JPH0948497A - ビールディスペンサ洗浄方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビールディスペンサの簡便な洗浄ができる洗
浄装置を提供する。 【解決手段】 ビール樽から取り外したビールディスペ
ンサ６４ａのディスペンスヘッド２に、カップ内に外筒
体６９と有底内筒体６８とが同軸でそれらの間にシール
リング８０，８１を介在して嵌合し、ディスペンスヘッ
ド２のハンドル１２を操作して有底内筒体６８が外筒体
６９から軸方向へ移動して開く透孔７０をシールリング
８０，８１間に有する弁体を備えたアダプター６５を接
続し、アダプター６５の配管６６に水道管とディスペン
スヘッド２に接続してある所定圧力の圧縮ガスの連通管
７６を三方切替弁７８を介しアダプター６５内に流入可
能に接続し、洗浄液又は洗浄液とガスにてビールが流通
するビールディスペンサ６４ａ内部を洗浄した後、ガス
のみをビールディスペンサ６４ａ内部に供給して残存す
る洗浄液を排出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はビールディスペン
サ洗浄装置に関し、ビール樽から直接生ビールを適宜の
泡立てをして注ぎ出すための注出器具の内部洗浄を目的
として構成されたものである。

【０００２】

【従来の技術】ビールディスペンサは毎日の使用後は必
ず洗浄することが、新鮮な生ビール等を顧客に提供する
ために欠かせないことである。この洗浄を怠ると、ビー
ルディスペンサ内に残存する生ビールが変質して劣化
し、分解等をして部品間の隙間や管内に残り、管内の空
気等と接触して腐敗し、これらが次回に注出されて新鮮
な生ビールの味を損なうこととなる。

【０００３】ところで、ビールディスペンサには種々あ
り、大型のビール樽に取り付けて店頭に備え付けるもの
から、ミニ樽と称する小型のビール樽に取り付けて各家
庭でも使用できるものまである。とりわけ、近時はミニ
樽の需要が隆盛しており、したがって、ミニ樽のビール
ディスペンサの洗浄が問題となっている。

【０００４】そこで、図９を参照してミニ樽に使用され
るビールディスペンサ６４を説明すると、小型のビール
樽１の口金１ａにディスペンスヘッド２を装着し、その
ディスペンスヘッド２の吐出管３にディスペンサ本体４
の下端部を適宜連結し、このディスペンサ本体４の上端
部にハンドル５を有するカラン６を接続して構成され
る。

【０００５】ディスペンスヘッド２は、ビール樽１内の
吸込管７と、その吸込管７を開閉する元栓があるバルブ
室８内に開口させた配管９で連結した炭酸ガスカートリ
ッジ１０と、カートリッジ１０の炭酸ガスを配管９に開
放する減圧弁１１及び元栓を開閉するハンドル１２とか
らなる。

【０００６】ディスペンサ本体４は、略く字形に曲げ形
成された曲管１３であって、図１０に示すように、その
上端部と下端部にカプラー部１４，１５が設けられ、こ
れらのカプラー部１４，１５を結ぶらせん管１６が長手
方向に挿入されている。

【０００７】カプラー部１４は曲管１３の下端部に嵌合
するブロック１８とこのブロック１８に嵌合するブロッ
ク２０とからなり、ブロック１８は下端部に吐出管３の
外周面に形成されたネジ部３ａをねじ込む所定高さの内
周ネジ部１７が形成され、ネジ１９で曲管１３と固定さ
れている。吐出管３とブロック１８との間にはシールパ
ッキン３１を介在してある。

【０００８】ブロック２０の下端部はブロック１８の下
端部の段部２２に載置されて抜け止めされ、上端部はブ
ロック１８に係合するリング２３で抜け止めされてい
る。ブロック２０の外周面にはネジ１９が嵌入する周溝
２１が形成されている。そしてブロック２０の軸心部を
貫通してパイプ２４が配設されてなる。このパイプ２４
の上端部にらせん管１６の一端部が嵌合してその外周部
を止めリング２５で締結してある。

【０００９】カプラー部１５は、一端部にカラン６を連
結するためのカラー２６を軸方向摺動可能に嵌合したブ
ロック２７を、曲管１３の上端部に嵌合してネジ２８で
固定したもので、カラー２６の内周面にはネジ部が形成
されカラン６と連結される。また、ブロック２７の軸心
部にはパイプ２９が挿入され、このパイプ２９の一端部
側にはブロック２７の軸心部を円錐形にしたポート３０
が形成されてなる。パイプ２９の内端部にらせん管１６
の上端部が嵌合してその外周部を止めリング３１で締結
してある。

【００１０】らせん管１６は伸縮及び可撓性のある所定
長さのナイロンパイプ等を、そのほぼ全長にわたり曲管
１３の孔径に収まるらせん状にして曲管１３内に挿入し
たものである。

【００１１】このビールディスペンサ６４は、ハンドル
１２を介して元栓を開き、ハンドル５を介してカラン６
からビールをジョッキ等に注ぎ出すと、炭酸ガスカート
リッジ１０からビール樽１内に供給されるガス圧にて生
ビールが吸込管７からバルブ室８を経てらせん管１６を
流通したビールがほどよい泡立ちをしながら注入される
というものである。

【００１２】かくして、ビールディスペンサ６４は上記
のように比較的複雑な構成を採用し、部品点数が多くて
それらの間に微小なりとも隙間が多いほか、細いらせん
管１６があるために、その隙間やらせん管１６内に生ビ
ールが残留する。そのため、毎日の使用後には必ずビー
ルが流通するビールディスペンサ６４の内部を水道水等
の洗浄液で洗浄し、又は、分解して徹底的な洗浄を行う
こともある（実開平５−５８６９７号、実開平５−５８
６９８号公報、実公昭５９−７２８０号公報等参照）。

【００１３】この洗浄に際し、ビールディスペンサ６４
をビール樽１から取り外して洗浄液を直結するためのア
ダプター６５を使用することがあり、これは、図１０，
１１に示すように、側部に水道管等の洗浄液供給管のカ
ランと直結したホースを連結するための配管６６を設け
たカップの、上部開口にディスペンスヘッド２の下端部
を連結するカプラー部６７を形成し、内部に内筒体６８
と外筒体６９とを同軸で収納し、内筒体６８は底部にフ
ランジ部６８ａを有する有底筒体にしてフランジ部６８
ａにシールリング８１を載置し、その側部に透孔７０を
穿設し、その底部に圧縮性のスプリング７１を当接して
常時は外筒体６９とフランジ部６８ａがシールリング８
１を挟んで透孔７０が閉塞され、上部開口から洗浄液が
吐出しないように構成されている。

【００１４】そこで、このアダプター６５のカプラー部
６７にビールディスペンサ６４のディスペンスヘッド２
を連結してハンドル１２を押し下げると、図１２に示す
ように、バルブ筒８３の下降により、内筒体６８がスプ
リング７１の力に抗し下降して透孔７０が開き、配管６
６から供給される水道水が透孔７０を経て内筒体６８内
に流入し、かつ、ディスペンスヘッド２内に流入し、ら
せん管１６内を通過しハンドル５を開操作すればカラン
６から排出され、かくしてビールディスペンサ６４内部
の水洗ができるというものである。

【００１５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
アダプター６５を使用した洗浄方式によれば、らせん管
１６やカプラー部１４，１５の部品間の隙間に残留する
ビールやその成分等を洗い落とすためにはかなりの量の
洗浄液を必要とし、しかも、時間がかかる。

【００１６】また、洗浄液で洗浄した後には、ビールデ
ィスペンサ内部に必ず洗浄液が残存するから、これを排
出しなければならない。これは通常ガスブロー法で行っ
ているが、このガスブローをするためにアダプター６５
を取り外してディスペンスヘッド２にガスボンベを接続
する別途の作業が必要となる。

【００１７】とりわけ、図９に示すような、ミニ樽と称
される小型のビール樽１は軽便にどこへでも運搬でき
て、家庭においても使用できるように考慮されたもので
あるから、そのビールディスペンサ４も軽便にどこでで
も洗浄することができることが必要となる。しかしなが
ら、別途にガスボンベを接続しなければならない上述の
洗浄方式は、そのままでは直ちに採用することができな
い。

【００１８】そこで、この発明はビールディスペンサの
簡便な洗浄を目的として洗浄用アダプターの改良を図ろ
うとするものである。

【００１９】

【課題を解決するための手段】この発明にかかるビール
ディスペンサ洗浄方法は、請求項１によれば、ビール樽
から取り外したビールディスペンサのディスペンスヘッ
ドに、カップ内に外筒体と有底内筒体とが同軸でそれら
の間にシールリングを介在するとともに、前記内筒体が
弾機で上方へ付勢されて嵌合し、ディスペンスヘッドの
ハンドルを操作して前記有底内筒体が前記外筒体から軸
方向へ移動して開く透孔を前記有底内筒体に穿設してな
るアダプターを接続し、該アダプターの配管に水道管等
の洗浄液供給管とディスペンスヘッドに接続してある所
定圧力の圧縮ガスの連通管とを三方切替弁を介しアダプ
ター内に流入可能に接続し、洗浄液又は洗浄液とガスに
てビールが流通するビールディスペンサ内部を洗浄した
後、ガスのみをビールディスペンサ内部に供給して残存
する洗浄液を排出することを特徴とする。

【００２０】そして、この方法を具現すべきビールディ
スペンサ洗浄装置は、請求項２〜４に示され、例えば請
求項２によれば、洗浄液供給管と接続する配管を備えた
カップ内に筒状の外筒体が固定して収納され、この外筒
体内に有底筒体からなる内筒体がスプリングにて上部の
開口部側へ付勢されて同軸で収納されるとともに、該内
筒体の側壁部に透孔を穿設し、該透孔の下部にシールリ
ングを設けてなるアダプターを、ビール樽から取り外し
たビールディスペンサのディスペンスヘッドに連結し、
該アダプター内に洗浄液を導入しディスペンスヘッドに
供給してビールが流通するビールディスペンサ内部を洗
浄するようにしたビールディスペンサ洗浄装置におい
て、前記配管に切替コックを有する三方切替弁を設け、
該三方切替弁と前記ディスペンスヘッドのバルブ室とを
連通する連通管を設けるとともに、前記透孔の上方にお
いて前記内筒体と外筒体間にシールリングを介在させた
ことを特徴とする。

【００２１】上記構成により、ビール樽から取り外した
ビールディスペンサのディスペンスヘッドにアダプター
を接続するとともに、その配管にホース等を接続し水道
水等の洗浄液を供給してビールディスペンサ内部を洗浄
し、又は、これと並行してディスペンスヘッドに接続し
てある圧縮ガスを三方切替弁を介してアダプター内に導
入してガスと洗浄液との混合でビールディスペンサ内部
を洗浄した後、洗浄液の供給を停止してガスのみを供給
すると、ビールディスペンサ内部に残存する洗浄液を強
制排出できるというものである。

【００２２】

【発明の実施の形態】以下この発明の実施例を図に基づ
き説明する。図において前記従来例と同一構成部分には
同一符号を用いた。図１〜３に示す第１実施例におい
て、ビールディスペンサ洗浄装置７５は、アダプター６
５の配管６６に連通管７６とその切替コック７７を有す
る三方切替弁７８を設けて構成され、このアダプター６
５のカプラー部６７にビールディスペンサ６４ａが連結
される。

【００２３】アダプター６５は、配管６６を接続したカ
ップ内に、上端部につば部を有する外筒体６９が固定し
て収納され、この外筒体６９内にフランジ部を有する有
底筒体からなる内筒体６８がスプリング７１にて上部の
開口部側へ付勢されて同軸で収納されている。内筒体６
８の側壁部には透孔７０が穿設され、この透孔７０の下
方で内筒体６８のフランジ部６８ａにシールリング８１
が固定され、かつ、透孔７０の上方で内筒体６８と外筒
体６９との間にシールリング８０が内筒体６８の外周面
又は外筒体６９の内周面に固定されている。

【００２４】三方切替弁７８に切替コック７７で開閉す
る連通管７６の一端部を接続し、その連通管７６の他端
部をディスペンスヘッド２の基部に穿設した連通孔８２
に接続してある。この連通孔８２はデイスペンスヘッド
２のバルブ室８内にあるバルブ筒８３に摺接する上下一
対のシールリング８４，８５の下部のシールリング８５
の下方に解放されている。連通管７６の他端部はアダプ
ター６５とデイスペンスヘッド２とを分離したとき、連
通孔８２から外すことができるとともに、連通管７６を
外した後の連通孔８２を閉塞する適宜の栓（図示略）が
準備されることが望ましい。

【００２５】また、図４に示す第２実施例は、前記実施
例における三方切替弁７８、連通管７６及び連通孔８２
を設ける不便を解消したもので、図５に示すように、内
筒体６８の外周面に軸方向へ複数の溝８８を開設し、バ
ルブ筒８３を押し下げてバルブ筒８３の外周面に形成し
た環状凹部８６がアダプター６５内と連通し、配管９か
ら供給される炭酸ガスが外筒体６９と内筒体６８間の溝
８８を通過して透孔７０を経て内筒体６８内に入り、バ
ルブ筒８３内に水道水とともに流入するようにしたもの
である。なお、この例において前記シールリング８０は
不要となる。

【００２６】さらに、図６に示す第３実施例は、前記実
施例における三方切替弁７８、連通管７６及び連通孔８
２を設ける不便を解消したもので、内筒体６８の外周面
に周方向へ環状凹部８７を形成したもので、図７に示す
ように、内筒体６８が押し下げられると環状凹部８７に
シールリング８０が進入し、環状凹部８７がアダプター
６５内と連通して外筒体６９と内筒体６８間にガス流路
を形成し、よって透孔７０から炭酸ガスが内筒体６８内
に流入し、水道水とともにバルブ筒８３内に流入するよ
うにしたものである。

【００２７】なお、図８に示す第４実施例は、三方切替
弁７８に一端部を接続した連通管７６を炭酸ガスカート
リッジの配管９の接続部９ａに接続した例を示し、これ
により、ディスペンスヘッド２に連通孔８２を穿孔しな
くとも環状凹部８６に炭酸ガスを供給でき、その接続部
９ａの僅かな改良で足りる効果がある。

【００２８】なお、図１に示すビールディスペンサ６４
ａのディスペンサ本体４は、前記従来のビールディスペ
ンサ６４とは異なる構造を有するが、この発明の構成に
影響を与えるものではない。すなわち、洗浄すべきビー
ルディスペンサは図９に示す構造のものであってもよい
ことは勿論である。また、アダプター６５を連結できる
ディスペンスヘッド２であればどのような構造のディス
ペンスヘッドでもよいことはいうまでもない。

【００２９】因みに、図１に示すディスペンサ本体４を
説明すると、略く字形に曲げ形成された曲管１３であっ
て、その上端部と下端部にカプラー部５０，５１が設け
られ、これらのカプラー部５０，５１を結ぶらせん管５
２が長手方向にコイル状態のままで挿入されている。

【００３０】カプラー部５０は曲管１３の下端部に挿入
してネジ５３で固定するブロック５４の下端部内周面に
ネジ部５５を形成し、軸心部に略円錐形の孔５６を穿設
し、上端面に軸心部から軸方向へ突出する管部５７を一
体形成してなる。孔５６の内周面は緩やかな曲線状に形
成してビールの流動抵抗が減少するようにして所要以上
の泡立ちを防止させてあるが、単なる円錐形の孔５６ａ
としてもよい。

【００３１】しかも、管部５７の口径はらせん管５２の
口径と同じサイズとし、らせん管５２をナイロンパイプ
とした場合にその端部を管部５７の外周面に広げて嵌合
させるようにして両者の口径の差異をなくしてある。管
部５７の外周面にはらせん管５２の抜け止めをする段部
が形成されていて、らせん管５２が抜け落ちないように
しているが、必要により従来通り止めリングで締結して
もよい。ネジ部５５には吐出管３がパッキン６３を介在
して連結されることは従来と同じである。

【００３２】カプラー部５１は、曲管１３の上端部に挿
入してネジ５８で固定するブロック５９の一端部側にカ
ラー２６を抜け止めして連結し、口径が大きくて内周面
が曲面を持つ略円錐形の孔６０を穿設し、かつ、この孔
６０と連通して他端部に管部６１を軸方向へ突出して形
成したものである。

【００３３】管部６１は前記管部５７と同じであって、
らせん管５２をナイロンパイプとした場合にその端部を
管部６１の外周面に広げて嵌合させるようにして両者の
口径の差異をなくしてある。管部６１の外周面には抜け
止めのための段部を形成してあるが、必要により従来通
り止めリングで締結してもよい。孔６０の内周面は緩や
かな曲線状に形成してビールの流動抵抗が減少するよう
にして所要以上の泡立ちを防止させてある。この孔６０
は、単なる円錐形の孔としてもよい。

【００３４】そして、らせん管５２はディスペンスヘッ
ド２の吐出管３から略垂直に立ち上がる部分内では、従
来通りらせん状に巻き、曲管１３の水平部から曲げ部に
かけては直管部６２とし、しかも、下方へ傾斜する配置
にした。

【００３５】次に上記実施例の作用に付き説明すると、
ビール樽から取り外したビールディスペンサ６４ａ（又
は６４）にアダプター６５を連結し、その配管６６にホ
ースを介して水道水等の洗浄液供給管を、また、その連
通管７６の一端部をディスペンスヘッド２の連通孔８２
に、それぞれ接続する。洗浄液供給管は水道管に限ら
ず、所定圧力の薬液等を供給できるものであってもよ
い。

【００３６】ついで、ハンドル１２を押し下げることに
より、バルブ筒８３が下降して内筒体６８をスプリング
７１の力に抗して押し下げると、第１実施例では、図３
に示すように、バルブ室８内のシールリング８４，８５
で密閉された環状凹部８６がアダプター６５内に連通し
て炭酸ガスが連通孔８２を介し連通管７６内に流入でき
る状態となる。

【００３７】そこで、切替コック７７を操作して水道水
と炭酸ガスとをアダプター６５内に同時に流入させる
と、水道水と炭酸ガスはビールディスペンサ６４ａの孔
５６を経てらせん管５２内に流入し、炭酸ガスは気泡状
となって振動を生じさせながら内壁に付着する物質を剥
離させてらせん管５２内を通過し、孔６０からカラン６
に達し、ハンドル５を開操作すれば水道水と共に外部に
排出される。また、切替コック７７を操作して炭酸ガス
の供給を停止し、水道水のみをビールディスペンサ６４
ａ内に供給して洗浄してもよい。

【００３８】そして、最後に切替コック７７を操作して
水道水の供給を停止し、炭酸ガスのみを供給してビール
ディスペンサ６４ａ内に残存する水道水をカラン６から
外部に排出して洗浄を終えるのである。

【００３９】また、第２実施例では、図４に示すよう
に、ハンドル１２を押し下げることにより、バルブ筒８
３が下降して内筒体６８をスプリング７１の力に抗して
押し下げると、環状凹部８６とアダプター６５内部とが
連通し、溝８８を介して外筒体６９と内筒体６８の間か
ら透孔７０を経て内筒体６８の内部に炭酸ガスが流入で
きる。そこで、洗浄液供給管のコック及び配管９の減圧
弁１１をそれぞれ操作して水道水と炭酸ガス又は水道水
のみをビールディスペンサ６４ａ内に供給して洗浄した
後、炭酸ガスのみをビールディスペンサ６４ａ内に供給
して残存する水道水を外部に排出させることができる。

【００４０】さらに、第３実施例では、図７に示すよう
に、ハンドル１２を押し下げることにより、バルブ筒８
３が下降して内筒体６８をスプリング７１の力に抗して
押し下げると、環状凹部８６とアダプター６５内部とが
連通し、外筒体６９と内筒体６８の間から透孔７０を経
て内筒体６８の内部に炭酸ガスが流入できる。そこで、
切替コック７７を操作して水道水と炭酸ガス又は水道水
のみをビールディスペンサ６４ａ内に供給して洗浄した
後、炭酸ガスのみをビールディスペンサ６４ａ内に供給
して残存する水道水を外部に排出させることができる。

【００４１】なお、第４実施例では、連通管７６が配管
９，６６に接続されてアダプター６５が完成しているの
で、連通管７６の一端部をディスペンスヘッド２に接続
することなく、単にアダプター６５にディスペンスヘッ
ド２を載置して切替コック７７を操作することで前記の
ような洗浄ができる。

【００４２】かくして、洗浄液としての水道水又は水道
水と所定圧力の炭酸ガスの流通により、管や孔及び部品
間に残存するビール及びその他の異物が短時間で除去さ
れ、最後に炭酸ガスのみを供給することにより、ビール
ディスペンサ内部に残存する水道水が短時間で除去でき
る。

【００４３】

【発明の効果】以上説明したこの発明によれば、アダプ
ターを介し洗浄液又は洗浄液と圧縮ガスをビールに代え
てビールディスペンサに供給することにより、部品間の
隙間や細いらせん管内に残留するビール及びその他の異
物等を、圧縮ガスの気泡による振動で剥離するととも
に、洗浄液で洗浄しながら外部に排出させることがで
き、したがって短時間で完全な洗浄ができる。

【００４４】しかも、圧縮ガスはビールディスペンサに
備え付けられた炭酸ガスカートリッジのものを使用する
ことができるために、大型の炭酸ガスボンベ等を使用す
る必要性もなく、したがって家庭においても軽便に洗浄
できるために、ミニ樽の各家庭への普及が期待できる。

【００４５】その上、圧縮ガスのみによって洗浄後に内
部に残存する水道水又は洗浄液を完全に追い出すことが
できるから、洗浄後直ちに使用してもよく、したがって
頗る便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例を示す断面正面図

【図２】図１の要部断面正面図

【図３】図２の作用説明図

【図４】この発明の第２実施例を示す要部断面正面図

【図５】図４の部分断面平面図

【図６】この発明の第３実施例を示す要部断面正面図

【図７】図６の作用説明図

【図８】この発明の第４実施例を示す要部側面図

【図９】ビールディスペンサの使用状態説明図

【図１０】従来のビールディスペンサの断面正面図

【図１１】従来のビールディスペンサ洗浄用アダプター
の断面正面図

【図１２】図１０の作用説明図

【符号の説明】

１…ビール樽 ２…ディスペンスヘッド ４…ディスペンサ本体 ６４，６４ａ…ビールディスペンサ ６５…アダプター ６６…配管 ６７…連通管 ６８…内筒体 ６９…外筒体 ７０…透孔 ７１…スプリング ７５…ビールディスペンサ洗浄装置 ７７…切替コック ７８…三方切替弁 ８０，８１…シールリング ８２…連通孔 ８６，８７…環状凹部 ８８…溝

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ビール樽から取り外したビールディスペ
   ンサのディスペンスヘッドに、カップ内に外筒体と有底
   内筒体とが同軸でそれらの間にシールリングを介在する
   とともに、前記内筒体が弾機で上方へ付勢されて嵌合
   し、ディスペンスヘッドのハンドルを操作して前記有底
   内筒体が前記外筒体から軸方向へ移動して開く透孔を前
   記有底内筒体に穿設してなるアダプターを接続し、該ア
   ダプターの配管に水道管等の洗浄液供給管とディスペン
   スヘッドに接続してある所定圧力の圧縮ガスの連通管と
   を三方切替弁を介しアダプター内に流入可能に接続し、
   洗浄液又は洗浄液とガスにてビールが流通するビールデ
   ィスペンサ内部を洗浄した後、ガスのみをビールディス
   ペンサ内部に供給して残存する洗浄液を排出することを
   特徴とするビールディスペンサ洗浄方法。
2. 【請求項２】 洗浄液供給管と接続する配管を備えたカ
   ップ内に筒状の外筒体が固定して収納され、この外筒体
   内に有底筒体からなる内筒体がスプリングにて上部の開
   口部側へ付勢されて同軸で収納されるとともに、該内筒
   体の側壁部に透孔を穿設し、該透孔の下部にシールリン
   グを設けてなるアダプターを、ビール樽から取り外した
   ビールディスペンサのディスペンスヘッドに連結し、該
   アダプター内に洗浄液を導入しディスペンスヘッドに供
   給してビールが流通するビールディスペンサ内部を洗浄
   するようにしたビールディスペンサ洗浄装置において、
   前記配管に切替コックを有する三方切替弁を設け、該三
   方切替弁と前記ディスペンスヘッドのバルブ室とを連通
   する連通管を設けるとともに、前記透孔の上方において
   前記内筒体と外筒体間にシールリングを介在させたこと
   を特徴とするビールディスペンサ洗浄装置。
3. 【請求項３】 洗浄液供給管と接続する配管を備えたカ
   ップ内に筒状の外筒体が固定して収納され、この外筒体
   内に有底筒体からなる内筒体がスプリングにて上部の開
   口部側へ付勢されて同軸で収納されるとともに、該内筒
   体の側壁部に透孔を穿設し、該透孔の下部にシールリン
   グを設けてなるアダプターを、ビール樽から取り外した
   ビールディスペンサのディスペンスヘッドに連結し、該
   アダプター内に洗浄液を導入しディスペンスヘッドに供
   給してビールが流通するビールディスペンサ内部を洗浄
   するようにしたビールデイスペンサ洗浄装置において、
   前記内筒体の外周面に軸方向の溝を形成し、該溝を介し
   て前記ディスペンスヘッドに接続された圧縮ガスを前記
   アダプター内に導入するようにしたことを特徴とするビ
   ールディスペンサ洗浄装置。
4. 【請求項４】 洗浄液供給管と接続する配管を備えたカ
   ップ内に筒状の外筒体が固定して収納され、この外筒体
   内に有底筒体からなる内筒体がスプリングにて上部の開
   口部側へ付勢されて同軸で収納されるとともに、前記内
   筒体の側壁部に透孔を穿設し、該透孔の下部にシールリ
   ングを設けてなるアダプターを、ビール樽から取り外し
   たビールディスペンサのディスペンスヘッドに連結し、
   該アダプター内に洗浄液を導入しディスペンスヘッドに
   供給してビールが流通するビールディスペンサ内部を洗
   浄するようにしたビールディスペンサ洗浄装置におい
   て、前記配管に切替コックを有する三方切替弁を設け、
   該三方切替弁と前記ディスペンスヘッドのバルブ室とを
   連通する連通管を設けるとともに、前記透孔の上方にお
   いて前記内筒体と外筒体間にシールリングを介在させ、
   かつ、前記内筒体の外周面に前記上方のシールリングが
   進入して内筒体と外筒体間にガス流路を形成する環状凹
   部を形成してなることを特徴とするビールディスペンサ
   洗浄装置。