JPH0948698A - 酸化物薄膜作製装置 - Google Patents
酸化物薄膜作製装置Info
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- JPH0948698A JPH0948698A JP7195067A JP19506795A JPH0948698A JP H0948698 A JPH0948698 A JP H0948698A JP 7195067 A JP7195067 A JP 7195067A JP 19506795 A JP19506795 A JP 19506795A JP H0948698 A JPH0948698 A JP H0948698A
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Landscapes
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- Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
- Formation Of Insulating Films (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 真空紫外パルスレーザ光を用いたレーザアブ
レーション法によって、良質な酸化物薄膜を形成する。 【構成】 フッ素レーザ8からチャンバ1内に至る外部
ガイド9、内部ガイド10を設け、このガイドを介して
真空紫外レーザ光をターゲットホルダ2の近傍まで導
く。チャンバ1内に導入する酸素が、開口部10bから
内部ガイド10内に流入するため、この酸素ガスを、内
部ガイド10の先端附近に形成した吸引口21aからロ
ータリーポンプで吸引し、チャンバ1外に排気する。こ
れにより、チャンバ内に導入した酸素が内部ガイド10
内に充満する量を低減させる。また、開口部10bから
内部ガイド10内に入り込むアブレーション物質を、ニ
ッケル線32等で構成した静電集塵器に吸着させる。
レーション法によって、良質な酸化物薄膜を形成する。 【構成】 フッ素レーザ8からチャンバ1内に至る外部
ガイド9、内部ガイド10を設け、このガイドを介して
真空紫外レーザ光をターゲットホルダ2の近傍まで導
く。チャンバ1内に導入する酸素が、開口部10bから
内部ガイド10内に流入するため、この酸素ガスを、内
部ガイド10の先端附近に形成した吸引口21aからロ
ータリーポンプで吸引し、チャンバ1外に排気する。こ
れにより、チャンバ内に導入した酸素が内部ガイド10
内に充満する量を低減させる。また、開口部10bから
内部ガイド10内に入り込むアブレーション物質を、ニ
ッケル線32等で構成した静電集塵器に吸着させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザアブレーシ
ョン法により、基板上に酸化物の薄膜を形成する酸化物
薄膜作製装置に関する。
ョン法により、基板上に酸化物の薄膜を形成する酸化物
薄膜作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、YBa2 Cu3 O7 などの酸化物
の薄膜を、その成分比がターゲット(蒸着源)の成分比
から大きくずれることなく作製する方法として、紫外線
パルスレーザ光をターゲットに照射するレーザアブレー
ション方法が用いられている。この方法によれば、これ
より波長の長い可視或は赤外線レーザに比べれば、熱的
な効果が少なく、作製した薄膜上に存在する微粒子の数
も少なく形成できる。ただし、10μm×10μmの範
囲内に、径が0.1〜1μmの微粒子が数十個以上存在
しており、このような状態では、厚さ1μm以内の薄膜
を破れや凹凸を生じることなく、重ねることは実質的に
できない。また、パルスエネルギーの大きさなど、パラ
メータを変えて薄膜の作製を試みたが、微粒子の個数は
減少しなかった。
の薄膜を、その成分比がターゲット(蒸着源)の成分比
から大きくずれることなく作製する方法として、紫外線
パルスレーザ光をターゲットに照射するレーザアブレー
ション方法が用いられている。この方法によれば、これ
より波長の長い可視或は赤外線レーザに比べれば、熱的
な効果が少なく、作製した薄膜上に存在する微粒子の数
も少なく形成できる。ただし、10μm×10μmの範
囲内に、径が0.1〜1μmの微粒子が数十個以上存在
しており、このような状態では、厚さ1μm以内の薄膜
を破れや凹凸を生じることなく、重ねることは実質的に
できない。また、パルスエネルギーの大きさなど、パラ
メータを変えて薄膜の作製を試みたが、微粒子の個数は
減少しなかった。
【0003】微粒子の径がこのように大きくならないよ
うにするためには、ターゲットに照射するパルスレーザ
光の波長をより短くすればよいことが経験的に知られて
おり、このようなレーザ光としては真空紫外レーザ光が
想定できる。
うにするためには、ターゲットに照射するパルスレーザ
光の波長をより短くすればよいことが経験的に知られて
おり、このようなレーザ光としては真空紫外レーザ光が
想定できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、酸化物の薄膜
の作製時には、酸化物薄膜の酸素原子不足を補うため
に、0.1〜数Torr程度の酸素の中で、ターゲット
に対してレーザ光を照射する必要がある。一方、真空紫
外レーザ光は、酸素に吸収され易い特性を有している。
このような理由により、レーザアブレーションによる酸
化物薄膜の作製には、従来から真空紫外レーザ光は使用
されていなかった。。
の作製時には、酸化物薄膜の酸素原子不足を補うため
に、0.1〜数Torr程度の酸素の中で、ターゲット
に対してレーザ光を照射する必要がある。一方、真空紫
外レーザ光は、酸素に吸収され易い特性を有している。
このような理由により、レーザアブレーションによる酸
化物薄膜の作製には、従来から真空紫外レーザ光は使用
されていなかった。。
【0005】また、特開昭61−183920には、チ
ャンバ内部に至るように、外部から導入管を通し、この
導入管を介してチャンバ内にレーザ光を照射する技術が
開示されている。しかし、この技術を前述したレーザア
ブレーション法に適用した場合には、ターゲットのアブ
レーション物質が、先端部の開口端からこの導入管内に
入り込み、管の内壁部や管内に配設された部材等に付着
し、レーザ光の進行を妨げるおそれがある。特に、ター
ゲットに最も近い導入管先端の開口部には、付着する量
も多く、長期間の使用により、次第に管内を塞ぐおそれ
もある。
ャンバ内部に至るように、外部から導入管を通し、この
導入管を介してチャンバ内にレーザ光を照射する技術が
開示されている。しかし、この技術を前述したレーザア
ブレーション法に適用した場合には、ターゲットのアブ
レーション物質が、先端部の開口端からこの導入管内に
入り込み、管の内壁部や管内に配設された部材等に付着
し、レーザ光の進行を妨げるおそれがある。特に、ター
ゲットに最も近い導入管先端の開口部には、付着する量
も多く、長期間の使用により、次第に管内を塞ぐおそれ
もある。
【0006】本発明は、このような課題を解決すべくな
されたものであり、その主な目的は、酸素による減衰を
受けずに、真空紫外レーザ光をターゲットに照射するこ
とで、レーザアブレーション法によって良質な酸化物薄
膜を作製し得る酸化物薄膜作製装置を提供することにあ
る。
されたものであり、その主な目的は、酸素による減衰を
受けずに、真空紫外レーザ光をターゲットに照射するこ
とで、レーザアブレーション法によって良質な酸化物薄
膜を作製し得る酸化物薄膜作製装置を提供することにあ
る。
【0007】また、他の目的としては、アブレーション
物質が導入管内に付着することで、レーザ光の進行を妨
げるような事態を軽減し、長期間に亘り、継続して使用
し得る酸化物薄膜作製装置を提供することにある。
物質が導入管内に付着することで、レーザ光の進行を妨
げるような事態を軽減し、長期間に亘り、継続して使用
し得る酸化物薄膜作製装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】レーザアブレーション法
によって酸化物薄膜を作製する際には、チャンバ内に多
くの酸素が存在し、この酸素を含むガスが真空紫外レー
ザ光を吸収してしまう。そこで、請求項1にかかる酸化
物薄膜作製装置では、チャンバ外に配置されたレーザ光
源からチャンバ内に至る導入管を設け、この導入管を介
して真空紫外レーザ光をターゲットホルダ近傍まで導
く。また、チャンバ内に位置する導入管には、酸素を多
く含むチャンバ内のガスが先端開口部から管内に流入す
るため、このガスを、導入管先端部に形成した吸引口か
ら排気手段で吸引し、チャンバ外に排気する。これによ
り、酸素を多く含むチャンバ内ガスが導入管内に充満さ
れる量を低減させる。
によって酸化物薄膜を作製する際には、チャンバ内に多
くの酸素が存在し、この酸素を含むガスが真空紫外レー
ザ光を吸収してしまう。そこで、請求項1にかかる酸化
物薄膜作製装置では、チャンバ外に配置されたレーザ光
源からチャンバ内に至る導入管を設け、この導入管を介
して真空紫外レーザ光をターゲットホルダ近傍まで導
く。また、チャンバ内に位置する導入管には、酸素を多
く含むチャンバ内のガスが先端開口部から管内に流入す
るため、このガスを、導入管先端部に形成した吸引口か
ら排気手段で吸引し、チャンバ外に排気する。これによ
り、酸素を多く含むチャンバ内ガスが導入管内に充満さ
れる量を低減させる。
【0009】請求項2にかかる酸化物薄膜作製装置は、
請求項1の導入管の途中にレーザ光透過窓を配置して、
レーザ光源と開口端との間の管内空間を仕切ると共に、
このレーザ光透過窓とレーザ光源との間の導入管内に、
パージガス供給手段により、例えば窒素ガスなどのパー
ジガスを供給し、この管内に大気が侵入するのを抑制す
る。
請求項1の導入管の途中にレーザ光透過窓を配置して、
レーザ光源と開口端との間の管内空間を仕切ると共に、
このレーザ光透過窓とレーザ光源との間の導入管内に、
パージガス供給手段により、例えば窒素ガスなどのパー
ジガスを供給し、この管内に大気が侵入するのを抑制す
る。
【0010】請求項3にかかる酸化物薄膜作製装置は、
開口端から導入管内に流入するアブレーション物質を静
電力によって捕集する静電集塵手段を、開口端とレーザ
光透過窓との間の導入管内に配置して構成する。これに
より、発生したアブレーション物質が浮遊して導入管の
奥深く入り込み、管内に配設した各部材(例えばレーザ
光透過窓など)に付着し、レーザ光の透過効率を低減さ
せるような事態を軽減する。
開口端から導入管内に流入するアブレーション物質を静
電力によって捕集する静電集塵手段を、開口端とレーザ
光透過窓との間の導入管内に配置して構成する。これに
より、発生したアブレーション物質が浮遊して導入管の
奥深く入り込み、管内に配設した各部材(例えばレーザ
光透過窓など)に付着し、レーザ光の透過効率を低減さ
せるような事態を軽減する。
【0011】請求項4にかかる酸化物薄膜作製装置は、
この静電集塵手段を、互いに離間して導入管内に配置さ
れた一対の絶縁基体と、この一対の絶縁基体間に張設さ
れた導体と、導体と導入管との間に、所定の電位差を与
える直流電圧供給手段とを備えて構成する。
この静電集塵手段を、互いに離間して導入管内に配置さ
れた一対の絶縁基体と、この一対の絶縁基体間に張設さ
れた導体と、導体と導入管との間に、所定の電位差を与
える直流電圧供給手段とを備えて構成する。
【0012】請求項5にかかる酸化物薄膜作製装置は、
請求項1〜4における酸化物薄膜作製装置において、導
入管の開口端の内壁面が、この開口端から出射されるレ
ーザー光の光路内に位置するように構成する。これによ
り、開口端の内壁部に付着したアブレーション物質は、
その直後に出射されるレーザ光により除去され得る。
請求項1〜4における酸化物薄膜作製装置において、導
入管の開口端の内壁面が、この開口端から出射されるレ
ーザー光の光路内に位置するように構成する。これによ
り、開口端の内壁部に付着したアブレーション物質は、
その直後に出射されるレーザ光により除去され得る。
【0013】なお、アブレーション物質とは、ターゲッ
トのアブレーション現象に伴って生じる原子、分子、イ
オン、クラスター状物質及び微粒子をいう。
トのアブレーション現象に伴って生じる原子、分子、イ
オン、クラスター状物質及び微粒子をいう。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、添付図面を参照して説明する。チャンバ1は、密閉
性を有する、中空の円筒形を呈しており、この内部にお
いて酸化物薄膜が作製される。また、その底面の中心部
には円筒形のターゲットホルダ2を固定しており、この
ホルダ2内には、薄膜形成の源となるターゲットとして
の、YBa2 Cu3 O7 (以下、「YBCO」と記す)
の焼結体がセットされている。なお、このYBCOのサ
イズは、直径20mm、厚さ5mmである。
き、添付図面を参照して説明する。チャンバ1は、密閉
性を有する、中空の円筒形を呈しており、この内部にお
いて酸化物薄膜が作製される。また、その底面の中心部
には円筒形のターゲットホルダ2を固定しており、この
ホルダ2内には、薄膜形成の源となるターゲットとして
の、YBa2 Cu3 O7 (以下、「YBCO」と記す)
の焼結体がセットされている。なお、このYBCOのサ
イズは、直径20mm、厚さ5mmである。
【0015】ターゲットホルダ2の上方には、基板ホル
ダー3が支柱(図示せず)に固定されており、ターゲッ
トに向けた基板ホルダー3の下面側には、サイズが5×
10×0.5mm3 のSrTiO3 結晶によって形成し
た蒸着基板12(図2参照)が固定されている。なお、
基板ホルダー3には、蒸着基板12を加熱するヒーター
(図示せず)が内蔵されている。
ダー3が支柱(図示せず)に固定されており、ターゲッ
トに向けた基板ホルダー3の下面側には、サイズが5×
10×0.5mm3 のSrTiO3 結晶によって形成し
た蒸着基板12(図2参照)が固定されている。なお、
基板ホルダー3には、蒸着基板12を加熱するヒーター
(図示せず)が内蔵されている。
【0016】また、このチャンバ1の底面には配管4に
連なる開孔部が形成されており、この配管4の他端側に
は排気装置5が接続されている。そして、酸化物薄膜形
成の際には、この排気装置5によってチャンバ1内を1
0-6torr程度まで減圧する。また、このチャンバ1
には、YBCO薄膜の酸素欠損を補うための酸素導入装
置が併設されており、酸素ボンベ7、酸素ボンベ7から
送られる酸素をチャンバ1内に導入する導入ノズル6な
どで構成している。導入ノズル6の導入先端部は、基板
ホルダー3の近傍であって、ターゲットホルダ2からは
離れた位置に設けられており、これにより、基板ホルダ
ー3に固定した蒸着基板12上での酸素濃度を高めてい
る。
連なる開孔部が形成されており、この配管4の他端側に
は排気装置5が接続されている。そして、酸化物薄膜形
成の際には、この排気装置5によってチャンバ1内を1
0-6torr程度まで減圧する。また、このチャンバ1
には、YBCO薄膜の酸素欠損を補うための酸素導入装
置が併設されており、酸素ボンベ7、酸素ボンベ7から
送られる酸素をチャンバ1内に導入する導入ノズル6な
どで構成している。導入ノズル6の導入先端部は、基板
ホルダー3の近傍であって、ターゲットホルダ2からは
離れた位置に設けられており、これにより、基板ホルダ
ー3に固定した蒸着基板12上での酸素濃度を高めてい
る。
【0017】また、このチャンバ1の近傍には、真空紫
外パルスレーザ光(波長157nm)を放出するフッ素
レーザ8が隣設されており、フッ素レーザ8の出射口8
aとチャンバ1の側壁部とを管状の外部ガイド9で接続
している。なお、後述するように、波長157nmのレ
ーザ光は、酸素に吸収され易い特性を有している。
外パルスレーザ光(波長157nm)を放出するフッ素
レーザ8が隣設されており、フッ素レーザ8の出射口8
aとチャンバ1の側壁部とを管状の外部ガイド9で接続
している。なお、後述するように、波長157nmのレ
ーザ光は、酸素に吸収され易い特性を有している。
【0018】図2に示すように、外部ガイド9が接続さ
れたチャンバ1の側壁は開口しており、この部位に、M
gF2 結晶により形成した、レーザ光を透過させるレー
ザ光透過窓11を固定している。一方、チャンバ1の内
部には、この側壁の開口からターゲットホルダ2の近傍
に至る管状の内部ガイド10を設けており、これら外部
ガイド9と内部ガイド10によって、フッ素レーザ8か
ら放出されたレーザ光をターゲットホルダ2の近傍まで
導く導入管を構成している。
れたチャンバ1の側壁は開口しており、この部位に、M
gF2 結晶により形成した、レーザ光を透過させるレー
ザ光透過窓11を固定している。一方、チャンバ1の内
部には、この側壁の開口からターゲットホルダ2の近傍
に至る管状の内部ガイド10を設けており、これら外部
ガイド9と内部ガイド10によって、フッ素レーザ8か
ら放出されたレーザ光をターゲットホルダ2の近傍まで
導く導入管を構成している。
【0019】また、この導入管を構成する外部ガイド9
の内部には、CaF2 結晶で形成した集光レンズ13を
配設しており、フッ素レーザ8から放出されたレーザ光
を、ターゲットホルダ2内のターゲットの一点に集光さ
せている。従って、フッ素レーザ8から放出されたレー
ザ光は、集光レンズ13で集光されつつ、外部ガイド
9、レーザ光透過窓11、内部ガイド10を介して進行
し、ターゲットホルダ2内のターゲットに照射される。
の内部には、CaF2 結晶で形成した集光レンズ13を
配設しており、フッ素レーザ8から放出されたレーザ光
を、ターゲットホルダ2内のターゲットの一点に集光さ
せている。従って、フッ素レーザ8から放出されたレー
ザ光は、集光レンズ13で集光されつつ、外部ガイド
9、レーザ光透過窓11、内部ガイド10を介して進行
し、ターゲットホルダ2内のターゲットに照射される。
【0020】外部ガイド9には、外部ガイド9内に窒素
ガスを導入する窒素ガスボンベ40が接続されており、
窒素ガスボンベ40から送られる窒素ガスは、配管41
を介して外部ガイド9内に供給される。供給された窒素
ガス(パージガス)は、外部ガイド9内を流れ、一部が
チャンバ1近傍の排気孔9aより大気中に排気される
が、常時窒素ガスを供給することで、外部ガイド9内を
大気に比べてプラス圧の状態とし、この内部に酸素が侵
入するのを防いでいる。なお、ここではパージガスとし
て窒素ガスを用いて内部を窒素置換する例を示したが、
外部ガイド9内の空気を排気して所定の減圧雰囲気を形
成することで、外部ガイド9内の酸素を減ずる手法を採
用することもできる。
ガスを導入する窒素ガスボンベ40が接続されており、
窒素ガスボンベ40から送られる窒素ガスは、配管41
を介して外部ガイド9内に供給される。供給された窒素
ガス(パージガス)は、外部ガイド9内を流れ、一部が
チャンバ1近傍の排気孔9aより大気中に排気される
が、常時窒素ガスを供給することで、外部ガイド9内を
大気に比べてプラス圧の状態とし、この内部に酸素が侵
入するのを防いでいる。なお、ここではパージガスとし
て窒素ガスを用いて内部を窒素置換する例を示したが、
外部ガイド9内の空気を排気して所定の減圧雰囲気を形
成することで、外部ガイド9内の酸素を減ずる手法を採
用することもできる。
【0021】前述したように、酸化物薄膜の作製時に
は、チャンバ1内にも酸素を導入するため、先端の開口
端10bから内部ガイド10内に酸素が侵入する。そこ
で、内部ガイド10の先端部附近に吸引口21aを設
け、開口端10bから内部ガイド10内に侵入するガス
をロータリーポンプ20によって排気する。なお、吸引
口21aとロータリーポンプ20とは、配管21により
接続されている。
は、チャンバ1内にも酸素を導入するため、先端の開口
端10bから内部ガイド10内に酸素が侵入する。そこ
で、内部ガイド10の先端部附近に吸引口21aを設
け、開口端10bから内部ガイド10内に侵入するガス
をロータリーポンプ20によって排気する。なお、吸引
口21aとロータリーポンプ20とは、配管21により
接続されている。
【0022】また、開口端10bの口径は直径1mm程
度とし、ここから出射されるレーザ光が通過するには十
分に大きく、しかも可能な限り小さくして、内部ガイド
10内へ流入する酸素の量を極力抑えている。また、ア
ブレーション現象によって生じた原子、分子、イオン状
物質が結晶蒸着基板12に到達する際の障害とならぬよ
うに、ターゲットのレーザ光照射位置から結晶蒸着基板
12を臨む立体角の外側であって、かつ、その立体角の
範囲内に最も近い部位に、内部ガイド10の先端の開口
端10bが位置するように調整してある。
度とし、ここから出射されるレーザ光が通過するには十
分に大きく、しかも可能な限り小さくして、内部ガイド
10内へ流入する酸素の量を極力抑えている。また、ア
ブレーション現象によって生じた原子、分子、イオン状
物質が結晶蒸着基板12に到達する際の障害とならぬよ
うに、ターゲットのレーザ光照射位置から結晶蒸着基板
12を臨む立体角の外側であって、かつ、その立体角の
範囲内に最も近い部位に、内部ガイド10の先端の開口
端10bが位置するように調整してある。
【0023】さらに、アブレーション物質により、内部
ガイド10内でレーザ光路に障害が生じないように、以
下のような構成を採用している。
ガイド10内でレーザ光路に障害が生じないように、以
下のような構成を採用している。
【0024】その1つとしては、レーザアブレーション
物質が内部ガイド10の開口端10bの内面に付着し
て、次第に開口部が小さくなり、最終的に閉塞するおそ
れがある。そこで、前述した集光レンズ13の焦点距離
とレンズの設置位置など光学的配置を適当に行い、出射
されるレーザ光の外縁部が、内部ガイド10の開口端1
0bの内壁面を照射するように構成している(図2)。
この結果、開口端10bの内壁面に付着したアブレーシ
ョン物質は、付着した都度、その次のレーザパルス光に
よりアブレーション除去されることとなる。なお、この
開口端10bの内壁面は、YBCOに比べ極めてアブレ
ーションされにくいステンレスで形成している。また、
室温で付着したばかりのターゲットからの僅かなYBC
Oアブレーション物質は、ターゲットに比べて極めてア
ブレーション除去され易いことが確認されている。
物質が内部ガイド10の開口端10bの内面に付着し
て、次第に開口部が小さくなり、最終的に閉塞するおそ
れがある。そこで、前述した集光レンズ13の焦点距離
とレンズの設置位置など光学的配置を適当に行い、出射
されるレーザ光の外縁部が、内部ガイド10の開口端1
0bの内壁面を照射するように構成している(図2)。
この結果、開口端10bの内壁面に付着したアブレーシ
ョン物質は、付着した都度、その次のレーザパルス光に
よりアブレーション除去されることとなる。なお、この
開口端10bの内壁面は、YBCOに比べ極めてアブレ
ーションされにくいステンレスで形成している。また、
室温で付着したばかりのターゲットからの僅かなYBC
Oアブレーション物質は、ターゲットに比べて極めてア
ブレーション除去され易いことが確認されている。
【0025】また、開口端10bから侵入したアブレー
ション物質は、内部ガイド10内に侵入してくる酸素分
子と共に、吸引口21aからチャンバ1の外部に排気さ
れるか、或は、その途中の壁に付着するが、一部は、内
部ガイド10内を浮遊して、その奥に位置するレーザ光
透過窓11まで到達し、この窓表面に付着する。そこ
で、このように内部ガイド10内を浮遊するアブレーシ
ョン物質を捕集すべく、開口端10b附近の内部ガイド
10内に、静電集塵器を設置している(図2、3)。
ション物質は、内部ガイド10内に侵入してくる酸素分
子と共に、吸引口21aからチャンバ1の外部に排気さ
れるか、或は、その途中の壁に付着するが、一部は、内
部ガイド10内を浮遊して、その奥に位置するレーザ光
透過窓11まで到達し、この窓表面に付着する。そこ
で、このように内部ガイド10内を浮遊するアブレーシ
ョン物質を捕集すべく、開口端10b附近の内部ガイド
10内に、静電集塵器を設置している(図2、3)。
【0026】静電集塵器は、絶縁性材としてのテフロン
系樹脂材料で形成した基体31を、所定の間隔を隔てて
内部ガイド10に対して固定しており、2つの基体31
間には、0.1mm径のニッケル線32が内部ガイド1
0の内壁部と平行になるように張設されている。この両
基体31には、支持ピン31aが貫通状態で固定されて
おり、ニッケル線32の両端部は、この2つの支持ピン
31aに固定されている。なお、ニッケル線32と内部
ガイド10の内壁部との間隔は、8mm程度に設定して
いる。
系樹脂材料で形成した基体31を、所定の間隔を隔てて
内部ガイド10に対して固定しており、2つの基体31
間には、0.1mm径のニッケル線32が内部ガイド1
0の内壁部と平行になるように張設されている。この両
基体31には、支持ピン31aが貫通状態で固定されて
おり、ニッケル線32の両端部は、この2つの支持ピン
31aに固定されている。なお、ニッケル線32と内部
ガイド10の内壁部との間隔は、8mm程度に設定して
いる。
【0027】一方の基体31の近傍には、ニッケル線3
2に電流を供給する端子となる、電流導入端子33が形
成されている。電流導入端子33は、内部ガイド10の
側壁部を貫通する円筒形の絶縁体34と、この絶縁体3
3の中心部に固定された電極棒35とで構成され、内部
ガイド10の内部に突出する電極棒35と、その近傍の
基体31の支持ピン31aとは導体線37によって電気
的に接続されている。なお、絶縁体34は、テフロン系
樹脂材料で形成されている。また、内部ガイド10の外
部に突出する電極棒35には、配線材36が接続され、
外部から−500Vの直流電圧が印加されている。この
ようにして、ニッケル線32に−500Vの直流電圧を
与え、内部ガイド10をアースとすることで、静電集塵
器を構成している。これにより、開口端10bから侵入
して浮遊するアブレーション物質は、静電力によって内
部ガイド10の内壁面に付着する。従って、アブレーシ
ョン物質が、その奥に位置するレーザ光透過窓11に付
着する事態を軽減し得る。なお、このように静電集塵器
のアース側を内部ガイド10の内壁面自体として構成し
てもよいが、この内壁面に別の金属板を着脱自在に設
け、この金属板を交換することで、この部位に付着した
アブレーション物質を除去し得る構成を採用することも
できる。
2に電流を供給する端子となる、電流導入端子33が形
成されている。電流導入端子33は、内部ガイド10の
側壁部を貫通する円筒形の絶縁体34と、この絶縁体3
3の中心部に固定された電極棒35とで構成され、内部
ガイド10の内部に突出する電極棒35と、その近傍の
基体31の支持ピン31aとは導体線37によって電気
的に接続されている。なお、絶縁体34は、テフロン系
樹脂材料で形成されている。また、内部ガイド10の外
部に突出する電極棒35には、配線材36が接続され、
外部から−500Vの直流電圧が印加されている。この
ようにして、ニッケル線32に−500Vの直流電圧を
与え、内部ガイド10をアースとすることで、静電集塵
器を構成している。これにより、開口端10bから侵入
して浮遊するアブレーション物質は、静電力によって内
部ガイド10の内壁面に付着する。従って、アブレーシ
ョン物質が、その奥に位置するレーザ光透過窓11に付
着する事態を軽減し得る。なお、このように静電集塵器
のアース側を内部ガイド10の内壁面自体として構成し
てもよいが、この内壁面に別の金属板を着脱自在に設
け、この金属板を交換することで、この部位に付着した
アブレーション物質を除去し得る構成を採用することも
できる。
【0028】
【実施例】このように構成する酸化物薄膜作製装置によ
り、以下のようにして酸化膜を作製する。
り、以下のようにして酸化膜を作製する。
【0029】まず、チャンバ1内のターゲットホルダ2
にYBCOターゲットをセットすると共に、蒸着基板1
2を基板ホルダー3に固定した後、排気装置5及びロー
タリーポンプ20を駆動し、チャンバ1内の空気を排気
して減圧する。チャンバ1内が2×10-6Torrまで
真空になった後、排気装置5による排気は停止させる
が、ロータリーポンプ20による排気は継続する。
にYBCOターゲットをセットすると共に、蒸着基板1
2を基板ホルダー3に固定した後、排気装置5及びロー
タリーポンプ20を駆動し、チャンバ1内の空気を排気
して減圧する。チャンバ1内が2×10-6Torrまで
真空になった後、排気装置5による排気は停止させる
が、ロータリーポンプ20による排気は継続する。
【0030】次に、酸素ボンベ7の流量調整バルブ7a
を開き、チャンバ1内に酸素を導入する。その一部は、
内部ガイド10の吸引口21aからロータリーポンプ2
0により吸引されチャンバ1外に排気される。流量調整
バルブ7aとロータリーポンプ20の排気速度とを調整
し、チャンバ1内の真空度が0.2Torrとなるよう
にする。
を開き、チャンバ1内に酸素を導入する。その一部は、
内部ガイド10の吸引口21aからロータリーポンプ2
0により吸引されチャンバ1外に排気される。流量調整
バルブ7aとロータリーポンプ20の排気速度とを調整
し、チャンバ1内の真空度が0.2Torrとなるよう
にする。
【0031】次に、基板ホルダー3に内蔵されたヒータ
ーをオンさせ、基板ホルダー3を690℃まで加熱す
る。また、窒素ガスボンベ40より外部ガイド9内に窒
素ガスを導入し、外部ガイド9内の大気を窒素ガスで置
換する。
ーをオンさせ、基板ホルダー3を690℃まで加熱す
る。また、窒素ガスボンベ40より外部ガイド9内に窒
素ガスを導入し、外部ガイド9内の大気を窒素ガスで置
換する。
【0032】次に、フッ素レーザ8を発振させ、パルス
レーザ光エネルギー50mJ/パルス、パルス繰り返し
を20Hzで動作させる。集光レンズ13とレーザ光透
過窓11を透過したレーザ光は、スポット上のパルス光
となってターゲット上の一点に照射され、ターゲットに
照射された部分にレーザアブレーション現象が生じて、
原子、分子、イオン、クラスター状に分割して飛散し、
その一部が基板ホルダー3の下面に固定された蒸着基板
12に付着する。
レーザ光エネルギー50mJ/パルス、パルス繰り返し
を20Hzで動作させる。集光レンズ13とレーザ光透
過窓11を透過したレーザ光は、スポット上のパルス光
となってターゲット上の一点に照射され、ターゲットに
照射された部分にレーザアブレーション現象が生じて、
原子、分子、イオン、クラスター状に分割して飛散し、
その一部が基板ホルダー3の下面に固定された蒸着基板
12に付着する。
【0033】外部ガイド9内は、窒素ガスで置換されて
いるため、フッ素レーザ8より出射されたレーザ光がレ
ーザ光透過窓11に至るまでに失われるエネルギーは、
集光レンズ13での吸収や表面での反射によるものであ
り、フッ素レーザ8より出射されたレーザ光の約80%
が、レーザ光透過窓11に到達する。
いるため、フッ素レーザ8より出射されたレーザ光がレ
ーザ光透過窓11に至るまでに失われるエネルギーは、
集光レンズ13での吸収や表面での反射によるものであ
り、フッ素レーザ8より出射されたレーザ光の約80%
が、レーザ光透過窓11に到達する。
【0034】レーザ光透過窓11での吸収及び反射によ
り、レーザ光透過窓11へ入射した光の約80%、すな
わち、フッ素レーザ8より出射されたレーザ光のうち、
約64%がチャンバ1内部に入射し、ターゲットへ向
う。内部ガイド10内が排気されることで、この内部に
流入した酸素の多くも排気されており、チャンバ1内に
入ったレーザ光の約60%がターゲット上に集光する。
その結果、上記のようにアブレーション現象が生じる。
り、レーザ光透過窓11へ入射した光の約80%、すな
わち、フッ素レーザ8より出射されたレーザ光のうち、
約64%がチャンバ1内部に入射し、ターゲットへ向
う。内部ガイド10内が排気されることで、この内部に
流入した酸素の多くも排気されており、チャンバ1内に
入ったレーザ光の約60%がターゲット上に集光する。
その結果、上記のようにアブレーション現象が生じる。
【0035】10分間レーザアブレーションを行った
後、基板ホルダー3のヒーターをオフし、ロータリーポ
ンプ20による排気を停止して、チャンバ1内において
1気圧の酸素中で蒸着基板12を放熱さる。この後、酸
化物薄膜が形成された蒸着基板12を大気中に取り出
す。
後、基板ホルダー3のヒーターをオフし、ロータリーポ
ンプ20による排気を停止して、チャンバ1内において
1気圧の酸素中で蒸着基板12を放熱さる。この後、酸
化物薄膜が形成された蒸着基板12を大気中に取り出
す。
【0036】ターゲットと蒸着基板12との距離を30
mmに設定した場合、酸化物薄膜の膜厚は約100nm
となり、10μm×10μmの範囲内に、0.1〜1μ
mの微粒子は1つも存在しないことが確認できた。
mmに設定した場合、酸化物薄膜の膜厚は約100nm
となり、10μm×10μmの範囲内に、0.1〜1μ
mの微粒子は1つも存在しないことが確認できた。
【0037】また、この装置を用い、1日平均8時間、
約1年間継続してYBCOの成膜を行ったが、内部ガイ
ド10の開口端10b(直径1mm)の穴内にアブレー
ション物質が付着する現象はみられず、また、レーザ光
透過窓11にも、アブレーション物質の付着物は特に確
認されなかった。
約1年間継続してYBCOの成膜を行ったが、内部ガイ
ド10の開口端10b(直径1mm)の穴内にアブレー
ション物質が付着する現象はみられず、また、レーザ光
透過窓11にも、アブレーション物質の付着物は特に確
認されなかった。
【0038】なお、前述した実施形態では、パージガス
として窒素ガスを導入する例を示したが、この他にも、
Ne、Arなどの希ガスを用いることもできる。
として窒素ガスを導入する例を示したが、この他にも、
Ne、Arなどの希ガスを用いることもできる。
【0039】また、静電集塵器において、基体31間に
張設する線材としてニッケル線32を例示したが、この
他にも、タングステン、モリブデンなどの線材を使用す
ることも可能である。
張設する線材としてニッケル線32を例示したが、この
他にも、タングステン、モリブデンなどの線材を使用す
ることも可能である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項にかかる
酸化物薄膜作製装置によれば、レーザ光源から出射され
る真空紫外レーザ光を、酸素による吸収をほとんど受け
ることなく、ターゲットまで到達させることができるの
で、真空紫外レーザ光を光源としたレーザアブレーショ
ン法によって、良質な酸化物薄膜を作製することが可能
となる。
酸化物薄膜作製装置によれば、レーザ光源から出射され
る真空紫外レーザ光を、酸素による吸収をほとんど受け
ることなく、ターゲットまで到達させることができるの
で、真空紫外レーザ光を光源としたレーザアブレーショ
ン法によって、良質な酸化物薄膜を作製することが可能
となる。
【0041】特に、請求項3、4にかかる酸化物薄膜作
製装置のように、開口端とレーザ光透過窓との間に静電
集塵手段を配置することで、導入管内に侵入したほとん
どのアブレーション物質をこの部位で捕集することがで
き、導入管内の光路中にアブレーション物質が付着し
て、レーザ光の透過効率を低減させるような事態を軽減
することができる。
製装置のように、開口端とレーザ光透過窓との間に静電
集塵手段を配置することで、導入管内に侵入したほとん
どのアブレーション物質をこの部位で捕集することがで
き、導入管内の光路中にアブレーション物質が付着し
て、レーザ光の透過効率を低減させるような事態を軽減
することができる。
【0042】また、請求項5にかかる酸化物薄膜作製装
置のように、導入管の開口端の内壁面を、この開口端か
ら出射されるレーザー光の光路内に配置することで、開
口端の内壁部に付着したアブレーション物質は、その直
後に出射されるレーザ光により除去することができる。
従って、長期間に亘り継続して使用した場合にも、アブ
レーション物質によって導入管の開口端が閉塞すること
はない。
置のように、導入管の開口端の内壁面を、この開口端か
ら出射されるレーザー光の光路内に配置することで、開
口端の内壁部に付着したアブレーション物質は、その直
後に出射されるレーザ光により除去することができる。
従って、長期間に亘り継続して使用した場合にも、アブ
レーション物質によって導入管の開口端が閉塞すること
はない。
【図1】酸化物薄膜作製装置の実施形態を示す概略的斜
視図である。
視図である。
【図2】図1で示した内部ガイド及び外部ガイドを一部
省略して示す断面図である。
省略して示す断面図である。
【図3】内部ガイドを一部破断して示す斜視図である。
1…チャンバ、2…ターゲットホルダ、3…基板ホル
ダ、8…フッ素レーザ、9…内部ガイド、10…外部ガ
イド、11…レーザ光透過窓、12…蒸着基板、20…
ロータリーポンプ、21a…吸引口、31…基体、32
…ニッケル線。
ダ、8…フッ素レーザ、9…内部ガイド、10…外部ガ
イド、11…レーザ光透過窓、12…蒸着基板、20…
ロータリーポンプ、21a…吸引口、31…基体、32
…ニッケル線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/31 H01L 21/31 B 21/316 21/316 X 39/24 ZAA 39/24 ZAAB (72)発明者 市川 典男 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 ターゲットを保持するターゲットホルダ
を内部に備えるチャンバと、 前記チャンバ外に配置され、真空紫外レーザ光を出射す
るレーザ光源と、 前記レーザ光源から前記チャンバ内に至り、前記レーザ
光源から出射されたレーザ光を前記ターゲットホルダの
近傍に導き、先端の開口端より出射する導入管と、 前記開口端から前記導入管内に流入する前記チャンバ内
のガスを、前記開口端近傍の導入管に形成した吸引口か
ら吸引し、前記チャンバ外に排気する排気手段とを備え
る酸化物薄膜作製装置。 - 【請求項2】 前記導入管の途中に配置され、前記レー
ザ光源と前記開口端との間の管内空間を仕切り、かつ、
前記光源から出射されたレーザ光を透過するレーザ光透
過窓と、 大気の侵入を抑制するパージガスを、前記レーザ光源と
前記レーザ光透過窓との間の前記導入管内に供給するパ
ージガス供給手段とを、さらに備えることを特徴とする
請求項1記載の酸化物薄膜作製装置。 - 【請求項3】 前記開口端から前記導入管内に流入する
アブレーション物質を静電力によって捕集する静電集塵
手段を、前記開口端と前記レーザ光透過窓との間の前記
導入管内に配置したことを特徴とする請求項1又は2に
記載の酸化物薄膜作製装置。 - 【請求項4】 前記静電集塵手段は、 互いに離間して前記導入管内に配置された一対の絶縁基
体と、 前記一対の絶縁基体間に張設された導体と、 前記導体と前記導入管との間に、所定の電位差を与える
直流電圧供給手段とを備える請求項3記載の酸化物薄膜
作製装置。 - 【請求項5】 前記導入管の開口端の内壁面が、この開
口端から出射されるレーザー光の光路内に位置すること
を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の酸化物薄
膜作製装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7195067A JPH0948698A (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | 酸化物薄膜作製装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7195067A JPH0948698A (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | 酸化物薄膜作製装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0948698A true JPH0948698A (ja) | 1997-02-18 |
Family
ID=16335012
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7195067A Pending JPH0948698A (ja) | 1995-07-31 | 1995-07-31 | 酸化物薄膜作製装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0948698A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002289598A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-04 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 酸化処理装置 |
JP2014231628A (ja) * | 2013-05-29 | 2014-12-11 | 住友金属鉱山株式会社 | 長尺樹脂フィルムの表面処理装置及び表面処理方法、並びに該表面処理装置を備えたロールツーロール成膜装置 |
-
1995
- 1995-07-31 JP JP7195067A patent/JPH0948698A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002289598A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-04 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 酸化処理装置 |
JP2014231628A (ja) * | 2013-05-29 | 2014-12-11 | 住友金属鉱山株式会社 | 長尺樹脂フィルムの表面処理装置及び表面処理方法、並びに該表面処理装置を備えたロールツーロール成膜装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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