JPH0948747A - 含フッ素コリン化合物の18f標識体、その製造方法および陽電子断層撮影診断用試薬としての応用 - Google Patents

含フッ素コリン化合物の18f標識体、その製造方法および陽電子断層撮影診断用試薬としての応用

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JPH0948747A
JPH0948747A JP7218052A JP21805295A JPH0948747A JP H0948747 A JPH0948747 A JP H0948747A JP 7218052 A JP7218052 A JP 7218052A JP 21805295 A JP21805295 A JP 21805295A JP H0948747 A JPH0948747 A JP H0948747A
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克彦 伊関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脳腫瘍等を有用にかつ高品質にPET診断で
きる18F標識化合物、その製造方法およびそれからなる
PET診断用試薬を提供すること。 【解決手段】 下記の一般式〔I〕で表される含フッ素
コリン化合物の18F標識体。 【化14】 (但し、この一般式〔I〕中、Rfは、少なくとも1つ
のフッ素原子を有しかつその少なくとも1つが18Fであ
る含フッ素アルキル基、含フッ素アルケニル基または含
フッ素アルキニル基、Xは酸の共役塩基である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脳腫瘍の診断等に
有用な含フッ素コリン化合物の18F標識体、その製造方
法および陽電子断層撮影診断用試薬としての応用に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】生理活性物質又はその類緑体にフッ素原
子を導入した化合物は、フッ素原子の持つ高い電気陰性
度などに由来する新たな生理活性が期待されるために、
医薬、農薬の開発分野で研究対象となっている。
【0003】これらの化合物の中には含フッ素化合物を
治療薬としてではなく、トレーサーとして生体内に投与
し、体外からそれの挙動をトレースすることによる臨床
診断への応用分野がある。
【0004】これには、19F−NMRを用いた糖代謝測
定、ヘマトポルフィリンのレーザ光による発光を用いた
癌診断、更には18F−FDG(18F−フルオロデオキシ
グルコース)に代表される18F−標識化合物を用いるP
ET( Positron emission computed tomography)(陽電
子断層撮影)があり、脳機能診断、腫瘍診断等に利用さ
れている〔月刊「新医療」22巻、3号(1995)〕。
【0005】特にPETは診断法として今後の普及が期
待されており、これに用いられる含フッ素化合物のデザ
イン及びその効率の良い合成法の開発はPET試薬開発
において重要である。
【0006】コリンは脳腫瘍細胞において細胞膜のリン
脂質の合成に同化し、ケミカルトラップを受けるため
に、正常細胞に比較して腫瘍細胞に選択的に取込みを受
ける。PET試薬としてのコリン誘導体としては、11
標識されたものが報告されており(J. Nucl. Med., 198
3, 24, 812. および J. Nucl. Med., 1985, 26, 142
4.)、脳機能の解明や脳腫瘍の診断などの用途が期待さ
れるが、11C標識化合物は短い半減期(20分程度)のた
めに使用に関して制限を受ける。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、脳腫
瘍等を有用かつ高品質にPET診断できるコリンの18
標識化合物、その製造方法およびそれからなるPET診
断用試薬を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記一
般式〔I〕で表される含フッ素コリン化合物の18F標識
体に係るものである。
【化3】 (但し、この一般式〔I〕中、Rfは、少なくとも1つ
のフッ素原子を有しかつそのうちの少なくとも1つが18
Fである含フッ素アルキル基、含フッ素アルケニル基ま
たは含フッ素アルキニル基、Xは酸の共役塩基であ
る。)
【0009】本発明の含フッ素コリン化合物の18F標識
体は、分子中に上記の18F含有のRfを有する新規なも
のであって、そのRfの存在によってこれまでにはない
有用、高品質なPET診断効果が期待されるものであ
る。
【0010】上記のようにRfに放射性の18Fを少なく
とも1つ導入することによって、上述したPET診断に
非常に有用な含フッ素コリン化合物を提供することがで
きる。
【0011】即ち、18Fは半減期が長い(110分)ため、
18Fで標識された含フッ素コリン化合物は、1回の合成
で何人もの検査が可能であり、また投与前の十分な品質
検査が可能である。また、18Fは、陽電子の飛程が下記
の表1に示すように11Cよりも短いことが知られている
(日本化学会編、実験化学講座、第4版、14巻「核・放
射線」P525(1992))ので、これによるPET画像は11
Cの画像よりも高品質であり、かつ、化合物製造施設か
らPET設置医療施設への遠距離輸送も可能である。
【0012】
【0013】このように、コリンのメチル基の1つを上
記のフルオロアルキル基等に置換した本発明に基づくコ
リン化合物の18F標識体は、脳腫瘍等の診断に有効な放
射性医薬品である。
【0014】
【発明の実施形態】本発明の含フッ素コリン化合物の18
F標識体に係る上記一般式〔I〕においては、Rfとし
て、フッ素原子を少なくとも1つ有し、そのうちの少な
くとも1つが18Fであるフルオロメチル基、フルオロエ
チル基、フルオロプロピル基、フルオロブチル基等の含
フッ素アルキル基、或いはこれらに二重結合又は三重結
合を含む含フッ素アルケニル基または含フッ素アルキニ
ル基が挙げられるが、その炭素数が2以上、10以下であ
るのがよい。
【0015】また、Xは酸の共役塩基であり、p−トル
エンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニ
ルオキシ基或いはアセチルオキシ基等、またはフッ素、
塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子であるのがよい
が、他のアニオンでもよい。
【0016】一般式〔I〕で表される本発明の含フッ素
コリン化合物の18F標識体の具体例を下記に挙げるが、
これらに限定されるものではない。 1)p−トルエンスルホニルオキシ 18F−2−フルオ
ロエチル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニウム 2)トリフルオロメタンスルホニルオキシ 18F−2−
フルオロエチル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニ
ウム 3)アセチルオキシ 18F−2−フルオロエチル−ジメ
チル−2−オキシエチルアンモニウム 4)フッ化 18F−2−フルオロエチル−ジメチル−2
−オキシエチルアンモニウム 5)塩化 18F−2−フルオロエチル−ジメチル−2−
オキシエチルアンモニウム 6)臭化 18F−2−フルオロエチル−ジメチル−2−
オキシエチルアンモニウム 7)ヨウ化 18F−2−フルオロエチル−ジメチル−2
−オキシエチルアンモニウム 8)水酸化 18F−2−フルオロエチル−ジメチル−2
−オキシエチルアンモニウム 9)p−トルエンスルホニルオキシ 18F−3−フルオ
ロプロピル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニウム 10)トリフルオロメタンスルホニルオキシ 18F−3−
フルオロプロピル−ジメチル−2−オキシエチルアンモ
ニウム 11)アセチルオキシ 18F−3−フルオロプロピル−ジ
メチル−2−オキシエチルアンモニウム 12)塩化 18F−3−フルオロプロピル−ジメチル−2
−オキシエチルアンモニウム 13)フッ化 18F−3−フルオロプロピル−ジメチル−
2−オキシエチルアンモニウム 14)臭化 18F−3−フルオロプロピル−ジメチル−2
−オキシエチルアンモニウム 15)ヨウ化 18F−3−フルオロプロピル−ジメチル−
2−オキシエチルアンモニウム 16)水酸化 18F−3−フルオロプロピル−ジメチル−
2−オキシエチルアンモニウム
【0017】本発明の含フッ素コリン化合物の18F標識
体の製造方法は種々考えられるが、その最良のものを示
す。即ち、下記の反応式に従って、下記の一般式〔II〕
で表される含フッ素化合物とジメチルエタノールアミン
とを反応させる工程を経て得られる。
【化4】 (但し、上記一般式〔I〕、〔II〕中、Rfは、少なく
とも1つのフッ素原子を有しかつその少なくとも1つが
18Fである含フッ素アルキル基、含フッ素アルケニル基
または含フッ素アルキニル基であり、Xは酸の共役塩基
である。)
【0018】ここで、上記のXは、p−トルエンスルホ
ニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基
或いはアセチルオキシ基等、またはフッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等のハロゲン原子であるのが望ましい。ま
た、X- は、四級アンモニウム塩とした後、イオン交換
樹脂により他のものに変換可能である。また、Rfは炭
素数2以上、10以下がよく、−(CH2 n Fで表され
たものを挙げることができる。
【0019】上記の反応を更に詳細に説明すれば、まず
RfXを得るための18Fで標識されたフッ化カリウムは
文献(Appl. Radiat. Isot., 1986, 37, 1181)に従って
合成することができる。即ち、18O標識濃縮水をターゲ
ットとしてサイクロトロンで生成した陽子ビームを照射
し、18- を生成させる。生じた18- 水溶液に、文献
(J. Nucl. Med., 1986,27, 235)に従ってクリプトフィ
ックス2、2、2と炭酸カリウムとを加えた後、アセト
ニトリルを用いて共沸脱水し、18F標識フッ化カリウム
を得る。
【0020】次いで、この18F標識フッ化カリウムと、
脱離基を2つまたはそれ以上有する飽和あるいは不飽和
のアルキル化合物もしくは含フッ素アルキル化合物とを
反応させ、一般式〔II〕の含フッ素化合物を得る。ここ
で、脱離基としては、p−トルエンスルホニルオキシ基
や臭素、ヨウ素などのハロゲン原子が好ましいが、他の
アニオンでもよい。
【0021】溶媒を留去後、この含フッ素化合物と過剰
量のジメチルエタノールアミンとを加熱し、溶媒留去
後、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)により精
製し、一般式〔I〕の18F標識体を得る。18F標識化合
物の生成は、コールドランによる標品とHPLCでの保
持時間との一致により確認される。
【0022】使用可能な反応溶媒としてはアセトニトリ
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テ
トラヒドロフラン等があるが、アセトニトリルか、無溶
媒が望ましい。反応温度は室温から 150℃であってよい
が、50℃〜 100℃が望ましい。
【0023】上記の反応工程の詳細な反応条件は、後記
の実施例に記載する。
【0024】
【発明の作用効果】本発明の含フッ素コリン化合物は、
分子中に上記のRfを有し、そのRfに放射性の18Fを
導入することによって、上述したPET診断に非常に有
用な含フッ素コリン化合物を提供することができる。
【0025】即ち、18Fは半減期が長い(110分)ため、
18Fで標識された含フッ素コリン化合物は1回の合成で
何人もの検査が可能であり、また投与前の十分な品質検
査が可能である。また、18Fは陽電子の飛程が短いの
で、これによるPET画像は11Cの画像よりも高品質で
あり、かつ、化合物製造施設からPET設置医療施設へ
の遠距離輸送も可能である。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0027】<参考例1>1,2−ビス(トシルオキシ)エタンのフッ素化による
1−フルオロ−2−(トシルオキシ)エタンの合成
【化5】
【0028】フッ化カリウム(14.08mg、0.242mmol)、ク
リプトフィックス2,2,2(91.2mg、0.242mmol)、
1,2−ビス(トシルオキシ)エタン(269mg、0.726mmo
l)の無水アセトニトリル溶液(2ml)を30分間加熱還流
させた。反応後、溶媒を留去し、反応物をシリカゲルカ
ラムクロマト(n−ヘキサン:酢酸エチル−5:1〜
2:1)で分離し、1−フルオロ−2−(トシルオキ
シ)エタン(25.13mg、47.6%)を得、原料(82.3mg、3
0.6%)を回収した。この生成物の分析データは次の通
りであった。
【0029】1−フルオロ−2−(トシルオキシ)エタ
ン:無色油状物質1 H−NMR(CDCl3 ):δ 2.46(s, 3H)、4.28
(dt, J=27.3, 4.0Hz,2H) 、4.56(dt, J=47.0, 4.0Hz, 2
H) 、7.37(d, J=7.9Hz, 2H)、7.82(d, J=7.9Hz, 2H)。
【0030】MS:m/z 218、 172、 155、91。 高分解能MS(C9 11FSO3 ):計算値 218.041、
実測値 218.042。
【0031】1−フルオロ−2−(トシルオキシ)エタ
ンとジメチルエタノールアミンとの反応によるp−トル
エンスルホニルオキシ 2−フルオロエチル−ジメチル
−2−オキシエチルアンモニウムの合成
【化6】
【0032】上記の1−フルオロ−2−(トシルオキ
シ)エタン(996mg、4.56mmol)とジメチルエタノールア
ミン(407mg、4.56mmol)とをアルゴン雰囲気下に 100℃
で10分間攪拌し、p−トルエンスルホニルオキシ 2−
フルオロエチル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニ
ウム(1.434g、 100%)を得た。この生成物の分析デー
タは次の通りであった。
【0033】p−トルエンスルホニルオキシ 2−フル
オロエチル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニウ
ム:無色板状結晶、mp 63.9〜64.5℃(酢酸メチル:
メタノール−10:1)
【0034】1 H−NMR(CD3 OD):δ 2.37
(s, 3H)、3.23(s, 6H)、3.54-3.61(m,2H)、3.76-4.0
4(m, 4H)、4.90(bd, J=48.0Hz,2H)、7.23(d, J=8.4H
z,2H)、7.71(d, J=8.4Hz,2H) IR(KBr):3375、2976、1478、1213、1195、1124、10
35、1012、684 cm-1
【0035】<参考例2>1,3−ビス(トシルオキシ)プロパンのフッ素化によ
る1−フルオロ−3−(トシルオキシ)プロパンの合成
【化7】
【0036】フッ化カリウム(28.6mg、0.49mmol)、ク
リプトフィックス2,2,2(185.3mg、0.49mmol)、
1,3−ビス(トシルオキシ)プロパン(565.1mg、1.47
mmol)の無水アセトニトリル溶液(3ml)を30分間加熱
還流させた。反応後、溶媒を留去し、反応物をシリカゲ
ルカラムクロマト(n−ヘキサン:酢酸エチル−5:1
〜2:1)で分離し、1−フルオロ−3−(トシルオキ
シ)プロパン(49.5mg、43.5%)を得、原料(416.6mg、
73.7%)を回収した。この生成物の分析データは次の通
りであった。
【0037】1−フルオロ−3−(トシルオキシ)プロ
パン:無色油状物質1 H−NMR(CDCl3 ):δ 2.04(t,t,d, J=5.9,
5.9, 25.8Hz, 2H)、2.46(s, 3H)、4.16(t, J=5.9H
z, 2H) 、4.21(t,d, J=5.9, 46.9Hz, 2H)、7.36(d, J=
8.6Hz, 2H) 、7.80(d, J=8.6Hz, 2H)
【0038】MS:m/z 232、 172、 155、 107、91 高分解能MS(C1013FSO3 ):計算値 232.057、
実測値 232.057
【0039】1−フルオロ−3−(トシルオキシ)プロ
パンとジメチルエタノールアミンとの反応によるp−ト
ルエンスルホニルオキシ 3−フルオロプロピル−ジメ
チル−2−オキシエチルアンモニウムの合成
【化8】
【0040】上記の1−フルオロ−3−(トシルオキ
シ)プロパン(45mg、0.194mmol)とジメチルエタノール
アミン(176mg、1.94mmol)とをアルゴン雰囲気下に 100
℃で10分間攪拌し、減圧下に過剰量のジメチルエタノー
ルアミンを留去して、p−トルエンスルホニルオキシ
3−フルオロプロピル−ジメチル−2−オキシエチルア
ンモニウム(63mg、 100%)を得た。この生成物の分析
データは次の通りであった。
【0041】p−トルエンスルホニルオキシ 3−フル
オロプロピル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニウ
ム:無色油状物質1 H−NMR(CD3 OD):δ 2.03-2.35(m, 2H)、
3.37(s, 3H) 、3.16(s, 6H)、3.42-3.62(m, 4H)、3.92
-4.04(m, 2H)、4.53(t,d, J=5.6, 47.1Hz, 2H)、7.24
(d, J=8.4Hz, 2H) 、7.71(d, J=8.4Hz, 2H) IR(KBr):3423、2973、1482、1190、1128、1038、10
12、689 cm-1
【0042】<参考例3>塩化 2−フルオロエチル−ジメチル−2−オキシエチ
ルアンモニウムの合成
【化9】
【0043】参考例1で得たp−トルエンスルホニルオ
キシ 2−フルオロエチル−ジメチル−2−オキシエチ
ルアンモニウム(50mg、0.16mmol)のメタノール溶液
(20ml)をイオン交換樹脂:Amberlite IRA−900(C
l)3g中を通し、溶媒を留去し、塩化 2−フルオロ
エチル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニウム(28
mg、 100%)を得た。この生成物の分析データは次の通
りであった。
【0044】塩化 2−フルオロエチル−ジメチル−2
−オキシエチルアンモニウム:無色針状結晶
【0045】1 H−NMR(CD3 OD):δ 3.27
(s, 6H) 、3.58-3.65(m, 2H)、3.82-4.07(m, 4H)、4.9
5 (bd, J=50.0Hz, 2H) IR(KBr):3383、3020、1475、1082、 957、 931、 6
89cm-1
【0046】<参考例4>水酸化 2−フルオロエチル−ジメチル−2−オキシエ
チルアンモニウムの合成
【化10】
【0047】参考例1で得たp−トルエンスルホニルオ
キシ 2−フルオロエチル−ジメチル−2−オキシエチ
ルアンモニウム(40mg、0.16mmol)の水溶液(30ml)を
イオン交換樹脂:Amberlite IRA−94S 2g中を通
し、溶媒を留去し、水酸化2−フルオロエチル−ジメチ
ル−2−オキシエチルアンモニウム(18mg、92%)を得
た。この生成物の分析データは次の通りであった。
【0048】水酸化 2−フルオロエチル−ジメチル−
2−オキシエチルアンモニウム:無色油状物質
【0049】1 H−NMR(CD3 OD):δ 3.26
(s, 6H) 、3.55-3.69(m, 2H)、3.78−4.07(m, 4H)、4.
98 (bd, J=50.0Hz, 2H) IR(KBr):3444、1474、1387、1350、1084、1052、95
7 cm-1
【0050】<参考例5>塩化 2−フルオロプロピル−ジメチル−3−オキシエ
チルアンモニウムの合成
【化11】
【0051】参考例2で得たp−トルエンスルホニルオ
キシ 3−フルオロプロピル−ジメチル−2−オキシエ
チルアンモニウム(51mg、0.16mmol)のメタノール溶液
(20ml)をイオン交換樹脂:Amberlite IRA−900(C
l) 5g中を通し、溶媒を留去し、塩化 3−フルオロ
プロピル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニウム
(20mg、68%)を得た。この生成物の分析データは次の
通りであった。
【0052】塩化 3−フルオロプロピル−ジメチル−
2−オキシエチルアンモニウム:無色油状物質
【0053】1 H−NMR(CD3 OD):δ 2.09-
2.40(m, 2H)、3.21(s, 6H) 、3.48-3.69(m, 4H)、3.96
-4.08(m, 2H)、4.57(t,d, J=5.4, 45.3Hz, 2H) IR(KBr):3432、2969、1483、1085、1043、 955、 9
03cm-1
【0054】<実施例1>p−トルエンスルホニルオキシ 18F−2−フルオロエ
チル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニウムの合成
【化12】
【0055】10mCi の18- を含む水溶液中に6mgのK
2 CO3 と10mgのクリプトフィックス2,2,2の1ml
無水アセトニトリル溶液を加え、溶媒を 100℃で留去し
た。更に無水アセトニトリルを1ml加えて、残った水を
100℃で留去した。これに1,2−ビス(トシルオキ
シ)エタン10mgの無水アセトニトリル溶液(1ml)を加
え、80℃で20分間加熱した。 100℃で溶媒を留去し、18
F−1−フルオロ−2−(トシルオキシ)エタンを得
た。
【0056】これにジメチルエタノールアミン 100μl
を加え、80℃で30分間加熱し、減圧下に過剰のジメチル
エタノールアミンを留去し、p−トルエンスルホニルオ
キシ18F−2−フルオロエチル−ジメチル−2−オキシ
エチルアンモニウムを得た。18F−1−フルオロ−2−
(トシルオキシ)エタンとp−トルエンスルホニルオキ
18F−2−フルオロエチル−ジメチル−2−オキシ
エチルアンモニウムの生成は、下記の条件でHPLC
(高速液体クロマトグラフィー)により参考例1で得ら
れた化合物と共に分析したところ、溶出時間が一致した
ことにより確認した。また、目的物の分取は、下記の条
件で分取HPLCにより高純度で行うことができた。
【0057】分析HPLC条件 カラム:Inertsil SIL 250x4.6mmI.D.(GLサ
イエンス) 溶媒:アセトニトリル/水/エタノール/酢酸/1M酢酸
アンモニウム/0.1Mリン酸ナトリウム=600/264/68/28/
41/10 流速:2ml/min 検出器;NaI(T1)シンチレータおよびUV(254n
m)(18F−1−フルオロ−2−(トシルオキシ)エタ
ン) RI(p−トルエンスルホニルオキシ 18F−2−フル
オロエチル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニウ
ム)
【0058】18F−1−フルオロ−2−(トシルオキ
シ)エタンはRT(HPLCの保持時間) 2.0min に検
出された。p−トルエンスルホニルオキシ 18F−2−
フルオロエチル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニ
ウムはRT 3.9min に検出された。
【0059】分取HPLC条件 カラム:YMC D−ODS−5 250x20mmI.D. 溶媒:0.4mM ナフタレンスルホン酸−0.05M リン酸 流速:8ml/min 検出器:NaI(T1)シンチレータ
【0060】<実施例2>p−トルエンスルホニルオキシ 18F−3−フルオロプ
ロピル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニウムの合
【化13】
【0061】10mCi の18- 、6mgのK2 CO3 、10mg
のクリプトフィックス2,2,2、および10mgの1,3
−ビス(トシルオキシ)プロパンから実施例1と同様に
合成した18F−1−フルオロ−3−(トシルオキシ)プ
ロパンにジメチルエタノールアミン 100μlを加え、80
℃で20分間加熱し、減圧下に過剰のジメチルエタノール
アミンを留去し、p−トルエンスルホニルオキシ 18
−3−フルオロプロピル−ジメチル−2−オキシエチル
アンモニウムを得た。
【0062】18F−1−フルオロ−3−(トシルオキ
シ)プロパンおよびp−トルエンスルホニルオキシ 18
F−3−フルオロプロピル−ジメチル−2−オキシエチ
ルアンモニウムの生成は、HPLC(高速液体クロマト
グラフィー)分析において参考例2で得られた化合物と
保持時間が一致したことにより確認した。また目的物の
分取は、下記の条件で分取HPLCにより高純度で行う
ことができた。
【0063】分析HPLC条件 カラム:Inertsil SIL 250×4.6mmI.D.(GLサイエ
ンス) 溶 媒:アセトニトリル/水/エタノール/酢酸/1M
酢酸アンモニウム/0.1 Mリン酸ナトリウム=600/264/
68/28/41/10 流 速:2ml/min 検出器:NaI(T1 )シンチレータ及びUV(254nm)(
18F−1−フルオロ−3−(トシルオキシ)プロパン) RI(p−トルエンスルホニルオキシ 18F−3−フル
オロプロピル−ジメチル−2−オキシエチルアンモニウ
ム)
【0064】18F−1−フルオロ−3−(トシルオキ
シ)プロパンはRT 2.0min に検出された。p−トルエ
ンスルホニルオキシ 18F−3−フルオロプロピル−ジ
メチル−2−オキシエチルアンモニウムはRT 3.6min
に検出された。
【0065】分取HPLC条件 カラム:YMC D−ODS−5 250×20mmI.D. 溶 媒: 0.4mMナフタレンスルホン酸−0.05Mリン酸 流 速:8ml/min 検出器:NaI(T1 )シンチレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永井 隆文 茨城県つくば市御幸が丘3番地 ダイキン 工業株式会社MEC研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式〔I〕で表される含フッ素
    コリン化合物の18F標識体。 【化1】 (但し、この一般式〔I〕中、 Rfは、少なくとも1つのフッ素原子を有しかつそのう
    ちの少なくとも1つが18Fである含フッ素アルキル基、
    含フッ素アルケニル基または含フッ素アルキニル基、 Xは酸の共役塩基である。)
  2. 【請求項2】 Rfは炭素数が2以上、10以下である、
    請求項1に記載した含フッ素コリン化合物の18F標識
    体。
  3. 【請求項3】 下記反応式に従って、下記の一般式〔I
    I〕で表される含フッ素化合物とジメチルエタノールア
    ミンとを反応させる工程を経る、請求項1に記載した一
    般式〔I〕の含フッ素コリン化合物の18F標識体の製造
    方法。 【化2】 (但し、上記一般式〔I〕、〔II〕中、Rfは、少なく
    とも1つのフッ素原子を有しかつその少なくとも1つが
    18Fである含フッ素アルキル基、含フッ素アルケニル基
    または含フッ素アルキニル基であり、Xは酸の共役塩基
    である。)
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載した化合
    物からなる陽電子断層撮影診断用試薬。
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