JPH094583A - 冷凍サイクル用オイル分離器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧縮機から吐出するガス冷媒中に圧縮機内で
混入した潤滑用オイルを分離して効率よく圧縮機に戻す
冷凍サイクル用オイル分離器を提供する。 【構成】 圧縮機２の吐出側に連通する冷媒流入口６
と、凝縮器に連通する冷媒流出口７とを有し、内部には
多孔状部材１６とメッシュフィルター１７ｂを配置し、
吐出側配管８の側壁にオイル戻し用穴２０を設ける構成
とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷媒に混入したオイル
を分離することができる冷凍サイクル用オイル分離器に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】以下、図面を参照しながら、従来のオイ
ル分離器について説明する。図５，図６は実開昭５１−
１２０６２号公報に示されている冷凍機用オイル分離器
を示すもので、図５は冷凍機用オイル分離器を適用した
冷凍サイクルの説明図であり、図６は冷凍機用オイル分
離器の本体の断面図である。

【０００３】オイル分離器１は圧縮機２と凝縮器３との
間に配置されるもので、その構造を図６により説明す
る。４は圧縮機２からの吐出ガス冷媒が通過する管体
で、その内壁にはオイルに毛細管現象を生じさせる網状
部材５が装着されている。

【０００４】６は管体４に設けた冷媒流入口であり、７
は同じく管体４に設けた冷媒流出口である。冷媒流入口
６は圧縮機２の吐出側配管８に接続され、冷媒流出口７
は凝縮器３の入口側配管９に接続されている。１０は管
体４の冷媒流出口７の部分の下部に接続されたオイル出
口で、圧縮機２の吸入側配管１１にオイル戻し側配管１
２を介して接続されている。なお、１３はキャピラリチ
ューブ、１４は蒸発器を示す。

【０００５】上記構成においてその動作を説明する。圧
縮機２において冷媒は断熱圧縮されて高温高圧のガスと
なる。この高温高圧のガス冷媒は圧縮機２の潤滑用オイ
ルと混じった状態で吐出側配管８に吐出され、吐出側配
管８内の流れはオイルと冷媒の混合ガスであり、ガス冷
媒は吐出側配管８の中心部を流れ、オイルは吐出側配管
８の内側壁に沿って流れる。

【０００６】従って、管体４の内側壁に沿って網状部材
５を設けることにより、ガス冷媒の流れからオイルを網
状部材５により効率よく捕集することができ、オイルは
その後網状部材５内を毛細管現象で流れオイル出口１０
に集められ圧縮機２の吸入側に流れる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の手段では、オイル分離器１は管と網状部材５が密着
した構造になっているため、冷媒がガス化する際に分離
した油は管の壁面を伝わって流れるという特質を考慮し
たとき、オイルと冷媒との分離作用はオイル分離器１の
全域にわたり行われず、オイル出口１０の部分において
行われる。

【０００８】また、オイル分離器１が直管のためオイル
分離性能が低いものとなっている。この種の装置を設け
たことに伴って冷凍サイクルに設けた各機器の性能が低
下するという難点がある。

【０００９】本発明は、上記した点に鑑み圧縮機におい
てガス冷媒に混入したオイルをガス冷媒より効果的に分
離するようにした冷凍サイクル用オイル分離器を提供す
ることを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１記載に係る発明
は、圧縮機の吐出側に連通する冷媒流入口と、凝縮器に
連通する冷媒流出口とを相対する端部に有し、その内部
には冷媒流入口側に毛細管現象を生じさせオイルが浸透
する多孔状部材を配置し、冷媒流出口側にオイルを付着
させるためのメッシュフィルターを配置し、前記多孔状
部材に貫通した圧縮機の吐出側配管の側壁であって冷媒
流入口に近接した位置にオイル戻し用穴を設けた構成と
したものである。

【００１１】また、請求項２記載に係る発明は、請求項
１記載に係る発明において、多孔状部材とメッシュフィ
ルターとの間に前記のメッシュフィルターと別の多層の
メッシュフィルターを配設する構成としたものである。

【００１２】また、請求項３記載に係る発明は、請求項
１または２記載に係る発明において、多孔状部材とメッ
シュフィルターとの間にオイルを付着させるための金属
繊維を挿入する構成としたものである。

【００１３】

【作用】請求項１記載に係る発明の作用は、冷凍サイク
ル用オイル分離器に冷媒流入口から流入したガス冷媒と
圧縮機で混入した潤滑用オイルとが多孔状部材に接触し
て毛細管現象によってオイルが付着し、さらに冷媒流出
口側にあるメッシュフィルターにガス冷媒が接触して混
入しているオイルはより効果的に除去されて分離器の内
壁を伝わって流下し圧縮機の吐出側配管の側壁にあるオ
イル戻し用穴を通って吐出側配管を通じて圧縮機に戻
る。

【００１４】また、請求項２記載に係る発明の作用は、
前記請求項１記載に係る発明の作用に加えて多重のメッ
シュフィルターにより、一層よくオイルがガス冷媒から
分離される。

【００１５】また、請求項３記載に係る発明の作用は、
前記請求項１または２記載に係る発明の作用に加えて、
多孔状部材とメッシュフィルター間に挿入した金属繊維
によってガス冷媒に混入しているオイルはより効果的に
ガス冷媒から分離して圧縮機に戻すことになる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照しながら説明する。なお、従来と同一部品は同一符号
を付けその詳細な説明は省略する。

【００１７】図４は本発明の冷凍サイクル用オイル分離
器を採用した冷凍サイクルを示す説明図で、２は圧縮
機、１５はオイル分離器、３は凝縮器、１３はキャピラ
リチューブ、１４は蒸発器であり、オイル分離器１５は
圧縮機２と凝縮器３との間に配置されるものである。

【００１８】（実施例１）図１により本発明の実施例１
について説明する。１５は圧縮機２の吐出ガス冷媒が通
過する筒状のオイル分離器で、その内部には毛細管現象
を生じさせオイルが浸透する多孔状部材１６が挿入さ
れ、その内部にはオイルを付着させるためのメッシュフ
ィルター１７ａ，１７ｂが挿入されオイルを付着させオ
イルが壁面を伝わって流れる特質を生かすとともに冷凍
サイクル内へのゴミ等の侵入を防止している。

【００１９】オイル分離器１５に設けられた冷媒流入口
１８は図４に示す圧縮機２の吐出側配管８に接続され、
冷媒流出口１９は凝縮器３の入口側配管９に接続されて
いる。２０はオイル分離器１５の内部に挿入された圧縮
機２の吐出側配管８に開けられたオイル戻し用穴で、圧
縮機２にオイルを戻している。

【００２０】上記構成においてその動作を説明する。圧
縮機２において冷媒は圧縮され高温高圧のガスとなり、
この高温高圧のガスは圧縮機２内の潤滑用オイルと混じ
った状態で吐出側配管８に吐出され、吐出側配管８内の
流れはオイルとガス冷媒の混合流でありガス冷媒は吐出
側配管８よりオイル分離器１５に流れ、オイル分離器１
５内の構成部材によりオイルとガスが分離され、ガスは
冷媒流出口１９より凝縮器３へと流れオイルはオイル分
離器１５の内側壁に沿って流れオイル分離器１５の下部
のオイル溜り２１に効率よく集めることができ、圧縮機
２に戻す。

【００２１】（実施例２）次に本発明の実施例２につい
て図２により説明する。１５は圧縮機２の吐出ガス冷媒
が通過するオイル分離器で、その内部にはオイルが浸透
する多孔状部材１６が挿入され、その内部にはオイルを
付着させるためのメッシュフィルター１７ａ，１７ｂ，
１７ｃ，１７ｄが多層に挿入されオイルを付着させると
ともに冷凍サイクル内へのゴミ等の侵入を防止してい
る。

【００２２】オイル分離器１５に設けられた冷媒流入口
１８は図４に示す圧縮機２の吐出側配管８に接続され、
冷媒流出口１９は凝縮器３の入口側配管９に接続されて
いる。２０はオイル分離器１５の内部に挿入された圧縮
機２の吐出側配管８に開けられたオイル戻し用穴で、圧
縮機２にオイルを戻している。

【００２３】上記構成においてその動作を説明する。圧
縮機２において冷媒は圧縮され高温高圧のガスとなり、
この高温高圧のガスは圧縮機２内の潤滑用オイルと混じ
った状態で吐出側配管８に吐出され、吐出側配管８内の
流れはオイルとガス冷媒の混合ガス冷媒であり、ガス冷
媒は吐出側配管８よりオイル分離器１５に流れ、オイル
分離器１５内の構成部材によりオイルとガスが分離さ
れ、ガスは冷媒流出口１９より凝縮器３へと流れオイル
はオイル分離器１５の内側壁に沿って流れオイル分離器
１５の下部のオイル溜り２１に効率よく集めることがで
き、圧縮機２に戻す。

【００２４】（実施例３）図１により本発明の実施例３
について説明する。１５は圧縮機２の吐出ガス冷媒が通
過するオイル分離器で、その内部にはオイルが浸透する
多孔状部材１６が挿入され、その内部にはオイルを付着
させるための金属繊維２２を挿入してある。

【００２５】また、最上部にはメッシュフィルター１７
ａがあり冷凍サイクル内へのゴミ等の侵入を防止してい
る。

【００２６】オイル分離器１５に設けられた冷媒流入口
１８は図４に示す圧縮機２の吐出側配管８に接続され、
冷媒流出口１９は凝縮器３の入口側配管９に接続されて
いる。２０はオイル分離器１５の内部に挿入された圧縮
機２の吐出側配管８に開けられたオイル戻し用穴で、圧
縮機２にオイルを戻す。

【００２７】上記構成においてその動作を説明する。圧
縮機２において冷媒は圧縮され高温高圧のガスとなり、
この高温高圧のガスは圧縮機２内の潤滑用オイルと混じ
った状態で吐出側配管８に吐出され、吐出側配管８内の
流れはオイルとガス冷媒の混合ガス流であり、このガス
冷媒は吐出側配管８よりオイル分離器１５に流れ、オイ
ル分離器１５内の構成部材である多孔状部材１６と金属
繊維２２によりオイルとガスが分離され、ガスは冷媒流
出口１９より凝縮器３へと流れオイルはオイル分離器１
５の内側壁に沿って流れオイル分離器１５の下部のオイ
ル溜り２１に効率よく集めることができ、圧縮機２に戻
す。多孔状部材１６とメッシュフィルター１７ａとの間
にある金属繊維２２の存在によりガス冷媒からオイルを
より効率よく分離することができる。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本発明の冷凍サイク
ル用オイル分離器によれば、冷凍サイクルの配管系とし
て用いられるから特別の設置場所を必要とせず、冷媒抵
抗がないので下流側に設けた機器に与える影響が少なく
機器の性能を低下させることなく、ガス冷媒からオイル
を効果的に分離してそのオイルを圧縮器に戻すことがで
きる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１における冷凍サイクル用オイ
ル分離器の断面図

【図２】本発明の実施例２における冷凍サイクル用オイ
ル分離器の断面図

【図３】本発明の実施例３における冷凍サイクル用オイ
ル分離器の断面図

【図４】本発明の冷凍サイクル用オイル分離器を適用し
た冷凍システムの説明図

【図５】従来のオイル分離器を適用した冷凍システムの
説明図

【図６】従来のオイル分離器の一部断面図

【符号の説明】

２ 圧縮機 ３ 凝縮器 １５ オイル分離器 １６ 多孔状部材 １７ａ，１７ｂ，１７ｃ，１７ｄ メッシュフィルター １８ 冷媒流入口 １９ 冷媒流出口 ２０ オイル戻し用穴 ２１ オイル溜め ２２ 金属繊維

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧縮機の吐出側に連通する冷媒流入口
   と、凝縮器に連通する冷媒流出口とを相対する端部に有
   する冷凍サイクル用分離器であって、その内部には冷媒
   流入口側に毛細管現象を生じさせオイルが浸透する多孔
   状部材を配置し、冷媒流出口側にオイルを付着させるた
   めのメッシュフィルターを配置し、前記多孔状部材に貫
   通した圧縮機の吐出側配管の側壁であって冷媒流入口に
   近接した位置にオイル戻し用穴を設けた冷凍サイクル用
   オイル分離器。
2. 【請求項２】 多孔状部材とメッシュフィルターとの間
   に前記のメッシュフィルターと別の多層のメッシュフィ
   ルターを配設した請求項１記載の冷凍サイクル用オイル
   分離器。
3. 【請求項３】 多孔状部材とメッシュフィルターとの間
   にオイルを付着させるための金属繊維を挿入した請求項
   １または２のいずれかに記載の冷凍サイクル用オイル分
   離器。