JPH0947171A - 海苔網の酸処理船および海苔の刈取り船ならびに海苔の刈取り酸処理船 - Google Patents

海苔網の酸処理船および海苔の刈取り船ならびに海苔の刈取り酸処理船

Info

Publication number
JPH0947171A
JPH0947171A JP7202310A JP20231095A JPH0947171A JP H0947171 A JPH0947171 A JP H0947171A JP 7202310 A JP7202310 A JP 7202310A JP 20231095 A JP20231095 A JP 20231095A JP H0947171 A JPH0947171 A JP H0947171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seaweed
hull
propulsion
ship
acid treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7202310A
Other languages
English (en)
Inventor
Rikio Tomita
力雄 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichimo Co Ltd
Original Assignee
Nichimo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichimo Co Ltd filed Critical Nichimo Co Ltd
Priority to JP7202310A priority Critical patent/JPH0947171A/ja
Publication of JPH0947171A publication Critical patent/JPH0947171A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cultivation Of Seaweed (AREA)
  • Harvesting Machines For Specific Crops (AREA)
  • Edible Seaweed (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 前進および方向転換のために必要な所望の推
進力を容易に得ることができるとともに、海苔の刈取り
またはこの海苔の刈取り後の海苔網の酸処理あるいはこ
れらの海苔の刈取りと酸処理の両方の動作を自動的に効
率良く行うことができ、省人、省力化を図ることのでき
る海苔網の酸処理船および海苔の刈取り船ならびに海苔
の刈取り酸処理船を提供することを目的とする。 【解決手段】動力推進機構5と、海苔網1に対して酸処
理を施す酸処理機構30と、海面部分に展張されている
前記海苔網1を船体4の船首部の上方へ導びく前部案内
部材16と、前記海苔網1を前記船体4の船首部から後
部へ導く上部案内部材17と、船底の前方部または後方
部の少なくとも一方に配設され油圧力に基づいて船長方
向への推進力を発生させる船長方向推進機構11とを有
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海苔養殖場におい
て海面部分に展張されている海苔網に効果的かつ効率的
な酸処理を施す海苔網の酸処理船と、前記海苔網から海
苔を効率的かつ自動的に刈取る海苔の刈取り船と、前記
海苔網から海苔を自動的に刈取るとともに効果的かつ効
率的な酸処理を施す海苔の刈取り酸処理船に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、海苔養殖は海苔網に浮子を取付
けて海面に浮かすように展張して錨で止める浮き流し方
式や海中に立設した支柱に海苔網を展張した支柱方式に
よって行なわれている。
【0003】このような海苔養殖においては、海苔網か
らの海苔の刈取りを能率良く行なう必要があり、本出願
人は特公昭60−52036号公報により、それまでの
刈取り方式の問題点を解決した海苔刈取り船を提案して
いる。すなわち動力推進機構により自力推進しながら、
先端部が海中に没入している前部案内部材を海面部分に
展張されている海苔網の下方へ入れて、自動的に海苔網
を海面から連続的に掬い上げ、船体に設けた刈取り機構
により海苔網から海苔を刈取ることにより、従来の問題
点を解消して、効率よく海苔の刈取りを行なうとともに
その省力化を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、健康な海苔を育
成し、収穫率を向上させるために刈取り後の海苔網に酸
処理を施している。
【0005】従来の通常の酸処理方法は、海面部に展張
されている海苔網を、一旦船上に揚げて酸処理槽中に所
定時間浸漬させ、再び海面部に展張するものである。こ
の通常の方法では、海苔網を側綱等に結着しておく紐等
をゆるめたり結んだりしなければならず、作業性が悪い
ものであった。
【0006】そのため、従来から船で海苔を刈取った後
に、当該船上で酸処理剤を海苔網に噴射したり、海苔網
を酸処理槽中を通過させたりして、酸処理を施してい
た。
【0007】しかしながら、この船上における従来の酸
処理方法においては、海苔網は酸処理を受けた後に短時
間で海水中に再展張されるため、十分な酸処理時間をか
けられず、前記した浸漬方法に比較して効果的な酸処理
はできなかった。
【0008】また、従来の前記動力推進機構は、ディー
ゼルエンジンやガソリンエンジンを駆動源として、この
駆動力を伝達する動力伝達手段を介して左右一対のプロ
ペラを回転駆動させる構成とされており、船体を前進さ
せるための推進力を得る場合には左右両方のプロペラを
回転駆動させ、船体を右方向または左方向へ方向転換さ
せるための推進力を得る場合には左または右のプロペラ
のみを回転駆動させるようになっていた。
【0009】しかしながら、このようなディーゼルエン
ジンやガソリンエンジンを駆動源とする機構において
は、高速推進する場合には適しているが、低速で推進し
つつ高出力を発揮することを必要とする場合には必ずし
も適しているとはいえない。このため、前記海苔網を水
面から船上に引き揚げるときの荷重抵抗や海苔網と船体
との摩擦抵抗に抗しつつ、高出力でかつ低速により前方
へ推進しあるいは船体を左右方向へ転換させる場合に
は、エンジンが停止してしまって所望の推進力を得られ
なっかたり、燃費が悪くなったり、さらに通常よりもエ
ンジンに過負荷がかかるためエンジン寿命の低下につな
がってしまうという問題があった。
【0010】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、前進および方向転換のために必要な所望の推進
力を容易に得ることができるとともに、海苔の刈取りま
たはこの海苔の刈取り後の海苔網の酸処理あるいはこれ
らの海苔の刈取りと酸処理の両方の動作を自動的に効率
良く行うことができ、省人、省力化を図ることのできる
海苔網の酸処理船および海苔の刈取り船ならびに海苔の
刈取り酸処理船を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために請求項1の海苔網の酸処理船は、動力推進機構に
加えて、油圧力に基づいて船長方向への推進力を発生さ
せる船長方向推進機構を船底の前方部または後方部の少
なくとも一方に配設し、前記動力推進機構による前方へ
の推進力に加えて船長方向推進機構による船体の長手方
向に対する前方および後方である、いわゆる船長方向へ
の推進力によって推進するため低速高出力の推進ができ
海苔網の酸処理を効率的に行なうことができることを特
徴としている。
【0012】また、請求項2に記載の海苔の刈取り船
は、動力推進機構に加えて、油圧力に基づいて船長方向
への推進力を発生させる船長方向推進機構を船底の前方
部または後方部の少なくとも一方に配設し、前記動力推
進機構による前方への推進力に加えて船長方向推進機構
による船体の長手方向に対する前方および後方である、
いわゆる船長方向への推進力によって推進するため低速
高出力の推進ができ海苔の刈取りを効率的に行なうこと
ができることを特徴としている。
【0013】また、請求項3に記載の海苔の刈取り酸処
理船は、動力推進機構に加えて、油圧力に基づいて船長
方向への推進力を発生させる船長方向推進機構を船底の
前方部または後方部の少なくとも一方に配設し、前記動
力推進機構による前方への推進力に加えて船長方向推進
機構による船体の長手方向に対する前方および後方であ
る、いわゆる船長方向への推進力によって推進するため
低速高出力の推進ができ海苔の刈取りおよび海苔網の酸
処理を効率的に行なうことができることを特徴としてい
る。
【0014】また、請求項4に記載の海苔網の酸処理船
は、請求項1において、動力推進機構に加えて、前記船
長方向推進機構を船底の前方部または後方部のいずれか
一方に配設し、他方には油圧力に基づいて船体の横方向
への推進力を発生させる横方向推進機構を配設し、前記
動力推進機構による前方への推進力に加えて船長方向推
進機構による船長方向への推進力によって推進するとと
もに、横方向へも油圧力に基づく推進力により推進する
ため低速高出力の推進ができ海苔網の酸処理を効率的に
行なうことができることを特徴としている。
【0015】また、請求項5に記載の海苔の刈取り船
は、請求項2において、動力推進機構に加えて、前記船
長方向推進機構を船底の前方部または後方部のいずれか
一方に配設し、他方には油圧力に基づいて船体の横方向
への推進力を発生させる横方向推進機構を配設し、前記
動力推進機構による前方への推進力に加えて船長方向推
進機構による船長方向への推進力によって推進するとと
もに、横方向へも油圧力に基づく推進力により推進する
ため低速高出力の推進ができ海苔の刈取りを効率的に行
なうことができることを特徴としている。
【0016】また、請求項6に記載の海苔の刈取り酸処
理船は、請求項3において、動力推進機構に加えて、前
記船長方向推進機構を船底の前方部または後方部のいず
れか一方に配設し、他方には油圧力に基づいて船体の横
方向への推進力を発生させる横方向推進機構を配設し、
前記動力推進機構による前方への推進力に加えて船長方
向推進機構による船長方向への推進力によって推進する
とともに、横方向へも油圧力に基づく推進力により推進
するため低速高出力の推進ができ海苔の刈取りおよび海
苔網の酸処理を効率的に行なうことができることを特徴
としている。
【0017】また、請求項7に記載の海苔網の酸処理船
は、請求項1において、前記船長方向推進機構を油圧力
に基づいて回転する推進プロペラから構成するととも
に、この推進プロペラを船体を方向転換できるようにそ
の回転軸に平行な鉛直面に対し左右方向へ回動すること
のできる制御部を有し、前記船体を船長方向あるいは横
方向へ自在に推進させるため、より効率的に海苔網の酸
処理を行なうことができることを特徴としている。
【0018】また、請求項8に記載の海苔の刈取り船
は、請求項2において、前記船長方向推進機構を油圧力
に基づいて回転する推進プロペラから構成するととも
に、この推進プロペラを船体を方向転換できるようにそ
の回転軸に平行な鉛直面に対し左右方向へ回動すること
のできる制御部を有し、前記船体を船長方向あるいは横
方向へ自在に推進させるため、より効率的に海苔の刈取
りを行なうことができることを特徴としている。
【0019】また、請求項9に記載の海苔の刈取り酸処
理船は、請求項3において、前記船長方向推進機構を油
圧力に基づいて回転する推進プロペラから構成するとと
もに、この推進プロペラを船体を方向転換できるように
その回転軸に平行な鉛直面に対し左右方向へ回動するこ
とのできる制御部を有し、前記船体を船長方向あるいは
横方向へ自在に推進させるため、より効率的に海苔の刈
取り酸処理を行なうことができることを特徴としてい
る。
【0020】
【実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図1から
図9について説明する。
【0021】図1から図5は本発明の海苔網の酸処理船
の実施の一形態を示している。
【0022】本実施の一形態は、浮き流しと称される養
殖方法に用いられる海苔網1に酸処理を施す場合を示し
ている。
【0023】この海苔網1は図示しない錨に繋留されて
いる多数の浮子2,2…に綱3をもって締結されて海面
に浮くようにして展張されている。
【0024】本実施の一形態の海苔網1の酸処理船は、
船体4の後方下部に動力推進機構5を備えており、さら
に前記船体4の船底の前方部および後方部の2ヵ所に船
長方向推進機構6を備えている。このうち、前記動力推
進機構5は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等
を駆動源(図示せず)とし、この駆動源により発生した
動力を動力伝達手段10(図示せず)により伝達し、こ
の伝達動力により回転されて推進力を発生させる左右1
対のプロペラ5aから構成されている。この左右1対の
両方のプロペラ5aを回転させることにより、前記船体
4が前進されるようにされており、前記左右1対のプロ
ペラ5aのうちの一方のみを回転させることにより、前
記船体4の船首を右方向あるいは左方向へ回動させて方
向転換されるようになっている。
【0025】一方、前記船長方向推進機構6は、図3の
ブロック図に示すように、油圧エネルギを発生させる油
圧源7、この油圧エネルギを機械エネルギに変換する油
圧アクチュエータ8、前記油圧源7から前記油圧アクチ
ュエータ8に伝達される油圧エネルギを制御する油圧エ
ネルギ制御部9、前記油圧アクチュエータ8により変換
された機械エネルギを推進プロペラ11へ伝達する伝動
手段、およびこの機械エネルギにより回転し船長方向、
つまり船体4の長手方向の前方または後方への推進力を
発生させる推進プロペラ11から構成される。
【0026】より具体的に説明すると、前記油圧源7に
は、電動機により駆動されて一定圧力を供給する定圧力
ポンプや一定流量を供給する定流量ポンプ等が使用され
ており、この油圧源7が作動油を送給管中に流すことで
発生する油圧エネルギにより、油圧シリンダや油圧モー
タからなる前記油圧アクチュエータ8が駆動されて回転
トルクを発生させる。この油圧アクチュエータ8は、特
に、低速で高出力の得られるラジアルピストン形の星形
の低速高トルクモータ等を使用するとよい。この油圧エ
ネルギから機械エネルギを発生させる回転トルクへ変換
する際には、前記油圧エネルギ制御部9が種々の油圧弁
を用いて油圧回路中の圧力制御や、作動油の流量制御、
あるいは作動油の流れの方向の制御を行なうようにされ
ている。そして、前記伝動手段は、遊星歯車機構やロー
ラチェーンまたはVベルト等により構成されており、前
記油圧アクチュエータ8により発生した所望の回転トル
クを前記推進プロペラ11に伝達して、この推進プロペ
ラ11の回転により前記船体4を船長方向へ推進させる
推進力が得られるようにされている。
【0027】また、図4の(a)、(b)および(c)
に示すように、前記船体4の船底の前方部および後方部
は、水抵抗による影響が大とならない程度に隆起された
推進プロペラ配設部12に形成されており、この推進プ
ロペラ配設部12の前記船体4の船長方向の中心線に対
応する位置には、前記推進プロペラ11を嵌入するため
の推進プロペラ嵌入孔13が形成されている。前記推進
プロペラ11の外周には、推進プロペラ嵌合部材14が
嵌合されており、個々の推進プロペラ11の縁端部が前
記推進プロペラ嵌合部材14の内周面と固着するように
溶接されている。さらに、前記推進プロペラ嵌合部材1
4の外周には、前記遊星歯車機構と噛合するための歯車
が形成されているか、あるいは前記ローラチェーンを巻
回するためのスプロケット、またはVベルトを巻回する
ためのV溝が形成されている。そして、前記推進プロペ
ラ嵌合部材14と一体的に固着された前記推進プロペラ
11は、前記推進プロペラ配設部12の推進プロペラ嵌
入孔13へ図示しない玉軸受等により回転自在に配設さ
れ、前記伝動手段からの回転トルクを受けて回転するよ
うにされている。
【0028】なお、前記推進プロペラ11と前記推進プ
ロペラ嵌合部材14とは、別途製造されて溶接等により
一体的に形成されると説明したが、これらを金型等によ
り当初から一体成形されるものとしてもよい。
【0029】このような油圧機器としての船長方向推進
機構6は、無段変則装置としての特性、すなわち力やト
ルク、速度等を広範囲にわたり容易に調整できるという
特性を有するため、前記船体4を低速高トルクにより推
進させられ、前記動力推進機構5の欠点を補完する役割
を果たすようにされている。
【0030】また、前記船体4の上部には、パイプ状の
案内部材15が設けられている。前記案内部材15は、
前部案内部材16、上部案内部材17および後部案内部
材18に分割されている。そして、前部案内部材16は
平面形状がU字型に形成されており、このU字型の弯曲
した先端は船首より一定の傾斜で海中に没し、他端は下
向きの脚19により甲板に立脚するとともに、前部案内
部材16の基部は、前記上部案内部材17にボルト20
により着脱自在および回動可能に取付けられている。ま
た、上部案内部材17は、船体4の左右舷側上方に、船
体4の軸線方向と平行に2本に配設されたパイプにより
形成されており、それら2本のパイプは、船体4の軸線
方向と直交する数本の桟21により相互に連結されると
ともに、脚22により船体4に固定されている。
【0031】そして、上部案内部材17は、前記前部案
内部材16により掬い上げられた海苔網1が円滑に船体
後部へ導びかれるように前部案内部材16と連続した曲
線、もしくは、直線を形成するように構成されている。
【0032】この上部案内部材17の後端部の左右両側
には、それぞれ図5に示すような長手方向に伸縮自在な
後部案内部材18が固着されている。この後部案内部材
18は、複数本(本実施の一形態では4本)の次第に小
径とされるパイプ23a,23b,23c,23dを同
軸状に入子式として伸縮自在に形成されており、最外側
のパイプ23aを上部案内部材17の後端部に固着され
ている。内側の3本のパイプ23b,23c,23dの
先端下面側には、それぞれ下端に浮子24bが固着され
ている剛性の有るロッド24aの上端を螺着脱自在とす
るナット体25が固着されている。最内側のパイプ23
dの先端には、図6に示すように、各パイプ23b,2
3c,23dを引出す際に海苔網1の側綱等に引掛ける
フック26が軸27をもって枢着されており、このフッ
ク26とパイプ23dの側面との間には、フック26に
過大な力が作用した時に同図時計方向に回動することを
許容するクリック機構29が介装されている。この後部
案内部材18の各パイプ23b,23c,23dの最大
伸長時の全長は、後述する酸処理機構30の部分におい
て酸処理を施された海苔網1が、少なくとも船の進行に
伴って後部案内部材18の後端部まで相対移動する間
に、十分な酸処理効果を施す時間だけ空中に浮上させる
ことのできる長さとされている。
【0033】また、各パイプ23b,23c,23dを
最大伸長状態から引戻すために各パイプ23a,…23
dの中心部にワイヤ28bを挿通させ、そのワイヤ28
bの一端を最内側のパイプ23dに固着し、ワイヤ28
bの他端を引戻し専用のモータ17に連結させている。
【0034】また、前記前部案内部材16、上部案内部
材17および後部案内部材18の幅は海苔網1の幅とほ
ぼ同一か、それよりも大きくするとよい。
【0035】前記前部案内部材16は前記のように、ボ
ルト20部分において分割および回動可能とされている
方が、船の養殖場への往復時に、前部案内部材16を海
中より引上げることができ、海水の抵抗を受けることが
なく、また碇泊時における前部案内部材16の損傷、破
壊を防止する意味で好ましいが、分割せずに全てを固定
しておいても、酸処理作業には、本質的に問題はない。
また、前部案内部材16の先端形状はU字型に限らずV
字型など海面に浮かんでいる海苔網1を船体4の前進に
伴ない、円滑に掬い上げ得る形状であればよいので、特
に限定されるものではない。
【0036】また、前記後部案内部材18は、その設置
を省略してもよい。
【0037】前記上部案内部材17の船首傾斜部の後方
には、海苔網1に酸処理を施す酸処理機構30が設けら
れている。この酸処理機構30は上部案内部材17の幅
全体に亘って横架した酸処理パイプ31の多数の噴射孔
32より、海苔網1の下面側から酸処理液を噴射して酸
処理するように形成されている。この酸処理パイプ31
へは、図7に示すように、船体4上に設けた酸処理液槽
33からポンプ34により送給管35を通して酸処理液
41が圧送されるようになっており、この酸処理液槽3
3内の酸処理液41の酸濃度を所定値に保持するために
酸処理液41のpHを検出するpHセンサ37と、pHセンサ
37の検出値に応じて酸剤を酸処理液槽33内へ供給す
る酸剤供給系38と、海水やアルカリ溶液等の希釈液を
酸処理液槽33内へ供給する希釈液供給系39とが設け
られている。
【0038】両供給系33,34は共に、酸液タンク4
0および希釈液タンク43内の酸および希釈液をポンプ
41,44により、送給管42,45を通して酸処理液
槽33内へ必要量供給するようになっている。また、酸
としては海苔の酸処理に用いられている無機酸、有機酸
の中から適宜に選出して調合したものを用いるとよい。
また、アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等を用いるとよい。
【0039】また、船体4において、酸処理機構30の
酸処理パイプ31が設置された位置より船の進行方向前
後に亘って甲板を二重甲板として、使用した酸処理液を
回収できるように断面略矩形の槽55が形成されてお
り、必要に応じて循環用のポンプを設置し、酸処理機構
30の送給管35へ配管接続することにより、酸処理液
を循環使用することができるようにされている。さら
に、この槽55へ使用した酸処理液を回収するようにす
ることで、不必要に海へ酸処理液を垂れ流すことがな
く、公害の発生原因となることを防止することもでき
る。そして、船体4の中央部には収穫した海苔等を納め
る収納部64が、少なくとも酸処理液が混入するのを防
止するように酸処理機構30およびそれより船尾部と隔
離して設けられている。
【0040】この酸処理機構30の海苔網1の進行方向
下流位置には、海苔の細胞内への酸処理液41の浸透速
度を速くする浸透促進機構46が設けられている。この
浸透促進機構46は、図2および図8に示すように、上
部案内部材17の幅全体に亘って配設された浸透槽47
の浸透液48中に、走行する海苔網1を押えローラ機構
49をもって上方より押えるようにして浸漬させるよう
に形成されている。この押えローラ機構49は軸部材5
0にローラ51を回転自在に外装したものであり、軸部
材50の基端部を浸透槽47の架台部に枢着させ、起倒
自在に形成されている。浸透液48としては、酸処理液
41が海苔の細胞膜を透して細胞内へ浸透するのを促進
できるものであればよい。また、この浸透槽47内には
超音波発振体52が設けられている。この超音波発振体
52は超音波をもって酸処理液41の海苔の細胞内への
浸透速度をさらに増速させ、かつ、海苔表面に付着して
いる汚れを洗浄する。
【0041】また、浸透促進機構46中にオゾン発生装
置等を配設して、葉体に付着している雑菌を殺菌する殺
菌機構53が設けられている。また、他の殺菌機構とし
ては、紫外線を海苔網1に照射するように形成してもよ
い。
【0042】また、船体4の最後尾には操舵室54が設
けられており、この操舵室54の高さは、海苔網1の案
内部材15上の走行を妨げないように、案内部材15の
高さより低くなっており、操舵室54内には動力推進機
構5、船長方向推進機構6、酸処理機構30、超音波発
振体52、殺菌機構53の動作を指令管理する制御部を
備えており、全てこの操舵室54内で操作を行なうこと
が最も好ましいものである。
【0043】次に、本実施の一形態による海苔網1の酸
処理方法を説明する。
【0044】先ず、ガソリンエンジン等からなる高速推
進可能な動力推進機構5を駆動させて、船体を波止場か
ら海苔網1が展張されている海苔養殖場まで移動させ
る。海苔養殖場に到着したら、案内部材15のうち前部
案内部材16のみを前方に延出させ、他方の1対の後部
案内部材18は最短となるように収縮させておき、次に
船体4を海苔網1の張設延長方向より、油圧駆動する推
進プロペラ11を回転駆動して自力推進力により低速で
進入させ、先端を海中に没入させた前部案内部材16に
より海苔網1を海面から連続的に掬い上げ、船の低速高
出力による自力前進に伴い海苔網1を上部案内部材17
に沿って船体後部へ導びく。さらに、海苔網1の後端部
が収縮状態の後部案内部材18の後端部に達したら、パ
イプ23dの後端に取付けられているフック26を海苔
網1の側綱等に引掛け、海苔網1の後方への相対移動に
伴って後部案内部材18の各パイプ23d,23c,2
3bを順番に後方へ引出して行く。各パイプ23d,2
3c,23bが最長に繰出されると、フック26に過大
な力が加わり、クリック機構29が外れてフック26が
軸27を中心として回動して、フック26と海苔網1と
の係合が解かれる。以後は、海苔網1だけが後方へ移動
して行き、後部案内部材18の後端部から再び海面に戻
される。
【0045】その間に前部案内部材16に沿って移動す
る海苔網1に対して酸処理機構30により酸処理を施
し、その後後部案内部材18の後端部まで相対移動する
間に酸処理剤を海苔の細胞内に十分に浸透させ、また、
葉体に付着している雑菌を殺菌する。
【0046】本実施の一形態における酸処理機構30に
よる酸処理は、酸処理パイプ31の各噴射孔32から噴
射される酸処理液が海苔網1の全幅に亘って均一に被着
されることとなり、処理むらが発生しない。また、酸処
理効果が極めて高いものとなり、さらにpHセンサ37、
酸剤供給系38および希釈液供給系39により酸処理剤
のpHを所定値に保持するため、常に良好な酸処理を施す
ことができる。
【0047】さらに、本実施の一形態においては、浸透
促進機構46により酸処理剤の海苔の細胞内への浸透速
度を大きくしているため、海苔網1が後部案内部材18
の後端部より海水中へ再没入されるまでの時間をさらに
短縮しても、十分な酸処理効果が発揮されることとな
る。また、超音波発振体52による洗浄作用および殺菌
機構53による殺菌作用により、酸処理効果が一段と高
められる。
【0048】前述のごとく、前記案内部材15の先端を
海中に没入させて海苔網1を海面から連続的に掬い上げ
る際には、船長方向推進機構6たる前記推進プロペラ1
1を回転駆動して低速高出力により船体4を前進させて
いるが、より大きな駆動トルクを得たい場合や船首を転
回させたい場合には、前記動力推進機構5のプロペラ5
aも駆動するようにする。
【0049】また、前記刈取り機構61による海苔の刈
取りや酸処理機構30による海苔網1の酸処理を施す際
に、船体4の前方へ進行するのみならず後方へ後退する
必要が生じた場合には、前記船長方向推進機構6の油圧
エネルギ制御部9が、油圧源7から油圧アクチュエータ
8へ圧送される作動油の流れを、逆方向へ流れるように
切換制御し、前記推進プロペラ11を逆方向へ回転し船
体4を後方へ推進する。
【0050】このように本実施の一形態においては、油
圧駆動する船長方向推進機構6によって、船体4を低速
高トルクで推進することができるため、海苔網1を船上
に掬い上げる際に生じる負荷抵抗や摩擦抵抗に抗して高
トルクで船体4を自在に推進させることができるし、低
速により海苔や海苔網1を損傷することもない。さら
に、場合によっては、前記船長方向推進機構6を逆回転
させることにより船体4を後方へ推進させることもでき
る。
【0051】また、船体4を推進させるだけで、前部案
内部材16によって海水中に展張されている海苔網1を
船上に掬い上げ、効果的な酸処理を自動的に施して、再
び海水中に展張させることができ、海苔の収穫率を向上
させるとともに、海苔の健康的な育成を促がすことがで
き、作業効率を向上させ、省人、省力化を図ることがで
きる。
【0052】さらに、本実施の一形態においては、モー
タ17によってワイヤ28bを巻戻すことにより、後部
案内部材18の各パイプ23b,23c,23dを最外
側のパイプ23a内に収納させることができ安全であ
り、しかも各パイプ23b,23c,23dの最大伸長
長さを船体4の船長より自由に長くすることができるた
め、酸処理を確実かつ有効に実行することができる。
【0053】また、本実施の一形態においては、必要に
応じて適宜の刈取り機構61を酸処理機構30の前に設
置することにより、海苔の刈取り船および海苔の刈取り
酸処理船として利用することもできる。
【0054】なお、前記実施の一形態においては酸処理
機構30として酸処理液を海苔網1に噴射するようにし
たが、例えば浸透促進機構46と同様にして海苔網1を
酸処理液中に浸着させるようにしたり、ローラにより酸
処理液を海苔網1に塗布するようにしてもよい。
【0055】また、前記船長方向推進機構6は船体4の
船底の前方部および後方部の2ヵ所に配設するように構
成されているが、これを酸処理に必要な駆動トルク量と
コスト面とを比較考慮して、船底の前部または後部のい
ずれか一方のみに配設するようにしてもよい。
【0056】つぎに、本発明の海苔網1の酸処理船の他
の実施の一形態について説明する。なお、本実施の一形
態の構成のうち、前述した実施の一形態の構成と同一の
構成については再度の説明を省略する。
【0057】本実施の一形態は、船体4の船底の前方部
および後方部の2ヵ所に配設した船長方向推進機構6の
うち前方部に配設した船長方向推進機構6に代えて、船
体4を左右に方向転換するために横方向への推進力を発
生させるための横方向推進機構56を配設したことを特
徴としている。
【0058】より具体的には、図9の(a)、(b)お
よび(c)に示すように、船体4の船底の前方部が、船
体4の中心線に沿って前方から後方へ水抵抗を抑制する
流線型を有しつつ細長く隆起された横方向用プロペラ配
設部57とされている。この横方向用プロペラ配設部5
7には、船体4の左右方向に貫通する横方向用プロペラ
嵌入孔58が形成されており、この横方向用プロペラ嵌
入孔58に油圧力に基づいて回転する横方向用プロペラ
59が嵌入されるようになっている。この横方向用プロ
ペラ59を回転させるための油圧機構は、図3に示す前
記推進プロペラ11を回転させる油圧機構と同一の構成
を有している。
【0059】このような横方向推進機構56を有する海
苔網1の酸処理船の実施の一形態は、海面に展張された
海苔網1を船上に掬い上げてこの海苔網1に酸処理を施
す作業中に、船体4を船長方向へ推進させるときには、
前記船長方向推進機構6の推進プロペラ11を正方向ま
たは逆方向へ回転させて低速高トルクで前方あるいは後
方に推進し、一方、船首を右方向または左方向へ転回さ
せて方向転換するときには前記横方向推進機構56の横
方向用プロペラ59を正方向または逆方向へ回転して横
方向への推進力を発生させ低速高トルクで船体4を方向
転換する。
【0060】このように本実施の一形態においては、油
圧により駆動する船長方向推進機構6と横方向推進機構
56とによって、船体4を低速高トルクで前後方あるい
は左右方向へ推進することができるため、海苔網1を船
上に掬い上げる際に生じる負荷抵抗や摩擦抵抗に抗して
高トルクで船体4を自在に推進させることができるし、
低速により海苔や海苔網1を損傷することもない。さら
に、船体4の方向転換も前記横方向推進機構56を正方
向または逆方向に回転駆動するだけで容易かつスムーズ
に行なうことができる。
【0061】また、船体4を推進させるだけで、前部案
内部材16によって海水中に展張されている海苔網1を
船上に掬い上げ、効果的な酸処理を自動的に施して、再
び海水中に展張させることができ、海苔の収穫率を向上
させるとともに、海苔の健康的な育成を促がすことがで
き、作業効率を向上させ、省人、省力化を図ることがで
きる。
【0062】さらに、本実施の一形態においては、モー
タ17によってワイヤ28bを巻戻すことにより、後部
案内部材18の各パイプ23b,23c,23dを最外
側のパイプ23a内に収納させることができ安全であ
り、しかも各パイプ23b,23c,23dの最大伸長
長さを船体4の船長より自由に長くすることができるた
め、酸処理を確実かつ有効に実行することができる。
【0063】なお、前述した実施の一形態の説明におい
ては、横方向推進機構56を船底の前方部に配設し、船
長方向推進機構6を船底の後方部に配設する構成として
いるが、この配設位置について横方向推進機構56を船
底の後方部に配設し、船長方向推進機構6を船底の前方
部に配設する構成としてもよい。
【0064】つぎに、本発明の海苔網1の酸処理船の他
の実施の一形態について説明する。なお、本実施の一形
態の構成のうち、前述した実施の一形態の構成と同一の
構成については再度の説明を省略する。
【0065】本実施の一形態は、船体4の船底の前方部
および後方部の2ヵ所に船長方向推進機構6または横方
向推進機構56のいずれの機能をも発揮できるように切
り換えることのできる方向可変推進機構60を配設した
ことを特徴としている。この方向可変推進機構60は、
図10のブロック図に示すように、油圧エネルギを発生
させる油圧源7、この油圧エネルギを機械エネルギに変
換する油圧アクチュエータ8、前記油圧源7から前記油
圧アクチュエータ8に伝達される油圧エネルギを制御す
る油圧エネルギ制御部9、前記油圧アクチュエータ8に
より変換された機械エネルギを伝達する伝動手段、この
機械エネルギにより回転駆動し推進力を発生させる推進
プロペラ11、およびこの推進プロペラ11の角度を変
えることにより船体4の推進方向を切り換える切換制御
部65から構成される。
【0066】より具体的に説明すると、前記油圧源7
は、電動機により駆動される定圧力ポンプや定流量ポン
プ等から構成されており、この油圧源7で発生された油
圧エネルギにより、低速高トルクモータ等の前記油圧ア
クチュエータ8が駆動されて回転トルクを発生させる。
この油圧エネルギを機械エネルギたる回転トルクへ変換
する際には、前記油圧エネルギ制御部9が、種々の油圧
弁を用いて油圧回路中の圧力制御や、作動油の流量制
御、あるいは作動油の流れの方向の制御を行なうように
されている。そして、前記伝動手段は、遊星歯車機構や
ローラチェーンまたはVベルト等により構成されてお
り、前記油圧アクチュエータ8により発生した所望のト
ルクを前記推進プロペラ11に伝達して、この推進プロ
ペラ11の回転により前記船体4を前進させるための推
進力を得るようにされている。この推進プロペラ11お
よび前記伝動手段には、前記切換制御部65が連結され
ており、前記推進プロペラ11をその回転軸に平行な鉛
直面に対し左右方向へ少なくとも180度の角度の範囲
内で切り換えることができるようにされており、これに
より船体4を所望の方向へ推進させることができるよう
になっている。
【0067】また、この切換制御部65の操作は、前記
操舵室54において操作することができるようにされて
いる。
【0068】このような本発明の海苔網1の酸処理船の
実施の一形態は、海面に展張されている前記海苔網1を
船上に掬い上げつつ船体4を推進させて前記海苔網1の
酸処理を行なっている際に、船体4の方向を転換する必
要が生じたときには、前記操舵室54から前記方向可変
推進機構60の切換制御部65に対して方向転換指令を
出し、前記推進プロペラ11をその回転軸に平行な鉛直
面に対し左右方向へ所望の位置に変化させる。これによ
り、前記船体4は前方のみならず左右方向へも低速高ト
ルクで自在に推進することができる。
【0069】つぎに、本発明の海苔の刈取り酸処理船の
実施の一形態を図11から図13および図3から図10
について説明する。
【0070】本実施の一形態は、浮き流しと称される養
殖方法に用いられる海苔網1から海苔を刈取るとともに
酸処理を施す場合を示しており、図1および図2に示さ
れる前述の海苔網1の酸処理船の実施の一形態に、図1
3に示される海苔の刈取り機構61を設置して形成され
ている。
【0071】本実施の一形態の海苔の刈取り酸処理船
は、船体4の後方下部に動力推進機構5を備えており、
さらに前記船体4の船底の前方部および後方部の2ヵ所
には、前述の実施の一形態で説明した船長方向推進機構
6や、横方向推進機構56および方向可変推進機構60
のいずれかの推進機構を備えている。このうち、前記動
力推進機構5は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジ
ン等を駆動源(図示せず)とし、この駆動源により発生
した動力を動力伝達手段10(図示せず)により伝達
し、この伝達動力により回転されて推進力を発生させる
左右1対のプロペラ5aから構成されている。この左右
1対の両方のプロペラ5aを回転させることにより、前
記船体4が前進されるようにされており、前記左右1対
のプロペラ5aのうちの一方のみを回転させることによ
り、前記船体4の船首を右方向あるいは左方向へ回動さ
せて方向転換されるようになっている。
【0072】一方、前記船長方向推進機構6は、図3の
ブロック図に示すように、油圧エネルギを発生させる油
圧源7、この油圧エネルギを機械エネルギに変換する油
圧アクチュエータ8、前記油圧源7から前記油圧アクチ
ュエータ8に伝達される油圧エネルギを制御する油圧エ
ネルギ制御部9、前記油圧アクチュエータ8により変換
された機械エネルギを推進プロペラ11へ伝達する伝動
手段、およびこの機械エネルギにより回転し船長方向、
つまり船体4の長手方向の前方または後方への推進力を
発生させる推進プロペラ11から構成される。
【0073】より具体的に説明すると、前記油圧源7に
は、電動機により駆動されて一定圧力を供給する定圧力
ポンプや一定流量を供給する定流量ポンプ等が使用され
ており、この油圧源7が作動油を送給管中に流すことで
発生する油圧エネルギにより、油圧シリンダや油圧モー
タからなる前記油圧アクチュエータ8が駆動されて回転
トルクを発生させる。この油圧アクチュエータ8は、特
に、低速で高出力の得られるラジアルピストン形の星形
の低速高トルクモータ等を使用するとよい。この油圧エ
ネルギから機械エネルギを発生させる回転トルクへ変換
する際には、前記油圧エネルギ制御部9が種々の油圧弁
を用いて油圧回路中の圧力制御や、作動油の流量制御、
あるいは作動油の流れの方向の制御を行なうようにされ
ている。そして、前記伝動手段は、遊星歯車機構やロー
ラチェーンまたはVベルト等により構成されており、前
記油圧アクチュエータ8により発生した所望の回転トル
クを前記推進プロペラ11に伝達して、この推進プロペ
ラ11の回転により前記船体4を船長方向へ推進させる
推進力が得られるようにされている。
【0074】また、図4に示すように、前記船体4の船
底の前方部および後方部は、水抵抗による影響が大とな
らない程度に隆起された推進プロペラ配設部12に形成
されており、この推進プロペラ配設部12の前記船体4
の船長方向の中心線に対応する位置には、前記推進プロ
ペラ11を嵌入するための推進プロペラ嵌入孔13が形
成されている。前記推進プロペラ11の外周には、推進
プロペラ嵌合部材14が嵌合されており、個々の推進プ
ロペラ11の縁端部が前記推進プロペラ嵌合部材14の
内周面と固着するように溶接されている。さらに、前記
推進プロペラ嵌合部材14の外周には、前記遊星歯車機
構と噛合するための歯車が形成されているか、あるいは
前記ローラチェーンを巻回するためのスプロケット、ま
たはVベルトを巻回するためのV溝が形成されている。
そして、前記推進プロペラ嵌合部材14と一体的に固着
された前記推進プロペラ11は、前記推進プロペラ配設
部12の推進プロペラ嵌入孔13へ図示しない玉軸受等
により回転自在に配設され、前記伝動手段からの回転ト
ルクを受けて回転するようにされている。
【0075】なお、前記推進プロペラ11と前記推進プ
ロペラ嵌合部材14とは、別途製造されて溶接等により
一体的に形成されると説明したが、これらを金型等によ
り当初から一体成形されるものとしてもよい。
【0076】このような油圧機器としての船長方向推進
機構6は、無段変則装置としての特性、すなわち力やト
ルク、速度等を広範囲にわたり容易に調整できるという
特性を有するため、前記船体4を低速高トルクにより推
進させられ、前記動力推進機構5の欠点を補完する役割
を果たすようにされている。
【0077】また、前記船体4の上部には、パイプ状の
案内部材15が設けられている。この案内部材15は、
前部案内部材16、上部案内部材17および後部案内部
材18に分割されている。そして前部案内部材16は平
面形状がU字型に形成されており、このU字型の弯曲し
た先端は船首より一定の傾斜で海中に没し、他端は下向
きの脚19により甲板に立脚するとともに、前部案内部
材16の基部は、前記上部案内部材17にボルト20に
より着脱自在および回動可能に取付けられている。ま
た、上部案内部材17は、船体4の左右舷側上方に、船
体4の長軸線方向と平行に2本に配設されたパイプによ
り形成されており、それら2本のパイプは、船体4の長
軸線方向と直交する数本の桟21により相互に連結され
るとともに、脚22により船体4に固定されている。
【0078】そして、上部案内部材17は、前記前部案
内部材16により掬い上げられた海苔網1が円滑に船体
後部へ導びかれるように前部案内部材16と連続した曲
線、もしくは、直線を形成するように構成されている。
【0079】この上部案内部材17の後端部の左右両側
には、それぞれ図5に示すような長手方向に伸縮自在な
後部案内部材18が固着されている。この後部案内部材
18は、複数本(本実施の一形態では4本)の次第に小
径とされるパイプ23a,23b,23c,23dを同
軸状に入子式として伸縮自在に形成されており、最外側
のパイプ23aを上部案内部材17の後端部に固着され
ている。内側の3本のパイプ23b,23c,23dの
先端下面側には、それぞれ下端に浮子24bが固着され
ている剛性の有るロッド24aの上端を螺着脱自在とす
るナット体25が固着されている。最内側のパイプ23
dの先端には、図6に示すように、各パイプ23b,2
3c,23dを引出す際に海苔網1の側綱等に引掛ける
フック26が軸27をもって枢着されており、このフッ
ク26とパイプ23dの側面との間には、フック26に
過大な力が作用した時に同図時計方向に回動することを
許容するクリック機構29が介装されている。この後部
案内部材18の各パイプ23b,23c,23dの最大
伸長時の全長は、後述する酸処理機構30の部分におい
て酸処理を施された海苔網1が、少なくとも船の進行に
伴って後部案内部材18の後端部まで相対移動する間
に、十分な酸処理効果を施す時間だけ空中に浮上させる
ことのできる長さとされている。
【0080】また、各パイプ23b,23c,23dを
最大伸長状態から引戻すために各パイプ23a,…23
dの中心部にワイヤ28bを挿通させ、そのワイヤ28
bの一端を最内側のパイプ23dに固着し、ワイヤ28
bの他端を引戻し専用のモータ17に連結させている。
【0081】また、前記前部案内部材16、上部案内部
材17および後部案内部材18の幅は海苔網1の幅とほ
ぼ同一か、それよりも大きくするとよい。
【0082】前記前部案内部材16は前記のように、ボ
ルト20部分において分割および回動可能とされている
方が、船の養殖場への往復時に、前部案内部材16を海
中より引上げることができ、海水の抵抗を受けることが
なく、また碇泊時における前部案内部材16の損傷、破
壊を防止する意味で好ましいが、分割せずに全てを固定
しておいても、酸処理作業には、本質的に問題はない。
また、前部案内部材16の先端形状はU字型に限らずV
字型など海面に浮かんでいる海苔網1を船体4の前進に
伴ない、円滑に掬い上げ得る形状であればよいので、特
に限定されるものではない。
【0083】前記上部案内部材17の船首傾斜部の下方
には、従来公知の刈取り機構61が設けられている。こ
の刈取り機構61は、例えば図13に示すように、電動
機(図示せず)などによって回転される軸12に、ほぼ
前部案内部材16と同一の幅を有するL字型の刃63を
放射状に取付け、そのL字型の刃63を回転させること
により海苔網1から垂れ下がる海苔を刈取るものであ
る。この刈取り機構61としては、他に2枚の円盤の外
周間にピアノ線などの線材を張設したものを回転させる
ことにより、張設された線材で海苔を刈取っても良く、
連続して刈取る機構であれば前記に限定されるものでは
ない。
【0084】そして、船体4の中央部には収穫された海
苔を収穫する収納部64が後述する酸処理液が混入する
のを防止するように、酸処理機構30およびそれより船
尾部の甲板と隔離して設けられており、前記刈取り機構
61で刈取られた海苔は、収納部64に納められる。
【0085】また、刈取り機構61の直後には海苔を刈
取られて水切り状態にある海苔網1に酸処理を施す酸処
理機構30が設けられている。この酸処理機構30は上
部案内部材17の幅全体に亘って横架した酸処理パイプ
31の多数の噴射孔32より、海苔網1の下面側から酸
処理液を噴射して酸処理するように形成されている。こ
の酸処理パイプ31へは、図7に示すように、船体4上
に設けた酸処理液槽33からポンプ34により送給管3
5を通して酸処理液41が圧送されるようになってお
り、この酸処理液槽33内の酸処理液41の酸濃度を所
定値に保持するために、酸処理液41のpHを検出するpH
センサ37と、pHセンサ37の検出値に応じて酸剤を酸
処理液槽33内へ供給する酸剤供給系38と、海水やア
ルカリ溶液等の希釈液を酸処理液槽33内へ供給する希
釈液供給系39とが設けられている。
【0086】両供給系33,34は共に、酸液タンク4
0および希釈液タンク43内の酸および希釈液をポンプ
41,44により送給管42,45を通して酸処理液槽
33内へ必要量供給するようになっている。また、酸と
しては海苔の酸処理に用いられている無機酸、有機酸の
中から適宜に選出して調合したものを用いるとよい。ま
た更に、アルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等を用いるとよい。
【0087】また、船体4において、酸処理機構30の
酸処理パイプ31が設置された位置より船の進行方向前
後に亘って甲板を二重甲板として、使用した酸処理液を
回収できるように断面略矩形の槽55が形成されてお
り、必要に応じて循環用のポンプを設置し、酸処理機構
30の送給管35へ配管接続することにより、酸処理液
を循環使用することができるようにされている。さら
に、この槽55へ使用した酸処理液を回収するようにす
ることで、不必要に海へ酸処理液を垂れ流すことがな
く、公害の発生原因となることを防止することもでき
る。
【0088】この酸処理機構30の海苔網1の進行方向
下流位置には、海苔の細胞内への酸処理液41の浸透速
度を速くする浸透促進機構46が設けられている。この
浸透促進機構46は、図6に示すように、上部案内部材
17の幅全体に亘って配設された浸透槽47の浸透液4
8中に、走行する海苔網1を押えローラ機構49をもっ
て上方より押えるようにして浸漬させるように形成され
ている。この押えローラ機構49は軸部材50にローラ
51を回転自在に外装したものであり、軸部材50の基
端部を浸透槽47の架台部に枢着させ、起倒自在に形成
されている。浸透液48としては、酸処理液41が海苔
の細胞膜を透して細胞内へ浸透するのを促進できるもの
であればよい。また、この浸透槽47内には超音波発振
体52が設けられている。この超音波発振体52は超音
波をもって酸処理液41の海苔の細胞内への浸透速度を
さらに増速させ、かつ、海苔表面に付着している汚れを
洗浄する。
【0089】また、浸透促進機構46中にオゾン発生装
置等を配設して、葉体に付着している雑菌を殺菌する殺
菌機構53が設けられている。また、他の殺菌機構とし
ては、紫外線を海苔網1に照射するように形成してもよ
い。
【0090】また、船体4の最後尾には操舵室54が設
けられており、この操舵室54の高さは、海苔網1の案
内部材15上の走行を妨げないように、案内部材15の
高さより低くなっており、操舵室54内には刈取り機構
61、酸処理機構30、超音波発振体52、殺菌機構5
3の動作を指令管理する制御部を備えており、全てこの
操舵室54内で操作を行なうことが最も好ましいもので
ある。
【0091】また、刈取った海苔を収納する収納部64
と酸処理機構30以後の各機構等との間は、図示しない
隔離板等により完全に隔離されている。
【0092】次に、本実施の一形態による海苔網1の酸
処理方法を説明する。
【0093】先ず、ガソリンエンジン等からなる高速推
進可能な動力推進機構5を駆動させて、船体4を波止場
から海苔網1が展張されている海苔養殖場まで移動させ
る。海苔養殖場に到着したら、案内部材15のうち前部
案内部材16のみを前方に延出させ、他方の1対の後部
案内部材18は最短となるように収縮させておき、次に
船体4を海苔網1の張設延長方向から、油圧により駆動
する前記船長方向推進機構6の前記推進プロペラ11を
回転させて自力推進力により低速で進入させ、先端を海
中に没入させた前部案内部材16により海苔網1を海面
から連続的に掬い上げ、船の低速高出力による自力前進
に伴い海苔網1を上部案内部材17に沿って船体後部へ
導びく。さらに、海苔網1の後端部が収縮状態の後部案
内部材18の後端部に達したら、パイプ23dの後端に
取付けられているフック26を海苔網1の側綱等に引掛
け、海苔網1の後方への相対移動に伴って後部案内部材
18の各パイプ23d,23c,23bを順番に後方へ
引出して行く。各パイプ23d,23c,23bが最長
に繰出されると、フック26に過大な力が加わり、クリ
ック機構29が外れてフック26が軸27を中心として
回動して、フック26と海苔網1との係合が解かれる。
以後は、海苔網1だけが後方へ移動して行き、後部案内
部材18の後端部から再び海面に戻される。
【0094】その間に前部案内部材16に沿って移動す
る海苔網1から垂れ下がった海苔の葉体を刈取り機構6
1により連続して刈取り収穫し、船体4の収納部64内
に収納し、続いて酸処理機構30により刈取り後の海苔
網1へ酸処理を施し、その後、後部案内部材18の後端
部まで相対移動する間に酸処理剤を海苔の細胞内に十分
に浸透させ、また、葉体に付着している雑菌を殺菌す
る。
【0095】また、前記刈取り機構61による海苔の刈
取りや酸処理機構30による海苔網1の酸処理を施す際
に、船体4の前方へ進行するのみならず後方へ後退する
必要が生じた場合には、前記船長方向推進機構6の油圧
エネルギ制御部9が、油圧源7から油圧アクチュエータ
8へ圧送される作動油の流れを逆方向へ流れるように切
換制御して、前記推進プロペラ11を逆方向へ回転し船
体4を後方へ推進する。
【0096】本実施の一形態における酸処理機構30に
よる酸処理は、刈取り機構61による刈取りの直後であ
るため、海苔網1は水切り状態にあり、酸処理パイプ3
1の各噴射孔32から噴射される酸処理液が海苔網1の
全幅に亘って均一に被着されることとなり、処理むらが
発生しない。また、刈取り直後に酸処理を行なうもので
あるから、酸処理効果が極めて高いものとなり、さらに
pHセンサ37、酸剤供給系38および希釈液供給系39
により酸処理剤のpHを所定値に保持するため、常に良好
な酸処理を施すことができる。
【0097】さらに、本実施の一形態においては、浸透
促進機構46により酸処理剤の海苔の細胞内への浸透速
度を大きくしているため、海苔網1が後部案内部材18
の後端部より海水中へ再没入されるまでの時間をさらに
短縮しても、十分な酸処理効果が発揮されることとな
る。また、超音波発振体52による洗浄作用および殺菌
機構53による殺菌作用により、酸処理効果が一段と高
められる。
【0098】また、前述のごとく、前記案内部材15の
先端を海中に没入させて海苔網1を海面から連続的に掬
い上げる際には、船長方向推進機構6たる前記推進プロ
ペラ11を回転して低速高出力により船体4を前進させ
ているが、より大きな駆動トルクを得たい場合や船首を
転回させたい場合には、前記動力推進機構5のプロペラ
5aも駆動するようにする。
【0099】このように本発明の海苔の刈取り酸処理船
の実施の一形態においては、油圧駆動する船長方向推進
機構6によって、船体4を低速高トルクで推進すること
ができるため、海苔網1を船上に掬い上げる際に生じる
負荷抵抗や摩擦抵抗に抗して高トルクで船体4を自在に
推進させることができるし、低速により海苔や海苔網1
を損傷することもない。さらに、場合によっては、前記
船長方向推進機構6を逆回転させることにより船体4を
後方へ推進させることもできる。
【0100】また、船体4を推進させるだけで、前部案
内部材16によって海水中に展張されている海苔網1を
船上に抄い上げ、海苔を自動的に刈取り、さらに効果的
な酸処理を自動的に施して、再び海水中に展張させるこ
とができ、海苔の収穫率を向上させるとともに、海苔の
健康的な育成を促がすことができ、作業効率を向上さ
せ、省人、省力化を図ることができる。
【0101】さらに、本実施の一形態においては、モー
タ17によってワイヤ28bを巻戻すことにより、後部
案内部材18の各パイプ23b,23c,23dを最外
側のパイプ23a内に収納させることができ安全であ
り、しかも各パイプ23b,23c,23dの最大伸長
長さを船体4の船長より自由に長くすることができるた
め、酸処理等を確実かつ有効に実行することができる。
【0102】また、本実施の一形態においては、刈取り
機構61と酸処理機構30とを有しているために、必要
に応じていずれか一方の機構のみを稼働させて、海苔の
刈取り船または海苔網1の酸処理船として利用すること
ができ、一船で3役を果たすことができ、利用価値の高
いものとなる。
【0103】なお、前記実施の一形態においては酸処理
機構30として酸処理液を海苔網1に噴射するようにし
たが、例えば浸透促進機構46と同様にして海苔網1を
酸処理液中に浸着させるようにしたり、ローラにより酸
処理液を海苔網1に塗布するようにしてもよい。
【0104】また、前記船長方向推進機構6は船体4の
船底の前方部および後方部の2ヵ所に配設するように構
成されているが、これを酸処理に必要な駆動トルク量と
コスト面とを比較考慮して、船底の前部または後部のい
ずれか一方のみに配設するようにしてもよい。
【0105】さらに、本発明の海苔の刈取り酸処理船の
実施の一形態においては、船体4の前方部および後方部
の両方の位置に前記船長方向推進機構6を配設するよう
にしたが、これを前述の海苔網1の酸処理船の実施の一
形態において説明した前記横方向推進機構56や前記方
向可変推進機構60を配設するようにしてもよい。そし
て、このような場合には、前記船体4を前方および後方
へ低速高出力で推進できるのみならず、前記船体4を左
右方向へも低速高出力により推進できることとなり、よ
り効率的な海苔の刈取りおよび海苔網1の酸処理作業を
行なうことができる。
【0106】さらにまた、前述した本発明の海苔の刈取
り酸処理船の実施の一形態に示した構成のうち、前記酸
処理機構30を配設しておらず、前記刈取り機構61の
みを配設している海苔刈取り船であっても、各実施の一
形態で述べた効果を十分発揮し利用価値の高い海苔刈取
り船を提供することができる。
【0107】また、本発明は前記実施の一形態に限定さ
れるものではなく、必要に応じて変更することができ
る。
【0108】
【発明の効果】以上説明したように本発明の海苔網の酸
処理船によれば、低速高トルクで推進させることができ
るため、海苔網を損傷することなく容易に船体を前進お
よび方向転換させることができる。また、船を利用して
海苔網への酸処理を自動的にしかも極めて効率的に施す
ことができ、省人、省力化を図ることができる。
【0109】また、海苔の刈取り船によれば、低速高ト
ルクで推進させることができるため、海苔や海苔網を損
傷することなく容易に船体を前進および方向転換させる
ことができる。また、船を利用して海苔の刈取りを自動
的にしかも極めて効率的に施すことができ、省人、省力
化を図ることができる。
【0110】また、本発明の海苔の刈取り酸処理船によ
れば、低速高トルクで推進させることができるため、海
苔や海苔網を損傷することなく容易に船体を前進および
方向転換させることができる。また、船を利用して海苔
の刈取りを自動的に効率良く行なうことができるととも
に、酸処理も自動的にしかも極めて効率的に施すことが
でき、省人、省力化を図ることのできる等という優れた
効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の海苔網の酸処理船の実施の一形態を示
す側面図
【図2】図1の平面図
【図3】本発明の海苔網の酸処理船の実施の一形態の船
長方向推進機構のブロック図
【図4】aは図1の海苔網の酸処理船の要部を示す正面
図、bは側面図、cは底面図
【図5】後部案内部材の拡大図
【図6】パイプに取付けられたフックを示す分解斜視図
【図7】酸処理機構の構成図
【図8】浸透促進機構の構成図
【図9】a、b、cはそれぞれ本発明の海苔網の酸処理
船の他の実施の一形態を示す図4と同様の図
【図10】本発明の海苔網の酸処理船の他の実施の一形
態の方向可変推進機構のブロック図
【図11】本発明の海苔の刈取り酸処理船の実施の一形
態を示す側面図
【図12】図11の平面図
【図13】刈取り機構の縦断側面図
【符号の説明】
1 海苔網 4 船体 5 動力推進機構 6 船長方向推進機構 7 油圧源 8 油圧アクチュエータ 9 油圧エネルギ制御部 10 伝達手段 11 推進プロペラ 12 推進プロペラ配設部 15 案内部材 16 前部案内部材 17 上部案内部材 30 酸処理機構 46 浸透促進機構 52 超音波発振体 53 殺菌機構 56 横方向推進機構 57 横方向用プロペラ配設部 59 横方向用プロペラ 60 方向可変推進機構 61 刈取り機構

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力推進機構と、海苔網に対して酸処理
    を施す酸処理機構と、海面部分に展張されている前記海
    苔網を前記船体の船首部の上方へ導びく前部案内部材
    と、前記海苔網を前記船体の船首部から後部へ導く上部
    案内部材と、船底の前方部または後方部の少なくとも一
    方に配設され油圧力に基づいて船長方向への推進力を発
    生させる船長方向推進機構とを有することを特徴とする
    海苔網の酸処理船。
  2. 【請求項2】 動力推進機構と、船体の上方へ導びかれ
    た海苔網から海苔を刈取る刈取り機構と、海面部分に展
    張されている前記海苔網を前記船体の船首部の上方へ導
    びく前部案内部材と、前記海苔網を前記船体の船首部か
    ら後部へ導く上部案内部材と、船底の前方部または後方
    部の少なくとも一方に配設され油圧力に基づいて船長方
    向への推進力を発生させる船長方向推進機構とを有する
    ことを特徴とする海苔の刈取り船。
  3. 【請求項3】 動力推進機構と、船体の上方へ導びかれ
    た海苔網から海苔を刈取る刈取り機構と、海苔の刈取り
    直後に前記海苔網に対して酸処理を施す酸処理機構と、
    海面部分に展張されている前記海苔網を前記船体の船首
    部の上方へ導びく前部案内部材と、前記海苔網を前記船
    体の船首部から後部へ導く上部案内部材と、船底の前方
    部または後方部の少なくとも一方に配設され油圧力に基
    づいて船長方向への推進力を発生させる船長方向推進機
    構とを有することを特徴とする海苔の刈取り酸処理船。
  4. 【請求項4】 前記船長方向推進機構を船底の前方部ま
    たは後方部のいずれか一方に配設し、他方には油圧力に
    基づいて船体の横方向への推進力を発生させる横方向推
    進機構を配設したことを特徴とする請求項1に記載の海
    苔網の酸処理船。
  5. 【請求項5】 前記船長方向推進機構を船底の前方部ま
    たは後方部のいずれか一方に配設し、他方には油圧力に
    基づいて船体の横方向への推進力を発生させる横方向推
    進機構を配設したことを特徴とする請求項2に記載の海
    苔の刈取り船。
  6. 【請求項6】 前記船長方向推進機構を船底の前方部ま
    たは後方部のいずれか一方に配設し、他方には油圧力に
    基づいて船体の横方向への推進力を発生させる横方向推
    進機構を配設したことを特徴とする請求項3に記載の海
    苔の刈取り酸処理船。
  7. 【請求項7】 前記船長方向推進機構は油圧力に基づ
    いて回転する推進プロペラから構成されており、船体を
    方向転換できるように前記推進プロペラをその回転軸に
    平行な鉛直面に対し左右方向へ回動することのできる制
    御部を有することを特徴とする請求項1に記載の海苔網
    の酸処理船。
  8. 【請求項8】 前記船長方向推進機構は油圧力に基づい
    て回転する推進プロペラから構成されており、船体を方
    向転換できるように前記推進プロペラをその回転軸に平
    行な鉛直面に対し左右方向へ回動することのできる制御
    部を有することを特徴とする請求項2に記載の海苔の刈
    取り船。
  9. 【請求項9】 前記船長方向推進機構は油圧力に基づい
    て回転する推進プロペラから構成されており、船体を方
    向転換できるように前記推進プロペラをその回転軸に平
    行な鉛直面に対し左右方向へ回動することのできる制御
    部を有することを特徴とする請求項3に記載の海苔の刈
    取り酸処理船。
JP7202310A 1995-08-08 1995-08-08 海苔網の酸処理船および海苔の刈取り船ならびに海苔の刈取り酸処理船 Pending JPH0947171A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7202310A JPH0947171A (ja) 1995-08-08 1995-08-08 海苔網の酸処理船および海苔の刈取り船ならびに海苔の刈取り酸処理船

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7202310A JPH0947171A (ja) 1995-08-08 1995-08-08 海苔網の酸処理船および海苔の刈取り船ならびに海苔の刈取り酸処理船

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0947171A true JPH0947171A (ja) 1997-02-18

Family

ID=16455435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7202310A Pending JPH0947171A (ja) 1995-08-08 1995-08-08 海苔網の酸処理船および海苔の刈取り船ならびに海苔の刈取り酸処理船

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0947171A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4416106A (en) Method and apparatus for removal of aquatic plant growth
CN110239679B (zh) 一种去除水中浮萍和杂草的清洁船及其控制方法
US5775073A (en) Rake compactor and helical paddle wheel for aquatic harvester
KR102008140B1 (ko) 김발 뒤집기 장치
US20030110747A1 (en) Airboat with aquatic vegetation shredding assembly
JP2957968B2 (ja) 海苔網の酸処理船および海苔の刈取り酸処理船
JPH0343028A (ja) 海苔の刈取り酸処理方法および刈取り酸処理船
JPH0947171A (ja) 海苔網の酸処理船および海苔の刈取り船ならびに海苔の刈取り酸処理船
US6678990B2 (en) Trolling device
JP2567207B2 (ja) 海苔の酸処理方法および酸処理船
US20020112460A1 (en) Tracked amphibious vehicle with aquatic vegetation shredding assembly
WO2014123424A1 (en) Moveable tubular sea pen
JPH07327531A (ja) 海苔網展張装置、海苔の刈り取り方法、海苔網の酸処理方法ならびに海苔の刈り取りおよび海苔網の酸処理方法
JP2795553B2 (ja) 海苔網の酸処理船および海苔の刈取り酸処理船
CN211267703U (zh) 一种基于机械手的船式挖藕装置
JP3091551B2 (ja) 長尺物展張装置
US4507909A (en) Compactor and paddle wheel for aquatic harvester
CN111771795A (zh) 一种深远海多功能养殖平台
JPH104809A (ja) 海苔養殖方法および海苔養殖装置
JPH0530841A (ja) 海苔の刈り取り方法、海苔網の酸処理方法ならびに海苔の刈り取りおよび海苔網の酸処理方法
CN220221073U (zh) 无人水面清理船
US2322865A (en) Means for eradicating tules
JP2549795Y2 (ja) 海苔網支持装置
CN220174203U (zh) 一种水产养殖增氧机
CN212556735U (zh) 一种新型船舶节能设备

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040622

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041116