JPH0949664A - 冷凍機の混合冷媒組成比検知装置及び混合冷媒組成比検知方法並びに制御装置 - Google Patents

冷凍機の混合冷媒組成比検知装置及び混合冷媒組成比検知方法並びに制御装置

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JPH0949664A
JPH0949664A JP20202195A JP20202195A JPH0949664A JP H0949664 A JPH0949664 A JP H0949664A JP 20202195 A JP20202195 A JP 20202195A JP 20202195 A JP20202195 A JP 20202195A JP H0949664 A JPH0949664 A JP H0949664A
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refrigerant
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mixed refrigerant
mixed
detecting
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JP20202195A
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Satoshi Ishida
智 石田
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混合冷媒を用いた冷凍機に対し、簡単で且つ
高い精度で混合冷媒の組成比を検知する。 【解決手段】 HFC-32及びHFC-134aが混合されてなる混
合冷媒が封入された冷媒回路のアキュムレータ6内の上
層部に、音波を発する発信器11bと、該音波を受信す
る受信センサ12bとを対向配置させ、この音波の伝達
速度に基いて混合冷媒の組成比を検知する。検知された
HFC-32の組成比が大きいほど冷媒回路の膨張弁開度を大
きくする。また、検知された組成比と基準組成比との差
が所定量以上である場合には冷媒の漏洩があると判断し
て警報を発する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気調和装
置の冷媒回路等に封入される冷媒として混合冷媒を使用
した場合などにおいて、その組成比を検知するための装
置及び検知方法並びにこの検知装置を利用した制御装置
に係り、特に、混合冷媒を構成する冷媒各々の特性を利
用してその組成比(混合割合)を検出するための検出原
理の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷凍機及び空調機に使用され
る冷媒は、一般には、単一成分の冷媒を使用することが
望ましいが、環境保護、リサイクル及び省エネルギ等の
点から複数種類の冷媒を混合してなる混合冷媒を使用す
ることがある。また、この混合冷媒には共沸(またはそ
れに近い)混合冷媒と非共沸混合冷媒とに分けられる。
そして、非共沸混合冷媒では起動時やある運転モードに
おいて冷媒回路内を循環する冷媒組成は充填組成と異な
ることはよく知られている。これは、冷媒の漏れ発生や
非定状運転時、混合冷媒を冷媒回路に充填する際のず
れ、冷媒の再充填時における充填冷媒の不適切によるず
れ、圧縮機内部の潤滑油に対する各冷媒の相溶性による
ずれ等が原因である。
【0003】また、同様に、共沸混合冷媒でもあっても
組成変化は起こり得る。それは混合冷媒を構成する各純
冷媒の冷凍機油への溶解度が異なるなどのためである。
そのため、混合冷媒を使用する場合は実際の循環組成を
検知することが重要な技術となる。
【0004】このような要求に応えるために、従来よ
り、例えば特開平7−12411号公報に開示されてい
るように、冷媒回路内を流れる液相の冷媒の静電容量に
よって組成比を求めるものが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような静電容量を利用した組成比の検出手段では、構
造が複雑であるばかりでなく、検出値のばらつきが大き
く冷媒の組成比を高い精度で検知することはできなかっ
た。
【0006】本発明は、これらの点に鑑みてなされたも
のであって、簡単で且つ高い精度でもって混合冷媒の組
成比を検知することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、混合冷媒を構成する各冷媒の特性を利
用して冷媒の組成比を検知するようにした。
【0008】請求項1記載の発明は、混合冷媒中におけ
る音速が、冷媒の組成比によって変化することを利用し
て冷媒の組成比を求める組成比検知装置に係るものであ
る。具体的には、図2に示すように、混合冷媒が存在す
る空間内に音波を発信する発信手段(11b) と、該発信手
段(11b) からの音波を受信する受信手段(12b) と、上記
発信手段(11b) と受信手段(12b) との間の距離及び発信
手段(11b) から受信手段(12b) までの音波の伝達時間に
基いて上記空間内での音速を検出する音速検出手段(31)
と、該音速検出手段(31)によって検出された音速に基い
て上記混合冷媒の冷媒組成比を検知する組成比検知手段
(32)とを備えた構成としている。
【0009】請求項2記載の発明は、混合冷媒中におけ
る音速が、冷媒の組成比によって変化することを利用し
て冷媒の組成比を求める組成比検知方法に係るものであ
る。具体的には、発信手段(11b) から混合冷媒が存在す
る空間内に音波を発信し、この音波を受信手段(12b) に
より受信した後、上記発信手段(11b) と受信手段(12b)
との間の距離及び発信手段(11b) から受信手段(12b) ま
での音波の伝達時間に基いて上記空間内での音速を検出
し、この音速に基いて混合冷媒の冷媒組成比を検知する
方法としている。
【0010】この請求項1または2記載の発明では、混
合冷媒が存在する空間内での音速が該混合冷媒の組成比
によって変化することを利用して冷媒の組成比を求めて
いるので簡単に精度の高い組成比の検知が行える。
【0011】請求項3記載の発明も、混合冷媒中におけ
る音速が、冷媒の組成比によって変化することを利用し
て冷媒の組成比を求める組成比検知装置に係るものであ
り、特に、音波の周波数に基いて音速を検知するように
している。具体的には、図7に示すように、上記混合冷
媒が存在する空間内に所定周波数のパルス波を発信する
発信手段(11b) と、該発信手段(11b) からのパルス波を
受信する受信手段(12d,12e) と、上記パルス波の周波数
を変更させながら受信手段(12d,12e) で受信されるパル
ス波の音圧が最大となる周波数を検出する周波数検出手
段(33)と、該周波数検出手段(33)で検出された周波数に
基いて上記空間内での音速を検出する音速検出手段(31)
と、該音速検出手段(31)によって検出された音速に基い
て上記混合冷媒の冷媒組成比を検知する組成比検知手段
(32)とを備えた構成としている。
【0012】請求項4記載の発明は、混合冷媒中におけ
る音速が、冷媒の組成比によって変化することを利用し
て冷媒の組成比を求める組成比検知方法に係るものであ
る。具体的には、発信手段(11b) から混合冷媒が存在す
る空間内にパルス波を発信し、その周波数を変更しなが
ら受信手段(12d,12e) に受信させて、この受信手段(12
d,12e) で受信されるパルス波の音圧が最大となる周波
数を検出し、この周波数に基いて、上記空間内での音速
を検出し、この音速に基いて混合冷媒の冷媒組成比を検
知する方法としている。
【0013】この請求項3または4記載の発明では、受
信手段(12d,12e) で受信されるパルス波の音圧が最大と
なる周波数の整数倍の周波数を発信手段(11b) から発信
させるようにすれば、僅かな音速の差であっても周波数
の差を大きくとることができこれによって、より高い精
度で音速を検知することができ、混合冷媒の組成比を精
度良く検知できる。
【0014】請求項5記載の発明は、上記請求項1また
は3記載の冷凍機の混合冷媒組成比検知装置において、
発信手段(11b) 及び受信手段(12b) を、冷凍機における
気相の混合冷媒のみが存在している空間に夫々配置させ
た構成としている。
【0015】また、請求項8の発明は、上記請求項1ま
たは3記載の冷凍機の混合冷媒組成比検知装置におい
て、発信手段(11b) 及び受信手段(12b) を、冷凍機にお
ける液相の混合冷媒のみが存在している空間に夫々配置
させた構成としている。
【0016】このような請求項5または8記載の発明で
は、発信手段(11b) から受信手段(12b) に向かう音波を
冷媒の一相域において伝達させることができ、音速の検
出を比較的容易に行うことができる。
【0017】請求項6記載の発明は、上記請求項5記載
の冷凍機の混合冷媒組成比検知装置において、発信手段
(11b) 及び受信手段(12b) を、冷凍機の冷媒回路(1) に
おけるアキュムレータ(6) の上層部に夫々配置させた構
成としている。
【0018】この構成によれば、発信手段(11b) から発
信された音波を確実に気相域において受信手段(12b) に
向かって伝達することができる。
【0019】請求項7記載の発明では、上記請求項5記
載の冷凍機の混合冷媒組成比検知装置において、発信手
段(11b) 及び受信手段(12b) を、冷凍機の冷媒回路(1)
に接続されて該冷媒回路(1) の一部の混合冷媒が導入可
能な筒体(16)の長手方向の両端部に対向配置させた構成
としている。
【0020】この構成によれば、筒体(16)の長手方向の
寸法を大きくすることで、発信手段(11b) と受信手段(1
2b) との間隔を大きく設定することができ、音速の伝達
距離を長くすることで冷媒組成比の検出精度を向上でき
る。
【0021】請求項9記載の発明は、特定の冷媒を吸着
する吸着材を利用し、この冷媒の吸着による混合冷媒の
圧力低下を利用して冷媒の組成比を求める組成比検知装
置に係るものである。具体的には、図12に示すよう
に、冷凍機の冷媒回路(1) に接続されて該冷媒回路(1)
の一部の混合冷媒が導入可能なケーシング(28)と、該ケ
ーシング(28)内に収容され、上記混合冷媒を構成する複
数種類の冷媒のうち特定の冷媒のみを吸着する吸着材(2
7)と、ケーシング(28)内の圧力を検出する圧力検出手段
(29)と、ケーシング(28)内に混合冷媒を供給し、その供
給完了時及び供給完了後の所定時間経過時に夫々圧力検
出手段(29)が検出する圧力を比較し、降下圧力値に基い
て、上記混合冷媒の冷媒組成比を検知する組成比検知手
段(32)とを備えた構成としている。
【0022】請求項10記載の発明は、特定の冷媒を吸
着する吸着材を利用し、この冷媒の吸着による混合冷媒
の圧力低下を利用して冷媒の組成比を求める組成比検知
方法に係るものである。具体的には、混合冷媒を構成す
る複数種類の冷媒のうち特定の冷媒のみを吸着する吸着
材(27)を収容したケーシング(28)内に混合冷媒を供給
し、その供給完了時及び供給完了後の所定時間経過時に
夫々ケーシング(28)内の圧力を検出し、その後、この各
圧力を比較し、上記特定冷媒の吸着材(27)への吸着に伴
う降下圧力値に基いて、混合冷媒の冷媒組成比を検知す
る方法としている。
【0023】この請求項9または10記載の発明では、
ケーシング(28)内に混合冷媒を供給し、その供給完了時
及び供給完了後の所定時間経過時に夫々圧力検出手段(2
9)がケーシング(28)内の圧力を検出する。そして、この
際の降下圧力値に基いて組成比検知手段(32)が混合冷媒
の冷媒の組成比を検知する。
【0024】請求項11記載の発明は、特定の冷媒を吸
着する吸着材を利用し、この冷媒の吸着による吸着材の
質量増加を利用して冷媒の組成比を求める組成比検知装
置に係るものである。具体的には、図15に示すよう
に、冷凍機の冷媒回路(1) に接続されて該冷媒回路(1)
の一部の混合冷媒が導入可能なケーシング(41)と、該ケ
ーシング(41)内に収容され、上記混合冷媒を構成する複
数種類の冷媒のうち特定の冷媒のみを吸着する吸着材(2
7)と、上記吸着材(27)の質量を検知する質量検知手段(3
5)と、ケーシング(41)内に混合冷媒を供給し、その供給
完了時及び供給完了後の所定時間経過時に夫々質量検知
手段(35)が検知する吸着材(27)の質量を比較し、質量増
加量に基いて、上記混合冷媒の冷媒の組成比を検知する
組成比検知手段(32)とを備えさせた構成としている。
【0025】請求項13記載の発明は、特定の冷媒を吸
着する吸着材を利用し、この冷媒の吸着による吸着材の
質量増加を利用して冷媒の組成比を求める組成比検知方
法に係るものである。具体的には、混合冷媒を構成する
複数種類の冷媒のうち特定の冷媒のみを吸着する吸着材
(27)を収容したケーシング(41)内に混合冷媒を供給し、
その供給完了時及び供給完了後の所定時間経過時に夫々
吸着材(27)の質量を認識し、その後、この各質量を比較
し、質量増加量に基いて、混合冷媒の冷媒の組成比を検
知する方法としている。
【0026】この請求項11または13記載の発明で
は、ケーシング(28)内に混合冷媒を供給し、その供給完
了時及び供給完了後の所定時間経過時に夫々質量検知手
段(40)が吸着材(27)の質量を検出する。そして、この際
の吸着材(27)の質量増加量に基いて組成比検知手段(32)
が混合冷媒の冷媒組成比を検知する。
【0027】請求項12記載の発明は、上記請求項11
記載の冷凍機の混合冷媒組成比検知装置において、質量
検知手段(35)を、水晶発信子(40)に吸着材(27)を取付け
て成し、組成比検知手段(32)が、上記吸着材(27)への特
定冷媒の吸着に伴って水晶発信子(40)の発信周波数が低
下することにより吸着材(27)の質量が増大したことを認
識すると共に、水晶発信子(40)の発信周波数の低下割合
に基いて混合冷媒の冷媒組成比を検知するものとしてい
る。
【0028】この構成により、吸着材(27)に特定冷媒が
吸着することにより該吸着材(27)の質量が増加すると、
水晶発信子(40)の発信周波数が低下する。このため、こ
の吸着後の水晶発信子(40)の発信周波数によって混合冷
媒の冷媒の組成比が検知できる。このように、水晶発信
子(40)の発信周波数により吸着材(27)の質量増加量を間
接的に検出していることで、僅かな質量変化でも正確に
認識することができる。
【0029】請求項14記載の発明は、上記請求項1、
3、5、6、7、8、9、11または12記載の冷凍機
の混合冷媒組成比検知装置を利用した制御装置であっ
て、冷凍機に、圧縮機(2) 、熱源側熱交換器(3) 、開度
調整可能な減圧弁(4) 及び利用側熱交換器(5) が冷媒配
管(8) によって接続されてなる冷媒回路(1) を備えさ
せ、組成比検知手段(32)によって組成比が検知された冷
媒のうち冷凍能力が大きい側の冷媒の組成比が高いほど
減圧弁(4) の開度を大きく設定する弁開度補正手段(36)
を備えさせた構成としている。
【0030】この構成により、冷凍能力が大きい側の冷
媒の組成比が高い場合、減圧弁(4)の開度を大きくして
も、冷凍機の冷凍能力が低下することはなく、これによ
って圧力損失を低減してCOP(成績係数)の向上と高
い冷凍能力とが両立できる。逆に、冷凍能力が大きい側
の冷媒の組成比が低い場合、膨張弁(4) の開度を小さく
して、この膨張弁(4) での圧力低下度合を大きくして冷
媒を蒸発し易くすることで冷凍能力の低下を回避でき
る。
【0031】請求項15記載の発明は、上記請求項1、
3、5、6、7、8、9、11または12記載の冷凍機
の混合冷媒組成比検知装置を利用した制御装置であっ
て、組成比検知手段(32)によって検知された混合冷媒の
冷媒組成比を所定の組成比と比較し、この両者の差が所
定量以上であるとき警報を発する警報手段(37)を備えさ
せた構成としている。
【0032】この構成により、冷媒回路(1) から冷媒が
漏れ出している可能性があることを容易に検知でき、メ
ンテナンスの必要があることが認識できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)次に、本発明に係る実施形態の1例とし
ての実施形態1を図面に基いて説明する。図1は、本形
態に係る空気調和装置に備えられた冷媒回路(1) を示し
ている。この冷媒回路(1) は、圧縮機(2) 、熱源側熱交
換器としての室外熱交換器(3) 、減圧弁としての膨張弁
(4) 、利用側熱交換器としての室内熱交換器(5) 、アキ
ュムレータ(6) 及び四路切換弁(7) が冷媒配管(8) によ
って接続されてなっており、上記四路切換弁(7) が圧縮
機(2) の吐出側及び吸入側夫々の室外熱交換器(3)と室
内熱交換器(5) とに対する接続状態の切換えを可能とし
ている(図1の実線状態及び破線状態参照)。そして、
室内の冷房運転時には、四路切換弁(7) が図中破線で示
す切換え状態となり、圧縮機(2) から吐出された高温高
圧の冷媒が室外熱交換器(3) で凝縮し、膨張弁(4) で減
圧された後、室内熱交換器(5) で蒸発してアキュムレー
タ(6) に回収され、この回収された冷媒のうち気相のみ
が圧縮機(2) の吸入側に供給される。逆に、室内の暖房
運転時には、四路切換弁(7) が図中実線で示す切換え状
態となり、圧縮機(2) から吐出された高温高圧の冷媒が
室内熱交換器(5) で凝縮し、膨張弁(4) で減圧された
後、室外熱交換器(3) で蒸発してアキュムレータ(6) に
回収され、この回収された冷媒のうち気相のみが圧縮機
(2) の吸入側に供給される。
【0034】そして、この冷媒回路(1) には、沸点の異
なる2種類の冷媒が混合されてなる非共沸混合冷媒が封
入されている。この混合冷媒を構成する2種類の冷媒と
して具体的には、HFC−32(ジフルオロメタン)、
HFC−134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)で
ある。これら冷媒の特性について説明すると、HFC−
134aに比べてHFC−32は、比体積が小さく冷媒
として高い能力を有している。つまり、冷媒回路(1) を
循環する冷媒としては、HFC−134aが循環する場
合よりもHFC−32が循環する場合の方が冷凍装置と
して高い能力を発揮することになる。また、HFC−3
2に比べてHFC−134aは蒸発圧力が低い。つま
り、HFC−134aはHFC−32に比べて蒸発し難
い冷媒である。
【0035】そして、この混合冷媒は、各冷媒が最適な
組成比とされて冷媒回路(1) 中に予め封入されており、
該冷媒回路(1) を循環する混合冷媒が、この組成比(初
期設計組成比)のまま流れた場合には、冷凍機として適
切な冷凍能力が得られるようになっている。
【0036】次に、実際に冷媒回路(1) を流れている混
合冷媒の組成比を検出するための構成について説明す
る。本構成は、上記アキュムレータ(6) に備えられてい
る。先ず、アキュムレータ(6) の基本構成について説明
すると、図2に示すように、該アキュムレータ(6) は、
上下両端部が略球面状に形成された円筒状の容器でな
り、その上面には、四路切換弁(7) に接続する冷媒戻り
管(8a)及び圧縮機(2) の吸入側から延びる圧縮機吸入管
(8b)が夫々貫通されており、圧縮機吸入管(8b)はアキュ
ムレータ(6) の内部においてU字状に湾曲され、その上
流側端がアキュムレータ(6) 内の上層部に位置されてい
る。このため、冷媒戻り管(8a)によりアキュムレータ
(6) 内に回収された冷媒のうち、液相のもの(液冷媒L
i)はアキュムレータ(6) 内の底部に貯留され、気相の
もの(ガス冷媒Ga)はアキュムレータ(6)内の上部から
圧縮機吸入管(8b)によって圧縮機(2) に供給されるよう
になっている。つまり、アキュムレータ(6) 内の上層部
には常にガス冷媒(Ga)が存在している。
【0037】そして、このアキュムレータ(6) に備えら
れた冷媒組成比検出構造としては、該アキュムレータ
(6) 内部の気相域における縦壁面で互いに対向した位置
に、所定のパルス波(超音波)を発する発信部(11)と、
該発信部(11)から発せられたパルス波を受信する受信部
(12)とが配置されている。先ず、発信部(11)の構成につ
いて説明すると、アキュムレータ(6) の内壁面(図2に
おける左側の壁面)には筒状の保護管(11a) が取付けら
れており、この保護管(11a) の内部に発信手段としての
パルス波発信器(11b) が水平方向にパルス波を発信する
ように収容されている。上記保護管(11a) は、パルス波
発信器(11b) に液冷媒や該液冷媒中に含まれる潤滑油が
付着することを抑制するためのものである。一方、受信
部(12)の構成としては、図3にも示すように、アキュム
レータ(6) の内壁面(図2における右側の壁面)に筒状
の保護管(12a) が取付けられており、この保護管(12a)
の内部に受信手段としての受信センサ(12b) が備えられ
ており、この受信センサ(12b) とアキュムレータ(6) の
内壁面との間に緩衝材(12c) が介設されている。上記保
護管(12a) は、受信センサ(12b) に液冷媒や該液冷媒中
に含まれる潤滑油が付着することを抑制するばかりでな
く、パルス波発信器(11b) と対向する方向に対して直交
する方向から受信センサ(12b) にノイズが侵入すること
を阻止するためである。また、緩衝材(12c) は受信セン
サ(12b) の背面側(アキュムレータの外周側)からのノ
イズの侵入を阻止するためのものである。この保護管(1
2a) 及び緩衝材(12c) によって受信センサ(12b) の指向
性を高めることができ、パルス波の検出精度が向上され
る。このような構成により、パルス波発信器(11b) から
発せられたパルス波は、アキュムレータ(6) 内部でガス
冷媒が存在している空間を水平方向に伝播し、受信セン
サ(12b) によって高い検出精度で検出されることにな
る。尚、このパルス波発信器(11b) と受信センサ(12b)
との距離(L) は予め認識されている。
【0038】また、上記パルス波発信器(11b) 及び受信
センサ(12b) は夫々コントローラ(30)に信号の送受信が
可能に接続されており、パルス波発信器(11b) はこのコ
ントローラ(30)からの指令信号によってパルス波を発信
し、このパルス波を受けた受信センサ(12b) はコントロ
ーラ(30)に対して受信信号を送信するようになってい
る。このため、コントローラ(30)は、指令信号の発信時
から受信信号の受信時までの時間とパルス波発信器(11
b) から受信センサ(12b) までの距離(L) との関係によ
ってアキュムレータ(6) 内でのパルス波の音速を認識す
ることができるようになっている。
【0039】次に、混合冷媒中での音波の伝達特性につ
いて説明する。図4は、横軸が混合冷媒を構成するHF
C−134a(R134a)とHFC−32(R32)
との組成比を示し(図4の左側ではHFC−134aの
組成比が多く、右側ではHFC−32の組成比が多いこ
とを示す)、縦軸がその組成比に対応した音速を示して
いる。このように、混合冷媒の相状態が気相,液相に拘
りなく、HFC−32の組成比が多いほど音速が高くな
るといった特性を有している。本実施形態では、この特
性を利用して混合冷媒の組成比を正確に検知するもので
ある。また、このパルス波の速度は、温度及び圧力によ
っても僅かに変化するため、より高い速度検出精度を得
ようとする場合には、アキュムレータ(6) 内の温度及び
圧力を検出する構成を採用する。つまり、混合冷媒の組
成比(C) は音速(S) 、温度(T) 、圧力(P) の関数f(S,T,
P)によって表されることになり、この音速(S) 、温度
(T)、圧力(P) を求めて関数f(S,T,P)を解けば混合冷媒
の組成比(C) が算出できることになる。
【0040】次に、本構成による混合冷媒の組成比検出
動作及びその検出された組成比に基づいた空調運転の制
御動作について説明する。先ず、組成比検出動作を図5
のフローチャートに沿って説明する。ステップST1にお
いて必要に応じてアキュムレータ(6) 内の温度(T) 及び
圧力(P) を検出しておき、ステップST2でコントローラ
(30)からの指令信号により発信部(11)のパルス波発信器
(11b) からパルス波を受信部(12)に向かって発信し、こ
の時の時刻をt1として認識する。そして、ステップST3
で、この発信されたパルス波がアキュムレータ(6) 内の
気相域を水平方向に伝播して受信部(12)に達し、受信セ
ンサ(12b) によって受信されると、受信センサ(12b) が
コントローラ(30)に対して受信信号を送信し、この時の
時刻をt2として認識する。これら時刻t1,t2 を認識した
後、ステップST4において、時刻t2から時刻t1を減算し
てパルス波が発信部(11)から発信された後、受信部(12)
で受信されるまでの間の到達時間tを算出する。そして
ステップST5で、予め認識されていたパルス波発信器(1
1b) と受信センサ(12b) との距離Lを上記到達時間tで
除してパルス波の音速Sを算出する。その後、ステップ
ST6において、混合冷媒の組成比Cを算出するための音
速(S) 、温度(T) 、圧力(P) の関数f(S,T,P)を解くこと
によってアキュムレータ(6) 内の気相域の混合冷媒の組
成比Cを算出する。このようにして得られた混合冷媒の
組成比Cを空調機の制御及びメンテナンス用のフローチ
ャートに利用する(ステップST7)。このような検知動
作であるために、ステップST5において音速検出手段(3
1)が、ステップST6において組成比検知手段(32)が夫々
構成されている。
【0041】次に、このようにして算出された組成比に
基づいた空調運転の制御動作について図6の制御及びメ
ンテナンス用のフローチャートに沿って説明する。この
制御動作は、検出した組成比に基づいて膨張弁(4) の開
度を変化させるものである。先ず、ステップST11で、
上記算出された組成比Cを読込み、ステップST12で、
この検出組成比と、冷媒回路(1) に封入された初期の組
成比である設計組成比とを比較する。具体的には、検出
組成におけるHFC−32の組成比C2と設計組成にお
けるHFC−32の組成比C1との差が予め設定された
許容変動値E1以下であるか否かを判定する。そして、
この組成比の差が許容変動値E1以下であるYES の場合
には、冷媒回路(1) を循環している混合冷媒の組成比が
所定の組成比(設計組成比)に略近い状態になっている
として、ステップST13において膨張弁(4) の開度を標
準開度に設定する。一方、この組成比の差が許容変動値
E1以上であるNOの場合には、ステップST14で、検出
組成比C2と設計組成比C1との差が予め設定された危
険変動値E2(上記許容変動値E1よりも大きな値)以
上であるか否かを判定し、危険変動値E2未満であるNO
の場合には、ステップST15でHFC−32の検出組成
比C2が設計組成比C1よりも小さいか否かを判定す
る。そして、この判定がYES の場合には、ステップST1
6において膨張弁(4) の開度を上記標準開度よりも所定
量だけ小さく設定する。つまり、高い冷凍能力を得るこ
とができるHFC−32の組成比が小さいことから、膨
張弁(4)の開度を小さくして、この膨張弁(4) での圧力
低下度合を大きくして冷媒を蒸発し易くすることで冷凍
能力の低下を回避する。一方、ステップST15において
NOに判定した場合には、ステップST17において膨張弁
(4) の開度を上記標準開度よりも所定量だけ大きく設定
する。つまり、高い冷凍能力を得ることができるHFC
−32の組成比が大きいことから、膨張弁(4) の開度を
大きくして、圧力損失を低減してCOP(成績係数)の
向上と高い冷凍能力とを両立させる。このように、冷媒
回路(1) を循環する混合冷媒の組成比を制御パラメータ
として利用し、この組成比に応じて膨張弁(4) の開度を
調整するようにしているので、冷媒の循環状態や漏れ状
態に拘りなく常に高い冷凍能力を発揮させることができ
る。
【0042】また、上記ステップST14において、検出
組成比C2と設計組成比C1との差が危険変動値E2以
上であるYES に判定された場合には、冷媒回路(1) から
冷媒が漏れ出している虞れがあると判断してステップST
18において警告信号を発信する。具体的には、空調機
の表示パネルやリモコンに警告表示を行ったり音声によ
る警告を行う。このような制御動作であるために、ステ
ップST13,16,17において弁開度補正手段(36)
が、ステップST18において警報手段(37)が構成されて
いる。
【0043】このような警告が行われた際には、冷媒の
漏洩原因である冷媒配管(8) の損傷などを補修した後
に、冷媒回路(1) に混合冷媒を封入することになるが、
上述したように回路(1) 内の冷媒の組成比は既に検知さ
れているので、この組成比に基づいて各冷媒夫々の必要
補充量を求め、その量だけ各冷媒を回路(1) 中に充填す
る。このため、回路(1) 中には、設計組成比と略同様の
組成比の混合冷媒が存在することになるので、従来のよ
うに、冷媒回路から全ての冷媒を抜き取った後、設計組
成比の混合冷媒を所定量充填するといったことが必要な
くなり、メンテナンス性の向上及び廃棄冷媒の発生を防
止することによる環境保護を図ることができる。
【0044】このように、本形態によれば、混合冷媒中
を伝播するパルス波の音速を利用して冷媒の組成比を検
知するようにしたので、簡単な構成で且つ高い精度でも
って混合冷媒の組成比を検知でき、この検知された組成
比を利用することによって、起動時の立上り性が向上す
る等のように、常に最適な空調運転状態を得ることがで
きる。
【0045】また、本形態ではアキュムレータ(6) 内部
の気相域において音速を検知するようにしたが、液相域
において検知するようにしてもよく、また、アキュムレ
ータ(6) 内に限らず、例えば過熱状態の混合冷媒が流れ
ている領域などのように、冷媒回路(1) 内において気相
と液相とが混在する領域以外であれば如何なる領域にお
いても音速を検出することにより冷媒の組成比を検知す
ることができる。
【0046】また、受信センサ(12b) に、パルス波の周
波数帯の信号のみを通過させるバンドパスフィルタを備
えさせれば、ノイズの影響を殆どなくすことができ、よ
り高い精度で音速の検知が可能となる。
【0047】(実施形態2)次に、本発明に係る他の実
施形態としての実施形態2を図面に基いて説明する。本
例も上述した実施形態1と同様に、混合冷媒中での音速
を利用して冷媒の組成比を検知するようにしたものであ
る。そして、具体的な構成としては、図7に示すよう
に、冷媒回路(1) に対して冷媒組成検知用の検知装置(1
5)を連結している。
【0048】以下、この冷媒組成検知装置(15)について
説明する。本装置(15)は、円筒状の密閉容器でなる検知
筒(16)を備えている。そして、この検知筒(16)の長手方
向の一端面(図7における左側面)の中央部には、上記
と同様のパルス波発信器(11b) が設けられている一方、
他端面(図7における右側面)の中央部には第1受信セ
ンサ(12d) が、外周面における検知筒(16)の長手方向中
央部には第2受信センサ(12e) が夫々設けられている。
また、各パルス波発信器(11b) 及び受信センサ(12d,12
e) はコントローラ(30)に送受信可能に接続されてい
る。更に、検知筒(16)には、該検知筒(16)の内部の温度
を検出する温度センサ(17)が設けられており、この温度
センサ(17)もコントローラ(30)に送信可能に接続されて
いる。
【0049】そして、この検知筒(16)と冷媒回路(1) と
の接続構造としては、冷媒回路(1)のガス配管(例えば
圧縮機吸入管(8b))からガス冷媒を取出すための取出し
管(18)が、ガス配管と検出筒(16)とを接続しており、こ
の取出し管(18)には第1開閉弁(18a) が設けられてい
る。また、この第1開閉弁(18a) と検知筒(16)との間に
は真空ポンプ(19)が真空引き管(20)を介して接続されて
おり、この真空引き管(20)には第2開閉弁(20a) が設け
られている。
【0050】次に、本構成による混合冷媒の組成比検知
動作について図8のフローチャートに沿って説明する。
先ず、ステップST21において、第1開閉弁(18a) を閉
状態にする一方、第2開閉弁(20a) を開状態にし、真空
ポンプ(19)を作動させて検知筒(16)の内部を真空引きす
る。その後、ステップST22で、第1開閉弁(18a) を開
状態にする一方、第2開閉弁(20a) を閉状態にし、冷媒
回路(1) 内のガス冷媒を検知筒(16)内に導入する。更
に、ステップST23において、再び第1開閉弁(18a) を
閉状態にし、第2開閉弁(20a) 開放することで、検知筒
(16)内の冷媒を所定量だけ放出して内部圧力を大気圧に
調整する。これは、混合冷媒中での音速に対する圧力の
影響をできるだけなくすための動作であって、これによ
り、検知筒(16)内での音速は冷媒組成比と温度とによっ
て決定されることになる。更に、ステップST24によっ
て温度センサ(17)により検知筒(16)内の温度を予め検出
しておく。
【0051】このようにして、音速検知条件を整えた
後、ステップST25以下の冷媒組成比の検知動作に移
る。ステップST25では、パルス波発信器(11b) から発
したパルス波の音圧レベルを各受信センサ(12d,12e) で
検出する。この状態では、パルス波は検知筒(16)内で定
在波となっている。そして、このようなパルス波発生状
態において、ステップST26で、各受信センサ(12d,12
e) での音圧が最大となる周波数を検出する。具体的に
は、パルス波発信器(11b) から発するパルス波の周波数
を変化させながら各受信センサ(12d,12e) で音圧を測定
し、この音圧が最大となる周波数を検出する。尚、以下
の式が成立するときに各受信センサ(12d,12e)で検出す
る音圧は最大になる。 S=(1/n)×L×F (1) (但し、S:音速,L:検知筒長さ,F:パルス波の周
波数,n:整数) このようにして周波数が定まった後、ステップST27に
おいて、パルス波発信器(11b) から上記周波数Fの整数
倍の周波数をもったパルス波を発信する。これにより、
ステップST28において上記(1) 式から音速Sを算出
し、ステップST29で冷媒組成比Cを求めるための関数
f(S,T)を解くことにより混合冷媒の組成比が求まる。こ
のような検知動作であるため、ステップST26によって
周波数検出手段(33)が、ステップST28によって音速検
出手段(31)が、ステップST29によって組成比検知手段
(32)が構成されている。
【0052】このような音速検知動作であるために、本
形態によれば、ステップST27で設定するパルス波の周
波数Fを高く設定すれば、音速検知精度を向上すること
ができる。その理由を以下に具体例を用いて示す。
【0053】例えば、検知筒(16)の長さを1m とし、音
速が155m/s の場合と160m/sの場合における夫々
の音速検知動作を比較すると、音速が155m/s である
ときに上記(1) 式を満たす周波数は、155Hz,310
Hz,620Hz,…,155nHzであり、音速が160m/
s であるときに上記(1) 式を満たす周波数は、160H
z,320Hz,640Hz,…,160nHzとなる。つま
り、音速が155m/s であるときには、ステップST27
で設定される周波数は155Hzの整数倍となる一方、音
速が160m/s であるときには、ステップST27で設定
される周波数は160Hzの整数倍となる。従って、この
周波数の倍数を大きく設定して、高周波数のパルス波を
利用すれば、僅かな音速の差であっても周波数の差を大
きくとることができる。言い換えると、周波数を大きく
変化させてもそれに適応した音速の変化は僅かである。
このため、より高い精度で音速を検知することができ、
ひいては、混合冷媒の組成比を高い精度で検知すること
ができる。
【0054】更に、本構成によれば、冷媒回路(1) から
検知筒(16)内へ混合冷媒を取出してその組成比を検知す
るようにしているので、検知筒(16)として長さの長いも
のを使用することが可能であり、この検知筒(16)の長さ
を可変として、上記(1) 式を満たすように、検知筒(16)
の長さを設定し、この長さの調整も、上述した周波数調
整の場合と同様に(1) 式を満たす長さの整数倍だけ長く
設定すれば、上記と同様により高い精度で音速を検知す
ることができる。
【0055】(実施形態3)次に、本発明に係る実施形
態3を図面に基いて説明する。本例は、特に、可燃性冷
媒を使用する場合に適した冷媒回路に本発明の技術を利
用した場合である。図9に示すように、本形態に係る冷
媒回路(1')は、上述した実施形態1で示した冷媒回路
(1) に、室外に設置した冷媒貯留槽(21)を備えさせ、運
転停止時には、冷媒回路(1')内の混合冷媒を冷媒貯留槽
(21)内に回収貯留して、室内熱交換器(5) の損傷などに
よって、この停止中に室内へ可燃性冷媒が漏れ出すこと
を防止するようにしたものである。そして、本形態で
は、混合冷媒の相状態によって音速が異なることを利用
して冷媒貯留槽(21)内に貯留されている液冷媒の量(液
冷媒の液面高さ)を検知するものである。
【0056】以下、この回路(1')について説明する。
尚、上述した実施形態1と同一部分に関しては説明を省
略し、同一部材には同一符号を付す。冷媒回路(1')にお
ける膨張弁(4) と室外熱交換器(3) との間には第1三方
弁(22)が、また四路切換弁(7)とアキュムレータ(6) と
の間には第2三方弁(23)が夫々設けられており、第1三
方弁(22)の1つの接続部には冷媒回収管(24)が接続さ
れ、この冷媒回収管(24)の他端は冷媒貯留槽(21)の下面
に接続されている。また、第2三方弁(23)の1つの接続
部には冷媒取出し管(25)が接続され、この冷媒取出し管
(25)の他端は冷媒貯留槽(21)の上面に接続されている。
また、各三方弁(22,23) は図9における実線状態と破線
状態とに切換え可能となっており、通常の空調運転時に
は実線状態となり、運転停止時で冷媒貯留槽(21)に冷媒
を回収する際には第1三方弁(22)が破線状態に切換わ
り、再起動時で冷媒貯留槽(21)の冷媒を回路(1')に循環
させる際には第2三方弁(23)が破線状態に切換わる。ま
た、冷媒貯留槽(21)には、図示しない熱源から温熱或い
は冷熱を受ける熱交換器(26)が近接配置されており、冷
媒貯留槽(21)内の冷媒を必要に応じて加熱或いは冷却す
るようになっている。
【0057】そして、本形態の特徴とする構成として、
図10に示すように、冷媒貯留槽(21)には、その内部に
貯留されている液冷媒(Li)の液面高さ位置を検知するた
めの構成が備えられている。具体的には、冷媒貯留槽(2
1)の底部には上記と同様のパスル波発信器(11b) が、ま
た冷媒貯留槽(21)の上部におけるパスル波発信器(11b)
の配設位置に対向する位置には受信センサ(12b) が夫々
設けられており、パスル波発信器(11b) から発信された
パルス信号が受信センサ(12b) によって受信可能となっ
ている。また、これらパスル波発信器(11b) 及び受信セ
ンサ(12b) はコントローラ(30)に対して送受信可能に接
続されている。
【0058】次に、本冷媒回路(1')における運転停止時
のポンプダウン運転及びこの停止時からの運転起動時の
運転動作について説明する。先ず、ポンプダウン運転時
には、圧縮機(2) の運転を継続したままで、第1三方弁
(22)のみを破線状態に切換えると共に、冷媒貯留槽(21)
に近接配置された熱交換器(26)に冷水或いは液冷媒を流
す。これにより、冷媒回路(1')内の冷媒が冷媒回収管(2
4)から冷媒貯留槽(21)に回収され、この回収された冷媒
のうち気相のものは熱交換器(26)によって冷却されて液
相となる。つまり、この冷媒貯留槽(21)には、冷媒回路
(1')内の冷媒の殆どが液相状態で貯留されることにな
る。そして、このようにして冷媒貯留槽(21)に液冷媒が
回収された後、圧縮機(2) を停止すると共に第1三方弁
(22)を実線状態にする。
【0059】そして、この停止状態から再起動させる際
には、圧縮機(2) を駆動させる共に、第2三方弁(23)の
みを破線状態に切換え、且つ冷媒貯留槽(21)に近接配置
された熱交換器(26)に温水或いはガス冷媒を流す。これ
により、冷媒貯留槽(21)内の液冷媒が加熱されてガス冷
媒となった後、冷媒取出し管(25)から冷媒回路(1')内に
供給され該冷媒回路(1')での循環が行われて所定の空調
運転が開始される。その後、第2三方弁(23)が実線状態
に切換えられ所定の空調運転が行われる。
【0060】次に、本形態の特徴とする動作としての冷
媒貯留槽(21)内での液冷媒貯留量検知動作について図1
1のフローチャートに沿って説明する。この動作は上記
ポンプダウン運転中に行われるものであって、冷媒貯留
槽(21)内の液冷媒の液面高さを検知することで、ポンプ
ダウン運転の停止時期を認識するための動作である。先
ず、ステップST31においてポンプダウン運転が実行さ
れると、パルス波発信器(11b) からパルス波が発信さ
れ、これを受信センサ(12b) が受ける。そして、コント
ローラ(30)は、ステップST32において、パルス波発信
器(11b) と受信センサ(12b) との距離及びパルス波の到
達時間とから音速を算出し、この音速に基づいて液面高
さを認識する。つまり、パルス波は、液冷媒中では音速
が高く、逆に、ガス冷媒中では音速が低く、更に、HF
C−32の組成比が高いほど音速が高いので、これらの
関係から冷媒貯留槽(21)内の液面高さを認識することが
できる。具体的には、液相中での音速をSLとし、気相中
での音速をSVとした場合、液面高さh は以下の式によっ
て求まる。 s=h/SL+(L−h)/SV (2) (但し、s:パルス波の到達時間) このようにして液面高さを認識した後、ステップST33
において冷媒貯留槽(21)内の液冷媒貯留量Mを算出す
る。また、ステップST34において、冷媒回路(1')の混
合冷媒の初期充填量Miを読込み、ステップST35にお
いて、上記ステップST34において読込まれた初期充填
量Miに対するステップST33において算出された測定
貯留量Mの比が、予め設定された貯留割合Eよりも大き
いか否かを判定し、未だ貯留割合Eに達していないNOの
場合には、ステップST36においてポンプダウン運転時
間が所定時間継続して行われたか否かを判定し、この判
定がNOの場合にはステップST31に戻る。一方、上記ス
テップST35の判定がYES の場合にはステップST37に
移ってポンプダウン運転を停止する。また、ステップST
36での判定がYES の場合、つまり、ポンプダウン運転
時間が所定時間継続して行われたにも拘らず冷媒貯留槽
(21)内の液冷媒貯留量Mが所定量に達しない場合には、
冷媒の一部が回路(1')から漏れ出し回路全体として冷媒
が不足している可能性があるので、ステップST38にお
いて冷媒の補給が必要であることを表示する共に、ステ
ップST39において冷媒の補給量を表示する。
【0061】このように、本形態によれば、音速による
冷媒組成比及び気相と液相との比率を認識することで冷
媒貯留槽における液冷媒の貯留量を正確に認識すること
ができ、ポンプダウンの停止時期を正確に認識すること
ができる。
【0062】(実施形態4)次に、本発明に係る実施形
態4を図面に基いて説明する。本例は、混合冷媒を構成
する各冷媒の多孔質体に対する吸着特性が異なっている
ことを利用して組成比を検知するようにしたものであ
る。
【0063】図12に示すように、本形態の冷媒組成検
知装置(15)は、内部に吸着多孔質体(27)を収容したケー
シング(28)の一側面(図12における左側側面)を取出
し管(18)によって冷媒回路(1) のガス配管に接続し、他
側面を真空引き管(20)によって真空ポンプ(19)に接続し
ている。また、取出し管(18)には第1開閉弁(18a) が、
真空引き管(20)には第2開閉弁(20a) が夫々設けられて
いる。また、このケーシング(28)には、圧力検出手段と
しての圧力センサ(29)が設けられており、ケーシング(2
8)内の圧力が検知可能となっている。
【0064】次に、混合冷媒の組成とその吸着多孔質体
(27)に対する吸着特性について説明する。図13は、横
軸が混合冷媒を構成する2種類の冷媒A,Bの組成比を
示し(図13の左側では冷媒Aの組成比が多く、右側で
は冷媒Bの組成比が多いことを示す)、縦軸がその組成
比に対応した吸着多孔質体(27)への吸着によるケーシン
グ(28)内圧の降下量を示している。尚、このグラフは、
吸着多孔質体(27)として特に冷媒Bを吸着し易いものを
使用した場合である。このように、冷媒Bを吸着し易い
吸着多孔質体(27)を使用した場合、冷媒Bの組成比が多
いほどケーシング(28)内圧の降下割合が高くなるといっ
た特性を有している。本実施形態では、この特性を利用
して混合冷媒の組成比を正確に検知するものである。ま
た、逆に、冷媒Aを吸着し易い吸着多孔質体(27)を使用
した場合には、冷媒Aの組成比が多いほどケーシング(2
8)内圧の降下割合が高くなる。
【0065】次に、本構成による混合冷媒の組成比検出
動作について図14のフローチャートに沿って説明す
る。先ず、ステップST41において、第1開閉弁(18a)
を閉状態にする一方、第2開閉弁(20a) を開状態にし、
真空ポンプ(19)を作動させてケーシング(28)の内部を真
空引きする。その後、ステップST42で、第1開閉弁(1
8a) を開状態にする一方、第2開閉弁(20a) を閉状態に
し、冷媒回路(1) 内のガス冷媒をケーシング(28)内に規
定量だけ導入する。その後、両開閉弁(18a,20a)を閉状
態にし、ステップST43において、ガス冷媒導入時のケ
ーシング(28)内圧を圧力センサ(29)によって測定する。
この状態で、所定時間放置すると、冷媒Bの大部分が吸
着多孔質体(27)に吸着され、これによってケーシング(2
8)内圧が低下する。この低下割合をステップST44で測
定し、圧力の低下が停止した状態の平衡圧力P2をステ
ップST45で測定する。その後、ステップST46におい
て、この圧力の低下量を予め求められた検定値と比較
し、ステップST47で混合冷媒の組成比を検知する。こ
のような検知動作であるため、ステップST47によって
組成比検知手段(32)が構成されている。
【0066】このように、本形態によれば、混合冷媒中
の特定冷媒の吸着特性を利用して冷媒の組成比を検知す
るようにしたので、簡単な構成で且つ高い精度でもって
混合冷媒の組成比を検知でき、これを利用することによ
って常に最適な空調運転状態を得ることができる。
【0067】(実施形態5)次に、本発明に係る他の実
施形態としての実施形態5を図面に基いて説明する。本
例も上述した実施形態4と同様に、混合冷媒中の特定冷
媒の吸着特性を利用して冷媒の組成比を検知するように
したものである。そして、具体的な構成としては、図1
5に示すように、水晶発信子(40)を使用している。
【0068】以下、この冷媒組成検知装置(15)について
説明する。上記水晶発信子(40)は、密閉ケーシング(41)
内に配置されており、ケーシング(41)外に設けられた発
信器(42)に接続されている。また、この発信器(42)は、
周波数カウンタ(43)に接続されている。
【0069】そして、図16に示すように、水晶発信子
(40)の各電極(44,44) には薄膜状の吸着多孔質体(45,4
5) がコーティングされており、これによって水晶発信
子(40)は吸着多孔質体(45,45) の質量に応じた周波数の
信号を発信するようになっている。このようにして質量
検知手段(35)が構成されている。また、この吸着多孔質
体(45,45) に代えて高分子膜をコーティングするように
してもよい。
【0070】また、上記ケーシング(41)は、上述した実
施形態4と同様に、取出し管(18)によって冷媒回路(1)
のガス配管に接続され、真空引き管(20)によって真空ポ
ンプ(19)に接続されている。また、取出し管(18)には第
1開閉弁(18a) が、真空引き管(20)には第2開閉弁(20
a) が夫々設けられている。
【0071】次に、混合冷媒の組成と吸着多孔質体(45)
への冷媒の吸着に伴う水晶発信子(40)の発信周波数特性
について説明する。図17は、横軸が混合冷媒を構成す
る2種類の冷媒A,Bの組成比を示し(図17の左側で
は冷媒Aの組成比が多く、右側では冷媒Bの組成比が多
いことを示す)、縦軸がその組成比に対応して冷媒Bが
吸着多孔質体(45)に吸着することに伴う水晶発信子(40)
の発信周波数の低下量を示している。このように、冷媒
Bの組成比が多いほど水晶発信子(40)の発信周波数の低
下量が高くなるといった特性を有している。本実施形態
では、この特性を利用して混合冷媒の組成比を正確に検
知するものである。また、逆に、冷媒Aを吸着し易い吸
着多孔質体(45)を使用した場合には、冷媒Aの組成比が
多いほど水晶発信子(40)の発信周波数の低下量が高くな
る。
【0072】次に、本構成による混合冷媒の組成比検出
動作について図18のフローチャートに沿って説明す
る。先ず、ステップST51において、第1開閉弁(18a)
を閉状態にする一方、第2開閉弁(20a) を開状態にし、
真空ポンプ(19)を作動させてケーシング(28)の内部を真
空引きする。この真空引きされた状態で水晶発信子(40)
の発信周波数(基準周波数)f1を周波数カウンタ(43)
によって測定する。その後、ステップST53で、第1開
閉弁(18a) を開状態にする一方、第2開閉弁(20a) を閉
状態にし、冷媒回路(1) 内のガス冷媒をケーシング(28)
内に規定量だけ導入する。この際、ステップST54でケ
ーシング(28)内の圧力を測定し、圧力の低下が停止した
状態の平衡周波数f2をステップST55で測定する。そ
の後、ステップST56において、上記基準周波数f1と
平衡周波数f2との差Δfを算出し、ステップST57
で、この周波数差Δfを予め求められた検定値と比較
し、ステップST58で混合冷媒の組成比を検知する。こ
のような検知動作であるため、ステップST58によって
組成比検知手段(32)が構成されている。
【0073】このように、本形態によっても、混合冷媒
中の特定冷媒の吸着特性を利用して冷媒の組成比を検知
するようにしたので、簡単な構成で且つ高い精度でもっ
て混合冷媒の組成比を検知でき、これを利用することに
よって常に最適な空調運転状態を得ることができる。
【0074】尚、上述した各実施形態では、冷媒HFC
−32とHFC−134aとによって混合冷媒を構成す
るようにしたが、本発明はこれに限らず、その他の種類
の冷媒同士を混合したり、3種類以上の冷媒を混合させ
たものに適用してもよい。また、冷凍機として吸収式や
ケミカル式のヒートポンプに適用することも可能であ
る。更には、音速や吸着特性ばかりでなく、液冷媒の密
度や表面張力を利用することによっても組成比を検知で
きる。
【0075】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば以下に述べるような効果が発揮される。請求項1及び
2記載の発明によれば、発信手段から混合冷媒が存在す
る空間内に音波を発信し、この音波を受信手段により受
信した後、発信手段と受信手段との間の距離及び発信手
段から受信手段までの音波の伝達時間に基いて上記空間
内での音速を検出し、この音速に基いて混合冷媒の冷媒
組成比を検知する。つまり、混合冷媒が存在する空間内
での音速が混合冷媒の組成比によって変化することを利
用して冷媒の組成比を求めているので簡単に精度の高い
組成比の検知を行うことができ、この検知された組成比
を利用することによって、常に最適な冷凍機の運転状態
を得ることができる。
【0076】請求項3及び4記載の発明によれば、発信
手段から混合冷媒が存在する空間内にパルス波を発信
し、その周波数を変更しながら受信手段に受信させて、
この受信手段で受信されるパルス波の音圧が最大となる
周波数を検出し、この周波数に基いて、上記空間内での
音速を検出し、この音速に基いて混合冷媒の冷媒組成比
を検知するようにしているので、受信手段で受信される
パルス波の音圧が最大となる周波数の整数倍の周波数を
発信手段から発信させるようにすれば、僅かな音速の差
であっても周波数の差を大きくとることができる。これ
によって、より高い精度で音速を検知することができ、
混合冷媒の組成比を精度良く検知でき、この検知された
組成比を利用して冷凍機の運転状態を制御する場合に
は、より最適な運転状態を得ることができる。
【0077】請求項5及び8記載の発明によれば、発信
手段から受信手段に向かう音波を冷媒の一相域において
伝達させるようにしているので、音速の検出を比較的容
易に行うことができ、冷媒組成比の検知動作の簡略化を
図ることができる。
【0078】請求項6記載の発明によれば、発信手段及
び受信手段を、冷凍機の冷媒回路におけるアキュムレー
タの上層部に夫々配置させたために、音波を確実に気相
域において伝達することができ、上述した請求項5記載
の発明に係る効果を確実に発揮させることができる。
【0079】請求項7記載の発明によれば、発信手段及
び受信手段を、冷凍機の冷媒回路に接続されて該冷媒回
路の一部の混合冷媒が導入可能な筒体の長手方向の両端
部に対向配置させたために、筒体の長手方向の寸法を大
きく設定すれば、発信手段と受信手段との間隔を大きく
設定することができ、音速の伝達距離を長くすることで
冷媒組成比の検出精度を向上することができる。
【0080】請求項9及び10記載の発明は、混合冷媒
を構成する複数種類の冷媒のうち特定の冷媒のみを吸着
する吸着材を収容したケーシング内に混合冷媒を供給
し、その供給完了時及び供給完了後の所定時間経過時に
夫々ケーシング内の圧力を検出し、その後、この各圧力
を比較し、上記特定冷媒の吸着材への吸着に伴う降下圧
力値に基いて、混合冷媒の冷媒組成比を検知するように
したために、これによっても簡単に精度の高い組成比の
検知を行うことができる。
【0081】請求項11及び13記載の発明によれば、
混合冷媒を構成する複数種類の冷媒のうち特定の冷媒の
みを吸着する吸着材を収容したケーシング内に混合冷媒
を供給し、その供給完了時及び供給完了後の所定時間経
過時に夫々吸着材の質量を認識し、その後、この各質量
を比較し、質量増加量に基いて、混合冷媒の冷媒の組成
比を検知するようにしたために、これによっても簡単に
精度の高い組成比の検知を行うことができる。
【0082】請求項12記載の発明によれば、質量検知
手段を、水晶発信子に吸着材を取付けて成し、組成比検
知手段が、上記吸着材への特定冷媒の吸着に伴って水晶
発信子の発信周波数が低下することにより吸着材の質量
が増大したことを認識すると共に、水晶発信子の発信周
波数の低下割合に基いて混合冷媒の冷媒組成比を検知す
るようにしたために、水晶発信子の発信周波数により吸
着材の質量増加量を間接的に検出していることで、僅か
な質量変化でも正確に認識することができ、冷媒組成比
の検出精度の信頼性の向上を図ることができる。
【0083】請求項14記載の発明によれば、組成比検
知手段によって組成比が検知された冷媒のうち冷凍能力
が大きい側の冷媒の組成比が高いほど減圧弁の開度を大
きく設定する弁開度補正手段を備えさせ、減圧弁におけ
る圧力損失を低減しながら所定の冷凍能力が得られるよ
うにしたので、てCOP(成績係数)の向上と高い冷凍
能力とを両立できる。逆に、冷凍能力が大きい側の冷媒
の組成比が低い場合、膨張弁の開度を小さくすること
で、この膨張弁での圧力低下度合を大きくして冷媒を蒸
発し易くすることで冷凍能力の低下を回避できる。つま
り、冷媒回路を循環している冷媒の組成比が変化した場
合でも常に安定した冷凍能力を発揮できる。
【0084】請求項15記載の発明によれば、組成比検
知手段によって検知された混合冷媒の冷媒組成比を所定
の組成比と比較し、この両者の差が所定量以上であると
き警報を発する警報手段を備えさせたために、冷媒回路
から冷媒が漏れ出している可能性があることを容易に検
知でき、メンテナンスの必要があることが確実に認識で
き、冷凍機の信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態1における冷媒回路を示
す図である。
【図2】アキュムレータの内部構造を示す断面図であ
る。
【図3】受信部の構成を示す断面図である。
【図4】混合冷媒の組成比と音速との関係を示す図であ
る。
【図5】音速による組成比検知動作を示すフローチャー
ト図である。
【図6】組成比検知を利用した空調機の制御及びメンテ
ナンスルーチンを示すフローチャート図である。
【図7】実施形態2における組成比検知装置を示す図で
ある。
【図8】周波数調整を利用した音速による組成比検知動
作を示すフローチャート図である。
【図9】実施形態3における冷媒回路を示す図である。
【図10】冷媒貯留槽の内部構造を示す断面図である。
【図11】ポンプダウン時における冷媒貯留槽内の冷媒
貯留量検知動作を示すフローチャート図である。
【図12】実施形態4における組成比検知装置を示す図
である。
【図13】混合冷媒の組成比とケーシング内の圧力降下
量との関係を示す図である。
【図14】吸着材への特定冷媒の吸着による組成比検知
動作を示すフローチャート図である。
【図15】実施形態5における組成比検知装置を示す図
である。
【図16】水晶発信子の構成を示す図である。
【図17】混合冷媒の組成比と水晶発信子の発信周波数
変化との関係を示す図である。
【図18】吸着材への特定冷媒の吸着に伴う水晶発信子
の発信周波数変化による組成比検知動作を示すフローチ
ャート図である。
【符号の説明】
(1) 冷媒回路 (2) 圧縮機 (3) 室外熱交換器(熱源側熱交換器) (4) 膨張弁(減圧弁) (5) 室内熱交換器(利用側熱交換器) (8) 冷媒配管 (11b) パルス波発信器(発信手段) (12b) 受信センサ(受信手段) (12d) 第1受信センサ(受信手段) (12e) 第2受信センサ(受信手段) (16) 検知筒(筒体) (27) 吸着多孔質体(吸着材) (28),(41) ケーシング (29) 圧力センサ (31) 音速検出手段 (32) 組成比検知手段 (33) 周波数検出手段 (35) 質量検知手段 (36) 弁開度補正手段 (37) 警報手段 (40) 水晶発信子

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種類の冷媒が混合されてなる混合冷
    媒における冷媒組成比を検知する冷凍機の混合冷媒組成
    比検知装置において、 上記混合冷媒が存在する空間内に音波を発信する発信手
    段(11b) と、 該発信手段(11b) からの音波を受信する受信手段(12b)
    と、 上記発信手段(11b) と受信手段(12b) との間の距離及び
    発信手段(11b) から受信手段(12b) までの音波の伝達時
    間に基いて上記空間内での音速を検出する音速検出手段
    (31)と、 該音速検出手段(31)によって検出された音速に基いて上
    記混合冷媒の冷媒組成比を検知する組成比検知手段(32)
    とが備えられていることを特徴とする冷凍機の混合冷媒
    組成比検知装置。
  2. 【請求項2】 複数種類の冷媒が混合されてなる混合冷
    媒における冷媒組成比を検知する冷凍機の混合冷媒組成
    比検知方法において、 発信手段(11b) から混合冷媒が存在する空間内に音波を
    発信し、この音波を受信手段(12b) により受信した後、
    上記発信手段(11b) と受信手段(12b) との間の距離及び
    発信手段(11b) から受信手段(12b) までの音波の伝達時
    間に基いて上記空間内での音速を検出し、この音速に基
    いて混合冷媒の冷媒組成比を検知することを特徴とする
    冷凍機の混合冷媒組成比検知方法。
  3. 【請求項3】 複数種類の冷媒が混合されてなる混合冷
    媒における冷媒組成比を検知する冷凍機の混合冷媒組成
    比検知装置において、 上記混合冷媒が存在する空間内に所定周波数のパルス波
    を発信する発信手段(11b) と、 該発信手段(11b) からのパルス波を受信する受信手段(1
    2d,12e) と、 上記パルス波の周波数を変更させながら受信手段(12d,1
    2e) で受信されるパルス波の音圧が最大となる周波数を
    検出する周波数検出手段(33)と、 該周波数検出手段(33)で検出された周波数に基いて上記
    空間内での音速を検出する音速検出手段(31)と、 該音速検出手段(31)によって検出された音速に基いて上
    記混合冷媒の冷媒組成比を検知する組成比検知手段(32)
    とが備えられていることを特徴とする冷凍機の混合冷媒
    組成比検知装置。
  4. 【請求項4】 複数種類の冷媒が混合されてなる混合冷
    媒における冷媒組成比を検知する冷凍機の混合冷媒組成
    比検知方法において、 発信手段(11b) から混合冷媒が存在する空間内にパルス
    波を発信し、その周波数を変更しながら受信手段(12d,1
    2e) に受信させて、この受信手段(12d,12e) で受信され
    るパルス波の音圧が最大となる周波数を検出し、この周
    波数に基いて、上記空間内での音速を検出し、この音速
    に基いて混合冷媒の冷媒組成比を検知することを特徴と
    する冷凍機の混合冷媒組成比検知方法。
  5. 【請求項5】 発信手段(11b) 及び受信手段(12b) は、
    冷凍機における気相の混合冷媒のみが存在している空間
    に夫々配置されていることを特徴とする請求項1または
    3記載の冷凍機の混合冷媒組成比検知装置。
  6. 【請求項6】 発信手段(11b) 及び受信手段(12b) は、
    冷凍機の冷媒回路(1) におけるアキュムレータ(6) の上
    層部に夫々配置されていることを特徴とする請求項5記
    載の冷凍機の混合冷媒組成比検知装置。
  7. 【請求項7】 発信手段(11b) 及び受信手段(12b) は、
    冷凍機の冷媒回路(1) に接続されて該冷媒回路(1) の一
    部の混合冷媒が導入可能な筒体(16)の長手方向の両端部
    に対向配置されていることを特徴とする請求項5記載の
    冷凍機の混合冷媒組成比検知装置。
  8. 【請求項8】 発信手段(11b) 及び受信手段(12b) は、
    冷凍機における液相の混合冷媒のみが存在している空間
    に夫々配置されていることを特徴とする請求項1または
    3記載の冷凍機の混合冷媒組成比検知装置。
  9. 【請求項9】 複数種類の冷媒が混合されてなる混合冷
    媒における冷媒組成比を検知する冷凍機の混合冷媒組成
    比検知装置において、 冷凍機の冷媒回路(1) に接続されて該冷媒回路(1) の一
    部の混合冷媒が導入可能なケーシング(28)と、 該ケーシング(28)内に収容され、上記混合冷媒を構成す
    る複数種類の冷媒のうち特定の冷媒のみを吸着する吸着
    材(27)と、 上記ケーシング(28)内の圧力を検出する圧力検出手段(2
    9)と、 上記ケーシング(28)内に混合冷媒を供給し、その供給完
    了時及び供給完了後の所定時間経過時に夫々圧力検出手
    段(29)が検出する圧力を比較し、降下圧力値に基いて、
    上記混合冷媒の冷媒組成比を検知する組成比検知手段(3
    2)とが備えられていることを特徴とする冷凍機の混合冷
    媒組成比検知装置。
  10. 【請求項10】 複数種類の冷媒が混合されてなる混合
    冷媒における冷媒組成比を検知する冷凍機の混合冷媒組
    成比検知方法において、 上記混合冷媒を構成する複数種類の冷媒のうち特定の冷
    媒のみを吸着する吸着材(27)を収容したケーシング(28)
    内に混合冷媒を供給し、その供給完了時及び供給完了後
    の所定時間経過時に夫々ケーシング(28)内の圧力を検出
    し、その後、この各圧力を比較し、上記特定冷媒の吸着
    材(27)への吸着に伴う降下圧力値に基いて、混合冷媒の
    冷媒組成比を検知することを特徴とする冷凍機の混合冷
    媒組成比検知方法。
  11. 【請求項11】 複数種類の冷媒が混合されてなる混合
    冷媒における冷媒組成比を検知する冷凍機の混合冷媒組
    成比検知装置において、 冷凍機の冷媒回路(1) に接続されて該冷媒回路(1) の一
    部の混合冷媒が導入可能なケーシング(41)と、 該ケーシング(41)内に収容され、上記混合冷媒を構成す
    る複数種類の冷媒のうち特定の冷媒のみを吸着する吸着
    材(27)と、 上記吸着材(27)の質量を検知する質量検知手段(35)と、 上記ケーシング(41)内に混合冷媒を供給し、その供給完
    了時及び供給完了後の所定時間経過時に夫々質量検知手
    段(35)が検知する吸着材(27)の質量を比較し、質量増加
    量に基いて、上記混合冷媒の冷媒の組成比を検知する組
    成比検知手段(32)とが備えられていることを特徴とする
    冷凍機の混合冷媒組成比検知装置。
  12. 【請求項12】 質量検知手段(35)は、水晶発信子(40)
    に吸着材(27)が取付けられてなっており、 組成比検知手段(32)は、上記吸着材(27)への特定冷媒の
    吸着に伴って水晶発信子(40)の発信周波数が低下するこ
    とにより吸着材(27)の質量が増大したことを認識すると
    共に、水晶発信子(40)の発信周波数の低下割合に基いて
    混合冷媒の冷媒組成比を検知するものであることを特徴
    とする請求項11記載の冷凍機の混合冷媒組成比検知装
    置。
  13. 【請求項13】 複数種類の冷媒が混合されてなる混合
    冷媒における冷媒組成比を検知する冷凍機の混合冷媒組
    成比検知方法において、 上記混合冷媒を構成する複数種類の冷媒のうち特定の冷
    媒のみを吸着する吸着材(27)を収容したケーシング(41)
    内に混合冷媒を供給し、その供給完了時及び供給完了後
    の所定時間経過時に夫々吸着材(27)の質量を検知し、そ
    の後、この各質量を比較し、質量増加量に基いて、混合
    冷媒の冷媒組成比を検知することを特徴とする冷凍機の
    混合冷媒組成比検知方法。
  14. 【請求項14】 冷凍機は、圧縮機(2) 、熱源側熱交換
    器(3) 、開度調整可能な減圧弁(4) 及び利用側熱交換器
    (5) が冷媒配管(8) によって接続されてなる冷媒回路
    (1) を備えており、 組成比検知手段(32)によって組成比が検知された冷媒の
    うち冷凍能力が大きい側の冷媒の組成比が高いほど減圧
    弁(4) の開度を大きく設定する弁開度補正手段(36)を備
    えていることを特徴とする請求項1、3、5、6、7、
    8、9、11または12記載の冷凍機の混合冷媒組成比
    検知装置を利用した制御装置。
  15. 【請求項15】 組成比検知手段(32)によって検知され
    た混合冷媒の冷媒組成比を所定の組成比と比較し、この
    両者の差が所定量以上であるとき警報を発する警報手段
    (37)を備えていることを特徴とする請求項1、3、5、
    6、7、8、9、11または12記載の冷凍機の混合冷
    媒組成比検知装置を利用した制御装置。
JP20202195A 1995-08-08 1995-08-08 冷凍機の混合冷媒組成比検知装置及び混合冷媒組成比検知方法並びに制御装置 Withdrawn JPH0949664A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11230648A (ja) * 1998-02-13 1999-08-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 可燃性冷媒を用いた冷凍機器の冷媒漏洩警報装置
JP2003106714A (ja) * 2001-09-26 2003-04-09 Asahi Breweries Ltd 冷却システム並びにその制御装置及び制御方法
JP2010210153A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Hitachi Appliances Inc 冷凍サイクル装置

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