JPH0947134A - 芝刈作業機における安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジンが作動しており、ＰＴＯクラッチが
オンの状態で、芝刈作業機の収草タンクを上昇させたと
きには、自動的にエンジンが停止するようにし、刈り取
った芝草等が飛散しないようにすることを課題とする。 【解決手段】 芝草を連続的に刈り取る草刈機を走行車
に装設するとともに、刈り取った芝草を投入させる収草
タンクを設けた芝刈作業機において、エンジンが作動し
ている状態で、ＰＴＯクラッチがオンのときに、前記収
草タンクの昇降レバーを上昇側に操作すると、自動的に
エンジンが停止するように、前記昇降レバーの上昇スイ
ッチと連動するリレーを、エンジンを停止させることが
できるシートスイッチ回路に直列に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、芝または雑草等を
刈り取る作業と、刈り取った芝草を収集する作業を連続
的に行う芝刈作業機の収草タンク上昇時における安全装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、芝草を連続的に刈り取る草刈
機を走行車に装設させ、刈り取った芝草を投入させる収
草タンクを設けた芝刈作業機は知られている。このよう
な芝刈作業機は、エンジンからの動力によって、草刈機
のカッターやスロワの羽根を回転させ、送給ダクトを介
して、刈り取った芝草や石等を収草タンクへ送り込むよ
うになっている。そして、この収草タンクを開放すると
きには、収草タンクを上昇させてから開放するようにな
っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような芝刈作業機
にあっては、作業機後方に設けられている収草タンクを
上昇させると、送給ダクトの排出口と収草タンクの投入
口が離れる構造になっているため、エンジンが作動して
いる状態で、ＰＴＯクラッチがオン、すなわち、エンジ
ンの動力が草刈機及びスロワに伝達されているときに
は、スロワの羽根の回転によって送られてくる芝草や石
等が送給ダクト排出口より外部に飛散してしまい、非常
に危険であった。しかして、この場合には、エンジンを
停止させるか、ＰＴＯクラッチをオフにしてから収草タ
ンクを上昇させるようにしなければならず、操作が煩雑
になって使い勝手がよくなかった。そこで、本発明は、
エンジンが作動しており、ＰＴＯクラッチがオンの状態
で、芝刈作業機の収草タンクを上昇させたときには、自
動的にエンジンが停止するようにし、刈り取った芝草等
が飛散しないようにすることを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
目的を達成するために、次のような芝刈作業機における
安全装置を提供するものである。すなわち、芝草を連続
的に刈り取る草刈機を走行車に装設するとともに、刈り
取った芝草を投入させる収草タンクを設けた芝刈作業機
において、エンジンが作動している状態で、ＰＴＯクラ
ッチがオンのときに、前記収草タンクの昇降レバーを上
昇側に操作すると、自動的にエンジンが停止するよう
に、前記昇降レバーの上昇スイッチと連動するリレー
を、エンジンを停止させることができるシートスイッチ
回路に直列に接続したことを特徴とする芝刈作業機にお
ける安全装置である。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しなが
ら説明する。まず、芝刈作業機（Ａ）について説明をす
る。図１は芝刈作業機（Ａ）の全体側面図であり、地上
に伸張した芝草の茎葉部を連続的に刈り取る草刈機
（１）を四輪走行車（２）に装設し、刈り取った芝草を
投入させる収草タンク（３）を四輪走行車（２）後方に
設けている。この四輪走行車（２）は、左右の前輪
（４）と左右の後輪（５）を、車体フレーム（６）に装
設させており、エンジン等を内設させるボンネット
（７）後部には、操向ハンドル（８）を取り付けるとと
もに、ハンドル（８）の後方に運転席（シート）（９）
を設け、作業者が座乗して前後進移動できるようになっ
ている。また、草刈機（１）は、四輪走行車（２）の前
輪（４）と後輪（５）の間の腹部に昇降機構を介して吊
設され、運転席（９）で昇降操作ができるようになって
いる。そして、草刈機（１）の前部は前部支持輪（１
０）により支持し、後部は後部ガイド輪（１１）により
支持し、刈り高さを調節して圃場面に追随しながら走行
するようにしている。また、草刈機（１）で刈った芝草
を収草タンク（３）に送風搬送するスロワ（１２）と送
給ダクト（１３）が運転席（９）の右側に配置されてお
り、草刈機（１）により刈り取られた芝草がスロワ（１
２）へ放出された後、このスロワ（１２）の羽根の回転
により、送給ダクト（１３）を介して収草タンク（３）
に芝草が搬送されるようになっている。なお、この草刈
機（１）とスロワ（１２）は、エンジンからＰＴＯクラ
ッチを介して動力が伝達され、駆動するようになってい
る。

【０００６】また、運転席（９）の後方に、左右一対の
レール体（１４）と、前記収草タンク（３）を取り付け
る架台（１５）を設けている。この左右一対のレール体
（１４）は、下端部が左右一対の車体フレーム（６）後
端に着脱自在に固定させられているものであって、運転
席（９）の後側にほぼ垂直に立設されている。そして、
各レール体（１４）の上端部には、上部フレーム（１
６）が一体連結されている。この上部フレーム（１６）
は、フード（１７）が着脱自在に固定されており、運転
席（９）に座乗する作業者上方に、このフード（１７）
を延出させれば、日光または雨水等から作業者を保護す
ることができるし、走行車（２）が転倒した時には、運
転席（９）の作業者を保護することができる。

【０００７】また、前記架台（１５）には、枠フレーム
が一体固定されており、この枠フレームに前記収草タン
ク（３）を取り付け、収草タンク（３）及び架台（１
５）を一体的に昇降させることができるようにしてい
る。このとき、収草タンク（３）を昇降させるために
は、図２で示すような昇降レバー（１８）を操作する。
この昇降レバー（１８）は前記レール体（１４）の側面
にレバー取付フレーム（１９）をボルトによって固定さ
せ、前記収草タンク（３）を昇降操作する昇降レバー
（１８）を前記レバー取付フレーム（１９）に支点軸
（２０）を介して揺動自在に取り付け、昇降レバー（１
８）を中立位置に支持させる中立保持バネ（２１）を、
この昇降レバー（１８）に連結させ、上昇または下降操
作位置の昇降レバー（１８）を中立保持バネ（２１）の
張力によって中立位置に復帰させるようになっている。
また、上昇スイッチ（２２）と下降スイッチ（２３）を
レバー取付フレーム（１９）に固定させるとともに、上
昇スイッチ（２２）、下降スイッチ（２３）をオン作動
させるスイッチピン（２４）を操作アーム（２５）に一
体固定させ、操作アーム（２５）を前記昇降レバー（１
８）に一体固定させている。そして、前記昇降レバー
（１８）を上昇または下降位置に揺動させることによっ
て、上昇スイッチ（２２）または下降スイッチ（２３）
をオンにし、前記収草タンク（３）を上昇または、下降
させるようにしている。ちなみに、図２の側面視では、
昇降レバー（１８）を左に回動させれば収草タンク
（３）は上昇し、右に回動させれば下降するようになっ
ている。

【０００８】本発明は、このような構成の芝刈作業機
（Ａ）において、エンジンが作動中で、かつ、ＰＴＯク
ラッチがオンの状態、すなわち、エンジンの動力が草刈
機（１）及びスロワ（１２）に伝達されている状態で、
収草タンク（３）を上昇させたときに、刈り取った芝草
等が送給ダクト（１３）排出口から飛散しないようにす
るものであって、収草タンク（３）を昇降させる昇降レ
バー（１８）を操作するだけで、芝刈作業機（Ａ）のエ
ンジンを停止させることができるようにしたものであ
る。

【０００９】そこで、まず、シートスイッチ回路を構成
するシートスイッチについて説明する。図３で示すよう
に、シートスイッチ（２６）は、走行車側のシートスイ
ッチ回路（２７）に設けられているものであって、運転
席（シート）（９）に作業者が座乗しているとオンとな
り、座乗していないとオフとなるスイッチである。そし
て、このシートスイッチ（２６）がオフになると、エン
ジンが自動的に停止するようになっている。また、収草
タンク昇降回路（２８）が、シートスイッチ回路（２
７）とは別に設けられており、上昇スイッチ（２２）と
下降スイッチ（２３）は、この収草タンク昇降回路（２
８）に設けられている。そして、これらシートスイッチ
回路（２７）と収草タンク昇降回路（２８）には、図３
で示すように、別に設けられたバッテリー等から供給さ
れる電源（２９）が接続されている。

【００１０】本発明は、このような回路において、図４
で示すように、収草タンク昇降回路（２８）の上昇スイ
ッチ（２２）と連動するリレー（３０）を、シートスイ
ッチ回路（２７）のシートスイッチ（２６）に直列に接
続したものであって、エンジンが作動しており、ＰＴＯ
クラッチがオンの状態で、昇降レバー（１８）を上昇側
に操作し、上昇スイッチ（２２）をオンにすると、作業
者が運転席（９）に座乗している状態であっても、エン
ジンを強制的に停止させることができるものである。つ
まり、収草タンク（３）を上昇させる収草タンク昇降回
路（２８）の上昇スイッチ（２２）がオンになると、上
昇スイッチ（２２）と連動しているリレー（３０）が作
動して、シートスイッチ回路（２７）がオープンとな
り、エンジンを直ちに停止させるのである。したがっ
て、収草タンク（３）を上昇させるだけで、エンジンが
停止することになり、芝草等の搬送がストップするた
め、送給ダクト（１３）排出口から芝草等が飛散するこ
とはなくなる。なお、ＰＴＯクラッチがオフの状態、あ
るいは、エンジンがすでに停止している状態のときに
は、収草タンク（３）を上昇させても刈り取った芝草等
が送給ダクト（１３）の排出口から飛散することはない
ので何等問題はない。

【００１１】また、前述のように、この収草タンク
（３）を昇降させるためのモーターを駆動させる動力
（電力）は、別に設けてあるバッテリーから直接供給す
るようにしている。これは、収草タンク（３）の昇降
を、エンジン駆動の油圧ポンプで行うものでは、エンジ
ン停止とともに昇降も停止してしまうためであって、こ
のような構成のものでは、収草タンク（３）昇降時に
は、常にエンジンを作動させておかなければならず、し
たがって、ＰＴＯクラッチは必ずオフにしなければなら
ず、操作が煩雑になって使い勝手がよくない。そこで、
本発明においては、収草タンク（３）をバッテリー駆動
によって昇降できるようにし、エンジン停止時において
も、エンジンのキースイッチがオンとなっていれば、収
草タンク（３）の昇降が可能となるようにした。

【００１２】また、他方、図５で示すように、シートス
イッチ（２６）に連動するリレー（３１）を電源（２
９）に直列に接続し、作業者が運転席（シート）（９）
を離れたら、エンジンを停止させるだけではなく、収草
タンク（３）への電力の供給をもカットするように構成
すると、作業機の横転等の危険を防止することができ
る。つまり、前述のように、エンジンのキースイッチが
オンの状態であれば、収草タンク（３）への電力供給は
行われるので、作業者が運転席（９）にいなくても、収
草タンク（３）の昇降レバー（１８）を上昇側に操作す
れば、収草タンク（３）は上昇してしまい、作業機によ
っては重心が後部上方に移動して、作業機全体の重量バ
ランスが崩れ、横転する恐れが生じる。そこで、図５で
示すように、シートスイッチ（２６）と連動するリレー
（３１）をバッテリー電源（２９）に直列に接続し、運
転席（９）に作業者がいないときには、常に収草タンク
（３）を上昇させることができないようにして、横転等
の危険性を回避するようにしたのである。しかして、こ
の図５で示す回路を、前述の図４で示す回路に組み込ん
で構成すれば、作業機は横転する危険性もなく、かつ、
刈り取って搬送されてきた芝草等が送給ダクトの排出口
から飛散することもなくなり、安全に作業を行うことが
できるようになる。

【００１３】以上、いずれにしても、本発明によれば、
芝刈作業機の収草タンクを上昇させる作業を行う上で、
刈り取った芝草等の飛散や作業機の横転等の危険性を回
避することができるので、きわめて安全性が向上する。
また、このような装置を電気的手段、すなわち、スイッ
チ及びリレーの配線のみで構成することができるため、
装置の構造が複雑にならず、容易に実施が可能となる利
点がある。なお、本発明は図示したものに限定されるも
のではなく、本発明の精神の範囲内において、適宜設計
変更可能なものである。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、エンジンが作動中で、
ＰＴＯクラッチがオンの状態であっても、収草タンクを
上昇させる昇降レバーを操作するだけで、エンジンを強
制的に停止させることができるので、操作が簡潔になっ
た上に、刈り取った芝草等が送給ダクトの排出口から飛
散するようなことはなくなり、芝刈作業機における安全
性がきわめて向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】芝刈作業機の全体側面図

【図２】昇降レバー部の側面図

【図３】シートスイッチ及び昇降スイッチの概略回路図

【図４】本発明の安全装置を示す概略回路図

【図５】別の安全装置を示す概略回路図

【符号の説明】

Ａ 芝刈作業機 １ 草刈機 ２ 四輪走行車 ３ 収草タンク ９ 運転席（シート） １２ スロワ １３ 送給ダクト １８ 昇降レバー ２２ 上昇スイッチ ２３ 下降スイッチ ２６ シートスイッチ ２７ シートスイッチ回路 ２８ 収草タンク昇降回路 ３０ リレー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 芝草を連続的に刈り取る草刈機を走行車
   に装設するとともに、刈り取った芝草を投入させる収草
   タンクを設けた芝刈作業機において、エンジンが作動し
   ている状態で、ＰＴＯクラッチがオンのときに、前記収
   草タンクの昇降レバーを上昇側に操作すると、自動的に
   エンジンが停止するように、前記昇降レバーの上昇スイ
   ッチと連動するリレーを、エンジンを停止させることが
   できるシートスイッチ回路に直列に接続したことを特徴
   とする芝刈作業機における安全装置。