JPH09501029A - 手で保持したり持ち運びうる通信装置のための複合アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 受信周波数に対して０．３波長未満の、たがいに離間された少なくともふたつの個々のアンテナからなる、手で保持された通信装置への適用のための複合アンテナである。好ましくは、前記個々のアンテナは、それぞれがたがいに近接して離間されたアンテナからなる２、３、４、５または６以上のアレイの状態で配列される。好ましくは、それぞれの個々のアンテナは０．１ないし０．７波長の長さ、もっとも好ましくは、１／４波長の長さである。当該複合アンテナは、８００ＭＨｚないし５ＧＨｚの範囲で動作しうるように構成しうる。好ましくは、個々のアンテナは、該個々のアンテナの方位の向きにおいてたがいに離間され、複合アレイの他の個々のアンテナによって受信された信号に対してできるだけ非相関な信号を個々のアンテナを受信するのを助ける。

Description

【発明の詳細な説明】 手で保持したり持ち運びうる 通信装置のための複合アンテナ 発明の分野 本発明は、とくに手で保持したり持ち運びうる通信装置の端末のためのアンテ ナからなるものである。 背景 移動型の通信装置において、無線リンクは通常目には見えないノンライン（no n-line）である。端末間を進む情報伝達の電波は、複数の経路を経る。その結果 は、人、木々、建築物、丘など、複数の波長のディメンジョンからなる対象物に よる波の遮り（shadowing）に起因する長期のフェーディングが組み合わされた 波の干渉によって引き起こされる短期の信号のフェーディングである。短期のフ ェーディングは、平均して半波長ごとに起きる。たとえば、新たに１．５〜１． ７ＧＨｚの波長が割り当てられた個人用の移動型通信装置のばあい、１０ｃｍご とである。信号の包絡線の短期のフェーディングは、ほぼレイリー分布する。長 期のフェーディングは、いくつかの波長にわたって起こり、ほぼ対数正規分布す る。フェーディングは、通信装置のチャネルの容量または品質を損なう。 フェーディングの効果を軽減するための公知の技術は、信号結合器を備えたア ンテナダイバーシティ（antenna diversity）を用いることによるものである。 ダイバーシティアンテナの公知の形態は、空間ダイバーシティであり、類似の 要素が半波長またはそれ以上だけ離間されている。 さらに手で保持された端末のために、ふたつのアンテナ要素までが、偏極ダイ バーシティを用いて、構成しうる。この偏極ダイバーシティアンテナは、単極ア ンテナと、並置されたループアンテナ−すなわち、ループが単極のまわりに設け られている−とを必要とする。ダイバーシティアンテナの概念は、「非相関信号 」を受けることである。レイリー分布した短期のフェーディングのために、これ は包絡線が０．７未満の短期間の相互相関係数を有するべきこと意味すると考え られる。 発明の要旨 本発明は、手で保持したり持ち運びうる通信装置のためにとくに適したアンテ ナを提供する。 広い意味において、本発明は手で保持したり持ち運びうる通信装置の端末で受 信されるべき周波数に対して０．３波長未満だけたがいに離間した、少なくとも ふたつの個々のアンテナからなる複合アンテナからなると言いうる。 好ましくは、本発明の複合アンテナは多数のアンテナからなり、それぞれがた がいに０．２または０．１５波長もしくは０．１波長だけ離間し、２または３以 上のアレイ状に配列されてなるものである。個々のアンテナは受信されるべき周 波数に対して、２要素のアレイのばあいは０．０６波長だけ離間し、３要素のア レイのばあい０．０７波長だけ離間することができる。個々のアンテ ナは、規則的または不規則的に離間することができる。 もっとも好ましくは、本発明の複合アンテナは、たがいに近接して離間され、 それぞれが２、３、４、５または６以上の個々のアンテナからなる２または３以 上のアレイからなる。 受信されるべき周波数、すなわち、本発明の複合アンテナが設計されている周 波数は、セルラー電話通信の周波数帯域、無線ネットワークなどによるコンピュ ータ間の通信のために用いることができる周波数帯域など、いかなる携帯用の通 信周波数帯域であってもよい。 典型的には、複合アンテナは８００ＭＨｚから５ＧＨｚの範囲、とくに１．５ 〜１．７ＧＨｚの範囲、および約２．７ＧＨｚの周波数用に近接して離間された 複数の個々のアンテナからなるように設計される。これらの周波数は、個人の通 信装置のための国際的な周波数である。 好ましくは、複合アンテナを構成している個々のアンテナは単極からなるが、 それぞれのアンテナは折り曲げられた単極、スロットまたはループアンテナ、パ ッチ要素、印刷された要素または他のいかなるタイプのアンテナから構成できる 。 好ましくは、それぞれのアンテナは受信された周波数に対して０．１波長ない し０．７波長の長さ、もっとも好ましくは、１／４波長の長さである。 好ましくは、個々のアンテナは該個々のアンテナの方位の方向にたがいに離間 され、他の個々のアンテナから受信された信号に対してできるだけ非相関な信号 を受信している個々のアンテナを助ける。 移動型の電話のばあい、ユーザーの頭からアンテナを光学的に遮るために、お よび（または）アンテナの有効ゲインを増加させるために、および（または）イ ンピーダンスの安定性とターミナル上のレドームのために付加された強度を与え るために、複合アンテナにグラウンド層を追加することができる。導電性シール ドは信号の相互関係に害を及ぼさず、アンテナの有効な受信パターンを変更する ことにより個々のアンテナ間の反射および回折により信号の相関を減少すること を助ける。 図面の説明 添付図面は、本発明の複合アンテナの好ましい種々の態様を示しているが、こ れに限定することを意図しておらず、あくまでも一例である。当該図面において 、 図１は、多数の、たがいに近接して離間された単極アンテナからなる本発明の 複合アンテナの好ましい態様を示しており、 図２は、図１の複合アンテナに類似した複合アンテナの４要素のばあいにおけ る、理論包絡線相互相関係数を示しており、 図３は、多数の、たがいに近接して離間された単極アンテナの複合アンテナの ための他の形態を示しており、 図４は、たがいに近接して離間された単極アンテナからなる、本発明のさらに 他の複合アンテナを示しており、 図５は、図１の複合アンテナに類似しているが、それぞれのアンテナはスロッ トアンテナである本発明の複合アンテナを示しており、 図６は、図１の複合アンテナに類似しているが、それぞれのアンテナが折り曲 げられた単極アンテナである本発明の複合アンテナを示している。 好ましい態様の説明 図１を参照しながら説明する。図に示された複合アンテナが、ふたつのアレイ 上に配列された、複数のたがいに近接して離間された個々のアンテナ１ａおよび １ｂを有する小さいものであることが分かる。図１の形態は、たとえば、移動型 の電話の匡体の内部に取り付けるためにとくに適している。複合アンテナが小型 であることが、当該アンテナが匡体の内部や、移動型電話の後部に完全に取り付 けることを可能にし、同時に、複数の非相関信号の受信を最大にすることを可能 にしている。受信された信号の改善された品質が組み合わせることによって得ら れる。 図１のアンテナアレイは、頂部アレイ１ａおよび底部アレイ１ｂとして配列さ れた８本の単極アンテナからなる。アンテナは、ハウジング２の内部にまで延び ており、当該ハウジングは個々のアンテナそれぞれからの非相関信号を組み合わ せるための組み合わせ段を含んでいる。この組み合わせ段は、切り替えまたは選 択の組み合わせ、事前または事後検出がなされた等ゲインまたは最適比率の組み 合わせ、最適組み合わせなどなど、いかなる適切な組み合わせ技術を用いること もできる。最適受信のために、個々のアンテナからの信号は同時に用いられなけ ればならない。すべてのアンテナは、組み合わせ処理のあいだ開回路状態に切り 替えられるよりは、むし ろ永続的に端末処理（terminate）されなければならない。これは、個々のアン テナ間に常に相互結合が存在することを意味する。一方、これは平均受信出力を 減少し、この平均出力レベルについて独立してチャネル容量を制限しうる信号フ ェーディングが減少し、その結果、チャネル容量の制限が減少しうる。 グラウンド層３は、アンテナの後部に選択的に設けられる。 図１に示されるような本発明の複合アンテナは、１．５ＧＨｚの受信周波数に おける動作のための大きさを有して構成される。それぞれの単極アンテナ１ａお よび１ｂは、１．５ＧＨｚのために１／４波長の長さを有し、それぞれのアンテ ナが、隣接するアンテナから０．０７波長だけ離間されている。頂部アレイ要素 １ａから底部アレイ要素１ｂにおいて受信された信号間の相互相関は小さいこと が見いだされている。これは、個々のアンテナ方位の向きにおける分離によるも のである。たがいに隣接している個々のアンテナのあいだは制限された間隔であ る。図１の複合アンテナは、８５１ＭＨｚで測定され、短期包絡線相互相関係数 は約０．７またはそれ未満であり、その結果は以下の表に示されている。かかる 実験は、ターミナル間にしばしば直結する線が存在する屋内の環境で実施した。 この状況は、線のない状況よりも僅かにフェーディングが少ない。そのため、こ の実施例は、表１における相互相関係数が、通常の動作条件のために高い結果に なるという意味において最悪のばあいである。 図２は、個々のアンテナの間隔を変化させた隣接する４本のアンテナの頂部ア レイのための包絡線相互相関係数を示している。図２において、Ｒ₁₂は外側で隣 接しているアンテナのペアであり、Ｒ₁₃は離間した別のペアであり、Ｒ₁₄は外側 で隣接しているアンテナのペアである。０．７またはそれ未満の相互相関係数の ために、最外側ペアは個々のアンテナ間のリニアな間隔を０．０７波長にまで制 限している。最悪のばあいの間隔は、Ｒ₁₂の曲線によって与えられている。すな わち、外側で隣接しているアンテナと内側で隣接しているアンテナＲ₂₃である。 短期の相関は長期の相関より小さいので、理論的な曲線は、ペッシミスティック な（すなわち、大きい）アンテナの間隔を与える。図２は、扱いやすい分析のた めの仮定を用いて計算され、実際には正確でない。しかしながら、それにもかか わらず相互相関係数にガイドを与えるものである。 図３は、本発明の他の複合アンテナを示しており、図示されているように、ハ ウジング２のまわりで４方向に向いている、それぞれ３本のアンテナからなる４ アレイを有している。これに関連する他の形態において、複数の個々の単極アン テナは、環状のハウジングから放射状 に延びてもよい。すべての要素が同一平面に存在する必要はない。 図４は、傾斜した単極を用いている、本発明のさらに他の複合アンテナを示し ている。当該アンテナは、繰り出される部分（feed point）の間隔をより接近せ しめるという利点を有している。図１のアンテナに対して、頂部および底部アレ イにおける外側のアンテナが、中央のアンテナから離れるように曲げられている 。しかしながら、その代わりに、個々のアンテナはたがいに接近するように曲げ ることができ、曲げ角度はアレイの面内、アレイの面に対して垂直な面内、また はそれらの組み合わせ内に存在させることができる。 図５は、本発明の複合アンテナを示している。当該アンテナは図１に類似して いるが、たがいに近接して離間されたスロットアンテナ１ａおよび１ｂの頂部ア レイと底部アレイとからなる。このようなスロットアンテナではよく知られてい るように、同軸のフィードケーブルのアース用鎧装は、当該スロットアンテナの 一端に接続され、同軸のフィードケーブルの中央導電部は当該スロットの他端に 接続される。かかるスロットアンテナは、たとえば、たがいに接近するように曲 げたり、離れるように曲げたりできる。 図６は、本発明のさらに他の複合アンテナを示しており、このばあい、それぞ れ曲げられた３本の折り曲げられた単極アンテナからなる頂部アレイ１ａと、同 じようなアンテナの底部アレイ１ｂとからなる。 本発明の複合アンテナは異なるタイプの個々のアンテナの組み合わせからなる こともできる。たとえばアンテ ナアレイは、複数の個々の単極およびスロットアンテナ、スリーブ状の単極アン テナ、または他のいかなるタイプのアンテナから構成してもよい。個々のアンテ ナは規則的または不規則的に離間することができる。 多数のたがいに近接して離間された個々のアンテナを備えた本発明の複合アン テナは、以前のものよりはるかにコンパクトにしうる多要素アンテナを実現する 。たとえば、たがいに近接して離間された単極からなる本発明の複合アンテナは 、対応する発散型アンテナより占有容積が小さい。本発明の複合アンテナの構成 は、手で保持されるか、または持ち運びうる通信装置のターミナルにとくに適し ている。 叙上の記載は、好ましい態様を含む本発明の記載に関するものである。当業者 にとって自明な置換および変更は、クレームにおいて規定された本発明の範囲に 含まれるべきであると意図されている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ)，ＡＭ，ＡＴ， ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｚ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＪＰ ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＴ，ＬＵ， ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，Ｐ Ｌ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．受信されるべき周波数に対して少なくとも０．３波長未満の長さで、たが いに離間された少なくともふたつの個々のアンテナからなる、手で保持されたり 持ち運びうる通信装置ターミナル用の複合アンテナ。 ２．前記個々のアンテナが、たがいに０．２波長未満の長さで、たがいに離間 されてなる請求の範囲第１項記載の複合アンテナ。 ３．前記個々のアンテナが、たがいに０．１５波長未満の長さで、たがいに離 間されてなる請求の範囲第１項記載の複合アンテナ。 ４．前記個々のアンテナが、たがいに０．１波長未満の長さで、たがいに離間 されてなる請求の範囲第１項記載の複合アンテナ。 ５．前記個々のアンテナが、それぞれが２または３以上のアンテナからなる２ または３以上の別々のアレイ状に配列されてなる請求の範囲第１項、第２項、第 ３項または第４項記載の複合アンテナ。 ６．前記それぞれのアレイが少なくとも３本の個々のアンテナからなる請求の 範囲第５項記載の複合アンテナ。 ７．前記個々のアンテナのそれぞれが折り曲げられた単極を含む単極からなる 複合アンテナから構成される請求の範囲第１項、第２項、第３項、第４項、第５ 項または第６項記載の複合アンテナ。 ８．前記個々のアンテナのそれぞれが、受信されるべき周波数に対して０．１ ないし０．７波長の長さを有し てなる請求の範囲第１項、第２項、第３項、第４項、第５項、第６項または第７ 項記載の複合アンテナ。 ９．前記個々のアンテナのそれぞれが、約１／４波長の長さを有してなる請求 の範囲第１項、第２項、第３項、第４項、第５項、第６項、第７項または第８項 記載の複合アンテナ。 １０．前記個々のアンテナまたはそれらのいくつかが、個々のアンテナの方位の 向きにたがいに離間され、他の個々のアンテナによって受信された信号に対して 非相関の信号を受信する個々のアンテナを助ける請求の範囲第１項、第２項、第 ３項、第４項、第５項、第６項、第７項、第８項または第９項記載の複合アンテ ナ。 １１．前記アンテナに隣接するグラウンド層を含む請求の範囲第１項、第２項、 第３項、第４項、第５項、第６項、第７項、第８項、第９項または第１０項記載 の複合アンテナ。 １２．８００ＭＨｚないし５ＧＨｚの周波数のために構成された請求の範囲第１ 項、第２項、第３項、第４項、第５項、第６項、第７項、第８項、第９項、第１ ０項または第１１項記載の複合アンテナ。 １３．図１および３ないし６のいずれかを参照して記載された複合アンテナ。