JPH0946613A - テレビジョン信号の表示装置 - Google Patents

テレビジョン信号の表示装置

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JPH0946613A
JPH0946613A JP7193667A JP19366795A JPH0946613A JP H0946613 A JPH0946613 A JP H0946613A JP 7193667 A JP7193667 A JP 7193667A JP 19366795 A JP19366795 A JP 19366795A JP H0946613 A JPH0946613 A JP H0946613A
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signal
pixel
value
television signal
frequency
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JP7193667A
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Takashi Furuhata
隆 降旗
Takumi Okamura
巧 岡村
Yasutaka Tsuru
康隆 都留
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精細テレビジョン信号の表示が可能なディ
スプレイに、標準テレビジョン信号の表す画像を効率よ
く、かつ、より高画質で表示する。 【構成】 本表示装置は、入力した標準テレビジョン信
号を変換する手段を有し、この変換手段は、標準テレビ
ジョン信号の各フィールド間に挿入される補間フィール
ドの信号を生成する手段と、その補間フィールドの信号
の値を補正する手段と、補間フィールドの信号を含むテ
レビジョン信号を、変換前のほぼ2倍の水平走査周波数
とフィールド周波数、変換前の2倍の値の近傍の奇数値
となる走査線数に変換する手段とを有する。 【効果】 一つの偏向系により標準テレビジョン信号と
高精細テレビジョン信号の両方が表示できるようになる
とともに、標準テレビジョン信号の表示画像の垂直解像
度が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイビジョン方式等の
高精細テレビジョン信号の表示が可能なディスプレイ
に、NTSC方式等の標準テレビジョン信号を表示す
る、あるいは、標準テレビジョン信号と高精細テレビジ
ョン信号の一方を選択的に表示する表示装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現在、NTSC方式(またはED、ED
II方式)、PAL方式(またはPALプラス方式)、S
ECAM等の、標準テレビジョン方式を採用したテレビ
放送が行われている。一方、近年、走査線数や水平走査
周波数を上記の標準テレビジョン方式の約2倍にするこ
とにより画質を飛躍的に向上させた、ハイビジョン方式
やATV方式などの高精細テレビジョン方式(HDT
V:High Definition TV)が考案され、その方式を
用いた放送が開始されようとしている。
【0003】将来的には上記の標準テレビジョン方式と
高精細テレビジョン方式が共存する形になることが予想
されることから、これに対応できるように、両方式のテ
レビジョン信号を1つの装置で選択的に表示あるいは記
録/再生する装置が開発されている。表示装置として
は、ハイビジョン信号の受像機をベースにして、上記の
NTSC信号とハイビジョン信号を表示できるようにし
た装置がすでに実現されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、標準テレビ
ジョン信号と高精細テレビジョン信号では、特に水平走
査周波数が互いに大きく異なるために、両方式のテレビ
ジョン信号をそのまま1つの偏向系で表示することはで
きない。このため、すでに実現されている従来の表示装
置では、各テレビジョン信号毎に専用の偏向系を設け
て、それらを個別に動作させるようにしているが、これ
により、装置の低コスト化が困難となっていた。
【0005】また、従来の表示装置では、標準テレビジ
ョン信号を表示する場合に、その信号をそのまま表示す
るようにしているため、高解像度のディスプレイを用い
ているにもかかわらず、従来並みの画質しか得られなか
った。また、特に、大型化され高輝度化および高精細化
されたブラウン管を用いたディスプレイを用いた場合に
は、フリッカー妨害や走査線妨害など種々の折り返し妨
害が目立ってしまい、かえって画質を劣化させてしまう
という問題が生じていた。
【0006】そこで、本発明は、高精細テレビジョン信
号の表示が可能なディスプレイに、標準テレビジョン信
号の表す画像を効率よく、かつ、より高画質で表示す
る、表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、フィールド周波数がfV1、フレーム当
りの走査線数がN1 、および、水平走査周波数がfH1
(=N1 ×fV1/2)であるテレビジョン信号が表す画
像を表示する表示装置であって、前記テレビジョン信号
を入力する信号入力手段と;前記信号入力手段からのテ
レビジョン信号の各フィールド間にそれぞれ補間される
補間フィールドの信号を、当該補間フィールドに隣接す
るフィールドの信号に基づいて生成する手段と、前記補
間フィールドの信号を構成する複数のライン信号の、そ
れぞれのライン信号の画素値を、当該ライン信号と当該
ライン信号に隣接する複数のライン信号との垂直方向の
画素間のレベル差に応じて、表示画像の輪郭がよりシャ
ープに表示されように補正する信号処理手段と、フィー
ルド周波数fV が、前記テレビジョン信号のフィールド
周波数の2倍(fV =2×fV1)であり、1フレームの
期間における走査線数Nが、前記テレビジョン信号の1
フレームの期間における走査線数の2倍の値の近傍の奇
数値であり、かつ、水平走査周波数fH が、[fH =N
×fV /4]で与えられる表示信号に、前記補間フィー
ルドの信号を含むテレビジョン信号を変換する手段とを
有する信号変換手段と;表示手段と;前記信号変換手段
からの表示信号を、前記フィールド周波数fV と水平走
査周波数fH で偏向して、前記表示手段に表示させる偏
向系と;を備えることを特徴とする。
【0008】
【作用】上記の構成において、例えば、インターレース
により1フレームの走査線数N1 (=525)、走査線
間隔が1/N1 (=1/525)となるNTSC方式の
標準テレビジョン信号を入力した場合、そのテレビジョ
ン信号は、各フィールド間に新たなフィールドの信号を
挿入され、1フレームの走査線数がほぼ2倍(N=11
05)で、走査線間隔がほぼ半分(1/N=1/105
1)となるテレビジョン信号に変換された後に表示され
る。
【0009】このため、走査線構造が視覚的に検知され
にくくなり、走査線妨害が除去されるとともにラインフ
リッカーも低減される。また、フィールド周波数fV が
変換前の2倍となるため、従来、画像の大面積のところ
で目立っていたフリッカー妨害が除去され、視覚的に安
定した画像が得られる。さらには、信号処理手段の処理
により、テレビジョン信号の垂直方向のレスポンス(垂
直方向の波形応答)が改善されるため、表示画像の垂直
解像度が高められる。
【0010】また、水平走査周波数fH も変換前のほぼ
2倍となり(N=1051の場合、fH ≒31.50k
Hz)、上記の高精細テレビジョン信号の水平走査周波
数(ハイビジョン方式の場合、33.75kHz )に
近い値になるため、標準テレビジョン信号を表示する場
合と高精細テレビジョン信号を表示する場合とで、受像
機の偏向系を共用化できるようになり、したがって、装
置の低コスト化が可能になる。
【0011】
【実施例】以下で、本発明の一実施例について、図面を
用いて説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例に係る表示装置
の構成を示すブロック図である。
【0013】図の表示装置は、標準テレビジョン方式の
映像信号として、走査線数N1 =525本、フィールド
周波数fV1=59.94Hz、フレーム周波数fV1/2
=29.97Hz、水平走査周波数fH1=15.73k
Hz、インターレース比2:1、アスペクト比4:3の
コンポジット形式のNTSC信号(以下では、標準NT
SC信号と称する)を入力し、高精細テレビジョン方式
の映像信号として、走査線数N2 =1125本、フィー
ルド周波数fV2=60.0Hz、フレーム周波数fV2/
2=30.0Hz、水平走査周波数fH2=33.75k
Hz、インターレース比2:1、アスペクト比16:9
のコンポーネント形式のハイビジョン信号(以下では、
HD信号と称する)を入力する。
【0014】図1において、1は標準NTSC信号の入
力端子、2,3,4はコンポーネント形式のHD信号の
入力端子である。ここで、入力端子1に入力される標準
NTSC信号には、2つの色差信号(R−Y),(B−
Y)が直交多重されている搬送色信号Cと、輝度信号Y
とが周波数多重されている。また、入力端子2,3,4
には、HD信号の輝度信号Y2 ,色差信号Pb ,Pr が
それぞれ入力される。11はYC分離回路、12は色デ
コード回路、13,14,15はA/D変換回路、1
6,17,18はメモリ、19は信号処理回路、20は
信号切換回路である。この信号切換回路20にはマトリ
クス回路が含まれる。21は同期分離回路、22はパル
ス生成回路、23は書込制御回路、24は読取制御回
路、31は同期分離回路、32はパルス生成回路、41
は偏向切換回路、42は偏向系、50はブラウン管など
の表示器である。偏向系42には、垂直偏向系と水平偏
向系が含まれる。
【0015】次に、高精細テレビジョン方式のHD信号
を表示する場合の、表示装置の動作を説明する。
【0016】この場合、信号切換回路20と偏向切換回
路41には、高精細テレビジョン信号の表示を指示する
切換信号SWが供給される。この信号に従って、信号切
換回路20は、入力端子2,3,4に入力されたコンポ
ーネント信号Y2 ,Pb ,Pr を選択し、選択した信号
に適宜マトリクス演算を施すことにより、高精細テレビ
ジョン信号の3原色信号R,G,Bを復号する。複合さ
れた3原色信号は、表示器50に出力される。一方、入
力端子2に入力された輝度信号Y2 には同期情報が含ま
れており、同期分離回路31は、その同期情報を分離し
て、同期信号SY2 としてパルス生成回路32に出力す
る。ここで、同期信号SY2 には、周波数がfV2=6
0.0Hzの垂直同期信号VS2 と、fH2=33.75
kHzの水平同期信号HS2 が含まれている。パルス生
成回路32は、供給された垂直同期信号VS2 に基づい
て垂直偏向パルスVD2 を生成し、同時に、水平同期信
号HS2 に基づいて水平偏向パルスHD2 を生成する。
偏向切換回路41は、上記の切換信号SWに従って、パ
ルス生成回路32において生成された偏向パルスVD2
,HD2 を選択して、それを偏向系42に出力する。
そして、偏向系42では、偏向パルスVD2 ,HD2 に
基づいた垂直偏向と水平偏向が行われ、その結果、表示
器50には、高精細テレビジョン信号に基づいたカラー
画像が表示される。
【0017】次に、標準テレビジョン方式のNTSC信
号を表示する場合の、表示装置の動作を説明する。
【0018】入力端子1に入力されたコンポジット形式
の標準NTSC信号は、YC分離回路11に供給され
る。YC分離回路11は、供給された標準NTST信号
から輝度信号Yと搬送色信号Cをそれぞれ分離し、分離
した輝度信号YをA/D変換回路13に、搬送色信号C
を色デコード回路12にそれぞれ出力する。色デコード
回路12は、供給された搬送色信号Cに直交多重されて
いる2つの色差信号(B−Y),(R−Y)をデコード
し、両者を分離する。分離された2つの色差信号(B−
Y),(R−Y)はそれぞれA/D変換回路14,15
に供給される。一方、上記の標準NTSC信号は同期分
離回路21にも供給される。同期分離回路21は、供給
されたNTSC信号から、同期情報と色副搬送波のバー
スト情報をそれぞれ分離し、分離した同期情報に基づく
同期信号SY1 と、バースト情報に基づくバースト信号
BS1 を生成して、それをパルス生成回路22に出力す
る。ここで、同期信号SY1 には、周波数がそれぞれf
V1=59.94Hzの垂直同期信号VS1 と、fH1=1
5.73kHzの水平同期信号HS1 が含まれる。ま
た、バースト信号BS1 は、色副搬送波の基本周波数と
同じ、fSC=3.58MHzの周波数を有している。
【0019】パルス生成回路22は、後述する第1〜第
3のPLL回路により構成され、第1のPLL回路で
は、供給されるバースト信号BS1 に基づいて、周波数
が例えば、fW =4×fSC=14.32MHzの書込ク
ロック信号WCPが生成され、同時に、バースト信号B
S1 と同じ周波数の周期信号である色副搬送波信号SC
が生成される。この色副搬送波信号SCは上記の色デコ
ード回路12に供給されて、搬送色信号Cのデコードに
用いられる。第2のPLL回路では、供給される垂直同
期信号VS1 に基づいて、周波数が例えば、fV =2×
fV1=119.88Hzの倍速垂直同期信号VD1 と、
fH =(1051/4)×fV =31.50kHzの倍
速水平同期信号HD1 とが生成される。さらに、第3の
PLL回路では、供給される倍速水平同期信号HD1 に
基づいて、周波数が例えば、fR =910×fH =2
8.66MHzの読取クロック信号RCPが生成され
る。そして、倍速垂直同期信号VD1 と倍速水平同期信
号HD1 は、標準テレビジョン信号の表示用の偏向パル
スとして、偏向切換回路41に供給される。
【0020】パルス生成回路22で生成された上記の書
込クロックWCPは、A/D変換用クロックとして上記
のA/D変換回路13〜15に供給され、A/D変換回
路13〜15では、輝度信号Yと2つの色差信号(B−
Y),(R−Y)がそれぞれディジタル信号に変換され
て、メモリ16,17,18に出力される。また、書込
クロックWCPは書込制御回路23にも供給され、この
書込クロックWCPに基づいて、メモリ16,17,1
8への書込用のクロックが生成される。書込制御回路2
3には、書込クロックWCP以外に、パルス生成回路2
2で生成された水平同期信号HS1 と垂直同期信号VS
1 が供給され(図示略)、書込用クロックの制御信号と
して用いられる。そして、ディジタル化された上記の標
準NTSC信号(輝度信号と2つの色差信号)は、書込
用クロックに従って、標準NTSC信号の各フィールド
毎にライン単位で、メモリ16,17,18に逐次書き
込まれる。
【0021】一方、パルス生成回路22において生成さ
れた上記の読取クロックRCPは、読取制御回路24に
供給され、読取制御回路24は、この読取クロックRC
Pに基づいてメモリ16,17,18への読取用クロッ
クを生成する。また、読取制御回路24には、パルス生
成回路22で生成された倍速水平同期信号HD1 と倍速
垂直同期信号VD1 が供給され(図示略)、読取用クロ
ックの制御信号として利用される。そして、各メモリに
書込まれた上記の標準NTSC信号は、上記の読取用ク
ロックに従って、各フィールド毎に1ライン単位で逐次
読み取られて、信号処理回路19に出力される。
【0022】ここで、上記の書込用クロックWCPと読
取用クロックRCPの周波数の比は、次の(式1)で与
えられる。
【0023】 fR /fW =1051/525≒2.0 ・・・ (式1) すなわち、メモリ16,17,18からは、元の標準N
TSC信号をライン単位でほぼ1/2に時間軸圧縮した
信号(以下、これを倍速NTSC信号と称する)が出力
され、その水平走査周波数は、上記の倍速水平同期信号
HD1 の周波数は、fH =(1051/525)×fH1
=31.50kHzで与えられる。これより、倍速NT
SC信号fH と元の水平走査周波数fH1との比は、次の
(式2)で与えられ、倍速NTSC信号fH は、元の水
平走査周波数fH1のほぼ2倍となる。
【0024】 fH /fH1=1051/525≒2.0 ・・・ (式2) 信号処理回路19は、以上のようにして各メモリ16,
17,18から読み取られた倍速NTSC信号に、後述
する画質改善のための信号処理を施し、その処理結果を
アナログ信号に変換して出力する。そして、輝度信号Y
に基づいた、メモリ16の出力は、倍速化輝度信号Y1
として信号切換回路20に供給され、また、2つの色差
信号(B−Y),(R−Y)に基づいた、メモリ17,
18の出力は、倍速化色信号C1 ,C2 として信号切換
回路20に供給される。
【0025】一方、信号切換回路20と偏向切換回路4
1には、標準テレビジョン信号の表示を指示する切換信
号SWが供給されており、信号切換回路20は、その切
換信号に従って、上記の倍速NTSC信号の各コンポー
ネント信号Y1 ,C1 ,C2を選択し、選択した信号に
マトリクス演算を施すことにより、倍速NTSC信号に
基づいた3原色信号R,G,Bを復号する。偏向切換回
路41では、切換信号SWに従って、パルス生成回路2
2からの垂直偏向パルスVD1 と水平偏向パルスHD1
が選択され、偏向系42に出力される。そして、偏向系
42では、偏向パルスVD1 ,HD1 に従った垂直偏向
と水平偏向が行われ、その結果、表示器50には、標準
テレビジョン信号に基づいたカラー画像が倍速で表示さ
れる。
【0026】なお、本実施例では、説明を簡略化するた
めに、色差信号と輝度信号のA/D変換用クロックとメ
モリへの書込用クロックとして、上記のクロックWCP
を共通に用いているが、通常、色差信号の占有帯域は、
輝度信号のそれよりも狭い(例えば、1/4の占有帯
域)ことから、その帯域の比に応じて、色差信号に関わ
るA/D変換用クロックと書込用クロックの周波数は、
輝度信号Yのそれよりも低く(例えば、fW /4の周波
数)してもよい。
【0027】次に、上記のメモリからのテレビジョン信
号の読取り動作と、それにより生成される倍速テレビジ
ョン信号について、図2と図3を用いて詳しく説明す
る。
【0028】図2は、走査の様子を示す図、図3は、フ
ィールド間の走査線構造を示す図である。図2と図3に
おいて、数字はライン番号を示している。また、図2
(a)の(イ)と図3(a)は、標準NTSC信号の走
査の様子を示し、図2の(b)は、この標準NTSC信
号のタイミングを示している。また、図2(a)の
(ロ)と図3(b)は、本実施例による倍速NTSC信
号の走査の様子を示し、図2の(c)は、この倍速NT
SC信号がメモリから読み取られるタイミングを示して
いる。
【0029】まず、標準NTSC信号は、図2(b)と
図3(a)に示すように、1フレームの期間(1/30
秒)内にN1 =525本、1フィールドの期間(1/6
0秒)内に262.5本の走査線を含む。すなわち、標
準NTSC信号の第1フィールドには1番目から263
番目のラインが含まれ、次の第2フィールドには263
番目から525番目のラインが含まれる。これに対し、
本実施例による倍速NTSC信号は、図2(c)と図3
(b)に示すように、フィールド周期が標準NTSC信
号の1/2(1/120秒)に変換されるため、標準N
TSC信号の1フレーム期間内に4つのフィールドを含
み、各フィールド期間に262.75本、計1051本
の走査線を含む。
【0030】すなわち、図2(c)に示すように、この
倍速NTSC信号の第1フィールドの期間では、標準N
TSC信号の第1フィールドの1番目から263番目の
ラインの信号が倍速でメモリから読み取られて、1番目
から263番目のラインの信号として出力され、それに
続く次の第2フィールドの期間では、再度、上記の第1
フィールドの1番目から263番目のラインの信号が読
み取られて、1’番目から263’番目のラインの信号
として出力される。次の第3フィールドの期間では、上
記標準NTSC信号の第2フィールドの264番目から
525番目のラインの信号が倍速でメモリから読み取ら
れて264番目から525番目のラインの信号として出
力され、それに続く次の第4フィールドの期間では、再
度、上記標準NTSC信号の第2フィールドの264番
目から525番目のラインの信号が読み取られて26
4’番目から525’番目のラインの信号として出力さ
れる。このとき、第3フィールドと第4フィールドの境
目では、適宜、任意の信号(例えば、上記標準NTSC
信号の263番目のラインの信号)が読み取られて26
3”のラインの信号として出力される。ここで、上記の
各メモリ16,17,18からのライン信号の読み取り
は、前述したように、パルス生成回路22にて生成され
た倍速水平同期信号HD1 と倍速垂直同期信号VD1 に
より制御されるため、確実に、図2(c)に示したよう
な所望の倍速NTSC信号を得ることができる。この倍
速水平同期信号HD1 と倍速垂直同期信号VD1 の波形
の一例をそれぞれ図2(d)と図2(e)に示す。
【0031】以上より、本実施例で得られる倍速信号の
水平走査周波数fH と垂直走査周波数fV の間には、走
査線数をNとすると、一般に次の関係式が成立する。
【0032】 fH =N×fV /4 ・・・ (式3) ところで、上記の標準NTSC信号の走査線構造は、図
3の(a)に示すように、1/60秒のフィールド間
で、垂直方向に1/2ラインずれて、2フィールドで完
結するようなインターレース走査構造となるため、垂直
方向の走査線間隔はフィールド間で1/525となる。
これに対し、上記の倍速NTSC信号の走査線構造は、
図3の(b)に示すように、1/120秒のフィールド
間で、垂直方向に1/4ラインづつずれて、4フィール
ドで完結するような走査構造となるため、垂直方向の走
査線間隔はフィールド間で1/1051となり、上記標
準NTSC信号に比べて走査線間隔は約1/2に縮めら
れる。すなわち、本実施例による走査線の変換方法は、
時間軸方向にフィールドを補間して1フレーム当りのフ
ィールド数を2倍にするとともに、補間するフィールド
を垂直方向に1/4ラインづつずらしているため、1フ
レーム当りのライン数を2倍したのと同様な作用効果を
もたらす。
【0033】なお、隣接する2つのフィールドの境目
は、いずれも画像表示する場合の帰線消去の無効期間に
なるため、これらの境目の前後の1ラインないし複数ラ
インの期間に渡って、メモリからの信号の読み取りを一
時的に休止させるなどして、信号の出力されないいわゆ
るブランキング期間を形成するようにしてもよい。
【0034】また、上記の信号処理回路19において、
補間されるフィールドの前後に表示される2つのフィー
ルドの信号を用いて、補間されるフィールドの信号を生
成するようにしてもよい。例えば、図3(b)に破線で
示される、補間した第2フィールドの信号(1’,2’
・・・)として、同図の矢印に示すように、第1フィー
ルドの信号と第3フィールドの信号とを加算平均した信
号を用いるようにしてもよい。この方法によれば、垂直
方向に帯域制限する作用を生じるため、折り返しに伴う
ラインフリッカなどの妨害を低減させることができ、し
たがって、画質を改善させることができる。
【0035】次に、上記の倍速NTSC信号による表示
画像の画質改善について説明する。
【0036】図4は、映像信号の2次元スペクトルを示
した図であり、図4の(a)は標準NTSC信号、図4
の(b)は倍速NTSC信号を示す。なお、図4におい
て、横軸は時間周波数(λ)を、縦軸は垂直空間周波数
(ν)を表わし、破線で囲った部分は、ハイビジョンテ
レビなどのように大型化され高輝度化、高精細化された
テレビ受像機において表示される領域を示している。
【0037】図4の(a)に示すように、標準NTSC
信号では、(λ,ν)=(0,525)に現れるスペク
トルにより生じる走査線妨害(走査線構造が見える妨
害)、(60,0)に現れるスペクトルにより生じるフ
リッカー妨害(大面積の部分でちらつきが生じる妨
害)、さらには、(30,0)の近傍に折り返る妨害
(ラインフリッカー)などにより、様々な画質劣化を生
じてしまう。これに対し、倍速NTSC信号では、
(0,525)のスペクトルは消滅されるため、上記の
走査線妨害は除去され、これにより、走査線が目立たな
くなり、画像につやが出て質感が高められる。また、
(60,0)のスペクトルも消滅されるため、上記のフ
リッカー妨害が除去され、ちらつきがなくなって視覚的
に安定した画像が得られる。さらには、前述した走査線
補間による垂直方向の帯域制限効果により、(30,
0)の近傍に折り返る妨害も低減され、ラインフリッカ
ーなどが改善される。以上のように、本実施例によれ
ば、標準テレビジョン信号を倍速NTSC信号に変換す
ることにより、表示画像の画質を大幅に改善させること
ができる。
【0038】次に、上記のパルス生成回路22の具体例
を、図5を用いて説明する。
【0039】図5の(a)には、上記の第1のPLL回
路の構成例が示され、図5の(b)には、上記の第2の
PLL回路と第3のPLL回路の構成例が示されてい
る。
【0040】同図(a)において、101は上記のバー
スト信号BS1 の入力端子、102は上記の書込クロッ
ク信号WCPの出力端子、103は上記の色副搬送波信
号SCの出力端子、111は位相比較器、112は1
4.32MHzで発振する第1の電圧制御発振器(VC
O)、113は分周器、114は位相調整器である。図
の構成において、発振器112の出力は、分周器113
で1/4に分周されてから、位相比較器111において
端子101からのバースト信号BS1 と位相比較され
る。この位相比較器111からの出力により、発振器1
12は電圧制御され、その結果、発振器112では、バ
ースト信号BS1 に位相同期した、周波数がfW =4×
fSCの書込クロック信号WCPが生成され、端子102
に出力される。これにより、分周器113では、周波数
がfSCの周期信号が得られ、その出力は位相調整器11
4において、端子101からのバースト信号BS1 に位
相同期化され、かつ適宜位相調整されてから、色副搬送
波信号SCとして端子103に出力される。
【0041】同図(b)においては、第2の電圧制御発
振器212で構成される第2のPLL回路と、第3の電
圧制御発振器312で構成される第3のPLL回路とが
縦続に接続されている。この構成で、まず、周波数12
5.99kHzで発振される発振器212の出力は、分
周器213で1/1051に分周され、さらに分周器2
14で1/2に分周されてから、位相比較器211おい
て、端子201からの垂直同期信号VS1 と位相比較さ
れる。この位相比較器211の出力により、発振器21
2は電圧制御され、その結果、発振器212からは、周
波数が4×fV1で、垂直同期信号VS1 に位相同期した
信号が生成される。これにより、分周器213からは、
周波数fV =4×fV1 /1051の信号、すなわち、
倍速垂直同期信号VD1 が生成され、その出力は位相調
整器215において、端子201からの垂直同期信号V
S1 に応じて、適宜位相調整されてから端子202に出
力される。また、発振器212の出力は、分周器216
にも出力され、そこで1/4に分周される。したがっ
て、この分周器216からは周波数がfH の信号、すな
わち倍速水平同期信号HD1 が生成され、その出力は位
相調整器217において、位相調整器215からの倍速
垂直同期信号VD1 に応じて、適宜位相調整されてから
端子203に出力される。一方、周波数28.66MH
zで発振する発振器312の出力は、分周器313で1
/910に分周されてから、位相比較器311で分周器
216からの出力と位相比較される。そして、この位相
比較器311からの出力により、発振器312は電圧制
御され、その結果、発振器312からは、周波数がfR
=910×fH で、倍速水平同期信号HD1 に同期した
読取クロック信号RCPが生成され、端子302に出力
される。
【0042】以上からわかるように、パルス生成回路2
2で生成される倍速水平同期信号HD1 は、高精細テレ
ビジョン信号の水平同期周波数とほぼ等しい周波数とな
る。このため、本実施例の表示装置では、従来の装置の
ように偏向系42を各方式毎に個別に設ける必要はな
く、両方式で共用することができる。
【0043】なお、上記の書込クロック信号WCPは、
周波数fW =910×fH1(=14.32MHz)の関
係が成立することから、周波数fH1の水平同期信号HS
1 に基づいて生成するようにしてもよい。また、読取ク
ロック信号RCPは、fR =(1051/525)×f
W (=28.66MHz)の関係が成立することから、
周波数fW の上記書込クロック信号WCPに基づき生成
するようにしてもよいし、あるいは、fR =(4×10
51/525)×fSC(=28.66MHz)の関係が
成立することから、周波数fSCの上記バースト信号BS
1 (あるいは色副搬送波信号SC)に基づいて生成する
ようにしてもよいし、さらには、fR =(910×10
51/525)×fH1(=28.66MHz)の関係が
成立することから、周波数fH1の上記水平同期信号HS
1 に基づいて生成するようにしてもよいし、fR =(1
051×455)×fV1(=28.66MHz)の関係
が成立することから、周波数fV1の上記垂直同期信号V
S1 に基づいて生成するようにしてもよい。
【0044】次に、図1の信号処理回路19について詳
しく説明する。
【0045】図6は、信号処理回路19の具体的な構成
例を示す図、図7は、信号処理回路19の動作を説明す
るための波形図である。この信号処理回路19は、倍速
化輝度信号Y1 の垂直方向のレスポンスを高めて、見か
け上、垂直解像度を改善させるものである。
【0046】図6において、401はメモリ16からの
読取出力(すなわち倍速化された輝度信号Y)が入力さ
れる端子、402はこの信号処理回路19で信号処理さ
れた倍速化輝度信号Y1 が出力される端子、410は適
応処理回路、411,412は1ライン遅延回路、41
3はレベル制御回路、414はD/A変換回路である。
ここで、端子401からの倍速化輝度信号Yは、図7
(a)に示すように、第1フィールドではライン1,
3,5,7,9,…の輝度信号を含み、次の第2フィー
ルド(補間されるフィールド)では、この第1フィール
ドのラインをそのまま垂直方向に1/4ラインずらした
ものである、ライン1' ,3' ,5' ,7',9' …の
輝度信号を含む。また、次の第3フィールドではライン
2,4,6,8,10,…の輝度信号を含み、次の第4
フィールド(補間されるフィールド)ではこの第3フィ
ールドのラインをそのまま垂直方向に1/4ラインずら
したものである、ライン2' ,4' ,6' ,8' ,1
0' ,…の輝度信号を含む。
【0047】この端子401からの倍速化輝度信号Y
は、遅延回路411,412でそれぞれ1ラインの時
間、計2ラインの時間だけ遅延されてから、レベル制御
回路413で適宜レベルを制御され、さらにD/A変換
回路414でアナログ信号に変換されて、信号切換回路
20に出力される。適応処理回路410では、フィール
ド毎に処理が切り換えられ、第1フィールドと第3フィ
ールドでは、レベル制御の停止を指示する制御信号がレ
ベル制御回路413に出力される。また、補間される第
2フィールドと第4フィールドでは、適応処理回路41
0において、遅延回路411からの倍速化輝度信号Y
と、それに隣接する前後のラインの輝度信号(端子40
1からの信号x、遅延回路412からの信号z)との間
で、輝度レベルの差が、垂直方向の標本化画素毎に検出
され、その検出結果に応じた制御信号がレベル制御回路
413に出力される。
【0048】以上の動作において、適応処理回路410
は、まず、第2フィールドでは、ライン1' ,3' ,
5' ,7' ,9' ,…の各ラインにおいて、隣接する前
後2つのラインのそれぞれに対する垂直方向の画素毎の
レベル差を計算する。例えば、ライン3' (y)におい
ては、その1ライン前のライン1' (x)との差分(y
−x)と、1ライン後のライン5' (z)との差分(z
−y)をそれぞれ垂直方向の画素毎に計算する。そし
て、第1の判定条件として、この差分(y−x),(z
−y)が共に、正の値となって所定の正の値を超えてい
る場合には、そのライン(y)の画素の信号レベルを増
幅するように、レベル制御回路413を制御する。ま
た、第2の判定条件として、この差分(y−x),(z
−y)が共に負の値となって、その絶対値が共に所定の
正の値を越えている場合には、ライン(y)の画素の信
号レベルを減衰するように、レベル制御回路413を制
御する。さらに、第3の判定条件として、上記の第1お
よび第2の判定条件がいずれも満たされない場合には、
信号レベルを可変せずにそのまま、すなわちライン
(y)の画素の信号レベルを前値保持して出力するよう
に、レベル制御回路413を制御する。
【0049】次に、上記の適応処理を、図7に示す具体
例に則して説明する。
【0050】ライン4からライン6にかけて、垂直方向
に輝度レベルが黒レベルから白レベルに変化し、続いて
ライン7からライン9にかけて白レベルから黒レベルに
変化したとすると、標準テレビジョン信号に基づく波形
応答は、図7の(b)のようになる。すなわち、垂直方向
にライン4からライン6の1ライン分の時間間隔で立上
り、同じくライン7からライン9の1ライン分の時間間
隔で立下るような波形応答になる。これに対し、本実施
例では、倍速変換と、信号処理回路19の信号処理によ
り、その応答波形は図7の(c)のようになる。すなわ
ち、ライン4' からライン5' の1/2ライン分の時間
間隔で立上り、同じくライン7' からライン8' の1/
2ライン分の時間間隔で立下るような急峻な特性にな
る。
【0051】具体的には、図7の(c)において、例え
ば、ライン3' の信号に対しては、ライン3' (y)と
5' (z)の差分(z−y)が正の値となり、ライン
3' (y)と1' (x)の差分(y−x)がほぼゼロと
なることから、上記の第3の判定条件が適用され、これ
により、ライン3' の信号はそのまま前値保持されて
(すなわち、ライン3と同じ信号レベルで)出力され
る。これに続くライン5' に対しては、ライン5'
(y)と3' (x)の差分(y−x)が正の値となり、
ライン5' と7' (z)の差分(z−y)も正の値とな
ることから、上記の第1の判定条件が適用され、これに
より、ライン5' はレベル増幅されて出力される。さら
に、これに続くライン7' に対しては、ライン7'
(y)と5' (x)の差分(y−x)が正の値となり、
ライン7' (y)と9' (z)の差分(z−y)が負の
値となるため、再び第3の判定条件が適用されて、ライ
ン7' はそのまま前値保持して(すなわちライン7と同
じ信号レベルで)出力される。同様にして、第4フィー
ルドでは、ライン2' ,4' ,6' ,8' ,10' ,…
の各ラインにおいて、隣接する前後のラインに対するの
垂直方向の画素毎のレベル差が計算される。例えばライ
ン8' に対しては、ライン8' (y)と6' (x)の差
分(y−x)は負の値になり、ライン8' と10'
(z)の差分(z−y)も負の値になるため、上記の第
2の判定条件が適用されて、ライン8' はレベル減衰さ
れて出力される。これ以外の場合では、差分の一方がゼ
ロであったり、正の値あるいは負の値になってもその絶
対値が小さいために、上記の第3の判定条件が適用され
て、レベルは可変されずにそのまま出力される。
【0052】このように、信号処理回路19により、倍
速化輝度信号Y1 の波形応答が、立上り、立下りにおい
て急峻な特性になるため、垂直方向のレスポンスが大幅
に改善される。
【0053】なお、以上の具体例では、レベル制御を3
つの条件に応じて行う場合を示したが、本発明はこれに
限定されるものではない。上記の判定条件とレベル制御
をさらに細分化させてもよく、この場合、もっと滑らか
で急峻な望ましい波形応答を得ることができ、したがっ
て、一層の画質改善を図ることができる。
【0054】また、以上の具体例では、図1の信号処理
回路19が行う適応処理のうち、倍速化輝度信号Yに対
する処理のみを説明したが、本発明はこれに限定される
ものではない。図示はしないが、メモリ17,18から
の出力である倍速化色信号C1 ,C2 に対応して、信号
処理回路19に、上記と同様の構成要件を設ければ、色
信号の過渡特性をも改善できるようになり、したがっ
て、輝度解像度と共に色解像度を大幅に高めることがで
きるようになる。
【0055】また、この適応処理を、輝度信号と色信号
のいずれか一方にだけ施す場合には、この適応処理に伴
う信号の遅延(例えば、図6の例では2ライン分の時
間)によって、輝度信号と色信号の間にタイミングのず
れが生じる。この対策としては、適応処理のなされない
信号の、メモリからの読み取り出力を遅延させるような
遅延回路を、信号処理回路19に別途設けるようにして
もよいし、あるいは、適応処理のなされない信号のメモ
リからの読み取りタイミングを、読取制御回路24にお
いて遅らせるようにしてもよい。
【0056】なお、以上で説明した実施例では、倍速信
号の走査線数NをN=1051に定めた場合を示した
が、本発明はこれに限定されるものではない。この倍速
信号の走査線数Nは、標準信号の走査線数(N1 =52
5)を2倍した値の近傍の任意の奇数であればよく、例
えば、この走査線数Nを、高精細テレビジョン信号の走
査線数(N2 =1125)と同じ値にして、1フレーム
当り1125ラインの倍速信号に変換するようにしても
よい。この場合、走査線は1051本から1125本に
増加されるが、その増分の74本のラインについては、
無信号のブランキング期間(例えば、垂直ブランキング
期間)としてもよい。また、この場合には、垂直走査周
波数fV =119.88Hzは変化しないが、水平走査
周波数fHの方は、上記の(式3)よりfH =33.7
2kHzに増え、高精細テレビジョン信号の水平走査周
波数fH2=33.75kHzとほぼ同じ値になる。すな
わち、これにより、標準テレビジョン信号と高精細テレ
ビジョン信号を選択的に表示する場合の、両者の整合性
をさらに高めることができる。
【0057】また、アスペクト比が4:3の標準テレビ
ジョン信号を、上記のように、走査線数が元の2倍を越
える倍速テレビジョン信号に変換し、その倍速信号をア
スペクト比が4:3の表示器50(図1)で表示したと
すると、図8の(a)に示すように、走査線の増分に応
じて画面の上下部分が欠けた状態で、上下方向に縮小さ
れた画像が表示される。しかし、この場合でも、例え
ば、偏向系42において、表示画像を画面中央のライン
から垂直方向に拡大するような偏向を行えば、原画像に
忠実な、図形歪のない画像を再生することができる(同
図の(b)参照)。あるいは、増加したラインをブラン
キング期間として補間する代わりに、上記の信号処理回
路19において、表示画像を垂直方向に拡大するような
ライン補間の処理を行うようにすれば、垂直解像度を低
下させずに、図形歪のない画像を表示できるようにな
る。また、上記の倍速テレビジョン信号を、アスペクト
比が16:9の表示器50で表示したとすると、今度は
図8の(c)に示すように、画面の上下部分が欠けた状
態で、左右に大きく拡大された画像が表示される。この
場合でも、上記偏向系42において、例えば、表示画像
を画面の中心から垂直方向に拡大し、水平方向に縮小す
るような偏向を行えば、同図(d)に示すように上下の
無画部を無くし、かつ垂直と水平の両方向のゆがみを軽
減することができる。あるいは、上記の信号処理回路1
9において、垂直方向に拡大するようなライン補間の処
理を行い、同時に、水平方向に圧縮するような時間軸処
理を行うようにすれば、垂直解像度を低下させずに、図
形歪のない画像を表示できるようになる。
【0058】また、本実施例の表示装置では、標準テレ
ビジョン信号(NTSC信号)をコンポジット形式で入
力しているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、例えば、コンポーネント形式に変換されたテレビジ
ョン信号(輝度信号Yと2つの色信号C1 ,C2 )を入
力できるように表示装置を構成してもよい。
【0059】また、本実施例は、標準テレビジョン信号
としてNTSC信号を用いているが、これに限定される
ものではなく、例えば、日本国内で近い将来に放送が予
定されているED方式、欧州などで現在放送されている
PAL方式(あるいはPALプラス方式)やSECAM
方式、さらには米国などで現在放送が開始されているデ
ィジタル放送方式など、任意の標準テレビジョン信号に
適用できるものである。具体的には、1フレーム当りの
走査線数がN1 =625本のPAL方式やSECAM方
式などの標準テレビジョン信号を表示する場合には、こ
れらの標準テレビジョン信号の走査線を、1フレーム当
りの走査線数Nが元の走査線数N1 の2倍の近傍の奇数
(例えば、N=2×625+1=1251)となるよう
に変換すればよい。また、ED方式やPALプラス方式
やディジタル放送方式などの改良された標準テレビジョ
ン方式に基づく信号を表示する場合には、これらの信号
を復号する回路を設け、それにより復号した信号に上記
の倍速変換の処理を行うようにすればよい。これらいず
れの場合においても、上述した実施例と同様の効果が得
られる。
【0060】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明によれ
ば、高精細テレビジョン信号の表示が可能なディスプレ
イに、標準テレビジョン信号の表す画像を効率よく、か
つ、より高画質で表示する、表示装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る表示装置の構成を示す
図。
【図2】 図1におけるテレビジョン信号の波形とタイ
ミングを示す図。
【図3】 図1におけるテレビジョン信号の走査線の構
造を示す図。
【図4】 図1におけるテレビジョン信号の2次元スペ
クトルを示す図。
【図5】 図1のパルス生成回路22の構成例を示す
図。
【図6】 図1の信号処理回路19の構成例を示す図。
【図7】 図6の信号処理回路の動作を説明するための
図。
【図8】 図1の表示器50の表示例を示す図。
【符号の説明】
11 YC分離回路 12 色デコード回路 13,14,15 A/D変換回路 16,17,18 メモリ 19 信号処理回路 20 信号切換回路 21,31 同期分離回路 22,32 パルス生成回路 23 書込制御回路 24 読取制御回路 41 偏向切換回路 42 偏向系 50 表示器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィールド周波数がfV1、フレーム当りの
    走査線数がN1 、および、水平走査周波数がfH1(=N
    1 ×fV1/2)であるテレビジョン信号が表す画像を表
    示する表示装置であって、 前記テレビジョン信号を入力する信号入力手段と;前記
    信号入力手段からのテレビジョン信号の各フィールド間
    にそれぞれ補間される補間フィールドの信号を、当該補
    間フィールドに隣接するフィールドの信号に基づいて生
    成する手段と、前記補間フィールドの信号を構成する複
    数のライン信号の、それぞれのライン信号の画素値を、
    当該ライン信号と当該ライン信号に隣接する複数のライ
    ン信号との垂直方向の画素間のレベル差に応じて、表示
    画像の輪郭がよりシャープに表示されように補正する信
    号処理手段と、フィールド周波数fV が、前記テレビジ
    ョン信号のフィールド周波数の2倍(fV =2×fV1)
    であり、1フレームの期間における走査線数Nが、前記
    テレビジョン信号の1フレームの期間における走査線数
    の2倍の値の近傍の奇数値であり、かつ、水平走査周波
    数fH が、 fH =N×fV /4 で与えられる表示信号に、前記補間フィールドの信号を
    含むテレビジョン信号を変換する手段とを有する信号変
    換手段と;表示手段と;前記信号変換手段からの表示信
    号を、前記フィールド周波数fV と水平走査周波数fH
    で偏向して、前記表示手段に表示させる偏向系と;を備
    えることを特徴とするテレビジョン信号の表示装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のテレビジョン信号の表示
    装置であって、 前記信号処理手段は、 前記画素間の垂直方向のレベル差として、補正対象の画
    素の1ライン前の画素の値に対する、前記補正対象の画
    素の値の差を表す第1のレベル差と、前記補正対象の画
    素の値に対する、当該画素の1ライン後の画素の値の差
    を表す第2のレベル差を検出する検出手段と;前記第1
    および第2のレベル差が共に所定の正の値を越えること
    を判定する第1の判定条件と、前記第1および第2のレ
    ベル差が共に負の値となり、かつ、当該レベル差の絶対
    値が共に所定の正の値を越えることを判定する第2の判
    定条件と、前記第1および第2の判定条件のいずれにも
    該当しないことを判定する第3の判定条件とを用いて、
    前記第1の判定条件が満たされた場合には、前記補正対
    象の画素の値をより大きくし、前記第2の判定条件が満
    たされた場合には、前記補正対象の画素の値をより小さ
    くし、前記第3の判定条件が満たされた場合には、前記
    補正対象の画素の値を変化させない、処理手段と;を備
    えることを特徴とするテレビジョン信号の表示装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のテレビジョン信
    号の表示装置であって、 前記画素の値とは、当該画素の輝度レベルと色レベルの
    少なくとも一方を表すことを特徴とするテレビジョン信
    号の表示装置。
  4. 【請求項4】フィールド周波数がfV1、フレーム当りの
    走査線数がN1 、および、水平走査周波数がfH1(=N
    1 ×fV1/2)である第1のテレビジョン信号と、フィ
    ールド周波数がfV2、フレーム当りの走査線数がN2
    (N1<N2)、および、水平走査周波数がfH2(=N2
    ×fV2/2)である第2のテレビジョン信号を表示する
    装置であって、 前記第1のテレビジョン信号を入力する信号入力手段
    と;前記信号入力手段からのテレビジョン信号の各フィ
    ールド間にそれぞれ補間される補間フィールドの信号
    を、当該補間フィールドに隣接するフィールドの信号に
    基づいて生成する手段と、前記補間フィールドの信号を
    構成する複数のライン信号の、それぞれのライン信号の
    画素値を、当該ライン信号と当該ライン信号に隣接する
    複数のライン信号との垂直方向の画素間のレベル差に応
    じて、表示画像の輪郭がよりシャープに表示されように
    補正する信号処理手段と、フィールド周波数fV が、前
    記第1のテレビジョン信号のフィールド周波数の2倍
    (fV =2×fV1)であり、1フレームの期間における
    走査線数Nが、前記第1のテレビジョン信号の1フレー
    ムの期間における走査線数の2倍の値の近傍の奇数値で
    あり、かつ、水平走査周波数fH が、 fH =N×fV /4 で与えられる表示信号に、前記補間フィールドの信号を
    含む第1のテレビジョン信号を変換する手段とを有する
    信号変換手段と;表示手段と;前記第1のテレビジョン
    信号が表す画像の表示を行う場合に、前記信号変換手段
    からの表示信号を、前記フィールド周波数fV と水平走
    査周波数fH で偏向して前記表示手段に表示させ、前記
    第2のテレビジョン信号の表示を行う場合に、前記第2
    のテレビジョン信号を、前記フィールド周波数fV2と水
    平走査周波数fH2で偏向して前記表示手段に表示させる
    偏向系と;を備えることを特徴とするテレビジョン信号
    の表示装置。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のテレビジョン信号の表示
    装置であって、 前記画素間の垂直方向のレベル差として、補正対象の画
    素の1ライン前の画素の値に対する、前記補正対象の画
    素の値の差を表す第1のレベル差と、前記補正対象の画
    素の値に対する、当該画素の1ライン後の画素の値の差
    を表す第2のレベル差を検出する検出手段と;前記第1
    および第2のレベル差が共に所定の正の値を越えること
    を判定する第1の判定条件と、前記第1および第2のレ
    ベル差が共に負の値となり、かつ、当該レベル差の絶対
    値が共に所定の正の値を越えることを判定する第2の判
    定条件と、前記第1および第2の判定条件のいずれにも
    該当しないことを判定する第3の判定条件とを用いて、
    前記第1の判定条件が満たされた場合には、前記補正対
    象の画素の値をより大きくし、前記第2の判定条件が満
    たされた場合には、前記補正対象の画素の値をより小さ
    くし、前記第3の判定条件が満たされた場合には、前記
    補正対象の画素の値を変化させない、処理手段と;を備
    えることを特徴とするテレビジョン信号の表示装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載のテレビジョン信号の表示
    装置であって、 前記信号変換手段は、前記補間フィールドの信号を含む
    第1のテレビジョン信号を、前記第1のテレビジョン信
    号の1フレームの期間内で走査線数Nが前記第2のテレ
    ビジョン信号の走査線数N2 の近傍の奇数値(N≒N2
    )となる表示信号に変換する手段を備えることを特徴
    とするテレビジョン信号の表示装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のテレビジョン信号の表示
    装置であって、 前記画素の値とは、当該画素の輝度レベルと色レベルの
    少なくとも一方を表すことを特徴とするテレビジョン信
    号の表示装置。
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