装置の投入接続の際にエンジン制御部（２）と変速装置（４）との間 で自動車と変速機（３）に関するパラメータがコミュニケーションチャネル（６ ）を介して交換される、請求の範囲第１項記載の自動車用制御部。 ７．エンジン制御部（２）から、自動車のパラメータとして変速機出力軸にお ける減衰慣性トルクと自動車の車両重量とホイールサイズに関するデータが変速 装置（４）に伝送される、請求の範囲第６項記載の自動車用制御部。 ８．変速装置（４）から、変速機のパラメータとしてギア数と、変速段の変速 比と、トルクコンバータとシフトの種類（可能な変速）に関するデータがエンジ ン制御部（２）に伝送される、請求の範囲第６項記載の自動車用制御部。 ９．変速点選択制御部（２２）がファジィ論理制御部を含んでいる、請求の範 囲第１項記載の自動車用制御部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シュトールヨハン，カイ ドイツ連邦共和国 Ｄ―93053 レーゲン スブルク ビルケンシュラークヴェーク ３ (72)発明者 ウルム，ミヒャエル ドイツ連邦共和国 Ｄ―93087 アルテグ ロフスハイム ダーリエンヴェーク 24

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．コミュニケーションチャネル（６）によって相互に接続されている変速機 制御部とエンジン制御部（２）を含んだ自動変速機（３）を備えている自動車用 制御部において、 自動車のエンジン（１）とシャーシのデータに依存する、変速機制御部の機能 ユニットがエンジン制御部（２）内に集積されており、 変速機（３）のデータに依存する機能ユニットが、コンピュータ制御される変 速機の変速装置（４）内に含まれており、 変速機（３）の制御に必要なデータがエンジン制御部（２）と変速装置（４） の間でコミュニケーションチャネル（６）を介して交換されることを特徴とする 、自動車用制御部。 ２．前記エンジン制御部（２）内にシフト点選択制御部（２２）が含まれてい る、請求の範囲第１項記載の自動車用制御部。 ３．前記エンジン制御部（２）内に、ドライバのドライビング特性（２４）を 分類し、自動車の走行ルートを評価し、動的なシフト点補正を行う回路装置が含 まれている、請求の範囲第１項記載の自動車用制御部。 ４．エンジン制御部（２）から、エンジントルク実際値に関するデータと、目 標変速比に関するデータと 、コンバータロックアップクラッチの目標スリップ値に関するデータと、エンジ ントルク実際値の減衰に関するデータが変速装置（４）に伝送される、請求の範 囲第１項記載の自動車用制御部。 ５．変速装置（４）から、目標変速比の受入れに関するデータと、変速比実際 値に関するデータと、コンバータロックアップクラッチのスリップ実際値に関す るデータと、トルク減衰目標値に関するデータがエンジン制御部（２）へ伝送さ れる、請求の範囲第１項記載の自動車用制御部。 ６．変速装置（４）から、変速装置の誤動作と機能制限に関するデータと、変 速機温度に関するデータと、コンバータブースタに関するデータと、シフトレバ ー位置に関するデータがエンジン制御部に伝送される、請求の範囲第１項記載の 自動車用制御部。 ７．点火装置の投入接続の際にエンジン制御部（２）と変速装置（４）との間 で自動車と変速機（３）に関するパラメータがコミュニケーションチャネル（６ ）を介して交換される、請求の範囲第１項記載の自動車用制御部。 ８．エンジン制御部（２）から、自動車のパラメータとして変速機出力軸にお ける減衰慣性トルクと自動車の車両重量とホイールサイズに関するデータが変速 装置（４）に伝送される、請求の範囲第７項記載の自動車用制御部。 ９．変速装置（４）から、変速機のパラメータとしてギア数と、変速段の変速 比と、トルクコンバータとシフトの種類（可能な変速）に関するデータがエンジ ン制御部（２）に伝送される、請求の範囲第７項記載の自動車用制御部。 １０．変速点選択制御部（２２）がファジィ論理制御部を含んでいる、請求の 範囲第２項記載の自動車用制御部。